JPH08158098A - メッキ方法 - Google Patents

メッキ方法

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JPH08158098A
JPH08158098A JP32332694A JP32332694A JPH08158098A JP H08158098 A JPH08158098 A JP H08158098A JP 32332694 A JP32332694 A JP 32332694A JP 32332694 A JP32332694 A JP 32332694A JP H08158098 A JPH08158098 A JP H08158098A
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JP
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plated
plating
jig
present
trumpet
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JP32332694A
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Inventor
Yasushi Miyagi
康 宮城
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電流を増大させることなく、メッキのつ
きまわり性を改善することができるメッキ方法を提供す
ること。 【構成】 被メッキ物8の周囲に、被メッキ物8の表面
から遠ざかる方向に向けて広がっているラッパ状の絶縁
製治具10を取り付けた状態でメッキを行う。ラッパ状
の絶縁製治具10の広がり角度は、被メッキ物10の表
面に垂直な線に対して、0〜85度、好ましくは45〜
60度である。また、本発明の別の方法として、被メッ
キ物8と陽極電極6との間で、被メッキ物8の表面から
所定間隔離れた位置に、被メッキ物8のメッキ表面と同
等以上の面積の外縁を有し、被メッキ物8よりも小さい
面積の窓を有する遮蔽板24を配置し、その状態でメッ
キを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メッキ方法に係り、さ
らに詳しくは、たとえばクロムメッキなどのように、通
常の方法では、つきまわり性が悪いメッキにおいて、そ
のつきまわり性を改善し、均一な膜厚でメッキを行う、
あるいは特定部位の膜厚を制御することができるメッキ
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にメッキの用途は、メッキの種類に
よって、ほぼ決まっている場合が多いが、工業用クロム
メッキは、硬度、耐摩耗性、耐食性、耐熱性、離型性な
どの多くの点で優れた作用を有することから、きわめて
多様な用途に用いられている。
【0003】クロムメッキは、凸部あるいは周辺部には
メッキが多量に析出し、凹部または中央部には少ししか
析出しない傾向が、他のメッキに比べて非常に強い。こ
れを均一電着性が悪い、または、つきまわり性が悪いと
いう。クロムメッキにおいて、つきまわり性が悪い原因
は、クロムメッキを析出させるのに高い電流密度を要す
るために電流の局部への集中が起こるためである。たと
えば、図8に示すように、鉛製の電極6を用いて、メッ
キ浴中で、平板状の被メッキ物8にメッキを行う場合、
メッキ物の周辺部に電流が集中する。このため、周辺部
のメッキ厚さに比べ、中央部ではメッキが薄くなる。こ
れにより、メッキ製品の耐食性および耐摩耗性が損なわ
れる。
【0004】これに対処する方法として、補助電極の使
用がある。補助電極の使用に関しては、陽極補助電極と
陰極補助電極の二通りの方法がある。電流の流れにくい
中央部付近に別の陽極補助電極を配置することにより、
電流分布の不均一を改善する方法が陽極補助電極法であ
る。また、電流の集中する部分にダミー電極(陰極補助
電極)を配置し、電流の集中する部分での電流量を抑制
