JPH08148163A - 電池及びその製造方法 - Google Patents

電池及びその製造方法

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JPH08148163A
JPH08148163A JP6283024A JP28302494A JPH08148163A JP H08148163 A JPH08148163 A JP H08148163A JP 6283024 A JP6283024 A JP 6283024A JP 28302494 A JP28302494 A JP 28302494A JP H08148163 A JPH08148163 A JP H08148163A
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JP
Japan
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positive electrode
alkali metal
electrolyte layer
battery
particles
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JP6283024A
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English (en)
Inventor
Fumio Takei
文雄 武井
Hiroaki Yoshida
宏章 吉田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池及びその製造方法に関し、容量及び内部
抵抗は従来の電池と変わりなく維持しながら、機械的特
性が優れた高分子固体電解質を備える電池を得ようとす
る。 【構成】 導電性高分子からなる正極1及び機械的破壊
強度が高い粒子3が分散されてなる高分子固体電解質層
2及びアルカリ金属又はアルカリ金属とアルカリ土類金
属の合金からなる負極4が積層されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極物質に導電性高分
子、特に溶媒に可溶な導電性高分子を用いた電池及びそ
の製造方法の改良に関する。
【0002】現在、マイクロ・エレクトロニクス、特に
半導体デバイス製造技術の進歩に依って、大規模集積回
路(very large scale integr
ation:VLSI)に代表されるような高度に集積
化された高機能デバイスが実現されている。
【0003】このような高機能デバイスは、種々な電子
機器の制御系に導入することで、電子機器は飛躍的に小
型化され、多くの産業用機器、家電製品などの小型化及
び多機能化に貢献している。
【0004】通常、前記電子機器は、自立した電源装置
を持ち、商用電源などに依存することなく動作すること
が可能な所謂コードレス化の方向に進んでいる。その場
合、自立した電源装置として、一般的に電池が用いられ
ているので、電子機器全体の小型軽量化及び長時間オペ
レーションの為、高性能な電池の実現が求められてい
る。
【0005】近年、電子機器全体の小型軽量化に適した
電池として、正極活物質に導電性高分子物質を、また、
電解質に高分子固体電解質を用いたポリマー電池が期待
されている。ポリマー電池は、正極活物質が有機物質で
あるから軽量であり、また、この正極及び高分子固体電
解質は優れた柔軟性を持つ為、電子機器に合わせて、種
々な形状の電池を容易に作成することができる旨の利点
がある。
【0006】然しながら、既提案のポリマー電池には、
前記柔軟性に起因する新たな問題が存在し、その優れた
特質を充分に活かすことができない状態にあって、実用
上の信頼性を低下させているので、この問題を解消する
ことが必要である。
【0007】
【従来の技術】既提案のポリマー電池の正極活物質であ
る導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチフェ
ン、ポリアセチレン、ポリアニリンなどが使用されてい
る。
【0008】この導電性高分子を正極活物質として用い
る場合、例えば特開昭61−71552号公報に開示さ
れているように、導電性高分子物質を電解重合法に依っ
て析出させ、正極の電極としている。
【0009】また、負極の電極には、リチウムなどのア
ルカリ金属或いはアルカリ金属の合金或いはアルカリ金
属イオンを担持・吸蔵できる炭素化合物を用いている。
【0010】これらの正極及び負極は、非水溶液系の電
解質で接続することに依り、正極では還元反応、即ち、
導電性高分子にドーピングされたドーパントの離脱、所
謂、脱ドープ現象が進行し、同時に、負極では脱ドープ
量に対応した電気量で物質が酸化されて電解質中に拡散
し、その結果、両者の電気化学ポテンシャルの差に基づ
く電圧が出力されるものである。
【0011】こような電池は、その形状を薄い、例えば
1〔mm〕以下のシートにすることが可能であって、そ
の形状選択性は極めて高い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、ポリ
