JPH08149892A - ステッピングモータ駆動装置 - Google Patents

ステッピングモータ駆動装置

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JPH08149892A
JPH08149892A JP24022095A JP24022095A JPH08149892A JP H08149892 A JPH08149892 A JP H08149892A JP 24022095 A JP24022095 A JP 24022095A JP 24022095 A JP24022095 A JP 24022095A JP H08149892 A JPH08149892 A JP H08149892A
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喜博 井川
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輝之 滝沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2相励磁駆動とマイクロステップ駆動とを高
速、かつ滑らかに切り換えるステッピングモータ駆動装
置を提供する。 【解決手段】 ステッピングモータのステータに、ステ
ッピングモータのロータを第1ピッチで回転させる第1
電流パターン、およびロータを第1ピッチとは異なる第
2ピッチで回転させる第2電流パターンを、駆動切り換
え信号に基づいて選択的に供給する駆動手段を備えてお
り、駆動手段は、第1電流パターンおよび第2電流パタ
ーンによって発生するトルクを同じにする点において、
第1電流パターンおよび第2電流パターンを切り換えて
ステータに供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッピングモー
タを用いて移送体を移送するステッピングモータ駆動装
置に関する。ここで「移送体」とは、ディスク状の記録
媒体に対して情報を読み書きするヘッドや、ドットマト
リクスプリンタの印字ヘッドなどをいう。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を参照しながら、従来のステ
ッピングモータ駆動装置を説明する。ここでは、光ディ
スクドライブ装置のヘッド駆動に応用した従来のステッ
ピングモータ駆動装置を説明する。
【0003】図37は、従来のヘッド駆動装置の構成を示
す概略斜視図である。図37において、円盤状の記録媒体
1は、例えば、光磁気ディスク、CD−ROMである。
ヘッド2は、記録媒体1へ情報を記録したり、記録媒体
1から情報を再生したりする。ステッピングモータ3
は、2相励磁だけを用いて駆動されるか、またはマイク
ロステップ駆動だけを用いて駆動される。送りネジ4
は、ステッピングモータ3の駆動軸に連結されている。
ナットピース5は、送りネジ4のネジ溝に嵌合する歯を
もっており、ヘッド2に固定されている。
【0004】上記の構成によって、ステッピングモータ
3の駆動軸の回転運動を、ヘッド2の直線運動(記録媒
体1のほぼ半径方向の運動)に変換する。言い換える
と、ステッピングモータ3は、その駆動軸を駆動するこ
とにより、ヘッド2を記録媒体1のほぼ半径方向に往復
移動させる。
【0005】図37において、ステッピングモータ駆動装
置20は、ステッピングモータ3を2相励磁駆動によって
駆動するか、またはマイクロステップ駆動によって駆動
する。ステッピングモータ駆動装置20は、送り方向を指
定する方向指令DIRと送りパルスCLKとを入力信号として
受け取り、2つのコイルに加えられる駆動信号A、/
A、B、および/Bを出力信号として出力する。ここで
/Aおよび/Bは、それぞれAおよびBの反転(Aバー
およびBバー)を表す。
【0006】図38(a)は、ステッピングモータ駆動装置2
0の2相励磁駆動の場合のA相およびB相の励磁シーケ
ンス(駆動シーケンスともいう)を示し、図38(b)は、
ステッピングモータ駆動装置20のマイクロステップ駆動
の場合のA相およびB相の励磁シーケンスを示す。
【0007】図38(a)および図38(b)の横軸は、ステッピ
ングモータの「基本回転角」(単位:度)によって正規
化した、ステッピングモータのステップを表し、縦軸
は、2相励磁駆動の場合に1相あたりに流れる最大電流
で正規化した、各相の駆動電流指令量を表す。ここで基
本回転角は、(360/(相数・極数))で表される角度
であり、ステッピングモータを2相励磁で駆動したと
き、1回に動く角度である。例えば2相(A相、/A
相、B相および/B相)で励磁されるステータをもつ、
2極のステッピングモータの基本回転角は90°である。
ただし、A相および/A相を1相と数えている。図38
(b)のマイクロステップ駆動のステップは、2相励磁駆
動のステップの4分の1の細かさである。図38(b)のグ
ラフは、三角波状にプロットされているが、マイクロス
テップ駆動の励磁シーケンスにおいては、駆動電流は、
実際にはステップ状に変化している。励磁シーケンスを
示す本明細書の他のグラフにおいても、横軸および縦軸
の表現は、同様である。
【0008】図39(a)および図39(b)は、それぞれ図38
(a)および図38(b)に示す励磁シーケンスをおこなったと
きのステッピングモータのスティフネス特性(ステッピ
ングモータのロータの回転位置と発生トルクとの関係)
を示す。図39(a)および図39(b)において、横軸は、基本
回転角によって正規化したステップを表し、縦軸は、2
相励磁において最大電流を流したときに発生する「最大
トルク」によって正規化したトルクをとっている。ステ
ィフネス特性を示す本明細書の他のグラフにおいても、
横軸および縦軸の表現は、同様である。図39(a)および
(b)におけるS0〜S4は、図38(a)および(b)のS0〜
S4にそれぞれ対応する。図39(a)および(b)における、
P0〜P4は、ステッピングモータの「安定点」であ
る。電流の状態が変化しない場合には、ステッピングモ
ータのロータの位置は、この安定点へと収束する。グラ
フ上では、スティフネス特性を示す曲線と、横軸とが交
差する点(すなわちトルクがゼロとなる点)である。
【0009】上記構成のヘッド駆動装置の動作を説明す
る。励磁シーケンスをS0→S1→S2→S3と順に切
り換えると、ステッピングモータのロータがP0→P1
→P2→P3と回転する。逆に、励磁シーケンスをS3
→S2→S1→S0と順に切り替えると、ステッピング
モータのロータもP3→P2→P1→P0と逆方向に回
転する。ステッピングモータの正逆の回転をナットピー
スにより直線移動に変換して、ヘッドを記録媒体(つま
りディスク)の内外周へ移動させる。
【0010】2相励磁駆動は、以下のように電流を流
す。すなわち電流を正規化して表したとき、(A相、B
相)=(1、1)、(−1、1)、(−1、−1)、
(1、−1)、(1、1)、…とかける。他の駆動方式
として、1−2相励磁駆動があり、以下のように電流を
流すことで実現できる。すなわち、(A、B)=(1、
1)、(0、1)、(−1、1)、(−1、0)、(−
1、−1)、(0、−1)、(1、−1)、(1、
0)、(1、1)、…とかける。マイクロステップ駆動
は、A相およびB相に、位相が1ステップ(2相2極の
ステッピングモータの場合、90°)ずれた三角波を印加
することによって実現できる。したがって、駆動方法
は、各相に流れる電流の波形によって決まる。図39(b)
に示すように、マイクロステップ駆動は、2相励磁駆動
に比べて、スティフネス特性の曲線が密である。言い換
えるとマイクロステップ駆動の安定点は、2相励磁駆動
に比べて密に配置されている。そのため、マイクロステ
ップ駆動は、2相励磁に比べて小さいステップでロータ
を回転できる(すなわち分解能が高い)。いっぽうマイ
クロステップ駆動によって発生するトルクは、2相励磁
駆動によって発生するトルクの約半分である。1−2相
励磁駆動は、分解能およびトルクの点で、2相励磁駆動
およびマイクロステップ駆動の中間の特性をもつ。
【0011】特開平1-171171号公報および特開平4-2953
00号公報は、ステッピングモータの駆動方式を、2相励
磁と1−2相励磁と間で切り換えることによって、高速
なトラック移動とともに高いトラッキング精度を得る先
行技術を開示している。特開昭61-214799は、マイクロ
ステップ駆動を用いることによってヘッド送りの分解能
を改善する先行技術を開示している。特開平5-109211号
公報は、2相励磁駆動回路に直列に積分回路を接続する
ことにより、駆動トルクの発生をなめらかにし、共振を
低減する方法を開示している。特開昭58-12592号公報
は、2相励磁駆動とマイクロステップ駆動とを切り換え
て移送体を駆動する技術を開示しており、2相励磁駆動
からマイクロステップ駆動へ切り換えられるときに各相
電流を駆動するトランジスターへ負バイアスを印可する
ことによって2相励磁駆動で発生するコギングを抑制し
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術においては、次に示す問題があった。すなわ
ち、ステッピングモータをマイクロステップ駆動で駆動
すると、2相駆動に比べてヘッドの移動速度が遅い。そ
の結果、トラックをシークするのにかかる時間が長くな
る。これは、操作性の悪さにつながる。
【0013】いっぽう、ステッピングモータを2相励磁
駆動方式で駆動すると、マイクロステップ駆動に比べ
て、シーク動作時間は、短い。しかし2相励磁駆動は、
マイクロステップ駆動に比べて分解能が小さい。そのた
め、ヘッドの送り精度が悪くなる。
【0014】また、2相励磁駆動の場合、ステッピング
モータを間欠駆動する瞬間に、ヘッドは大きな加速度を
受ける。その結果、トラッキングサーボループが大きな
外乱を受けることにより、トラッキング追従性が悪化す
る。間欠駆動時の大きな加速度を低減するために、積分
駆動がある。しかしこれも、2相励磁駆動と同じ分解能
であるため、ヘッドの送り精度は悪い。
【0015】マイクロステップ駆動をおこなう場合、そ
の駆動トルクが比較的小さいため、ヘッドの移動方向の
反転時などに静止摩擦のためにヘッドが指令通りに移動
しないという問題があった。
【0016】ヘッド移動時において、2相励磁駆動とマ
イクロステップ駆動とを切り換える技術は、上述のシー
ク時間と送り分解能との問題点を解決する。しかし、2
相励磁駆動からマイクロステップ駆動へ移行するときに
おいて、各相電流を駆動するトランジスターへ負バイア
スを印可することは、急激なブレーキングをおこなって
いるのと等価である。そのため、2つの駆動方式を切り
換えるときには、レンズに加速度が加わる。その結果、
トラッキングサーボループに外乱が加わる。
【0017】また従来技術によって、マイクロステップ
駆動をおこなう場合、ヘッドの移動速度に係わらず、同
じ値の電流がステッピングモータのコイルに供給されて
いた。しかし従来技術の構成では、摩擦抵抗が大きくな
るとき(すなわち移動速度が高いとき)にはあまり問題
とならないが、摩擦抵抗が小さくなるとき(移動速度が
低いとき)には、余剰のパワーによって、ヘッドが安定
点近傍において往復運動する動作、いわゆるコギング
(cogging)が発生しやすい。その結果、レンズの動揺
が大きくなるという問題があった。
【0018】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、2相励磁駆動により移送
体を高速に移動させ、マイクロステップ駆動により大き
な外乱を加えることなく移送体を高い分解能で移動さ
せ、かつ2相励磁駆動とマイクロステップ駆動とを高
速、かつ滑らかに切り換えるステッピングモータ駆動装
置を提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、マイクロステップ駆
動をおこなう場合に、そのステップ毎の安定点の間隔を
変えることなく、トルクを部分的に大きくすることによ
って、ヘッドの位置決め誤差が少ないステッピングモー
タ駆動装置を提供することである。
【0020】さらに他の目的は、マイクロステップ駆動
または2相励磁駆動をおこなう場合、ステッピングモー
タを所定の速度以下で駆動するときに発生する余剰トル
クを低減することにより、振動の発生を抑制するステッ
ピングモータ駆動装置を提供することである。
【0021】さらに他の目的は、マイクロステップ駆動
の場合において、移送体が停止状態にあるとき、移送体
の位置ずれを起こさず、かつ駆動電流を低減するステッ
ピングモータ駆動装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明によるステッピン
グモータ駆動装置は、ロータおよびn相(n:2以上の
整数)のステータを有し、移送体を移動させるステッピ
ングモータの駆動装置であって、該ステータに、該ロー
タを第1ピッチで回転させる第1電流パターン、および
該ロータを該第1ピッチとは異なる第2ピッチで回転さ
せる第2電流パターンを、駆動切り換え信号に基づいて
