JPH08159276A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH08159276A
JPH08159276A JP29842094A JP29842094A JPH08159276A JP H08159276 A JPH08159276 A JP H08159276A JP 29842094 A JP29842094 A JP 29842094A JP 29842094 A JP29842094 A JP 29842094A JP H08159276 A JPH08159276 A JP H08159276A
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JP
Japan
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shift
speed
curve
deceleration
vehicle
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Application number
JP29842094A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohisa Kobayashi
浩久 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カーブ走行時に運転者の意図に適合した適正な
変速段に変速制御する。 【構成】減速要求が発生すると(S40:F1 =1)、ス
ロットル開度TVO と車速VSP とに基づく第1の要求変速
段と(S46)、スロットル操作速度ΔTVO と車速VSP と
に基づく第2の要求変速段と(S42)、加速度ΔVSP と
車速VSP に基づく第3の要求変速段と(S43)のうちの
最低速段に変速する(S47)。一方、前記減速要求状態
からカーブ走行(S41:F2 =1)に移行すると、カー
ブ走行中に変速段を保持させる。ここで、変速段が保持
されるカーブ走行中に新たな減速要求が発生すると、カ
ーブ終了後も前記変速段の保持状態を所定時間継続させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に関し、特にカーブ走行時において運転者の意図に対
応する変速段に変速させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用の自動変速機において
は、車両の走行状態に応じて予め設定された変速パター
ンに基づいて変速段が選択され、該選択された変速段に
変速される構成となっている。即ち、スロットル開度で
代表されるエンジン負荷と車速とに応じて変速段を記憶
した変速パターンを、制御部の記憶手段に予め記憶させ
ておき、そのときの車速及びスロットル開度に対応する
変速段を前記変速パターンから読み取り、該読み取った
変速段に基づいて変速が制御されるようになっている。
【0003】前記変速パターンは、車速が同じであれ
ば、エンジン負荷(スロットル開度)が小さい程、シフ
トアップされる傾向となるように設定されるのが一般的
であった。従って、例えばカーブ進入時に、運転者がス
ロットル(アクセル)を全閉に急激に戻す操作を行う
と、運転者は減速を要求しているにも関わらず、前記変
速パターンに従って逆にシフトアップがなされてしま
い、運転者の減速要求に対して充分なエンジンブレーキ
が得られないという問題がある。
【0004】かかる問題を解消すべく、例えば特開平3
−117776号公報には、スロットル開度変化率によ
りシフトアップを禁止し、かつ、前記シフトアップ禁止
中の横加速度に応じてシフトチェンジを禁止する変速制
御装置が開示されている。具体的には、図11に示すよう
に、スロットルを閉じる操作(減速操作)が行われると
シフトアップの禁止状態となり、かかる状態から車両が
カーブ走行状態になると(横加速度が所定値以上になる
と)、更にシフトダウンも禁止される状態となり、カー
ブ走行状態が終了しても(横加速が所定値以下になって
も)、その後所定時間はシフトチェンジが禁止される状
態をそのまま継続させる構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、減速してカ
ーブに進入して最初のカーブを通過した後、更に、連続
的に別のカーブにさしかかるような状況の場合には、最
初のカーブと次のカーブとの間において特にシフトアッ
プを禁止することは、次のカーブに備えたエンジンブレ
ーキを有効に作用させ、また、カーブ走行中のトラクシ
ョンを安定させることにもなる。従って、前述のように
カーブ検出終了後の所定時間においてもシフトチェンジ
を禁止する構成とすれば、連続的に次のカーブに進入す
るような場合に、変速段を適正に保持できることにな
る。
【0006】しかしながら、カーブが連続しないような
場合には、前述のように、カーブが終了しても所定時間
はシフトチェンジが禁止される構成であると、運転者が
意図するシフトタイミングよりも遅れてシフトチェンジ
されることになってしまうという問題がある。即ち、カ
ーブが連続しない場合に、通常運転者は、横加速度が発
生している状態からアクセルを踏み込んで加速に移ろう
とし、カーブ終了付近でのシフトチェンジを意図する。
これに対し、前記従来の変速制御では、カーブが一旦終
了しても、連続的に次のカーブに進入する場合も想定さ
れることから、カーブが実際に連続するか否かに関わら
ずカーブ終了後の所定時間においても継続的にシフトチ
ェンジを禁止するから、前記運転者の意図するシフトタ
イミングでのシフトチェンジが行われず、シフトタイミ
ングが運転者の要求タイミングから大きく遅れてしまう
ものである。
【0007】一方、カーブが連続する場合であっても、
図12に示すように、最初のカーブよりも次に進入するカ
ーブの旋回半径がより小さいような場合には、最初のカ
ーブの走行後に次のカーブに備えてより低速段に変速さ
せたい場合があるが、前記従来の変速制御では、カーブ
走行中及びカーブ終了後の所定時間においてシフトチェ
ンジが禁止されるから、結果的に、連続したカーブの場
合には、最初のカーブ進入時の変速段にそのまま保持さ
れることになってしまい、次のより旋回半径の小さなカ
ーブに備えてシフトダウンを行わせることができないと
いう問題もあった(図13参照)。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、カーブが連続するときに無用なシフトチェンジが
行われることを回避しつつ、単発カーブのときに運転者
