JPH08156062A - 射出成形機における樹脂投入口の温度制御方法 - Google Patents

射出成形機における樹脂投入口の温度制御方法

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JPH08156062A
JPH08156062A JP33044794A JP33044794A JPH08156062A JP H08156062 A JPH08156062 A JP H08156062A JP 33044794 A JP33044794 A JP 33044794A JP 33044794 A JP33044794 A JP 33044794A JP H08156062 A JPH08156062 A JP H08156062A
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temperature
cooling
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resin
cooling means
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Katsuyuki Yamanaka
克行 山中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂投入口の冷却に必要とされるランニング
コストの低い温度制御方法を提供する。 【構成】 樹脂投入口4に蓄積された熱を発散するフィ
ン群9とその放熱効果を高めるための送風ファンユニッ
ト11、および、液冷のための水通し穴6,7をシリン
ダ2の基部に位置するウォータージャケット5に設け
る。樹脂投入口4の温度Tが第1の設定値〔S+α〕を
越えた段階でモータに通電して送風ファンユニット11
を作動させ、更に、第2の設定値〔S+β〕を越えた段
階で電磁バルブ8を開いてウォータージャケット5によ
る液冷を開始する。フィン群9,送風ファンユニット1
1,ウォータージャケット5(水通し穴6,7)のうち
ランニングコストの安い冷却手段から順に重複させて作
動させることにより、ランニングコストの高い冷却手段
であるウォータージャケット5の冷却負荷を軽減し、全
体的なランニングコストを引き下げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機における樹
脂投入口の温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形作業中にシリンダ基部の樹脂投
入口の温度が不用意に上昇すると、半ば溶融された成形
材料の塊がブリッジを形成するなどしてシリンダに対す
る成形材料の供給が困難となる場合がある。また、そこ
まではいかなくとも、シリンダ内に入った成形材料がス
クリュー側に付着して正常な計量搬送作業が行えなくな
るといった問題がしばしば発生する。
【0003】このような問題を解消するための手段とし
て一般的なのは、樹脂投入口を強制冷却する液冷手段を
シリンダ基部に設けることである。この液冷手段は一般
にウォータージャケットとも呼ばれ、要するにその実体
は、シリンダ基部に密着する内周面を備えた環状体であ
る。
【0004】そして、その内部には水や油等の冷却液を
通す管路が設けられ、この管路を通して水道からの流水
を流し続けたり、もしくは、冷却液温調装置を接続して
適当な温度の冷却液を循環させることにより液冷手段自
体の温度を下げ、これに接するシリンダ基部の温度を所
定値以下に保つのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、流水を流し続
ける構成では水が浪費される問題がある。また、冷却液
温調装置により冷却液を循環させれば水や油の消費自体
は軽減されるが、これを長期に亘って連続使用すると、
冷却液温調装置自体に故障や劣化が生じてしまい、修理
や調整作業のためのコストがかさむといった問題があ
る。当然、冷却液温調装置における故障の発生確率や劣
化の程度等は液冷手段の総運転時間に依存し、水道から
の流水の使用量およびその流れを制御する制御弁等の寿
命も、これと同じである。
【0006】従って、液冷手段に変わる他の効果的な冷
却手段が望まれるところであるが、これまでのところこ
れに代わる効果的な冷却手段はなく、水道からの流水の
