JPH08151340A - メソ−(3e,7e)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法 - Google Patents
メソ−(3e,7e)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法Info
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- JPH08151340A JPH08151340A JP31762094A JP31762094A JPH08151340A JP H08151340 A JPH08151340 A JP H08151340A JP 31762094 A JP31762094 A JP 31762094A JP 31762094 A JP31762094 A JP 31762094A JP H08151340 A JPH08151340 A JP H08151340A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 柑橘類の害虫(カメムシ科の昆虫:Biprorul
us bibax Breddin)の誘引フェロモンの合成中間体とし
て有用なメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒドロ
キシメチル)−3,7−デカジエンを好収率、好純度に
合成する。 【構成】 (Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールを
有機溶媒中、塩基又は酸の存在下に、トリアルキルシリ
ルハライド又はシクロビニルエーテル類と反応させる第
1工程/該形成物を(E)−3−ヘキセン酸と反応させ
る第2工程/該形成物をトリメチルシリルクロリドでト
リメチルシリルエノールエーテル化し、次に転移反応さ
せ、続いて加水分解させる第3工程/該形成物を還元し
た後、加水分解させる第4工程からなる下記式 で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス((ヒ
ドロキシメチル)−3,7−デカジエンの新規な製法。
us bibax Breddin)の誘引フェロモンの合成中間体とし
て有用なメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒドロ
キシメチル)−3,7−デカジエンを好収率、好純度に
合成する。 【構成】 (Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールを
有機溶媒中、塩基又は酸の存在下に、トリアルキルシリ
ルハライド又はシクロビニルエーテル類と反応させる第
1工程/該形成物を(E)−3−ヘキセン酸と反応させ
る第2工程/該形成物をトリメチルシリルクロリドでト
リメチルシリルエノールエーテル化し、次に転移反応さ
せ、続いて加水分解させる第3工程/該形成物を還元し
た後、加水分解させる第4工程からなる下記式 で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス((ヒ
ドロキシメチル)−3,7−デカジエンの新規な製法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーストラリアに生息
し、レモンやマンダリンなどの柑橘類の害虫(カメムシ
科の昆虫:Biprorulus bibax Breddin)の誘引フェロモ
ンであるシス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブテ
ニル)テトラヒドロ−2−フラノールの合成中間体とし
て有用な下記式(A)
し、レモンやマンダリンなどの柑橘類の害虫(カメムシ
科の昆虫:Biprorulus bibax Breddin)の誘引フェロモ
ンであるシス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブテ
ニル)テトラヒドロ−2−フラノールの合成中間体とし
て有用な下記式(A)
【化6】 で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒド
ロキシメチル)−3,7−デカジエンの新規な製法に関
する。
ロキシメチル)−3,7−デカジエンの新規な製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記式(A)のメソ−(3E,7
E)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デ
カジエンの製造法についてはいくつかの報告がなされて
いる。例えば、(a)法:(E)−3−ヘキセン酸を塩
基(リチウムジイソプロピルアミド)、次いでヨウ素と
処理し、酸化的カップリング反応を行い、コハク酸誘導
体とし、更に該化合物を還元剤(水素化リチウムアルミ
ニウム)で還元することによる式(A)化合物の合成法
[Tetrahedron Letters,33(7),891■894,1992]、また
(b)法:ブタジエンと無水マレイン酸のジールス−ア
ルダー(Diels-Alder)反応物を出発原料に、11工程
を経る式(A)化合物の合成法[Liebigs Ann.Chem.199
2,1185■1190]、更に(c)法:(E)−2−ヘキセン
−1,4−ジオールより得られる(E)−3−ヘキセン
酸(E)−4′−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−
1′−エチル−2′−ブテニルのヘキサメチルホスホル
アミドとテトラヒドロフランの混合溶媒中におけるクラ
イゼン転位反応を利用することによる式(A)化合物の
合成法[Liebigs Ann.Chem.1993,1287■1294]などが提
案されている。
E)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デ
カジエンの製造法についてはいくつかの報告がなされて
いる。例えば、(a)法:(E)−3−ヘキセン酸を塩
基(リチウムジイソプロピルアミド)、次いでヨウ素と
処理し、酸化的カップリング反応を行い、コハク酸誘導
体とし、更に該化合物を還元剤(水素化リチウムアルミ
ニウム)で還元することによる式(A)化合物の合成法
[Tetrahedron Letters,33(7),891■894,1992]、また
(b)法:ブタジエンと無水マレイン酸のジールス−ア
ルダー(Diels-Alder)反応物を出発原料に、11工程
を経る式(A)化合物の合成法[Liebigs Ann.Chem.199
2,1185■1190]、更に(c)法:(E)−2−ヘキセン
−1,4−ジオールより得られる(E)−3−ヘキセン
酸(E)−4′−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−
1′−エチル−2′−ブテニルのヘキサメチルホスホル
アミドとテトラヒドロフランの混合溶媒中におけるクラ
イゼン転位反応を利用することによる式(A)化合物の
合成法[Liebigs Ann.Chem.1993,1287■1294]などが提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来提案の前記式(A)化合物の製造法は必ずしも満足で
きるものではなく、例えば(a)法では、他の異性体混
合物の副生が多く、純品の目的物を得るには高速液体ク
ロマトグラフィー分離が必要となり、大量製造には不向
きである。また、(b)法では、多工程でしかも煩雑な
工程が必要である。更に又、(c)法においては、毒性
の強い有機溶媒であるヘキサメチルホスホルアミドの使
用を必要とし、また、本発明の式(A)化合物の異性体
であるラセミ体の副生成が多く、大量製造には必ずしも
満足できるものではなかった。
来提案の前記式(A)化合物の製造法は必ずしも満足で
きるものではなく、例えば(a)法では、他の異性体混
合物の副生が多く、純品の目的物を得るには高速液体ク
ロマトグラフィー分離が必要となり、大量製造には不向
きである。また、(b)法では、多工程でしかも煩雑な
工程が必要である。更に又、(c)法においては、毒性
の強い有機溶媒であるヘキサメチルホスホルアミドの使
用を必要とし、また、本発明の式(A)化合物の異性体
であるラセミ体の副生成が多く、大量製造には必ずしも
満足できるものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の課題を解決しうる工業的に有利な新規製造法を確
立するため鋭意研究を行ってきた。その結果、出発原料
として前記式(E)で表される(Z)−2−ヘキセン−
1,4−ジオールを選ぶことにより、毒性の強い有機溶
媒であるヘキサメチルホスホルアミドを使用する必要が
なく、また、式(A)化合物の異性体であるラセミ体の
副生成量が極めて少なく、好収率、好純度に式(A)化
合物を合成することのできる製造法を見い出し、本発明
を完成した。本発明は、下記式(E)
上述の課題を解決しうる工業的に有利な新規製造法を確
立するため鋭意研究を行ってきた。その結果、出発原料
として前記式(E)で表される(Z)−2−ヘキセン−
1,4−ジオールを選ぶことにより、毒性の強い有機溶
媒であるヘキサメチルホスホルアミドを使用する必要が
なく、また、式(A)化合物の異性体であるラセミ体の
副生成量が極めて少なく、好収率、好純度に式(A)化
合物を合成することのできる製造法を見い出し、本発明
を完成した。本発明は、下記式(E)
【化7】 で表される(Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールか
ら下記式(D)
ら下記式(D)
【化8】 [式中、Rはt−ブチルジメチルシリル基、ジメチルエ
チルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブ
チルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、4−メ
トキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル
基を示す、]で表される(Z)−1−(オキシ置換)−
2−ヘキセン−4−オールを形成させ、該式(D)化合
物から下記式(C)
チルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブ
チルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、4−メ
トキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル
基を示す、]で表される(Z)−1−(オキシ置換)−
2−ヘキセン−4−オールを形成させ、該式(D)化合
物から下記式(C)
【化9】 [式中、Rは式(D)と同意味を表す]で表される
(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−(オキシ置換)
−1′−エチル−2′−ブテニルを形成させ、該式
(C)化合物から下記式(B)
(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−(オキシ置換)
−1′−エチル−2′−ブテニルを形成させ、該式
(C)化合物から下記式(B)
【化10】 [式中、Rは式(D)と同意味を表す]で表される(3
E,7E)−5−(オキシ置換メチル)−6−ヒドロキ
シカルボニル−3,7−デカジエンを形成させ、該式
(B)化合物から下記式(A)
E,7E)−5−(オキシ置換メチル)−6−ヒドロキ
シカルボニル−3,7−デカジエンを形成させ、該式
(B)化合物から下記式(A)
【化11】 で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒド
ロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法を提供す
る。
ロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法を提供す
る。
【0005】本発明によれば、前記式(E)で表される
(Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールを有機溶媒
中、塩基又は酸の存在下に、トリアルキルシリルハライ
ド又はシクロビニルエーテル類と反応させて、前記式
(D)で表される(Z)−1−(オキシ置換)−2−ヘ
キセン−4−オールを形成させる第1工程/該式(D)
の化合物を有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(以下、DCCと称することもある)の存在下に
(E)−3−ヘキセン酸と反応させて、前記式(C)で
表される(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−(オキ
シ置換)−1′−エチル−2′−ブテニルを形成させる
第2工程/該式(C)化合物を有機溶媒中、塩基の存在
下にエノール化させた後、トリメチルシリルクロリド
(以下、TMSClと称することもある)でトリメチル
シリルエノールエーテル化し、次に転移反応させ、続い
て加水分解することにより、前記式(B)で表される
(3E,7E)−5−(オキシ置換メチル)−6−ヒド
ロキシカルボニル−3,7−デカジエンを形成させる第
3工程/該式(B)化合物を有機溶媒中、還元剤で処理
した後、加水分解することにより、前記式(A)で表さ
れるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒドロキシ
メチル)−3,7−デカジエンを形成させる第4工程か
らなる製造方法により、容易に本発明の式(A)の化合
物を合成することができる。以下に、式(A)化合物を
合成する第1工程から第4工程を各工程別に詳細に説明
する。
(Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールを有機溶媒
中、塩基又は酸の存在下に、トリアルキルシリルハライ
ド又はシクロビニルエーテル類と反応させて、前記式
(D)で表される(Z)−1−(オキシ置換)−2−ヘ
キセン−4−オールを形成させる第1工程/該式(D)
の化合物を有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(以下、DCCと称することもある)の存在下に
(E)−3−ヘキセン酸と反応させて、前記式(C)で
表される(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−(オキ
シ置換)−1′−エチル−2′−ブテニルを形成させる
第2工程/該式(C)化合物を有機溶媒中、塩基の存在
下にエノール化させた後、トリメチルシリルクロリド
(以下、TMSClと称することもある)でトリメチル
シリルエノールエーテル化し、次に転移反応させ、続い
て加水分解することにより、前記式(B)で表される
(3E,7E)−5−(オキシ置換メチル)−6−ヒド
ロキシカルボニル−3,7−デカジエンを形成させる第
3工程/該式(B)化合物を有機溶媒中、還元剤で処理
した後、加水分解することにより、前記式(A)で表さ
れるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒドロキシ
メチル)−3,7−デカジエンを形成させる第4工程か
らなる製造方法により、容易に本発明の式(A)の化合
物を合成することができる。以下に、式(A)化合物を
合成する第1工程から第4工程を各工程別に詳細に説明
する。
【0006】第1工程の製造法:[式(D)化合物の合
成] 式(D)化合物の合成原料である式(E)化合物は公知
であり、従来提案の方法により合成することもできる
し、また本発明者らが見い出した方法により製造するこ
ともできる。該方法によれば、酸の存在下にプロパギル
アルコールとエチルビニルエーテルを反応させてエトキ
シエチルエーテルを生成させ、該生成物とエチルマグネ
シウムブロミドを反応させた後、プロパナールと反応さ
せて、1−(1′−エトキシエトキシ)−2−ヘキシン
−4−オールを生成させ、次いで該生成物をメタノール
中p−トルエンスルホン酸で処理して2−ヘキシン−
1,4−ジオールを生成させ、更に該生成物をリンドラ
ー触媒の存在下に接触水素添加することにより、式
(E)化合物を得ることができる。
成] 式(D)化合物の合成原料である式(E)化合物は公知
であり、従来提案の方法により合成することもできる
し、また本発明者らが見い出した方法により製造するこ
ともできる。該方法によれば、酸の存在下にプロパギル
アルコールとエチルビニルエーテルを反応させてエトキ
シエチルエーテルを生成させ、該生成物とエチルマグネ
シウムブロミドを反応させた後、プロパナールと反応さ
せて、1−(1′−エトキシエトキシ)−2−ヘキシン
−4−オールを生成させ、次いで該生成物をメタノール
中p−トルエンスルホン酸で処理して2−ヘキシン−
1,4−ジオールを生成させ、更に該生成物をリンドラ
ー触媒の存在下に接触水素添加することにより、式
(E)化合物を得ることができる。
【0007】本発明の第1工程によれば、式(E)の
(Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールを有機溶媒
中、塩基又は酸の存在下に、トリアルキルシリルハライ
ド又はシクロビニルエーテル類と反応させて、式(D)
の(Z)−1−(オキシ置換)−2−ヘキセン−4−オ
ールを容易に合成できる。この反応工程における式
(E)の化合物とトリアルキルシリルハライドとの反応
は、塩基触媒の存在下で行うのがよく、又、式(E)の
化合物とシクロビニルエーテル類との反応は、酸触媒の
存在下で行うのがよい。
(Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールを有機溶媒
中、塩基又は酸の存在下に、トリアルキルシリルハライ
ド又はシクロビニルエーテル類と反応させて、式(D)
の(Z)−1−(オキシ置換)−2−ヘキセン−4−オ
ールを容易に合成できる。この反応工程における式
(E)の化合物とトリアルキルシリルハライドとの反応
は、塩基触媒の存在下で行うのがよく、又、式(E)の
化合物とシクロビニルエーテル類との反応は、酸触媒の
存在下で行うのがよい。
【0008】この反応の反応温度および反応時間として
は、例えば約−30℃〜約50℃程度、より好ましくは
約0℃〜約30℃の温度範囲で、約1時間〜約24時間
程度を採用することができる。使用するトリアルキルシ
リルハライド又はシクロビニルエーテル類の使用量とし
ては、式(E)の化合物1モルに対して約1.0モル〜
約1.5モル程度の範囲内を例示できる。塩基触媒の存
在下で反応を行うトリアルキルシリルハライドのハロゲ
ン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨ
ウ素原子を挙げることができ、その具体的化合物として
は、t−ブチルジメチルシリルハライド、ジメチルエチ
ルシリルハライド、イソプロピルジメチルシリルハライ
ド、t−ブチルジフェニルシリルハライド、トリイソプ
ロピルシリルハライド、トリエチルシリルハライド等を
例示することができる。また、酸触媒の存在下で反応を
行うシクロビニルエーテル類の種類としては、ジヒドロ
ピラン、5,6−ジヒドロ−4−メトキシ−2H−ピラ
ン、ジヒドロフラン等を挙げることができる。
は、例えば約−30℃〜約50℃程度、より好ましくは
約0℃〜約30℃の温度範囲で、約1時間〜約24時間
程度を採用することができる。使用するトリアルキルシ
