JPH08151669A

JPH08151669A - 浴室排水装置

Info

Publication number: JPH08151669A
Application number: JP31954094A
Authority: JP
Inventors: Yoichiro Ueno; 陽一郎上野; Ichiro Yano; 一朗矢野; Shusuke Nagai; 秀典永井; Takeshi Muto; 健武藤
Original assignee: Toto Ltd
Current assignee: Toto Ltd
Priority date: 1994-11-30
Filing date: 1994-11-30
Publication date: 1996-06-11

Abstract

(57)【要約】【目的】浴室に出入りする際の跨ぎ高さを従来よりも
小さくすることができる浴室排水装置を提供する。【構成】排水目皿を有する排水トラップと、前記排水
目皿よりも高く且つ浴室のドア下枠上縁よりも低く位置
決めされた排水流入口を有するオーバーフロー装置とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、排水目皿を有する排水
トラップによって構成される浴室排水装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】排水目皿を有する排水トラップによって
構成される浴室排水装置を備える浴室においては、排水
目皿が髪の毛で目詰まりした場合に浴室内の雑排水が浴
室外へ溢れ出るのを防止するために、従来、浴室のドア
下枠上縁の浴室床面からの高さを大きくとって、浴室床
部の貯水量を大きくしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】排水目皿を有する排水
トラップによって構成される浴室排水装置を備える浴室
においては、従来、浴室のドア下枠上縁の浴室床面から
の高さを大きくとっていたので、浴室に出入りする際の
跨ぎ高さが大きく、利用者にとって浴室の使い勝手が良
くないという問題があった。本発明は上記の問題点に鑑
みてなされたものであり、浴室に出入りする際の跨ぎ高
さを従来よりも小さくすることができる浴室排水装置を
提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、排水目皿を有する排水トラップ
と、前記排水目皿よりも高く且つ浴室のドア下枠上縁よ
りも低く位置決めされた排水流入口を有するオーバーフ
ロー装置とを備える浴室排水装置を提供する。本発明の
好ましい態様においては、オーバーフロー装置は排水目
皿に形成された開口に嵌合する導水管である。本発明の
好ましい態様においては、オーバーフロー装置は排水目
皿と一体形成された導水管である。本発明の好ましい態
様においては、オーバーフロー装置は排水目皿に形成さ
れた開口と開口を取り囲む環状の堰である。本発明の好
ましい態様においては、環状の堰は排水目皿と一体形成
されている。本発明の好ましい態様においては、浴室排
水装置は、排水目皿に形成された開口の周縁から径方向
内方ヘ延びる複数のリブと、リブにより支持された環状
の浴槽排水継手挿入ガイドとを備える。本発明の好まし
い態様においては、環状の堰は開口に嵌合する環状部材
である。本発明の好ましい態様においては、浴室排水装
置は、環状部材から径方向内方ヘ延びる複数のリブと、
リブにより支持された環状の浴槽排水継手挿入ガイドと
を備える。本発明の好ましい態様においては、浴槽排水
継手挿入ガイドの内側面に突起が形成されている。本発
明の好ましい態様においては、排水目皿は環状の堰へ向
かって且つ環状の堰の排水流入口から遠ざかる方向に窪
んでいる。本発明の好ましい態様においては、浴室排水
装置は、排水目皿の上方に配設されオーバーフロー装置
を覆うトラップカバーを備える。

【０００５】

【作用】本発明においては、排水トラップの排水目皿が
髪の毛で目詰まりした場合には、湯水はオーバーフロー
装置を介して排水される。オーバーフロー装置の排水流
入口は排水目皿よりも高く位置決めされているので、排
水目皿が目詰りしない限り、浴室内の雑排水が混入した
髪の毛と共にオーバーフロー装置を介して排出されるお
それは無い。また、本発明においては、オーバーフロー
装置の排水流入口は浴室のドア下枠上縁よりも低く位置
決めされているので、浴室床部に溜まった雑排水の水位
がドア下枠上縁に達するおそれはない。従って、本発明
に係る浴室排水装置を配設することにより、浴室のドア
下枠上縁の浴室床面からの高さを従来よりも小さくする
ことができ、ひいては浴室に出入りする際の跨ぎ高さを
従来よりも小さくすることができる。