マー電池は、薄いシート状にすることができるなど、種
々の形状に構成することが可能であって柔軟性に富んで
はいるが、高分子固体電解質は流れ出さない程度に固体
化されていることが必要である。
【0013】前記高分子固体電解質として、具体的に
は、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリル、
ポリビニルピリジン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアル
コールなどの高分子マトリクスに過塩素酸リチウム、テ
トラフルオロほう酸リチウム、テトラフルオロスルホン
酸リチウムなどの無機塩及びプロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、γ−ブチルラクトンなどの有機
溶媒を含有させた所謂高分子電解質が用いられる。
【0014】この高分子固体電解質は、固体でありなが
ら、そのマトリクス中をイオンが移動できる為、正極及
び負極を高分子固体電解質で挟んで対向させることに依
って電池を形成することができる。
【0015】然しながら、前記高分子固体電解質は、機
械的強度が低く、大きな変形に対して永久破壊を生ずる
旨の問題がある。この問題を解消しようとして、高分子
固体電解質を機械的強度に優れた高分子材料の多孔質膜
に含浸し、総合的な強度を向上させる手段が採られてい
る。
【0016】然しながら、その手段を採った場合、高分
子材料多孔質膜の体積分だけ電解質成分が減少し、その
結果、電池容量の減少或いは内部抵抗の増大など、基本
的特性が低下する旨の欠点がある。
【0017】本発明は、容量及び内部抵抗は従来の電池
と変わりなく維持しながら、機械的特性が優れた高分子
固体電解質を備える電池を得ようとする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1及び図2は本発明の
原理に基づいて構成された基本的な電池を説明する為の
要部切断側面図である。
【0019】図に於いて、1は正極物質を被膜化した正
極、2は高分子固体電解質層、3は機械的破壊強度が高
い粒子、4は負極物質からなる負極、5は包装膜、6は
正極リード、7は負極リード、8はイオン導電性物質膜
をそれぞれ示している。
【0020】正極1を構成する正極物質には、ポリアニ
リン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレ
ン、或いは、これ等の誘導体を用いることができる。
【0021】図示されているように、正極物質を被膜状
として正極1を形成するには、溶液を平坦な板又は平坦
な網に塗布・展開し且つ乾燥することで成膜する、所
謂、キャスト法を適用したり、或いは、前記物質の単量
体からなる溶液中で電気分解で成膜する、所謂、電解重
合法を適用することができる。
【0022】負極4を構成する負極物質には、還元性が
大きい、即ち、容易に酸化される性質をもつ金属が使用
され、例えばアルカリ金属、好ましくはリチウム或いは
リチウム/アルミニウム合金が使用される。
【0023】高分子固体電解質層2を構成する電解質と
しては、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリ
ル、ポリビニルピリジン、ポリ塩化ビニル、ホリビニル
アルコールなど、比誘電率が高く、且つ、マトリクス中
で無機塩が容易に解離でき、また、イオンの輸送が速や
かに生じる系を用いることができる。
【0024】この系に、機械的破壊強度が高い粒子、例
えば絶縁性物質或いはイオン導電性物質からなる粒子3
を混在させることに依って、電池特性に大きな影響を及
ぼすことなく、高分子固体電解質層2の機械的強度を向
上させることが可能となり、しかも、電池形状の任意選
択性は失われないようにすることができる。
【0025】機械的破壊強度が高い粒子3としては、前
記した絶縁性物質やイオン導電性物質からなるもの、複
数の絶縁性物質で構成された複合体からなるもの、複数
のイオン導電性物質で構成された複合体からなるもの、
更には、図2に見られるように、絶縁物質をイオン導電
性を有する物質からなる膜8で被覆したものを用いても
良い。
【0026】粒子3が混在する高分子固体電解質層2を
得るには、予め、高分子固体電解質層2を構成する為の
高分子固体電解質の単量体溶液或いは高分子溶液に粒子
3を混合・分散させ、この溶液を塗布・展開し、所要の
手段、例えば、乾燥に依るフィルム化或いは光重合或い
は熱重合或いは光と熱に依る重合に依って固体化させる
ものである。
【0027】前記したところから、本発明に依る電池及
びその製造方法に於いては、 (1)導電性高分子からなる正極(例えば正極1)と、
前記正極に積層され且つ機械的破壊強度が高い粒子(例
えば機械的破壊強度が高い粒子3)が分散されてなる高
分子固体電解質層(例えば高分子固体電解質層2)と、
前記高分子固体電解質層に積層され且つアルカリ金属又
はアルカリ金属とアルカリ土類金属の合金又はアルカリ