の意図するシフトタイミングに大きく遅れることなくシ
フトチェンジを行えるようにすることを目的とする。ま
た、カーブが連続するときであって、運転者が次のカー
ブに備えたシフトダウンを意図するときに、かかる要求
に対応するシフトチェンジが行えるようにすることを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる自動変速機の変速制御装置は、図1に示すよう
に構成される。図1において、カーブ時変速段保持手段
は、カーブ走行検出手段で車両のカーブ走行状態が検出
されている間において、変速段を強制的に一定に保持す
る。
【0010】変速段保持継続手段は、前記カーブ時変速
段保持手段により変速段が保持されている間に、減速要
求検出手段により車両の減速要求状態が検出されたとき
にのみ、カーブ走行状態の検出終了後の所定期間だけ変
速段の保持を継続させる。請求項2の発明にかかる自動
変速機の変速制御装置では、前記変速段保持継続手段
が、前記カーブ時変速段保持手段により変速段が保持さ
れている間に、スロットル開度が所定以上になった後
に、前記減速要求検出手段により車両の減速要求状態が
検出されたことを条件として、カーブ走行状態の検出終
了後の変速段の保持を行う構成とした。
【0011】また、請求項3の発明にかかる自動変速機
の変速制御装置では、上記構成に加え、エンジン負荷,
車速,スロットル操作速度,車両の加速度をそれぞれ検
出する手段と、前記検出されたエンジン負荷と車速とに
基づいて第1の変速段要求を発生する第1の変速段要求
発生手段と、前記検出されたスロットル操作速度に基づ
いて第2の変速段要求を発生する第2の変速段要求発生
手段と、前記検出された車両の加速度に基づいて第3の
変速段要求を発生する第3の変速段要求発生手段と、前
記減速要求検出手段で減速要求状態が検出されていて、
かつ、前記カーブ走行検出手段で非カーブ走行状態であ
ることが検出されているときに、前記第1,第2及び第
3の変速段要求のうちの最低速段を変速段として変速制
御する減速用変速制御手段と、を備える構成とした。
【0012】また、請求項4の発明にかかる自動変速機
の変速制御装置は、図2に示すように構成される。図2
において、減速要求検出手段は、車両の減速要求状態を
検出する。また、減速用変速制御手段は、スロットル操
作速度と車両の加速度との少なくとも一方に基づいて減
速用の変速制御を行う。更に、カーブ時変速段保持手段
は、カーブ走行検出手段で車両のカーブ走行状態が検出
されている間において、変速段を強制的に一定に保持す
る。
【0013】ここで、カーブ終了時減速制御手段は、前
記カーブ時変速段保持手段により変速段が保持されてい
る間に、前記減速要求検出手段により車両の減速要求状
態が検出されたときに、カーブ走行状態の検出終了後の
所定期間において、前記減速用変速制御手段による減速
用の変速制御を行わせる。請求項5の発明にかかる自動
変速機の変速制御装置では、前記カーブ終了時減速制御
手段が、前記カーブ時変速段保持手段により変速段が保
持されている間に、スロットル開度が所定以上になった
後に、前記減速要求検出手段により車両の減速要求状態
が検出されたことを条件として、カーブ走行状態の検出
終了後の所定期間において、前記減速用変速制御手段に
よる減速用の変速制御を行わせる構成とした。
【0014】請求項6の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置では、エンジン負荷,車速,スロットルの操作
速度及び車両の加速度をそれぞれに検出する手段と、前
記検出されたエンジン負荷と車速とに基づいて第1の変
速段要求を発生する第1の変速段要求発生手段と、前記
検出されたスロットル操作速度に基づいて第2の変速段
要求を発生する第2の変速段要求発生手段と、前記検出
された車両の加速度に基づいて第3の変速段要求を発生
する第3の変速段要求発生手段と、を備え、前記減速用
変速制御手段が、前記第1,第2及び第3の変速段要求
のうちの最低速段を減速用の変速段として変速制御する
構成とした。
【0015】請求項7の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置では、前記カーブ走行検出手段が、車両の横加
速度に基づいて車両のカーブ走行状態を検出する構成と
した。請求項8の発明にかかる自動変速機の変速制御装
置では、前記減速要求検出手段が、スロットル開度,ス
ロットル操作速度,車両の加速度,ブレーキ操作の有無
のうちの少なくとも1つに基づいて減速要求状態を検出
する構成とした。
【0016】
【作用】請求項1の発明にかかる自動変速機の変速制御
装置によると、カーブ走行中には変速段を一定に保持
し、カーブ走行中における変速によって駆動力が急変す
ることを回避するが、かかるカーブ走行中に減速要求状
態が検出されると、カーブ走行終了後においても所定期
間だけ変速段の保持を継続させる。
【0017】即ち、カーブが連続する場合に、次のカー
ブに備えた減速要求が最初のカーブ走行中に生じるのが
一般的であるため、カーブ走行中に減速要求があったと
きには、連続カーブと見做して、カーブ走行状態が一旦
終了しても直ちに通常の変速制御に復帰するのではな
く、次に進入するカーブに備えて最初のカーブ走行中に
用いた変速段を所定時間保持させる。
【0018】一方、カーブ走行中に減速要求が発生しな
かったときには、カーブが単発で終了するものと判断
し、カーブ検出の終了と同時に保持状態を解除して変速
を許可することで、運転者が意図する変速タイミングに
大きく遅れることなく、変速が行われるようにする。請
求項2の発明にかかる自動変速機の変速制御装置による
と、カーブ終了後に変速段の保持を継続させるのは、カ
ーブ走行中にスロットル開度が所定以上になった後で減
速要求があったときに限定される。即ち、カーブ走行中
にスロットルを開いて加速したが、次のカーブに備えて
スロットルを絞って減速させた場合を想定し、連続カー
ブ走行状態をより的確に判別できるようにした。
【0019】請求項3の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、減速要求状態であってカーブ走行時
でないときに、エンジン負荷と車速とに基づく第1の変
速段要求(通常の変速段)と、スロットル操作速度に基
づく第2の変速段要求と、車両の加速度に基づく第3の
変速段要求とのうちの最低速段に基づき変速制御され
る。従って、カーブ手前での減速時には前記最低速段に
変速されてカーブに突入し、前記最低速段にカーブ中保
持されることになる。