選択的に供給する駆動手段を備えており、該駆動手段
は、該第1電流パターンおよび該第2電流パターンの瞬
時電流が等しい点において、該第1電流パターンおよび
該第2電流パターンを切り換えて該ステータに供給して
おり、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】ある実施例では、前記駆動手段は、前記第
1電流パターンを表す第1電流データおよび前記第2電
流パターンを表す第2電流データを格納する記憶手段
と、該第1電流データおよび該第2電流データに基づい
て、該第1電流パターンおよび該第2電流パターンをそ
れぞれ発生するアナログ・ディジタル変換手段と、を備
えており、該駆動手段は、該記憶手段のアドレスをシー
ケンシャルに読み出すことによって該第1電流データを
該アナログ・ディジタル変換手段に供給し、該記憶手段
のアドレスをm(m:自然数)個おきに読み出すことに
よって該第2電流データを該アナログ・ディジタル変換
手段に供給する。
【0024】ある実施例では、前記記憶手段の前記アド
レスをm(m:自然数)個おきに読み出す操作が、該ア
ドレスの下位ビットをマスクすることによりおこなわれ
る。本発明によるステッピングモータ駆動装置は、ロー
タおよびn相(n:2以上の整数)のステータを有する
ステッピングモータの駆動装置であって、該ステータ
に、該ロータを第1ピッチで回転させる第1電流パター
ン、該ロータを該第1ピッチとは異なる第2ピッチで回
転させる第2電流パターン、および該ロータを第3ピッ
チで回転させる第3電流パターンを、駆動切り換え信号
に基づいて選択的に供給する駆動手段を備えており、該
駆動手段は、該第1電流パターンおよび該第3電流パタ
ーンの瞬時電流が等しい点において、該第1電流パター
ンおよび該第3電流パターンを切り換えて該ステータに
供給し、該第1電流パターンおよび該第2電流パターン
の瞬時電流が等しい点において、該第1電流パターンお
よび該第2電流パターンを切り換えて該ステータに供給
しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0025】ある実施例では、前記駆動手段は、前記第
1電流パターンを表す第1電流データおよび前記第2電
流パターンを表す第2電流データを格納する記憶手段
と、該第1電流データおよび該第2電流データに基づい
て、該第1電流パターンおよび該第2電流パターンをそ
れぞれ発生するアナログ・ディジタル変換手段と、を備
えており、該駆動手段は、該記憶手段のアドレスをシー
ケンシャルに読み出すことによって該第1電流データを
該アナログ・ディジタル変換手段に供給し、該記憶手段
のアドレスをm(m:自然数)個おきに読み出すことに
よって該第2電流データを該アナログ・ディジタル変換
手段に供給する。
【0026】ある実施例では、前記記憶手段の前記アド
レスをm(m:自然数)個おきに読み出す操作が、該ア
ドレスの下位ビットをマスクすることによりおこなわれ
る。ある実施例では、前記第1電流パターンおよび前記
第2電流パターンは、少なくとも4点において同一の瞬
時電流をとり、該第2電流パターンの1つの相電流が一
定値をとるとき、該第2電流パターンの他の相電流は、
該第2電流パターンの各相電流の比が、該第1電流パタ
ーンの各相電流の比と等しくなるように変化する。
【0027】ある実施例では、前記第2電流パターンの
1つの相電流は、0.5周期において一定値をとり、該一
定値の絶対値は、前記第1電流パターンの各相電流の最
大値と等しい。
【0028】本発明によるステッピングモータ駆動装置
は、ロータおよびn相(n:2以上の整数)のステータ
を有し、移送体を移動させるステッピングモータの駆動
装置であって、該ステータに、該ロータを第1ピッチで
回転させる第1電流パターン、および該ロータを該第1
ピッチとは異なる第2ピッチで回転させる第2電流パタ
ーンを、駆動切り換え信号に基づいて選択的に供給する
駆動手段を備えており、前記駆動手段は、前記第1電流
パターンおよび前記第2電流パターンを切り換えると
き、該第1電流パターンの各相電流および該第2電流パ
ターンの各相電流のいずれかの位相をシフトすることに
より、該第1電流パターンおよび該第2電流パターンに
よって発生するトルクを同じにする位相シフト手段を備
えており、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】ある実施例では、前記駆動手段は、前記第
1電流パターンを表す第1電流データおよび前記第2電
流パターンを表す第2電流データを格納する記憶手段
と、該第1電流データおよび該第2電流データに基づい
て、該第1電流パターンおよび該第2電流パターンをそ
れぞれ発生するアナログ・ディジタル変換手段と、を備
えており、前記位相シフト手段は、前記ステッピングモ
ータの負荷と、前記ロータの回転方向とに基づいて位相
シフト量を計算して、出力する位相シフト計算手段を備
えており、該駆動手段は、該第1電流データおよび該第
2電流データのいずれかを読み出すときに、該位相シフ
ト量に応じたアドレスを、読み出すデータが格納されて
いる該記憶手段のアドレスに加算する。
【0030】ある実施例では、前記駆動手段は、前記記
憶手段から前記第1電流データおよび前記第2電流デー
タを読み出すための前記アドレスを指定するアップダウ
ンカウンタを備えており、該アップダウンカウンタがi
(i:3以上の整数)ビットのアップダウンカウンタで
あり、下位(i−2)ビットがすべて「0」になるとき
に該第1電流パターンおよび該第2電流パターンを切り
換える。
【0031】ある実施例では、前記位相シフト量が所定
の範囲を超えない。
【0032】ある実施例では、前記位相シフト計算手段
は、前記第1電流パターンによって移送体を駆動すると
きに発生するヒステリシス特性および前記第2電流パタ
ーンによって移送体を駆動するときに発生するヒステリ
シス特性に基づいて前記位相シフト量を計算する。
【0033】ある実施例では、前記駆動手段は、前記第
1電流データおよび前記第2電流データのいずれかに定
数を乗ずることにより、前記第1電流パターンおよび前
記第2電流パターンが切り換えられるときに、該第1電
流パターンおよび該第2電流パターンによって発生する
トルクを同じにする電流可変手段を備えている。
【0034】ある実施例では、前記移送体を所定の速度
以下で移動させるときには、前記第1電流データおよび
前記第2電流データのいずれかに1より小さい定数を乗
ずる。
【0035】ある実施例では、前記駆動手段は、前記第
1電流データおよび前記第2電流データのいずれかに定
数を乗ずることにより、前記第1電流パターンおよび前
記第2電流パターンが切り換えられるときに、該第1電
流パターンおよび該第2電流パターンによって発生する
トルクを同じにする電流可変手段を備えている。
【0036】ある実施例では、前記移送体を所定の速度
以下で移動させるときには、前記第1電流データおよび
前記第2電流データのいずれかに1より小さい定数を乗
ずる。
【0037】以下、作用について説明する。2相励磁駆
動による発生トルクとマイクロステップ駆動による発生
トルクとの差が小さい点において、駆動方法を切り換え
ることによって、高速かつスムーズな切り換えが可能で
ある。マイクロステップ駆動によって移送体を微小に送
ることで分解能を向上し、かつ間欠的な駆動による外乱
を低減することができる。2相励磁駆動の大きなトルク
によって移送体を高速に移動することもできる。
【0038】ステッピングモータの各相のコイルに流れ
る電流比を一定に保ったまま、各相の電流を増大して流
すことにより、ステップ毎の安定点の位置が変わらな
い。それと同時に、部分的にトルクを高めることができ
る。
【0039】2相励磁および1−2相励磁の励磁シーケ
ンスを含む電流テーブルを用いることによって、大きい
トルクを発生できる2相励磁の特徴と高い分解能を有す
るマイクロステップ駆動の特徴とをあわせもつ。
【0040】ヘッドの速度指令量に応じてステッピング
モータの駆動電流を制御することによって、ヘッド移動
速度に対応して発生する摩擦の補償をおこなう。特に、
低速でヘッドを移動するときは、余剰となるパワーを低
減することによって、間欠駆動による発生振動を低減
し、かつマイクロステップ駆動による微小送りを利用し
て振動を低減する。
【0041】また、ステッピングモータの安定点からの
変位に対する復元力と、ヘッドの機械的な構造によって
決まる共振モード、すなわち電磁的な共振モードとを駆
動電流の制御によって変更できる。これにより、低速か
ら高速へのなめらかなヘッド加速が可能である。低速移
動時には、駆動電流を低減することによって、消費電力
が低減する。
【0042】電気的なバネ性を変化させることによっ
て、送りパルスの周波数と、機械的構造および電気的バ
ネ性によって定まる共振周波数とが一致しないように駆
動できるので、移送体のトラッキングサーボ系への悪影
響を低減できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
によるステッピングモータ駆動装置の実施例を説明す
る。実施例1〜7においては、ステッピングモータ駆動
装置を光ディスクドライブ装置のヘッド駆動装置に適用
している。ステッピングモータが駆動する対象である移
送体は、ヘッドである。なお、以下の説明において、同
じ参照符号は同じ構成要素を表す。
【0044】(実施例1)図1は、本発明の実施例1を
用いたヘッド駆動装置の構成例を示す概略斜視図であ
る。記録媒体1は、光磁気ディスク、相変化型光ディス
ク、CD−ROMなど、円盤状の媒体である。ヘッド2
は、記録媒体1に情報を記録したり、記録媒体1から情
報を再生したりする。ステッピングモータ3は、ヘッド
2を駆動する。送りネジ4は、ステッピングモータ3の
駆動軸に連結されている。ナットピース5は、送りネジ
4のネジ溝に嵌合しており、ヘッド2に固定されてい
る。ステッピングモータ3の駆動軸の回転運動は、ヘッ
ド2の直線運動(記録媒体1のほぼ半径方向)に変換さ
れる。言い換えると、ヘッド2は、ステッピングモータ
3で駆動されることにより、記録媒体1のほぼ半径方向
に沿って往復運動する。
【0045】ステッピングモータ駆動装置21は、ステッ
ピングモータ3を2相励磁駆動およびマイクロステップ
駆動によって駆動する。具体的には、外部のサーボ回路
など(不図示)から出力される速度指令に基づいて、2
相励磁駆動とマイクロステップ駆動とを切り換える。ヘ
ッドが高速で動くシーク動作時は2相励磁駆動をおこな
い、ヘッドが低速で動く記録再生時はマイクロステップ
駆動をおこなう。低速の記録再生モードから高速のシー
クモードへ移行するとき、速度指令量は徐々に増加して
いき、一定の値となる。ここで、速度指令量があるしき
い値よりも小さいときはマイクロステップ駆動を行い、
速度指令量がこのしきい値よりも大きいときは2相励磁
駆動をおこなう。シークモードから記録再生モードへ移
行するときも、速度指令量があるしきい値よりも大きい
ときは2相励磁駆動をおこない、速度指令量がこのしき
い値よりも小さいときはマイクロステップ駆動をおこな
う。つまり、速度指令量はモードの切り換えにともな
い、ほぼ台形波状に変化する。速度指令量が低レベルの
領域ではマイクロステップ駆動がおこなわれ、速度指令
量が高レベルの領域では2相励磁駆動をおこなう。
【0046】図2は、図1のヘッド駆動装置のステッピ
ングモータ駆動装置21の構成を示すブロック図である。
ステッピングモータ3は、永久磁石からなるロータ6
と、2つのコイル7a(A相用コイル)および7b(B相用
コイル)からなるステータとで構成されている。以下の
説明において、添字aおよびbは、それぞれステッピン
グモータのA相およびB相に関連する構成要素であるこ
とを示す。電流ドライバ8aおよび8bは、それぞれ電流指
令量を表すディジタルデータに基づき、2つのコイル7a
および7bに電流を供給し、ステッピングモータ3を駆動
する。電流ドライバ8aおよび8bは、ディジタルデータを
受け取り、アナログ信号に変換するD/A変換器と、D
/A変換器からのアナログ信号を増幅して出力する増幅
器を備えている。この増幅器は、例えばトランジスタな
どの増幅素子によって実現できる。電流ドライバ8aおよ
び8bに与えられるディジタルデータ(電流指令量)は、
それぞれROM9aおよび9bによって与えられる。
【0047】図3は、ROM9aおよび9bのアドレスと、
各アドレスに格納されたディジタルデータが表す電流指
令量のグラフとを示す。図3の右側に示す電流指令量の
グラフにおいて、実線がROM9aに格納されたA相用電
流指令量を示すグラフであり、破線がROM9bに格納さ
れたB相用電流指令量を示すグラフである。これらの電
流指令量を表すデータは、図3の左側に示す対応するア
ドレスに格納されている。
【0048】図3に示すように、2相励磁駆動のための
4つの電流指令量を表すデータは、ROM9aおよび9bの
アドレス入力の下位ビットAn-1〜A0がすべて「0」の
アドレスに格納される。またマイクロステップ駆動のた
