JPH08153638A - タップ切換装置の電動制御回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タップ上昇，タップ下降，歩進のための制御
用カムスイッチを１個として切換動作を満足させる。 【構成】 タップ切換駆動用電動機１を接点５Ｌ_a4（５
Ｒ_a4）によりタップ上昇方向（下降方向）へ回転させる
電磁接触器５Ｌ（５Ｒ）を、下降用（上昇用）押ボタン
スイッチ７Ｌ_a（７Ｒ_a）により励磁し、接点５Ｌ_a（５
Ｒ_a1）により自己保持させる。電動機１の回転により制
御用カムスイッチ８₄がオンして歩進用電磁接触器６を
励磁し、その接点６_b1（６_b2）により前記自己保持を解
除する。同時にカムスイッチ８₄，接点５Ｌ_a2（５
Ｒ_a2）の回路により電磁接触器５Ｌ（５Ｒ）の励磁を持
続させる。カムスイッチ８₄がオフすると電磁接触器５
Ｌ（５Ｒ）の励磁が解け、接点５Ｌ_a1〜4（５Ｒ_a1〜4）
はオフするので、電動機１は停止する。これによりタッ
プは１つ下降（上昇）方向に歩進した状態で停止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、変圧器類のタップ切換
装置の電動制御回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、変圧器類のタップ切換装置の駆動
用電動機の制御回路を図４について説明する。

【０００３】１は減速機等を介して変圧器等のタップを
下降方向又は上昇方向に切り換えるタップ切換用電動機
で、下限リミットスイッチ４Ｌ₂と下降用電磁接触器５
Ｌの接点５Ｌ_a4の直列回路と、上昇用電磁接触器５Ｒの
接点５Ｒ_a4の直列回路を電動機の回転方向を切換するよ
うに接続すると共に、手動操作インターロックスイッチ
３及び配線用遮断器２を介して三相交流電源ＡＣに接続
されている。

【０００４】下降用電磁接触器（コイル）５Ｌは、下降
用押ボタンスイッチ７Ｌ_aと上昇用押ボタンスイッチ７
Ｒ_bの直列回路と自己の接点５Ｌ_a1との並列回路Ａ₁に直
列に歩進用電磁接触器６の接点６_b1と下限リミットスイ
ッチ４Ｌ₁を接続した回路Ａと、制御用カムスイッチ８₁
と自己接点５Ｌ_a2の直列回路Ｂとの並列回路（Ａ，Ｂ）
と直列に上昇用電磁接触器５Ｒの接点５Ｒ_bを介して電
源に接続されている。

【０００５】同様に、上昇用電磁接触器（コイル）５Ｒ
は、上昇用押ボタンスイッチ７Ｒ_aと下降用押ボタンス
イッチ７Ｌ_bの直列回路と自己の接点５Ｒ_a1との並列回
路Ａ₁′に直列に歩進用電磁接触器６の接点６_b2と上限
リミットスイッチ４Ｒ₁を接続した回路Ａ′と、制御用
カムスイッチ８₂と自己接点５Ｒ_a2の直列回路Ｂ′との
並列回路（Ａ′，Ｂ′）と直列に下降用電磁接触器５Ｌ
の接点５Ｌ_bを介して電源に接続されている。

【０００６】また、歩進用電磁接触器（コイル）６は制
御用カムスイッチ８₃と並列に接続された電磁接触器５
Ｌ，５Ｒの接点５Ｌ_a3，５Ｒ_a3との直列回路Ｃと、上記
並列回路Ａ₁と自己の接点６_a1との直列回路Ｄと、上記
並列回路Ａ′と自己の接点６_a2との直列回路Ｄ′との並
列回路（Ｃ，Ｄ，Ｄ′）と直列に接続され、電源に接続
されている。

【０００７】そして、上記並列回路Ａ₁及びＡ₁′と電磁
接触器接点６_a1，６_b1及び６_a2，６_b2との接続点にはそ
れぞれ下降用及び上昇用外部指令が入力するようになっ
ている。また、カムスイッチＳ₁〜Ｓ₃はそれぞれ下降又
は上昇の１ステップ間において図５に示す範囲でオンす
るようになっている。上記回路の下降側と上昇側いずれ
も動作のプロセスは同じなので、以下に下降側回路につ
いての動作を図３を用いて説明する。