リルハライド又はシクロビニルエーテル類の使用量とし
ては、式(E)の化合物1モルに対して約1.0モル〜
約1.5モル程度の範囲内を例示できる。塩基触媒の存
在下で反応を行うトリアルキルシリルハライドのハロゲ
ン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨ
ウ素原子を挙げることができ、その具体的化合物として
は、t−ブチルジメチルシリルハライド、ジメチルエチ
ルシリルハライド、イソプロピルジメチルシリルハライ
ド、t−ブチルジフェニルシリルハライド、トリイソプ
ロピルシリルハライド、トリエチルシリルハライド等を
例示することができる。また、酸触媒の存在下で反応を
行うシクロビニルエーテル類の種類としては、ジヒドロ
ピラン、5,6−ジヒドロ−4−メトキシ−2H−ピラ
ン、ジヒドロフラン等を挙げることができる。
【0009】この反応で用いる有機溶媒の具体例として
は、例えばジクロルメタン、ジクロルエタン、クロルホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素などを示すことができ
る。これらの有機溶媒の使用量としては、例えば、式
(E)の化合物1重量部に対して約1〜約100重量部
程度の範囲を好ましく例示することができる。また、こ
の反応で使用する塩基の種類としては、例えばトリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、イミダゾール
などの含窒素有機塩基などを挙げることができ、その使
用量は、式(E)の化合物1モルに対して約1モル〜約
5モル程度の範囲内を例示できる。更に、この反応で使
用する酸の種類としては、例えばp−トルエンスルホン
酸、ピリジニウムp−トルエンスルホネートなどを挙げ
ることができ、その使用量は、式(E)の化合物1モル
に対して約0.01モル〜約1モル程度の範囲内を例示
できる。また更に、この反応は、例えば4−(ジメチル
アミノ)ピリジン(以下、DMAPと称することもあ
る)などの反応促進剤の存在下に行うのが好ましい。
は、例えばジクロルメタン、ジクロルエタン、クロルホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素などを示すことができ
る。これらの有機溶媒の使用量としては、例えば、式
(E)の化合物1重量部に対して約1〜約100重量部
程度の範囲を好ましく例示することができる。また、こ
の反応で使用する塩基の種類としては、例えばトリエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、イミダゾール
などの含窒素有機塩基などを挙げることができ、その使
用量は、式(E)の化合物1モルに対して約1モル〜約
5モル程度の範囲内を例示できる。更に、この反応で使
用する酸の種類としては、例えばp−トルエンスルホン
酸、ピリジニウムp−トルエンスルホネートなどを挙げ
ることができ、その使用量は、式(E)の化合物1モル
に対して約0.01モル〜約1モル程度の範囲内を例示
できる。また更に、この反応は、例えば4−(ジメチル
アミノ)ピリジン(以下、DMAPと称することもあ
る)などの反応促進剤の存在下に行うのが好ましい。
【0010】反応終了後、蒸留、洗浄、抽出、乾燥、カ
ラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を適宜に
採用して好収率、好純度に式(D)化合物を得ることが
できる。上述のようにして得られる式(D)化合物の例
としては、(Z)−1−(t−ブチルジメチルシリロキ
シ)−2−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(ジメ
チルエチルシリロキシ)−2−ヘキセン−4−オール、
(Z)−1−(イソプロピルジメチルシリロキシ)−2
−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(t−ブチルジ
フェニルシリロキシ)−2−ヘキセン−4−オール、
(Z)−1−(トリイソプロピルシリロキシ)−2−ヘ
キセン−4−オール、(Z)−1−(トリエチルシリロ
キシ)−2−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(テ
トラヒドロピラニロキシ)−2−ヘキセン−4−オー
ル、(Z)−1−(4−メトキシテトラヒドロピラニロ
キシ)−2−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(テ
トラヒドロフラニロキシ)−2−ヘキセン−4−オール
等を挙げることができる。
ラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を適宜に
採用して好収率、好純度に式(D)化合物を得ることが
できる。上述のようにして得られる式(D)化合物の例
としては、(Z)−1−(t−ブチルジメチルシリロキ
シ)−2−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(ジメ
チルエチルシリロキシ)−2−ヘキセン−4−オール、
(Z)−1−(イソプロピルジメチルシリロキシ)−2
−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(t−ブチルジ
フェニルシリロキシ)−2−ヘキセン−4−オール、
(Z)−1−(トリイソプロピルシリロキシ)−2−ヘ
キセン−4−オール、(Z)−1−(トリエチルシリロ
キシ)−2−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(テ
トラヒドロピラニロキシ)−2−ヘキセン−4−オー
ル、(Z)−1−(4−メトキシテトラヒドロピラニロ
キシ)−2−ヘキセン−4−オール、(Z)−1−(テ
トラヒドロフラニロキシ)−2−ヘキセン−4−オール
等を挙げることができる。
【0011】第2工程の製造法:[式(C)化合物の合
成] 本発明の第2工程によれば、上記の第1工程で得られる
前記式(D)で表される(Z)−1−(オキシ置換)−
2−ヘキセン−4−オールを有機溶媒中、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(以下、DCCと称することもあ
る)の存在下に(E)3−−ヘキセン酸と反応させて、
前記式(C)で表される(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−(オキシ置換)−1′−エチル−2′−ブテニ
ルを容易に合成できる。
成] 本発明の第2工程によれば、上記の第1工程で得られる
前記式(D)で表される(Z)−1−(オキシ置換)−
2−ヘキセン−4−オールを有機溶媒中、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(以下、DCCと称することもあ
る)の存在下に(E)3−−ヘキセン酸と反応させて、
前記式(C)で表される(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−(オキシ置換)−1′−エチル−2′−ブテニ
ルを容易に合成できる。
【0012】反応時間は反応温度によっても異なるが、
例えば約0℃〜約80℃程度の温度範囲で、約1時間〜
約10時間程度を採用できる。反応させる(E)−3−
ヘキセン酸の好ましい使用量としては、式(D)の化合
物1モルに対して約1モル〜約2モル程度の範囲内を挙
げることができる。使用する有機溶媒の具体例として
は、例えばジクロルメタン、ジクロルエタン、クロルホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素などを示すことができ
る。これらの有機溶媒の使用量としては、例えば式
(D)の化合物1重量部に対して約1〜約100重量部
程度の範囲を例示できる。また、DCCの使用量として
は、例えば式(D)の化合物1モルに対して約1モル〜
約5モル程度の範囲内を好ましく例示できる。この反応
工程においてもDMPAなどの反応促進剤の存在下に行
うのが好ましい。
例えば約0℃〜約80℃程度の温度範囲で、約1時間〜
約10時間程度を採用できる。反応させる(E)−3−
ヘキセン酸の好ましい使用量としては、式(D)の化合
物1モルに対して約1モル〜約2モル程度の範囲内を挙
げることができる。使用する有機溶媒の具体例として
は、例えばジクロルメタン、ジクロルエタン、クロルホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素などを示すことができ
る。これらの有機溶媒の使用量としては、例えば式
(D)の化合物1重量部に対して約1〜約100重量部
程度の範囲を例示できる。また、DCCの使用量として
は、例えば式(D)の化合物1モルに対して約1モル〜
約5モル程度の範囲内を好ましく例示できる。この反応
工程においてもDMPAなどの反応促進剤の存在下に行
うのが好ましい。
【0013】反応終了後、蒸留、洗浄、抽出、乾燥、カ
ラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を適宜に
採用して好収率、好純度に前記式(C)の化合物を容易
に合成できる。上述のようにして得られる式(C)化合
物としては、例えば、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1′−エチ
ル−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(ジメチルエチルシリロキシ)−1′−エチル−
2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′
−(イソプロピルジメチルシリロキシ)−1′−エチル