使用、または、冷却液を循環させる高価な冷却液温調装
置等の使用は避けられないのが実情である。
【0007】本発明の目的は前記従来技術の欠点を改善
し、ランニングコストの少しでも低い射出成形機におけ
る樹脂投入口の温度制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂投入口に
蓄積された熱を発散する放熱部材と、前記放熱部材から
熱を奪う強制空冷手段と、前記樹脂投入口を強制冷却す
る液冷手段と、前記樹脂投入口の温度を検出する温度検
出手段とを射出成形機のシリンダ基部に設け、前記温度
検出手段により樹脂投入口の温度を検出し、放熱部材に
よる放熱作用に加え、前記温度の上昇に応じて強制空冷
手段および液冷手段を順次重複させて作用させるように
したことを特徴とする構成により前記目的を達成した。
【0009】更に、前記強制空冷手段および液冷手段を
少なくともON/OFF制御する制御手段を設け、該制
御手段に第1の設定温度とこれよりも高い第2の設定温
度とを記憶させておき、前記温度検出手段により第1の
設定温度よりも高い温度が検出されると前記強制空冷手
段を駆動させ、また、第2の設定温度よりも高い温度が
検出されると前記液冷手段を駆動させるようにすること
で、各冷却手段の制御を自動化した。
【0010】
【作用】放熱部材と強制空冷手段と液冷手段と温度検出
手段とを射出成形機のシリンダ基部に設ける。
【0011】放熱部材には、樹脂投入口に蓄積された熱
を空気中に発散して樹脂投入口の温度上昇を抑制する機
能が常にあり、そのランニングコストは無料である。ま
た、強制空冷手段には、その作動時において前記放熱部
材に送風して放熱部材周辺の空気の流れをよくし、放熱
部材による放熱効果を高める機能がある。更に、液冷手
段には、その作動時において、流水または循環する冷却
液により樹脂投入口を強制冷却する機能があり、強制空
冷手段に比べて全体的なランニングコストは割高となる
が、その冷却効果は著しい。
【0012】そこで、前記温度検出手段により樹脂投入
口の温度を検出し、放熱部材による無料の放熱冷却作用
に加え、前記温度の上昇に応じ、ランニングコストの低
い順に強制空冷手段および液冷手段を順次重複させて作
動させる。
【0013】つまり、ランニングコストが低く冷却能力
が弱い冷却手段からランニングコストが高く冷却能力が
高い冷却手段の順で、樹脂投入口の温度の上昇に応じ、
これらの冷却手段を重複させて作動させることにより、
ランニングコストが高い冷却手段によって冷却しなけれ
ばならない熱量を全体として減らし、ランニングコスト
が高い冷却手段の作動時間や負荷を相対的に減らしてラ
ンニングコストの軽減を図る。
【0014】また、制御手段を備えた構成においては、
温度検出手段により第1の設定温度よりも高い温度が検
出された時点で、放熱部材による自然放熱のみのでは樹
脂投入口の温度を所定値以下に保持できないものと判断
し、強制空冷手段を自動的に作動させて放熱部材による
熱の発散作用、つまり、樹脂投入孔の冷却を促進させ
る。更に、温度検出手段により第2の設定温度よりも高
い温度が検出されると、制御手段は放熱部材および強制
空冷手段による強制冷却のみのでは樹脂投入口の温度を
所定値以下に保持できないものと判断し、液冷手段の駆
動を自動的に開始して樹脂投入口を強力に冷却する。
【0015】樹脂投入口での発熱作用が小さければ、放
熱部材による自然放熱および強制空冷手段による強制冷
却のみで樹脂投入口の温度上昇を抑えることができ、液
冷手段を利用する必要がないので非常に低いランニング
コストが得られる。また、樹脂投入口での発熱作用が大
きく液冷手段の利用が必要とされる場合であっても、樹
脂投入口で発生した熱の一部が既に放熱部材および強制
空冷手段による冷却作用で取り除かれているので、ラン
ニングコストの高い液冷手段の作動時間や負荷が相対的
に減り、液冷手段のみを用いる場合に比べてランニング
コストが低くなる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明の温度制御方法を実施する一実施例
の樹脂投入口冷却装置1を射出成形機の主要部と共に示
す概略図である。なお、図1では樹脂投入口冷却装置1
と射出成形機の主要部を3方向から同時に表示してお
り、制御装置100を除く各図形は、基本的に、第三角
