JPH07134987A - 二次電池用正極部材および該部材を使用した二次電池 - Google Patents

二次電池用正極部材および該部材を使用した二次電池

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JPH07134987A
JPH07134987A JP5305989A JP30598993A JPH07134987A JP H07134987 A JPH07134987 A JP H07134987A JP 5305989 A JP5305989 A JP 5305989A JP 30598993 A JP30598993 A JP 30598993A JP H07134987 A JPH07134987 A JP H07134987A
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Japan
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electrode member
secondary battery
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JP5305989A
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Toshishige Fujii
俊茂 藤井
Toshiyuki Osawa
利幸 大澤
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Okitoshi Kimura
興利 木村
Nobuo Katagiri
伸夫 片桐
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 体積エネルギー密度が高くエネルギー容量の
大きな二次電池用正極部材及び該二次電池用正極部材を
用いた二次電池の提供。 【構成】 少なくとも1種類の電気化学的に酸化還元反
応を示し、かつ有機溶媒に可溶性の高分子材料、粒子状
無機物質およびドーパントを有することを特徴とする二
次電池用正極部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は高い容量密度とエネルギー密度を
有する二次電池用正極部材および該正極部材を使用した
二次電池に関する。
【0002】
【従来技術】近年リチウムを負極活物質として用いる二
次電池が高エネルギー密度を有する二次電池として注目
されている。リチウム電池の二次電池化には正極材料の
サイクル特性、成形加工性、高エネルギー密度化が重要
な課題となる。一般に、正極活物質としては遷移金属カ
ルコゲン化合物、導電性高分子を挙げることができる。
遷移金属カルコゲン化合物などの無機活物質のみでは導
電性が悪く、また自己成形性がないため、導電助剤、バ
インダーを大量に添加する必要がある。そのために期待
されるエネルギー密度を得ることが困難である。このた
め、軽量性、加工性などの利点をもつ導電性高分子を材
料とする正極電極の開発が進められている。導電性高分
子の例としてはポリアセチレン(例えば、特開昭56−
136489)、ポリピロール(例えば、第25回電池
討論会、講演要旨集、P2561・1984)、ポリア
ニリン(例えば、電気科学協会第50回大会、講演要旨
集、P2281・1984)などが報告されている。特
に、ポリアニリンを正極活物質として用いる電池は環境
安全性にすぐれ、充放電容量が大きく、また耐久性にす
ぐれる等の理由から、近年注目を集めている。一般に、
ポリアニリンの製造方法としては電気化学的酸化法と化
学酸化法とが知られており、電気化学酸化によるとき
は、重合体は電極上にフィルムとして得られ、化学酸化
法によるときは粉末として得られる。そこでかかるフィ
ルムや、あるいは粉末の成形物を用いた水系又は非水溶
剤系の電池が、従来、例えば、A.G.McDiarm
idらACS〔Polymer Preaprint
s,25,No.2,248(1984)〕,木谷ら
〔電気化学および工業物理化学、53(8),592
(1985)〕、小浦ら〔電気化学および工業物理化学
55(5),386(1987)〕、特開昭61−20
0669号公報等に種々報告されている。このような従
来のポリアニリンを用いる電池において、電気化学的に