−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(t−ブチルジフェニルシリロキシ)−1′−エ
チル−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−(トリイソプロピルシリロキシ)−1′−エチ
ル−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(トリフサルシリロキシ)−1′−エチル−2′
−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−テ
トラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−2′−ブテニ
ル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−4−メトキ
シテトラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−2′−ブ
テニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−テトラ
ヒドロフラニロキシ−1′−エチル−2′−ブテニル等
を挙げることができる。
ラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を適宜に
採用して好収率、好純度に前記式(C)の化合物を容易
に合成できる。上述のようにして得られる式(C)化合
物としては、例えば、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1′−エチ
ル−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(ジメチルエチルシリロキシ)−1′−エチル−
2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′
−(イソプロピルジメチルシリロキシ)−1′−エチル
−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(t−ブチルジフェニルシリロキシ)−1′−エ
チル−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−(トリイソプロピルシリロキシ)−1′−エチ
ル−2′−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−
4′−(トリフサルシリロキシ)−1′−エチル−2′
−ブテニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−テ
トラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−2′−ブテニ
ル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−4−メトキ
シテトラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−2′−ブ
テニル、(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−テトラ
ヒドロフラニロキシ−1′−エチル−2′−ブテニル等
を挙げることができる。
【0014】第3工程の製造法:[式(B)化合物の合成] 本発明の第3工程によれば、上記の第2工程で得られる
前記式(C)の(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−
(オキシ置換)−1′−エチル−2′−ブテニルを有機
溶媒中、塩基の存在下にエノール化させた後、トリメチ
ルシリルクロリドでトリメチルシリルエノールエーテル
化し、次に転移反応させ、続いて希酸と接触させること
により加水分解し、前記式(B)で表される(3E,7
E)−5−(オキシ置換メチル)−6−ヒドロキシカル
ボニル−3,7−デカジエンを製造することができる。
前記式(C)の(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−
(オキシ置換)−1′−エチル−2′−ブテニルを有機
溶媒中、塩基の存在下にエノール化させた後、トリメチ
ルシリルクロリドでトリメチルシリルエノールエーテル
化し、次に転移反応させ、続いて希酸と接触させること
により加水分解し、前記式(B)で表される(3E,7
E)−5−(オキシ置換メチル)−6−ヒドロキシカル
ボニル−3,7−デカジエンを製造することができる。
【0015】上記エノール化反応の反応温度としては、
例えば約−100℃〜約0℃程度、より好ましくは約−
80℃〜約−50℃の温度範囲、また反応時間として
は、約0.5時間〜約3.0時間程度を採用できる。こ
の反応で用いる有機溶媒の具体例としては、例えば、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、n−
ヘキサン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテルなど
を示すことができる。これらの溶媒は単独もしくは混合
物としても使用できる。有機溶媒の使用量としては、例
えば、式の(C)化合物1重量部に対して約1〜約10
0重量部程度の範囲を好ましく例示することができる。
また、この反応で使用する塩基の種類としては、例えば
リチウムヘキサメチルジシラジド(以下、LHMDSと
称することもある)、リチウムジイソプロピルアミド、
リチウムテトラメチルピペラジド、ブチルリチウム、水
素化ナトリウムなどを挙げることができ、その使用量
は、式(C)の化合物1モルに対して約1モル〜約2モ
ル程度の範囲内を例示できる。生成したエノール化合物
は、単離することなく同一の反応系で次のエノールエー
テル化反応並びに転移反応に供することができる。
例えば約−100℃〜約0℃程度、より好ましくは約−
80℃〜約−50℃の温度範囲、また反応時間として
は、約0.5時間〜約3.0時間程度を採用できる。こ
の反応で用いる有機溶媒の具体例としては、例えば、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、n−
ヘキサン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテルなど
を示すことができる。これらの溶媒は単独もしくは混合
物としても使用できる。有機溶媒の使用量としては、例
えば、式の(C)化合物1重量部に対して約1〜約10
0重量部程度の範囲を好ましく例示することができる。
また、この反応で使用する塩基の種類としては、例えば
リチウムヘキサメチルジシラジド(以下、LHMDSと
称することもある)、リチウムジイソプロピルアミド、
リチウムテトラメチルピペラジド、ブチルリチウム、水
素化ナトリウムなどを挙げることができ、その使用量
は、式(C)の化合物1モルに対して約1モル〜約2モ
ル程度の範囲内を例示できる。生成したエノール化合物
は、単離することなく同一の反応系で次のエノールエー
テル化反応並びに転移反応に供することができる。
【0016】この工程のエノールエーテル化反応及び転
移反応は、生成したエノールをTMSClでトリメチル
シリルエーテル化し、次に徐々に室温まで温度を上昇さ
せることにより、転移させる。TMSClでトリメチル
シリルエノールエーテル化する工程の反応温度および反
応時間としては、例えば約−100℃〜約0℃程度の温
度範囲で、約1時間〜約24時間程度を採用できる。ま
た、TMSClの使用量としては、式(C)の化合物1
モルに対して約1モル〜約3モル程度の範囲内を挙げる
ことができる。次いで、反応系を徐々に室温まで上昇さ
せることにより転移反応を行い、転移反応後、反応系を
希塩酸などの希酸水溶液と接触させることにより加水分
解し、前記式(B)で表される(3E,7E)−5−
(オキシ置換メチル)−6−ヒドロキシカルボニル−
3,7−デカジエンを製造することができる。
移反応は、生成したエノールをTMSClでトリメチル
シリルエーテル化し、次に徐々に室温まで温度を上昇さ
せることにより、転移させる。TMSClでトリメチル
シリルエノールエーテル化する工程の反応温度および反
応時間としては、例えば約−100℃〜約0℃程度の温
度範囲で、約1時間〜約24時間程度を採用できる。ま
た、TMSClの使用量としては、式(C)の化合物1
モルに対して約1モル〜約3モル程度の範囲内を挙げる
ことができる。次いで、反応系を徐々に室温まで上昇さ
せることにより転移反応を行い、転移反応後、反応系を
希塩酸などの希酸水溶液と接触させることにより加水分
解し、前記式(B)で表される(3E,7E)−5−
(オキシ置換メチル)−6−ヒドロキシカルボニル−
3,7−デカジエンを製造することができる。
【0017】式(B)の化合物は、通常の分離手段を適
宜に採用して単離できるが、そのまま次の第4工程の反
応を行うこともできる。上述のようにして得られる式
(B)の化合物としては、例えば、(3E,7E)−5
−(t−ブチルジメチルシリロキシメチル)−6−ヒド
ロキシカルボニル−3,7−デカジエン、(3E,7
E)−5−(ジメチルエチルシリロキシメチル)−6−
ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジエン、(3E,
7E)−5−(イソプロピルジメチルシリロキシメチ
ル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジエ
ン、(3E,7E)−5−(t−ブチルジフェニルシリ
ロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−
デカジエン、(3E,7E)−5−(トリイソプロピル
シリロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,
