JPH08156161A - 不織布積層体 - Google Patents

不織布積層体

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Publication number
JPH08156161A
JPH08156161A JP30173594A JP30173594A JPH08156161A JP H08156161 A JPH08156161 A JP H08156161A JP 30173594 A JP30173594 A JP 30173594A JP 30173594 A JP30173594 A JP 30173594A JP H08156161 A JPH08156161 A JP H08156161A
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JP
Japan
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layer
nonwoven fabric
density
fusible
low
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP30173594A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromasa Suzuki
木 浩 雅 鈴
Motoyuki Ezaki
崎 元 幸 江
Keiji Ono
野 敬 二 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱成形して高剛性を有し、かつ軽量で、形状保
持性に優れる成形体を得ることができる不織布積層体の
提供。 【構成】熱融着成分を含有し、かつ嵩密度0.15g/
cm3 未満の低密度不織布からなる融着性層(A)と、
該融着性層(A)の両面に配設された、嵩密度0.15
g/cm3 以上の高密度不織布からなる剛性層(B)
と、最上層に配設された表皮層(C)とを有する不織布
積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不織布積層体に関し、特
に、熱成形して高剛性を有し、かつ形状保持性に優れる
成形品を得ることができる不織布積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、不織布または不織布積層体は、軽
量、かつ通気性、嵩高性および風合いに優れる等の特徴
を活かして、各種の用途に使用されている。例えば、自
動車においては、トランク内装材、天井内装材等の内装
材、、シート裏打ち材等の補強材、あるいはドアトリ
ム、ドアパネル、サンバイザー、ダッシュボード等の各
種の部材の被覆素材などの用途に使用されている。
【0003】従来、この種の用途に使用される不織布ま
たは不織布積層体として、低密度不織布の1層からなる
もの、もしくは2層以上積層してなる積層体、あるいは
高密度不織布と低密度不織布を組み合わせた積層体が知
られている。例えば、従来の積層体として、図5に示す
とおり、高密度不織布層11を2つの低密度不織布層1
2,13で挟んだ構造のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の低
密度不織布または低密度不織布と高密度不織布の組合せ
からなるものは、これを加熱成形して、高剛性と形状保
持性に優れる成形物を得るためには、大量に熱可塑性樹
脂成分を配合させなければならなかった。そのため、成
形品の重量が大となり、高剛性を有し、形状保持性に優
れていても、軽量な成形品を得ることが困難であった。
【0005】そこで、本発明の目的は、加熱成形して、
高剛性を有し、かつ軽量で、形状保持性に優れる成形品
を得ることができる不織布積層体を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、熱融着成分を含有し、かつ嵩密度0.1
5g/cm3 未満の低密度不織布からなる融着性層
(A)と、該融着性層(A)の両面に配設された、嵩密
度0.15g/cm3 以上の高密度不織布からなる剛性
層(B)と、最上層に配設された表皮層(C)とを有す
る不織布積層体を提供するものである。
【0007】さらに、本発明は、前記剛性層(B)を少
なくとも2つ有し、前記融着性層(A)が2つの剛性層
の間に配設されている不織布積層体を提供するものであ
る。
