JP2006249450A - メッキ方法およびメッキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被メッキ物のメッキ層の厚さを均一にできる、簡便で実用的な電気メッキ方法および電気メッキ装置の提供。
【解決手段】 メッキ槽内で、被メッキ物を陰極とし対向する陽極との間に電流を流してメッキ被膜を形成する電気メッキ方法において、陽極に面する陰極面の中央部に対向する陽極部を該陰極面の外周部に対向する陽極部より陰極面に近接して配置して、好ましくは陰極側から投影した陽極の投影面積が、陽極側から投影した被メッキ物の投影面積以上であり、陽極は白金族金属もしくは白金族金属の酸化物またはステンレス鋼である電気メッキ方法および電気メッキ装置。
【選択図】 図1

Description

本発明はメッキ方法およびメッキ装置に関し、詳しくは、簡便に均一なメッキ厚のメッキのできるメッキ方法およびメッキ装置に関する。
防錆膜形成、保護膜形成、光沢のある外観形成、電導性の付与などのために、金属をはじめとして多くの物品に電気メッキ(メッキと略称する)が施されている。最近は、電子部品の配線形成にもメッキが多用されている。特に金メッキのように高価な素材が用いられており、メッキ厚の管理はメッキ層の機能面は勿論、コスト面からも重要になっている。従来からメッキを施したくない部分は、いわゆるマスキングなどにより保護してメッキすることにより、必要な部分にのみメッキをする方法が知られていた。また、メッキ厚を均一にメッキするには、被メッキ物のメッキしたい部分と陽極との距離をできるだけ均一にしてメッキをしていた。そのため、被メッキ物の両側に陽極を配置してメッキをする方法等が採られていた。しかし、通常のメッキ方法では、被メッキ物の中央部分に較べ端部はメッキ層が厚くなり易い事が知られている。これは、陰極すなわち被メッキ物の端部付近は電流密度が高くなりやすく、均一電着性が損なわれ易いためである。図4のA図にメッキ槽中の電流密度を概念的に表した。B図にはその結果、陰極の被メッキ物に生じたメッキ層の状態を被メッキ物の断面図により示した。非特許文献1によれば陰極端部の電流密度が他の部分の4〜5倍になることも稀ではないとされている。電流密度を一定にするだけなら陽極と陰極とを極端に近づけてやればよいが、現実のメッキ方法としては実用的でない。陰極の端部付近の電流密度が高くなり均一電着性が損なわれると、被メッキ物の端部付近のメッキ層が厚くなり中央部の5倍の厚さになることも稀ではない。
このような端部におけるメッキ厚のばらつきを抑えるため、従来から種々の方法が考えられている。例えば、図5に示すように被メッキ物と陽極との間に遮蔽材を設置し、被メッキ物の端部付近のイオンの流動を遮蔽をしてこの部分の電流を抑制する方法である。この方法は一つひとつの被メッキ物に対しては効果的であるが、被メッキ物の形状や大きさに対応して遮蔽材の形状や位置を調整する必要がある。他の方法は、図6に示すように陽極の大きさを被メッキ物に較べて小さくして陰極付近の電流密度を一定にしてメッキ厚を調整する方法がある。この方法でもメッキ厚は均一化できるが、陽極の大きさの調整が難しく、陽極が小さくなりすぎると陽極への負荷が大きくなり、十分な陰極電流密度が達成できないためメッキ速度が遅くなり実用的ではない場合が多い。また、複雑な形状の被メッキ物には適用できないといわれている。図7には被メッキ物の周囲にダミーの冶具を配置し、被メッキ物端部が陰極としては端部ではなく中央部付近となるようにする方法がある。この方法も被メッキ物は均一にメッキできるが、ダミーの冶具に付着したメッキはロスとなり、金メッキなどの高価なメッキには不向きである。また、遮蔽材を用いる方法同様、被メッキ物の形状や大きさに対応して冶具を調整せねばならない。