7−デカジエン、(3E,7E)−5−(トリエチルシ
リロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7
−デカジエン、(3E,7E)−5−(テトラヒドロピ
ラニロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,
7−デカジエン、(3E,7E)−5−4′−(4−メ
トキシテトラヒドロピラニロキシメチル)−6−ヒドロ
キシカルボニル−3,7−デカジエン、(3E,7E)
−5−(テトラヒドロフラニロキシメチル)−6−ヒド
ロキシカルボニル−3,7−デカジエン等を挙げること
ができる。
宜に採用して単離できるが、そのまま次の第4工程の反
応を行うこともできる。上述のようにして得られる式
(B)の化合物としては、例えば、(3E,7E)−5
−(t−ブチルジメチルシリロキシメチル)−6−ヒド
ロキシカルボニル−3,7−デカジエン、(3E,7
E)−5−(ジメチルエチルシリロキシメチル)−6−
ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジエン、(3E,
7E)−5−(イソプロピルジメチルシリロキシメチ
ル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジエ
ン、(3E,7E)−5−(t−ブチルジフェニルシリ
ロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−
デカジエン、(3E,7E)−5−(トリイソプロピル
シリロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,
7−デカジエン、(3E,7E)−5−(トリエチルシ
リロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7
−デカジエン、(3E,7E)−5−(テトラヒドロピ
ラニロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,
7−デカジエン、(3E,7E)−5−4′−(4−メ
トキシテトラヒドロピラニロキシメチル)−6−ヒドロ
キシカルボニル−3,7−デカジエン、(3E,7E)
−5−(テトラヒドロフラニロキシメチル)−6−ヒド
ロキシカルボニル−3,7−デカジエン等を挙げること
ができる。
【0018】第4工程の製造法:[式(A)化合物の合成] 本発明の第4工程によれば、上記の第3工程で得られる
前記式(B)で表される(3E,7E)−5−(オキシ
置換メチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デ
カジエンを有機溶媒中、還元剤で処理した後、水あるい
は酸で加水分解することにより、本発明の前記式(A)
で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒド
ロキシメチル)−3,7−デカジエンを高収率、高純度
に製造することができる。
前記式(B)で表される(3E,7E)−5−(オキシ
置換メチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デ
カジエンを有機溶媒中、還元剤で処理した後、水あるい
は酸で加水分解することにより、本発明の前記式(A)
で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒド
ロキシメチル)−3,7−デカジエンを高収率、高純度
に製造することができる。
【0019】還元反応の反応温度は反応時間によっても
異なるが、例えば約1時間〜約24時間程度の反応時間
で約−30℃〜約100℃程度の温度範囲を採用でき
る。この反応に用いる還元剤の種類としては、例えば水
素化リチウムアルミニウムなどの水素化金属物を挙げる
ことができる。その使用量は、式(B)の化合物1モル
に対して約0.5モル以上、より好ましくは約1モル〜
約10モル程度の範囲内を例示できる。
異なるが、例えば約1時間〜約24時間程度の反応時間
で約−30℃〜約100℃程度の温度範囲を採用でき
る。この反応に用いる還元剤の種類としては、例えば水
素化リチウムアルミニウムなどの水素化金属物を挙げる
ことができる。その使用量は、式(B)の化合物1モル
に対して約0.5モル以上、より好ましくは約1モル〜
約10モル程度の範囲内を例示できる。
【0020】また、有機溶媒の種類としては、例えばテ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジグリム、ジメ
キシエタンなどを示すことができる。その使用量は、例
えば式(B)の化合物1重量部に対して約1〜約100
重量部程度の範囲でよい。また、加水分解反応は、水、
酸性水溶液あるいは酸性アルコール溶液を採用すること
ができる。その酸の種類としては、例えば、塩酸、硫
酸、フッ化水素酸、硝酸、酢酸、p−トルエンスルホン
酸等の無機酸、有機酸を挙げることができる。これら酸
の使用量としては、式(B)の化合物1モルに対して約
0.5モル以上、より好ましくは、約1モル〜約20モ
ル程度の範囲内を例示できる。また、酸性アルコール溶
液を採用する場合、そのアルコールの種類としては、例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロピルアルコール等を挙げることができる。この反応に
用いる水あるいはアルコール類の使用量は、例えば、式
(B)の化合物1重量部に対して約1〜約100重量部
程度の範囲で十分である。反応終了後、蒸留、洗浄、抽
出、乾燥、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離
手段を適宜に採用して好収率、好純度に式(A)のメソ
−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)
−3.7−デカジエンを得ることができる。
トラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジグリム、ジメ
キシエタンなどを示すことができる。その使用量は、例
えば式(B)の化合物1重量部に対して約1〜約100
重量部程度の範囲でよい。また、加水分解反応は、水、
酸性水溶液あるいは酸性アルコール溶液を採用すること
ができる。その酸の種類としては、例えば、塩酸、硫
酸、フッ化水素酸、硝酸、酢酸、p−トルエンスルホン
酸等の無機酸、有機酸を挙げることができる。これら酸
の使用量としては、式(B)の化合物1モルに対して約
0.5モル以上、より好ましくは、約1モル〜約20モ
ル程度の範囲内を例示できる。また、酸性アルコール溶
液を採用する場合、そのアルコールの種類としては、例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロピルアルコール等を挙げることができる。この反応に
用いる水あるいはアルコール類の使用量は、例えば、式
(B)の化合物1重量部に対して約1〜約100重量部
程度の範囲で十分である。反応終了後、蒸留、洗浄、抽
出、乾燥、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離
手段を適宜に採用して好収率、好純度に式(A)のメソ
−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)
−3.7−デカジエンを得ることができる。
【0021】上述のようにして得ることのできる本発明
の式(A)の化合物は、オーストラリアに生息し、レモ
ンやマンダリンなどの柑橘類の害虫(カメムシ科の昆
虫:Biprorulus bibax Breddin)の誘引フェロモンであ
るシス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブテニル)
テトラヒドロ−2−フラノールの合成中間体として有用
である。即ち、式(A)の化合物を炭酸銀−セライトで
処理して、シス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブ
テニル)テトラヒドロ−2−フラノンを生成させ、次い
で該生成物をジイソブチルアルミニウムヒドリド(以
下、DIBALと称することもある)で還元することに
より、シス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブテニ
ル)テトラヒドロ−2−フラノールに誘導することがで
きる。
の式(A)の化合物は、オーストラリアに生息し、レモ
ンやマンダリンなどの柑橘類の害虫(カメムシ科の昆
虫:Biprorulus bibax Breddin)の誘引フェロモンであ
るシス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブテニル)
テトラヒドロ−2−フラノールの合成中間体として有用
である。即ち、式(A)の化合物を炭酸銀−セライトで
処理して、シス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブ
テニル)テトラヒドロ−2−フラノンを生成させ、次い
で該生成物をジイソブチルアルミニウムヒドリド(以
下、DIBALと称することもある)で還元することに
より、シス−(1′E)−3,4−ビス(1′−ブテニ
ル)テトラヒドロ−2−フラノールに誘導することがで
きる。
【0022】以下に本発明について、実施例を挙げて更
に詳細に説明する。
に詳細に説明する。
【実施例1】(Z)−1−(t−ブチルジメチルシリロ
キシ)−2−ヘキセン−4−オール[式(D)化合物]
の合成(第1工程)。式(E)の化合物58.0g
(0.500mol)、トリエチルアミン60.7g
(0.600mol)及びDMAP3.05g(25.