ポリアニリンを得るときはポリアニリンが電極上に多孔
質膜として析出するのでこれをそのまま電極として用い
ることができ、従って電池の組立ても比較的容易であ
る。しかし、電気化学的方法によるポリアニリンの製造
には多大の電気エネルギーを必要とするため工業的に不
利であるうえに、得られる多孔質膜の強度が低く、ま
た、電極から容易に脱落するために種々の後加工が困難
である。大面積のフィルムの製造も容易ではない。他
方、前述したように化学酸化法によるポリアニリンは、
通常粉末として得られるので、電極として用いるには粉
末を加圧成形等の手段にて加工せざるを得ず、しかも得
られる成形物は脆く、割れやすいため薄膜化が容易では
ない。これらの手法で得られたポリアニリンは100%
の放電深度に対しても高いサイクル特性を示すなどの利
点があるが、密度が低いため体積あたりのエネルギー密
度が低いという欠点をもつ。また、樋口ら(特開平2−
220373)により、本来有機溶剤に不溶性とされた
導電性ポリアニリンをN−メチルピロリドン中に溶解さ
せ製膜溶液とし、この製膜溶液を適宜の支持基材上に塗
布した後、乾燥させることにより多孔質膜を得るという
方法が提案されている。この方法によって得られた膜は
50μm以下の薄膜においては前述の電気化学的酸化法
や化学酸化法で得られたポリアニリン膜に比べフレキシ
ブルな膜となり、密にパッキングされた膜となるため体
積エネルギー密度も高くなる。しかし、膜厚が50μm
以下であれば支持基材の金属箔の厚みとほとんど変わら
ない膜厚となり、活物質自体の体積当りのエネルギー密
度が多少高くなったとしても基材込みのエネルギー密度
としては低くなり塗布法を用いる意義が薄れてしまう。
そこで、この塗布法を充分に活用するためには50μm
以上の厚膜の作製が不可欠となる。しかし、50μm以
上の膜厚では比較的密にパッキングされた膜であるため
に膜内部のイオン拡散性及び液の浸透性に劣り、100
μm以上の膜厚では充分に活物質としての機能を示さな
くなる。また、100μm以上の膜では膜の内部応力が
大きくなり、支持基材からの剥離や膜のひび割れがおこ
りやすくなる。上記のように目的とする体積エネルギー
密度の高い二次電池用正極の作製は従来の方法では非常
に困難である。
【0003】
【目的】本発明は前記のような従来技術の問題点を解消
した二次電池用正極部材を提供し、かつ、体積エネルギ
ー密度が高くエネルギー容量の大きな二次電池の提供を
目的とする。
【0004】
【構成】本発明の特徴の1つは、活物質1および添加物
Aを溶解した有機溶媒中に少なくとも1種類の活物質2
を分散させた分散液〔以下、(A)液という〕から形成
した二次電池用正極部材にある。すなわち、本発明者ら
は前記二次電池用正極部材を二次電池の正極として用い
た場合に高い導電性を有し、かつ高い効率で充放電が行
われることを見い出した。特に、活物質1に対する活物
質2の混合比を50〜90%の重量比とし活物質2を実
質的に均質に分散させることにより、体積エネルギー密
度は著しい向上を示す。重量比が50%以下だとあまり
大きなエネルギー密度の向上はみられず、90%以上だ
と結着力および導電性が欠如し充分な性能をひきだすこ
とが不可能となる。
【0005】前記活物質1としては、例えばポリアニリ
ン類、ポリアニリノアニリン類、ポリピロール類、ポリ
アセチレン類等導電性高分子材料がある。これらの中で
も重量当りの電気容量が比較的大きく、さらに比較的安
定に充放電を行うことができるポリアニリンが好まし
い。これら高分子材料はポリアルキルチオフェン、ジメ
チルホルアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロ
フランなどの有機溶媒に溶解して使用される。
【0006】また、ドーパント(添加物A)としてはハ
ロゲン、ルイス酸、プロトン酸、有機電子受容体(有機
アクセプター)、電解質塩等が挙げられる。陰イオンと
してドーパントとなるものは、PF6 -,SbF6 -,A9
6 -,SbCl6 -のようなVa属の元素のハロゲン化物
アニオン:BF4 -,BR4 -(R:フェニル基、アルキル
基)のようなIIIa属の元素のハロゲン化物アニオン;
ClO4 -のような過塩素酸アニオン;Cl-,Br-,I
-のようなハロゲンアニオン、CF9SO8 -などが例示で
きる。陽イオンとしては、Li+,Na+,K+のような
アルカリ金属イオン、(R4N)+(R:炭素数1〜20
