JPH08147982A - 強誘電体メモリ装置 - Google Patents

強誘電体メモリ装置

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JPH08147982A
JPH08147982A JP7009992A JP999295A JPH08147982A JP H08147982 A JPH08147982 A JP H08147982A JP 7009992 A JP7009992 A JP 7009992A JP 999295 A JP999295 A JP 999295A JP H08147982 A JPH08147982 A JP H08147982A
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JP
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pulse
polarization
voltage
memory
thin film
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Application number
JP7009992A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yoshimori
博之 由森
Takashi Mihara
孝士 三原
Shuzo Hiraide
修三 平出
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SYMMETRICS CORP
Olympus Corp
Symetrix Corp
Original Assignee
SYMMETRICS CORP
Olympus Optical Co Ltd
Symetrix Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非破壊読み出しが可能であり、かつ高集積度の
強誘電体メモリ装置を提供する。 【構成】 一対の電極により挟持された強誘電体薄膜1
0を記憶セルとする強誘電体メモリと、この強誘電体メ
モリに強誘電体薄膜10の抗電圧よりも大きい電圧を有
する第1のパルスを印加して、自発分極の2つの状態の
うち第1の方向の分極状態に分極させる第1のパルス発
生回路13′と、第1のパルスとは逆極性の電圧を有す
る第2のパルスを印加して、第1の方向の分極状態を有
するドメインと、第1の方向とは逆方向の第2の方向の
分極状態を有するドメインとが混合した部分分極状態を
形成する第2のパルス発生回路14′とを具備し、強誘
電体メモリに対する情報の書き込みあるいは読み出し
を、第1の方向の分極状態と、部分分極状態とに基づい
て行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子回路等に使われる固
体型記録装置、特に強誘電体メモリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の発展は著しく、とりわ
け、コンピュータと画像装置の発展により、高密度で高
性能の記録装置が要求されている。この期待に応じてき
たのは、これまで、磁気テープ、フロッピーディスク、
光磁気ディスクといった外部記録装置あるいは半導体メ
モリ、すなわち、DRAM、SRAM、EPROM、E
EPROM、フラッシュメモリ等である。しかし、近い
将来、マルチメディアとコンピュータとの融合により、
1)不揮発である、2)高速低電圧駆動である、3)駆
動レスの固体メモリである、といった、より高性能でコ
ンパクトなメモリが必要とされるが、現状のメモリ技術
では対応できない。
【0003】これに応えるメモリとして、例えば、US
P4,873,664(S.Sheffield Ea
ton Jr.,Colorado Spring,C
O)に開示されているような強誘電体メモリがある。図
40は該特許に開示されている1実施例を示す。メモリ
セル301内の強誘電体薄膜容量302がスイッチング
素子で、FET303によりドライブされるDRAM方
式の蓄積容量を強誘電体容量に変えた構成となってい
る。メモリセル301はワードライン304、プレート
ライン305、ビットライン308につながり、その読
み出しは、センスアンプ(S/A)307で行なう。こ
の場合、Siデバイスの上に構成しているため、集積
度、コストともに半導体メモリのDRAMやFLASH
メモリと同程度になり、例えば、数100Mbyteの
メモリカードを作る場合には不都合である。
【0004】これに対して、USP5,060,191
に開示されている方法は、図41に示されるように、強
誘電体材料313で単純マトリクス構造を作り、314
と315の読み出しドライブ回路で信号検出する方式で
ある。単純マトリックスで構成されたメモリの大きな問
題は他セルとの干渉である。すなわち、あるセルを選択
し、書き込み/読み出しを行なう際に、電圧Vaを印加
した場合、選択しない非選択セルにもこの電圧が印加さ
れてしまう。また、セル数が大きくなるにつれて、選択
セルの入力側/出力側の電極ラインに接続される非選択
セルにはVa/2が印加されてしまう。そこで、USP
5,060,191では、選択セルに対する印加電圧V
aに対して、例えば、Va/3が非選択セルに印加され
るよう工夫して書き込み動作を行なう。また、読み出し
は、低インピーダンスの電圧を読み出して、非選択セル
からのノイズをカットしている。しかし、書き込み時に
選択セルの分極反転に必要な電圧Vaを印加すると、非
選択セルの分極状態は、Va/3の電圧ですら多数回の
印加により破壊されてしまう。
【0005】そこで、USP5,140,548(C.