0mmol)の乾燥塩化メチレン(850ml)溶液
に、TBSCl82.9g(0.550mol)の乾燥
塩化メチレン(80ml)溶液を10℃〜20℃の温度
範囲内で滴下した。滴下後、更に室温下18時間撹拌し
た後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注入し、塩化
メチレン(300ml×2)で抽出した。塩化メチレン
層は飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥後、濃
縮した。得られた粗製物(149g)を減圧下蒸留し、
目的とする式(D)の化合物を109g得た。 沸点:78℃〜79℃/2mmHg 収率:95%
キシ)−2−ヘキセン−4−オール[式(D)化合物]
の合成(第1工程)。式(E)の化合物58.0g
(0.500mol)、トリエチルアミン60.7g
(0.600mol)及びDMAP3.05g(25.
0mmol)の乾燥塩化メチレン(850ml)溶液
に、TBSCl82.9g(0.550mol)の乾燥
塩化メチレン(80ml)溶液を10℃〜20℃の温度
範囲内で滴下した。滴下後、更に室温下18時間撹拌し
た後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注入し、塩化
メチレン(300ml×2)で抽出した。塩化メチレン
層は飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥後、濃
縮した。得られた粗製物(149g)を減圧下蒸留し、
目的とする式(D)の化合物を109g得た。 沸点:78℃〜79℃/2mmHg 収率:95%
【0023】
【実施例2】(Z)−1−(テトラヒドロピラニロキ
シ)−2−ヘキセン−4−オール[式(D)化合物]の
合成(第1工程)。式(E)の化合物46.4g(0.
400mol)、p−トルエンスルホン酸3.8g
(0.020mol)の塩化メチレン(250ml)溶
液に、ジヒドロピラン33.6g(0.400mol)
を0℃〜10℃の温度範囲内で滴下した。滴下後、更に
室温下5時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液中に注入し、塩化メチレン(100ml×2)で抽出
した。塩化メチレン層は飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウム乾燥後、濃縮した。得られた残渣は減圧下に蒸
留し、目的とする式(D)の化合物72.8gを得た。 沸点:125℃〜128℃/1mmHg 収率:91%
シ)−2−ヘキセン−4−オール[式(D)化合物]の
合成(第1工程)。式(E)の化合物46.4g(0.
400mol)、p−トルエンスルホン酸3.8g
(0.020mol)の塩化メチレン(250ml)溶
液に、ジヒドロピラン33.6g(0.400mol)
を0℃〜10℃の温度範囲内で滴下した。滴下後、更に
室温下5時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液中に注入し、塩化メチレン(100ml×2)で抽出
した。塩化メチレン層は飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウム乾燥後、濃縮した。得られた残渣は減圧下に蒸
留し、目的とする式(D)の化合物72.8gを得た。 沸点:125℃〜128℃/1mmHg 収率:91%
【0024】
【実施例3】(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−
(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1′−エチル−
2′−ブテニル[式(C)化合物]の合成(第2工程) (Z)−1−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2−
ヘキセン−4−オール[式(D)の化合物]103.5
g(0.450mol)、DCC111.4g(0.5
40mol)及びDAMP5.50g(45.0mmo
l)の乾燥塩化メチレン2000ml溶液に、氷水冷却
下、(E)−3−ヘキセン酸66.8g(0.585m
ol)の乾燥塩化メチレン(100ml)溶液を7℃〜
16℃で滴下した。滴下後、更に室温下5時間撹拌した
後、反応混合物を1N塩酸(1000ml)中に注入
し、塩化メチレン(500ml×1)で抽出した。塩化
メチレン層は、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した後、減圧下
に濃縮した。得られた残留物(270g)は、n−ヘキ
サン(1000ml)とジエチルエーテル(400m
l)の混合溶媒で希釈し、冷蔵庫内(0〜5℃)で12
時間静置した後、不溶物をセライトで濾別し、濾液を減
圧下に濃縮した。得られた粗製物(186g)は、減圧
下に蒸留し、目的とする式(C)の化合物を114.1
g得た。 沸点:110℃〜112℃/1mmHg 収率:78%
(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1′−エチル−
2′−ブテニル[式(C)化合物]の合成(第2工程) (Z)−1−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−2−
ヘキセン−4−オール[式(D)の化合物]103.5
g(0.450mol)、DCC111.4g(0.5
40mol)及びDAMP5.50g(45.0mmo
l)の乾燥塩化メチレン2000ml溶液に、氷水冷却
下、(E)−3−ヘキセン酸66.8g(0.585m
ol)の乾燥塩化メチレン(100ml)溶液を7℃〜
16℃で滴下した。滴下後、更に室温下5時間撹拌した
後、反応混合物を1N塩酸(1000ml)中に注入
し、塩化メチレン(500ml×1)で抽出した。塩化
メチレン層は、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した後、減圧下
に濃縮した。得られた残留物(270g)は、n−ヘキ
サン(1000ml)とジエチルエーテル(400m
l)の混合溶媒で希釈し、冷蔵庫内(0〜5℃)で12
時間静置した後、不溶物をセライトで濾別し、濾液を減
圧下に濃縮した。得られた粗製物(186g)は、減圧
下に蒸留し、目的とする式(C)の化合物を114.1
g得た。 沸点:110℃〜112℃/1mmHg 収率:78%
【0025】
【実施例4】(E)−3−ヘキセン酸(Z)−4′−テ
トラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−2′−ブテニ
ル[式(C)化合物]の合成(第2工程) (Z)−1−(テトラヒドロピラニロキシ)−2−ヘキ
セン−4−オール[式(D)の化合物]60.0g
(0.300mol)、DCC74.3g(0.360
mol)及びDAMP3.7g(30mmol)の乾燥
塩化メチレン1000ml溶液に、氷水冷却下、(E)
−3−ヘキセン酸44.5g(0.390mol)を5
℃〜15℃で滴下した。滴下後、更に室温下5時間撹拌
した後、反応混合物を水中に注入し、塩化メチレン(3
00ml×1)で抽出した。塩化メチレン層は、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウム乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた
残渣は、n−ヘキサン(700ml)とジエチルエーテ
ル(300ml)の混合溶媒で希釈し、冷蔵庫内(0〜
5℃)で15時間静置した後、不溶物をセライトで濾別
し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣は減圧下に
蒸留し、目的とする式(C)の化合物74.6g得た。 沸点:162℃〜164℃/0.5mmHg 収率:84%
トラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−2′−ブテニ
ル[式(C)化合物]の合成(第2工程) (Z)−1−(テトラヒドロピラニロキシ)−2−ヘキ
セン−4−オール[式(D)の化合物]60.0g
(0.300mol)、DCC74.3g(0.360
mol)及びDAMP3.7g(30mmol)の乾燥
塩化メチレン1000ml溶液に、氷水冷却下、(E)
−3−ヘキセン酸44.5g(0.390mol)を5
℃〜15℃で滴下した。滴下後、更に室温下5時間撹拌
した後、反応混合物を水中に注入し、塩化メチレン(3
00ml×1)で抽出した。塩化メチレン層は、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウム乾燥した後、減圧下に濃縮した。得られた
