JPH08157755A - カチオン電着塗料組成物 - Google Patents

カチオン電着塗料組成物

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JPH08157755A
JPH08157755A JP33161594A JP33161594A JPH08157755A JP H08157755 A JPH08157755 A JP H08157755A JP 33161594 A JP33161594 A JP 33161594A JP 33161594 A JP33161594 A JP 33161594A JP H08157755 A JPH08157755 A JP H08157755A
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epoxy resin
polyglycidyl
ring
compound
reaction
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JP33161594A
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Mitsuo Yamada
光夫 山田
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 架橋により新たに形成される結合が熱的に安
定なオキサゾリドン環である新しい硬化メカニズムを利
用するカチオン電着塗料を提供する。 【構成】 (a)ポリグリシジルエポキシ樹脂の骨格へ
結合したブロックイソシアネート成分を有し、さらに出
発樹脂のエポキシ環とカチオン性活性水素化合物との開
環付加反応によって導入されたカチオン性基を有する変
性エポキシ樹脂と、(b)変性エポキシ樹脂のブロック
イソシアネート基と反応してオキサゾリドン環架橋を形
成するポリグリシジル化合物を必須成分とし、中和剤を
含む水性媒体中に分散してなるカチオン電着塗料が提供
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の背景 本発明は、新しい架橋メカニズムを使用するカチオン電
着塗料組成物に関する。
【0002】従来のカチオン電着塗料の多くは、硬化剤
としてブロックポリイソシアネート化合物を使用し、基
体樹脂に含まれる活性水素含有基と硬化剤に含まれるイ
ソシアネート基との反応によって形成されるウレタン結
合または尿素結合によって基体樹脂を架橋、硬化するよ
うになっている。
【0003】しかしながらブロックポリイソシアネート
化合物を硬化剤として使用する系は、一般に高い焼付温
度を必要とし、焼付時ブロックポリイソシアネート化合
物のブロック剤の揮散による加熱減量が大きく、また上
塗り塗膜の黄変、ブリード、硬化阻害などを引き起こす
とともに上塗り塗膜の耐候性を低下させ、白化し易くす
るなどの欠点がある。
【0004】さらにブロックポリイソシアネートの熱分
解物は、焼付炉へヤニ、スス等として蓄積し、触媒とし
て塗料へ添加した有機スズ化合物は、炉の排気燃焼触媒
を被毒させ、その寿命を早める。
【0005】また、ジイソシアネート化合物の一方のイ
ソシアネート基をモノアルコールなどでブロックしたハ
ーフブロックイソシアネートをエポキシ樹脂へ鎖中の2
級水酸基とのウレタン結合により導入し、エポキシ環へ
アミンを付加して得られる自己架橋型の変性エポキシ樹
脂を含むカチオン電着塗料も知られているが、やはり2
00℃の焼付温度を必要とし、このため結合したジイソ
シアネート成分が脱離して硬化不良、膜厚の低下など不
満足な結果を生じ易い。
【0006】そこで本発明は、架橋反応によって新たに
形成される結合がウレタン結合や尿素結合ではなく、新
しい架橋メカニズムを採用するカチオン電着塗料組成物
を提供する。
【0007】本発明の開示 本発明は、(a)ポリグリシジル樹脂の骨格へ結合した
ブロックイソシアネート成分を有し、かつ前記エポキシ
樹脂のエポキシ環とカチオン性活性水素化合物との開環
付加反応によって導入されたカチオン性基を有する変性
エポキシ樹脂、および(b)前記変性エポキシ樹脂のブ
ロックイソシアネート基と反応してオキサゾリドン環架
橋を形成することができるポリグリシジル化合物、を必
須成分として含有するカチオン電着塗料組成物を提供す
る。
【0008】一具体例において、前記変性エポキシ樹脂
(a)は、出発エポキシ樹脂のエポキシ基と有機ジイソ
シアネート化合物の一方のイソシアネート基との反応に
より形成されたオキサゾリドン環結合を介して樹脂へ結
合したブロックイソシアネート成分を有し、さらに出発