【0020】請求項4の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、変速段の保持が行われるカーブ走行
中に減速要求が発生すると、カーブ終了後にスロットル
操作速度と車両の加速度との少なくとも一方に基づく減
速用の変速制御が実行される。前述のように、カーブ走
行中における減速要求の発生は、連続カーブ走行による
ものであると推定され、例えば次に迎えるカーブの旋回
半径がより小さい場合には、積極的にシフトダウンさせ
た方が好ましい場合がある。そこで、連続カーブと判断
されたときには、次のカーブに進入する前の段階で積極
的な低速段へのシフト制御を行わせて、次のカーブ走行
に対して適正な変速段に変速されるようにした。
【0021】請求項5の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、カーブ終了後に次のカーブに備えた
変速を行わせるのは、カーブ走行中にスロットル開度が
所定以上になった後で減速要求があったときに限定され
る。即ち、カーブ走行中にスロットルを開いて加速した
が、次のカーブに備えてスロットルを絞って減速させた
場合を想定し、連続カーブ走行状態をより的確に判別で
きるようにした。
【0022】請求項6の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、前記連続カーブ走行であると判断さ
れたカーブの終了時に行われる減速用の変速制御は、エ
ンジン負荷と車速とに基づく第1の変速段要求(通常の
変速段)と、スロットル操作速度に基づく第2の変速段
要求と、車両の加速度に基づく第3の変速段要求とのう
ちの最低速段に基づき行われる。
【0023】請求項7の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、カーブ走行中には車両に横加速度が
発生することを基づき、前記横加速度の発生の有無に基
づいてカーブ走行であるか否かを判別するものとした。
請求項8の発明にかかる自動変速機の変速制御装置によ
ると、車両が減速要求状態にあるか否かが、運転者の減
速意志を示すスロットル開度,スロットル操作速度或い
はブレーキ操作の有無や、実際の車両の加速度(減速
度)に基づいて判断される。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図3は、
本発明にかかる自動変速機の変速制御装置の実施例のシ
ステム構成図である。この図3において、図示しない車
両に搭載されたエンジン1の出力側には、自動変速機2
が設けられている。この自動変速機2は、エンジン1の
出力側に介在する流体式トルクコンバータ3と、この流
体式トルクコンバータ3を介してエンジン1に連結され
た歯車式変速機4と、この歯車式変速機4中の各種変速
要素の結合・開放操作を行う油圧アクチュエータ5とを
備えて構成される。
【0025】前記油圧アクチュエータ5に対する作動油
圧は図示しない各種の電磁バルブを介して制御され、自
動変速機コントロールユニット6は、前記各種の電磁バ
ルブのオン・オフの組み合わせによって目標の変速段に
変速させる。前記自動変速機コントロールユニット6に
は、各種のセンサからの信号が入力される。前記各種の
センサとしては、エンジン1の吸気系に介装されて図示
しないアクセルペダルに連動して開閉するスロットル弁
7の開度TVOを検出するスロットルセンサ8が設けら
れている。尚、本実施例では、前記スロットル開度TV
Oをエンジン負荷の代表値として用いるので、前記スロ
ットルセンサ8がエンジン負荷検出手段に相当すると共
に、スロットル操作速度検出手段をも構成する。
【0026】また、自動変速機2の出力軸の回転速度N
o を検出することによって車速VSPを検出する車速検
出手段としての車速センサ9が設けられている。尚、車
両の加速度を前記車速VSPの時間変化率に基づいて検
出するので、前記車速センサ9は加速度検出手段にも相
当する。更に、ブレーキの作用・非作動を示すブレーキ
スイッチ10、車両の横加速度(以下、横Gともいう。)
を検出するカーブ走行検出手段としての横Gセンサ11が
設けられている。
【0027】尚、車両の横Gは、前記横Gセンサ11によ
って検出する方法の他、コーナリング時の左右従動輪の
回転差に基づいて算出する方法であっても良い。具体的
には、トレッドをTr、右従動輪の回転数をNrr、左
従動輪の回転数をNrlとすると、回転半径Rは、R=
Tr(Nrr+Nrl)/{2|Nrr−Nrl|}と
して算出され、横加速度Gは、G=VSP2 /Rとして
算出される。
【0028】そして、自動変速機コントロールユニット
6は、前記各種のセンサからの信号に基づいて目標変速
段を決定し、かかる目標変速段に応じて前記電磁バルブ
をオン・オフさせる変速信号を出力し、自動変速機2に
おける変速動作を制御する。次に、図4〜図9のフロー
チャートに従って本発明にかかる自動変速制御の第1実
施例を説明する。尚、本実施例において、カーブ時変速
段保持手段,減速要求検出手段,変速段保持継続手段,
第1の変速段要求発生手段,第2の変速段要求発生手
段,第3の変速段要求発生手段,減速用変速制御手段と
しての機能は、前記図4〜図9のフローチャートに示す
ように、コントロールユニット6がソフトウェア的に備
えている。
【0029】図4〜図9のフローチャートに示される処
理内容の詳細な説明を行う前に、前記フローチャートに
示される変速制御の内容を概略述べる。第1実施例で
は、減速要求があると、エンジン負荷と車速とに基づい
て設定される変速段よりも低速段への積極的なシフトを
図るべく、スロットル操作速度及び加速度(減速度)に
基づいて減速用の変速制御を実行する。ここで、前記減
速要求がカーブ進入のためのものであって、減速動作に
続いてカーブ走行状態となると、前記減速用に制御され
た変速段をカーブ中に保持させる。
【0030】更に、カーブ走行中に次のカーブに備えた
ものであると推定される減速要求があると、カーブ終了
後も前記減速用変速段の保持状態を所定時間継続させ
る。一方、カーブ走行中に減速要求が無かった場合に
は、カーブが単発であると推定し、この場合にはカーブ
走行の終了と同時に通常の変速制御に復帰させて、カー
ブ脱出時に運転者の意図する変速タイミングに大きく遅
れることなく変速が行われるようにしている。
【0031】以下に、上記に概略説明した変速制御の内
容を図4〜図9のフローチャートに従って詳細に説明す
る。まず、ステップ1(図中ではS1としてある。以下
同様)では、各種センサからの検出信号の読み込みなど
の入力処理を行う。ステップ2〜ステップ10では、減速
