JPH08155331A - 磁気セパレ−タ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流路に送り込まれる液体から磁性粒子を吸引
し、それによってその粒子を分離するために、液体流路
に部分的に配置された連続的に回転する磁気ドラムを有
するセパレ−タ。 【構成】 本セパレ−タは、磁性粒子をドラムから除去
する傾斜したスクレ−パブレ−ドを含む。ドラムの磁場
は、傾斜スクレ−パブレ−ドを透過し、粒子をブレ−ド
上に堆積させる。それによって、ドラム上に粒子と一緒
に運び込まれた冷却剤が流路に流れて戻るのを可能にす
る。回転するドラムによってスクレ−パブレ−ドに続け
て送り込まれる粒子によって生じる押出し力は、堆積し
た粒子を、スクレ−パブレ−ドに作用する磁場を通り越
し、廃物コンテナ内に排出シュ−トを下って押し出す。
回転するドラム内に置かれた磁気シャントバ−は、スク
レ−パブレ−ドに作用する磁場を周期的に中断し、粒子
の押出し力が減少するような条件の下において、その減
少した押出し力でも、磁場を通り越し排出シュ−トに向
けて堆積した粒子を押し出すのに十分であるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、汚れた液体から粒子を
分離するための装置一般に関し、特に、機械工具冷却剤
からその中に取り込まれた金属粒子を磁気的に除去する
ことによってその冷却剤を浄化するためによく用いられ
る型の磁気セパレ−タ（ｍａｇｎｅｔｉｃ ｓｅｐａｒ
ａｔｏｒ）に関する。

【０００２】

【従来の技術】そのようなセパレ−タに於いては、汚れ
た液体は回転ドラムの下側にぐるりと広がったカ−ブし
たエプロン（ａｐｒｏｎ）によって部分的に画成された
流路（ｆｌｏｗ ｐａｔｈ）に放出される（ｄｅｌｉｖ
ｅｒｅｄ）。そのドラムは一般的に磁性外側シェル（ｍ
ａｇｎｅｔｉｃ ｏｕｔｅｒ ｓｈｅｌｌ）を有する。
液体がドラムに向けてまたその回りを流れると、粒子は
ドラムに磁気的に吸引され、それによって液体から除去
される。そのドラムはゆっくりと回転し、集められた粒
子を流路から引き上げ、その粒子がドラムから掻き落さ
れ、それに続いて廃物コンテナに捨てられるようにす
る。

【０００３】スクレ−パ（ｓｃｒａｐｅｒ）は傾斜ブレ
−ド（ｉｎｃｌｉｎｅｄ ｂｌａｄｅ）を有している。
そのブレ−ドはドラムの磁場の中に置かれており、また
ダムを創る傾向のある場所で、ドラムの外側シェルに接
触するように設置されており、そのダムは、集められた
粒子中の冷却剤が流路に流れ戻るようにし、また廃物コ
ンテナ中に持ち去られる冷却剤の量を低減させる。回転
するドラムによってスクレ−パに次々と送り込まれる粒
子によって生じる押し出し力が、傾斜ブレ−ドに溜る粒
子から次々と加わる冷却剤を絞り出す。殆どの状態の下
では、続けて送り込まれる粒子からの押出し力は、傾斜
スクレ−パブレ−ド上に溜った粒子を磁場を通してまた
排出シュ−トに向けて押し出すのに十分である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷却剤
が例えば重質（ｈｅａｖｙ ｂｏｄｉｅｄ）油であると
き、ドラムヘの粒子の本質的な（ｉｎｔｒｉｎｓｉｃ）
磁気吸引力が低いとき、或いは集められた粒子が高い割
合で非磁性材料を含んでいるときには、押出し力は弱め
られ、堆積した粒子をスクレ−パブレ−ドに作用する磁
場を通して移動させるには不十分である。このような条
件の下では、集められた粒子の一部が流路に落下して戻
り、それ故にスクレ−パの効率を低減させる。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明の一般的
な目的は、磁性粒子を回転する磁性ドラムから除去する
傾斜スクレ−パブレ−ド上に作用する磁場を周期的に
（ｐｅｒｉｏｄｉｃａｌｌｙ）弱め、それによりある運
転条件の下でセパレ−タの効率を高めることにより、新
しくまた改良された磁気セパレ−タを提供することであ
る。