【0008】以下、本発明の不織布積層体(以下、本発
明の積層体」という)について詳細に説明する。
【0009】本発明の積層体は、融着性層(A)と、剛
性層(B)と、最上層に配設された表皮層(C)とを有
するものである。また、本発明の積層体は、融着性層
(A)を1層または複数層有するものでもよいし、さら
に剛性層(B)を2層または2層以上有するものでもよ
い。さらに、融着性層(A)と剛性層(B)は、隣接し
て配置され、剛性層(B)は、融着性層(A)の両面に
配設される。
【0010】本発明の積層体において、融着性層(A)
は、本発明の積層体の熱成形時の加熱によって溶融し
て、剛性層(B)と融着し、かつ融着性層(A)自体を
構成する繊維同士が融着し、繊維間の結合を強固にする
熱融着成分を含有する、低密度不織布を主材とするもの
である。
【0011】この融着性層(A)の主材である低密度不
織布は、嵩密度が0.15g/cm 3 未満のものであ
り、軽量で、かつ嵩高性および成形性に優れ、製造コス
ト的に有利である点で、好ましくは嵩密度が0.1〜
0.15g/cm3 のものである。
【0012】また、この低密度不織布の素材繊維は、所
要の密度を有する不織布を構成できるものであれば、特
に限定されず、例えば、ポリアミド(ナイロン)ポリプ
ロピレン、ポリエステル、高密度ポリエチレン(HDP
E)、低密度ポリエチレン(LDPE)等の合成繊維、
レーヨン等の再生セルロース繊維、綿糸等の天然繊維、
あるいは芯の部分と鞘の部分とがそれぞれ異なる繊維で
構成された、いわゆる鞘芯型の複合型繊維などのいずれ
の繊維でもよく、その1種単独または2種以上の組合せ
でもよい。
【0013】さらに、この低密度不織布の素材繊維の繊
維径は、風合い、感触および成形性が優れる点で、通
常、1〜20d程度であり、好ましくは1〜8d程度で
ある。
【0014】さらにまた、この低密度不織布の目付量
は、通常、50〜500g/m2 程度であり、好ましく
は100〜400g/m2 程度である。
【0015】この低密度不織布は、前記素材繊維を、例
えば、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、ウォータ
ージェット法、メルトブローン法、エンボス加工法等の
常法にしたがって製造することができる。特に、後段の
工程において、熱融着成分を溶融する加熱成形を行う場
合には、ニードルパンチ法により製造されたものが望ま
しい。
【0016】この融着性層(A)を構成する低密度不織
布は、熱融着成分を含有するものである。この熱融着成
分として、例えば、低融点ポリエステル、低融点ナイロ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなる低融点繊
維が挙げられる。この熱融着成分の含有量は、熱融着に
よって融着性層(A)と剛性層(B)との結合、かつ融
着性層(A)内の繊維間の強固な結合を得ることができ
る点で、好ましくは5〜40重量%であり、さらに好ま
しくは10〜30重量%である。
【0017】また、融着性層(A)の厚さは、通常、
0.3〜10mm程度であり、形状保持性に優れ、コス
ト的に有利である点で、好ましくは0.5〜5mm程度
である。
【0018】本発明の積層体において、剛性層(B)
は、高密度不織布を主材とするものであり、嵩密度が
0.15g/cm3 以上のものであり、形状保持性およ
び剛性に優れ、コスト的に有利である点で、好ましくは
嵩密度が0.15〜0.5g/cm3 のものである。
【0019】この剛性層(B)の主材である高密度不織
布の素材繊維は、所要の密度を有する不織布を構成でき
るものであれば、特に限定されず、例えば、前記融着性
層(A)の主材である低密度不織布の素材繊維として例
示のものと同じものが挙げられる。
【0020】さらに、この高密度不織布の素材繊維の繊
維径は、通常、1〜20d程度であり、好ましくは1〜
8d程度である。
【0021】さらにまた、この高密度不織布の目付量
は、通常、18〜200g/m2 程度であり、好ましく
は30〜100g/m2 程度である。
【0022】この高密度不織布は、いずれの方法によっ
て製造されたものでもよく、例えば、サーマルボンド
法、ニードルパンチ法、ウォータージェット法、メルト
ブローン法等の公知の方法のいずれの方法にしたがって
製造されたものでもよい。特に、寸法安定性および寸法
保持性に優れる点で、サーマルボンド法により製造され
たものが望ましい。
【0023】また、剛性層(B)の厚さは、通常、0.