最近の工夫として、特許文献1には、遮蔽材をメッキ処理中に連続的に移動させ、さらに必要に応じて通電してメッキ液中の電流密度を調整することによるメッキ厚調整方法が開示されている。これは、上述の遮蔽材利用法の改良型であるが、同じような課題は残っている。特許文献2では、被メッキ物を特定の有機物および塩化パラジウムで前処理してからパラジウムメッキを施すことにより均一で薄いメッキ層を得ることができるとしている。この方法はパラジウムメッキには利用できてもメッキ一般に適用はできない。また、化学剤を多く使う前処理が必要となる。特許文献3では、被メッキ物のメッキ面を斜めにしてメッキ液中に配置することにより、気泡によるメッキ層の厚さ変化を抑制している。この方法は気泡の悪影響には好都合でも、被メッキ物端部へのメッキ層の集中を解決はできない。また、特許文献4ではメッキ液槽へのメッキ液の供給方法を工夫してメッキ厚を調整する方法を開示している。この方法も被メッキ物の表と裏のように広い面に対してメッキ厚を調整できるが、被メッキ物の端部のメッキ厚均一化には向いていない。
特開2004−169106号公報 特開2003−155592号公報 特開2002−80995号公報 特開2002−220690号公報 日本プレーティング協会編「現場技術者のための実用メッキ(II)」99頁、槇書店、昭和57年7月30日発行
上述のようにメッキ層の厚さを制御し、均一化することは各種の方法があるが、それぞれに課題がある。本発明においては、被メッキ物のメッキ層の厚さを簡便に、メッキ金属の種類によらず均一にでき、実用的なメッキ方法およびメッキ装置の提供を目的としている。
上記課題を解決するための手段は、
(1)被メッキ物を陰極とし対向する陽極との間に電流を流してメッキ被膜を形成する電気メッキ方法において、陽極に面する陰極面の中央部に対向する陽極部を該陰極面の外周部に対向する陽極部より陰極面に近接して配置してメッキ被膜を形成する電気メッキ方法である。
(2)陰極側から投影した陽極の投影面積が、陽極側から投影した被メッキ物の投影面積以上である(1)に記載の電気メッキ方法である。
(3)陽極表面が白金族金属または白金族金属の酸化物である(1)または(2)に記載の電気メッキ方法である。
(4)陽極がステンレス鋼である(1)または(2)に記載の電気メッキ方法である。
(5)メッキ槽内に被メッキ物を配置する陰極部と、陰極部に対向する陽極を備えた電気メッキ装置において、陽極に面する被メッキ物の中央部に対向する陽極部が該被メッキ物の外周部に対向する陽極部より該被メッキ物に近接するように配置されている電気メッキ装置である。
(6)メッキ槽中を被メッキ物が水平方向に移動して連続的にメッキされる電気メッキ装置において、陽極の上部および下部から陰極部までの距離が、陽極の中央部から陰極部までの距離より長い電気メッキ装置である。
(7)陽極表面が白金族金属または白金族金属の酸化物である(5)または(6)に記載の電気メッキ装置である。
(8)陽極がステンレス鋼である(5)または(6)に記載の電気メッキ装置である。
本発明のメッキ方法は、陽極に面する被メッキ物である陰極面の中央部に対向する陽極部を該陰極面の外周部に対向する陽極部より陰極面に近接して配置してメッキ被膜を形成する電気メッキ方法および電気メッキ装置である。例えば、図2に示すように陽極として凸面状の形状で、その凸面が陰極側に面していて凸面の中央部が陰極のほぼ中央部と対向している構造であればよい。好ましくは、陽極の大きさとして陰極側から投影した陽極の投影面積が、陽極側から投影した被メッキ物の投影面積以上である電気メッキ方法および電気メッキ装置である。言い換えれば、陽極と陰極とが水平に対向している場合、陽極側から陽極と陰極を水平に見たときに陰極が陽極の影に隠れてしまう状態に陽極が配置されている。陽極が図1や図3に示すように複数に分かれている場合には、ひとつの陽極電源から電流を流しても良いし、それぞれ別々の電源から電流を流してもよい。別々に電流を流す場合は、制御が複雑になるが、陰極電流密度のきめ細かい調整が可能となり、延いては被メッキ物のメッキ厚の調整がより精密にできる。