する方法を陰極補助電極法という。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、陽極補
助電極法は、電流の流れにくい部分に電流を流すことは
できるが、電流の集中している部分の電流を抑えること
はできないため、つきまわり性の改善には限界がある。
陰極補助電極法においては、電流の集中している部分の
電流量を抑制することができるが、ダミー電極にもメッ
キされるため、無駄な電流を消費すると言った欠点があ
る。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、消費電流を増大させることなく、メッキのつきまわ
り性を改善することができるメッキ方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1のメッキ方法は、被メッキ物の周
囲に、被メッキ物の表面から遠ざかる方向に向けて広が
っているラッパ状の絶縁製治具を取り付けた状態でメッ
キを行うことを特徴とする。
【0008】本発明に係る第1のメッキ方法において、
ラッパ状の絶縁製治具の広がり角度は、被メッキ物の表
面に垂直な線に対して、0〜85度、好ましくは45〜
60度である。本発明に係る第1のメッキ方法におい
て、ラッパ状の絶縁製治具の先端から被メッキ物の表面
までの奥行きは、被メッキ物のメッキ処理すべき表面の
縦方向長さに対して、好ましくは0.2〜10倍、さら
に好ましくは0.5〜2倍である。
【0009】本発明に係る第2のメッキ方法は、被メッ
キ物と、当該被メッキ物と反対の極性の電圧が印加され
る電極との間で、被メッキ物の表面から所定間隔離れた
位置に、被メッキ物のメッキ表面と同等以上の面積の外
縁を有し、当該被メッキ物よりも小さい面積の窓を有す
る遮蔽板を配置し、その状態で、メッキを行うことを特
徴とする。
【0010】本発明に係る第2のメッキ方法において、
遮蔽板の外縁の面積は、遮蔽板が被メッキ物と電極とを
完全に分断することがないように決定され、被メッキ物
のメッキ表面に対して、相対比で1以上が好ましく、さ
らに好ましくは1.5〜2.0である。また、遮蔽板に
形成された窓は、遮蔽板の略中央部に形成されることが
好ましく、しかも遮蔽板は、その窓が被メッキ物の中央
部に位置するように配置される。さらに、その窓の形状
は、被メッキ物のメッキ表面と相似形であることが好ま
しく、その相似比が、好ましくは10〜90%、さらに
好ましくは20〜40%であることが好ましい。また、
被メッキ物の表面から遮蔽板までの間隔は、被メッキ物
のメッキ表面の基準長さ(外縁の一片の長さf)に比較
して、好ましくは50〜200%、さらに好ましくは1
00〜150%であり、具体的間隔は、好ましくは10
〜100mm、さらに好ましくは30〜50mmである。さ
らにまた、遮蔽板の厚みは、特に限定されるものではな
いが、好ましくは1〜20mm、さらに好ましくは5〜1
0mmである。なお、遮蔽板は、好ましくは絶縁性部材で
構成される。
【0011】本発明に係る第1および第2のメッキ方法
において用いられる被メッキ物としては、特に限定され
ないが、たとえば平板である。本発明に係る第1および
第2のメッキ方法が特に好適に用いられるメッキとして
は、たとえばクロムメッキである。メッキ浴としては、
特に限定されないが、クロムメッキを行う場合には、サ
ージェント浴が用いられる。サージェント浴は、一般
に、無水クロム酸が100〜400g/リットルと、硫
酸1〜4g/リットルとで構成される。この浴は、温度
50〜60°C、陰極電流密度10〜100A/dm2
の条件で使用される。被メッキ物は、メッキ処理前に、
脱脂、酸洗および逆電解エッチングなどの前処理がなさ
れる。被メッキ物と反対の極性の電圧が印加される陽電
極としては、たとえば鉛、鉛合金などが用いられる。被
メッキ物の材質は、特に限定されず、各種の鉄鋼、銅お
よび銅合金、アルミニウムおよびその合金、亜鉛合金な
ど、工業上使われている大部分の金属材料を例示するこ
とができる。
【0012】
【作用】メッキのつきまわり性を改善すると言うこと