めの電流指令量は、この2相励磁駆動のための4つの電
流指令量と、2相励磁駆動のための4つの電流指令量を
適当な単調増加(または単調減少)関数で補間すること
によって得られる電流指令量とで構成される。マイクロ
ステップ駆動のステップ幅は、2相励磁駆動のステップ
幅の整数(以下、この整数を「分割数」とする)分の1
である。実施例1では、分割数は、(2のn乗)であ
り、n=2としているので、結局、分割数は4である。
実施例1のステッピングモータの基本回転角(2相励磁
駆動の単位ステップ)は、90°なので、マイクロステッ
プ駆動のステップは、90/4=22.5°である。その結果、
マイクロステップ駆動のための電流指令量は、4個ごと
に2相励磁駆動のための電流指令量と等しい値をとる。
【0049】アップダウンカウンタ10は、アップダウン
入力端子UP/DOWNにおいてヘッドの移動方向を示す方向
指令DIRを受け取り、クロック入力端子CKにおいてヘッ
ドの送りパルスCLKを受け取り、(n+2)ビットのアドレ
ス信号An+1〜A0を出力する。方向指令DIRが「1」の
場合、アップダウンカウンタ10は、送りパルスCLKの立
ち上がりエッジにおいてアドレスを1ずつインクリメン
トする。方向指令DIRが「0」の場合、アップダウンカ
ウンタ10は、送りパルスCLKの立ち上がりエッジにおい
てアドレスを1ずつデクリメントする。アップダウンカ
ウンタ10は、サイクリックにアドレスを出力する。すな
わち、アドレス信号として「111…1」が出力されている
状態においてさらにインクリメントされた場合は、「00
0…0」が出力されるようになる。逆に、アドレス信号と
して「000…0」が出力されている状態においてさらにデ
クリメントされた場合は、「111…1」が出力されるよう
になる。
【0050】切り換えタイミング調整回路11は、マスク
信号/MSKを発生する。具体的には、アップダウンカウン
タ10のアドレス出力の下位ビットAn-1〜A0がすべて
「0」となる場合、ANDゲート11bは、出力が「1」にな
る。2相励磁駆動とマイクロステップ駆動とを切り換え
るための切り換え指令MS/2Pを、Dフリップフロップ11a
を用いて、ANDゲート11bの出力によってラッチすること
で、マスク信号/MSKが得られる。切り換え指令MS/2Pの
「1」はマイクロステップ駆動を表し、「0」は2相励
磁駆動を表す。マスク回路12は、マスク信号/MSKに基づ
き、アップダウンカウンタ10の出力の下位ビットAn-1
〜A0を選択的にマスクする。具体的には、マスク信号/
MSKが「1」のときマスクをせず(マスク解除)、
「0」のときマスクをする。アップダウンカウンタ10の
出力であるアドレス信号(An+1〜A0)は、マスクまた
はマスク解除されてから、ROM9aおよび9bのアドレス
入力端子An+1〜A0に入力される。
【0051】図1〜図5を参照しながら、上記構成のヘ
ッド駆動装置の動作を説明する。図4は、駆動方法の切
り換えのタイミングを示す。図4および図5の横軸は、
2相励磁駆動の基本回転角(ここでは90°)によって正
規化されたステップを用いて、ステッピングモータのロ
ータの回転位置を表す。図4の波形は、上から順に、方
向指令DIR、切り換え指令MS/2P、送りパルスCLK、マス
ク指令/MSKおよびヘッドの位置を示す。図5は、図4の
切り換えタイミングに対応する主要部のスティフネス特
性を示す。図5の縦軸は、2相励磁駆動の最大発生トル
クによって正規化したトルクを表す。上述の分割数は4
(n=2)である。図4の励磁状態S1〜S6は、それ
ぞれ図5のスティフネス特性のS1〜S6に対応する。
図4および図5のP1〜P6は、ステータ7aおよび7bに
流れる電流状態が変化しないときにロータ6の回転位置
が収束する、すなわち静止する「安定点」である。
【0052】励磁状態をS1→S2→S3→…と順に切
り換えることによって、ロータ6は、P1→P2→P3
→…と回転する。ステッピングモータ3のロータ6の回
転運動は、送りネジ4およびナットピース5によってヘ
ッド2の直線運動に変換される。その結果、ヘッド2
は、記録媒体1の半径方向に内周または外周へ動く。
【0053】励磁状態S1〜S8の状態を順に追って、
切り換えの信号の説明をする。初期の励磁状態S1にお
いてヘッドは、方向指令DIRによって規定される方向
へ、マイクロステップ駆動で駆動されている。分割数が
4なので、2相励磁駆動の場合は、1ステップ毎に、マ
イクロステップ駆動の場合は、0.25ステップ毎にロータ
6は、回転する。すなわち、P1→P1.25→P1.50→P
1.75→P2と状態S1から状態S2へ小刻みに遷移す
る。状態S1から状態S2への遷移の途中において、マ
イクロステップ駆動から2相励磁駆動へと切り換えるた
めに、切り換え指令MS/2Pは、「1」から「0」に変わ
る。
【0054】次に、アップダウンカウンタ10の出力の下
位ビットAn-1〜A0がすべて「0」となる状態、すなわ
ち状態S2を考える。このとき、切り換えタイミング調
整回路11のDフリップフロップ11aのD入力に入力され
た切り換え指令MS/2Pは、ANDゲート11bの出力によって
ラッチされ、マスク指令/MSKとしてマスク回路12に出力
される。状態S1から状態S2の直前までは、アップダ
ウンカウンタ10の出力の下位ビットAn-1〜A0はマスク
解除の状態であった。しかし状態S2に遷移した瞬間
に、マスク回路12によって下位ビットAn-1〜A0がマス
クされる。アップダウンカウンタ10の出力の下位ビット
An-1〜A0がマスクされると、ROM9aおよび9bは、下
位ビットがすべて「0」であるアドレスに格納されてい
る電流指令量、すなわち2相励磁駆動のための電流指令
量を電流ドライバ8aおよび8bに出力する。
【0055】アップダウンカウンタ10に送りパルスCLK
を入力し続けると、アップダウンカウンタ10の出力の上
位ビットAnおよびAn+1が順に変化してゆき、ROM9a
および9bに格納された電流テーブルの2相励磁駆動用の
電流指令量を順に出力する。図4に示すように、マスク
指令が有効であるS2〜S4の状態においては、2相励
磁駆動がおこなわれる。ロータ6は、励磁状態S2〜S
4のそれぞれに対応する、図5のスティフネス特性の安
定点を、P2→P3→P4→P5と順に回転する。その
結果、ステッピングモータ3は、2相励磁駆動によって
回転することになる。図5のスティフネス特性からわか
るように、2相励磁駆動の発生トルクは、マイクロステ
ップ駆動の発生トルクと比較して大きい。したがって、
ヘッド2を高速に移動させることが可能である。
【0056】状態S4およびS5の間で、切り換え指令
MS/2Pは、2相励磁駆動を表す「0」からマイクロステ
ップ駆動を表す「1」へと変化する。アップダウンカウ
ンタ10の出力の下位ビットAn-1〜A0がすべて「0」に
なると、すなわち状態S5になると、Dフリップフロッ
プ11aは、切り換え指令MS/2PをANDゲート11bの出力によ
ってラッチし、マスク指令/MSKとしてマスク回路12に出
力する。この結果、状態S5においてマスク回路12のマ
スクが解除され、ロータ6は、再び0.25ステップ毎に、
P5→P5.25→P5.50→P5.75→P6と、状態S5から
状態S6へ回転する。
【0057】アップダウンカウンタ10のインクリメント
およびデクリメントは、方向指令DIRによって決まる。
状態S6から状態S7の間において、方向指令DIRが
「1」から「0」に変化すると、アップダウンカウンタ
10から出力されるアドレスもデクリメントされて、ヘッ
ド2は逆方向へ移動する。方向指令DIRが「0」のとき
におけるマイクロステップ駆動と2相励磁駆動との切り
換え動作は、方向が逆になる点を除いては、上記動作と
同様である。
【0058】実施例1によれば、各ステップにおけるマ
イクロステップ駆動用の電流指令量を表すデータは、R
OM9aおよび9bのアドレスにシーケンシャルに格納され
ている。また各ステップにおける2相励磁駆動用の電流
指令量を表すデータは、マイクロステップ駆動用データ
が格納されたアドレスの2の整数倍乗個毎にROM9aお
よび9bにシーケンシャルに格納されている。アップダウ
ンカウンタ10の出力の下位ビットをマスクすることによ
って2相励磁駆動がおこなえ、下位ビットのマスクを解
除することによってマイクロステップ駆動をおこなえ
る。このことにより、シーク動作時には高速なヘッドの
移動がおこなえ、かつ記録再生時には大きな外乱を与え
ることなくヘッドの微小送りを高精度におこなえる。し
かも2相励磁駆動とマイクロステップ駆動との切り換え
は、アップダウンカウンタ10の出力の下位アドレスのマ
スクを制御するだけでおこなえる。このことにより、高
速かつスムーズな駆動方法の切り換えをおこなうことが
できる。
【0059】(実施例2)実施例2のヘッド駆動装置の
構成は、ROM内の電流テーブル(電流指令量を表すデ
ータを記述するテーブル)を除けば、実施例1の構成と
同じである。以下、本実施例の電流テーブルの構成手順
を図6(a)および図6(b)を参照しながら説明する。
【0060】図6(a)は、従来のマイクロステップ駆動
用の電流指令量のグラフを示す。図6(a)の電流指令量
のグラフは、三角波であるが、正弦波などの周期関数で
もかまわない。この周期関数は、ステッピングモータ3
の磁気回路の特性に基づいて計算される。マイクロステ
ップ駆動に用いる周期関数においては、スティフネス特
性が均一である。言い換えると、スティフネス特性を表
すグラフの波高値が等しく、かつ安定点が等間隔に位置
する。
【0061】実施例2の目的は、従来の電流テーブルを
用いる場合の安定点の間隔を変更することなく、電流テ
ーブルの変更によって部分的にトルクの向上を図ること
にある。
【0062】図6(b)は、本実施例のマイクロステップ
駆動用の電流指令量のグラフを示す。図6(b)の電流テ
ーブルは、従来のマイクロステップ駆動用の電流テーブ
ルを用いて、以下のように作成される。
【0063】2つのコイル7aおよびコイル7bのそれぞれ
に流れる電流をIAおよびIBとすると、IAおよびIBの
絶対値を比較し、以下の演算をする。
【0064】(i) |IA|>|IB|のとき IB:=sign(IB)・(|IB/IA|) IA:=sign(IA) (ii)|IA|<|IB|のとき IA:=sign(IA)・(|IA/IB|) IB:=sign(IB) ただし、電流IAおよびIBは、「1」が最大の正電流
を、「−1」が最大の負電流を表すように正規化されて
いる。演算子「:=」は、右辺の式が表す値を左辺の変
数へ代入する演算を示す。関数「sign()」は、いわゆ
る符号関数で、引き数が正数のとき「1」を、負数のと
き「−1」を、ゼロのとき「0」をそれぞれ与える関数
である。
【0065】上記演算をおこなって得られた電流IAお
よびIBは、2つのコイル7aおよび7bに流れる電流比
を、従来の電流テーブルによって2つのコイル7aおよび
7bに流れる電流比と等しく保ったまま、少なくとも一方
のコイルには最大の電流を流す電流テーブルとなる。上
述のように構成された電流テーブルを用いたときの、ス
テッピングモータの動作を図6(a)、図6(b)、図7(a)
および図7(b)を参照しながら説明する。図7(a)(従来
例)および図7(b)(実施例2)は、それぞれ図6(a)
(従来例)および図6(b)(実施例2)の電流テーブル
を用いたときのスティフネス特性を示す。
【0066】図6(a)および図6(b)に示される2つの場
合においては、2つのコイル7aおよび7bに流れる電流比
が等しい。したがって、図7(a)および図7(b)において
も、ロータ6の静止位置である安定点P0およびP1
は、ほとんど変化しない。また実施例2においては、少
なくとも一方のコイルには絶対値が最も大きい電流が流
れる。そのため、図7(b)に示す曲線S0’およびS
1’に示すスティフネス特性は、図7(a)に示す曲線S
0およびS1とは異なる。例えば、実施例2のP0およ
びP1の安定点近傍においては、約2倍のトルクが発生
する。これは、P0およびP1における、図7(b)の曲
線S0’およびS1’の傾きが、図7(a)の曲線S0お
よびS1の傾きの2倍であることからわかる。言い換え
ると、スティフネス特性において、部分的にトルクが向
上している。
【0067】図6(b)に示す電流指令量のグラフは、A
相電流およびB相電流を正規化した値を(A、B)と表
したとき、(A、B)=(1、1)、(0、1)、(−
1、1)、(−1、0)、(−1、−1)、(0、−
1)、(1、−1)、(1、0)、(1、1)、…の各
点を通る。これらの電流指令量を用いれば、ステッピン
グモータは、2相励磁または1−2相励磁によって駆動
される。つまり上記手順で作成された電流テーブルは、
2相励磁および1−2相励磁の電流指令量を含むマイク
ロステップ駆動の電流テーブルとなっている。
【0068】上述のように、実施例2においては、ステ
ッピングモータ3の2つのコイル7aおよび7bに流れる電
流比を、従来の電流テーブルによる2つの電流の比と等
しく保ったまま、少なくとも一方に最大の電流を流して