法に従って樹脂投入口冷却装置1および射出成形機の主
要部を示している。つまり、図1において右下に位置す
る図形は樹脂投入口冷却装置1および射出成形機の主要
部を示した正断面図に対応するもの(以下、正断面図と
いう)、また、図1において右上に位置する図形は樹脂
投入口冷却装置1および射出成形機の主要部を示した平
面図に対応するもの(以下、部分断面平面図という)、
更に、図1において左上に位置する図形は樹脂投入口冷
却装置1等を示した左側面図に対応するもの(以下、左
側面図という)である。
【0017】正断面図に示す通り、射出成形機のシリン
ダ2は射出ユニットのフロントプレート3に従来と同様
に固設して設けられており、樹脂投入口4を穿設したシ
リンダ2の基部には、樹脂投入口冷却装置1の一部を構
成する液冷手段となるウォータージャケット5が環装さ
れている。ウォータージャケット5には、上下2組の水
通し穴6,7がウォータージャケット5の内部を一巡す
るようにして設けられており、水道等から供給される流
水が電磁バルブ8を介して水通し穴6,7の受け入れポ
ート6a,7aに供給され、更に、水通し穴6,7を通
った後、水通し穴6,7の排出ポート6b,7b(7b
は図示されず)を経て、図示しない排出管路を介して外
部に排出されるようになっている。電磁バルブ8は射出
成形機の制御装置100によりON/OFF制御される
ようになっており、そのON時には流水を分流して受け
入れポート6a,7aに流す一方、そのOFF状態にお
いては水道等からの流水を完全に塞き止める。これらの
点に関しては従来のウォータージャケット構造と同様で
ある。
【0018】更に、部分断面平面図に示す通り、本実施
例においては、一定の間隔を空けて多数重合配備した放
熱フィンの群9,9がウォータージャケット5の両側に
放熱部材として一体的に設けられており、ウォータージ
ャケット5の自然放熱作用を高めている。また、正断面
図に示すように、ウォータージャケット5の上面には熱
電対等からなる温度検出手段10が樹脂投入口4に臨ん
で埋設され、樹脂投入口4近傍のウォータージャケット
5の現在温度、要するに、樹脂投入口4の現在温度が制
御装置100によって検出されるようになっている。更
に、左側面図に示す通り、ウォータージャケット5の上
面両側にはモータ付の送風ファンユニット11,11が
ステー12,12により固着されており、送風ファンユ
ニット11,11からの風が両側の放熱フィンの群9,
9の襞に沿って吹き付け、放熱フィンから熱を奪うよう
になっている。この送風ファンユニット11,11が本
実施例における強制冷却手段である。送風ファンユニッ
ト11,11のモータは、電磁バルブ8と同様、射出成
形機の制御装置100によりON/OFF制御される。
【0019】そして、シリンダ2には、その各部に従来
と同様の温度制御用のバンドヒータ13a〜13eが取
り付けられている。更に、本実施例においては、シリン
ダ2の基部側のバンドヒータ13eとウォータージャケ
ット5の端面との間にアスベストやセラミック等のよう
に断熱特性に優れた素材からなる円盤状または矩形状の
断熱部材14が介装され、バンドヒータ13eの高温が
直接ウォータージャケット5に伝播されないようになっ
ている。断熱部材14の直径または辺の長さは、送風フ
ァンユニット11,11からの風がバンドヒータ13e
の側に漏れ出すのを防止するのに十分な大きさがあり、
この断熱部材14には、ウォータージャケット5の温度
上昇防止と共にバンドヒータ13eの温度低下防止機能
がある。なお、符号15は、従来と同様、成形材料供給
用のホッパ、また、符号16は射出成形機のスクリュー
である。
【0020】樹脂投入口冷却装置1を駆動制御する制御
装置100としては射出成形機の制御装置を兼用してお
り、当然、樹脂投入口冷却装置1を駆動制御するための
制御プログラムやその駆動制御に必要とされる第1,第
2の設定温度の値も該制御装置100のメモリに記憶さ
れる。
【0021】図2は制御装置100により実行される温
度制御処理の概略を示すフローチャートであり、制御装
置100のマイクロプロセッサ、例えばプログラマブル
マシンコントローラ用のマイクロプロセッサ等により実
施される。
【0022】そこで、温度制御処理を開始した制御装置
100は、送風ファンユニット11,11のモータおよ
び電磁バルブ8の動作を一旦OFF状態にして樹脂投入