本発明における陽極は溶性陽極でも不溶性陽極でもよい。溶性陽極は陽極自信が減肉するので、通常は不溶性陽極が用いられる。不溶性陽極としてはステンレス鋼陽極、炭素陽極、白金自体やチタン材に白金メッキしたりタンタル材に白金クラッドした白金陽極などの白金族金属または白金族金属の酸化物の陽極が使用されるが、耐久性、経済性等の面でステンレス鋼陽極または白金族金属もしくはその酸化物の陽極が好適である。ステンレス鋼では耐食性の優れたオーステナイト系ステンレス鋼、例えば18―8ステンレス鋼(SUS304など)等が好適である。白金族金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金がある。本発明においては、メッキ液はメッキしたい金属等により適宜選べばよい。また、メッキ条件も何ら制限を受けない。メッキ前処理、メッキ温度、メッキ電圧、メッキ電流あるいはメッキ液への添加剤等も従来と特に変える必要がない。また、説明では陽極は陰極に対し片側のみとしているが、被メッキ物の全面にメッキしたい場合には陽極は陰極の両側に配置して両側の陽極を上述したような配置とする。
被メッキ物に均一で密着性の高いメッキ層を被覆したい場合は、陰極電流密度を均一にすることが重要である。一般に被メッキ物の端部や凸部、特に尖った端部は陰極電流密度が高くなりやすいので、この部分に対向する陽極の位置を他の部分に対向する陽極位置よりも陰極から遠ざけるようにする。定量的には、被メッキ物の形状やメッキ金属、メッキ速度などとの関係で決めるものであるが、平板表面など比較的単純な形状の被メッキ物にメッキする場合には、陰極端部に対向する陽極部の陰極からの距離は、陰極中央部に対向する陽極部の陰極からの距離の1.1〜6倍、好ましくは1.2〜3.5倍、さらに好ましくは1.4〜3.3倍とすることが望ましい。
本発明のメッキ方法によれば、被メッキ物の端部も中央部と変わらない厚さでメッキができ、均一で平滑なメッキ層を持つ製品が得られる。精密部品の場合、従来のように端部のメッキ厚が規格を外れ、これを研磨して調整することもなくなった。また、メッキ層の厚さのばらつきが小さくなるので、余裕として付着させていたメッキ厚が薄くでき、メッキ時間を短縮できる。また、高価な金属、例えば金やパラジウムのメッキでは原料使用量の低減効果は大きい。また、陽極の形状を工夫し、例えば図1のように、それぞれの陽極を個別に配置し、その位置を独立して移動できるようにしておけば、種々の形状や大きさの被メッキ物のメッキに同じ陽極の配置をすこし調整するだけで対応できる。
本発明の電気メッキ方法および電気メッキ装置の具体的な実施形態について図を参照にしながら説明する。図1は本発明のメッキ方法を実施するための典型的な本発明の電気メッキ装置を表している。A図はメッキ槽の概念図、B図は陰極側から見たメッキ槽内の3個の陽極の形状を表している図である。陰極2はひっかけ冶具により陰極電源に接続されている被メッキ物である。此処では平板を想定しているが、形状はどのようなものでもよい。3個の陽極1a,1b,1cはそれぞれ同じ陽極電源に接続されている。陽極の形状は、陽極1aは長方形の板状、陽極1bは陽極1aより大きい長方形の中央部の陽極1aに相当する面積を除去した額縁状の平板形状、陽極1cも陽極1bより大きな板から陽極1bの外形に相当する部分を除去した額縁状の板状陽極である。陽極1cの外形は陰極2の陽極に面する外形と実質的に同じかそれより大きい。A図の右側面から見た陽極1a,1b,1cは一枚の長方形の陽極のように見え、被メッキ物である陰極2に対向するように配置してある。