の炭化水素基)等が例示できる。上記のドーパントを与
える電解質塩の具体例としてはLiPF6,LiSb
6,LiAsF6,.LiClO4,NaClO4,K
I,KPF6,KSbF6,KAsF6,KClO4
〔(n−Bu)4N〕+・CF8SO9 -,〔(n−Bu)4
N〕+・ClO4 -,〔(n−Bu)4N〕+・BF4 -,L
iAlCl4,LiBF4,LiCF3SO3などを挙げる
ことができる。有機アクセプターとしては2,3−ジク
ロロ−5,6−ジシアノパラベンゾギノン(DDQ)、
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラシアノ
エチレン(TCNE)等を挙げることができる。ここ
で、A溶液中の前記添加物A濃度は0.1mol/l以
上、10mol/l以下、好ましくは、0.5mol/
l以上、6mol/l以下となるような量である。前記
濃度が、0.1mol/l以下では、膜の導電性の向
上、充放電効率の向上に大きな効果が期待できず、10
mol/l以上だと塩が溶けきらずに析出をおこしかえ
って効率やエネルギー容量の降下を招く。
【0007】以上のようにして得られた溶液又は分散液
は任意の形状の二次電池用正極に成形して用いることが
でき、例えば正極部材を支持基材に塗布し、乾燥させる
ことによりシート状電極を作製することができる。特に
その体積当りのエネルギー密度が大きいため、前記のよ
うな薄膜状のシート状電極としシート状二次電池用電極
として用いることが好ましい。すなわち、シート状二次
電池は非常に薄い電池であるためその厚みにおいて集電
体基板や外装材がその割合の多くを占め、電極活物質の
占める割合は積層タイプの厚みの大きい電池に比べ非常
に小さくなる。このことはエネルギー密度の大きな活物
質をシート状二次電池に採用しても電池全体で見た体積
当りのエネルギー密度は非常に小さくなることを示す。
したがって、シート状二次電池においてエネルギー密度
を上げるには体積エネルギー密度がより大きな活物質を
できるだけ厚く集電体基板上に支持させる必要がある。
活物質の体積エネルギー密度の大きさによっても異なる
が、通常その厚みは50μm以上である必要があり、そ
れ以下の膜厚の活物質であれば集電体基板を20μmと
いう薄板にしてもセパレーター、外装材等が存在するた
めその実装効率は50%以下となる。
【0008】本発明の前記正極部材は膜厚を50μm以
上としてもその体積当りのエネルギー密度の低下は見ら
れず、かつフレキシブルな膜であるため支持基材からの
剥離や膜のひび割れが生ずることがなくシート状電池に
適した二次電池用正極であることを見い出した。以上の
ようにして得られた本発明の電極部材は50μm以上の
膜厚においてもイオンの拡散性が非常に良くなり膜の性
能の低下はみられなかった。しかし、膜の外観は100
μmを超えたあたりから表面に入るひびがみえはじめ、
200μmになるとかなり大きなひびが入ることがあ
る。また、膜厚が大きくなるにつれてフレキシブル性が
低下する。そこで本発明においては、電極部材の薄膜を
完全に乾固させる前に流動性をなくさせた膜を完全に乾
固させたものを電極とすることにより高エネルギー密度
をもち、かつ100μmを超えた膜においてもフレキシ
ブル性を損なわないという事を見い出した。前記の膜の
流動性の低下は、例えば電極材料中に重合性モノマー、
例えばエトキシジエチレングリコールアクリレートを含
有させ、該モノマーを重合させる事により行うことがで
きる。また、上記の正極部材で作製したシート状薄型二
次電池用正極はそのまま該電極を構成する集電体基板を
電池の外装材の少なくとも一部として用いることがで
き、電池を構成する部材の厚みをより小さくすることが
可能となり、かつ該電池のエネルギー密度も著しく向上
させることができる。また、前記電解質塩は、該正極の
電池系において用いる電解質塩と同一のものを用いるこ
とにより非常に安定した充放電挙動を示す正極となるこ
とを見い出した。前記電解質塩の溶解方法としては活物
質1の有機溶媒液に前記電解質塩を溶解、好ましくは粉
末状で溶解させるが、前記溶液に電池系において実際に
使用する電解液を混合することにより電解質塩の溶解が
非常に簡便になり、活物質に対して電解質がなじみ易く
なりさらに安定性が期待される。
【0009】以下本発明のシート状薄型二次電池の構成
を具体的に説明する。正極活物質1としては、前記した