【０００６】オーバーフロー装置が排水目皿に形成され
た開口に嵌合する導水管である場合には、オーバーフロ
ー装置と排水目皿とを分離できるので、両者の清掃が容
易である。オーバーフロー装置が排水目皿と一体形成さ
れた導水管である場合には、部品点数が少なく、浴室排
水装置の設置作業が容易である。

【０００７】オーバーフロー装置が排水目皿に形成され
た開口と開口を取り囲む環状の堰である場合には、導水
管を使用する場合に比べて浴室排水装置の材料費が低減
する。環状の堰が排水目皿と一体形成されている場合に
は、部品点数が少なく、浴室排水装置の設置作業が容易
である。前記二つの段落の浴室排水装置が、排水目皿に
形成された開口の周縁から径方向内方ヘ延びる複数のリ
ブと、リブにより支持された環状の浴槽排水継手挿入ガ
イドとを備える場合には、排水目皿を貫通する形式の浴
槽排水継手を浴槽排水継手挿入ガイドに挿通することに
より、浴槽排水継手挿入ガイドが浴槽排水継手の案内部
材として機能するので、浴槽排水継ぎ手が安定して取り
付けられる。また、浴槽排水継手挿入ガイドと開口を取
り囲む環状の堰との間の隙間がオーバーフロー用の排水
口として機能する。

【０００８】環状の堰が開口に嵌合する環状部材である
場合には、環状の堰と排水目皿とを分離できるので、両
者の清掃が容易である。前段落の浴室排水装置が、環状
部材から径方向内方ヘ延びる複数のリブと、リブにより
支持された環状の浴槽排水継手挿入ガイドとを備える場
合には、排水目皿を貫通する形式の浴槽排水継手を浴槽
排水継手挿入ガイドに挿通することにより、浴槽排水継
手挿入ガイドが浴槽排水継手の案内部材として機能する
ので、浴槽排水継ぎ手が安定して取り付けられる。ま
た、浴槽排水継手挿入ガイドと環状部材との間の隙間が
オーバーフロー用の排水口として機能する。

【０００９】浴槽排水継手挿入ガイドの内側面に突起が
形成されている場合には、浴槽排水継手と該突起との間
の摩擦により、浴槽から排水する際に、浴槽排水継手が
浮き上がる事態が防止される。浴室排水装置が浴槽排水
継手挿入ガイドを備える場合において、排水目皿が環状
の堰へ向かって且つ環状の堰の排水流入口から遠ざかる
方向に窪んでいる場合には、環状の堰の排水流入口であ
る上端の高さ位置を低くすることができる。これによ
り、浴槽排水継手が環状の堰によって上方へ持ち上げら
れ、トラップカバーと干渉する事態が防止される。浴室
排水装置が、排水目皿の上方に配設されオーバーフロー
装置を覆うトラップカバーを備える場合には、オーバー
フロー装置は浴室利用者の目に触れない。これにより浴
室内部の美観が向上し、ひいては浴室使用時の快適性が
向上する。

【００１０】

【実施例】本発明の第１実施例を図１に基づいて説明す
る。上端が開放され下端が閉鎖された封水筒１０１を取
り巻いて排水外筒１０２が配設されている。排水外筒１
０２の側壁上端は封水筒１０１の側壁上端よりも上方に
あり、排水外筒１０２の側壁下端から径方向内方へ延び
る底壁１０２ａが封水筒１０１の側壁に達している。封
水筒１０１の内部空間は封水室１０３を形成し、封水筒
１０１と排水外筒１０２とにより形成される環状空間は
排水室１０４を形成している。一端が排水外筒１０２の
側壁に開口する排水吐出筒１０５が径方向外方へ延びて
いる。上端に径方向外方へ延びるフランジ１０６ａが形
成された排水筒１０６が封水筒１０１に挿入されてい
る。排水筒１０６の側壁上端は封水筒１０１の側壁上端
よりも上方にあり、排水筒１０６の側壁下端は封水筒１
０１の底壁から上方へ隔てられている。