要求の判別及び変速段の設定に用いるスロットル操作速
度ΔTVO1(スロットル開度TVOの時間変化率),
車両の加速度ΔVSP1(車速VSPの時間変化率)及
び車速VSP1の設定を行う。
【0032】ステップ2では、後述するように車両の減
速要求状態において1がセットされる減速要求フラグF
1 の判別を行い、このフラグF1 がφであるときには、
ステップ8〜ステップ10へ進んで、前記スロットル操作
速度ΔTVO1,加速度ΔVSP1,車速VSP1にそ
れぞれ最新データをセットする。一方、前記フラグF1
が1であるときには、更にステップ3へ進んで、後述す
るように車両のカーブ走行中に1がセットされるカーブ
走行フラグF2 の判別を行う。
【0033】そして、減速要求フラグF1 が1であっ
て、かつ、カーブ走行フラグF2 がφ(非カーブ走行状
態)であるときには、ステップ4へ進む。ステップ4で
は、前回設定した操作速度ΔTVO1と最新に算出され
た操作速度ΔTVOとのうちの小さい方を、今回の操作
速度ΔTVO1とする処理を行わせる。
【0034】前記操作速度ΔTVO1は、減速要求フラ
グF1 に1がセットされてから現時点までの操作速度Δ
TVOの最小値として設定されることになり、例えばス
ロットルを急閉操作してから全閉に保持されるような場
合には、前記急閉時の操作速度ΔTVOが、その後継続
的に保持されることになる。従って、急閉操作の後で全
閉に保持される状態であっても、スロットル操作速度Δ
TVO1に基づき設定される変速段として、より低速段
へのシフト要求が強い前記急閉操作に対応した低速段を
保持させることができ、スロットル操作が瞬時に行われ
る場合であっても確実にダウンシフトによるエンジンブ
レーキ効果が得られる。
【0035】また、同じステップ4では、減速要求フラ
グF1 に1がセットされてから現時点までの加速度ΔV
SPの最小値を、減速制御用の変速段設定に用いる加速
度ΔVSP1として設定する。これにより、急減速が行
われた直後に減速度が小さくなっても、前記急減速時の
要求変速段を継続的に保持でき、ダウンシフトによるエ
ンジンブレーキ効果が確実に得られる。
【0036】次のステップ5では、減速要求フラグF1
に1がセットされてから現時点までの車速VSPの最大
値を、減速制御用の変速段設定に用いる車速VSP1と
して設定する。これにより、高車速からの減速時には、
減速制御用に設定される変速段が比較的高速段側に保持
されることになり、過度にエンジンブレーキが作用する
ことを防ぐことができる。
【0037】一方、ステップ3でカーブ走行フラグF2
が1であると判別されると、ステップ6へ進み、前記フ
ラグF2 の前回値が1であった否かを判別することで、
カーブ走行に入った初回であるか否かを判別する。前記
フラグF2 の前回値がφである場合には、カーブ走行に
入った初回であることになり、このときには、ステップ
8〜10に進んで前記スロットル操作速度ΔTVO1,加
速度ΔVSP1,車速VSP1にそれぞれ最新データを
セットする。
【0038】また、ステップ6で前記フラグF2 の前回
値が1であったと判別されたときには、カーブ走行の継
続状態であり、このときには、ステップ7へ進み、カー
ブ走行中にスロットルが所定以上に開かれたときに1が
セットされるフラグF3 の判別を行う。そして、前記フ
ラグF3 がφであるときには、ステップ8〜10へ進ん
で、最新データをスロットル操作速度ΔTVO1,加速
度ΔVSP1,車速VSP1にそれぞれセットする。
【0039】一方、カーブ走行に入ってからスロットル
が所定以上に開かれて前記フラグF 3 に1がセットされ
るようになると、その後のスロットル操作速度ΔTVO
及び加速度ΔVSPの最小値及び車速VSPの最大値
を、前記ΔTVO1,ΔVSP1,VSP1にセットす
べく、ステップ4,5へ進む。ステップ11では、図示し
ないセレクトレバーによるシフトポジションが、全変速
段(本実施例では1速〜4速)に対する自動変速制御が
行われるDレンジであるか否かを判別する。
【0040】Dレンジであるときには、ステップ12へ進
み、車速VSPに応じて設定されるロードロード(Road
Load)相当のスロットル開度TVOと、最新に検出され
たスロットル開度TVOとを比較する。そして、スロッ
トル開度TVOがロードロード(Road Load)相当未満で
あるときには、ステップ13へ進み、前記スロットル操作
速度ΔTVO1が所定値(マイナスの値)以下であるか
否かを判別する。
【0041】前記スロットル操作速度ΔTVO(スロッ
トル開度TVOの時間変化率)は、スロットルの開方向
への変化をプラスとし、閉方向への変化をマイナスとし
て演算されるものとする。尚、前記スロットル操作速度
ΔTVO1と比較される所定値は、後述するようにスロ
ットル操作速度ΔTVO1と車速VSP1とに基づいて
設定される第2の要求変速段の特性に対応させて車速V
SP1に応じて変化させることが好ましい。
【0042】スロットル開度TVOがロードロード(Ro
ad Load)相当未満であって、かつ、スロットル操作速度
ΔTVO1が所定値以下であるときには、スロットルの
閉操作に伴う減速要求時であると判断し、ステップ16へ
進み、減速要求状態であるか否かを示すフラグF1 に減
速要求状態に対応する1をセットする。一方、前記ステ
ップ12,13の判別によっては減速要求状態であると判断
されない場合には、ステップ14へ進み、ブレーキスイッ
チ10のON・OFFを判別し、ブレーキスイッチ10がO
Nで運転者によってブレーキ操作されているときには、
ステップ15へ進む。
【0043】ステップ15では、車両の加速度ΔVSP1
(車速VSPの時間変化率)が所定値(マイナスの値)
以下であるか否かを判別する。前記加速度ΔVSPは、
車速VSPの最新検出値から所定時間前の検出値を減算
して演算されるものとし、車両の加速時にはプラスの値
として、減速時にはマイナスの値として算出されるもの
とする。従って、前記ステップ15における判別は、車両
の減速度が所定以上であるか否かを判別することにな
る。
【0044】尚、前記加速度ΔVSP1と比較される所
定値は、後述するように加速度ΔVSP1と車速VSP
1とに基づいて設定される第3の要求変速段の特性に対
応させて車速VSP1に応じて変化させることが好まし
い。ステップ15で、加速度ΔVSP1が所定値以下であ
ると判別されたときには、ブレーキ操作を伴って車両が
減速している状態であり、このときには、ステップ16へ
進み、前記減速要求フラグF1 に減速要求状態を示す1
をセットする。
【0045】即ち、前記減速要求フラグF1 は、スロッ