【０００８】先ず、下降用押ボタンスイッチ７Ｌ（７Ｌ
_a，７Ｌ_b）を押し、スイッチ７Ｌ_aをオン、７Ｌ_bをオフ
させる。スイッチ７Ｌ_aのオンにより回路Ａを通じて下
降用電磁接触器５Ｌが励磁されて動作し、その接点５Ｌ
_a1のオンにより自己保持される。これにより押ボタンス
イッチ７Ｌが短時間で開放されても電磁接触器５Ｌは動
作を継続する（図３（ａ），（ｂ））。

【０００９】電磁接触器５Ｌの接点５Ｌ_a4のオンにより
電動機１が回転し、図示省略のタップ切換装置を下降方
向に駆動する。駆動開始後制御用カムスイッチ８₁が閉
となり（図３（ｃ），（ｄ））、上記自己保持回路に加
えてカムスイッチ８₁と電磁接触器接点５Ｌ_a2を通して
電磁接触器５Ｌを励磁する回路が形成される。

【００１０】その後間もなく制御用カムスイッチ８₃が
オンとなり、電磁接触器接点５Ｌ_a3を通して歩進用電磁
接触器６が励磁され、動作する（図３（ｅ），（ｆ）の
実線）。この動作によりその接点６_b1がオフする（図３
（ｇ）の実線）ので、上記自己保持回路は開路し、カム
スイッチ８₁側回路Ｂによって電磁接触器５Ｌの動作は
継続される。

【００１１】電動機１が回転を継続し、１タップ分の動
作を完了し所定の停止位置の直前でカムスイッチ８₁が
オフとなる。その結果電磁接触器５Ｌの励磁が解かれ、
接点Ｌ_a1〜Ｌ_a4，Ｌ_bはすべて図示状態に復帰する。接
点Ｌ_a4のオフにより電動機１の励磁が解かれ回転が停止
しタップ切換動作を完了する。

【００１２】上記下降用押ボタンスイッチの操作に代え
て、下降用外部指令を入力しても上記同様に動作する。

【００１３】上昇側については、４Ｌを４Ｒに、５Ｌを
５Ｒに、７Ｌを７Ｒに、８₁を８₂の読みかえることで下
降側と同様の動作となる。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】上記図４の制御回路は
制御用カムスイッチとして８₁〜８₃の３ケのカムスイッ
チを使用している。そのため次のような問題がある。

【００１５】（１）カムスイッチの取付構造が複雑にな
る。

【００１６】（２）各カムスイッチ間の動作タイミング
の調整に労力を要する。

【００１７】（３）制御回路が複雑になる。

【００１８】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、タップ上昇，タップ下降，歩進のための制御用カ
ムスイッチが１個で満足な切換動作がなしうる切換装置
の電動制御回路を提供することにある。

【００１９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明におけるタップ切換装置の電動制御回路は、
駆動用電動機をタップ下降方向及び上方向へ回動させる
下降用及び上昇用電磁接触器を、それぞれ下降用及び上
昇用押ボタンスイッチのオンにより励磁し、自己保持さ
せる回路と、制御用カムスイッチのオンにより歩進用電
磁接触器を励磁し、前記下降用及び上昇用電磁接触器の
自己保持を解除させる回路と、前記制御用カムスイッチ
のオンによりそれぞれ前記自己保持の解除後も前記下降
用及び上昇用電磁接触器の励磁を続けさせる回路からな
るものである。

【００２０】

【作用】下降用又は上昇用押ボタンスイッチをオンする
と下降用又は上昇用電磁接触器が励磁され自己保持さ
れ、その接点により駆動用電動機をタップ下降方向又は
上昇方向に回転させる。その回転により制御用カムスイ
ッチがオンすると歩進用電磁接触器が励磁され、そのｂ
接点のオフにより前記自己保持が解除されるが、前記制
御用カムスイッチのオンにより他の自己接点を介して下
降用又は上昇用電磁接触器が励磁される。制御用カムス
イッチがオフすると、励磁が解ける。このため、タップ
が１つ歩進した状態で電動機は停止する。この回路によ
れば、従来３個必要であった制御カムスイッチが１個で
タップ切換動作させることができる。

【００２１】

【実施例】本発明の実施例について図１〜図３を参照し
て説明する。

【００２２】図１はタップ切換装置の電動制御回路を示
す。なお、図中従来図４に示したものと同一構成部分は
同一符号を付してその重複する説明を省略する。

【００２３】８₄は制御用カムスイッチで、動作タイミ
ングは従来図４におけるカムスイッチ８₁，８₂と同じく
なっており、従来図４におけるカムスイッチ８₃に代わ
りに、並列接続の電磁接触器接点５Ｌ_a3，５Ｒ_a3の回路
Ｃと直列に接続されている。図２にカムスイッチ８₄の
動作シーケンスを示す。