1〜0.75mm程度であり、成形性に優れ、かつコス
ト的に有利である点で、好ましくは0.15〜0.5m
m程度である。
【0024】本発明の積層体において、最上層に配設さ
れる表皮層(C)は、通常、低密度不織布からなるもの
である。この低密度不織布は、前記融着性層(A)の主
材である低密度不織布と同一のものでもよいし、異なる
ものでもよく、嵩密度が0.15g/cm3 未満のもの
であり、風合いおよび成形性に優れ、かつコスト的に有
利である点で、さらに好ましくは0.05〜0.15g
/cm3 、特に好ましくは0.1〜0.14のものであ
る。
【0025】また、この表皮層(C)を構成する低密度
不織布の素材繊維の繊維径は、風合いおよび感触に優れ
る点で、通常、1〜20d程度であり、好ましくは2〜
10d程度である。
【0026】さらにまた、この低密度不織布の目付量
は、通常、30〜300g/m2 程度であり、好ましく
は50〜200g/m2 程度である。
【0027】この表皮層(C)の厚さは、通常、0.5
〜10mm程度であり、感触よび風合いに優れ、かつコ
スト的に有利である点で、好ましくは1〜5mm程度で
ある。
【0028】本発明の積層体の合計の厚さは、通常、
1.0〜10mm程度であり、剛性、風合いおよび成形
性に優れ、かつコスト的に有利である点で、好ましくは
1.5〜5.9mm程度である。
【0029】また、本発明の積層体において、表皮層
(C)以外の融着性層(A)、剛性層(B)等に熱可塑
性樹脂エマルジョンを含有させ、または塗布すると、融
着性層(A)と剛性層(B)の固定、また(A)および
(B)の両層の繊維間の固定によって剛性が向上する点
で、好ましい。
【0030】用いられる熱可塑性樹脂エマルジョンとし
ては、例えば、スチレン・アクリル酸エステル−アクリ
ロニトリル共重合体等を主成分とするものが挙げられ
る。
【0031】熱可塑性樹脂エマルジョンを不織布積層体
に塗布する方法は、特に制限されず、常用の方法でよ
い。例えば、含浸による方法、スプレー、ロールコータ
ー、フォームコーター等を用いる方法が挙げられ、フォ
ームコーターを用いる方法が好ましい。
【0032】熱可塑性樹脂エマルジョンの塗布量または
含浸量は、通常、樹脂量として、20〜400g/m2
程度であり、好ましくは50〜200g/m2 程度であ
る。
【0033】以下、図1〜3に示す本発明の実施態様に
基づいて、本発明の積層体について説明する。
【0034】また、図1は、本発明の積層体の第1の実
施態様を示し、融着性層1の上面および下面に、それぞ
れ剛性層2aおよび2bが配設され、さらに、剛性層2
aの上に表皮層3が配設されている4層構造を有するも
のである。この図1に示す不織布積層体においては、融
着性層1を挟む2つの剛性層2aと2bとは、同一の材
質、嵩密度、厚さのもので形成されていてもよいし、そ
れぞれ異なる材質、嵩密度、厚さのもので形成されてい
てもよく、用途、目的等に応じて適宜選択される。
【0035】この図1に示す4層構造の不織布積層体に
おいて、融着性層1、剛性層2a、2bおよび表皮層3
の各層の厚さの割合は、用途、目的等に応じて適宜選択
される。通常、融着性層/剛性層2a/剛性層2b/表
皮層の厚さの比で、2/1/1/2〜5/1/1/5の
割合である。
【0036】この図1に示す4層構造の不織布積層体
は、自動車用内装材、天井材等の用途に好適に用いるこ
とができる。
【0037】さらに、図2は、本発明の積層体の第2の
実施態様を示し、融着性層1aおよび1bの2層を有
し、積層されている2つの融着性層1aおよび1bの間
および上面および下面に剛性層2a、2bおよび2cが
配設され、さらに、剛性層2aの上に表皮層3が配設さ
れている6層構造を有するものである。この図2に示す
不織布積層体においては、融着性層1aおよび1bは、
