JPH08158580A - コンクリート壁面の表面処理工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートの素材感を生かし、艶ムラがな
く、かつ耐汚染性，耐水性等に優れた表面を得ることの
できる表面処理工法の提供を目的とする。 【構成】 コンクリート壁面１の表面に微白色のウレタ
ン層２を形成させる工程と、このウレタン層２の表面
に、無色のシリコン樹脂またはフッ素樹脂の何れかまた
は組み合わせによる上塗り層４を形成させる工程とを備
えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート壁面の
表面処理工法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来において、特に、打放
しコンクリート壁面を良好な壁面に改修する工法が存在
せず、経年変化によりコンクリート壁面の表面が汚染さ
れ、また風化されてしまうという問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、コンクリート壁面を良
好な表面に改修することができ、また、新設のコンクリ
ート壁面に対しても良好な表面処理を行なうことのでき
る表面処理工法を提供せんことを目的とし、その要旨
は、コンクリート壁面の表面に、微白色のウレタン層を
形成させる工程と、該ウレタン層の表面に、無色のシリ
コン樹脂またはフッ素樹脂の何れかまたは組み合わせに
よる上塗り層を形成させる工程とを有することである。

【０００４】

【作用】ウレタン層を先ず形成させることにより、艶ム
ラのない美しい仕上げ面を形成させることができ、さら
にその表面にシリコン樹脂またはフッ素樹脂による上塗
り層を形成させることにより、耐汚染性，耐水性，中性
化防止効果に優れたコンクリート壁面とすることができ
る。

【０００５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例の表面処理工法は、打放しコンクリート
壁面，化粧コンクリート壁面，ＰＣ版壁面等に適応され
るものであり、既存のコンクリート壁面であっても、ま
た新設のコンクリート壁面に対しても適応することがで
きるものである。

【０００６】先ず最初に、図１に示すコンクリート壁面
１の表面の素地調整を行なうが、表面の付着物を完全に
除去し、できる限り均質，均一な素地表面に調整する必
要があり、離型剤，油脂等が付着している場合にはシン
ナーで拭き取ってこれを除去し、また、はり，突出し部
分，木繊維等はたがねではつり取ることにより除去する
ことができ、また、付着した汚れ，エフロは完全に取り
除き、錆汁等はサンドペーパーで軽く研磨して取り除
き、その後よく水で洗い乾燥させて表面を含水率１０％
以下で、ＰＨ１０％以下に調整する。また、素穴，ジャ
ンカ，ひび割れ等が生じている場合には、コンクリート
壁面と同色の補修モルタルを用いて補修し、コンクリー
ト壁面をできる限り均質，均一な下地に調整しておく。

【０００７】なお、新設のコンクリート壁面において
は、コンクリート打設後の養生期間を夏季では４週間以
上、冬季では５週間以上おき、その期間を経過した後
に、以下の表面処理を行なう。先ず調整した下地に対
し、２液タイプで微白色のウレタンを用い、例えばこの
ウレタン１４に対し硬化剤（例えばメチルアルコール
等）を１の割合で混合させたものをハケまたはローラー
またはスプレーにより塗布し、この微白色のウレタンに
よりウレタン層２を形成させる。このウレタン層２が硬
化した後に、さらにその表面に、２液タイプの微白色の
浸透性ウレタン１４に対し硬化剤（例えばメチルアルコ
ール等）を１の割合で混合させたものをスプレーにより
塗布する。なお、この浸透性ウレタン３はスプレーでウ
レタン層２の表面に２〜３回塗布することにより、良好
にウレタン層２内に浸透し、表面の艶ムラのない美しい
仕上げ面とすることができる。

【０００８】この浸透性ウレタン３が硬化した後に、そ
の表面に上塗り層４をローラーまたはスプレーを用いて
塗布形成させるのであるが、上塗り層４は、２液タイプ
の無色のアクリルシリコーン樹脂１４に対しメチルアル
コール等の硬化剤を１の割合で混合させたもので形成さ
せることができ、このアクリルシリコーン樹脂は艶消し
または艶有りの何れかを用いることができる。このアク
リルシリコーン樹脂は１〜２回程度、ローラーまたはス
プレーで塗布して上塗り層４を形成させることができ
る。また、この上塗り層４は、前記アクリルシリコーン
樹脂に代えて、２液タイプの無色透明のフッ素樹脂１４
に対し硬化剤１を割合で混合したものを用いて、１回ま
たは２回塗布することにより形成させることもでき、さ
らにアクリルシリコーン樹脂による塗布とフッ素樹脂に
よる塗布を組み合わせて上塗り層４を形成させることも
可能である。

【０００９】この上塗り層４によれば、優れた耐汚染性
を有し、また耐水性，吸水防止性があり、中性化防止効
果をも得られるものであり、既存のコンクリート壁面１
の表面を前記ウレタン層２と上塗り層４により美しい仕
上がりを呈し、かつ前記した耐汚染性，耐水性等に優れ
た表面とすることができる。なお、新設のコンクリート
壁面においても同様にウレタン層２，上塗り層４を形成
させて、その表面を美しい仕上がりの耐汚染性，耐水性
等に優れた表面とすることができる。

【００１０】なお、本例では、ウレタン層２は微白色の
ものを用い、また、上塗り層４は無色のものを用いるも
のであり、コンクリート壁面の素材感を良好に生かすこ
とができる色相，風合いに仕上げることができ、特に、
従来困難であった打放しコンクリート壁面の改修工事に
おいては、本実施例の表面処理工法は極めて優れた効果
を発揮できるものとなる。

【００１１】

【発明の効果】本発明のコンクリート壁面の表面処理工
法は、コンクリート壁面の表面に、微白色のウレタン層
を形成させる工程と、該ウレタン層の表面に、無色のシ
リコン樹脂またはフッ素樹脂の何れかまたは組み合わせ
による上塗り層を形成させる工程とを有することによ
り、コンクリートの素材感を良好に生かすことができ、
ウレタン層により艶ムラのない美しい仕上がり面を形成
させることができ、かつ上塗り層により耐汚染性，耐水
性等に優れ、中性化防止効果にも優れた表面を得ること
ができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンクリート壁面に表面処理を施した断面構成
図である。

【符号の説明】

１ コンクリート壁面 ２ ウレタン層 ３ 浸透性ウレタン ４ 上塗り層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート壁面の表面に、微白色のウ
   レタン層を形成させる工程と、該ウレタン層の表面に、
   無色のシリコン樹脂またはフッ素樹脂の何れかまたは組
   み合わせによる上塗り層を形成させる工程とを有するこ
   とを特徴とするコンクリート壁面の表面処理工法。