JPH08152761A - 電子写真用帯電器 - Google Patents

電子写真用帯電器

Info

Publication number
JPH08152761A
JPH08152761A JP29731294A JP29731294A JPH08152761A JP H08152761 A JPH08152761 A JP H08152761A JP 29731294 A JP29731294 A JP 29731294A JP 29731294 A JP29731294 A JP 29731294A JP H08152761 A JPH08152761 A JP H08152761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shield
back surface
charger
photoconductor
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29731294A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsushi Tsujita
充司 辻田
Sakushiro Tanaka
作白 田中
Masaru Watanabe
優 渡辺
Hiroyuki Sako
裕之 迫
Yukifumi Terada
幸史 寺田
Yuji Tanaka
裕二 田中
Toru Ueno
徹 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mita Industrial Co Ltd filed Critical Mita Industrial Co Ltd
Priority to JP29731294A priority Critical patent/JPH08152761A/ja
Publication of JPH08152761A publication Critical patent/JPH08152761A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 正帯電型有機感光体の主帯電に用いるスコロ
トロン型帯電器において、放電部材とグリッドとの間の
距離a及び放電部材とシールド背面への垂線距離bが下
記式(1): a/b<(Vo −Vg)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕
…(1) (式中、Vo は放電電圧、Vg はグリッド電位、Vs は
シールド電位、θは、シールド背面に開口部が形成され
ている場合には、放電部材からシールド背面への垂線
と、放電部材とシールド背面の開口部端縁とを結ぶ線の
内短い方の線とがなす角度であり、シールド背面に開口
部が形成されていない場合はθ=0とする)を満足する
ように設定されていることを特徴とする。 【効果】 ファン等の格別の排気手段を使用することな
く、放電生成物であるNOx による感光体の劣化を防止
することができ、白抜け等の画像不良を有効に回避する
ことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正帯電型有機感光体を
用いての電子写真法による画像形成に際して、該感光体
の主帯電に用いる帯電器に関する。
【0002】
【従来の技術】有機感光体を用いる電子写真法は、感光
体コストが比較的安価であるため、複写機、レーザプリ
ンター、ファクシミリ等の画像形成に広く使用されてい
る。また、電子写真法においては、静電潜像を形成させ
るための準備段階としての感光体の主帯電を行うことが
必要であり、このための帯電器として、一般にコロナ帯
電器が使用され、コロナ帯電により感光体表面の主帯電
が行われている。
【0003】コロナ帯電では、空気中の酸素が酸化され
てオゾンが発生し、また窒素が酸化されてNOx が発生
し、これらの放電生成物が感光体を劣化させるという問
題がある。特に感光体が有機感光体の場合には、放電生
成物による劣化傾向が他の感光体に比して大きく、耐刷
性(寿命)が短くなる原因となっている。しかるに、コ
ロナ帯電によるオゾン発生は、負極性コロナ放電では正
極性コロナ放電に比して著しく大きいため、有機感光体
として正帯電型有機感光体を用いると共に、主帯電を正
極性コロナ放電で行うことが広く行われている。
【0004】然しながら、正帯電型有機感光体は、もう
一方の放電生成物であるNOx による劣化を受け易く、
例えばこの感光体を連続使用後、長時間放置した後に再
び画像形成を行うと、白抜け等の画像不良を生じる。即
ち、感光体の連続使用中に発生したNOx が帯電器内に
滞留しており、停止している感光体表面が長時間にわた
ってこのNOx に曝されるために劣化し、画像形成を再
開した時に、その部分での電位低下を生じ、白抜け等の
画像不良が生じるものである。特にこの傾向は、感光層
が樹脂中に電荷発生顔料と電荷輸送剤とを分散して成る
単層型である場合に顕著である。
【0005】上記のようなNOx による劣化を防止する
ために、従来は、コロナ帯電器のシールド背面(放電開
口面とは反対側の面)に開口を設け、排気ファンにより
局所排気を行うという手段が採用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】感光体ドラム周辺の雰