樹脂の残りのエポキシ環とカチオン性活性水素化合物と
の開環付加反応によって導入されたカチオン性基を有す
る。
【0009】他の具体例において、前記変性エポキシ樹
脂(a)は、出発エポキシ樹脂の鎖中の2級アルコール
性水酸基とハーフブロックジイソシアネート化合物との
反応によって樹脂骨格へ導入されたブロックイソシアネ
ート成分を有し、さらに出発エポキシ樹脂の全部のエポ
キシ環とカチオン性活性水素化合物との開環付加反応に
よって導入されたカチオン性基を有する。
【0010】好ましい具体例において、これら変性エポ
キシ樹脂を架橋するためのポリグリシジル化合物は、3
官能以上のノボラックエポキシ樹脂またはポリグリシジ
ル化ポリアミンである。
【0011】本発明塗料組成物の焼付硬化時、架橋反応
により新たに形成される結合はオキサゾリドン環であ
る。このためウレタン結合または尿素結合によって架橋
する従来のカチオン電着塗料より低い温度で架橋、硬化
することが可能であり、かつスズ触媒を必要としない。
またオキサゾリドン環は熱的に安定なため変性エポキシ
樹脂の骨格へ導入されたブロックイソシアネート成分が
加熱時脱離することはなく、そのため上塗り塗膜を黄変
または他の態様で劣化させることもない。さらに塗料中
のイソシアネート基ブロック剤の相対的比率が低いた
め、加熱時その揮散による塗料の加熱損失、膜厚の低下
の程度も小さい。
【0012】好ましい実施態様の説明 (a)成分 (a)成分は、本発明者らの特開平5−139590号
に開示された方法によって製造することができる。すな
わち、ポリグリシジルエポキシ樹脂を出発樹脂とし、第
1工程において出発樹脂の一部のエポキシ環とブロック
したジイソシアネート化合物との反応によってブロック
したイソシアネート成分を出発樹脂の骨格へ導入し、次
いで残っているエポキシ環をアミン等のカチオン性活性
水素化合物との開環付加反応によってカチオン性基を導
入することによって製造することができる。
【0013】他の具体例による(a)成分は、先行技術
において自己架橋またはブロックポリイソシアネート化
合物により架橋する変性エポキシ樹脂として良く知られ
ている。
【0014】出発樹脂 出発樹脂は、複数のグリシジルオキシ基を有するエポキ
シ樹脂である。その典型例は、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラッ
ク、クレゾールノボラック等の多環式ポリフェノール化
合物のエピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフ
ェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。
【0015】ポリフェノールグリシジルエーテル型エポ
キシ樹脂のほか、エチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、ポリアルキレングリ
コールなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテ
ル、および脂肪族、脂環族もしくは芳香族ポリカルボン
酸のポリグリシジルエステルも使用することができる。
【0016】本発明の出発樹脂は、上に挙げた二官能エ
ポキシ樹脂を二官能ポリオール、二官能ポリカルボン
酸、二官能ポリイソシアネートと二官能ポリフェノー
ル、二官能ポリアミンとの反応を利用して鎖延長した樹
脂を含む。この目的に使用し得る鎖延長剤は二官能のポ
リエステルポリオール、二官能のポリエーテルポリオー
ルおよびビスフェノールを含む。ポリエステルポリオー
ルはポリカルボン酸またはその無水物のポリオールとの
エステル化反応により得られるポリエステルポリオー
ル、およびポリカプロラクトンポリオールのようなポリ
オールにより開始されるラクトンの重合反応によって得
られるものを含む。
【0017】鎖延長はコハク酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン
酸、またはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸を使用して実施してもよい。
【0018】二官能エポキシ樹脂と、モノアルコールで
ブロックしたジイソシアネート化合物によるもしくはジ
イソシアネート化合物直接による鎖延長反応は、岩倉
ら、J.Polymer Sci.Part A−1,
,751(1966)およびSander et a
l,J.Appl.Polymer Sci.,19
84(1966)に記載されている方法によって行うこ
とができる。この場合は、分子鎖内にオキサゾリドン環
を複数個有するエポキシ樹脂が得られる。