【００１１】排水外筒１０２の側壁上端に形成されたフ
ランジ１０２ｂの径方向内方に、上端に径方向外方へ延
びる上部フランジ１０７ａが形成され、下端に径方向内
方へ延びる下部フランジ１０７ｂが形成された筒状の締
め付けフランジ１０７が配設されている。排水外筒１０
２のフランジ１０２ｂの内端が締め付けフランジ１０７
の外面に螺合し、排水筒のフランジ１０６ａの外端が締
め付けフランジ１０７の内面に螺合している。排水目皿
１０８が、排水筒のフランジ１０６ａの直上で締め付け
フランジ１０７の内面に螺合している。排水外筒１０２
のフランジ１０２ｂと締め付けフランジ１０７と排水筒
のフランジ１０６ａとが協働して、排水筒１０６の側壁
上部と排水外筒１０２の側壁上部との間に形成される環
状の隙間を閉鎖する蓋部材を形成している。

【００１２】上記構成を有する排水トラップ１００は、
バスユニットの床Ａに形成された排水溝Ａ１の排水用開
口Ａ２を包囲する環状段部Ａ３を、パッキン１０９を介
して締め付けフランジの上部フランジ１０７ａと排水外
筒のフランジ１０２ｂとで挟持した状態で、バスユニッ
トの床Ａに取り付けられている。排水吐出筒１０５は、
排水管Ｂに接続されている。略直角に屈曲した導水管２
００が、排水目皿１０８に形成された開口１０８ａに嵌
合している。導水管２００の排水流入口を形成する上端
２００ａは、浴槽エプロンＣとバスユニットの床Ａ上に
載置された浴槽Ｄとの間に位置決めされ、また、排水目
皿１０８よりも高く且つバスユニットのドア下枠Ｅの上
縁よりも低く位置決めされている。導水管２００の下端
は排水筒１０６の中に在る。排水目皿１０８の上方に配
設され、バスユニットの床Ａの排水溝Ａ１の上方に形成
された複数の段部Ａ４によって支持されたトラップカバ
ー３００が排水トラップ１００と導水管２００とを覆っ
ている。

【００１３】上記構成を有する本実施例に係る浴室排水
構造においては、バスユニットの床Ａを流れる雑排水
が、排水溝Ａ１へ流入し、排水目皿１０８を通って排水
筒１０６へ流入し、更に排水筒１０６から封水筒１０１
へ流入し、封水Ｗとして封水室１０３に蓄えられる。封
水筒１０１の側壁上端から溢れた雑排水は、排水室１０
４へ流入し、排水吐出筒１０５と排水管Ｂとを通ってバ
スユニットから排出される。浴槽Ｄ内の排水も、排水溝
Ａ１へ流入し、排水目皿１０８を通って排水筒１０６へ
流入し、更に排水筒１０６から封水筒１０１へ流入し、
封水筒１０１の側壁上端から溢れ出て排水室１０４へ流
入し、排水吐出筒１０５と排水管Ｂとを通ってバスユニ
ットから排出される。排水筒１０６の側壁上部と排水外
筒１０２の側壁上部との間に形成される環状の隙間を閉
鎖する蓋部材と、封水Ｗの存在とにより、排水管Ｂから
バスユニットへの悪臭の流入が阻止される。