囲気の排気などの手段は、感光体へのNOx の攻撃を緩
和させ、その耐刷性(寿命)を向上させるのに有効であ
るが、反面、排気ファンを設けることが必要であるた
め、装置の大型化、コストアップ等を引き起こす点で満
足し得るとは言いがたい。また、排気ファンによる強制
排気では、画像形成時において感光体周辺の気流が激し
く或いは乱れるため、得られる画像に乱れが発生するこ
ともある。
【0007】従って本発明の目的は、排気ファン等によ
る強制排気によることなく、感光体へのNOx の攻撃を
緩和させることが可能な正帯電型有機感光体用のコロナ
帯電器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、正帯電
型有機感光体の主帯電に用いるスコロトロン型帯電器に
おいて、放電部材とグリッドとの間の距離a及び放電部
材とシールド背面への垂線距離bが下記式(1): a/b<(Vo −Vg)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕 …(1) 式中、Vo は放電電圧、Vg はグリッド電位、Vs はシ
ールド電位、θは、シールド背面に開口部が形成されて
いる場合には、放電部材からシールド背面への垂線と、
放電部材とシールド背面の開口部端縁とを結ぶ線の内短
い方の線とがなす角度であり、シールド背面に開口部が
形成されていない場合はθ=0とする、を満足するよう
に設定されていることを特徴とする帯電器が提供され
る。
【0009】本発明によればまた、正帯電型有機感光体
の主帯電に用いるコロトロン型帯電器において、放電部
材と感光体表面との間の距離a及び放電部材とシールド
背面への垂線距離bが下記式(2): a/b<(Vo −Vd)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕 …(2) 式中、Vo は放電電圧、Vd は感光体表面電位、Vs は
シールド電位、θは、シールド背面に開口部が形成され
ている場合には、放電部材からシールド背面への垂線
と、放電部材とシールド背面の開口部端縁とを結ぶ線の
内短い方の線とがなす角度であり、シールド背面に開口
部が形成されていない場合はθ=0とする、を満足する
ように設定されていることを特徴とする帯電器が提供さ
れる。
【0010】
【作用】本発明のスコロトロン型帯電器またはコロトロ
ン型帯電器は、上記式(1)或いは式(2)を満足して
いることが重要な特徴である。即ち、コロナ放電により
発生したNOx は+の電荷を有するプラスイオンとして
存在しており、前記式を満足するように形成されている
コロナ帯電器内の電界により、このNOx (プラスイオ
ン)が、帯電器の下方(被帯電体である感光体側)に集
中して分布する。従って、本発明によれば、帯電器の下
方に集中したNOx が、画像形成に際しての感光体の駆
動によって発生する気流により容易に排気され、帯電器
内に滞留することがなく、かくして感光体を長時間停止
状態に放置していた場合にも、該帯電器直下に位置して
いる感光体表面がNOx によって劣化することがなく、
その後の画像形成にあたって白抜け等の画像不良が有効
に防止されるのである。
【0011】本発明のスコロトロン型帯電器の断面を示
す図1を参照されたい。この帯電器は、実質的に矩形状
のシールド20と、シールド20内を張架されて延びて
いるコロナワイヤー(放電部材)21とから構成されて
いる。シールド20には、下方に放電開口面Aが形成さ
れており、この部分には、対極となるグリッド22が設
けられている。また、シールド20の背面には、必要に
より開口Bが形成されている。
【0012】放電部材であるコロナワイヤー21とグリ
ッド22との間の距離をa及びワイヤー21とシールド
背面への垂線距離をbとすると、ワイヤー21からグリ
ッド22に作用する電界強度Ea 及びコロナワイヤー2
1からシールド背面に形成される電界強度Eb は、それ
ぞれ下記式(3)及び(4)で表される。
【0013】 Ea =(Vo −Vg)/a …(3) Eb =(Vo −Vs)/(b/ cosθ)=(Vo −Vs) cosθ/b …(4)
【0014】尚、上記式中、Vo はコロナワイヤー21
に印加される放電電圧、Vg はグリッド22の電位、V
s はシールド20の電位、θは、シールド背面に開口部
Bが形成されている場合には、ワイヤー21からシール
ド背面への垂線と、ワイヤー21とシールド背面の開口
部B端縁とを結ぶ線の内短い方の線とがなす角度であ
り、シールド背面に開口部Bが形成されていない場合は
θ=0となる。
【0015】ところで、従来公知のスコロトロン型帯電
器では、コロナワイヤー21はシールド20内の中心部
に配置され、シールド背面に開口部Bは形成されておら
ず、且つシールド20はアースされている。即ち、a=
b,θ=0,Vs =0である。
【0016】従って、前記式(3)及び(4)により、 Ea =(Vo −Vg)/a Eb =(Vo −Vs)/b=Vo /b=Vo /a で表されるから、Vo >Vg >0を考慮すれば、下記式
(5): Ea <Eb …(5) が成立する。
【0017】上記式(5)から明らかな通り、従来公知