は、被メッキ物面状の一次電流分布を均一にすることで
ある。本発明に係る第1のメッキ方法では、補助電極を
用いずに、被メッキ物の周囲を非導電性のラッパ状治具
で囲むことにより、一次電流分布の均一化を図り、メッ
キのつきまわり性を改善する方法を発明した。
【0013】たとえば、通常のクロムメッキでは、つき
まわり性が悪く、たとえば板状の被メッキ物に対してメ
ッキを行うと、周辺部でのメッキの厚さに比べて中央部
でのメッキの厚さが薄くなってしまう。本発明の第1の
メッキ方法では、ラッパ状の絶縁製治具を取り付けた状
態でメッキを行うことで、周辺部での電流の局部集中を
防止し、被メッキ物の表面に均一な厚さでメッキを行う
ことができる。
【0014】したがって、均一な厚みのメッキ膜を得る
ことができ、メッキ膜全体の耐食性および耐摩耗性が向
上する。特に、本発明に係る第1のメッキ方法で、クロ
ムメッキを行うことにより、クロムメッキ膜全体の耐食
性および耐摩耗性が飛躍的に向上する。
【0015】また、ラッパ状の絶縁製治具の広がり角度
などを調節することにより、中央部に対する周辺部での
電流密度を調節し、中央部で厚くメッキを行うなどの膜
厚調整も可能である。本発明に係る第2のメッキ方法で
は、遮蔽板の窓をいったん通して、電極から被メッキ物
へ電流を流すことで、被メッキ物のメッキ表面への一次
電流分布が均一になり、メッキのつきまわり性を改善す
ることができる。したがって、均一な厚みのメッキ膜を
得ることができ、メッキ膜全体の耐食性および耐摩耗性
が向上する。特に、本発明に係る第2のメッキ方法で、
クロムメッキを行うことにより、クロムメッキ膜全体の
耐食性および耐摩耗性が飛躍的に向上する。
【0016】また、本発明に係る第2のメッキ方法で
は、ラッパ状の治具を用いて被メッキ物を保持する第1
のメッキ方法に比較して、簡単な治具で、同等のメッキ
のつきまわり性を確保することができる。また、被メッ
キ物の形状毎に治具を作製する必要もない。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係るメッキ方法を、図面に示
す実施例に基づき、詳細に説明する。図1は本発明の一
実施例に係るメッキ方法を示す概略断面図、図2は図1
に示す実施例で用いるラッパ状絶縁製治具の概略断面
図、図3は図2に示すIII−III線に沿う治具の背面図、
図4は図2に示すIV−IV線に沿う治具の正面図、図5は
本発明の他の実施例に係るメッキ方法を示す概略説明
図、図6(A)は図5に示す実施例で用いる遮蔽板の正
面図、図6(B)は図6(A)に示すB−B線に沿う断
面図、図7(A)は本発明の実施例におけるメッキ厚さ
の分布を示す図、図7(B)は本発明の他の実施例にお
けるメッキ厚さの分布を示す図、図7(C)は比較例に
おけるメッキ厚さの分布を示す図である。
【0018】第1実施例 まず、図1〜4に示す本発明の第1実施例について説明
する。図1に示すように、メッキ浴槽2内に、メッキ浴
4が貯留してあり、メッキ浴4中に、陽電極6と、被メ
ッキ物8が浸される。メッキ浴4としては、特に限定さ
れないが、クロムメッキを行う場合には、サージェント
浴が用いられる。サージェント浴は、一般に、無水クロ
ム酸が100〜400g/リットルと、硫酸1〜4g/
リットルとで構成される。
【0019】この浴は、温度50〜60°C、陰極電流
密度10〜100A/dm2 の条件で使用される。被メ
ッキ物8は、メッキ処理前に、脱脂、酸洗および逆電解
エッチングなどの前処理がなされる。陽電極6として
は、たとえば鉛、鉛合金などが用いられる。被メッキ物
8の材質は、特に限定されず、各種の鉄鋼、銅および銅
合金、アルミニウムおよびその合金、亜鉛合金など、工
業上使われている大部分の金属材料を例示することがで
きる。
【0020】本実施例では、被メッキ物8は、平板状で
あり、被メッキ物8の周囲に、被メッキ物8の表面から
遠ざかる方向に向けて広がっているラッパ状の絶縁製治
具10が装着してある。ラッパ状の絶縁製治具10は、
図1〜4に示すように、ラッパ状遮蔽板12と、保持板
14とを有する。これら板12,14は、共に絶縁体で