【００１４】排水トラップの排水目皿１０８が髪の毛で
目詰まりした場合には、バスユニットの床Ａ上に雑排水
が溜まる。床Ａ上に溜まった雑排水の水位が導水管２０
０の上端２００ａの高さに達すると、前記雑排水は、上
端２００ａから導水管２００へ流入し、導水管２００、
排水筒１０６、封水室１０３、排水室１０４、排水吐出
筒１０５、排水管Ｂ、を通ってバスユニットから排出さ
れる。導水管２００の排水流入口を形成する上端２００
ａは、排水目皿１０８よりも高く位置決めされているの
で、排水目皿１０８が目詰りしない限り、床Ａ上を流れ
る雑排水が混入した髪の毛と共に導水管２００を通って
排出されるおそれは無い。他方、導水管２００の排水流
入口を形成する上端２００ａは、バスユニットのドア下
枠Ｅの上縁よりも低く位置決めされているので、排水目
皿１０８が目詰りしても、床Ａ上に溜まった雑排水の水
位がドア下枠Ｅの上縁に達するおそれはない。従って、
本実施例に係る浴室排水装置を配設することにより、バ
スユニットのドア下枠Ｅの上縁の床Ａからの高さを従来
よりも小さくすることができ、ひいてはバスユニットに
出入りする際の跨ぎ高さを従来よりも小さくすることが
できる。

【００１５】排水トラップ１００と導水管２００とは、
トラップカバー３００により覆われ、導水管２００の上
端２００ａは浴槽エプロンＣと浴槽Ｄとの間に位置決め
されているので、本実施例に係る浴槽排水装置は、浴室
利用者の目に触れない。これによりバスユニット内部の
美観が向上し、ひいてはバスユニット使用時の快適性が
向上する。導水管２００の内部や目詰まりした排水目皿
１０８を清掃する際には、トラップカバー３００を取り
外して、導水管２００の内部を洗浄し、また、導水管２
００を回転させつつ排水目皿１０８から髪の毛を取り除
く。或いは、トラップカバー３００を取り外し、締め付
けフランジ１０７と排水目皿１０８との螺合を解除し
て、排水目皿１０８と排水目皿１０８に形成された開口
１０８ａに嵌合した導水管２００とを締め付けフランジ
１０７から取り外し、更に、導水管２００と排水目皿１
０８とを分離して、導水管２００の内部を洗浄し、ま
た、排水目皿１０８から髪の毛を取り除く。導水管２０
０と排水目皿１０８とを分離することにより、両者の清
掃が容易になる。

【００１６】本発明の第２実施例を図２に基づいて説明
する。図２に示すように、直管状の導水管２００′が排
水目皿１０８と一体形成されている。導水管２００′の
排水流入口を形成する上端２００ａ′は排水目皿１０８
よりも高く且つバスユニットのドア下枠の上縁よりも低
く位置決めされている。導水管２００′の下端は排水筒
１０６の中に在る。上記を除き、本実施例に係る浴室排
水装置は第１実施例に係る浴室排水装置と同一の構造を
有する。本実施例に係る浴室排水装置においても、導水
管２００′の排水流入口を形成する上端２００ａ′は、
バスユニットのドア下枠の上縁よりも低く位置決めされ
ているので、排水目皿１０８が目詰りしても、床Ａ上に
溜まった雑排水の水位がドア下枠の上縁に達するおそれ
はない。従って、本実施例に係る浴室排水装置を配設す
ることにより、バスユニットのドア下枠の上縁の床Ａか
らの高さを従来よりも小さくすることができ、ひいては
バスユニットに出入りする際の跨ぎ高さを従来よりも小
さくすることができる。本実施例に係る浴室排水装置に
おいては、導水管２００′が排水目皿１０８と一体形成
されているので、部品点数が少なく、浴室排水装置の設
置作業が容易である。