ような導電性高分子があげられ、また正極活物質2とし
ては、遷移金属のカルコゲン化合物である、TiO2
Cr38,V25,V36,NiO2,MnO2,CoO
2およびMoO3などの酸化物、TiS2,VS2,Fe
S,およびMoS3などの硫化物ならびにNbSe3など
のセレン化合物、V,Mn,Co,Niとアルカリ金属
との複合酸化物を液に分散しシート化したものがあげら
れる。前記正極形成成分には、必要に応じてさらに導電
助剤を添加することができる。このような導電助剤とし
ては、アセチレンブラック、アニリンブラック、活性
炭、グラファイト粉末などの導電性炭素粉末、PAN、
ピッチ、セルロース、フェノールなどを出発原料とした
炭素体、炭素繊維、Ti,Sn,Inなどの金属酸化物
粉末、ステンレス、ニッケルなどの金属粉末、繊維が挙
げられる。これらの導電助剤に要求される特性として高
い電気伝導度に加え少ない添加量での効果が要求され
る。また遷移金属のカルコゲン化物と導電性高分子との
複合体をシート化したものも用いることができる。負極
を構成する負極活物質としては、Li,K,Na等のア
ルカリ金属、LiとAl、Pb,Cd,Si,Ca,I
n,Zn,Mgとの合金、ポリアセチレン、ポリチオフ
ェン、ポリパラフェニレン、ポリピリジン、ポリフェニ
レンビニレン、ポリフェニレンキシリレン、ヘキサクロ
ロブタジエンの還元重合体等の高分子材料、炭素体、グ
ラファイトを挙げることができる。
【0010】電解質としては電解質塩と溶媒からなる電
解液、固体電解質を例示できるが、液漏れ防止、正負極
間の密度、間隔を一定に保つために高分子固体電解質を
用いることが好ましい。電解液を使用する場合は、セパ
レーターに電解液を含有させて使用することが好まし
い。電解質溶液を構成する溶媒としては、特に限定はさ
れないが、比較的極性の大きい溶媒が好適に用いられ
る。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブ
チロラクトン、ジオキソラン、トリエチルフォスフェー
ト、トリエチルフォスファイト、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、
ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコー
ル、スルフォラン、ジクロロエタン、クロルベンゼン、
ニトロベンゼンなどの有機溶媒の1種または2種以上の
混合物を挙げることができる。
【0011】セパレーターとしては、電解質溶液のイオ
ン移動に対して低抵抗であり、かつ、溶液保持性に優れ
たものが用いられる。例えば、ガラス繊維フィルタ;ポ
リエステル、テフロン、ポリフロン、ポリプロピレン等
の高分子ポアフィルタ、不織布;あるいはガラス繊維と
これらの高分子からなる不織布を用いることができる。
セパレーターは、前記したように融着性フィルムとして
兼用することができる。
【0012】固体電解質としては無機系、有機系のもの
が挙げられるが、フレキシビリティなどの点で有機系の
ものが例示される。例えば無機系ではAgCl,AgB
r,AgI,LiIなどの金属ハロゲン化物、RbAg
45,RbAg44CN等が挙げられる。又有機系で
は、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリルアミド等をポ
リマーマトリックスとして先に述べた電解質塩をポリマ
ーマトリックス中に溶解せしめた複合体、あるいはこれ
らの架橋体、低分子量ポリエチレンオキサイド、クラウ
ンエーテルなどのイオン解離基をポリマー主鎖にグラフ
ト化した高分子電解質、あるいは高分子量重合体に電解
液を含有させた高分子固体電解質が挙げられ、固体電解
質はそれのみで使用しても良いが電流密度の均一化、短
絡の防止を目的としてセパレーターと複合して使用する
ことが好ましい。集電体としては、ニッケル、チタン、
銅、ステンレス鋼、アルミニウムなどのような金属フィ
ルムを集電体と同時に基板として用いることが好まし
く、特にアルミニウムは安価、軽量であり、導電性が高
いため最も好ましい。
【0013】本発明の電池で用いる隔壁(フレーム)と
しては、絶縁体で電池要素と反応性がなく集電体あるい
は外装と接着可能なものが用いられる。具体的にはポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルな
どの樹脂層及び接着層とから構成される。接着層として
は変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン等の熱融着性
樹脂、エポキシ系、アクリル系、セラミック系接着剤が
例示できる。これらの中から樹脂層としてポリエチレ
ン、ポリプロピレン、接着層として変性ポリエチレン、
変性ポリプロピレンの組合せが集電体との接着性、安定
性の点で最も好ましい。以下に、本発明を具体的に実施
例により説明するが、ただし、本発明はこれら実施例に
より限定されるものではない。
【0014】
【実施例】
実施例1 N−メチルピロリドンに13wt%の濃度になるように
化学重合して得たポリアニリン(以下PANIという)
粉末を溶解し、該溶液に平均粒子径1μmの五酸化バナ
ジウム(以下V25という)粉末をPANIに対しPA
NI/V25=3/7の重量比で混合した(B液)。次
にプロピレンカーボネート(PC)/ジメトキシエタン
(DME)=7/3の体積比で混合された溶媒にTCN
Qを1mol/lの濃度で溶解調整した溶液(C液)と
前記B液とをB液:C液=3:1の体積比で混合した。
この該混合液を100℃で体積が2/3になるまで溶媒
を蒸発させた後、エトキシジエチレングリコールアクリ
レートを19.2mol%,メチルベンゾイルフォーメ
ートを0.8vol%混合したものを塗布液(D)とし
た。また、図1に示すように140×140mm,厚さ
30μmのアルミ箔基板(a)上に、外形140×14
0mmで、厚さ350μmのポリプロピレン隔壁(b)
を熱融着により接着した。次に、塗布液(D)を上記の
ポリプロピレン隔壁(b)で仕切られた基板(d)上に
液の厚みが30〜300μmになるように膜厚をそれぞ
れ変え、液面が平らになったのを確認後、高圧水銀灯を
照射したものを正極部材(c)とした。次に3MLiB
4/(プロピレンカーボネート+ジメトキシエタン)
(体積比7:3)の電解液80%、エトキシジエチレン
グリコールアクリレートを19.2%、メチルベンゾイ
ルフォーメートを0.8%混合した高分子固体電解質組
成物を25μmのポリプロピレンポアフィルター(商品
名セルガード)に浸透させたものを正極部材(c)に積
層させ高圧水銀灯を再び照射しゲル化させ、正極部材
(d)とした。一方、140×140mm,厚さ30μ
mの銅板(e)上に導電性接着剤で100μmのLi箔
(f)を貼り合わせ、Li上に上述した高分子固体電解
組成物を塗布した後、高圧水銀灯を照射し、Li上に電
解質を積層した。図2に示すように正極/電解質を積層
した電極部材(d)と負極(Li)/電解質を積層した
集電体基板付き負極(g)とを貼り合わせ隔壁部分を熱
融着し封止を行い、140mm×140mm×0.30
〜0.50mmのシート状薄型電池を作成した。本電池
を3.7Vまで充電後、50mA、2.5Vまで放電を
行った結果を図3に示す。膜厚が増すほどシート電池の
エネルギー密度は増加した。その後、本電池の折り曲げ
試験を行ったが、特にその性能に変化は見られなかっ
た。
【0015】実施例2 正極部材の調整においてB液とC液とを混合し、フレー
ムで仕切られた基板上に注ぎ完全乾固させて膜厚を10
0μmとする正極部材(c)を作る以外は実施例1と同
様にして正極部材および該正極部材を使用したシート状
薄型電池を作成した。この時正極部材(c)のエネルギ
ー密度は160mAh/cm3であった。その後、本電
池の折り曲げ試験を行ったが、特にその性能に変化は見
られなかった。
【0016】実施例3 正極部材の調整においてB液にTCNQを1mol/l
の濃度になるように溶解しフレームで仕切られた基板上
に注ぎ完全乾固させて膜厚を100μmとする以外は実
施例1と同様にして正極部材および該正極部材を使用し
たシート状薄型電池を作成した。この時、正極部材
(c)のエネルギー密度は130mAh/cm3であっ
た。その後、本電池の折り曲げ試験を行ったが、特にそ
の性能に変化は見られなかった。
【0017】実施例4 化学重合で得たPANI粉末をヨウ素ガスにさらすこと
によってドーピングさせたPANIを用いる以外は実施
例1と同様にして正極部材および該正極部材を使用した
シート状薄型電池を作成した。この時正極部材(c)の
エネルギー密度は135mAh/cm3であった。その
後、本電池の折り曲げ試験を行ったが特にその性能に変
化は見られなかった。