のスコロトロン型帯電器では、シールド上部の電界が強
く、放電により発生したプラスイオンであるNOx はコ
ロナワイヤー21の上方に滞留する。従って、帯電器の
下方に位置する感光体の駆動により発生する気流の影響
を受けにくく、該気流によっての排気が困難となってい
ることが理解されよう。
【0018】一方、本発明によれば、前記式(1)、即
ち、 a/b<(Vo −Vg)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕 …(1) を満足するようにa,b,Vo,Vg,Vs 及びθが設定さ
れており、上記式(1)は、下記の様に変形される。 (Vo −Vg)/a>(Vo −Vs)・ cosθ/b 即ち、式(1)によれば、下記式(6): Ea >Eb …(6) が成立するのである。
【0019】従って、本発明のスコロトロン型帯電器に
おいては、シールド下部の電界が強く、放電により発生
したプラスイオンであるNOx はコロナワイヤー21の
下方に分布するため、帯電器の下方に位置する感光体の
駆動により発生する気流によって容易に排気されるので
ある。かくして、感光体の駆動を停止して長時間保持し
た場合にも、帯電器内に滞留している重いNOx が降下
して感光体表面を劣化させるという不都合が有効に防止
でき、再び画像形成を行った場合に白抜け等の画像不良
が発生するおそれがないのである。
【0020】以上、スコロトロン型帯電器について説明
したが、コロトロン型帯電器でも同様である。本発明の
コロトロン型帯電器の断面を示す図2を参照されたい。
このコロトロン型帯電器は、グリッド22が設けられて
いない点を除けば前述したスコロトロン型帯電器と同様
の構造を有している。従って、式(2)は、式(1)中
のグリッド電位Vg が、感光体1の設定表面電位Vd に
置き変わったものであり、式(1)中のaが、コロナワ
イヤー21と感光体1表面との間隔となる。
【0021】即ち、式(2)を満足している本発明のコ
ロトロン型帯電器においても前記式(6)が成立し、前
述したスコロトロン型帯電器と同様、シールド下部の電
界が強く、放電により発生したプラスイオンであるNO
x はコロナワイヤー21の下方に分布し、感光体1の駆
動により発生する気流によって容易に排気される。従っ
て、感光体1の停止時においてNOx が降下して感光体
表面を劣化させるという不都合が有効に防止され、再び
画像形成を行った場合に白抜け等の画像不良が発生する
おそれがないのである。
【0022】尚、本発明の帯電器においては、前述した
式(1)或いは(2)の条件を満足している限り、スコ
ロトロン型及びコロトロン型の何れのタイプであって
も、シールド背面に開口部Bを設けてもよいし、設けな
くともよい。開口部Bを形成した場合には、シールド内
に気流の通路が形成されるので、NOx の排気が確実に
行われるという点では、開口部Bを形成しないものより
も多少有利となる。
【0023】
【発明の好適態様の説明】
(感光体)本発明の電子写真用帯電器は、正帯電型の有
機感光体の主帯電に使用される。かかる有機感光体とし
ては、導電性基体上に単層又は積層の感光層を設けたも
のがあり、本発明においては何れの感光体の主帯電に適
用することができるが、単層有機感光体を用いた場合に
特に顕著な利点を有する。即ち、積層有機感光体は、電
荷発生剤が樹脂中に分散された電荷発生層の上に電荷輸
送層が設けられており、このため、電荷発生剤が電荷輸
送層により表面保護されているため、NOxによる劣化
を受けたとしても、その程度は比較的小さい。一方、単
層の有機感光体は、電荷発生剤が分散された感光層が単
層であるため、該層表面に電荷発生剤が露出し、NOx
による劣化を受け易く、積層感光体と比較して白抜け等
の画像不良を生じ易い。しかるに本発明によれば、この
ような単層感光体の帯電を行った場合にも、前述した理
由により、白抜け等の画像不良が有効に防止されるので
ある。
【0024】この正帯電型単層有機感光体は、樹脂媒質
中に電荷発生剤と電荷輸送物質とを分散させた単層の感
光層を導電性基体上に設けたものであり、特に電荷輸送
物質としては、正孔輸送剤と電子輸送剤との組み合わせ
が使用される。正孔輸送剤としては、それ自体公知のも
のが使用され、これと組み合わせる電子輸送剤として
は、ジフェノキノン誘導体、特に非対称置換型のものが
好ましい。この感光体は正帯電が可能であり、しかも残
留電位が低いレベルに抑制されると共に、正帯電に対し
て優れた感度を示す。
【0025】特に電子輸送剤として用いるジフェノキノ
ン誘導体としては、下記式(7)で表されるものを単独
又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0026】
【化1】
【0027】上記式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 の各
々は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基等である。一層具体的には、3,
5−ジメチル−3',5’−ジt−ブチルジフェノキノ
ン、3,3’−ジメチル−5',5’−ジt−ブチルジフ
ェノキノン、3,5’−ジメチル−3',5−ジt−ブチ
ルジフェノキノン、3,5,3',5’−テトラメチルジ