トル操作に基づいて減速要求(運転者の減速意志)が判
定されたときと、ブレーキ操作を伴って車両が減速して
いるときとの少なくとも一方で減速要求が判別されたと
きに1がセットされることになる。ステップ17では、前
記減速要求フラグF1 の判別を行い、減速要求フラグF
1に1がセットされているときには、ステップ18へ進
み、カーブ走行状態であるか否かを示すカーブ走行フラ
グF2 の判別を行う。
【0046】前記カーブ走行フラグF2 に非カーブ走行
状態を示すφがセットされているときには、ステップ19
へ進み、横Gセンサ11で検出される横G(横加速度)が
所定値以上であるか否かを判別する。ここで横Gが所定
値以上である場合には、カーブ走行中であると判断し
て、ステップ20で前記カーブ走行フラグF2 にカーブ走
行状態を示す1をセットする。
【0047】一方、前記カーブ走行フラグF2 に非カー
ブ走行状態を示すφがセットされていて、かつ、横Gが
所定値未満であると判別されたときには、ステップ21へ
進み、タイマT1 が所定値を越えたか否かを判別する。
そして、タイマT1 が所定値以下である場合には、ステ
ップ22へ進み、前記タイマT1 を1アップさせる。
【0048】また、タイマT1 が所定値を越えている場
合、即ち、減速要求状態が検出されて減速要求フラグF
1 に1がセットされてからの経過時間が所定時間を越え
たときには、ステップ38以降へ進んで、フラグF1 をゼ
ロリセットすると共に、前記タイマT1 をゼロリセット
する。かかるタイマT1 によるフラグF1 のゼロリセッ
ト処理によって、減速要求に対応する変速制御が必要以
上に継続されてシフトアップ制御が遅れることを防止す
る。即ち、前記フラグF1 に1がセットされているとき
には、後述するようにエンジンブレーキを効かせるため
の変速制御が実行されることになるが、かかる変速制御
を所定時間以上継続した後は、通常のエンジン負荷とス
ロットル開度とに基づく変速制御に復帰させ、減速終了
後にシフトアップがなかなか行われずに、運転者に違和
感を与えることを防止する。
【0049】一方、前記ステップ18で前記フラグF2
1がセットされていると判別されたときには、ステップ
23へ進み、横Gが所定値よりも小さくなっているか否か
を判別することで、カーブ走行の終了を判別する。尚、
カーブに対する進入判別のために実際の横Gと比較され
る所定値と、カーブ終了判別のために実際の横Gと比較
される所定値とのレベルを相互に異ならせる構成として
も良い。
【0050】ここで、横Gが前記所定値よりも大きくカ
ーブ走行が継続していると判断されるときには、ステッ
プ24へ進み、カーブ走行中にスロットル開度TVOが所
定値(ロードロード(Road Load)相当の開度)以上にな
ったか否かを示すフラグF3の判別を行う。そして、前
記フラグF3 がφである場合、即ち、今回のカーブ走行
中に未だ所定値以上のスロットル開度TVOになってい
ないと判断されるときには、ステップ25へ進み、そのと
きの車速に応じて設定されるロードロード(Road Load)
相当の開度R/LTVOと、最新の開度検出値TVOと
を比較する。
【0051】ここで、開度TVOが所定値R/LTVO
以上であるときには、ステップ26へ進み、前記フラグF
3 に1をセットする。このようにして、カーブ走行中に
運転者の加速意志を示す程度にスロットルが開操作され
て前記フラグF3 に1がセットされると、その後のカー
ブ走行状態においては、ステップ24からステップ27へ進
む。
【0052】ステップ27〜ステップ30では、前記ΔTV
O1,ΔVSP1、即ち、カーブ走行状態になりかつス
ロットルが開操作された後におけるスロットル操作速度
ΔTVO及び加速度ΔVSPの最小値を用い、前記ステ
ップ12〜15と同様にして減速要求状態の判別を行い、カ
ーブ走行中の減速要求が判別されたときには、ステップ
31でカーブ中減速要求フラグF4 に1をセットする。
【0053】即ち、カーブ走行中にスロットルが開操作
された後に減速要求が生じると、前記フラグF4 に1が
セットされることになる。ここで、ステップ23における
横Gの判別によってカーブ走行の終了が判別されると、
ステップ32へ進み、横Gが前記所定値よりも小さい状態
の判別初回であるか否か、即ち、カーブ終了検出の直後
であるか否かを判別する。
【0054】そして、初回であれば、ステップ33へ進
み、前記フラグF4 の判別を行う。前記フラグF4 に1
がセットされている場合には、カーブ走行中にスロット
ルを開いて加速しようとしたものの、その後、車両を減
速させたか或いは運転者が減速させようとする意志を示
したことになる。このような場合には、カーブが連続し
ているために、次のカーブに備えて運転者が車両の減速
を図った可能性が高い。そして、上記のような連続カー
ブ走行時においては、次のカーブに進入する前に通常の
変速制御に直ちに復帰させると無用なアップシフトが行
われてしまい、エンジンブレーキを有効に作用させるこ
とができないなどの問題が生じる。
【0055】そこで、ステップ33で、前記フラグF4
1がセットされていると判別されたときには、ステップ
34へ進んで、前記フラグF3 及びF4 のみをゼロリセッ
トし、次のステップ35では、前記タイマT1 及び後述す
るタイマT2 をゼロリセットする。従って、このとき前
記フラグF1 及びF2 はそれぞれ1のままである。そし
て、次回も横Gが前記所定値よりも小さい状態であれ
ば、ステップ32からステップ36へ進んで、カーブ走行終
了からの経過時間を計測するタイマT2 が所定値を越え
ているか否かを判別し、所定値を越えるまではステップ
37へ進んで前記タイマT2 をカウントアップさせ、ステ
ップ38における全フラグF1 〜F4 のゼロリセットを行
わず、前記フラグF1 及びF2 をそれぞれ1のまま保持
する。
【0056】前記フラグF1 及びF2 がゼロリセットさ
れないと、後述するように変速段の保持が行われること
になり、結果的に、連続カーブであると推定されるとき
には、一旦カーブ走行状態が終了しても変速段の保持状
態が継続され、実際に連続カーブであったときには、次
のカーブ走行が終了するまでの間変速段が保持され続け
ることになる。
【0057】一方、フラグF4 にφがセットされている
場合であって、カーブ走行中に次のカーブに備えたもの
と予測される減速動作がなかった場合、即ち、カーブが
単発であるが連続カーブの最後のカーブである場合に
は、ステップ33からステップ38及びステップ39へ進んで
各種フラグF1 〜F4 及びタイマT1,2 のゼロリセッ
トを行うことで、通常の変速制御に直ちに復帰させる。