同一の材質、嵩密度、厚さの不織布で形成されていても
よいし、異なる材質、嵩密度、厚さの不織布で形成され
ていてもよい。また、融着性層1aおよび1bを挟む3
つの剛性層2a、2bおよび2cも、同様に、同一の材
質、嵩密度、厚さのもので形成されていてもよいし、そ
れぞれ異なる材質、嵩密度、厚さのもので形成されてい
てもよく、用途、目的等に応じて適宜選択される。
【0038】この図2に示す6層構造の不織布積層体に
おいて、融着性層1aおよび1b、剛性層2a、2bお
よび2c、ならびに表皮層3の各層の厚さの割合は、用
途、目的等に応じて適宜選択される。通常、融着性層1
a/融着性層1b/剛性層2a/剛性層2b/剛性層2
c/表皮層3の厚さの比で、2/2/1/1/2〜5/
5/1/1/5の割合である。
【0039】この図2に示す6層構造の不織布積層体
は、自動車用内装材、天井材等の用途に好適に用いるこ
とができる。
【0040】さらにまた、図3は、本発明の積層体の第
3の実施態様を示し、融着性層1aおよび1bの2層を
有し、積層されている2つの融着性層1aおよび1bの
間および融着性層1aの上面に、剛性層2aおよび2b
が配設され、さらに、剛性層2aの上に表皮層3が配設
されている5層構造を有するものである。この図3に示
す不織布積層体においては、融着性層1aおよび1b
は、同一の材質、嵩密度、厚さの不織布で形成されてい
てもよいし、異なる材質、嵩密度、厚さの不織布で形成
されていてもよい。また、融着性層1aを挟む2つの剛
性層2aおよび2b、さらに融着性層1bも、同様に、
同一の材質、嵩密度、厚さのもので形成されていてもよ
いし、それぞれ異なる材質、嵩密度、厚さのもので形成
されていてもよく、用途、目的等に応じて適宜選択され
る。
【0041】この図3に示す5層構造の不織布積層体に
おいて、融着性層1aおよび1b、剛性層2aおよび2
b、ならびに表皮層3の各層の厚さの割合は、用途、目
的等に応じて適宜選択される。通常、融着性層1a/融
着性層1b/剛性層2a/剛性層2b/表皮層3の厚さ
の比で、2/2/1/1/2〜5/5/1/1/5の割
合である。
【0042】この図3に示す5層構造の不織布積層体
は、自動車用内装材、天井材等の用途に好適に用いるこ
とができる。
【0043】本発明の積層体の製造方法について、図1
に示す4層構造の不織布積層体を製造する方法を例にと
り、説明する。まず、剛性層2bとなる高密度不織布
の上に、融着性層1となる熱融着成分を含有する低密度
不織布を積層し、ニードルパンチ法によって仮パンチ
ング処理して両不織布を仮結合する。次に、低密度不織
布の上に剛性層2aとなる高密度不織布および表皮
層3となる低密度不織布を、順に積層した後、ニード
ルパンチ法によって高密度不織布、、および低密度
不織布、を構成する繊維を交絡させ、高密度不織布
からなる剛性層2bと高密度不織布からなる剛性層
2aの間に、熱融着成分を含有する低密度不織布から
なる融着性層1が挟まれた構造を有し、さらに高密度不
織布からなる剛性層2aの上に低密度不織布からな
る表皮層4を有する4層構造の不織布積層体を得ること
ができる。
【0044】また、図2に示す6層構造の不織布積層体
については、まず、剛性層2cとなる高密度不織布の
上に、融着性層1bとなる熱融着成分を含有する低密度
不織布を積層し、ニードルパンチ法によって仮パンチ
ング処理して両不織布を結合する。次に、高密度不織布
と低密度不織布と同様に、剛性層2bとなる高密度
不織布と融着性層1aとなる熱融着成分を含有する低
密度不織布とを積層し、仮パンチング処理してなる2
層積層物を、低密度不織布の上に、配設する。さら
に、低密度不織布の上に、剛性層2aとなる高密度不
織布および表皮層となる低密度不織布を、順に積層
した後、ニードルパンチ法によって高密度不織布、