フェノキノン、3,5,3',5’−テトラt−ブチルジ
フェノキノン、3,5,3',5’−テトラフェニルジフ
ェノキノン、3,5,3',5’−テトラシクロヘキシル
ジフェノキノン等を挙げることができるが、下記式
(8)、(9)或いは(10)の関係を満足する置換基
を有するジフェノキノン誘導体は、分子の対称性が低い
ために分子間の相互作用が小さく、溶解性に優れている
ために好適である。
【0028】 (R1 の炭素数=R3 の炭素数)>(R2 の炭素数=R4 の炭素数)…(8) (R1 の炭素数=R2 の炭素数)>(R3 の炭素数=R4 の炭素数)…(9) (R1 の炭素数=R4 の炭素数)>(R2 の炭素数=R3 の炭素数)…(10)
【0029】正孔輸送剤としては、任意の正孔輸送物質
を使用することができ、例えばオキサジアゾール系化合
物、スチリル化合物、カルバトール系化合物、有機ポリ
シラン化合物、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、
トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オ
キサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チア
ゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系
化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、
縮合多環式化合物等が使用され、就中、イオン化ポテン
シャルが5.3乃至5.6eVの範囲にあるものが好適に使
用される。また電解強度が3×105 V/cmで1×1
-6cm2 /V・秒以上の移動度を有するものが特に好
ましい。
【0030】好適な正孔輸送剤の具体例としては、1,
1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジ
フェニル−1,3−ブタジエン、N,N’−(o,p−
ジメチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジ
ン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラ
キス(4−メチルフェニル−1,1’−ビフェニル)−
4,4’−ジアミン、N−エチル−3−カルバゾリルア
ルデヒド−N,N’−ジフェニルヒドラゾン、4−
〔N,N−ビス(p−トルイル)アミノ〕−β−フェニ
ルスチルベン等を例示することができる。
【0031】電荷発生剤としては、例えば、セレン、セ
レン−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、
アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、
フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系顔
料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペリレン系
顔料、キナクリドン系顔料等が例示され、所望の領域に
吸収波長域を有する様、1種又は2種以上混合して用い
られる。特にイオン化ポテンシャルが5.3乃至5.6eV
の範囲にあるものが好適であり、最も好適なものとして
は、ビスアゾ顔料、X型メタルフリーフタロシアニン、
オキソチタニルフタロシアニン等が例示される。
【0032】また上記の各剤を分散させる樹脂媒質とし
ては、種々の樹脂が使用でき、例えばスチレン系重合
体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、アイ
オノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキ
ッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジ
アリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノ
ール樹脂等の各種重合体や、エポキシアクリレート等の
光硬化型樹脂等を、単独又は2種以上の組み合わせで使
用することができる。特に好適な樹脂は、スチレン系重
合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合
体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート等である。
【0033】上記の正帯電型単層有機感光体において、
電荷発生剤は、通常、固形分当たり0.1乃至5重量%、
特に0.25乃至2.5重量%の量で感光層中に含有される
のがよく、またジフェノキノン誘導体のような電子輸送
剤(ET)や正孔輸送剤(HT)は、それぞれ固形分当
たり5乃至50重量%、特に10乃至40重量%の量で
感光層中に含有されるのがよい。さらにET:HTの重
量比は1:9乃至9:1、特に2:8乃至8:2の範囲
にあるのがよい。
【0034】また上述した単層の感光層を形成する組成
物には、電子写真学的特性に悪影響を及ぼさない範囲