陽極はこの長方形の中央部の1aから周辺部の1cとなるに従って陰極2との距離が長くなる。例えば、陰極2と陽極1aとの距離を1とすると、陰極2と陽極1bとの距離は1.5、陰極2と陽極1cとの距離は2.5とする。メッキ槽4にはメッキ液が入っており、これは通常のメッキ液、例えば金、銀、銅、亜鉛、スズ、ニッケル、クロム、カドミウムなどメッキしたい金属イオンと、これらに対応する負インン物質、例えば硫酸イオン、シアンイオンなどが入っている。なお、陽極は白金電極を用いた。これに通電して必要な電気量を流せば相当するメッキ厚のメッキ被覆ができる。このようにすれば、図4に示したような単純な一枚の陽極でメッキした被メッキ物に較べメッキ厚にばらつきのない均一で平滑なメッキ被覆ができる。なお、メッキ槽中の矢印(→)はメッキ液中の電流を概念的に表しており、陽極1cからの電流は電極間の距離が長い分だけ弱いため、陰極2の端部で集中しても電流密度は陰極中央部と同じになることを表している。一方、図4ではこの陰極端部付近の電流は弱まっていない上に集中するので電流密度が高くなり、メッキされる量が増え、メッキ層が厚くなってしまうのである。図1のメッキ方法は陽極の配置の調整が可能なので被メッキ物の形状に応じてそれぞれの陽極の配置を調整して最適のメッキをすることができる。
図2も本発明のメッキ方法を実施するための実際的な本発明の電気メッキ装置を表している。図2は陽極1の形状が図1とは異なり、陰極側に向かって凸面となっている一体の陽極である。これにより、陰極中央部に対向する陽極部に較べ陰極端部に対向する陽極部の距離は長くなっている。このため陰極端部へのイオン電流の集中が抑制され均一なメッキが可能となる。この装置は陽極が複数でないので陽極配置の調整が楽である。図3は図1に類似した本発明のメッキ方法を実施するための実際的な本発明の電気メッキ装置を表している。図3は陽極の形状が図1とは少し異なり、中央が除去されていない円盤状で大きさの異なる陽極1d,1e,1fからなっている。円形と長方形の違いは本質的な問題ではない。例として、円形の被メッキ物を想定したから陽極も円盤状にしたものである。陽極1e,1fの中央部が除去されていてもいなくてもメッキ効果という点からは大きな影響はない。白金電極のように高価な電極を用いる場合、材料費が問題になることはあるが、その他は図1で説明したものと同じである。
図8は本発明の連続メッキ装置および連続メッキ方法の例である。図8のA図は直方体の連続メッキ槽中の電極を表す平面図、B図は右側面図である。被メッキ物2は陰極電源と接続しているひっかけ冶具に吊るされてA図の、例えば左から右へと移動し、所定の滞留時間によりメッキされる。陽極は3個ひと組で複数組(図では5組)が陰極の被メッキ物の移動に対応して、A図の左右方向に関しては均一な電流を流せるように被メッキ物に対向して配置されている。B図から判るようにひと組の陽極1h,1g,1hはメッキ槽の上部、中部、下部に配置されている。上部と下部の陽極1hは被メッキ物の上下の端部に対向しており、中部の陽極1gよりも陰極から離して配置されている。この部分の電極間の電気抵抗は大きくなり、被メッキ物の上下端部の陰極電流密度は過剰にならない。このようにすれば、連続的にメッキをしても被メッキ物の上下にメッキが付き過ぎ、メッキ厚のむらができることはない。なお、被メッキ物の左右の端部は隣の被メッキ物の端部と近接するように配置すれば、図7で説明したと同じように左右の端部にメッキむらはできないので均一なメッキができ、メッキ液のロスもなくなる。なお、説明の都合上、陽極と陰極は左右に対向しているが、陽極と陰極が上下に対向する構造、例えは陰極を上にした連続メッキ装置でも同様に本発明のメッキ方法が好適に実施できる。
(実施例1)