【０００６】更に詳細な目的は、シャントバ−がスクレ
−パブレ−ドを通り過ぎるたびに磁場の弛緩（ｒｅｌａ
ｘａｔｉｏｎ）を起させるために、回転ドラム中に低磁
気抵抗（ｒｅｌｕｃｔａｎｃｅ）の磁気シャント（ｓｈ
ｕｎｔ）バーを提供することによって上記目的を達成す
ることである。

【０００７】本発明のこれらのまた他の目的及び利点は
添付図面と併わせて以下の詳細な説明を読むことによっ
て明らかになるであろう。

【０００８】

【実施例】説明のために図面に示されているように、本
発明は、機械工具システムによって循環される機械工具
冷却剤のような汚れた液体の流れから磁性金属のかけら
（ｃｈｉｐｓ）や粒子（ｐａｒｔｉｃｌｅｓ）を除去す
るための装置に具体化されている。ここに図解されてい
る特定の装置は、水平軸線（ｈｏｒｉｚｏｎｔａｌ ａ
ｘｉｓ）に関して反時計方向に回転するように取付けら
れたほぼ円筒形のドラム１１を有する磁気セパレ−タ１
０（図１）であり、そのドラムの内側には、ドラムの外
側シェル１３の主要な領域（ｍａｊｏｒ ａｒｅａ）に
磁場を創り出す永久磁石１２が取付けられている。

【０００９】ドラム１１の下には、ドラムと共同して冷
却剤のためのア−チ形（ａｒｃｕａｔｅ）の流路１５を
画成するエプロン１４が置かれている。そのエプロン
は、ドラムと同芯で凹形にカ−ブした上面を有しまたド
ラムの外側に間隔をおいて置かれたカ−ブした金属板の
形をとっている。機械工具システムからの汚れた冷却剤
は、ほぼ水平の樋（ｔｒｏｕｇｈ）１７によってア−チ
形の流路の入口１６に送り込まれ、ドラムの回りを下向
きに且つ時計方向に流れる。そのような流れの間に、ド
ラムの外側シェル１３の磁性領域は、磁性材料のかけら
や粒子を引き寄せ、それらを冷却剤から分離し、ドラム
上に削り屑（ｓｗａｒｆ）１８の塊（即ち粒子の堆積）
を形成する。非磁性粒子もまた、ドラムが回転する際、
削り屑の中に閉じ込められる。ドラムは、ドラムの中心
軸１９に接続された手段（図示せず）によって連続的に
且つ比較的低速度で回転される。ドラムが回転すると、
削り屑は汚れた冷却剤から引き上げられる。きれいにな
った冷却剤は、ポンプ（図示せず）によって機械工具シ
ステムに戻すために、エプロンの出口端２０を越えて清
浄冷却剤タンク２１に溢れ出る。

【００１０】永久磁石部分１２は、ほぼ立方体（ｃｕｂ
ｉｃ）であり、ドラム１１のシェル１３の内面２２に沿
って軸方向に、またその内面の回りに周方向に、間隔を
おいて置かれている。また別の形として、磁性部分はシ
ェルの内面上で長手方向に間隔をおいて置かれたリング
であってもよいし、または周方向に間隔をおいて置かれ
てたバ−であってもよい。その磁石部分は、隣接する磁
石の同極（ｌｉｋｅｐｏｌｅｓ）がお互いに向き合うよ
うに配置される。

【００１１】永久磁石部分１２（図２）は円盤形状の極
板（ｐｏｌｅ ｐｌａｔｅｓ）２３によって長手方向に
隔てられており、その極板は各々中心軸１９を受容する
ための中心開口２４を有する。その極板は、ドラム１１
に沿って長手方向に一様な磁場を創り出すように機能す
る。スペ−サ２５は、極板をドラムの軸線近傍に間隔を
おいて分離し、且つ保持するために中心軸上に滑動可能
に置かれている。

【００１２】ドラム１１は、その両端をカバ−２６によ
って封じられており（ｅｎｃｌｏｓｅｄ）、そのカバ−
は各々、中心軸１９の端部を滑動可能に受容する中心開
口２７を有する。そのカバ−はほぼ皿形をしており、各
々環状リム（ａｎｎｕｌａｒｒｉｍ）２８を含み、また
各カバ−は環状リムが外側に向くように中心軸上に置か
れている。カラ−（ｃｏｌｌａｒｓ）２９が、中心軸の
両端に固定されており、それによってカバ−を軸に保持
している。ドラムのシェル１３は、比較的高い磁気抵抗
（ｍａｇｎｅｔｉｃ ｒｅｌｕｃｔａｎｃｅ）を有する
材料（例えばステンレス鋼）でできており、カバ−の環
状リムに適切に固定されている。