構成される。用いることができる絶縁体としては、特に
限定されないが、フッ素樹脂などの合成樹脂を例示する
ことができる。
【0021】ラッパ状遮蔽板12と保持板14とは、着
脱自在に取り付けられ、これらの間に、平板状の被メッ
キ物8が着脱自在に装着される。保持板14は、平板状
の被メッキ物8の背面および側面を覆い、保持板14の
中央部には、負電極16が装着される。また、保持板1
4の中央部には、ネジ18が螺合され、ネジ18を回す
ことで、負電極16が被メッキ物8の背面に圧接するよ
うに構成してある。負電極16と陽電極6とは、絶縁被
覆されたリード線22などにより、図1に示す電源20
に接続される。
【0022】図2に示すように、絶縁製治具10のラッ
パ状遮蔽板12の広がり角度θ(被メッキ物8の表面に
垂直な線に対する角度)、奥行きdおよびメッキ処理す
べき表面8aの縦方向長さbは、メッキ処理すべき表面
8aに均一なメッキ膜を形成する観点から、以下のよう
な関係にあることが好ましい。すなわち、広がり角度θ
は、0〜85度、好ましくは45〜60度である。ま
た、ラッパ状遮蔽板12の先端から被メッキ物8の表面
までの奥行きをdとし、被メッキ物8のメッキ処理すべ
き表面の縦方向長さをbとした場合、d/bは、好まし
くは0.2〜10倍、さらに好ましくは0.5〜2倍で
ある。
【0023】本実施例では、ラッパ状の絶縁製治具10
を取り付けた状態でメッキを行うことで、被メッキ物8
の周辺部での電流の局部集中を防止し、被メッキ物の表
面に均一な厚さでメッキを行うことができる。また、絶
縁製治具10のラッパ状遮蔽板12の広がり角度などを
調節することにより、中央部に対する周辺部での電流密
度を調節し、中央部で厚くメッキを行うなどの膜厚調整
も可能である。
【0024】第2実施例 次に、本発明の第2実施例について説明する。本発明の
第2実施例では、前記第1実施例の場合と同様なメッキ
浴4および陽電極6を用いるが、図5,6に示すよう
に、ラッパ状の絶縁製治具10を用いることなく、被メ
ッキ物8と陽電極6との間に、遮蔽板24を配置する。
【0025】遮蔽板24の外縁の面積は、遮蔽板24が
被メッキ物8と陽電極6とを完全に分断することがない
ように決定され、被メッキ物8のメッキ表面に対して、
相対比(図6に示すg/fの値)で1以上が好ましく、
さらに好ましくは1.5〜2.0である。また、遮蔽板
24に形成された窓26は、遮蔽板24の略中央部に形
成されることが好ましく、しかも遮蔽板24は、その窓
26が被メッキ物8の中央部に位置するように配置され
る。さらに、その窓26の形状は、被メッキ物8のメッ
キ表面と相似形であることが好ましく、その相似比(図
6に示すh/fの値)が、好ましくは10〜90%、さ
らに好ましくは20〜40%であることが好ましい。
【0026】また、被メッキ物8の表面から遮蔽板24
までの間隔は、被メッキ物8のメッキ表面の基準長さf
(図6参照)に比較して、好ましくは50〜200%、
さらに好ましくは100〜150%であり、具体的間隔
は、好ましくは30〜50mm、さらに好ましくは10〜
100mmである。さらにまた、図6(B)に示す遮蔽板
24の厚みtは、特に限定されるものではないが、好ま
しくは1〜20mm、さらに好ましくは5〜10mmであ
る。なお、遮蔽板24は、好ましくはフッ素樹脂などの
絶縁性部材で構成される。
【0027】本実施例のメッキ方法では、遮蔽板24の
窓26をいったん通して、陽電極6から被メッキ物8へ
電流を流すことで、被メッキ物8のメッキ表面への一次
電流分布が均一になり、メッキのつきまわり性を改善す
ることができる。したがって、クロムメッキ膜全体の耐
食性および耐摩耗性が飛躍的に向上する。
【0028】また、本実施例では、ラッパ状の治具を用
いて被メッキ物を保持する前記第1実施例のメッキ方法
に比較して、簡単な治具で、同等のメッキのつきまわり
性を確保することができる。また、被メッキ物8の形状
毎に治具を作製する必要もない。
【0029】次に、本発明を、さらに具体的な実施例に