いる。その結果、ステッピングモータ3のロータの静止
位置である安定点を変えることなく、すなわち等間隔に
位置した安定点を維持しつつ、発生トルクを部分的に高
めることができる。また2相励磁駆動とマイクロステッ
プ駆動との切り換えも第1の実施例と同様に、高速かつ
スムーズにおこなえる。
【0069】上述の方法により構成された電流テーブル
は、2相励磁および1−2相励磁の電流指令量を含む。
したがって、ステッピングモータを高速で駆動するとき
は、2相励磁(黒および白の四角の点の電流値を用い
る)を、中速で駆動するときは、1−2相励磁(黒およ
び白の、四角および三角の点の電流値を用いる)を、低
速で駆動するときは、マイクロステップ駆動(すべての
点の電流値を用いる)を選ぶことができる。したがっ
て、実施例2のステッピングモータ駆動装置は、大きい
トルクを発生できる2相励磁駆動の特徴と分解能をあげ
た1−2相励磁駆動およびマイクロステップ駆動の特徴
をあわせもつ。
【0070】図8(a)は、図6(a)に示す従来の電流テー
ブルを用いたときの、図8(b)は、図6(b)に示す実施例
2の電流テーブルを用いたときの、図1のヘッドの移動
量の測定結果を示す。横軸は時間を、縦軸はヘッド移動
量を表す。図8(a)および図8(b)において、それぞれ下
段の方形波のプロットは方向指令である。分割数は、4
なので、いずれもステッピングモータは0.25ステップず
つ駆動される。図8(a)および図8(b)のいずれも、2相
励磁駆動に比較すると、ヘッドの位置決めの分解能は1
/4である。
【0071】図8(a)においてはヘッド移動方向反転時
に静止摩擦のためにヘッドが移動しないという現象がみ
られる(○で囲んだ部分)。いっぽう、図8(b)におい
ては指令通りにヘッドが移動しており(○で囲んだ部
分)。これは、実施例2においては、発生トルクが向上
しているためである。なお、実施例2のその他の効果
は、実施例1と同じである。
【0072】マイクロステップ駆動の電流テーブルは、
ステップモータの構造および使用方法によって様々なも
のが考えられる。例えば、A相およびB相のステータの
位置が等間隔ではないステッピングモータにおいて、あ
らかじめ電流テーブルの安定点をステータのずれに応じ
てずらしておくことが考えられる。また、ヘッドが円盤
状記録媒体の内周や外周に近づいたときに、送りパルス
CLKを変えることなく、スピードを滑らかに低下させる
ため、安定点の間隔を変えた電流テーブルへと切り換え
ることも考えられる。
【0073】以上、安定点が等間隔になるような従来の
マイクロステップ駆動用の電流テーブルについて説明し
た。実施例2においては、電流テーブルを変更すること
によって、安定点の位置を変えることなく、部分的なト
ルクアップが実現できる。
【0074】さらにバリエーションとして、図9(a)お
よび図9(b)に示すように、安定点が配置される間隔が
等しくない場合でも、前述の手順で得られた電流テーブ
ルは、安定点の位置が変化せず、かつ部分的にトルクが
向上するという効果を有する。したがって、実施例2で
は、安定点が等間隔に位置することは、必ずしも必要な
い。目的に応じたマイクロステップ駆動用の電流テーブ
ルがあり、この電流テーブルによる2相の電流比および
安定点を変えないという2つの制約を満たした上で、部
分的なトルクアップを実現するために、実施例2と同様
の変更ができる。図9(a)は、安定点の位置が等間隔で
はない場合の変更前の電流テーブルを示し、図9(b)
は、図9(a)の電流テーブルを、実施例2の方法で変更
したグラフを示す。
【0075】(実施例3)本発明のステッピングモータ
の実施例3を利用したヘッド駆動装置は、ステッピング
モータ駆動装置を除き、実施例1と同様である。
【0076】図10は、実施例3のステッピングモータ駆
動装置22のブロック図を示す。ステッピングモータ3
は、永久磁石からなるロータ6と、2つのコイル7aおよ
び7bからなるステータとで構成されている。電流ドライ
バ13aおよび13bは、それぞれ電流指令量を表すディジタ
ルデータに基づき、2つのコイル7aおよび7bに電流を供
給し、ステッピングモータ3を駆動する。電流ドライバ
13aおよび13bは、ディジタルデータを受け取り、アナロ
グ信号に変換するD/A変換器と、D/A変換器からの
アナログ信号を増幅して出力する増幅器を有する。この
増幅器は、例えばトランジスタなどの増幅素子により実
現できる。電流ドライバ13aおよび13bに与えられるディ
ジタルデータ(電流指令量)は、それぞれROM14aお
よび14bによって与えられる。
【0077】図11(a)は、従来と同様のマイクロステッ
プ駆動用の電流テーブルであり、図11(b)は、実施例1
と同様な電流テーブルである。実施例3においては、こ
れら2つのテーブルを切り換えて用いることにより、ス
テッピングモータを駆動する。以下の説明では、分割数
を2のn乗とする。ROM14aおよび14bのアドレスの上
位アドレスエリアと下位アドレスエリアとに、図11(a)
および(b)に示す電流テーブルが格納される。ROM14a
に格納されているデータ(A相用データ)は、図11(a)
および図11(b)の右側のグラフの実線で示される電流指
令量を表し、ROM14bに格納されているデータ(B相
用データ)は、図11(a)および図11(b)の右側のグラフの
破線で示される電流指令量を表す。それぞれのデータ
は、図11(a)および図11(b)の左側に示された対応するア
ドレスに格納されている。
【0078】具体的には、ROM14aおよび14bのアドレ
ス入力のビットAn+2からA0のうち、ビットAn+2が
「0」であるアドレスには、安定点が等間隔(ただし、
必ずしも等間隔でなくてもよい)でスティフネス特性が
均一な図11(a)に示す従来のマイクロステップ駆動用の
電流テーブルが格納される。ビットAn+2が「1」であ
るアドレスには、実施例1で用いた図11(b)に示す電流
テーブルが格納される。
【0079】An+2が「0」のアドレスに格納された図1
1(a)の電流テーブルは、次の条件を満足する。ROM14
aおよび14bのアドレス入力のAn-1が「1」であり、か
つAn-2〜A0が「0」のアドレスに格納されるデータ
は、図11(b)に示すROM14aおよび14bのアドレス入力
のAn+2およびAn-1が「1」であり、かつAn-2〜A0が
「0」のアドレスに格納されるデータと一致する。
【0080】An+2が「1」のアドレスに格納された図1
1(b)の電流テーブルは、次の条件を満足する。ROM14
aおよび14bのアドレス入力の下位ビットAn-1〜A0が全
て「0」のアドレスには、2相励磁駆動用データが格納
され、アドレス入力のAn-1が「1」かつAn-2〜A0が
「0」のアドレスには、1−2相励磁駆動用データが格
納される。2相励磁駆動用データと1−2相励磁駆動用
データとの間には、適当な単調増加(または単調減少)
関数で補間することにより、データを補う。
【0081】(n+2)ビットのアップダウンカウンタ15
は、アップダウン入力端子UP/DOWNにおいてヘッドの移
動方向を示す方向指令DIRを受け取り、クロック入力端
子CKにおいてヘッドの送りパルスCLKを受け取り、(n+
2)ビットのアドレス信号An+1〜A0を出力する。方向
指令DIRが「1」の場合、アップダウンカウンタ10は、
送りパルスCLKの立ち上がりエッジにおいてアドレスを
1ずつインクリメントする。方向指令DIRが「0」の場
合、アップダウンカウンタ15は、送りパルスCLKの立ち
上がりエッジにおいてアドレスを1ずつデクリメントす
る。アップダウンカウンタ15は、サイクリックにアドレ
スを出力する。
【0082】切り換えタイミング調整回路16は、切り換
え指令MS/2Pとアップダウンカウンタ15の出力An-1〜A
0とを入力として受け取り、電流テーブル選択信号SELと
マスク指令/MSKとを出力する。切り換えタイミング調整
回路16の出力である電流テーブル選択信号SELは、RO
M14aおよび14bのアドレス入力An+2に供給されること
によって、図11(a)および図11(b)の電流テーブルを選択
する。切り換えタイミング調整回路16の出力であるマス
ク指令/MSKは、アップダウンカウンタ15の出力の下位ビ
ットAn-1〜A0をマスクするマスク回路17に入力され
る。このマスク指令/MSKに基づいてマスクまたはマスク
解除されたアドレス信号は、ROM14aおよびROM14b
に入力される。
【0083】切り換えタイミング調整回路16は、アドレ
ス切り換え状態ラッチ回路およびメモリ選択状態ラッチ
回路であるDフリップフロップ16aおよび16b、デコード
回路であるANDゲート16c、16dおよび16f、NANDゲート16
eを有している。電流テーブル選択信号SELおよびマスク
指令/MSKの状態を保持するラッチ回路(Dフリップフロ
ップ16aおよび16b)は、リセット信号(不図示)により
「0」に初期化される。アップダウンカウンタ15の下位
ビットAn-1〜A0がすべて「0」になると、ANDゲート1
6cの出力が「1」になる。また、アップダウンカウンタ
15のAn-1が「1」であり、かつビットAn-2〜A0がす
べて「0」であると、ANDゲート16dの出力が「1」にな
る。Dフリップフロップ16aおよび16bは、ANDゲート16c
および16dの出力で、D入力の信号をラッチすることに
よって、マスク指令/MSKを次式に基づいて生成する。
【0084】/MSK ← /{/MS/2P・SEL} なお、/MSKは、MSKの反転を意味し、/MS/2Pは、MS/2P
の反転を意味し、/{/MS/2P・SEL}は、/MS/2P・SEL
の反転を意味する。上式の意味しているところは、SEL
=1すなわち図11(b)の電流テーブルを選択している状
態でかつ2相励磁駆動指令が出ていれば、マスクを有効
にするアップダウンカウンタ15の出力An-1が「1」か
つAn-2〜A0が「0」となる状態を検出し、テーブル選
択信号SELを、次式に示す状態をラッチして出力する。
【0085】SEL ← MS/2P・/MSK 上式は、/MSK=1すなわちマスク解除のときに切り換え
指令MS/2Pに応じて、適切な電流テーブルを選択するこ
とを意味する。
【0086】実施例3のステッピングモータ駆動装置の
動作を、図10〜図13を参照しながら説明する。図12は、
各部の信号のタイミングを示す。横軸は、ステップを表
す。波形は、上から順に、方向指令DIR、切り換え指令M
S/2P、送りパルスCLK、テーブル選択信号SEL、マスク指
令/MSKおよびヘッドの位置を表す。図13は、図12のタイ
ミングと対応する主要なスティフネス特性曲線を示す。
マイクロステップの分割数は4(n=2)である。図12
の励磁状態S1〜S6のそれぞれに、図13のスティフネ
ス特性のS1〜S6が対応する。図13のP1、P2、P
3、…などは、ロータ6が静止する安定点である。励磁
状態をS1→S2→S3→…と順に切り換えると、ロー
タ6がP1→P2→P3→…と回転する。その結果、ス
テッピングモータ3のロータ6の回転運動が、直線移動
に変換され、ヘッド2が移動する。
【0087】次に、励磁状態S1〜S8の状態の順に、
電流テーブルの切り換えについて説明する。初期の励磁
状態S1は、ヘッドが方向指令DIRで規定される方向へ
マイクロステップ駆動で移動している状態である。ステ
ッピングモータのロータは、0.25ステップ刻みで、P1
→P1.25→P1.50→P1.75→P2と、状態S1から状態
S2へ遷移する。このときの駆動の幅は、分割数が4な
ので、2相励磁駆動の4分の1である。状態S2へ遷移
する途中で、マイクロステップ駆動から2相励磁駆動へ
切り換えるために、切り換え指令MS/2Pが変化する。ア
ップダウンカウンタ15の下位ビットA0〜An-1が「0」
となる状態、すなわち、状態S2が始まると同時に、AN
Dゲート16cの出力は、「1」になる。Dフリップフロッ
プ16aおよび16bは、ANDゲート16cおよび16dの出力によ
って、それぞれのD入力の信号をラッチすることによ
り、切り換え指令MS/2Pおよびテーブル選択信号SELに基
づき、マスク指令/MSKを出力する。このとき、テーブル
選択信号SELが「0」なので、マスク指令は解除された
ままであり、マスク指令/MSKは変化しない。次に、アッ
プダウンカウンタ15の下位ビットA0〜An-2が「0」か
つAn-1が「1」になるときに、すなわち状態S2.50が
始まるときに、ANDゲート16dの出力は「1」になる。切
り換え指令MS/2Pとマスク指令/MSKとの状態に基づき、
電流テーブル選択信号SELがラッチされて、マスク指令/
MSKが出力される。状態S2.50のときに送りパルスCLKの
立ち上がりにおいてテーブル選択信号SELは「0」から
「1」へ変化する。すなわち、電流テーブルが図11(a)
から図11(b)へ切り換えられる。状態S2.50までは、図1
1(a)の電流テーブルを用いてマイクロステップ駆動され
る。すなわち、ロータ6は、0.25刻みのステップで、図
13に示すスティフネス特性の安定点P2→P2.25→P2.