【００１７】本発明の第３実施例を図３に基づいて説明
する。図３に示すように、本実施例においては、第１実
施例において配設された導水管２００に代えて、排水目
皿４０８に形成された開口４０８ａを取り囲む環状の堰
４０８ｂが排水目皿４０８と一体形成されている。環状
の堰４０８ｂの排水流入口を形成する上端４０８ｂ₁は
排水目皿４０８よりも高く且つバスユニットのドア下枠
の上縁よりも低く位置決めされている。上記を除き、本
実施例に係る浴室排水装置は第１実施例に係る浴室排水
装置と同一の構造を有する。本実施例に係る浴室排水構
造においては、排水トラップの排水目皿４０８が髪の毛
で目詰まりした場合には、バスユニットの床上に雑排水
が溜まる。床上に溜まった雑排水の水位が堰４０８ｂの
上端４０８ｂ₁の高さに達すると、前記排水は、上端４
０８ｂ₁から排水トラップへ排出される。本実施例に係
る浴室排水装置においても、環状の堰４０８ｂの排水流
入口を形成する上端４０８ｂ₁は、バスユニットのドア
下枠の上縁よりも低く位置決めされているので、排水目
皿４０８が目詰りしても、バスユニットの床上に溜まっ
た雑排水の水位がドア下枠の上縁に達するおそれはな
い。従って、本実施例に係る浴室排水装置を配設するこ
とにより、バスユニットのドア下枠の上縁のバスユニッ
ト床面からの高さを従来よりも小さくすることができ、
ひいてはバスユニットに出入りする際の跨ぎ高さを従来
よりも小さくすることができる。本実施例に係る浴室排
水装置においては、環状の堰４０８ｂが排水目皿４０８
と一体形成されているので、部品点数が少なく、浴室排
水装置の設置作業が容易である。

【００１８】本発明の第４実施例を図４、図５に基づい
て説明する。図４に示すように、本実施例においては、
第１実施例において配設された導水管２００に代えて、
排水目皿５０８に形成された開口５０８ａを取り囲む環
状の堰５０８ｂが排水目皿５０８と一体形成されてい
る。排水目皿５０８は堰５０８ｂへ向かって且つ堰５０
８ｂの排水流入口を形成する上端５０８ｂ₁から遠ざか
る方向に窪んでいる。環状の堰５０８ｂの排水流入口を
形成する上端５０８ｂ₁は、排水目皿５０８よりも高く
且つバスユニットのドア下枠の上縁よりも低く位置決め
されている。排水目皿５０８には、開口５０８ａの周縁
から径方向内方ヘ延びる複数のリブ５０８ｃと、リブ５
０８ｃにより支持された環状の浴槽排水継手挿入ガイド
５０８ｄとが一体形成されている。浴槽排水継手挿入ガ
イド５０８ｄの内側面に突起５０８ｅが形成されてい
る。図５に示すように、排水目皿５０８を貫通する形式
の浴槽排水継手Ｆが浴槽排水継手挿入ガイド５０８ｄに
挿通されている。浴槽排水継手Ｆは、バスユニットの床
Ａ上に載置された浴槽Ｄの図示しない排水孔に図示しな
い排水管を介して接続されている。上記を除き、本実施
例に係る浴室排水装置は第１実施例に係る浴室排水装置
と同一の構造を有する。

【００１９】本実施例に係る浴室排水装置においては、
浴槽Ｄ内の排水は、図示しない排水管と浴槽排水継手Ｆ
とを通って、排水トラップ１００内へ排出される。浴槽
排水継手挿入ガイド５０８ｄが浴槽排水継手Ｆを設置す
る際の案内部材として機能するので、浴槽排水継手Ｆは
安定して設置される。浴槽排水継手挿入ガイド５０８ｄ
と開口５０８ａを取り囲む環状の堰５０８ｂとの間の隙
間５０８ｆが、排水目皿５０８が目詰まりした際のオー
バーフロー用の排水口として機能する。本実施例に係る
浴室排水装置においても、環状の堰５０８ｂの排水流入
口を形成する上端５０８ｂ₁は、バスユニットのドア下
枠の上縁よりも低く位置決めされているので、排水目皿
５０８が目詰りしても、バスユニットの床上に溜まった
雑排水の水位がドア下枠の上縁に達するおそれはない。
従って、本実施例に係る浴室排水装置を配設することに
より、バスユニットのドア下枠の上縁のバスユニット床
面からの高さを従来よりも小さくすることができ、ひい
てはバスユニットに出入りする際の跨ぎ高さを従来より
も小さくすることができる。本実施例に係る浴室排水装
置においては、環状の堰５０８ｂが排水目皿５０８と一
体形成されているので、部品点数が少なく、浴室排水装
置の設置作業が容易である。