および、ならびに低密度不織布、およびを構成
する繊維を交絡させ、高密度不織布からなる剛性層2
cと高密度不織布からなる剛性層2bの間に、熱融着
成分を含有する低密度不織布からなる融着性層1bが
挟まれ、さらに高密度不織布からなる剛性層2bと高
密度不織布からなる剛性層2aの間に、熱融着成分を
含有する低密度不織布からなる融着性層1aが挟まれ
た構造を有し、さらに高密度不織布からなる剛性層2
aの上に低密度不織布からなる表皮層3を有する6層
構造の不織布積層体を得ることができる。
【0045】さらに、図3に示す5層構造の不織布積層
体については、まず、融着性層1bとなる熱融着成分を
含有する低密度不織布の上に、剛性層2bとなる高密
度不織布、さらに、融着性層1aとなる低密度不織布
を積層し、ニードルパンチ法によって深パンチング処
理して不織布を仮結合し、剛性層2bとなる高密度不織
布を挟んで、融着性層1bおよび1aとなる低密度不
織布およびを積層した3層構造の積層体を形成す
る。次に、低密度不織布の上に、剛性層2aとなる高
密度不織布、その上に表皮層3となる低密度不織布
を積層した後、ニードルパンチ法によって、低密度不織
布、および、ならびに高密度不織布およびを
構成する繊維を交絡させ、高密度不織布からなる剛性
層2bと高密度不織布からなる剛性層2aの間に、熱
融着成分を含有する低密度不織布からなる融着性層1
aが挟まれ、さらに、高密度不織布からなる剛性層2
bの下に低密度不織布からなる融着性層1bが配設さ
れた構造を有し、さらに高密度不織布からなる剛性層
2aの上に低密度不織布からなる表皮層3を有する5
層構造の不織布積層体を得ることができる。
【0046】本発明の積層体を用いて、各種の成形品を
製造する場合、例えば、本発明の積層体に、好ましくは
フォームコーターを用いて、熱可塑性樹脂エマルジョン
を、表皮層以外の融着性層および剛性層に含浸させた
後、乾燥する。次に、融着性層に含有されている熱融着
成分、ならびに融着性層および剛性層に含有されている
熱可塑性樹脂エマルジョンが溶融する温度(通常、18
0〜200℃程度)に加熱後、冷却(水冷)しながらプ
レス成形して、所望の形状に賦形する。このようにし
て、低密度不織布からなる融着性層(A)が、高密度不
織布からなる2つの剛性層(B1 )および(B2 )で挟
まれた構造を有し、かつ、融着性層(A)を構成する繊
維と剛性層(B1 )および(B2 )を構成する繊維との
間、および熱融着成分を含有する融着性層(A)を構成
する繊維同士が強固に結合され、一体化された不織布積
層体からなり、高剛性かつ形状保持性に優れる成形品を
得ることができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明について具体的に説明する。
【0048】(実施例)嵩密度0.15g/cm3 の高
密度不織布(厚さ:0.34mm、目付量:50g/m
2 、ポリエステル製)の上に、熱融着成分(低融点バイ
コンポーネント繊維)を含有する嵩密度0.006g/
cm3 の低密度不織布(厚さ:35mm、目付量:20
0g/m2 、ポリエステル製)を積層し、ニードルパン
チングによって深パンチング処理して、両不織布を仮結
合させて、高密度不織布の両側に、熱融着成分を含有す
る低密度不織布を有する3層構造の積層体を得た。次
に、この3層構造の積層体の上に、前記低密度不織布
と、表皮層となる低密度不織布とを積層した後、ニード
ルパンチングによって、3つの低密度不織布層および2
つの高密度不織布を構成する繊維を交絡させ、高密度不
織布からなる剛性層(B 1 )と(B2 )の間に、熱融着
成分を含有する低密度不織布からなる融着性層(A1
が挟まれ、高密度不織布からなる剛性層(B2 )の下に
低密度不織布からなる融着性層(A2 )が配設され、さ