【0019】好ましくは、出発樹脂は150〜2,00
0のエポキシ当量を有する。
【0020】第1工程 オキサゾリドン環を介して結合したブロックイソシアネ
ート成分を有する変性エポキシ樹脂の場合、第1工程
は、出発樹脂の一部のエポキシ環とブロックしたジイソ
シアネート化合物との反応である。
【0021】ジイソシアネート化合物としては、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)などの芳香族ジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イ
ソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−メ
チレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族およ
び脂環族ジイソシアネートを使用し得る。
【0022】使用し得るブロック剤はこの分野では良く
知られており、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチ
レングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノー
ル等の脂肪族アルコール;フェノール、ニトロフェノー
ル、エチルフェノール等のフェノール類;メチルエチル
ケトオキシムなどのオキシム類;ε−カプロラクタム等
のラクタム類を含む。
【0023】先に引用した岩倉らの反応も、エポキシ樹
脂とブロックジイソシアネート(ビスウレタン)との反
応であるが、この場合はブロックしたイソシアネート基
の両方からブロック剤が脱離し、エポキシ樹脂を鎖延長
する。本発明の第1工程はこれと異なり、ブロックジイ
ソシアネートの第1および第2のブロックイソシアネー
ト基のうち、その一方だけがエポキシ環と選択的に反応
し、他方はブロック形で残らなければならない。
【0024】そのようにエポキシ環と優先的もしくは選
択的に反応するブロックイソシアネート基とブロック形
でそのまま残存するブロックイソシアネート基を有する
ブロックジイソシアネート化合物は、第1および第2の
イソシアネート基を異なるブロック剤でブロックするこ
とによって得られる。好ましい具体例においては、エポ
キシ環と優先的に反応するブロックイソシアネート基の
ブロック剤としてメタノールまたはエタノールを使用
し、他方のブロックイソシアネート基のブロック剤とし
てブタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数4以
上の脂肪族モノアルコール、クレゾールおよびノニルフ
ェノール等のアルキルフェノール、エチレングリコール
もしくはプロピレングリコールのモノ2−エチルヘキシ
ルエーテル等のグリコールモノエーテル、ジメチルケト
オキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチ
ルケトオキシム等のオキシム、カプロラクタムまたはそ
れらの混合物、好ましくは脂肪族モノアルコール、グリ
コールエーテルを使用する。一般にジイソシアネート化
合物に最初メタノールまたはエタノールを反応させて一
方のイソシアネート基をブロックし、次に残りのイソシ
アネート基をブロックするのが好ましい。電着塗料にお
いては、炭素数4以上の脂肪族モノアルコール、アルキ
ルフェノールまたはグリコールモノエーテルを塗膜の熱
フロー性改善剤として別に添加することがあるが、本発
明では前記のような形で樹脂へ熱フロー改善剤を組込む
ことができる。
【0025】前記第1工程において、出発樹脂と反応す
べきジイソシアネート化合物として、ソフトセグメント
となる2官能活性水素化合物とブロックジイソシアネー
トモノマーとをNCO/活性水素当量比2以上の割合で
反応させて得られるブロックプレポリマーを使用するこ
とができる。
【0026】この目的に使用し得る2官能活性水素化合
物は、2官能開始剤にエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキシドを
付加重合させて得られるポリエーテルジオール;ポリア
ジペートおよびポリカプロラクトンジオールのようなポ
リエステルジオール;ポリオキシプロピレンジアミンの
ような2官能ポリオキシアルキレンポリアミン;ダイマ
ー酸のような長鎖二塩基性脂肪酸;末端カルボキシ基ニ
トリルゴムオリゴマー;末端水酸基ポリブタジエンオリ
ゴマーを含む。ビスフェノールAにエチレンオキシドま
たはプロピレンオキシド4〜8モルを付加したポリエー
テルジオールが好ましい。
【0027】ブロックプレポリマーは、これら2官能活