従って、カーブ走行が終了したのに変速段の保持が継続
されてしまって、運転者の意図するタイミングで変速が
行われなくなってしまうことを回避できる。
【0058】ステップ40では、前記減速要求フラグF1
の判別を行い、フラグF1 に1がセットされているとき
には、更にステップ41へ進んでカーブ走行フラグF2
判別を行う。減速要求フラグF1 が1であって、かつ、
カーブ走行フラグF2 がφである場合、即ち、減速要求
があって然もカーブ走行中でない場合(例えばカーブ進
入前の減速時)には、ステップ42へ進み、スロットル操
作速度ΔTVO1と車速VSP1とに基づいて第2の要
求変速段(第2の変速段要求)を算出する。
【0059】前記ステップ42における要求変速段の算出
は、予めスロットル操作速度ΔTVO1と車速VSP1
とに応じて変速段を記憶したフローチャート中に示すよ
うなマップを参照して行われる。ここで、スロットル操
作速度ΔTVOがマイナス側に大きくなるほど(スロッ
トルの閉操作速度が大きいほど)より低速段が選択され
る特性となっており、更に、低車速側と高車速側とで
は、比較的高速側の変速段が選択されるようにしてあ
る。高車速側では、ダウンシフトによるエンジンブレー
キの効き過ぎや、オーバーレブの発生を回避すべく、比
較的高速段が選択されるようにしてあり、また、低車速
側では、ダウンシフトによるエンジンブレーキの効き過
ぎを回避し滑らかな停止を可能にすべく、比較的高速段
が選択されるようにしてある。
【0060】次のステップ43では、車両の加速度ΔVS
P1と車速VSP1とに基づいて第3の要求変速段(第
3の変速段要求)を算出する。前記ステップ43における
要求変速段の算出は、予め車両の加速度ΔVSPと車速
VSPとに応じて変速段を記憶したフローチャート中に
示すようなマップを参照して行われる。
【0061】ここで、加速度がマイナス側に大きくなる
ほど(車両の減速度が大きいほど)より低速段が選択さ
れる特性となっており、更に、前記ステップ42における
特性の同様に低車速側と高車速側とでは、比較的高速側
の変速段が選択されるようにしてある。更に、ステップ
46では、車速VSPとスロットル開度TVO(エンジン
負荷)とに基づいて、通常の変速段に相当する第1の要
求変速段(第1の変速段要求)を算出する。
【0062】前記ステップ46における要求変速段の算出
は、予め車速VSPとスロットル開度VSPとに応じて
変速段を記憶したフローチャート中に示すようなマップ
を参照して行われる。前記変速マップは、車速VSPが
同じであれば、スロットル開度(エンジン負荷)が小さ
い程、シフトアップされる傾向となるように設定され
る。
【0063】そして、ステップ47では、前記第1,第
2,第3の要求変速段を比較し、これらのうち最も低速
段である変速段を、最終的な目標変速段として設定し、
かかる目標変速段に変速されることでエンジンブレーキ
が効くようにする。ステップ48では、前記設定された目
標変速段に実際の変速位置を一致させるべく前記電磁バ
ルブに変速信号を出力する。
【0064】一方、ステップ40で減速要求フラグF1
φであると判別されたときには、ステップ44へ進んで、
第2の要求変速段として最高速段である4速を設定し、
次のステップ45では、第3の要求変速段として同じく最
高速段である4速を設定する。かかる最高速段の設定に
よって、ステップ47へ進んだときに、少なくとも第1の
要求変速段よりも低速段側に目標変速段が設定されるこ
とが回避され、実質的には、減速要求フラグF1 がφで
あるときには、第1の要求変速段に基づいて変速制御が
行われる。
【0065】また、ステップ41でカーブ走行フラグF2
に1がセットされていると判別されたときには、ステッ
プ42〜ステップ47をジャンプしてステップ48へ進むこと
で、目標変速段の更新が行われることがないようにす
る。即ち、減速要求フラグF1に1がセットされている
状態であっても、カーブ走行フラグF2 に1がセットさ
れると、それまでの変速段が保持され、カーブ走行中に
変速が行われて駆動力が変化することが回避され、カー
ブ走行時における走行安定性を確保できる。従って、カ
ーブ進入のための減速要求に伴って、通常よりも低速段
に制御されている状態でカーブに突入すると、前記低速
段に保持された状態でカーブ走行が行われる。
【0066】ここで、連続カーブであって、最初のカー
ブ走行中に減速要求が発生すると、前記フラグF4 に1
がセットされ、最初のカーブ走行状態が終了してから所
定時間が経過するまではフラグF1 〜F2 が1に保持さ
れるから、連続カーブの途中で無用なシフトアップが行
われることがない、連続カーブ走行時における変速段を
適正に保持できる。
【0067】一方、カーブが単発であること(若しくは
連続カーブの最後のカーブであること)が、前記フラグ
4 がφであることに基づいて判別されたときには、直
ちにフラグF1 〜F4 をゼロリセットして通常の変速制
御に復帰させるから、変速タイミングが運転者の意図に
対して遅れることがない。次に本発明にかかる自動変速
制御の第2実施例を説明する。
【0068】前記第1実施例では、連続カーブのときに
カーブ中及びカーブとカーブとの間で変速段の保持を行
わせる一方、カーブが連続しない場合には、カーブ終了
後直ちに通常の変速制御に復帰させる構成としたが、第
2実施例では、カーブ中に変速段の保持を行う一方、連
続カーブにおけるカーブとカーブとの間で次のカーブに
備えた低速段への変速が行われるよう構成している。
【0069】ここで、図10のフローチャートに従って、
前記第2実施例を詳細に説明する。尚、前記図10のフロ
ーチャートに示される第2実施例によれば、コントロー
ルユニット6は、カーブ終了時減速制御手段としての機
能を備えることになる。前記第2実施例を示す図10のフ
ローチャートは、第1実施例の制御ルーチンを示す図4
〜図9のフローチャートにおける図7のフローチャート
に示される処理部分に代えて実行されるものであり、図
10のフローチャートに示される処理部分以外は、前記図
4〜図6,図8及び図9のフローチャートと同様にして
処理される。従って、処理内容が異なる図10のフローチ
ャートに示される処理部分を中心として説明する。
【0070】第2実施例では、カーブ走行フラグF2
1がセットされている状態で、横Gが所定値未満に低下
したことが判別されると(S111 )、まず、前記フラグ
4の判別を行う(S112 )。そして、フラグF4 がφ
であって、カーブが単発であるか或いは連続カーブの最
後のカーブであったものと推定されるときには、前記第
1実施例同様に、フラグF1 〜F3 及びタイマT1 をゼ