金属イオンを担持・吸蔵可能な炭素化合物からなる負極
(例えば負極4)とを特徴とするか、或いは、
【0028】(2)前記(1)に於いて、機械的破壊強
度が高い粒子がガラス、セラミックス、非導電性の有機
高分子物質の中から選択された絶縁性物質からなること
を特徴とするか、或いは、
【0029】(3)前記(1)に於いて、機械的破壊強
度が高い粒子がイオン導電性物質からなることを特徴と
するか、或いは、
【0030】(4)前記(1)或いは(2)或いは
(3)或いは(4)或いは(5)或いは(6)或いは
(7)に於いて、正極が溶媒可溶性の導電性高分子のキ
ャスト膜及び電解重合膜の何れかで構成されてなること
を特徴とするか、或いは、
【0031】(5)キャスト法及び電解重合法の何れか
を適用して正極(例えば正極1)を作製する工程と、次
いで、前記正極上に機械的破壊強度が高い粒子(例えば
機械的破壊強度が高い粒子3)を分散した高分子量体溶
液からのキャスト法を適用して高分子固体電解質層(例
えば高分子固体電解質層2)を積層形成する工程と、次
いで、前記高分子固体電解質層上にアルカリ金属又はア
ルカリ金属とアルカリ土類金属の合金又はアルカリ金属
イオンを担持・吸蔵可能な炭素化合物からなる負極(例
えば負極4)を貼付積層する工程とが含まれてなること
を特徴とするか、或いは、
【0032】(6)キャスト法及び電解重合法の何れか
を適用して正極を作製する工程と、次いで、前記正極上
に機械的破壊強度が高い粒子を分散した電解質形成材料
の単量体からの電解重合法を適用して高分子固体電解質
層を積層形成する工程と、次いで、前記高分子固体電解
質層上にアルカリ金属又はアルカリ金属とアルカリ土類
金属の合金又はアルカリ金属イオンを担持・吸蔵可能な
炭素化合物からなる負極を貼付積層する工程とが含まれ
てなることを特徴とするか、或いは、
【0033】(7)アルカリ金属又はアルカリ金属とア
ルカリ土類金属の合金又はアルカリ金属イオンを担持・
吸蔵可能な炭素化合物からなる負極を形成する工程と、
次いで、前記負極上に機械的破壊強度が高い粒子を分散
した高分子量体溶液からのキャスト法を適用して高分子
固体電解質層を積層形成する工程と、次いで、前記高分
子固体電解質層上にキャスト法及び電解重合法の何れか
を適用して形成した正極を貼付積層する工程とが含まれ
てなることを特徴とするか、或いは、
【0034】(8)アルカリ金属又はアルカリ金属とア
ルカリ土類金属の合金又はアルカリ金属イオンを担持・
吸蔵可能な炭素化合物からなる負極を形成する工程と、
次いで、前記負極上に機械的破壊強度が高い粒子を分散
した電解質形成材料の単量体からの電解重合法を適用し
て高分子固体電解質層を積層形成する工程と、次いで、
前記高分子固体電解質層上にキャスト法及び電解重合法
の何れかを適用して形成した正極を貼付積層する工程と
が含まれてなることを特徴とする。
【0035】
【作用】本発明に依れば、電池に於ける高分子固体電解
質層中に絶縁性或いはイオン導電性であって機械的破壊
強度が高い粒子が混在した構成になっていて、高分子固
体電解質層の電気的特性を維持したまま、機械的強度を
向上させることができ、しかも、電池形状の任意選択性
は失われることがない。
【0036】この場合の機械的強度の向上は、特に電池
の面の垂直方向に加わる圧縮応力に対して有効である。
一般的な高分子固体電解質層では、その導電率向上の為
にガラス転移点が低くなっていて、機械的圧縮に依って
容易に変形を生じ、最悪の場合、正極と負極とが短絡す
る可能性がある。
【0037】然しながら、前記したように、高分子固体
電解質層中に固い粒子を混合・分散させておくことで、
機械的圧縮応力は前記粒子に担持され、高分子固体電解
質層に変形を生ずることはない。
【0038】また、このように、高分子固体電解質層中
に機械的破壊強度が高い粒子を混在させても、その量は
高分子固体電解質の1/10以下であるから、高分子固
体電解質を高分子材料多孔質膜に含浸させる場合のよう
に、電池容量が減少したり、内部抵抗が増大することも
ない。
【0039】
【実施例】本発明に於ける第一実施例として、図1に見
られる電池を製造する工程について説明する。
【0040】(1) 1N塩酸酸性の0.2Mアニリン
水溶液にアニリンと等モルの過硫酸アンモニウムを添加
し、−5〔℃〕で化学重合させることで、溶媒可溶性の
ポリアニリンを得た。
【0041】(2) 次に、このポリアニリンをアンモ
ニア水溶液中で煮沸還流したのち、ヒドラジンで還元
し、純水で洗浄後、加熱・乾燥して、脱ドーピングされ
た還元体を得た。
【0042】(3) 次に、このポリアニリン1部をN
−メチル−2−ピロリドン90部に溶解して得た溶液を
ASTM(American Society ofT
esting Materials)に於けるSUS3
04のステンレス・メッシュ上に流延し、80〔℃〕で
1〔時間〕の減圧乾燥を行って正極1を得た。
【0043】(4) 次に、ポリエチレンオキサイド
(分子量20000)10部にアセトニトリル30部、
トリフロロスルホン酸リチウム1部、炭酸プロピレン5
部を混合してなる溶液に直径0.10〔mm〕乃至0.