50と回転する。
【0088】さらに送りパルスが入力されると、アップ
ダウンカウンタ15の下位ビットA0〜An-1が「0」とな
る状態、すなわち状態S3が始まるときに、切り換え指
令MS/2Pおよびテーブル選択信号SELに基づいて、D入力
の信号をラッチすることによって、マスク指令/MSKを出
力する。状態S3のときにマスク指令/MSKは「1」から
「0」へ変化し、アドレスはマスクされる。状態S2.50
からS3の間は、図11(b)の電流テーブルを用いてマイ
クロステップ駆動される。このとき、ロータ6は、図13
に示すスティフネス特性の安定点P2.50→P2.75→P3
と回転する。図13のスティフネス特性からわかるよう
に、図11(b)で構成される電流テーブルで駆動した場合
の発生トルクは、状態S2.50からS3にかけて増加す
る。その結果、状態S3には2相励磁のスティフネス特
性と一致する。
【0089】状態S1から状態S3の直前までは、アッ
プダウンカウンタ15のアドレスの下位ビットA0〜An-1
はマスクが解除されている。状態S3が始まると、アド
レスの下位ビットがマスクされる。アップダウンカウン
タ15のアドレスの下位ビットがマスクされると、図11
(b)の電流テーブルにおいて、下位アドレスがすべて
「0」のアドレスに格納された電流指令量、すなわち2
相励磁駆動用の電流指令量が、ROM14aおよび14bから
出力される。アップダウンカウンタ15に送りパルスCLK
を入力し続けると、アップダウンカウンタ15の上位ビッ
トAnおよびAn+1が変化することで、電流テーブルの2
相励磁駆動用のデータだけが出力される。
【0090】図11(a)および(b)においては、S3→S4
→S5→S6とマスク指令が有効な間、2相励磁駆動が
おこなわれる。このとき、ロータ6は、図13に示すステ
ィフネス特性の安定点を、P3→P4→P5→P6と移
動する。図13のスティフネス特性からわかるように、2
相励磁駆動の場合の発生トルクは、マイクロステップ駆
動と比較して大きいので、ヘッド2の高速移動が可能で
ある。
【0091】次に、状態S5および状態S6の間で、切
り換え指令MS/2Pが変化し、2相励磁駆動からマイクロ
ステップ駆動へと切り換えられる。このとき、アップダ
ウンカウンタ15の下位ビットA0〜An-1が「0」となる
状態、すなわち状態S6が始まるときに、切り換え指令
MS/2Pおよび電流テーブル選択信号SELに基づき、D入力
の信号がラッチされ、マスク指令/MSKが出力される。状
態S6のときにマスク指令/MSKは「0」から「1」に変
化し、マスク回路17によってマスクが解除される。その
結果、再び、0.25ステップ刻みで、ロータ6はP6→P
6.25→P6.50と回転し、状態S6から状態S6.50へと遷
移する。
【0092】さらに送りパルスが入力されて、アップダ
ウンカウンタ15の下位A0〜An-2が「0」かつAn-1が
「1」となる状態、すなわち、状態S6.50が始まるとき
に、切り換え指令MS/2Pおよびマスク指令/MSKに基づ
き、D入力の信号がラッチされ、テーブル選択信号SEL
が出力される。この結果、状態S6.50のときに送りパル
スCLKの立ち上がりエッジにおいて、電流テーブル選択
信号SELは「1」から「0」へと変化する。すなわち、
電流テーブルが図11(b)から図11(a)へと切り換えられ
る。状態S6.50からは、図11(a)の電流テーブルを用い
て0.25ステップ刻みでマイクロステップ駆動される。そ
の結果、ロータ6は、図13に示すスティフネス特性の安
定点をP6.50→P6.75→P7→…と回転する。
【0093】実施例3においても、図13の状態S1〜S
7におけるスティフネス特性に示されるように、マイク
ロステップ駆動と2相励磁駆動とが滑らかに切り換えら
れる。またマイクロステップによってヘッドを低速で、
微少に移動させ、かつ2相励磁駆動による大きなトルク
によってヘッドを高速で移動させることができる。
【0094】方向指令DIRを反転することによって、ア
ップダウンカウンタ15のアップダウンが反転する。状態
S7および状態S8の間における方向指令DIRの反転に
したがって、ヘッド2はそれまで向きと逆の向きで移動
する。方向指令DIRが反転した後の、マイクロステップ
駆動および2相励磁駆動の切り換えは、方向が逆になる
点を除いて、前述の動作と同様である。
【0095】以上のように、実施例3によれば、ROM
14aおよび14bの下位アドレスには、従来のマイクロステ
ップ駆動のデータ(テーブル(a)とする)を格納し、か
つROM14aおよび14bの上位アドレスには、実施例1と
同様の電流データ(テーブル(b)とする)を格納する。
さらに、従来のマイクロステップ駆動のデータおよび実
施例2のデータは、同一の電流値を表すデータを、例え
ば1周期に4個有する。
【0096】したがって、テーブル(a)によるマイクロ
ステップ駆動および(b)によるマイクロステップ駆動
を、テーブル(a)および(b)のうち、同一の電流値を表す
データが格納されているアドレスにおいて切り換えるよ
うにすれば、テーブル切り換えのときに、なめらかな切
り換えが可能になる。また、テーブル(b)によるマイク
ロステップ駆動および2相励磁駆動は、実施例1と同様
に、なめらかな切り換えが可能である。以上のように、
マイクロステップ駆動および2相励磁駆動をスムーズに
切り換えることによって、シーク動作時には高速にヘッ
ドを移動でき、かつ記録再生時には大きな外乱を加える
ことなく高い分解能でヘッドを移動できる。
【0097】実施例1とのちがいは、マイクロステップ
駆動時の消費電流がおさえられる点と、マイクロステッ
プ駆動と2相励磁駆動とがよりスムーズに切り換えら
れ、また、マイクロステップ駆動がよりスムーズにおこ
なえる点にある。
【0098】なお、実施例1および実施例3において、
電流ドライバを実現するために、D/Aコンバータおよ
び増幅器を用いている。しかし電流ドライバの実現方法
は、これに限られない。例えば、DSP(digital sign
al processor)のプログラムによりタイマを動作させる
ことによって、I/Oポートに接続されたスイッチング
トランジスタをオン・オフさせる、PWM(pulse widt
h modulation)駆動によって実現することもできる。
【0099】実施例1〜3においては、ステッピングモ
ータ駆動装置をハードウェアを用いて実現した。しか
し、ソフトウェアによって実現してもよい。例えば、ア
ップダウンカウンタ、切り換えタイミング調整回路のラ
ッチ回路、およびマスク操作を、それぞれ、DSP内の
メモリ変数、メモリ内のフラグ変数、およびアキュムレ
ータのAND演算で置き換えることによって実現できる。
また電流テーブルは、電流指令量を発生する関数として
実現できる。この関数は、DSPのプログラムにおい
て、サブルーチンとして記述できる。
【0100】実施例1〜3においては、電流テーブルを
ROMに格納したが、これには限られない。例えば、R
AM(random access memory)やSRAM(static ran
domaccess memory)に格納してもよい。
【0101】また、実施例3では、2相励磁駆動とマイ
クロステップ駆動との切り換えのために、ROMのアド
レスの下位ビットが全て「0」のアドレスに、2相励磁
駆動とマイクロステップ駆動と共用の電流指令量を格納
していたが、この共用の電流指令量を格納するアドレス
は、下位ビットが全て「0」のアドレスに限られるもの
ではなく、その他のアドレスであってもよい。この場
合、共用の電流指令量を格納するアドレスの下位ビット
の検出するためには、少数の論理ゲート(ANDゲート11a
およびANDゲート16c)からなるデコード回路ではなく、
より複雑な論理構成をもつデコード回路が必要となる。
この場合、マスク回路12および17は、実施例3に示すよ
うな簡易な構成では実現できない。例えば、アップダウ
ンカウンタ15の出力の下位ビット(可変値)と、共用の
電流指令量を格納したアドレスの下位ビット(固定値)
とを選択的に出力するような回路が必要となる。
【0102】実施例3においては、2つの電流指令テー
ブルを切り換えるアドレスは、下位ビットの最上位ビッ
トが「1」で、残りのビットが「0」である。この切り
換えるアドレスも、前述の特定のアドレスに限定されな
い。ただし、共用の電流指令量を格納したアドレスの下
位ビットからは、ある程度離れていることが必要であ
る。また、切り換えるアドレスの数はいくらあってもよ
い。この場合、前述のように、単一のゲート(ANDゲー
ト16d)からなるデコード回路よりは複雑な論理構成の
デコード回路が必要となる。
【0103】上述のテーブル(b)としては、実施例2に
おいて説明した電流テーブルを用いてもよい。この場合
は、テーブル(b)を用いてマイクロステップ駆動をおこ
なうときに、安定点の位置を変えることなく、部分的に
トルクが改善される効果を有する。
【0104】(実施例4)図14は、本発明のステッピン
グモータ駆動装置の実施例4のブロック図を示す。実施
例4をヘッド駆動装置に応用するときに必要な機械的な
構造は、図1と同様である。駆動切り換え回路31は、ス
テッピングモータの駆動方式を2相励磁駆動とマイクロ
ステップ駆動との間で切り換える。この駆動切り換え回
路31は、実施例1の図2または実施例3の図10におい
て、入力(切り換え指令MS/2P、方向指令DIRおよび送り
パルスCLK)からROM9aおよび9bまたはROM14aおよ
び14bの出力までの部分と同じである。実施例4と、実
施例1および実施例3との違いは、乗算器32aおよび32b
が、電流ドライバ8aおよび8bに入力される電流指令量を
変化させる点、および駆動切り換えための信号を速度指
令量vから生成する点である。速度指令量vは、外部の
サーボ回路(不図示)などが生成する信号であって、ヘ
ッドが移動すべき速度と向きとを、信号の絶対値と正負
とでそれぞれ表すディジタルデータである。
【0105】方向指令DIR、送りパルスCLK、および2相
励磁駆動およびマイクロステップ駆動を切り換えるため
の切り換え指令MS/2Pは、以下のように生成されて駆動
切り換え回路31へ入力される。
【0106】方向計算器33は、速度指令量vを入力とし
て受け取り、方向指令DIRを算出し、これを駆動切り換
え回路31へ出力する。つまり、方向計算器33は、速度指
令量vの正負に基づいて方向指令DIRを出力する。例え
ば、速度指令量vが2の補数で表現されている場合は、
速度指令量vの最上位ビット、いわゆる「符号ビット」
を駆動切り換え回路31に出力する。
【0107】絶対値計算器34は、速度指令量vを入力と
して受け取り、その絶対値|v|を絶対速度として、速
度パルス変換器35、速度比較器36および電流計算器37に
出力する。絶対値計算器34は、例えば速度指令量vが2
の補数で表現されている場合においては次のように動作
する。速度指令量vが正のとき(すなわち符号ビットが
「0」のとき)には、入力された速度指令量vをそのま
ま出力する。速度指令量vが負のとき(すなわち符号ビ
ットが「1」のとき)には、速度指令量のすべてのビッ
トを反転し、その結果に1を加算した値を出力する。
【0108】速度パルス変換器35は、入力された絶対速
度|v|に比例した周波数をもつパルスを、送りパルス
CLKとして駆動切り換え回路31に出力する。
【0109】図15は、速度パルス変換器35のブロック図
を示す。ゼロ検出器38は、絶対速度|v|がゼロである
ことを検出すると、タイマ39を停止させるための信号を
タイマ39のスタート・ストップ端子に与える。このとき
タイマ39は、送りパルスCLKを出力端子から出力しな
い。スタート・ストップ端子に入力された信号に基づ
き、タイマ39は、クロック入力端子に入力されたクロッ
クのカウントをスタートしたり、ストップしたりする。
逆数演算器40は、絶対速度|v|を入力として受け取
り、絶対速度|v|の逆数である1/|v|をタイマ39
のデータ端子に出力する。発振器41は、タイマ39の基準
となるクロックを、タイマ39のクロック入力端子に出力
する。タイマ39は、クロック入力端子から入力された基
準クロックをカウントし、基準クロックのカウント数が
1/|v|に達すると、出力端子から1つのパルスを出
力すると同時に、新しい1/|v|の値をデータ端子か
ら読み込む。その結果、速度パルス変換器35は、絶対速
度|v|に比例する周波数をもつパルス信号をその出力
端子から出力する。
【0110】速度比較器36は、絶対速度|v|および第
1設定速度v1に基づいて、ステッピングモータの駆動
方式をマイクロステップ駆動と2相励磁駆動との間で切
り換える。図16は、絶対速度|v|と、切り換え指令MS
/2Pとの関係をグラフに示す。横軸は絶対速度|v|を
表し、縦軸は切り換え指令MS/2Pを表す。図16に示すよ
うに、絶対速度|v|が、v1以上のとき、速度比較器3
6は、MS/2Pとして「0」(2相励磁駆動を表す)を出力
し、絶対速度|v|が、v1未満のとき、速度比較器36
は、MS/2Pとして「1」(マイクロステップ駆動を表
す)を出力する。
【0111】図17は、速度比較器36の計算手順を示す。
図17の計算手順においては、絶対速度|v|から設定速
度v1を引き算する。引き算の結果、ボローが発生した
かどうかによって両者の大小を判別する。この計算によ
り、図16に示す関数が実現できる。
【0112】次に、電流指令量を制御する構成を説明す
る。図14において、駆動切り換え回路31の2つの出力
は、それぞれ乗算器32aおよび32bを通して電流ドライバ
8aおよび8bに入力される。乗算器32aおよび32bは、電流
計算器37から出力された信号を受け取り、それに応じた
係数によって駆動切り換え回路31からの出力を増幅す
る。電流計算器37は、絶対速度|v|の量に応じた信号
を乗算器32aおよび32bに与える。
【0113】図18は、絶対速度|v|と、電流計算器37
の出力との関係をグラフに示す。図18のグラフにおい