口冷却装置1の動作状態を初期化した後(ステップS
1)、まず、温度検出手段10を介して樹脂投入口4の
現在温度Tを読む(ステップS2)。次いで、制御装置
100は、樹脂投入口4の現在温度Tが液冷手段である
ウォータージャケット5の作動を開始すべき第2の設定
温度〔S+β〕を越えているか否かを判別し(ステップ
S3)、越えていなければ、更に、現在温度Tが強制空
冷手段である送風ファンユニット11,11の作動を開
始すべき第1の設定温度〔S+α〕を越えているか否か
を判別する(ステップS4)。
【0023】図3は第1の設定温度〔S+α〕と第2の
設定温度〔S+β〕との関係を概念的に示す図であり、
図3から明らかなように、ウォータージャケット5の作
動を開始すべき第2の設定温度〔S+β〕は、送風ファ
ンユニット11,11の作動を開始すべき第1の設定温
度〔S+α〕に比べて高めに設定されている。オペレー
タが制御装置100に〔S+α〕および〔S+β〕の設
定値を直に設定入力するようにしてもよいし、また、樹
脂投入口4がその温度に達しても成形材料のブリッジや
スクリュー16に対する食い付きを生じずに安定した計
量作業を行うことのできる基準温度Sの値のみを安全を
見込んで設定入力するようにし、制御装置100によ
り、予め決めた第1,第2の許容温度偏差αおよびβを
これに加算して〔S+α〕および〔S+β〕を求めて記
憶させるようにしてもよい。なお、樹脂投入口4の温度
Tの上限を確実に規制する必要がある場合においては、
〔S+β〕に代えて〔S−α〕、〔S+α〕に代えて
〔S−β〕(但し、いずれの場合もβ>α>0)をステ
ップS3およびステップS4の判別基準とすることもあ
る。
【0024】ステップS3およびステッブS4の判別結
果が共に偽であって樹脂投入口4の現在温度Tが〔S+
α〕を越えていなければ、放熱部材である放熱フィンの
群9,9の自然放熱作用のみにより樹脂投入口4の温度
上昇が抑制され、送風ファンユニット11,11の作
動、および、ウォータージャケット5の作動とも不要で
あるものと見做し(図3の例でaまでの区間)、制御装
置100は、送風ファンユニット11,11のモータお
よび電磁バルブ8の動作を共にOFF状態に維持したま
ま(ステップ5)、再びステップS2に移行し、以下、
樹脂投入口4の現在温度Tが〔S+α〕を越えるまでの
間、前記と同様にしてステップS2〜ステップS5の処
理を繰り返し実行する。
【0025】放熱フィンの群9,9の自然放熱作用のみ
により樹脂投入口4の温度上昇が抑制され得る場合にお
いては、樹脂投入口4の冷却に必要とされる実質的なラ
ンニングコストは零である。
【0026】このような処理を繰り返し実行する間に、
もし、ステップS4の判別結果が真となって現在温度T
が〔S+α〕の値を越えたとするなら(図3の例でaの
時点)、それは、放熱フィンの群9,9の自然放熱作用
のみでは樹脂投入口4の温度上昇が実際には抑制され得
なかったことを意味する。そこで、このような場合、制
御装置100は、まず、ランニングコストの比較的低い
送風ファンユニット11,11の作動のみを開始し(ス
テップS6)、以下、樹脂投入口4の現在温度Tが〔S
+β〕を越えるか、もしくは、〔S+α〕を下回るま
で、前記と同様にしてステップS2〜ステップS4,ス
テップS6の処理を繰り返し実行する。
【0027】そして、このような処理を繰り返し実行す
る間に、もし、ステップS4の判別結果が偽となって現
在温度Tが〔S+α〕の値を下回ったとするなら(図3
の例でbの時点)、それは、樹脂投入口4の周辺で生じ
る熱量の増加に対して送風ファンユニット11,11に
よる強制空冷の能力が上回っていることを意味し、か
つ、このままの状態で送風ファンユニット11,11の
作動を停止させたとしても暫くは樹脂投入口4の温度が
〔S+α〕以下に維持され得ることを意味する。従っ
て、この場合、制御装置100は送風ファンユニット1
1,11の作動を停止させ(ステップS5)、以下、樹
脂投入口4の現在温度Tが〔S+α〕を越えるまでの
間、前記と同様にしてステップS2〜ステップS5の処
理を繰り返し実行する。この場合、樹脂投入口4の周辺
で生じる熱量の増加に対して放熱フィンの群9,9によ
る自然放熱作用が劣り、かつ、該熱量の増加に対して送
風ファンユニット11,11による強制空冷能力が上回
っていることを意味するから、結果的に、送風ファンユ