基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定され
ない。実施例1 平板状の被メッキ物8として、縦横55mm×55mm、厚
さ2mmの鋼材(大同特殊鋼製NAK55)を用意した。
被メッキ物8を保持する治具10としては、図2に示す
広がり角度θが45度、縦方向長さbが75mm、奥行き
dが50mmで、テフロン製のものを用いた。使用したメ
ッキ浴4(図1参照)は、通常のサージェント浴であ
り、その浴組成は次の通りである。
【0030】
【表1】 メッキの前処理条件およびメッキ条件は、次の通りであ
る。
【0031】すなわち、被メッキ物8の前処理として、
脱脂、酸洗および逆電解エッチングを行う。脱脂では、
5%水酸化カリウム溶液にて超音波洗浄を5分間行う。
酸洗では、10%塩酸に被メッキ物8を30秒間浸漬さ
せる。逆電解エッチングでは、印加電圧を5Vに設定
し、5秒間行う。
【0032】メッキ条件は、浴温度を55°C、電流密
度を50A/dm2 、メッキ時間が10分の条件であ
る。本実施例によるメッキを行った平板状の被メッキ物
の表面に析出したメッキ膜の膜厚分布を調べたところ、
図7(A)に示す結果が得られた。図7(A)に示すよ
うに、最もメッキの厚い部分の最も薄い部分に対する比
は、114%であり、膜厚ばらつきが少ないことが確認
された。
【0033】実施例2 平板状の被メッキ物8としては、前記実施例1と同様な
縦横55mm×55mm(f=55mm)、厚さ2mmの鋼材
(大同特殊鋼製NAK55)を用意した。被メッキ物の
保持には、通常の治具を用いたが、図5に示すように、
その被メッキ物8から、e=500mm離れた位置に、遮
蔽板24をメッキ浴内に吊り下げて配置した。遮蔽板2
4は、テフロン(フッ素樹脂)で構成され、図6に示す
一辺の長さgが100mm、窓26の一片の長さhが15
mm(相似比h/f=15/55)、厚みtが10mmであ
った。
【0034】メッキの前処理条件およびメッキ条件も、
前記実施例1と同様であった。メッキ処理後のメッキ表
面での膜厚分布を調べた結果を図7(B)に示す。図7
(B)に示すように、最もメッキの厚い部分の最も薄い
部分に対する比は、113%であり、膜厚ばらつきが少
ないことが確認された。
【0035】比較例1 平板状の被メッキ物8としては、前記実施例1と同様な
縦横55mm×55mm、厚さ2mmの鋼材(大同特殊鋼製N
AK55)を用意した。被メッキ物の保持には、通常の
治具を用い、縦横20mm×20mmの鉛製の電極を、被メ
ッキ物の表面から30mm離れたところに配置した(陽極
補助電極法)。
【0036】使用したメッキ浴の組成は、前記実施例1
と同様であった。メッキの前処理条件およびメッキ条件
も、前記実施例1と同様であった。メッキ処理後のメッ
キ表面での膜厚分布を調べた結果を図7(C)に示す。
図7(C)に示すように、最もメッキの厚い部分の最も
薄い部分に対する比は、156%であり、実施例1,2
に比べて、膜厚ばらつきが大きかった。
【0037】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、上述した実施例では、クロムメ
ッキについて説明したが、本発明の方法は、クロムメッ
キに限定されず、その他のメッキにも適用することがで
きる。
【0038】また、本発明の方法によりメッキされる被
メッキ物は、必ずしも平板状でなくとも良く、所定形状
の立体の所定の表面に均一にメッキ膜を形成する場合に
も適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
第1のメッキ方法によれば、ラッパ状の絶縁製治具を取
り付けた状態でメッキを行うことで、周辺部での電流の
局部集中を防止し、被メッキ物の表面に均一な厚さでメ
ッキを行うことができる。したがって、均一な厚みのメ
ッキ膜を得ることができ、メッキ膜全体の耐食性および
耐摩耗性が向上する。特に、本発明に係る第1のメッキ
方法で、クロムメッキを行うことにより、クロムメッキ
膜全体の耐食性および耐摩耗性が飛躍的に向上する。
【0040】また、ラッパ状の絶縁製治具の広がり角度