残渣は、n−ヘキサン(700ml)とジエチルエーテ
ル(300ml)の混合溶媒で希釈し、冷蔵庫内(0〜
5℃)で15時間静置した後、不溶物をセライトで濾別
し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残渣は減圧下に
蒸留し、目的とする式(C)の化合物74.6g得た。 沸点:162℃〜164℃/0.5mmHg 収率:84%
【0026】
【実施例5】(3E,7E)−5−(t−ブチルジメチ
ルシリロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−
3,7−デカジエン[(B)化合物](第3工程) アルゴン雰囲気下、LHMDSのTHF溶液(1.0
M,100ml,0.100mol)及び乾燥THFの
(420ml)溶液に、(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1′−エ
チル−2′−ブテニル[式(C)の化合物]27.1g
(83.3mmol)の乾燥THF(10ml)溶液を
−68℃〜−65℃で滴下した。同温度で3時間撹拌し
た後、トリメチルシリルクロリド12.7g(0.11
7mol)とトリエチルアミン1.18g(11.7m
mol)の乾燥THF(2ml)溶液を−68℃〜−6
5℃で滴下した。同温度で15分間撹拌した後、室温ま
で時間をかけて昇温し、室温下で更に1時間撹拌した。
反応混合物を食塩飽和した1N塩酸(200ml)中に
注入した後、THF層を分離し、水層を酢酸エチル(3
00ml×2)で抽出し、合わせた有機層は、飽和食塩
水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した後減圧下に濃縮
することにより目的とする式(B)の化合物を27.0
g得た。 IR(薄膜)νmax(cm-1)=3600〜2400
(br.m),1705(s),1460(m),12
50(s),1210(m),1110(s),970
(m),835(s),775(s) 収率:100%
ルシリロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−
3,7−デカジエン[(B)化合物](第3工程) アルゴン雰囲気下、LHMDSのTHF溶液(1.0
M,100ml,0.100mol)及び乾燥THFの
(420ml)溶液に、(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−(t−ブチルジメチルシリロキシ)−1′−エ
チル−2′−ブテニル[式(C)の化合物]27.1g
(83.3mmol)の乾燥THF(10ml)溶液を
−68℃〜−65℃で滴下した。同温度で3時間撹拌し
た後、トリメチルシリルクロリド12.7g(0.11
7mol)とトリエチルアミン1.18g(11.7m
mol)の乾燥THF(2ml)溶液を−68℃〜−6
5℃で滴下した。同温度で15分間撹拌した後、室温ま
で時間をかけて昇温し、室温下で更に1時間撹拌した。
反応混合物を食塩飽和した1N塩酸(200ml)中に
注入した後、THF層を分離し、水層を酢酸エチル(3
00ml×2)で抽出し、合わせた有機層は、飽和食塩
水で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した後減圧下に濃縮
することにより目的とする式(B)の化合物を27.0
g得た。 IR(薄膜)νmax(cm-1)=3600〜2400
(br.m),1705(s),1460(m),12
50(s),1210(m),1110(s),970
(m),835(s),775(s) 収率:100%
【0027】
【実施例6】(3E,7E)−5−(テトラヒドロピラ
ニロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7
−デカジエン[(B)化合物](第3工程) アルゴン雰囲気下、LHMDSのTHF溶液(1.0
M,100ml,0.100mol)及び乾燥THFの
(420ml)溶液に、(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−テトラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−
2′−ブテニル[式(C)の化合物]24.7g(8
3.3mmol)の乾燥THF(10ml)溶液を−7
0℃〜−65℃で滴下した。同温度で3時間撹拌した
後、トリメチルシリルクロリド12.7g(0.117
mol)とトリエチルアミン1.18g(11.7mm
ol)の乾燥THF(2ml)溶液を−70℃〜−65
℃で滴下した。同温度で15分間撹拌した後、室温まで
時間をかけて昇温し、室温下で更に1時間撹拌した。反
応混合物を食塩飽和した1N塩酸(200ml)中に注
入した後、THF層を分離し、水層を酢酸エチル(30
0ml×2)で抽出し、合わせた有機層は、飽和食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した後、減圧下に濃縮
することにより目的とする式(B)の化合物を23.7
g得た。 IR(薄膜)νmax(cm-1)=3600〜2400
(br.m),1700(s),1120(m),10
30(s),975(m) 収率:96%
ニロキシメチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7
−デカジエン[(B)化合物](第3工程) アルゴン雰囲気下、LHMDSのTHF溶液(1.0
M,100ml,0.100mol)及び乾燥THFの
(420ml)溶液に、(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−テトラヒドロピラニロキシ−1′−エチル−
2′−ブテニル[式(C)の化合物]24.7g(8
3.3mmol)の乾燥THF(10ml)溶液を−7
0℃〜−65℃で滴下した。同温度で3時間撹拌した
後、トリメチルシリルクロリド12.7g(0.117
mol)とトリエチルアミン1.18g(11.7mm
ol)の乾燥THF(2ml)溶液を−70℃〜−65
℃で滴下した。同温度で15分間撹拌した後、室温まで
時間をかけて昇温し、室温下で更に1時間撹拌した。反
応混合物を食塩飽和した1N塩酸(200ml)中に注
入した後、THF層を分離し、水層を酢酸エチル(30
0ml×2)で抽出し、合わせた有機層は、飽和食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウム乾燥した後、減圧下に濃縮
することにより目的とする式(B)の化合物を23.7
g得た。 IR(薄膜)νmax(cm-1)=3600〜2400
(br.m),1700(s),1120(m),10
30(s),975(m) 収率:96%
【0028】
【実施例7】メソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒ
ドロキシメチル)−3.7−デカジエン[式(A)化合
物]の合成(第4工程) (3E,7E)−5−(t−ブチルジメチルシリロキシ
メチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジ
エン[(B)の化合物]27.0g(83.0mmo
l)を乾燥THF(100ml)に溶解した溶液を、水
素化リチウムアルミニウム(LAH)13.5g(33
3mmol)の乾燥THF(400ml)懸濁液に氷水
冷却下、約30分間で滴下した。滴下後、更に室温下1
5時間撹拌した後、過剰のLAHを水を加えて分解し、
更に2N塩酸に注入した後、酢酸エチル(300ml×
3)で抽出した。酢酸エチル層は、飽和食塩水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、更に飽和食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、粗製物
(24.8g)を得た。この粗製物は、キャピラリーG
Cで測定した結果、本発明のメソ体の式(A)の化合物
(95%)と式(A)化合物の異性体であるラセミ体
(5%)の混合物であることが判明した。得られた粗製
物は、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的と
する式(A)の化合物14.0gを得た。 屈折率(n21 D):1.4821 収率:85% (A)化合物;1HNMR(300MHz,C6D6) δ=0.87(t,J=7.4Hz,6H),1.24■1.45(m,2H),1.87(d quin
t,J=1.3,7.4Hz,4H),2.05 ■2.13(m,2H),3.29(dd,J=6.