らに高密度不織布からなる剛性層の上に低密度不織布か
らなる表皮層(C)を有する、図3に示す5層構造の不
織布積層体を得た。得られた不織布積層体を熱プレスし
て熱プレス成形板を得、この熱プレス成形板を、下記の
方法にしたがって、曲げ剛性の測定に供した。また、下
記の方法にしたがって、不織布積層体を熱成形して形状
保持性を評価した。結果を表1に示す。
【0049】曲げ剛性 熱プレス成形板から50×200mmの試験片を、縦お
よび横の方向からそれぞれ5個切り出した。次に、圧縮
試験機において、図4に示すように、試験片51を、5
0mmの間隔で配置された2本の支持板52aと52b
の曲率半径3.2mmに丸めた先端53aと53bの上
に乗せ、試験片51の中央部54に、上方から押圧板5
5の先端56(曲率半径:3.2mm)を当て、荷重を
加えながら200mm/分の速度で押圧板55を押し下
げて、試験片51を曲げ、応力−歪図の最初のピークを
曲げ剛性(kg/5cm)として測定した。各試験片に
ついて曲げ剛性を測定し、平均値を求めた。
【0050】形状保持性 不織布積層体を成形機で加熱賦形(約55mmR)し一
昼夜放置後、凸部の中央を約15mm指先で押さえ、触
感によって下記の基準で形状保持性を評価した。 ◎………優れる ○………普通
【0051】(比較例)表1に示す嵩密度および目付量
の高密度不織布の両面を、低密度不織布で挟んだ3層構
造を有する不織布積層体について、実施例と同様にし
て、曲げ剛性の測定および形状保持性の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の不織布積層体は、加熱成形し
て、高剛性を有し、かつ軽量で、形状保持性に優れる成
形品を得ることができるものである。そのため、本発明
の不織布積層体は、従来品よりも低い目付量のもので
も、従来品と同等の曲げ剛性、および所要の性能を発揮
することができるため、コスト的に有利であり、各種の
用途に好適に用いることができる。例えば、自動車用内
装材、天井材等の用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不織布積層体の第1の実施態様の概略
を示す模式断面図。
【図2】本発明の不織布積層体の第2の実施態様の概略
を示す模式断面図。
【図3】本発明の不織布積層体の第3の実施態様の概略
を示す模式断面図。
【図4】実施例および比較例における曲げ剛性の測定方
法を説明する図。
【図5】従来の不織布積層体の1例を示す模式断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b 融着性層 2,2a,2b,2c 剛性層 3 表皮層 11 高密度不織布層 12,13 低密度不織布層 51 試験片 52a,52b 支持板 53a,53b 先端 54 試験片51の中央部 55 押圧板 56 押圧板55の先端

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱融着成分を含有し、かつ嵩密度0.15
    g/cm3 未満の低密度不織布からなる融着性層(A)
    と、該融着性層(A)の両面に配設された、嵩密度0.
    15g/cm3 以上の高密度不織布からなる剛性層
    (B)と、最上層に配設された表皮層(C)とを有する
    不織布積層体。
  2. 【請求項2】前記剛性層(B)を少なくとも2つ有し、
    前記融着性層(A)が2つの剛性層の間に配設されてい
    る請求項1に記載の不織布積層体。
  3. 【請求項3】前記融着性層(A)が、低融点繊維からな
    る熱融着成分を5〜40重量%含有する請求項1〜2の
    いずれかに記載の不織布積層体。
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