て、横軸は絶対速度|v|を表し、縦軸は電流計算器37
の出力を表す。図18に示すように、電流計算器37の出力
は、絶対速度|v|が第2設定速度v2(>0)より小
さいときには、単調に増加し、第2設定速度v2以上の
ときには一定値1をとる。図18では簡単のため、単調に
増加する部分を1次関数で表している。
【0114】図19は、図18に示す関数を実現する計算手
順を示す。まず絶対速度|v|と第2設定速度v2とを
比較する。絶対速度|v|が第2設定速度v2 より大き
ければ、出力として最大値の1を出力し、そうでなけれ
ば、絶対速度|v|の値をもとに出力を計算する。図18
および図19の例では、絶対速度|v|と、出力との関係
は、(出力)=0.3+0.7×|v|/v2 である。
【0115】実施例4のステッピングモータ駆動装置の
動作を、図14および図20を参照しながら説明する。図14
の駆動切り換え回路31は、実施例1および実施例3と同
様に動作するので、説明を省略する。実施例4において
は、速度指令量vによってヘッド位置を制御する。以
下、電流計算器37の出力と乗算器32aおよび32bによって
電流を制御する動作を説明する。乗算器32aおよび32b
は、駆動切り換え回路31が出力するコイル7aへの電流指
令量と、コイル7bへの電流指令量との比を変えない。そ
のため、スティフネス特性の安定点の位置をほとんど変
化させることなく、安定点近傍におけるスティフネス特
性のグラフの傾き、すなわち発生するトルクを変化させ
る。図20は、電流が変化したときの、安定点におけるス
ティフネス特性を示す。図20のグラフにおいて、縦軸は
発生トルクを、横軸は安定点からの角度変位をそれぞれ
表す。実線で示す曲線は、電流が大きい場合を、破線で
示す曲線は、電流が小さい場合を示す。
【0116】ステッピングモータは、サーボ回路などの
位置制御の機構(不図示)を内蔵している。スティフネ
ス特性は、角度変位と、その角度変位においてロータに
はたらくトルクとの関係を示す。このスティフネス特性
のグラフの傾きを変化させることは、位置制御のゲイン
を変化させることに相当する。位置制御のゲインが大き
いと、ヘッドの移動は、振動的となり、その結果、トラ
ッキング制御に悪影響が及ぶ。逆に、位置制御のゲイン
が小さいと、ヘッドの移動追従性が悪くなる。したがっ
て電流計算器37は、図18に示すように、低速の速度指令
量に対しては小さい電流を、高速の速度指令量に対して
は大きい電流を生成するように乗算器32aおよび32bを制
御する。言い換えると、ヘッド移動速度が小さい場合
は、制御ゲインを小さくし、ヘッド移動速度が大きい場
合は、制御ゲインを大きくするように乗算器32aおよび3
2bを制御する。ヘッド移動速度が小さいときは、即応性
を要求されないために、ゲインが小さくても不都合は生
じない。またヘッドの移動速度が大きい場合は、摩擦に
よる負荷の増大分をゲインを上げて補償する。以上の制
御によれば、高速移動時の振動発生は防げないが、低速
移動時には振動発生を低減できる。その結果、シーク動
作終了時の滑らかな減速や、近接トラックへの移動をお
こなうときに効果がある。
【0117】位置制御のゲインを変化させることは、電
気的なバネ性を変化させることになる。したがって送り
パルスの周波数と、機械的および電気的バネ性によって
定まる共振周波数とが一致しないヘッド駆動装置を実現
できる。その結果、送りパルスの周波数と共振周波数と
が一致することによる振動増大を防止できる。
【0118】実施例4のステッピングモータ駆動装置を
用いたヘッド駆動装置は、ヘッドの速度指令量に応じて
ステッピングモータの駆動電流を制御する。これによ
り、高速移動時には、ヘッドの移動速度に伴って発生す
る摩擦を補償する。低速移動時には、電流を低減する。
これにより、特に2相励磁駆動のときに著しい、間欠的
なヘッドの移動に伴う振動を低減し、かつマイクロステ
ップ駆動による微小送りによって振動を低減することが
できる。
【0119】速度指令量による位置制御ができるので、
従来のリニアモータによる制御アルゴリズムを実施例4
には適用できる。また電磁的な共振モードを駆動電流の
制御により変えることができる。また、ヘッドを低速か
ら高速へと滑らかに加速できる。低速移動時には駆動電
流を低減することによって、消費電力を削減できる効果
もある。
【0120】さらに電気的なバネ性を変化させること
で、送りパルスの周波数と、機械的および電気的バネ性
によって定まる共振周波数とが一致しないように制御で
きる。その結果、トラッキングサーボ系への悪影響を低
減できる効果がある。
【0121】なお、実施例4では、第2設定速度v2
は、第1設定速度v1より低く設定している。しかし、
第2設定速度v2を第1設定速度v1より高く設定しても
よい。こうすれば、マイクロステップ駆動の場合だけで
なく、2相励磁駆動の場合においても、パワー制御が可
能となる。その結果、2相励磁駆動の場合においても、
振動を低減でき、また共振モードを変えることができ
る。その結果、共振モードを適切にコントロールすれ
ば、従来より高い周波数をもつ駆動パルスによってステ
ッピングモータを駆動することができるようになる。
【0122】(実施例5)図21〜図26を参照して実施例
5のステッピングモータ駆動装置の構成を、図27〜図29
を参照して実施例5のステッピングモータ駆動装置の動
作を説明する。
【0123】図21は、本発明のステッピングモータ駆動
装置の実施例5のブロック図を示す。マルチプレクサ21
5aおよび215bは、ROM9aおよび9bからのデータと、2
相励磁信号発生器214aおよび214bからのデータとを、デ
ータ選択信号DSELに応じて選択し、電流ドライバ8aおよ
び8bに出力する。電流ドライバ8aおよび8bに入力される
ディジタルデータは、電流指令量を表す。
【0124】図22は、マルチプレクサ215aの回路例であ
り、マルチプレクサ215bの回路も同様である。データ選
択信号DSEL=「0」のとき、ROM9aからのデジタル信
号DA0〜DAm-1をFA0〜FAm-1へ出力する。データ
選択信号DSEL=「1」のとき、2相励磁信号発生器214a
からのデジタル信号EA0〜EAm-1をFA0〜FAm-1へ
出力する。ここで添字の「m」は、自然数であり、マル
チプレクサ215aおよび215bが出力するデータのビット幅
である。いずれの場合もFA0〜FAm-1に出力されたデ
ータは、電流ドライバ8aへ入力される。マルチプレクサ
215bは、上述のマルチプレクサ215aと同様に動作する。
すなわち、データ選択信号DSEL=「0」のとき、ROM
9bからのデジタル信号DB0〜DBm-1をFB0〜FBm-1
へ出力する。データ選択信号DSEL=「1」のとき、2相
励磁信号発生器214bからのデジタル信号EB0〜EBm-1
をFB0〜FBm-1へ出力する。いずれの場合もFB0〜
FBm-1に出力されたデータは、電流ドライバ8bへ入力
される。
【0125】図23は、ROM9aおよび9bに格納された電
流指令量を表すグラフである。図23中央の黒い円形のド
ットで表されたグラフは、ROM9aに格納された電流指
令量を示す。図23右の黒い四角のドットで表されたグラ
フは、ROM9bに格納された電流指令量を示す。これら
の電流指令量を表すディジタルデータは、図23左に示す
対応するアドレスに格納されている。これらのデータは
従来のマイクロステップ駆動用の電流指令量であればよ
い。図23のグラフは、三角波状だが、正弦波状であって
もよい。マイクロステップ駆動の分割数を2のn乗とす
る。(n+2)ビット幅のアドレスCn+1〜C0を指定す
ることによって、ROM9aおよび9bに格納された電流指
令値を読み出す。なお図23では簡単のため、分割数が4
(n=2)のマイクロステップ駆動のグラフを示してい
る。
【0126】送り補正値発生器211は、方向指令DIRと移
送体の負荷LOADとを入力として受け取り、(n+2)ビ
ットの送り補正値Bn+1〜B0を加算器212に出力する。
加算器212は、アドレス信号An+1〜A0と送り補正値Bn
+1〜B0とを加算して、補正されたアドレスCn+1〜C0
を生成し、ROM9aおよび9bのアドレス入力に与える。
【0127】図24は、2相励磁信号発生器214aおよび21
4bが生成する出力信号を示すグラフである。図24中央の
黒い円形のドットで表されたグラフは、2相励磁信号発
生器214aの出力信号を示す。図24右の黒い四角のドット
で表されたグラフは、2相励磁信号発生器214bの出力信
号を示す。これらの電流指令量を表すディジタルデータ
は、図24左に示す対応するアドレスに格納されている。
これらのデータは従来の2相励磁駆動用の電流指令量で
あればよい。
【0128】図25(a)は、2相励磁信号発生器214aおよ
び214bの入出力の関係を表に示す。図25(b)は、図25(a)
に示す関係を実現する2相励磁信号発生器214aおよび21
4bの回路例である。
【0129】切り換えタイミング調整回路213は、アッ
プダウンカウンタ10の出力の下位ビットAn-1〜A0がす
べて「0」であることを表す信号によって、切り換え指
令MS/2Pをラッチすることによって、データ選択信号DSE
Lにより、切り換えをおこなう。切り換えタイミング調
整回路213は、Dフリップフロップ11aおよびANDゲート1
1bで構成されている。切り換え指令MS/2Pおよびデータ
選択信号DSELは、「0」が2相励磁駆動を表し、「1」
がマイクロステップ駆動を表す。
【0130】実施例5においては、マイクロステップ駆
動および2相励磁駆動を切り換えるときに、送り補正値
に基づきマイクロステップ駆動および2相励磁駆動の電
流指令量の位相をシフトする。
【0131】図26(a)は、送り補正値発生器211の入出力
の関係を表に示す。図26(a)の関係は、移送体によるス
テッピングモータの負荷がほぼ一定とみなせる場合に用
いられる。DIRが「0」のとき、送り補正値として「−
3」を、DIRが「1」のとき、送り補正値として「+
3」を出力する。
【0132】いっぽう、図26(b)は、移送体によるステ
ッピングモータの負荷にほぼ比例して、送り補正値を変
化させるときに用いる、負荷LOADと補正値との関係をグ
ラフに示す。方向指令DIRによって、送り補正値が、負
荷の増加関数か減少関数かが決まる。図26(b)の関係に
おいては、送り補正値は所定の値を越えることがない。
これは、送り補正値の絶対値が大きすぎると、スティフ
ネス特性の他の安定点へロータが回転する、「脱調」を
おこすからである。この送り補正値の制限は、ステッピ
ングモータを安定に回転させるために必要である。
【0133】実施例5の動作を、図27および図28を参照
しながら説明する。図27は、各部の信号のタイミングを
示す。図27の波形は、上から順に、A相の電流指令量、
B相の電流指令量、送りパルスCLK、切り換え指令MS/2
P、データ選択信号DSELおよび方向指令DIRを表し、横軸
は、ステップを表す。図28は、図27のタイミングに対応
する主要なスティフネス特性を示す。マイクロステップ
の分割数は8(n=3)である。図27の励磁状態S0、
S1、S2、…などに、図28のスティフネス特性S0、
S1、S2、…などがそれぞれ対応する。図28のP1、
P2、P3、…などは、ロータ6のトルクが移送体の負
荷と釣りあう安定点である。移送体による負荷トルク
は、移送体の状態(重さ、摩擦など)が変化しない限り
一定であるために、図28においては、横軸に平行な直線
となる。負荷とスティフネス特性との交点が安定点とな
る。励磁状態をS1→S2→S3→…と順に切り替える
と、ロータ6がP1→P2→P3→…と回転する。
【0134】励磁状態状態S0〜S7を順に追って、2
相励磁駆動およびマイクロステップ駆動の切り換えを説
明をする。初期の励磁状態S0においては、ヘッドが方
向指令DIRで規定される方向へマイクロステップ駆動で
移動している。分割数が8であるから0.125ステップ刻
みでP0→P0.125→P0.250→P0.375→P0.500→…
→P1と、状態S0からS1へと遷移する。
【0135】状態S1へ遷移する前に、切り換え指令MS
/2Pが、「1」(マイクロステップ駆動を表す)から
「0」(2相励磁駆動を表す)へ変化する。アップダウ
ンカウンタ10の出力の下位ビットAn-1〜A0がすべて
「0」となるとき、すなわち状態S1が始まるときに、
切り換えタイミング調整回路213のDフリップフロップ1
1aは、ANDゲート11bの出力によって、切り換え指令MS/2
Pをラッチして、データ選択信号DSELをマルチプレクサ2
15aおよび215bの制御端子に出力する。状態S0からS
1の直前(S0.875)まではSEL=「1」なので、マルチ
プレクサ215aおよび215bは、ROM9aおよび9bの内容を
選択して、電流ドライバ8aおよび8bに出力する。
【0136】送り補正値発生器211は、方向指令DIRおよ
び負荷LOADに基づき、送り補正値を加算器212に出力す
る。加算器212は、アップダウンカウンタ10からのアド
レスおよび送り補正値を加算して、ROM9aおよび9bに
出力する。送り補正値(図27では補正値は+2)が加算
されることによって、マイクロステップ駆動の電流パタ
ーンの位相をシフトすることができる。ここでは、状態
がマイクロステップ駆動の特性曲線S1.250から2相励
磁駆動の特性曲線S1に遷移することになる。その結
果、図28に示すように、マイクロステップ駆動および2
相励磁駆動のスティフネス特性の曲線と、負荷トルクを
表す直線とが1点において交わる安定点P1で、マイク
ロステップ駆動から2相励磁駆動を切り換えることがで
きる。こうすることで、負荷が存在する状態において、
なめらかな切り換えが可能になる。
【0137】このような送り補正値を加算しない場合、
つまり図28において、マイクロステップ駆動の曲線S1
から、2相励磁駆動の曲線S1へと状態が遷移する場
合、駆動方式を切り換えるときにヘッドは、安定点P0.