で、それ自体公知の種々の配合剤、例えば酸化防止剤、
ラジカル捕捉剤、一重項クェンチャー、UV吸収剤、軟
化剤、表面改質剤、消泡剤、増量剤、増粘剤、分散安定
剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合すること
ができる。特に全固形分当たり0.1乃至50重量%の量
で立体障害性フェノール系酸化防止剤を配合すると、電
子写真学的特性に悪影響を与えることなく、感光層の耐
久性を顕著に向上させることができる。
【0035】単層の感光層は、上述した各剤や樹脂成分
を溶剤に溶解乃至分散させて導電性基体上に塗布するこ
とによって形成されるが、この溶剤としては種々の有機
溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オク
タン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコール等のエーテル
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類、ジメチルホルムアミド、、ジメチルスルホキシド等
を、単独又は2種以上の組み合わせで使用することがで
きる。塗布液の固形分濃度は、一般に5乃至50%とす
るのがよい。
【0036】また導電性基板としては、導電性を有する
種々の材料を使用することができ、例えばアルミニウ
ム、鉄、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデ
ン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、インジウ
ム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸
着又はラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アル
ミニウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆されたガラ
ス等が例示される。
【0037】特に単層の感光層の場合には、干渉縞等の
発生がないことから、通常のアルミニウム素管、特に膜
厚が1乃至50μm となるようにアルマイト処理を施し
た素管を用い得ることも利点の一つである。
【0038】尚、塗布液を調製するには、電荷発生材料
等と樹脂等とを、従来公知の方法、例えばロールミル、
ボールミル、アトライタ、ペイントシェイカー或いは超
音波分散器等を用いて行い、これを従来公知の塗布手段
によって塗布、乾燥すればよい。
【0039】単層の感光層の厚みは、特に制限されない
が、一般に5乃至100μm 、特に10乃至50μm の
範囲にあることが望ましい。
【0040】(画像形成)本発明の帯電器を用いて上記
感光体の主帯電を行っての画像形成は、以下の様にして
行われる。即ち、上記画像形成を好適に実施するための
装置の構造を簡単に示す図3において、回転する感光体
ドラム1の近傍には、本発明の主帯電用コロナ帯電器2
が設けられており、さらにドラム1の回転方向に沿っ
て、画像露光用の光学系3、現像装置4、転写用帯電装
置5、クリーニング装置6及び除電用光源7とが設けら
れている。
【0041】画像形成にあたっては、先ず感光体ドラム
1の表面を、コロナ帯電器2によって正極性に帯電させ
る。次いで、原稿(図示せず)からの反射光を光学系3
を介して感光体ドラム1上に照射し、原稿画像に対応す
る静電潜像を形成する。現像装置4はトナー10を有し
ており、この静電潜像は、現像装置4によりトナー10
で現像され、トナー像が形成される。トナーの帯電極性
は、通常の正規現像の場合には感光体ドラム1表面と逆
極性であり、反転現像の場合には感光体表面と同極性で
ある。また転写用帯電装置5は、トナー転写用帯電器1
1と紙分離用交流帯電器12とを備えており、転写紙1
3の背面から帯電器11でコロナチャージを行ってトナ
ー像を転写紙13に転写させる。この帯電器11の極性
は、トナーが付着している感光体ドラム1表面と同極性
である。またトナー像が転写された転写紙13は、交流
帯電器12の除電によって感光体ドラム1表面から静電
的に剥離され、定着域(図示せず)に送られ、熱、圧力
等により、トナー像の定着が行われる。トナー転写後の
感光体ドラム1は、クリーニングブレード等を備えたク
リーニング装置6によって残留トナーが除去され、次い
で除電用光源7からの全面露光により、残留電荷が除去
され、画して画像形成の1サイクルが完了する。
【0042】本発明によれば、主帯電用のコロナ帯電器
2による正極性コロナ放電により発生したNOx は、帯
電器2の下方に分布しているので、感光体ドラム1の回
転によって発生する気流によって画像形成中に排気され
る。従って、感光体ドラム1を停止して長時間放置して
おいても、その間にNOx によりドラム表面が劣化する
おそれがなく、再度画像形成を行った場合にも白抜け等
の画像不良が有効に防止されるのである。
【0043】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0044】(感光体の製造)以下の例においては、以
下の方法で作成した正帯電型単層有機感光体を使用し
た。下記の組成から成る感光層用組成物をペイントシェ