9,10.6Hz,2H),3.59(dd,J=4.5,10.7Hz,2H),5.14(ddt ,J
=8.8,15.3,1.2Hz,2H),5.41(dt,J=15.3,6.4Hz,2H)
ドロキシメチル)−3.7−デカジエン[式(A)化合
物]の合成(第4工程) (3E,7E)−5−(t−ブチルジメチルシリロキシ
メチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジ
エン[(B)の化合物]27.0g(83.0mmo
l)を乾燥THF(100ml)に溶解した溶液を、水
素化リチウムアルミニウム(LAH)13.5g(33
3mmol)の乾燥THF(400ml)懸濁液に氷水
冷却下、約30分間で滴下した。滴下後、更に室温下1
5時間撹拌した後、過剰のLAHを水を加えて分解し、
更に2N塩酸に注入した後、酢酸エチル(300ml×
3)で抽出した。酢酸エチル層は、飽和食塩水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、更に飽和食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、粗製物
(24.8g)を得た。この粗製物は、キャピラリーG
Cで測定した結果、本発明のメソ体の式(A)の化合物
(95%)と式(A)化合物の異性体であるラセミ体
(5%)の混合物であることが判明した。得られた粗製
物は、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的と
する式(A)の化合物14.0gを得た。 屈折率(n21 D):1.4821 収率:85% (A)化合物;1HNMR(300MHz,C6D6) δ=0.87(t,J=7.4Hz,6H),1.24■1.45(m,2H),1.87(d quin
t,J=1.3,7.4Hz,4H),2.05 ■2.13(m,2H),3.29(dd,J=6.
9,10.6Hz,2H),3.59(dd,J=4.5,10.7Hz,2H),5.14(ddt ,J
=8.8,15.3,1.2Hz,2H),5.41(dt,J=15.3,6.4Hz,2H)
【0029】
【実施例8】メソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒ
ドロキシメチル)−3.7−デカジエン[式(A)化合
物]の合成(第4工程) (3E,7E)−5−(テトラヒドロピラニロキシメチ
ル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジエン
[式(B)の化合物]23.7g(80.0mmol)
を乾燥THF(100ml)に溶解した溶液を、水素化
リチウムアルミニウム(LAH)13.0g(320m
mol)の乾燥THF(400ml)懸濁液に氷水冷却
下、約30分間で滴下した。滴下後、更に室温下12時
間撹拌した後、過剰のLAHを水を加えて分解した。更
に、2N塩酸(1000ml)を加え、室温下4時間撹
拌した後、食塩で塩析し、酢酸エチル(300ml×
3)で抽出した。酢酸エチル層は、飽和食塩水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、更に飽和食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、粗製物
(20.9g)を得た。この粗製物は、キャピラリーG
Cで測定した結果、本発明のメソ体の式(A)の化合物
(93%)と式(A)化合物の異性体であるラセミ体
(7%)の混合物であることが判明した。得られた粗製
物は、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的と
する式(A)の化合物13.1gを得た。 屈折率(n22 D):1.4830 収率:83%
ドロキシメチル)−3.7−デカジエン[式(A)化合
物]の合成(第4工程) (3E,7E)−5−(テトラヒドロピラニロキシメチ
ル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デカジエン
[式(B)の化合物]23.7g(80.0mmol)
を乾燥THF(100ml)に溶解した溶液を、水素化
リチウムアルミニウム(LAH)13.0g(320m
mol)の乾燥THF(400ml)懸濁液に氷水冷却
下、約30分間で滴下した。滴下後、更に室温下12時
間撹拌した後、過剰のLAHを水を加えて分解した。更
に、2N塩酸(1000ml)を加え、室温下4時間撹
拌した後、食塩で塩析し、酢酸エチル(300ml×
3)で抽出した。酢酸エチル層は、飽和食塩水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、更に飽和食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、粗製物
(20.9g)を得た。この粗製物は、キャピラリーG
Cで測定した結果、本発明のメソ体の式(A)の化合物
(93%)と式(A)化合物の異性体であるラセミ体
(7%)の混合物であることが判明した。得られた粗製
物は、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、目的と
する式(A)の化合物13.1gを得た。 屈折率(n22 D):1.4830 収率:83%
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、(Z)−2−ヘキセン
−1,4−ジオールから、4工程で好収率、好純度に式
(A)で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス
(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエンを製造でき
る製造方法が提供される。式(A)の化合物は、オース
トラリアに生息し、レモンやマンダリンなどの柑橘類の
害虫(カメムシ科の昆虫:Biprorulus bibax Breddin)
の誘引フェロモンであるシス−(1′E)−3,4−ビ
ス(1′−ブテニル)テトラヒドロ−2−フラノールの
合成中間体として有用である。
−1,4−ジオールから、4工程で好収率、好純度に式
(A)で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス
(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエンを製造でき
る製造方法が提供される。式(A)の化合物は、オース
トラリアに生息し、レモンやマンダリンなどの柑橘類の
害虫(カメムシ科の昆虫:Biprorulus bibax Breddin)
の誘引フェロモンであるシス−(1′E)−3,4−ビ
ス(1′−ブテニル)テトラヒドロ−2−フラノールの
合成中間体として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記式(E) 【化1】 で表される(Z)−2−ヘキセン−1,4−ジオールを
有機溶媒中、塩基又は酸の存在下に、トリアルキルシリ
ルハライド又はシクロビニルエーテル類と反応させて、
下記式(D) 【化2】 [式中、Rはt−ブチルジメチルシリル基、ジメチルエ
チルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブ
チルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、4−メ
トキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル
基を示す、]で表される(Z)−1−(オキシ置換)−
2−ヘキセン−4−オールを形成させ、該式(D)化合
物を有機溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミドの存
在下に(E)−3−ヘキセン酸と反応させて、下記式
(C) 【化3】 [式中、Rはt−ブチルジメチルシリル基、ジメチルエ
チルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブ
チルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、4−メ
トキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル
基を示す、]で表される(E)−3−ヘキセン酸(Z)
−4′−(オキシ置換)−1′−エチル−2′−ブテニ
ルを形成させ、該式(C)化合物を有機溶媒中、塩基の
存在下にエノール化させた後、トリメチルシリルクロリ
ドでトリメチルシリルエノールエーテル化し、ついで転
移反応、続いて加水分解させて、下記式(B) 【化4】 [式中、Rはt−ブチルジメチルシリル基、ジメチルエ
チルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブ
チルジフェニルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリエチルシリル基、テトラヒドロピラニル基、4−メ
トキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル
基を示す、]で表される(3E,7E)−5−(オキシ
置換メチル)−6−ヒドロキシカルボニル−3,7−デ
カジエンを形成させ、該式(B)化合物を有機溶媒中、
還元剤で処理した後、加水分解することを特徴とする下
記式(A) 【化5】 で表されるメソ−(3E,7E)−5,6−ビス(ヒド
ロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31762094A JPH08151340A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | メソ−(3e,7e)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31762094A JPH08151340A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | メソ−(3e,7e)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08151340A true JPH08151340A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=18090213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31762094A Pending JPH08151340A (ja) | 1994-11-28 | 1994-11-28 | メソ−(3e,7e)−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)−3,7−デカジエンの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08151340A (ja) |
-
1994
- 1994-11-28 JP JP31762094A patent/JPH08151340A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040727 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
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