ロリセットすることで(S113 ,S115 〜S117 )、直
ちに通常の変速制御に復帰させる。
【0071】一方、フラグF4 が1であって、連続カー
ブの途中であると推定されるときには、前記フラグF2
〜F4 をそれぞれゼロリセットするが(S114 〜S117
)、フラグF1 については1のまま保持させる。従っ
て、カーブ走行中に減速要求が発生したときには、カー
ブ終了時にフラグF1 =1かつフラグF2 =0の状態に
設定されるから、新たに第2及び第3の要求変速段を設
定して、第1〜第3の要求変速段の中から最低速段が選
択させることができる。然も、第2及び第3の要求変速
段の設定に用いられるスロットル操作速度ΔTVO1及
び加速度ΔVSP1には、前記カーブ走行中における減
速要求発生時のデータがセットされることになるから、
前記カーブ走行中の減速要求に従ってより低速段の要求
が発生すれば、次のカーブに進入する前により低速段に
変速させてから次のカーブに突入させることができる。
【0072】このため、連続カーブであって、最初のカ
ーブの旋回半径よりも、次のカーブの旋回半径が小さい
ような場合には、最初のカーブ走行時において運転者が
次のカーブに備えた減速動作を行えば、最初のカーブが
終了した時点で前記減速動作に見合った低速段に変速さ
せて、次のカーブに進入させることができ、第1実施例
のように連続カーブ中に一定の変速段に保持される構成
よりも、更に、連続カーブ走行時における変速段を適正
に制御できる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
かかる自動変速機の変速制御装置によると、カーブが連
続する場合にカーブ走行状態が一旦終了しても直ちに通
常の変速制御に復帰するのではなく、次に進入するカー
ブに備えて最初のカーブ走行中に保持させた変速段を更
に所定時間保持させるので、連続カーブの途中で無用な
シフトアップが行われることを回避できる。また、カー
ブが単発で終了する場合にはカーブ検出の終了と同時に
変速段の保持状態を解除して変速を許可することで、運
転者が意図する変速タイミングに大きく遅れることなく
変速を行わせることができるという効果がある。
【0074】請求項2の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、カーブ終了後にカーブ終了後に変速
段の保持を継続させる条件を、カーブ走行中に減速要求
があり、かつ、同じカーブ走行中にスロットル開度が所
定以上になったときとしたことで、連続カーブ走行状態
をより的確に判別できるという効果がある。請求項3の
発明にかかる自動変速機の変速制御装置によると、減速
要求状態であってカーブ走行時でないときに、適正にエ
ンジンブレーキを作用させることができる低速段に変速
させることができ、カーブ手前での減速時であれば、前
記低速段にカーブ中保持させることができるという効果
がある。
【0075】請求項4の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、連続カーブと判断されたときには、
次のカーブに進入する前の段階で積極的な低速段へのシ
フト制御を行わせて、次のカーブ走行に対して適正な変
速段に変速させることができるという効果がある。請求
項5の発明にかかる自動変速機の変速制御装置による
と、カーブ終了後の減速用変速制御を行わせる条件を、
カーブ走行中に減速要求があり、かつ、同じカーブ走行
中にスロットル開度が所定以上になったときとしたこと
で、連続カーブ走行状態をより的確に判別できるという
効果がある。
【0076】請求項6の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、カーブの終了時に行われる減速用の
変速制御が、エンジン負荷と車速とに基づく第1の変速
段要求(通常の変速段)と、スロットル操作速度に基づ
く第2の変速段要求と、車両の加速度に基づく第3の変
速段要求とのうちの最低速段に基づき行われることで、
適度なエンジンブレーキを作用させ得る適正な変速段へ
の変速が可能であるという効果がある。
【0077】請求項7の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、車両がカーブ走行中であるか否か
を、車両の横加速度に基づいて容易に判別できるという
効果がある。請求項8の発明にかかる自動変速機の変速
制御装置によると、車両が減速要求状態にあるか否か
が、運転者の減速意志を示すスロットル開度,スロット
ル操作速度或いはブレーキ操作の有無や、実際の車両の
加速度(減速度)に基づいて精度良く判断できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明にかかる自動変速機の変速制御
装置の基本構成ブロック図。
【図2】請求項4の発明にかかる自動変速機の変速制御
装置の基本構成ブロック図。
【図3】実施例における自動変速機のシステム構成図。
【図4】第1実施例における変速制御を示すフローチャ
ート。
【図5】第1実施例における変速制御を示すフローチャ
ート。
【図6】第1実施例における変速制御を示すフローチャ
ート。
【図7】第1実施例における変速制御を示すフローチャ
ート。
【図8】第1実施例における変速制御を示すフローチャ
ート。
【図9】第1実施例における変速制御を示すフローチャ
ート。
【図10】第2実施例における変速制御を示すフローチャ
ート。
【図11】従来の単発カーブ路における変速制御の問題点
を説明するためのタイムチャート。
【図12】連続カーブ路の例を示す図。
【図13】従来の連続カーブ路における変速制御の問題点
を説明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 流体式トルクコンバータ 4 歯車式変速機 5 油圧アクチュエータ 6 自動変速機コントロールユニット 7 スロットル弁 8 スロットルセンサ 9 車速センサ 10 ブレーキスイッチ 11 横Gセンサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:66

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のカーブ走行状態を検出するカーブ走
    行検出手段と、 該カーブ走行検出手段で車両のカーブ走行状態が検出さ
    れている間において、変速段を強制的に一定に保持する
    カーブ時変速段保持手段と、 車両の減速要求状態を検出する減速要求検出手段と、 前記カーブ時変速段保持手段により変速段が保持されて