イカーを用いて2時間かけて均一分散し、単層の感光層
形成用塗布液を調製し、この塗布液を外径78mmアル
ミニウム素管の表面に浸漬塗布し、110℃で30分間
乾燥し、膜厚が30μm の単分散感光層を形成し、正帯
電型単層有機感光体を得た。
【0045】感光層組成物の組成: ビスアゾ顔料(下記式(11)で示す) 10重量部 N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)− m−フェニレンジアミン 100重量部 3,5,3’,5’−テトラフェニルジフェノキノン 50重量部 ポリカーボネート樹脂 100重量部 ジクロルメタン 800重量部
【0046】
【化2】
【0047】実施例1〜96,比較例1〜96 上記の感光体ドラムと、表1乃至4に示す様なa及びb
の値を有する様にコロナワイヤーの位置が設定され且つ
シールド壁の電位Vs ,ワイヤー印加電圧Vo及びグリ
ッド電圧Vg が設定されたスコロトロン型帯電器とを、
三田工業株式会社製電子写真複写機DC−2556改造
機に取り付けた。尚、表1乃至4中、θが0であるもの
は、帯電器のシールド背面に開口部が形成されていない
ものであり、またそうでないものは、開口部が形成され
ているものである。また表1乃至4中、Pは、以下の値
を示す。 P=(Vo −Vg)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕
【0048】この複写機を用いて1万〜6万枚の連続複
写を行い、連続複写終了後、複写機を12時間停止して
おき、改めて複写を行った。この時の画像における白抜
けの発生の有無を目視で観察し、その結果を表1乃至4
に示した。(表1中、1Kは1000枚の連続複写を行
ったことを意味する。) 白抜け発生の評価基準は次の通りである。 ○:白抜け発生せず。 ×:白抜けが観察された。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】実施例97〜192,比較例97〜192 帯電器を、表5乃至8に示す様な条件を満足するコロト
ロン帯電器に変え、表5乃至8に示す条件で主帯電を行
い、実施例1〜96と同様の実験を行った。その結果を
表5乃至8に併せて示す。尚、これらの表中、aは帯電
器のワイヤーと感光体ドラム表面との間隔を示すもので
あり、Qは、以下の値を示す。 Q=(Vo −Vd)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【発明の効果】以上の実験結果から明らかな通り、本発
明の帯電器によれば、ファン等の格別の排気手段を使用
することなく、放電生成物であるNOx による感光体の
劣化を防止することができ、白抜け等の画像不良を有効
に回避することが可能となる。特に本発明は、NOx に
よる劣化が顕著な正帯電型単層有機感光体を用いての画
像形成装置に有利に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスコロトロン型帯電器の断面図を示す
図。
【図2】本発明のコロトロン型帯電器の断面図を示す
図。
【図3】本発明の帯電器を用いての感光体の主帯電によ
り画像形成を行う装置の構造の代表例を示す図。
【符号の説明】
1:感光体 2:主帯電用コロナ帯電
装置 3:画像露光用光学系 4:現像装置 5:転写用帯電装置 6:クリーニング装置 7:除電用光源 10:トナー 11:トナー転写用帯電器 12:紙分離用交流帯電
器 13:転写紙 20:シールド 21:コロナワイヤー 22:グリッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 迫 裕之 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 寺田 幸史 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 田中 裕二 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 上野 徹 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正帯電型有機感光体の主帯電に用いるス
    コロトロン型帯電器において、放電部材とグリッドとの
    間の距離a及び放電部材とシールド背面への垂線距離b
    が下記式(1): a/b<(Vo −Vg)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕 …(1) 式中、Vo は放電電圧、 Vg はグリッド電位、 Vs はシールド電位、 θは、シールド背面に開口部が形成されている場合に
    は、放電部材からシールド背面への垂線と、放電部材と
    シールド背面の開口部端縁とを結ぶ線の内短い方の線と
    がなす角度であり、シールド背面に開口部が形成されて
    いない場合はθ=0とする、を満足するように設定され
    ていることを特徴とする帯電器。
  2. 【請求項2】 正帯電型有機感光体の主帯電に用いるコ
    ロトロン型帯電器において、 放電部材と感光体表面との間の距離a及び放電部材とシ