性水素化合物とあらかじめ好ましくはメタノールまたは
エタノールでブロックしたジイソシアネートモノマーと
を反応させることにより得られる。勿論活性水素化合物
と遊離ジイソシアネートモノマーを反応させて得られる
プレポリマーを反応後メタノールまたはエタノールでブ
ロックしてもよい。
【0028】出発エポキシ樹脂と非対称ブロックジイソ
シアネート化合物の比は、使用する特定の出発樹脂、ジ
イソシアネート化合物、最終目的物である変性エポキシ
樹脂のアミン当量等によって一定しないが、エポキシ環
/第2のブロックイソシアネート基の比が1未満でなけ
ればならない。換言すれば第1工程の生成物中にエポキ
シ環が残っていなければならない。反応温度は好ましく
は60℃〜200℃であり、副生するメタノールまたは
エタノールはデカンター等を用いて系外へ除去するのが
好ましい。
【0029】次に、エポキシ樹脂の鎖中の2級アルコー
ル性水酸基との反応によって結合したブロックイソシア
ネート成分を有する変性エポキシ樹脂の場合、第1工程
は出発エポキシ樹脂とハーフブロック化ジイソシアネー
ト化合物との反応である。この場合、出発エポキシ樹脂
は鎖中に2級アルコール性水酸基を持たなければならな
い。そのような樹脂は、例えば2個以上のビスフェノー
ル分子が2−ヒドロキシ−1,3−プロピレンブリッジ
によって結合している両末端エポキシビスフェノール型
エポキシ樹脂である。
【0030】ハーフブロック化ジイソシアネート化合物
とは、有機ジイソシアネート化合物の一方のイソシアネ
ート基のみを先に述べたブロック剤でブロックし、他方
のイソシアネート基は2級アルコール性水酸基との反応
のため遊離型として残したものである。
【0031】第2工程 第2工程は、エポキシ環をアミン等の活性水素化合物で
開環してカチオン性基を導入する慣用方法でよい。すな
わち第1工程の生成物中に残っているエポキシ基を利用
し、カチオン性の活性水素化合物との反応によってカチ
オン性基を導入する。
【0032】このため、活性水素化合物として1級アミ
ン、2級アミン、3級アミンの酸塩、もしくはスルフィ
ド・酸混合物を反応させる。その例としては、ブチルア
ミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミ
ン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエ
チルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸
塩、ジエチルジスルフィド・酸混合物などのほか、アミ
ノ1級アミンをブロックした2級アミンがある。アミン
類は複数のものを併用して用いてもよい。1級アミンを
反応させるときは2当量であるためポリエポキシ化合物
の鎖延長剤として働き、ポリエポキシ化合物を高分子量
化させる。エポキシ基と反応させるこれらのアミンは、
第1工程の生成物のエポキシ基とほぼ当量で使用するの
が好ましい。アミン当量としては0.3〜4.0meq
/gが好ましい。アミン当量が0.3meq/g未満で
あると乳化、水溶化が困難であり、4.0meq/gを
越えると造膜後、得られる塗膜の耐水性が不十分とな
る。
【0033】(b)成分 先に述べたように、本発明の組成物は、架橋メカニズム
として変性エポキシ樹脂(a)のブロックイソシアネー
ト基と架橋剤のエポキシ基間のオキサドリン環形成反応
を利用する。この目的のために使用し得るポリグリシジ
ル化合物は、先に述べた変性エポキシ樹脂(a)の出発
樹脂として使用することができるポリフェノールグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂、多価アルコールポリグリ
シジルエーテル、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステ
ルを含む。しかしながら架橋剤として使用するポリグリ
シジル化合物としては、3官能以上で、エポキシ当量5
00以下、特に100〜300を有するポリグリシジル
化合物が特に好ましい。その例としては、フェノール、
クレゾール等のモノフェノールとホルムアルデヒドとの
酸性触媒の存在下の初期縮合物であるノボラック樹脂に
エピクロールヒドリンを反応させて得られるノボラック
型エポキシ樹脂や、1級ポリアミンにエポクロールヒド
リンを反応させて得られるポリグリシジル化ポリアミン
がある。テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、
すなわち1,3−ビス(グリシジルアミノメチル)ベン
ゼンがその典型例である。
【0034】電着塗料組成物 本発明の電着塗料組成物は、中和剤を含む水性媒体中