電子部品に用いられる代表的なプリント配線基板であるところのポリイミド樹脂フィルムに一般的な硫酸銅めっき液を使用して銅めっきを行った。ポリイミド樹脂フィルムには真空スパッタリング方法などにより既に銅が1μ程度成膜されているプリント配線用基板を使った。プリント配線用基板は300mmx450mmに切断されたものを陰極として図1に示すようなメッキ装置で銅メッキを行った。
メッキ液の組成
硫酸銅 100g/l
硫酸 190g/l
塩素イオン 50mg/l
光沢剤 A 0.5ml/l
光沢剤 B 4.0ml/l
(光沢剤は日本化学産業株式会社製・クッペライトNIAを用いた)
プリント配線用基板を陰極2として、表面を陽極面に対向するようにそれぞれ垂直に配置した。陽極はチタン表面を白金被覆した白金電極を用いた。陽極は3つの部分陽極1a,陽極1b,陽極1cからなり、陽極1aは縦100mm、横100mmの板上体であり、陽極1bは縦200mm、横200mmの板状体から中心部を陽極1a分だけ、すなわち縦100mm、横100mmを除去した額縁状の板状体であり、同様に陽極1cは縦300mm、横450mmの中心部を陽極1bおよび1a分だけ、すなわち縦200mm、横200mmを除去した額縁状の板状体である。3つの陰極は、陽極側から見ると一枚の板状の陽極に見えるが、陽極1aは陰極表面からの距離が60mm、陽極1bは陰極表面からの距離が100mm、陽極1aは陰極表面からの距離が150mmである。各陽極は導線により同じ陽極電源に接続されている。10μm厚のメッキを目標に、陰極電流密度4A/dm、すなわち総電流54Aで12分間通電した。その後、プリント配線用基板を取り出し洗浄してメッキ層の厚さを測定した結果、最大厚さ10.5μm、最低厚さ9.5μmの平滑な表面が得られた。
(実施例2)
図2に示すような電極配置の装置を使用して予めニッケルめっきが施された印刷用ロールにクロムメッキを実施した。印刷用ロール外表面は銅メッキが施されており、直径300mm、長さ1200mmの円筒状である。これを水平にセットして陰極とした。陽極の配置は、陰極から陽極1bまでの距離を、陰極から陽極1aまでの距離の2倍、陰極から陽極1cまでの距離を、陰極から陽極1aまでの距離の3倍とした。クロムメッキ液はサージェント浴を用い、定法に従って100μm厚を目標にクロムメッキをした。メッキ終了後印刷用ロールの各部のクロムメッキ厚を測定したところ98〜103μmの平滑で高硬度のメッキがされていた。
(実施例3)
直径30cmのステンレス製円板を陰極として垂直に吊るし、この表面に対向するように陽極を配置した。陽極はそれぞれ直径10cm、直径20cm、直径30cmの18−8ステンレス製円板で一組になっており、図3に示すように陰極および各陽極の中心が水平な一直線上に配置され、陰極面と各陽極面が対向するようにする。陽極は導線によりひとつの陽極電源に接続している。陰極からの距離は直径10cmの陽極が60mm、直径20cmの陽極が100mm、直径30cmの陽極が150mmである。メッキ液は金銀合金電鋳用メッキ液(日進化成株式会社製オーロベースUG−16)を用い、PH9.5、60℃で、60分間、陰極電流密度1.5A/dmでメッキした。得られたメッキ層は平滑で光沢のある白黄色の電鋳被膜であり、メッキ層厚は52〜55μmであった。
(比較例1)
実施例1において、陽極を縦300mm、横450mmの板状として陰極から100mmの位置に対向するように配置した以外は実施例1と同様にして、プリント配線基板表面に銅メッキを行った。メッキされたプリント配線基板表面のメッキ厚はプリント配線基板中心部で4.3μm、外周部の厚いところで14.5μmであった。また、メッキ被膜表面は特に外周部で平滑性がなくなっており、いわゆるコゲが生じていた。