【００２０】浴槽排水継手挿入ガイド５０８ｄの内側面
に形成された突起５０８ｅが浴槽排水継手Ｆに当接し、
両者間に働く摩擦により、浴槽Ｄ内の排水が浴槽排水継
手Ｆ内を流れて排水トラップ１００へ排出される際に、
浴槽排水継手Ｆが浮き上がる事態が防止される。排水目
皿５０８が環状の堰５０８ｂへ向かって且つ環状の堰５
０８ｂの上端５０８ｂ₁から遠ざかる方向に窪んでいる
ので、排水目皿５０８を正規位置に取り付けた時の堰５
０８ｂの上端５０８ｂ₁の高さ位置を、排水目皿５０８
に前記窪みを形成しない場合に比べて低くすることがで
きる。これにより、浴槽排水継手Ｆが環状の堰５０８ｂ
によって上方へ持ち上げられ、トラップカバー３００と
干渉する事態が防止される。

【００２１】本発明の第５実施例を図６に基づいて説明
する。図６に示すように、本実施例においては、浴槽
Ｄ′はバスユニットの床Ａと一体形成されている。浴槽
Ｄ′の図示しない排水孔と排水トラップ１００の封水筒
１０１とが排水管Ｇによって接続されている。浴槽Ｄ′
はバスユニットの床Ａと一体形成されているので、独立
した部材としての浴槽エプロンＣは配設されていない。
従ってトラップカバー３００′の形状も、他の実施例の
トラップカバー３００とは若干異なる。上記を除き、本
実施例に係る浴室排水装置は第５実施例に係る浴室排水
装置と同一の構成を有する。

【００２２】本実施例に係る浴室排水装置においては、
浴槽Ｄ′内の排水は、排水管Ｇを通って排水トラップ１
００の封水筒１０１へ流入し、封水筒１０１の側壁上端
から溢れて排水室１０４へ流入し、排水吐出筒１０５と
排水管Ｂとを通ってバスユニットから排出される。排水
目皿５０８の堰５０８ｂの内側の開口が、排水目皿５０
８が目詰まりした際のオーバーフロー用の排水口として
機能する。本実施例に係る浴室排水装置においても、環
状の堰５０８ｂの排水流入口を形成する上端５０８ｂ₁
は、バスユニットのドア下枠の上縁よりも低く位置決め
されているので、排水目皿５０８が目詰りしても、バス
ユニットの床上に溜まった雑排水の水位がドア下枠の上
縁に達するおそれはない。従って、本実施例に係る浴室
排水装置を配設することにより、バスユニットのドア下
枠の上縁のバスユニット床面からの高さを従来よりも小
さくすることができ、ひいてはバスユニットに出入りす
る際の跨ぎ高さを従来よりも小さくすることができる。

【００２３】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
は上記実施例に限定されるものではない。例えば、第３
実施例において環状の堰４０８ｂを排水目皿４０８と一
体形成したが、環状の堰４０８ｂを排水目皿４０８とは
別体に形成し、環状の堰４０８ｂを開口４０８ａに緊密
に嵌合させ、或いは環状の堰４０８ｂの下部に径方向外
方へ延びるフランジを形成し、前記フランジを排水目皿
４０８の開口４０８ａ周縁部上面に係合させた状態で環
状の堰４０８ｂを開口４０８に嵌合させても良い。この
場合には、環状の堰４０８ｂと排水目皿４０８とを分離
できるので、両者の清掃が容易である。また、前記排水
目皿４０８とは別体の環状の堰４０８ｂから径方向内方
ヘ延びる複数のリブと、リブにより支持された環状の浴
槽排水継手挿入ガイドとを、前記別体の環状の堰４０８
ｂと一体形成しても良い。この場合には、排水目皿を貫
通する形式の浴槽排水継手を浴槽排水継手挿入ガイドに
挿通することにより、浴槽排水継手挿入ガイドが浴槽排
水継手の案内部材として機能するので、浴槽排水継ぎ手
が安定して取り付けられる。また、浴槽排水継手挿入ガ
イドと環状の堰堰４０８ｂとの間の隙間がオーバーフロ
ー用の排水口として機能する。第５実施例において、排
水目皿５０８に代えて、第３実施例の排水目皿４０８を
使用しても良い。