【００１３】集められた削り屑１８（図１）をドラム１
１から除去するために、ドラム上に置かれた実質的に水
平なスクレ−パ３０が、ドラムに接触した傾斜スクレ−
パブレ−ド３１を有する。ドラムが回転すると、削り屑
はスクレ−パブレ−ドによってドラムから剥ぎ落され
る。回転するドラムによってスクレ−パブレ−ドに続け
て送り込まれる粒子の供給によって引き起こされる押し
出し力が、削り屑を傾斜ブレ−ドに押し上げまたスクレ
−パを横切って押し出す。排出シュ−ト（ｄｉｓｃｈａ
ｒｇｅ ｃｈｕｔｅ）３２は、磁気バリア（ｂａｒｒｉ
ｅｒ）として作用する低磁気抵抗の材料でできている。
このバリアのお陰で、押出し力は削り屑をスクレ−パと
排出シュ−トの水平部分に沿って進めることができる。
次に削り屑は、排出シュ−トの傾斜した部分３３に重力
によって落下し、廃物コンテナ３４に集められる。

【００１４】傾斜スクレ−パブレ−ド３１は、削り屑１
８中の冷却剤を流路１８に流れ戻すダムを創り出す傾向
があり、それによって廃物コンテナ３４に持ち込まれる
冷却剤の量を低減する。このために、スクレ−パブレ−
ドは下向きに且つ回転するドラム１１上の接近してくる
削り屑の方向に向かって傾いており、十二時の針の位置
近傍でドラムの外側シェル１３に接触している。スクレ
−パ３０は、永久磁石１２によって発生された磁場がス
クレ−パブレ−ドを透過するのを許すような高磁気抵抗
の材料（例えばステンレス鋼）で形成されている。傾斜
スクレ−パブレ−ドに作用する磁場は、ブレ−ド上の削
り屑を保持する傾向があり、それによって冷却剤が流路
に流れ戻るのを可能にする。続いて送り込まれる粒子に
よって生じる押出し力は、スクレ−パブレ−ド上の削り
屑の堆積から流体を更に絞り出す。

【００１５】殆どの条件の下では、続けて送り込まれる
粒子から受ける押出し力は、堆積した削り屑１８を傾斜
スクレ−パブレ−ド３１に押し上げ、また排出シュ−ト
３２に向けて押し出すのに十分である。しかしながら、
磁気吸引力或いはドラムとドラム上を進む粒子の間の摩
擦力が低いときは、押出し力は減少し、堆積した削り屑
をスクレ−パブレ−ド上に作用する磁場を通して動かす
のには不十分である。この押出し力の低減は、例えば冷
却剤が重質の油であるとき或いは削り屑が高い割合で非
磁性材料を含むときに生じる。このような条件の下で
は、過剰な粒子が流路に落ちて戻り、それによってセパ
レ−タの効率を落す。

【００１６】本発明によれば、磁気セパレ−タ１０はス
クレ−パ３０を透過する磁場を回転するドラム１１が周
期的に中断するような特有の構造をしており、それによ
って、押し出し力を低減させるという結果になるような
条件でセパレ−タが稼働するとき、傾斜スクレ−パブレ
−ド３１上の削り屑１８の堆積が前進するのを可能にす
る。

【００１７】更に言えば、シャントバ−３５が回転する
ドラム１１内に置かれており、ドラムのある小領域（ｍ
ｉｎｏｒ ａｒｅａ）の回りの磁場を低減する。そのシ
ャントバ−は、その領域内の磁場を効率的に短絡させる
（ｓｈｏｒｔ ｃｉｒｃｕｉｔ）ような低磁気抵抗材
料、好ましくは低炭素鋼であるが、でできている。その
シャントバ−は、ドラムの長さに沿って軸方向に伸びて
おり（図２）、ドラムのシェル１３の回りに低減した磁
束のア−クを創り出す。そのシャントバ−が占める空間
には、磁石１２はなく、この実例においては、周方向に
隣接する磁石の間に約２０度の角度を占める（ｓｕｂｔ
ｅｎｄｓ）。