【0018】比較例1 C液をB液と混合しない以外は実施例1と同様に正極部
材及び該正極部材を使用してシート状薄型電池を作製し
た。その際に正極部材の膜厚を30〜300μmと変え
て活物質単体と正極部材(c)の体積当りのエネルギー
密度を測定し、その結果を図4に示す。
【0019】比較例2 五酸化バナジウムを混合しないが、他は実施例1と同様
にして正極部材および該正極部材を使用してシート状薄
型電池を作成した。その際に正極部材の膜厚は100μ
mとした。この時、正極部材(c)のエネルギー密度は
70mAh/cm3であった。その後、本電池の折り曲
げ試験を行ったが、特にその性能に変化は見られなかっ
た。
【0020】
【効果】本発明によると、厚膜化によるイオン拡散性お
よび液の浸透性の低下、更にはひび割れの問題が解消さ
れ、かつ高い容量密度とエネルギー密度を有する厚膜の
シート状二次電極用正極部材および該正極部材を正極と
した高エネルギー密度の二次電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の正極部材の構成部材および該正極部
材の製法工程を説明する図である。
【図2】実施例1の張り合わせ前の正極部材と集電体基
板付き負極を説明する図である。
【図3】実施例1の正極部材(c)の体積当りのエネル
ギー密度(mAh/cm3)および活物質単体の体積当
りのエネルギー密度(mAh/cm3)を示す図であ
る。
【図4】比較例1の正極部材(c)の体積当りのエネル
ギー密度(mAh/cm3)および活物質単体の体積当
りのエネルギー密度(mAh/cm3)を示す図であ
る。
【符号の説明】 (a) アルミ箔 (b) ポリプロピレン隔壁 (c) 実施例1の塗布液(D)で形成した正極部材 (d) 前記(c)の正極部材に高分子固体電解質組成
物を浸透ゲル化させた正極部材 (e) 銅基板 (f) Li箔 (g) 集電体基板付き負極 (D) 正極部材塗布液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 興利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 片桐 伸夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種類の電気化学的に酸化還
    元反応を示し、かつ有機溶媒に可溶性の高分子材料(以
    下、活物質1という)、粒子状無機物質(以下活物質2
    という)およびドーパント(以下、添加物Aという)を
    有することを特徴とする二次電池用正極部材。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種類の活物質1および添加
    物Aを有する有機溶媒に活物質2を混合した混合液から
    作製された請求項1記載の二次電池用正極部材。
  3. 【請求項3】 有機溶媒中に活物質1、活物質2、添加
    物Aおよび重合性モノマーを混合した混合液に重合性モ
    ノマーを重合させ流動性を低下させた後、有機溶媒を蒸
    発、乾固させたものであることを特徴とする二次電池用
    正極部材。
  4. 【請求項4】 活物質1に対する活物質2の混合比が5
    0〜90%(重量比)である請求項2または3記載の二
    次電池用正極部材。
  5. 【請求項5】 混合液中の添加物A濃度が0.1mol
    /l以上、10mol/l以下である請求項2,3また
    は4記載の二次電池用正極部材。
  6. 【請求項6】 二次電池用正極部材の作製に用いる有機
    溶媒が該二次電池用正極部材を使用する電池の電解液を
    配合したものである請求項2,3,4または5記載の二
    次電池用正極部材。
  7. 【請求項7】 二次電池用正極部材の作製に用いる添加
    物Aが、該二次電池用正極部材を使用する電池の電解液
    の電解質塩と同一である請求項2,3,4,5または6
    記載の二次電池用正極部材。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4,5,6または7
    記載の二次電池用正極部材を正極として用いたことを特
    徴とする二次電池。
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