【００２４】

【効果】上記説明から分かるごとく、本発明によれば、
排水トラップの排水目皿が髪の毛で目詰まりした場合に
は、湯水はオーバーフロー装置を介して排水される。オ
ーバーフロー装置の排水流入口は排水目皿よりも高く位
置決めされているので、排水目皿が目詰りしない限り、
浴室内の雑排水が混入した髪の毛と共にオーバーフロー
装置を介して排出されるおそれは無い。また、本発明に
おいては、オーバーフロー装置の排水流入口は浴室のド
ア下枠上縁よりも低く位置決めされているので、浴室床
部に溜まった雑排水の水位がドア下枠上縁に達するおそ
れはない。従って、本発明に係る浴室排水装置を配設す
ることにより、浴室のドア下枠上縁の浴室床面からの高
さを従来よりも小さくすることができ、ひいては浴室に
出入りする際の跨ぎ高さを従来よりも小さくすることが
できる。

【００２５】オーバーフロー装置が排水目皿に形成され
た開口に嵌合する導水管である場合には、オーバーフロ
ー装置と排水目皿とを分離できるので、両者の清掃が容
易である。オーバーフロー装置が排水目皿と一体形成さ
れた導水管である場合には、部品点数が少なく、浴室排
水装置の設置作業が容易である。

【００２６】オーバーフロー装置が排水目皿に形成され
た開口と開口を取り囲む環状の堰である場合には、導水
管を使用する場合に比べて浴室排水装置の材料費が低減
する。環状の堰が排水目皿と一体形成されている場合に
は、部品点数が少なく、浴室排水装置の設置作業が容易
である。前記二つの段落の浴室排水装置が、排水目皿に
形成された開口の周縁から径方向内方ヘ延びる複数のリ
ブと、リブにより支持された環状の浴槽排水継手挿入ガ
イドとを備える場合には、排水目皿を貫通する形式の浴
槽排水継手を浴槽排水継手挿入ガイドに挿通することに
より、浴槽排水継手挿入ガイドが浴槽排水継手の案内部
材として機能するので、浴槽排水継ぎ手が安定して取り
付けられる。また、浴槽排水継手挿入ガイドと開口を取
り囲む環状の堰との間の隙間がオーバーフロー用の排水
口として機能する。

【００２７】環状の堰が開口に嵌合する環状部材である
場合には、環状の堰とと排水目皿とを分離できるので、
両者の清掃が容易である。前段落の浴室排水装置が、環
状部材から径方向内方ヘ延びる複数のリブと、リブによ
り支持された環状の浴槽排水継手挿入ガイドとを備える
場合には、排水目皿を貫通する形式の浴槽排水継手を浴
槽排水継手挿入ガイドに挿通することにより、浴槽排水
継手挿入ガイドが浴槽排水継手の案内部材として機能す
るので、浴槽排水継ぎ手が安定して取り付けられる。ま
た、浴槽排水継手挿入ガイドと環状部材との間の隙間が
オーバーフロー用の排水口として機能する。

【００２８】浴槽排水継手挿入ガイドの内側面に突起が
形成されている場合には、浴槽排水継手と該突起との間
の摩擦により、浴槽から排水する際に、浴槽排水継手が
浮き上がる事態が防止される。浴室排水装置が浴槽排水
継手挿入ガイドを備える場合において、排水目皿が環状
の堰へ向かって且つ環状の堰の排水流入口から遠ざかる
方向に窪んでいる場合には、環状の堰の排水流入口であ
る上端の高さ位置を低くすることができる。これによ
り、浴槽排水継手が環状の堰によって上方へ持ち上げら
れ、トラップカバーと干渉する事態が防止される。浴室
排水装置が排水目皿の上方に配設されオーバーフロー装
置を覆うトラップカバーを備える場合には、オーバーフ
ロー装置は浴室利用者の目に触れない。これにより浴室
内部の美観が向上し、ひいては浴室使用時の快適性が向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る浴室排水装置の側断
面図である。