【００２４】また、従来図４における電磁接触器接点５
Ｌ_a2及び５Ｒ_a2と直列に接続されていたカムスイッチ８
₁，８₂は不用とし、接点５Ｌ_a2，５Ｒ_a2へは上記カムス
イッチ８₄と接点５Ｌ_a3，５Ｒ_a3との接続点から接続す
る。その他の構成は従来図４のものと変わりがない。

【００２５】次に、この実施例における下降側回路の動
作を図３のタイムチャートを用いて説明する。先ず、下
降用押ボタンスイッチ７Ｌ（７Ｌ₁，７Ｌ₂）を押す（図
３（ａ））、これにより回路Ａを介して下降用電磁接触
器５Ｌに通電され、その接点５Ｌ_a1〜５Ｌ_a4がオンし、
その接点５Ｌ_a1のオンにより電磁接触器５Ｌは自己保持
される（図３（ｂ），（Ｃ））。また、接点５Ｌ_a4のオ
ンにより電動機１が回転しカムスイッチ８₄がオンする
（図３（ｄ））。

【００２６】カムスイッチ８₄のオンにより接点５Ｌ_a3
を介して歩進用電磁接触器６が励磁され、その接点
６_b1，６_b2接点がオフ（図３（ｆ），（ｇ）の破線）、
接点６_a1，６_a2がオンする。接点６_b1のオフにより上記
自己保持回路は切れるが、カムスイッチ８₄，接点５Ｌ
_a2の回路Ｂにより電磁接触器５Ｌの励磁は持続され、カ
ムスイッチ８₄がオフすると、電磁接触器５Ｌの励磁は
切れ、その接点５Ｌ_a1〜５Ｌ_a4がオフするので、電動機
１の回転は停止する。

【００２７】上記は下降側回路の動作について説明した
が、上昇側回路も同様に動作するので、その説明を省略
する。

【００２８】この実施例によれば、歩進用電磁接触器６
の動作タイミングが従来図４のものに比し少し変わるが
回路の動作上問題はない。

【００２９】この実施例によれば、カムスイッチが１個
で済み、その取付構造が簡単になると共に、動作タイミ
ングの調整が容易となり、回路も簡単になる。

【００３０】

【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載する効果を奏する。

【００３１】（１）カムスイッチが１個となるので、部
品の実数が低減する。

【００３２】（２）カムスイッチの取付構造が簡素化さ
れる。

【００３３】（３）カムスイッチの組立調整が単純化さ
れる。

【００３４】（４）回路が単純化される。

【００３５】（５）カムスイッチが１個となり、回路も
単純化されるので、総合的な信頼性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例にかかる駆動電動機制御回路
図。

【図２】実施例におけるカムスイッチ動作シーケンスの
説明図。

【図３】実施例及び従来例の動作を説明するタイムチャ
ート。

【図４】従来例の駆動電動機制御回路図。

【図５】従来例におけるカムスイッチ動作シーケンスの
説明図。

【符号の説明】

１…タップ切換用電動機 ２…配線用遮断器 ３…手動操作インターロックスイッチ ４Ｌ₁，４Ｌ₂…下限リミットスイッチ ４Ｒ₁，４Ｒ₂…上限リミットスイッチ ５Ｌ…下降用電磁接触器（コイル） ５Ｒ…上昇用電磁接触器（コイル） ６…歩進用電磁接触器（コイル） ７Ｌ₁，７Ｌ₂…下降用押ボタンスイッチ ７Ｒ₁，７Ｒ₂…上昇用押ボタンスイッチ ８₁〜８₄…制御用カムスイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動用電動機をタップ下降方向及び上方
   向へ回動させる下降用及び上昇用電磁接触器を、それぞ
   れ下降用及び上昇用押ボタンスイッチ又は指令のオンに
   より励磁し、自己保持させる回路と、 制御用カムスイッチのオンにより歩進用電磁接触器を励
   磁し、前記下降用及び上昇用電磁接触器の自己保持を解
   除させる回路と、 前記制御用カムスイッチのオンによりそれぞれ前記自己
   保持の解除後も前記下降用及び上昇用電磁接触器を他の
   自己接点により励磁を続けさせる回路と、 を有し、１個の制御用カムスイッチにてタップ切換動作
   を満足させるようにしたことを特徴としたタップ切換装
   置の電動制御回路。