に、変性エポキシ樹脂(a)と、ポリグリシジル化合物
(b)を分散することによって調製される。中和剤は、
塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、スルファミン
酸、アセチルグリシンのような無機または有機酸でなけ
ればならない。
【0035】塗料組成物中の変性エポキシ樹脂(a)と
その架橋剤(b)の比率は、変性エポキシ樹脂中のブロ
ックイソシアネート基と架橋剤中のエポキシ基とが実質
上化学量論的比率にあることが望ましく、一般に固形分
重量で、変性エポキシ樹脂/架橋剤比が95/5〜45
/55の範囲を変動し得る。
【0036】塗料は、二酸化チタン、カーボンブラッ
ク、ベンガラ等の着色顔料、カオリン、クレー、タルク
等の体質顔料、塩基性ケイ酸鉛、リンモリブデン酸アル
ミ等の防錆顔料のほか、水混和性有機溶剤、界面活性
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの常用の塗料用添加
剤を含むことができる。
【0037】以下の実施例において、「部」および
「%」は特記しない限り重量基準による。
【0038】製造例1変性エポキシ樹脂の製造 攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロート
を取り付けたフラスコに2,4/2,6−トリレンジイ
ソシアネート(80/20wt比)73.1gとメチル
イソブチルケトン110gおよびジブチルスズラウレー
ト0.05gを秤とり攪拌しながら窒素をバブリング
し、メタノール23.7gを滴下ロートより30分間か
けて滴下した。温度は室温からはじめ60℃まで昇温し
た。その温度で1時間保持した後、ビスフェノールAの
プロピレンオキシド5モル付加体27.5gを添加し、
90℃で反応させた。反応は、赤外線分光計によりイソ
シアネート基が消失するまで継続した。
【0039】その後、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンから合成したエポキシ当量475のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂475.0gを反応容器に加え、均
一に混合し、110℃まで昇温し、ベンジルジメチルア
ミン0.62gを加え、反応物を120℃まで昇温し、
副生するメタノールをデカンターを用いて留去させなが
ら、エポキシ当量1010になるまで反応させた。その
あと冷却し、次にN−メチルエタノールアミン42.9
gを加えた。反応は、110℃で行い2.0時間反応さ
せた。IRスペクトルでオキサゾリドン環のカルボニル
基にもとづく1750cm-1の吸収が見られた。その
後、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエー
テルで不揮発分82%まで希釈した。
【0040】このようにして末端にオキサゾリドン化ハ
ーフ・ブロックイソシアネート基含有樹脂Aを得た。塩
基濃度は、93meq/100gであった。
【0041】製造例2変性エポキシ樹脂の製造 攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロート
を取り付けたフラスコに2,4/2,6−トリレンジイ
ソシアネート(80/20wt比)73.1gとメチル
イソブチルケトン110gおよびジブチルスズラウレー
ト0.05gを秤とり攪拌しながら窒素をバブリング
し、メタノール13.4gを滴下ロートより30分間か
けて滴下した。温度は室温からはじめ60℃まで昇温し
た。そのあと30分間反応を継続した後、エチレングリ
コールモノ−2−エチルヘキシルエーテル52.2gを
滴下ロートより1時間かけて滴下した。反応は主に60
℃から65℃の範囲に維持しながら行った。
【0042】その後、ビスフェノールAプロピレンオキ
シド5モル付加体27.5gを添加し、90℃で反応し
た。反応は、赤外線分光計によりイソシアネート基が消
失するまで継続した。
【0043】その後、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンから合成したエポキシ当量475のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂475.0gとを反応容器に加え、
均一に混合し、110℃まで昇温し、ベンジルジメチル
アミン0.62gを加え、反応物を120℃まで昇温し
副生するメタノールをデカンターを用いて留去させなが
ら、エポキシ当量1079になるまで反応させた。その
あと冷却し、次に、N−メチルエタノールアミン39.