    いる間に、前記減速要求検出手段により車両の減速要求
    状態が検出されたときにのみ、カーブ走行状態の検出終
    了後の所定期間だけ変速段の保持を継続させる変速段保
    持継続手段と、 を含んで構成された自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】前記変速段保持継続手段が、前記カーブ時
    変速段保持手段により変速段が保持されている間に、ス
    ロットル開度が所定以上になった後に、前記減速要求検
    出手段により車両の減速要求状態が検出されたことを条
    件として、カーブ走行状態の検出終了後の変速段の保持
    を行うことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の変
    速制御装置。
  3. 【請求項3】エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出
    手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記検出されたエンジン負荷と車速とに基づいて第1の
    変速段要求を発生する第1の変速段要求発生手段と、 スロットルの操作速度を検出するスロットル操作速度検
    出手段と、 前記検出されたスロットル操作速度に基づいて第2の変
    速段要求を発生する第2の変速段要求発生手段と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 前記検出された車両の加速度に基づいて第3の変速段要
    求を発生する第3の変速段要求発生手段と、 前記減速要求検出手段で減速要求状態が検出されてい
    て、かつ、前記カーブ走行検出手段で非カーブ走行状態
    であることが検出されているときに、前記第1,第2及
    び第3の変速段要求のうちの最低速段を変速段として変
    速制御する減速用変速制御手段と、 を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動
    変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】車両の減速要求状態を検出する減速要求検
    出手段と、 スロットル操作速度と車両の加速度との少なくとも一方
    に基づいて減速用の変速制御を行う減速用変速制御手段
    と、 車両のカーブ走行状態を検出するカーブ走行検出手段
    と、 該カーブ走行検出手段で車両のカーブ走行状態が検出さ
    れている間において、変速段を強制的に一定に保持する
    カーブ時変速段保持手段と、 前記カーブ時変速段保持手段により変速段が保持されて
    いる間に、前記減速要求検出手段により車両の減速要求
    状態が検出されたときに、カーブ走行状態の検出終了後
    の所定期間において、前記減速用変速制御手段による減
    速用の変速制御を行わせるカーブ終了時減速制御手段
    と、 を含んで構成された自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】前記カーブ終了時減速制御手段が、前記カ
    ーブ時変速段保持手段により変速段が保持されている間
    に、スロットル開度が所定以上になった後に、前記減速
    要求検出手段により車両の減速要求状態が検出されたこ
    とを条件として、カーブ走行状態の検出終了後の所定期
    間において、前記減速用変速制御手段による減速用の変
    速制御を行わせることを特徴とする請求項4記載の自動
    変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】エンジン負荷を検出するエンジン負荷検出
    手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記検出されたエンジン負荷と車速とに基づいて第1の
    変速段要求を発生する第1の変速段要求発生手段と、 スロットルの操作速度を検出するスロットル操作速度検
    出手段と、 前記検出されたスロットル操作速度に基づいて第2の変
    速段要求を発生する第2の変速段要求発生手段と、 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 前記検出された車両の加速度に基づいて第3の変速段要
    求を発生する第3の変速段要求発生手段と、 を備え、 前記減速用変速制御手段が、前記第1,第2及び第3の
    変速段要求のうちの最低速段を減速用の変速段として変
    速制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の自
    動変速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】前記カーブ走行検出手段が、車両の横加速
    度に基づいて車両のカーブ走行状態を検出することを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の自動変速
    機の変速制御装置。
  8. 【請求項8】前記減速要求検出手段が、スロットル開
    度,スロットル操作速度,車両の加速度,ブレーキ操作
    の有無のうちの少なくとも1つに基づいて減速要求状態
    を検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    つに記載の自動変速機の変速制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6292736B1 (en) 1997-08-08 2001-09-18 Aisin Aw Co., Ltd. Vehicle control system and recording media recorded with programs for the system

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US6292736B1 (en) 1997-08-08 2001-09-18 Aisin Aw Co., Ltd. Vehicle control system and recording media recorded with programs for the system

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