J.Brennan)では、強誘電体内には空間電荷層
と中性領域の両方が存在して、図42のような容量・電
圧特性を作ると考え、負の電圧で書き込んだ320の状
態と正の電圧で書き込んだ321の状態で、ある抗電圧
Vth以下の電圧Vbを印加、この上に重畳したAC信
号により容量を測定すると、“1”状態では、322の
容量、“0”状態では、323の容量の2値が得られ、
この差で“1”、“0”を判別するというものである。
従って、書き込みを行なった後、空間電荷の緩和時間よ
り長い時定数でVbの読み出し電圧を印加し、緩和時間
より速い周波数成分を有する交流波形を印加することで
分極状態を変化させずに読み出しが行なえるとしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術の欠
点として、まず、図40の半導体との組み合わせは、そ
の実現性が比較的容易であるが、Siデバイス、すなわ
ち、スイッチング素子やFETを用いる事により、集積
度やコストはDRAMと変わらない。また、図41の単
純マトリックス構成の強誘電体メモリは、書き込み時
に、強誘電体セルの分極破壊に対する保証を具体的に開
示していない。また、図42の容量変化を使用する方法
は、単純マトリックスに適用した場合、書き込み時には
図41の問題をそのまま抱える。読み出し時において
も、S/N良く読み出しを行なおうとすると読み出し電
圧Vdをある程度の大きさで印加せねばならず、多数回
の印加により、やはり分極の変化が起こり、非破壊読み
出しにはならない。
【0007】本発明の強誘電体メモリ装置はこのような
課題に着目してなされたものであり、その目的とすると
ころは、非破壊読み出しが可能であり、かつ高集積度の
強誘電体メモリ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の強誘電体メモリ装置は、一対の
電極により挟持された強誘電体薄膜を記憶セルとする強
誘電体メモリと、この強誘電体メモリに前記強誘電体薄
膜の抗電圧よりも大きい電圧を有する第1のパルスを印
加して、自発分極の2つの状態のうち第1の方向の分極
状態に分極させる第1のパルス印加手段と、前記第1の
パルスとは逆極性の電圧を有する第2のパルスを印加し
て、前記第1の方向の分極状態を有するドメインと、前
記第1の方向とは逆方向の第2の方向の分極状態を有す
るドメインとが混合した部分分極状態を形成する第2の
パルス印加手段とを具備し、前記強誘電体メモリに対す
る情報の書き込みあるいは読み出しを、前記第1の方向
の分極状態と、前記部分分極状態とに基づいて行うよう
にしたことを特徴とする強誘電体メモリ装置。
【0009】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0010】まず、図1〜図6を用いて本発明の第1実
施例を説明する。図1に示すように白金等からなる2つ
の電極Pt 、Pt で挟持された強誘電体薄膜10は、該
電極に電圧が印加されると、印加電圧に対する分極量は
非線形に変化して図2(a)に示すようなヒステリシス
特性を示す。図2(b)にこのようなヒステリシス特性
と印加電圧に対する分極量の関係を示す。ヒステリシス
特性は通常1KHz程度の連続サイン波、または、三角
波を用いて測定される。Prを残留分極量、Psを飽和
分極量と称し、またPsとPrの差をバックスイッチン
グと称する。Vc′はヒステリシス特性から求められる
抗電圧、VcはPr−V特性から求められる抗電圧であ
り、これら2つは必ずしも一致しないがほぼ等しい値と
なる。また、抗電圧Vc′は一般に分極が0になるとき
の電圧として定義されるが、抗電圧Vcはここでは、分
極が完全に破壊されるときの電圧と全然破壊されないと
きの電圧との中間電圧として定義される。
【0011】ここで、(I)の領域は連続波の印加で
は、第1のパルスにて第1の方向に分極設定された分極
状態から、分極反転、つまり、分極の変化が起こらない
領域であり、(III)は第1の方向に分極設定された分極
を、ほぼ第2の方向に反転させた分極状態を有する領域
である。(II)は部分分極状態である。部分分極とは、第
1の方向の分極と第2の方向の分極との混合状態を有す
る分極状態である。
【0012】この部分分極を単一パルスを用いて作る方
法を図3に示す。まず、図3(a)に示すようにパルス
幅te、パルス高Veを有する第1のパルスにより十
分、負に分極した後、強誘電体薄膜10のスイッチング