ニット11,11のON/OFFが一定した周期で繰り
返し実行されることになり、樹脂投入口4の温度Tは第
1の設定温度〔S+α〕の近傍に保持される。
【0028】この場合、送風ファンユニット11,11
を駆動するモータの電力費がランニングコストとして作
用するが、放熱フィンの群9,9によりウォータージャ
ケット5の表面積が大幅に拡張されているため送風によ
る冷却効果が顕著であり、また、ウォータージャケット
5が断熱部材14によって隔離されているため、冷却対
象となる熱源(シリンダ2の基部)以外のバンドヒータ
13e等により該ウォータージャケット5が加熱される
こともなく、結果的に、前記周期においてモータに通電
する時間も短くて済むので、モータの電力費が最小限に
抑制される。
【0029】このように、樹脂投入口4の周辺で生じる
熱量の増加に対して送風ファンユニット11,11によ
る強制空冷の能力が上回っていれば、敢えてウォーター
ジャケット5の作動を開始する必要は生じないはずであ
るが、実際には、各種成形条件の変更、例えば、バンド
ヒータ13eの設定温度を高い方に切り替える等の設定
変更により、樹脂投入口4の周辺で生じる熱量の増加
が、送風ファンユニット11,11による強制空冷の能
力を上回るという場合も有り得る。このような場合、樹
脂投入口4の現在温度Tが再び〔S+α〕を越え(図3
の例でcの時点)、送風ファンユニット11,11が再
起動されることになるが、熱量の増加に対して送風ファ
ンユニット11,11による冷却作用が劣るため、樹脂
投入口4の温度Tは更に上昇し、第2の設定温度〔S+
β〕を超過してしまう(図3の例でdの時点)。従っ
て、制御装置100は、ステップS3の判別処理により
送風ファンユニット11,11の強制空冷作用のみでは
樹脂投入口4の温度上昇が抑制され得ないことを検出し
て電磁バルブ8を作動させ、水道等からの流水を水通し
穴6,7に送り込んで、送風ファンユニット11,11
による空冷に加え、更に液冷手段であるウォータージャ
ケット5による強力な強制冷却を開始させる(ステップ
S7)。
【0030】そして、送風ファンユニット11,11に
よる強制空冷能力とウォータージャケット5による強制
冷却能力との総和が樹脂投入口4の周辺で生じる熱量の
増加を上回るものであれば、脂投入口4の温度Tは徐々
に降下し、この温度Tが設定温度〔S+β〕を下回る
(図3の例でeの時点)。そして、制御装置100はス
テップS3の判別処理によりこれを検出し、電磁バルブ
8の作動を解除してウォータージャケット5による強制
冷却を停止させる(ステップS6)。この場合、樹脂投
入口4の周辺で生じる熱量の増加に対して送風ファンユ
ニット11,11による強制空冷能力が劣り、かつ、送
風ファンユニット11,11による強制空冷能力とウォ
ータージャケット5による強制冷却能力との総和が該熱
量の増加を上回っていることを意味するから、結果的
に、送風ファンユニット11,11のON状態が維持さ
れたまま電磁バルブ8のON/OFFが一定した周期で
繰り返し実行されることになり、樹脂投入口4の温度T
は第2の設定温度〔S+β〕の近傍に保持されることに
なる。
【0031】この場合、送風ファンユニット11,11
を駆動するモータの電力費とウォータージャケット5に
流す水の使用料とがランニングコストとして作用する
が、コストの安い電気で駆動される送風ファンユニット
11,11によりウォータージャケット5の発熱がある
程度抑えられているので、ウォータージャケット5に流
す水で樹脂投入口4からの発熱の全てを吸収する必要は
なく、電磁バルブ8を開く時間が短くて済み、よりコス
トの高い水の使用は最小限度に抑制され、ウォータージ
ャケット5に水を流すことのみで必要な冷却を行う場合
に比べてランニングコストは遥かに安くなる。
【0032】また、冷却液温調装置等により水や油等の
冷却液を供給して循環させる場合には冷却液自体が廃棄
されることはないが、冷却液温調装置等自体が高価であ
るため、その故障や劣化の発生が問題となる。当然、メ
ンテナンスや修理に要求される費用および冷却液温調装
置等を駆動するための電力費もランニングコストの一部
である。そこで、冷却液温調装置等を使用する場合では
電磁バルブ8を常ONとし、電磁バルブ8のON/OF
F制御に代えて冷却液温調装置等(具体的にはポンプ)
のON/OFF制御を行うようにする。上述の流水の場