13〔mm〕のガラス製ビーズ球1部を混合し、十分に
攪拌混合したのち、速やかに前記のポリアニリンからな
る正極1上に展開し、80〔℃〕で2〔時間〕の減圧乾
燥を行って正極1と高分子固体電解質層2とが密着した
構造の電池の半製品を得た。
【0044】(5) 次に、前記半製品の高分子固体電
解質層2側に負極4となる厚さ0.3〔mm〕のリチウ
ム箔を圧着する。
【0045】(6) 次に、正極1に正極リード6を、
また、負極4に負極リード7をそれぞれ固着する。
【0046】(7) 次に、アルミニウム・ラミネート
・フィルムを用いて全体をヒート・シールに依って包装
膜5を形成し、図1に見られる電池を完成させた。
【0047】本発明に於ける第二実施例として、図2に
見られる電池を製造する工程について説明する。
【0048】(1) 第一実施例と全く同じプロセスを
採って正極1を得た。
【0049】(2) 次に、ポリアクリロニトリル(分
子量10000)5部にアセトン20部、トリフロロス
ルホン酸リチウム1部、炭酸プロピレン5部を混合して
溶液を調製し、周囲をポリエチレンオキサイドからなる
イオン導電性物質膜8で覆った直径0.05〔mm〕乃
至0.08〔mm〕のガラス製ビーズ球1部を混合し、
十分に攪拌混合したのち、速やかに前記のポリアニリン
からなる正極1上に展開し、80〔℃〕で2〔時間〕の
減圧乾燥を行って正極1と高分子固体電解質層2とが密
着した構造をなす電池の半製品を得た。
【0050】(3) 次に、第一実施例と全く同じプロ
セスを採って、負極4の形成、正極リード6及び負極リ
ード7の取り付け、包装膜5の形成を行って図2に見ら
れる電池を完成させた。
【0051】本発明に於ける第三実施例として、機械的
破壊強度が高い粒子がイオン導電性物質のみで構成され
ている電池を製造する工程について説明する。
【0052】(1) 第一実施例と全く同じプロセスを
採って正極を得た。
【0053】(2) 次に、ポリアクリロニトリル(分
子量10000)5部にアセトン20部、トリフロロス
ルホン酸リチウム1部、炭酸プロピレン5部を混合して
溶液を調製し、ポリエチレンオキサイド(分子量100
万)とトリフロロスルホン酸リチウムの等量混合物から
なる直径0.1〔mm〕のイオン導電性物質製ビーズ球
1部を混合し、十分に攪拌混合したのち、速やかに前記
のポリアニリンからなる正極1上に展開し、80〔℃〕
で2〔時間〕の減圧乾燥を行って正極と高分子固体電解
質層とが密着した構造をなす電池の半製品を得た。
【0054】(3) 次に、第一実施例と全く同じプロ
セスを採って、負極4の形成、正極リード6及び負極リ
ード7の取り付け、包装膜5の形成を行って電池を完成
させた。
【0055】本発明に於ける第四実施例として、機械的
破壊強度が高い粒子が中心と外側とで異なるイオン導電
性物質で構成されている電池を製造する工程について説
明する。
【0056】(1) 第一実施例と全く同じプロセスを
採って正極を得た。
【0057】(2) 次に、ポリアクリロニトリル(分
子量10000)5部にアセトン20部、トリフロロス
ルホン酸リチウム1部、炭酸プロピレン5部を混合して
溶液を調製し、ポリエチレンオキサイド(分子量100
万)とトリフロロスルホン酸リチウムの等量混合物から
なるイオン導電性物質製ビーズ球の外周にポリ(4−ビ
ニル−N−エチルピリジニウム)のトルフロロスルホン
酸塩を厚さ約50〔μm〕程度にコーティングした直径
0.2〔mm〕のイオン導電性物質製ビーズ球1部を混
合し、十分に攪拌混合したのち、速やかに前記のポリア
ニリンからなる正極1上に展開し、80〔℃〕で2〔時
間〕の減圧乾燥を行って正極と高分子固体電解質層とが
密着した構造をなす電池の半製品を得た。
【0058】(3) 次に、第一実施例と全く同じプロ
セスを採って、負極4の形成、正極リード6及び負極リ
ード7の取り付け、包装膜5の形成を行って電池を完成
させた。
【0059】前記第一実施例及び第二実施例の電池と比
較検討する為、比較例となる試料電池を作成した。
【0060】(1) 第一実施例と全く同じプロセスを
採って正極を得た。
【0061】(2) 次に、ポリアクリロニトリル(分