時間tsの5倍以上のパルス幅twを持つ高さVwの第
2のパルスを印加し、その時の分極反転量を評価したも
のが図3(b)である。(I)、(II)、(III)は図2
(b)と同様の領域である。この場合、(II)の領域はパ
ルス幅twを有する第2のパルス印加後も極めて安定に
存在する事を示している。
【0013】図4(b)は、図4(a)に示すように、
第1、第2のパルスを印加した後に高さVrを有する第
3のパルスを印加して、得られた電荷量と印加パルス数
との関係をパルス高Vwをパラメータとして示したもの
であり、パルス高Vwを強誘電体薄膜10の抗電圧Vc
の0.3〜1.5倍、パルスの数を1〜104 まで変化
させた場合の結果である。ここで斜線部の領域は部分分
極の領域である。パルス高Vwが抗電圧Vc程度の大き
さの場合、パルス幅twをスイッチング時間tsの1/
3とすると、3〜30回程度のパルス印加で部分分極を
起こす事ができる。
【0014】図5は上記のことをパルスの高さVwと幅
twで整理して示すものである。同図中、斜線部で示さ
れるパルス幅twとパルス高Vwを有する第2のパルス
により強誘電体薄膜10の分極を部分分極状態とする事
ができる。
【0015】以上により、一対の電極Pt 、Pt により
挟持された強誘電体薄膜10を記憶セルとして、まず、
強誘電体薄膜10の抗電圧Vthよりも大きい電圧を有す
る第1のパルスを印加して、自発分極の2つの状態のう
ち第1の方向の分極状態に分極させ、次に、前記第1の
パルスとは逆極性の電圧を有する第2のパルスを印加す
る。これによって、前記第1の方向の分極状態を有する
領域と、前記第1の方向とは逆方向の第2の方向の分極
状態を有する領域とが混合した部分分極状態を安定して
形成することができる。
【0016】以下に図6に基づき、部分分極を発生する
ための強誘電体メモリ装置の構成、および、動作を説明
する。図6(a)は回路図であり、13′は第1のパル
スを発生する第1のパルス発生回路であり、14′は第
2のパルスを発生する第2のパルス発生回路であり、1
5′は第3のパルスを発生する第3のパルス発生回路で
あり、11、12は切り替えスイッチ、10は強誘電体
薄膜、16は読み出し時以外の負荷容量、17は読み出
し時の負荷容量であり、18はセンス回路である。
【0017】図6(b)にパルストレインを示す。13
は第1のパルス、14は第2のパルス、15は第3のパ
ルスを示す。これらのパルスは切り替えスイッチ11を
切り替えることにより選択される。強誘電体薄膜10は
第1のパルス13により第1の方向(負の方向)に分極
設定され、その後、第2のパルス14により部分分極状
態に設定される。この時のパルス高Vwとパルス幅tw
の関係は、上記の部分分極作成条件(図5)を満たす必
要がある。好ましくは、第2のパルス14の大きさVw
(絶対値)が、前記強誘電体薄膜10の抗電圧の0.3
〜2倍であるかあるいは、前記第1のパルス13の大き
さVe(絶対値)と、前記第2のパルス14の大きさV
w(絶対値)が、Vw≦Veであり、さらに、第2のパ
ルス14のパルス幅Wwが、第1のパルス13のパルス
幅Weの1%〜300%、好ましくは、Ww≦Weとす
る事で、分極量が第1の分極状態の分極量の10%〜9
0%である安定した部分分極状態を作り出すことができ
る。
【0018】読み出しは、第3のパルス15を印加し、
その応答を検出することで行う。第3のパルス15は基
本的に、第2のパルス14と同一か、もしくは、パルス
幅と高さが異なっていても図5中、斜線部で規定された
値を持ったパルスとする。切り替えスイッチ12は分極
設定時と書き込み時は、負荷容量16、または、低イン
ピーダンスに固定され、かつ、読み出し時においては比
較的大きい負荷容量17に固定される。この負荷容量1
7は、強誘電体薄膜10の容量の5〜100倍が望まし
く、すなわち、このセンス回路18に流入する信号の変
動量をできるだけ抑えて、かつ、信号検出に十分なもの
である必要がある。もちろん、センス回路18は何でも
良く、オペアンプやエミッターフォロアー、カソードフ
ォロアー等を用いた低インピーダンスアンプでも良い。
【0019】ここで、第1のパルス発生回路13′によ
り設定される分極状態をデータ“0とし、第2のパルス
発生回路14′で形成された部分分極状態をデータ
“1”に定義する。すると、第3のパルス15を印加す
る事により、分極の変化分が異なる為、得られる電荷量