などを調節することにより、中央部に対する周辺部での
電流密度を調節し、中央部で厚くメッキを行うなどの膜
厚調整も可能である。本発明に係る第2のメッキ方法に
よれば、遮蔽板の窓をいったん通して、電極から被メッ
キ物へ電流を流すことで、被メッキ物のメッキ表面への
一次電流分布が均一になり、メッキのつきまわり性を改
善することができる。したがって、均一な厚みのメッキ
膜を得ることができ、メッキ膜全体の耐食性および耐摩
耗性が向上する。特に、本発明に係る第2のメッキ方法
で、クロムメッキを行うことにより、クロムメッキ膜全
体の耐食性および耐摩耗性が飛躍的に向上する。
【0041】また、本発明に係る第2のメッキ方法で
は、ラッパ状の治具を用いて被メッキ物を保持する第1
のメッキ方法に比較して、簡単な治具で、同等のメッキ
のつきまわり性を確保することができる。また、被メッ
キ物の形状毎に治具を作製する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るメッキ方法を示
す概略断面図である。
【図2】図2は図1に示す実施例で用いるラッパ状絶縁
製治具の概略断面図である。
【図3】図3は図2に示すIII−III線に沿う治具の背面
図である。
【図4】図4は図2に示すIV−IV線に沿う治具の正面図
である。
【図5】図5は本発明の他の実施例に係るメッキ方法を
示す概略説明図である。
【図6】図6(A)は図5に示す実施例で用いる遮蔽板
の正面図、図6(B)は図6(A)に示すB−B線に沿
う断面図である。
【図7】図7(A)は本発明の実施例におけるメッキ厚
さの分布を示す図、図7(B)は本発明の他の実施例に
おけるメッキ厚さの分布を示す図、図7(C)は比較例
におけるメッキ厚さの分布を示す図である。
【図8】図8は従来例に係るメッキ方法の概略を示す図
である。
【符号の説明】
2… メッキ浴槽 4… メッキ浴 6… 陽電極 8… 被メッキ物 10… ラッパ状の絶縁製治具 12… ラッパ状遮蔽板 14… 保持板 16… 負電極 18… ネジ 20… 電源 22… リード線 24… 遮蔽板 26… 窓

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被メッキ物の表面にメッキを行う方法に
    おいて、 被メッキ物の周囲に、被メッキ物の表面から遠ざかる方
    向に向けて広がっているラッパ状の絶縁製治具を取り付
    けた状態でメッキを行うメッキ方法。
  2. 【請求項2】 被メッキ物と、当該被メッキ物と反対の
    極性の電圧が印加される電極との間で、被メッキ物の表
    面から所定間隔離れた位置に、被メッキ物のメッキ表面
    と同等以上の外縁を有し、当該被メッキ物よりも小さい
    面積の窓を有する遮蔽板を配置することを特徴とするメ
    ッキ方法。
JP32332694A 1994-09-29 1994-12-26 メッキ方法 Pending JPH08158098A (ja)

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JP32332694A JPH08158098A (ja) 1994-09-29 1994-12-26 メッキ方法

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JP23559694 1994-09-29
JP6-235596 1994-09-29
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014129603A (ja) * 2012-12-31 2014-07-10 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd プリント基板用メッキ装置
CN110205668A (zh) * 2019-06-20 2019-09-06 大连达利凯普科技有限公司 单层电容器镀金用挂具

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