本発明のメッキ方法によれば容易に平滑で表面状態のよいメッキ被膜が得られ、特にメッキ層厚の均一なメッキ被膜が得られた。それに較べ従来法である一枚の陽極を使った以外ほぼ同様の条件でメッキをした場合は、メッキ面は平滑性がなく、外周部のメッキ厚は薄い中心部分の3倍以上となった。中心部分を10μm以上のメッキ厚にするためには、2倍以上の時間とメッキ液を必要とし、端部は30μm以上のメッキ厚となる可能性があり、製品の品質、生産性、経済性からも本発明のメッキ方法に較べ好ましくない。
本発明は平板や円筒などのような比較的簡単な形状の被メッキ物の大量、連続めっきに特に有効である。また、金メッキやパラジウムメッキのようにメッキ材料が高価で、できるだけメッキ材料のロスを抑えたいメッキ方法として特に効果的である。また、製品のメッキ厚の均一性が要求される場合にも適したメッキ方法である。さらに、連続メッキ方法としても優れたメッキ方法である。
図1は本発明のメッキ装置の一例の説明図である。A図はメッキ槽内の電極配置の説明図、B図は陰極側から見た各陽極の形状図である。 図2は本発明のメッキ装置の一例の説明図であり、メッキ槽中の電極中央の水平断面を表している説明図である。 図3は本発明のメッキ装置の一例の説明図である。A図はメッキ槽内の電極配置の説明図、B図は陰極側から見た各陽極の形状図である。 図4は従来のメッキ装置の説明図である。A図はメッキ槽内の電極配置の説明図、B図はメッキされた被メッキ物のメッキの状態を表す断面図である。 図5は遮蔽材を備えたメッキ装置の説明図である。 図6は小さな陽極を備えたメッキ装置の説明図である。 図7は陰極の周りに冶具を備えたメッキ装置の説明図である。 図8は横型の連続メッキ装置の電極配置の説明図である。A図は平面図、B図は側面図である。 なお、それぞれのメッキ槽内の矢印(→)はメッキ中の電流を表している。
符号の説明
1 :陽極(全体)
1a:陽極(一部分)
1b:陽極(一部分)
1c:陽極(一部分)
1d:陽極(一部分)
1e:陽極(一部分)
1f:陽極(一部分)
1g:陽極(一部分)
1h:陽極(一部分)
2 :陰極または被メッキ物
2’:メッキされた被メッキ物
3 :遮蔽材
4 :メッキ槽
5 :被メッキ物の端部
5’:メッキされた被メッキ物の端部
6 :被メッキ物の中央部
6’:メッキされた被メッキ物の中央部
7 :被メッキ物の周辺に配置した冶具

Claims (8)

  1. 被メッキ物を陰極とし対向する陽極との間に電流を流してメッキ被膜を形成する電気メッキ方法において、陽極に面する陰極面の中央部に対向する陽極部を該陰極面の外周部に対向する陽極部より陰極面に近接して配置してメッキ被膜を形成する電気メッキ方法。
  2. 陰極側から投影した陽極の投影面積が、陽極側から投影した被メッキ物の投影面積以上である請求項1に記載の電気メッキ方法。
  3. 陽極表面が白金族金属または白金族金属の酸化物である請求項1または2に記載の電気メッキ方法。
  4. 陽極がステンレス鋼である請求項1または2に記載の電気メッキ方法。
  5. メッキ槽内に被メッキ物を配置する陰極部と、陰極部に対向する陽極を備えた電気メッキ装置において、陽極に面する被メッキ物の中央部に対向する陽極部が該被メッキ物の外周部に対向する陽極部より該被メッキ物に近接するように配置されている電気メッキ装置。
  6. メッキ槽中を被メッキ物が水平方向に移動して連続的にメッキされる電気メッキ装置において、陽極の上部および下部から陰極部までの距離が、陽極の中央部から陰極部までの距離より長い電気メッキ装置。
  7. 陽極表面が白金族金属または白金族金属の酸化物である請求項5または6に記載の電気メッキ装置。
  8. 陽極がステンレス鋼である請求項5または6に記載の電気メッキ装置。
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