子量10000)5部にアセトン20部、トリフロロス
ルホン酸リチウム1部、炭酸プロピレン5部を混合して
なる溶液を調製し、ポリアニリンからなる正極上に展開
し、80〔℃〕で2〔時間〕の減圧乾燥を行って正極と
高分子固体電解質層とが密着した構造をなす電池の半製
品を得た。
【0062】(3) 次に、第一実施例と全く同じプロ
セスを採って、負極の形成、正極リード及び負極リード
の取り付け、包装膜の形成を行って比較例となる試料電
池を完成させた。
【0063】第一実施例並びに第二実施例に依って作製
した両電池は、ともに、開放電圧が3.2〔V〕、電流
密度が1〔mA/cm2 〕、内部抵抗が1〔kΩ〕であ
り、この電池特性は、比較例である試料電池と略同じで
あった。
【0064】然しながら、前記各電池の面内1〔c
2 〕に対して荷重を徐々に加えるようにし、正極と負
極が短絡して電池として作用不能になる荷重を求めたと
ころ、第一実施例の電池では10〔kg/cm2 〕、第
二実施例の電池では8〔kg/cm2 〕、第三実施例の
電池では8〔kg/cm2 〕、第四実施例の電池では6
〔kg/cm2 〕、比較例の試料電池では3〔kg/c
2 〕であり、第一実施例の電池及び第二実施例の電池
とも、比較例の試料電池を大きく上回る機械的強度が得
られた。
【0065】ところで、前記各実施例と比較例では、正
極及び高分子固体電解質層としてキャスト膜を用いた
が、これは電解重合膜に代替しても良く、ここで、両者
について更に詳細に説明する。
【0066】キャスト膜は、ポリマーを溶解する能力が
ある溶媒を適宜選択し、これに適当な濃度、例えば0.
1〔%〕〜50〔%〕程度になるようにポリマーを溶解
させて、この溶液をガラス板や金属板などの上に流延
し、溶媒を蒸発・乾燥させてポリマーの膜を得る。尚、
溶液を流延させる際、ドクターブレードやバーコーター
など、溶液を均一に延ばす器具を用いることもある。
【0067】キャスト膜を製造する場合、特殊な器具な
どは不要であり、簡易に作製することができ、また、成
膜の大きさは、流延・乾燥が可能な面積で決まり、大き
な制約はなく、電解重合膜に比較すると、成膜に要する
時間は短い旨の長所がある。
【0068】然しながら、溶媒を蒸発させる為、排気装
置や溶媒回収装置が必要であり、ポリマーの種類に依る
が、均一な成膜条件を得るには、種々と検討すべき事項
が多い。
【0069】電解重合膜は、ピロール、チオフェン、ア
ニリンなど、電解酸化に依って重合する性質がある単量
体(モノマー)及び溶液に導電性を与える為の電解質塩
を適当な溶媒に溶かしておき、この中に正負両極の電極
を浸漬し、電圧を印加して電流を流し、電解反応に依っ
てポリマー、即ち、ポリピロール、ポリチオフェン、ポ
リアニリンなどを得る方法で製造される。
【0070】電解重合膜を製造する場合、溶媒の蒸発が
少ない為、排気装置や溶媒回収装置を簡略化することが
でき、また、一般的に見て、均一な膜を得易いなどの長
所がある。
【0071】然しながら、その製造に電解重合装置や電
極など、特殊な器具を必要とし、前記したように、排気
装置や溶媒回収装置を簡略化できるが、全体として設備
が複雑であり、また、成膜可能な面積は、電解重合槽及
び電極の大きさで決まり、大面積の膜を製造することが
困難であり、キャスト膜に比較すると、成膜に要する時
間が長い旨の短所がある。
【0072】前記説明した差異はあるが、電解重合膜と
キャスト膜とでは、本質的な性能は同じであるから、必
要に応じて代替使用することが可能である。
【0073】
【発明の効果】本発明に依る電池及びその製造方法に於
いては、導電性高分子からなる正極及び機械的破壊強度
が高い粒子が分散されてなる高分子固体電解質層及びア
ルカリ金属又はアルカリ金属とアルカリ土類金属の合金
からなる負極とが積層されてなる。
【0074】前記構成を採ることに依り、機械的強度が
高い、特に、面に垂直な方向の圧縮応力に対して大きな
抵抗性をもつ電池を容易に得ることができ、また、前記
圧縮応力を受けても、それに依って電池特性が低下する
ことはないから、コードレス機器など、電池を使用する