2gおよびアミノエチルエタノールアミンのケチミン化
物(79wt%メチルイソブチルケトン溶液)13.7
gを加えた。反応は、110℃で行い2.0時間反応さ
せた。
【0044】IRスペクトルでオキサゾリドン環のカル
ボニル基にもとづく1750cm-1の吸収が見られた。
【0045】その後、エチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテルで不揮発分82%まで希釈した。
【0046】そのようにして末端にオキサゾリドン化ハ
ーフ・ブロックイソシアネート基含有樹脂Bを得た。塩
基濃度は94meq/100gであった。
【0047】製造例3変性エポキシ樹脂の製造 実施例1と同様な反応容器に4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート250g、メチルイソブチルケトン
120.0gを秤とり、メタノール23.0gとエチレ
ングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル53.
0gの混合物を1時間かけて滴下した。反応は室温から
行い60℃まで昇温し、ハーフブロックイソシアネート
化合物を得た。
【0048】また別て反応容器にビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(エポキシ当量:700、メチルイソブチル
ケトン85%希釈物)823gを秤とり、50℃まで昇
温した。その後、ハーフブロックイソシアネート化合物
を徐々に加えた。反応は、赤外線分光計によりイソシア
ネート基が消失するまで継続した。その後、100℃ま
で昇温し、N−メチルエタノールアミン75.1gを徐
々に加えた。反応は110℃で2時間継続した。分子側
鎖にハーフ・ブロックイソシアネート基を含有する樹脂
Cを得た。塩基濃度は95meq/100gであった。
【0049】製造例4比較例用ブロックポリイソシアネート硬化剤の製造 攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロート
を取り付けたフラスコ4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート125.0gとメチルイソブチルケトン7
5.0gおよびジブチルスズジラウレート0.05gを
秤とり、攪拌,窒素をバブリングしながら、ε−カプロ
ラクタム45.2g、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル47.2g、メタノール4.0g、およびトリメ
チロールプロパン4.4gの混合物を滴下ロートより1
時間かけて滴下した。温度は室温からはじめ60℃まで
昇温した。そのあと1時間反応を継続し、赤外線分光計
によりNCO基の吸収が消失するまで反応させた。
【0050】実施例1〜3および比較例 製造例1〜3の樹脂A,B,Cと、硬化剤a,b,cと
を表1のように組合せてカチオン電着塗料を調製した。
【0051】イオン交換水41.5部と酢酸1.5部を
秤りとり、それへ70℃に加温した変性エポキシ樹脂9
1.5部(固形分として75部)および硬化剤(固形分
として25部)の混合物を徐々に滴下し、攪拌して均一
に分散させた。そのあとエチレングリコールモノヘキシ
ルエーテル2.0部を加え、更に脱イオン水で希釈し、
不揮発分20%に調製した。
【0052】この塗料に複塗物としてリン酸亜鉛処理し
た鋼板を浸漬し、乾燥膜厚が20μmになるように電着
塗装し、実施例では140℃×20分、比較例では17
0℃×20分の条件で焼付けし、塗膜の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】1)硬化剤a:ノボラックエポキシ樹脂、
東都化成(株)製YDPN−631,エポキシ当量16
8 2)硬化剤b:テトラグリシジル−m−キシリレンジア
ミン、三菱ガス化学(株)製TGMXA,エポキシ当量
100 3)加熱減量:150℃×3hr乾燥した後、175℃
×120分焼付けを行い、塗膜重量を測定し、加熱減量
を測定した。 4)アセトンラビング:ガーゼにアセトンをしみ込ま
せ、往復20回ラビングした後の外観の変化を目視評価
した。 ○:異常なし △:わずかにツヤ引け ×:ツヤ引け 5)熱分解率:セイコー電子工業製S−5200 TG