【００１８】シャントバ−３５（図１）がスクレ−パ３
０の下を回転するたびに、スクレ−パを透過する磁場は
一時的に中断される。このことが起ると、傾斜スクレ−
パブレ−ド３１上に堆積した削り屑１８は、磁場から一
時的に解放され、それによって、排出シュ−トの低磁気
抵抗が磁気ドラムの吸引力から削り屑を遮蔽し、その削
り屑が排出シュ−トの傾斜した部分に移動するのを可能
にするような点まで、低減した押し出し力によって削り
屑が押し進められ、排出シュ−ト３２まで進めるのを可
能にする。

【００１９】以上述べたことから、本発明は、新しい改
良された磁気セパレ−タをこの技術分野にもたらすとい
うことは明らかであろう。この改良された磁気セパレ−
タにおいては、磁性粒子の収集は、シャントバ−３５を
提供することによって、同様な一般的な形の従来技術に
よる磁気セパレ−タ以上に高進される。このシャントバ
−は比較的安価であり、比較的経済的な方法で磁場の定
期的な弛緩を可能にする。

【００２０】本発明は、種々の改変及び他の構成も可能
であるが、ここではある一つの実施例を図面に示し、ま
た説明している。しかしながら、本発明をここに開示さ
れた特定の形に限定する意図はなく、むしろ、本発明の
精神及び範囲に含まれる全ての改変及び他の構成及び均
等物をカバ−することを意図していると理解すべきであ
る。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、汚
れた流体中の粒子の分離が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明特有の特徴を織り込んだ新しい改良され
た磁気ドラムセパレ−タの断面図である。

【図２】図１の線２−２に沿って取られた拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１０…磁気セパレ−タ、１１…ドラム、１２…磁石、１
３…外側シェル、１４…エプロン、１５…ア−チ形流
路、１６…入口、１７…樋、１８…削り屑、１９…中心
軸、２１…冷却剤タンク、２６…カバ−、２８…環状リ
ム、３０…スクレ−パ、３１…傾斜したスクレ−パブレ
−ド、３２…排出シュ−ト、３３…傾斜した部分、３４
…廃物コンテナ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体から磁性粒子を除去するための磁気
   セパレ−タであって、 磁性粒子で汚染された液体を収容するハウジングと、 前記ハウジングによって回転可能に支えられ且つ前記液
   体中に部分的に配された外側シェルを有するほぼ円筒形
   のドラムと、 前記シェルの主要な領域の回りに磁場を創り出すための
   手段であって、それによって前記シェルの前記主要な領
   域が、前記ドラムが回転すると、前記液体中の磁性粒子
   を吸引し集めるようになっている手段と、 前記液体の外側に置かれまた前記シェルに接触している
   スクレ−パブレ−ドであって、前記粒子が回転しそのブ
   レ−ドと係合すると、前記シェルから集められた磁性粒
   子を除去するようになっているスクレ−パブレ−ドと、 前記ブレ−ドに隣接して置かれた排出シュ−トであっ
   て、それによって、前記シェルから前記ブレ−ドで掻き
   落される粒子が、そのシュ−トに向けて、次々に掻き落
   される粒子によって押し出されるようになっている排出
   シュ−トと、 前記ドラム内に置かれ、前記シェルに接合された低磁気
   抵抗材料で作られた手段であって、前記シェルの小さな
   領域の回りの前記磁場を低減し、それによって前記スク
   レ−パブレ−ドに向けた粒子の磁気吸引力が、前記小領
   域が前記ブレ−ドを通り過ぎて回転するたびに減少さ
   れ、それによって前記シュ−トへの掻き落された粒子の
   押し出しを促進するようになった手段とを備える、 磁気セパレ−タ。
2. 【請求項２】 前記磁場を生じさせるための前記手段
   が、前記ドラム内で且つ前記シェルに隣接して置かれた
   複数の永久磁石を備え、前記ドラム内で且つ前記シェル
   に隣接した空間があり、その空間は、前記シェルの軸方
   向及び周辺方向に広がっておりまた磁石によって占拠さ
   れておらず、低磁気抵抗の前記手段が、前記空間の外側
   にあり且つほぼその空間の上にある、前記シェルの領域
   に沿った前記磁場を低減するために前記空間に置かれた
   シャントバ−を備える、請求項１記載の磁気セパレ−
   タ。