合と同様、送風ファンユニット11,11の冷却作用に
より冷却液温調装置等の駆動時間が大幅に短縮されるの
で装置の実質的な耐久性が増し、冷却液温調装置等を駆
動するための電力費やメンテナンスおよび修理費等が安
上がりとなって全体的なランニングコストが抑制され
る。
【0033】なお、本実施例においては樹脂投入口4の
最大温度は第1の設定温度〔S+α〕または第2の設定
温度〔S+β〕に比べてある程度大きくなる可能性があ
り、〔S+α〕および〔S+β〕の値はこれを見込んで
低めに設定する必要がある。また、基準温度Sを入力し
て許容温度偏差αおよびβにより自動演算を行わせる場
合には、基準温度Sを更に低めに設定する必要がある。
既に説明したように、樹脂投入口4の温度Tの上限を確
実に規制する必要がある場合においては、〔S+β〕に
代えて〔S−α〕、〔S+α〕に代えて〔S−β〕(但
し、β>α>0)をステップS3およびステップS4の
判別基準とし、基準温度Sを設定入力することにより該
Sの値で温度の上限を規制することが望ましい。
【0034】以上、一実施例として送風ファンユニット
11,11およびウォータージャケット5(電磁バルブ
8)を単純にON/OFF制御するものについて説明し
たが、各々の冷却手段を冷却能力の限界内で段階的に制
御するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明による樹脂投入口の温度制御方法
は、樹脂投入口に蓄積された熱を発散する放熱部材とそ
の放熱効果を高めるための強制空冷手段、および、冷却
効果の高い液冷手段とを射出成形機のシリンダ基部に併
設すると共に、樹脂投入口の温度の上昇に応じ、各冷却
手段をランニングコストの安いものから順に重複させて
作動させるようにしたので、よりランニングコストの高
い冷却手段への負荷が軽減され、樹脂投入口の冷却に必
要とされる全体的なランニングコストが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を適用した一実施例の樹脂投入口
冷却装置の構成を概略で示す図である。
【図2】同実施例における温度制御処理の概略を示すフ
ローチャートである。
【図3】設定温度および樹脂投入口の温度変化を例示す
る説明図である。
【符号の説明】
1 樹脂投入口冷却装置 2 シリンダ 3 フロントプレート 4 樹脂投入口 5 ウォータージャケット 6 水通し穴 6a 受け入れポート 6b 排出ポート 7 水通し穴 7a 受け入れポート 7b 排出ポート 8 電磁バルブ 9 放熱フィンの群 10 温度検出手段 11 送風ファンユニット 12 ステー 13a〜13e バンドヒータ 14 断熱部材 15 ホッパ 16 スクリュー 100 制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂投入口に蓄積された熱を発散する放
    熱部材と、前記放熱部材から熱を奪う強制空冷手段と、
    前記樹脂投入口を強制冷却する液冷手段と、前記樹脂投
    入口の温度を検出する温度検出手段とを射出成形機のシ
    リンダ基部に設け、前記温度検出手段により樹脂投入口
    の温度を検出し、放熱部材による放熱作用に加え、前記
    温度の上昇に応じて強制空冷手段および液冷手段を順次
    重複させて作用させるようにしたことを特徴とする射出
    成形機における樹脂投入口の温度制御方法。
  2. 【請求項2】 前記強制空冷手段および液冷手段を少な
    くともON/OFF制御する制御手段を設け、該制御手
    段に第1の設定温度とこれよりも高い第2の設定温度と
    を記憶させておき、前記温度検出手段により第1の設定
    温度よりも高い温度が検出されると前記強制空冷手段を
    駆動させ、また、第2の設定温度よりも高い温度が検出
    されると前記液冷手段を駆動させるようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の射出成形機における樹脂投入口
    の温度制御方法。
JP33044794A 1994-12-08 1994-12-08 射出成形機における樹脂投入口の温度制御方法 Withdrawn JPH08156062A (ja)

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