750からP1へ移動することになる。実施例5によれ
ば、駆動切り換え時に、このような不連続な移動を避け
ることができるという効果がある。
【0138】状態S1から状態S4の直前までは2相励
磁駆動が選択されている。アップダウンカウンタ10に送
りパルスCLKを入力し続けると、アップダウンカウンタ1
0の上位ビットAnおよびAn+1が変化し、2相励磁信号
発生器214aおよび214bの電流指令量を出力する。図27で
は、S1→S2→S3→S4とデータ選択信号DSELが有
効な間、2相励磁駆動をおこなう。ロータ6は、図28に
示すスティフネス特性の安定点をP1→P2→P3→P
4と回転する。2相励磁駆動の発生トルクは、マイクロ
ステップ駆動の発生トルクに比べて大きい。したがって
P1〜P4までは、大きいトルクによって移送体を高速
に移動させることができる。
【0139】次に、状態S3から状態S4の間で、切り
換え指令MS/2Pが「0」(2相励磁駆動)から「1」
(マイクロステップ駆動)へ変化する。アップダウンカ
ウンタ10の出力の下位ビットAn-1〜A0が全て「0」と
なる状態、すなわち、状態S4がはじまるときに、切り
換え指令MS/2PをDフリップフロップ11bの出力によって
ラッチすることによって、データ選択信号DSELを、マル
チプレクサ215aおよび215bの制御端子に出力する。デー
タ選択信号DSELは「1」なので、マルチプレクサ215aお
よび215bは、状態S4においては、ROM9aおよび9bか
らの出力を選択して、電流ドライバ8aおよび8bに出力す
る。
【0140】前述したように、送り補正値発生器211
は、方向指令DIRおよび負荷LOADに基づき、送り補正値
を加算器212に出力する。送り補正値(図27では補正値
は+2)がアップダウンカウンタ10から出力されたアド
レスに加算されることによって、マイクロステップ駆動
の電流パターンの位相をシフトすることができる。ここ
では、状態が2相励磁駆動の特性曲線S4からマイクロ
ステップ駆動の特性曲線S4.250に遷移することにな
る。その結果、図28に示すように、マイクロステップ駆
動および2相励磁駆動のスティフネス特性の曲線と、負
荷トルクを表す直線とが1点において交わる安定点P4
で、2相励磁駆動からマイクロステップ駆動を切り換え
ることができる。
【0141】再び、0.125ステップ刻みでP4→P4.125
→P4.250→…→P4.750→P5と、状態S4から状態S
5へ遷移する。
【0142】図27のS6において方向指令DIRが反転す
ることによって、アップダウンカウンタ10のアップダウ
ンが反転すると同時に、送り補正値が変更(例えば、+
2から−2へ変更)される。S6以降は、移送体が逆の
向きへ移動する。方向指令DIRが反転したときのマイク
ロステップ駆動と2相励磁駆動との切り換え動作は、方
向が逆になる点と送り補正値の符号が反転する点とを除
いて同様である。
【0143】本発明によるステッピングモータ駆動装置
の実施例5においては、マイクロステップ駆動用の電流
指令テーブルをROM9aおよび9bから読み出すときに、
読み出しアドレスを送り補正値によってシフトする。言
い換えると、電流パターンの位相をシフトすることによ
り、負荷が存在するときにおいて、2相励磁駆動および
マイクロステップ駆動を切り換えるときに発生する、ト
ルク発生量の差を抑制することができる。その結果、駆
動方式の切り換えによる振動を低減することができる。
2相励磁駆動およびマイクロステップ駆動の併用によ
り、高速に移送体の移動がおこなえ、かつ大きな外乱を
加えることなく移送体の微小送りを高精度におこなえ
る。
【0144】図29(a)および(b)は、それぞれ、従来例お
よび実施例5における、トラッキング誤差信号TE、フォ
ーカス誤差信号FEおよびステッピングモータの電流指令
量Iを示す。いずれも駆動方式を2相励磁駆動からマイ
クロステップ駆動に切り換えて、その後、ステッピング
モータを停止している。横軸が時間軸を表し、縦軸は各
信号の電圧を表す。図29(a)に示す従来例においては、
2相励磁駆動からマイクロステップ駆動へ切り換えた後
に、レンズ揺れが発生する。そのため、トラッキング誤
差信号TEの周波数が変動し(図29(a)のグラフでは、粗
密の部分が発生し)、フォーカス信号FEにうねりが発生
する。いっぽう、図29(b)に示す実施例5においては、
ヘッドの振動が抑制される結果、特にフォーカス誤差信
号FEの変動が軽減される。
【0145】実施例5で用いた送り補正値を求める手順
を以下に説明する。図30は、移送体(不図示)の停止位
置とステッピングモータの回転指令位置との関係を、2
相励磁駆動とマイクロステップ駆動との場合について示
す。図30に示すように、通常は、ヒステリシスカーブが
求められる。それぞれの駆動方式のヒステリシス量の差
は、駆動方式のスティフネス特性のグラフの傾きの差に
起因している。図30の△sに相当する量を送り補正値と
して用いればよい。通常、移送体として光ディスクヘッ
ドやプリンターのヘッドなどを考えたとき、負荷はほぼ
一定とみなせる。したがって、実験的に求められた△s
を、固定して用いればよい。
【0146】上述のヒステリシスカーブを求めるかわり
に、送り補正値を実際に変化させることによって、適当
な送り補正値を決めてもよい。すなわち、送り補正値を
ゼロから少しずつ増加させ、2相励磁駆動によるヒステ
リシスとマイクロステップ駆動によるヒステリシスとの
差が所定の誤差以下になったときの送り補正値を用いて
もよい。
【0147】(実施例6)図31は、本発明によるステッ
ピングモータ駆動装置の実施例6の構成を示す。実施例
6の構成は、ROM9aおよび9bの出力が、乗算器311aお
よび311bを介して、マルチプレクサ215aおよび215bに与
えられる点を除き、実施例5と同様である。実施例6に
おいては、乗算器311aおよび311bによって、ROM9aお
よび9bに格納されたマイクロステップ駆動の電流指令量
を変化させることができる。この電流指令量の変化は、
移送体を停止するときに、電流制限信号PSによっておこ
なう。また電流制限信号PSは、送り補正値発生器211に
与えられ、送り補正値を変更する。
【0148】図32(a)は、電流制限をしない場合のステ
ィフネス特性を示す。図32(b)は、図32(a)の電流の半分
に電流制限をした場合のスティフネス特性を示す。図32
(a)において、スティフネス特性S1a(同図の太い実
線)と負荷トルクとがつりあった点Pで移送体は停止し
ている。この状態で電流を半分にすると発生トルクが半
分になり、その結果、停止位置Pの位置がずれる。そこ
で電流指令量を半分にすると同時に、ステッピングモー
タの駆動位相をQからRへ(補正値:+3)シフトさ
せ、スティフネス特性S2b(図32(b)の太い実線)へ
切り換える。乗算器311aおよび311bと、送り補正値発生
器211ユニットとを併用することにより、駆動電流の低
減と、停止点での位置ずれ防止とが可能になる。
【0149】上述のように、電流指令量を減らすととも
に、電流指令量のパターンの位相をシフトさせること
は、単一の駆動方法を用いる場合にも効果がある。言い
換えると、実施例6においては、2相励磁駆動およびマ
イクロステップ駆動を切り換えてヘッドを駆動するが、
必ずしも2種類の駆動方式を用いる必要はない。例え
ば、マイクロステップ駆動だけを用いる場合にも、適用
できる。
【0150】(実施例7)図33は、本発明のステッピン
グモータ駆動装置の実施例7の構成を示す。実施例7の
構成は、2相励磁信号発生器214aおよび214bの出力を、
乗算器331aおよび331bを介して、マルチプレクサ215aお
よび215bに与える点、実施例5の送り補正値発生器211
がない点、および切り換えタイミング調整回路333がパ
ワー指令POWを乗算器331aおよび331bに与える点を除
き、実施例5と同様である。
【0151】乗算器331aおよび331bは、パワー指令POW
に基づき、2相励磁駆動用の電流指令量を変化させる。
具体的には2相励磁信号発生器214aおよび214bから出力
された電流指令量に、適当な係数をかけることによっ
て、2相励磁駆動およびマイクロステップ駆動の切り換
えがなめらかにおこなわれるようにする。
【0152】図34は、各部の信号の切り換えタイミング
を示す。図35は、図34の切り換えタイミングの主要なス
ティフネス特性を示す。マイクロステップの分割数は8
(n=3)である。図34の励磁状態S0〜S5のそれぞ
れに、図35のスティフネス特性のS0〜S5が対応す
る。状態S0からS2の直前までは、2相励磁信号発生
器214aおよび214bにより、2相励磁駆動がおこなわれて
いる。状態S1からS2までの間に、切り換え指令MS/2
Pが変化することによって、駆動方式が2相励磁からマ
イクロステップ駆動へ切り換えられる。乗算器331aおよ
び331bによってA相およびB相の電流指令量を、状態S
4の直前まで順次、低減させる。状態S4からは、RO
M9aおよび9bのデータに基づきマイクロステップ駆動を
おこなう。図35を参照すると、状態S2およびS3にお
ける2相励磁駆動のスティフネス特性は、状態S4にお
けるマイクロステップ駆動のスティフネス特性に漸近す
るようすがわかる。このように2相励磁駆動のスティフ
ネス特性が徐々にマイクロステップ駆動のスティフネス
特性に近づくことは、トルクが過度に変化することを防
ぐことにつながる。マイクロステップ駆動から2相励磁
駆動への遷移は、逆に2相励磁駆動の電流指令量を徐々
に増加させることによっておこなう。
【0153】実施例7によれば、2相励磁駆動の電流指
令量を乗算器331aおよび331bによって減少させた状態で
マイクロステップ駆動へ切り換える。これにより、2相
励磁駆動とマイクロステップ駆動との切り換え時に発生
する、発生トルクの変化を抑制し、切り換えによって生
じる振動を低減できる。なお、実施例7は、実施例4と
同様な効果を得ることもできる。すなわち、所定の速度
以下でステッピングモータを回転させる場合は、乗算器
によって電流指令値を低減することによって、低速回転
時に発生する余剰トルクを低減し、それにより発生振動
を低減できる。図36は、実施例7を用いたヘッド駆動装
置の送り速度と発生する振動との関係をグラフに示す。
図36の横軸は、移送体の移動速度(単位は、パルス/
秒)を表し、縦軸は、移動方向の発生振動(単位は、G
であり、1G=9.8m/s2)を表す。従来例と比較する
と、送り速度全域にわたり、発生振動を30〜40%程度、
低減できることがわかる。
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、2相励磁駆動およびマ
イクロステップ駆動に用いる電流パターン中の電流指令
値が等しい点において、2つの駆動方式を切り換える。
このことにより、2相励磁駆動により移送体を高速に移
動させ、マイクロステップ駆動により大きな外乱を加え
ることなく移送体を高い分解能で移動させ、かつ2相励
磁駆動とマイクロステップ駆動とを高速、かつ滑らかに
切り換えることができる。
【0155】また本発明によれば、各相の電流は、従来
例による電流テーブルによって流れる各相の電流比を一
定に保ったまま、少なくとも一方のコイルには最大の電
流を流す。このことにより、マイクロステップ駆動をお
こなう場合に、そのステップ毎の安定点の間隔を変える
ことなく、トルクを部分的に大きくすることによって、
ヘッドの位置決め誤差が少なくすることができる。
【0156】また本発明によれば、マイクロステップ駆
動または2相励磁駆動をおこなう場合、ステッピングモ
ータを所定の速度以下で駆動するときに発生する余剰ト
ルクを低減する。このことにより、振動の発生を抑制す
ることができる。
【0157】また本発明によれば、マイクロステップ駆
動に用いる電流パターンの位相をシフトすることによ
り、マイクロステップ駆動および2相励磁駆動の発生ト
ルクが等しい点において、2つの駆動方式を切り換え
る。このことにより、負荷をもつステッピングモータに
おいて、振動の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を用いたヘッド駆動装置の構
成例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明によるステッピングモータ駆動装置のブ
ロック図である。
【図3】ROM9aおよび9bのアドレスと、各アドレスに
格納されたディジタルデータが表す電流指令量のグラフ
とを示す図である。
【図4】駆動方法の切り換えのタイミングを示す図であ
る。
【図5】図4の切り換えタイミングに対応する主要なス
ティフネス特性を示す図である。
【図6】(a)は、従来のマイクロステップ駆動用の電流
指令量を示す図である。(b)は、本実施例のマイクロス
テップ駆動用の電流指令量を示す図である。
【図7】(a)および(b)は、それぞれ図6(a)および図6
(b)の電流テーブルを用いたときのスティフネス特性を
示す図である。
【図8】(a)は、図6(a)に示す従来の電流テーブルを用
いたときの、(b)は、図6(b)に示す実施例2の電流テー
ブルを用いたときの、図1のヘッドの移動量の測定結果
を示す図である。
【図9】(a)は、安定点の位置が等間隔ではない場合の
変更前の電流テーブルを示す図であり、(b)は、(a)の電
流テーブルを、実施例2の方法で変更した電流テーブル