装置の小型化に寄与することができ、安全性や経済性を
高めるのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理に基づいて構成された基本的な電
池を説明する為の要部切断側面図である。
【図2】本発明の原理に基づいて構成された基本的な電
池を説明する為の要部切断側面図である。
【符号の説明】
1 正極物質を被膜化した正極 2 高分子固体電解質層 3 機械的破壊強度が高い粒子 4 負極物質からなる負極 5 包装膜 6 正極リード 7 負極リード 8 イオン導電性物質膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性高分子からなる正極と、 前記正極に積層され且つ機械的破壊強度が高い粒子が分
    散されてなる高分子固体電解質層と、 前記高分子固体電解質層に積層され且つアルカリ金属又
    はアルカリ金属とアルカリ土類金属の合金又はアルカリ
    金属イオンを担持・吸蔵可能な炭素化合物からなる負極
    とを特徴とする電池。
  2. 【請求項2】機械的破壊強度が高い粒子がガラス、セラ
    ミックス、非導電性の有機高分子物質の中から選択され
    た絶縁性物質からなることを特徴とする請求項1記載の
    電池。
  3. 【請求項3】機械的破壊強度が高い粒子がイオン導電性
    物質からなることを特徴とする請求項1記載の電池。
  4. 【請求項4】正極が溶媒可溶性の導電性高分子のキャス
    ト膜及び電解重合膜の何れかで構成されてなることを特
    徴とする請求項1或いは2或いは3或いは4或いは5或
    いは6或いは7記載の電池。
  5. 【請求項5】キャスト法及び電解重合法の何れかを適用
    して正極を作製する工程と、 次いで、前記正極上に機械的破壊強度が高い粒子を分散
    した高分子量体溶液からのキャスト法を適用して高分子
    固体電解質層を積層形成する工程と、 次いで、前記高分子固体電解質層上にアルカリ金属又は
    アルカリ金属とアルカリ土類金属の合金又はアルカリ金
    属イオンを担持・吸蔵可能な炭素化合物からなる負極を
    貼付積層する工程とが含まれてなることを特徴とする電
    池の製造方法。
  6. 【請求項6】キャスト法及び電解重合法の何れかを適用
    して正極を作製する工程と、 次いで、前記正極上に機械的破壊強度が高い粒子を分散
    した電解質形成材料の単量体からの電解重合法を適用し
    て高分子固体電解質層を積層形成する工程と、 次いで、前記高分子固体電解質層上にアルカリ金属又は
    アルカリ金属とアルカリ土類金属の合金又はアルカリ金
    属イオンを担持・吸蔵可能な炭素化合物からなる負極を
    貼付積層する工程とが含まれてなることを特徴とする電
    池の製造方法。
  7. 【請求項7】アルカリ金属又はアルカリ金属とアルカリ
    土類金属の合金又はアルカリ金属イオンを担持・吸蔵可
    能な炭素化合物からなる負極を形成する工程と、 次いで、前記負極上に機械的破壊強度が高い粒子を分散
    した高分子量体溶液からのキャスト法を適用して高分子
    固体電解質層を積層形成する工程と、 次いで、前記高分子固体電解質層上にキャスト法及び電
    解重合法の何れかを適用して形成した正極を貼付積層す
    る工程とが含まれてなることを特徴とする電池の製造方
    法。
  8. 【請求項8】アルカリ金属又はアルカリ金属とアルカリ
    土類金属の合金又はアルカリ金属イオンを担持・吸蔵可
    能な炭素化合物からなる負極を形成する工程と、 次いで、前記負極上に機械的破壊強度が高い粒子を分散
    した電解質形成材料の単量体からの電解重合法を適用し
    て高分子固体電解質層を積層形成する工程と、 次いで、前記高分子固体電解質層上にキャスト法及び電
    解重合法の何れかを適用して形成した正極を貼付積層す
    る工程とが含まれてなることを特徴とする電池の製造方
    法。
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