−DTA熱分析装置を用いて硬化塗膜の熱重量減少率を
測定した。 6)上塗り黄変性:筒状の金属容器を自動車用中塗り塗
料(日本ペイント(株)製アルキッド/メラミンホワイ
ト塗料)で塗装した。これを塗り板上にかぶせ、表1の
条件で焼付けを行い、筒状容器に塗装した塗膜の黄変の
程度を評価した。 ○:変化なし △:わずかに黄変 ×:著しく黄変

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリグリシジルエポキシ樹脂の骨格
    へ結合したブロックイソシアネート成分を有し、かつ前
    記エポキシ樹脂のエポキシ環とカチオン性活性水素化合
    物との開環付加反応によって導入されたカチオン性基を
    有する変性エポキシ樹脂、および (b)前記変性エポキシ樹脂のブロックイソシアネート
    基と反応してオキサゾリン環架橋を形成することができ
    るポリグリシジル化合物を必須成分として含有するカチ
    オン電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記変性エポキシ樹脂(a)は、ポリグリ
    シジルエポキシ樹脂の一部のエポキシ基と有機ジイソシ
    アネートの一方のイソシアネート基間の反応によって形
    成されたオキサゾリドン環を介して樹脂骨格へ結合した
    ブロックイソシアネート成分と、前記エポキシ樹脂の残
    りのエポキシ環のカチオン性活性水素化合物による開環
    反応によって導入されたカチオン性基を有する変性エポ
    キシ樹脂である請求項1の組成物。
  3. 【請求項3】前記変性エポキシ樹脂は、ポリグリシジル
    エポキシ樹脂の鎖中の2級アルコール性水酸基とハーフ
    ブロックジイソシアネート化合物との反応によって樹脂
    骨格へ導入されたブロックイソシアネート成分と、前記
    エポキシ樹脂の全部のエポキシ環のカチオン性活性水素
    化合物による開環反応によって導入されたカチオン性基
    を有する変性エポキシ樹脂である請求項1の組成物。
  4. 【請求項4】前記ポリグリシジルエポキシ樹脂は、エポ
    キシ当量200〜2,000のビスフェノール型エポキ
    シ樹脂である請求項1ないし3のいずれかの組成物。
  5. 【請求項5】前記ブロックイソシアネート基は、脂肪族
    モノアルコール類、フェノール類、エチレングリコール
    もしくはプロピレングリコールのモノアルキルエーテル
    類、オキシム類またはラクタム類でブロックされている
    請求項1ないし3のいずれかの組成物。
  6. 【請求項6】前記活性水素化合物は、1級アミン、2級
    アミン、3級アミン酸付加塩、またはジスルフィドー酸
    混合物である請求項1ないし3のいずれかの組成物。
  7. 【請求項7】前記ポリグリシジル化合物は、3官能以上
    のノボラックエポキシ樹脂またはポリグリシジル化ポリ
    アミンである請求項1ないし3のいずれかの組成物。
  8. 【請求項8】前記変性エポキシ樹脂と前記ポリグリシジ
    ル化合物の比率は、重量比で95/5〜45/55であ
    る請求項1ないし7のいずれかの組成物。
  9. 【請求項9】前記変性エポキシ樹脂と前記ポリグリシジ
    ル化合物は、組成物中で中和剤を含む水性媒体中に分散
    している請求項1ないし8のいずれかの組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100439706B1 (ko) * 1996-12-30 2005-01-15 고려화학 주식회사 저온경화성 양이온 전착도료 수지조성물
KR100540815B1 (ko) * 1998-12-31 2006-02-28 주식회사 케이씨씨 알킬 글리시딜 에테르 또는 에스테르-아민 도막 형성 첨가제를함유한 양이온 전착 도료 조성물
US11426762B2 (en) 2015-12-31 2022-08-30 Henkel Ag & Co. Kgaa Low bake autodeposition coatings

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