を示す図である。
【図10】本発明によるステッピングモータ駆動装置の
実施例3のブロック図である。
【図11】(a)は、従来と同様のマイクロステップ駆動
用の電流テーブルを示す図であり、(b)は、実施例1と
同様な電流テーブルを示す図である。
【図12】各部の信号のタイミングを示す図である。
【図13】図12のタイミングと対応する主要なスティフ
ネス特性曲線を示す図である。
【図14】本発明によるステッピングモータ駆動装置の
実施例4のブロック図である。
【図15】速度パルス変換器35のブロック図である。
【図16】絶対速度|v|と、切り換え指令MS/2Pとの
関係を示す図である。
【図17】速度比較器36の計算手順を示す図である。
【図18】絶対速度|v|と、電流計算器37の出力との
関係を示す図である。
【図19】図18に示す関数を実現する計算手順を示す図
である。
【図20】電流が変化したときの、安定点におけるステ
ィフネス特性を示す図である。
【図21】本発明によるステッピングモータ駆動装置の
実施例5のブロック図である。
【図22】マルチプレクサ215aの回路図である。
【図23】ROM9aおよび9bに格納された電流指令量を
表す図である。
【図24】2相励磁信号発生器214aおよび214bが生成す
る出力信号を示す図である。
【図25】(a)は、2相励磁信号発生器214aおよび214b
の入出力の関係を示す図であり、(b)は、(a)に示す関係
を実現する2相励磁信号発生器214aおよび214bの回路図
である。
【図26】(a)は、送り補正値発生器211の入出力の関係
を示す図であり、(b)は、移送体によるステッピングモ
ータの負荷にほぼ比例して、送り補正値を変化させると
きに用いる、負荷LOADと補正値との関係を示す図であ
る。
【図27】各部の信号のタイミングを示す図である。
【図28】図27のタイミングに対応する主要なスティフ
ネス特性を示す図である。
【図29】(a)および(b)は、それぞれ、従来例および実
施例5におけるトラッキング誤差信号TE、フォーカス誤
差信号FEおよびステッピングモータの電流指令量Iを示
す図である。
【図30】移送体の位置とステッピングモータの回転指
令位置との関係を示す図である。
【図31】本発明によるステッピングモータ駆動装置の
実施例6のブロック図である。
【図32】(a)は、電流制限をしない場合のスティフネ
ス特性を示す図であり、(b)は、(a)の電流の半分に電流
制限をした場合のスティフネス特性を示す図である。
【図33】本発明によるステッピングモータ駆動装置の
実施例7のブロック図である。
【図34】各部の信号の切り換えタイミングを示す図で
ある。
【図35】図34の切り換えタイミングの主要なスティフ
ネス特性を示す図である。
【図36】実施例7を用いたヘッド駆動装置の送り速度
と発生する振動との関係を示す図である。
【図37】従来のヘッド駆動装置の構成を示す概略斜視
図である。
【図38】(a)は、ステッピングモータ駆動装置の2相
励磁駆動の場合のA相およびB相の励磁シーケンスを示
す図であり、(b)は、ステッピングモータ駆動装置のマ
イクロステップ駆動の場合のA相およびB相の励磁シー
ケンスを示す図である。
【図39】(a)および(b)は、図38の励磁シーケンスをお
こなったときのステッピングモータのスティフネス特性
を示す図である。
【符号の説明】
3 ステッピングモータ 6 ロータ 7a、7b ステータ 8a、8b 電流ドライバ 9a、9b ROM 10 アップダウンカウンタ 11 切り換えタイミング調整回路 12 マスク回路 21 ステッピングモータ駆動装置

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータおよびn相(n:2以上の整数)
    のステータを有し、移送体を移動させるステッピングモ
    ータの駆動装置であって、 該ステータに、該ロータを第1ピッチで回転させる第1
    電流パターン、および該ロータを該第1ピッチとは異な
    る第2ピッチで回転させる第2電流パターンを、駆動切
    り換え信号に基づいて選択的に供給する駆動手段を備え
    ており、 該駆動手段は、該第1電流パターンおよび該第2電流パ
    ターンの瞬時電流が等しい点において、該第1電流パタ
    ーンおよび該第2電流パターンを切り換えて該ステータ
    に供給するステッピングモータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動手段は、前記第1電流パターン
    を表す第1電流データおよび前記第2電流パターンを表
    す第2電流データを格納する記憶手段と、該第1電流デ
    ータおよび該第2電流データに基づいて、該第1電流パ
    ターンおよび該第2電流パターンをそれぞれ発生するア
    ナログ・ディジタル変換手段と、を備えており、 該駆動手段は、該記憶手段のアドレスをシーケンシャル
    に読み出すことによって該第1電流データを該アナログ
    ・ディジタル変換手段に供給し、該記憶手段のアドレス
    をm(m:自然数)個おきに読み出すことによって該第
    2電流データを該アナログ・ディジタル変換手段に供給
    する、請求項1に記載のステッピングモータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段の前記アドレスをm(m:
    自然数)個おきに読み出す操作が、該アドレスの下位ビ
    ットをマスクすることによりおこなわれる請求項2に記
    載のステッピングモータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 ロータおよびn相(n:2以上の整数)
    のステータを有するステッピングモータの駆動装置であ
    って、 該ステータに、該ロータを第1ピッチで回転させる第1
    電流パターン、該ロータを該第1ピッチとは異なる第2
    ピッチで回転させる第2電流パターン、および該ロータ
    を第3ピッチで回転させる第3電流パターンを、駆動切
    り換え信号に基づいて選択的に供給する駆動手段を備え
    ており、 該駆動手段は、該第1電流パターンおよび該第3電流パ
    ターンの瞬時電流が等しい点において、該第1電流パタ
    ーンおよび該第3電流パターンを切り換えて該ステータ
    に供給し、該第1電流パターンおよび該第2電流パター
    ンの瞬時電流が等しい点において、該第1電流パターン
    および該第2電流パターンを切り換えて該ステータに供
    給するステッピングモータ駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、前記第1電流パターン
    を表す第1電流データおよび前記第2電流パターンを表
    す第2電流データを格納する記憶手段と、該第1電流デ
    ータおよび該第2電流データに基づいて、該第1電流パ
    ターンおよび該第2電流パターンをそれぞれ発生するア
    ナログ・ディジタル変換手段と、を備えており、 該駆動手段は、該記憶手段のアドレスをシーケンシャル
    に読み出すことによって該第1電流データを該アナログ
    ・ディジタル変換手段に供給し、該記憶手段のアドレス
    をm(m:自然数)個おきに読み出すことによって該第
    2電流データを該アナログ・ディジタル変換手段に供給
    する、請求項4に記載のステッピングモータ駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記記憶手段の前記アドレスをm(m:
    自然数)個おきに読み出す操作が、該アドレスの下位ビ
    ットをマスクすることによりおこなわれる請求項4に記
    載のステッピングモータ駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記第1電流パターンおよび前記第2電
    流パターンは、少なくとも4点において同一の瞬時電流
    をとり、 該第2電流パターンの1つの相電流が一定値をとると
    き、該第2電流パターンの他の相電流は、該第2電流パ
    ターンの各相電流の比が、該第1電流パターンの各相電
    流の比と等しくなるように変化する請求項1に記載のス
    テッピングモータ駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記第2電流パターンの1つの相電流
    は、0.5周期において一定値をとり、該一定値の絶対値
    は、前記第1電流パターンの各相電流の最大値と等しい
    請求項7に記載のステッピングモータ駆動装置。
  9. 【請求項9】 ロータおよびn相(n:2以上の整数)
    のステータを有し、移送体を移動させるステッピングモ
    ータの駆動装置であって、 該ステータに、該ロータを第1ピッチで回転させる第1
    電流パターン、および該ロータを該第1ピッチとは異な
    る第2ピッチで回転させる第2電流パターンを、駆動切
    り換え信号に基づいて選択的に供給する駆動手段を備え
    ており、 前記駆動手段は、前記第1電流パターンおよび前記第2
    電流パターンを切り換えるとき、該第1電流パターンの
    各相電流および該第2電流パターンの各相電流のいずれ
    かの位相をシフトすることにより、該第1電流パターン
    および該第2電流パターンによって発生するトルクを同
    じにする位相シフト手段を備えたステッピングモータ駆
    動装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動手段は、前記第1電流パター
    ンを表す第1電流データおよび前記第2電流パターンを
    表す第2電流データを格納する記憶手段と、該第1電流
    データおよび該第2電流データに基づいて、該第1電流
    パターンおよび該第2電流パターンをそれぞれ発生する
    アナログ・ディジタル変換手段と、を備えており、 前記位相シフト手段は、前記ステッピングモータの負荷
    と、前記ロータの回転方向とに基づいて位相シフト量を
    計算して、出力する位相シフト計算手段を備えており、 該駆動手段は、該第1電流データおよび該第2電流デー
    タのいずれかを読み出すときに、該位相シフト量に応じ
    たアドレスを、読み出すデータが格納されている該記憶
    手段のアドレスに加算する、請求項9に記載のステッピ
    ングモータ駆動装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動手段は、前記記憶手段から前
    記第1電流データおよび前記第2電流データを読み出す
    ための前記アドレスを指定するアップダウンカウンタを
    備えており、 該アップダウンカウンタがi(i:3以上の整数)ビッ
    トのアップダウンカウンタであり、下位(i−2)ビッ
    トがすべて「0」になるときに該第1電流パターンおよ
    び該第2電流パターンを切り換える請求項10に記載の
    ステッピングモータ駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記位相シフト量が所定の範囲を超え
    ない請求項10に記載のステッピングモータ駆動装置。
  13. 【請求項13】 前記位相シフト計算手段は、前記第1
    電流パターンによって移送体を駆動するときに発生する
    ヒステリシス特性および前記第2電流パターンによって
    移送体を駆動するときに発生するヒステリシス特性に基
    づいて前記位相シフト量を計算する請求項10に記載の
    ステッピングモータ駆動装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動手段は、前記第1電流データ
    および前記第2電流データのいずれかに定数を乗ずるこ
    とにより、前記第1電流パターンおよび前記第2電流パ
    ターンが切り換えられるときに、該第1電流パターンお
    よび該第2電流パターンによって発生するトルクを同じ
    にする電流可変手段を備えた請求項10に記載のステッ
    ピングモータ駆動装置。
  15. 【請求項15】 前記移送体を所定の速度以下で移動さ
    せるときには、前記第1電流データおよび前記第2電流
    データのいずれかに1より小さい定数を乗ずる請求項1
    0に記載のステッピングモータ駆動装置。
  16. 【請求項16】 前記駆動手段は、前記第1電流データ
    および前記第2電流データのいずれかに定数を乗ずるこ
    とにより、前記第1電流パターンおよび前記第2電流パ
    ターンが切り換えられるときに、該第1電流パターンお
    よび該第2電流パターンによって発生するトルクを同じ
    にする電流可変手段を備えた請求項1に記載のステッピ
    ングモータ駆動装置。
  17. 【請求項17】 前記移送体を所定の速度以下で移動さ
    せるときには、前記第1電流データおよび前記第2電流
    データのいずれかに1より小さい定数を乗ずる請求項1
    6に記載のステッピングモータ駆動装置。
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