【図２】本発明の第２実施例に係る浴室排水装置の側断
面図である。

【図３】本発明の第３実施例に係る浴室排水装置の排水
目皿の構造図である。（ａ）は排水目皿の平面図であ
り、（ｂ）は（ａ）のｂ−ｂ矢視図である。

【図４】本発明の第４実施例に係る浴室排水装置の排水
目皿の構造図である。（ａ）は排水目皿の平面図であ
り、（ｂ）は（ａ）のｂ−ｂ矢視図である。

【図５】本発明の第４実施例に係る浴室排水装置の側断
面図である。

【図６】本発明の第５実施例に係る浴室排水装置の側断
面図である。

【符号の説明】

１０１封水筒１０２排水外筒１０３封水室１０４排水室１０５排水吐出筒１０６排水筒１０７締め付けフランジ１０８排水目皿１０９パッキン２００導水管３００トラップカバー３００′ トラップカバー４０８排水目皿４０８ｂ環状の堰５０８排水目皿５０８ｂ環状の堰５０８ｄ浴槽排水継手挿入ガイド５０８ｅ突起Ａバスユニットの床Ｂ排水管Ｃ浴槽エプロンＤ浴槽Ｄ′ 浴槽Ｅドア下枠Ｆ浴槽排水継手Ｇ排水管Ｗ封水

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者永井秀典北九州市小倉北区中島２丁目１番１号東陶機器株式会社内 (72)発明者武藤健北九州市小倉北区中島２丁目１番１号東陶機器株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】排水目皿を有する排水トラップと、前記
排水目皿よりも高く且つ浴室のドア下枠上縁よりも低く
位置決めされた排水流入口を有するオーバーフロー装置
とを備える浴室排水装置。
【請求項２】オーバーフロー装置は排水目皿に形成さ
れた開口に嵌合する導水管であることを特徴とする請求
項１に記載の浴室排水装置。
【請求項３】オーバーフロー装置は排水目皿と一体形
成された導水管であることを特徴とする請求項１に記載
の浴室排水装置。
【請求項４】オーバーフロー装置は排水目皿に形成さ
れた開口と開口を取り囲む環状の堰であることを特徴と
する請求項１に記載の浴室排水装置。
【請求項５】環状の堰は排水目皿と一体形成されてい
ることを特徴とする請求項４に記載の浴室排水装置。
【請求項６】開口の周縁から径方向内方ヘ延びる複数
のリブと、リブにより支持された環状の浴槽排水継手挿
入ガイドとを備えることを特徴とする請求項４又は５に
記載の浴室排水装置。
【請求項７】環状の堰は開口に嵌合する環状部材であ
ることを特徴とする請求項４に記載の浴室排水装置。
【請求項８】環状部材は径方向内方ヘ延びる複数のリ
ブと、リブにより支持された環状の浴槽排水継手挿入ガ
イドとを備えることを特徴とする請求項７に記載の浴室
排水装置。
【請求項９】浴槽排水継手挿入ガイドの内側面に突起
が形成されていることを特徴とする請求項６又は８に記
載の浴室排水装置。
【請求項１０】排水目皿は環状の堰へ向かって且つ環
状の堰の排水流入口から遠ざかる方向に窪んでいること
を特徴とする請求項６、８、９の何れか１項に記載のに
記載の浴室排水装置。
【請求項１１】排水目皿の上方に配設されオーバーフ
ロー装置を覆うトラップカバーを備えることを特徴とす
る請求項１乃至１０の何れか１項に記載の浴室排水装
置。