    ールド背面への垂線距離bが下記式(2): a/b<(Vo −Vd)/〔(Vo −Vs)・ cosθ〕 …(2) 式中、Vo は放電電圧、 Vd は感光体表面電位、 Vs はシールド電位、 θは、シールド背面に開口部が形成されている場合に
    は、放電部材からシールド背面への垂線と、放電部材と
    シールド背面の開口部端縁とを結ぶ線の内短い方の線と
    がなす角度であり、シールド背面に開口部が形成されて
    いない場合はθ=0とする、を満足するように設定され
    ていることを特徴とする帯電器。
  3. 【請求項3】 正帯電型有機感光体が、樹脂中に電荷発
    生顔料と電荷輸送剤を分散した感光体である請求項1ま
    たは2に記載の帯電器。
JP29731294A 1994-11-30 1994-11-30 電子写真用帯電器 Pending JPH08152761A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29731294A JPH08152761A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 電子写真用帯電器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29731294A JPH08152761A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 電子写真用帯電器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08152761A true JPH08152761A (ja) 1996-06-11

Family

ID=17844887

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29731294A Pending JPH08152761A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 電子写真用帯電器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08152761A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09305010A (ja) * 1996-03-13 1997-11-28 Mita Ind Co Ltd 画像形成装置及び画像形成ユニット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09305010A (ja) * 1996-03-13 1997-11-28 Mita Ind Co Ltd 画像形成装置及び画像形成ユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20140042691A (ko) 정대전 단층형 전자 사진 감광체 및 화상 형성 장치
JPH07199503A (ja) 画像形成方法
JP3384231B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いる画像形成装置
JP2004226637A (ja) 単層型電子写真感光体およびそれを有する画像形成装置
JP6071733B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP3409540B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置
JP3532808B2 (ja) 電子写真感光体、及びそれを使用した画像形成装置
JP3638500B2 (ja) 単層型電子写真感光体、及びそれを使用した画像形成装置
JPH08152761A (ja) 電子写真用帯電器
JP2006178321A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP2006047344A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP3386260B2 (ja) 画像形成装置
JP2001312075A (ja) 単層型電子写真感光体、及びそれを使用した除電システムを有さない画像形成装置
JP3367318B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを用いた画像形成装置
JP3761208B2 (ja) 正帯電型単層有機感光体を用いての画像形成方法
JPH08185089A (ja) 画像形成装置
JP3240090B2 (ja) 画像形成方法
JPH08190326A (ja) 画像形成装置における除電装置
JPH0869229A (ja) 電子写真法
JPH08152827A (ja) 画像形成装置
JPH08152769A (ja) 画像形成装置
JP3562537B2 (ja) 電子写真装置におけるクリーニング装置
JPH08152762A (ja) 電子写真法における帯電方法
JP3566275B2 (ja) 電子写真感光体、及びそれを用いた画像形成方法
JPH08335013A (ja) 電子写真法