も異なる。従って、その差を判別することで、データ
“1、および“0”が識別でき、前記第1の方向、およ
び、部分分極の分極状態によりデータ“1”、および
“0”の2値を記憶できる。このようにして読み出しの
できるメモリを具現することができる。
【0020】上記した第1実施例によれば、書き込み時
に第1のパルス13とは逆極性のパルスを印加すること
で、完全分極でなく、極めて安定した部分分極の状態を
作り出すことができ、この部分分極状態は、電圧が0で
も部分分極状態“1”と“0”とで容量値が異なるた
め、これを完全な0バイアス状態で読み出しが行えるこ
とから完全な非破壊状態で読み出し動作ができる。
【0021】また、書き込み時に、第1のパルス13と
は逆極性の、しかも、抗電圧の0.3〜2倍のパルス高
を有する第2のパルス14を印加することで、第1の方
向の分極を完全反転させることなく、第2の方向の分極
状態を混在させた部分分極状態を安定して形成できる。
【0022】また、書き込み時に、第1のパルス13と
は逆極性の、しかも、大きさ(絶対値)が前記印加電圧
Veの大きさより小さい電圧Vwを有する第2のパルス
14を印加することで、第1の方向の分極を完全反転さ
せることなく、第2の方向の分極状態を混在させた分極
状態を安定して形成できる。
【0023】また、書き込み時に、第1のパルス13と
は逆極性の、しかも、第1のパルス幅の1%〜300%
のパルス幅を有する第2のパルス14を印加すること
で、第1の方向の分極を完全反転させることなく、第2
の方向の分極状態を混在させた部分分極状態を安定して
形成できる。
【0024】また、書き込み時に、第1のパルス13と
は逆極性の、しかも、パルス幅がWw≦Weを満足する
第2のパルス14を印加することで、第1の方向の分極
を完全反転させることなく、第2の方向の分極状態を混
在させた部分分極状態を安定して形成できる。
【0025】さらに、第1の分極状態の分極量の10%
〜90%の分極量を有する部分分極状態とする事で、電
圧が0であっても部分分極状態“1”と“0”とで容量
値に差を付ける事ができ、“1”と“0”を識別するこ
とができる。
【0026】また、第1の分極状態と部分分極の差を容
量値の差として検出することで、第3のパルスの振幅は
小さくて良く、すなわち、強誘電体薄膜10への印加電
圧は小さくても良く、分極状態の破壊を防ぐ事ができ
る。
【0027】以下に本発明の第2実施例を説明する。第
2実施例における第3のパルス15は、第2のパルス1
4と同極性でも良いが、第2のパルス14とは極性が逆
である第3のパルス15を印加して読み出しを行えば分
極の変化率が大きくなり、従って、得られる電荷量が大
きくなる為、読み出しのS/Nが良くなる。さらに、読
み出し信号検出の為のセンス回路18が定常動作するま
でに必要なセット時間よりも長いパルス幅を有する第3
のパルス15を使用する事で、センス回路18の定常動
作領域で読み出し動作を行うことができる為、読み出し
動作のエラーを防止することができる。また、強誘電体
薄膜10の抗電圧の0.3倍以下のパルス高を有するか
あるいは、パルス高またはパルス幅が第2のパルス14
のパルス高、パルス幅に比べて小さい第3のパルス15
を用いることで、読み出しの動作による分極の破壊は起
こらない。すなわち、読み出し動作後、分極は元の状態
のままであり、記憶状態がそのまま維持されている非破
壊読み出しのできる強誘電体メモリが提供できる。
【0028】上記した第2実施例によれば、第2のパル
ス14とは極性が逆である第3のパルス15により情報
を読み出す事で、記憶情報の“1”、“0”をS/N良
く読み出すことができる。また、パルス幅がセンス回路
18のセット時間よりも長い第3のパルス15で情報を
読み出す事で、センス回路18が定常動作状態で読み出
しができる為、読み出しエラーを防止できる。すなわ
ち、S/Nの良い読み出しが可能となる強誘電体メモリ
が具現できる。
【0029】また、パルス高が強誘電体薄膜10の抗電
圧Vcの0.3倍以下である第3のパルス15で情報を
読み出す事で、強誘電体薄膜10の分極状態を読み出し
動作により破壊することがない。
【0030】また、読み出し時に、前記第2のパルス1
4に比べてパルス高、あるいはパルス幅が小さい第3の
パルス28を印加する事で、強誘電体薄膜10の分極状
態を破壊することがない。
【0031】以下に本発明の第3実施例を説明する。第
3実施例では、第3のパルス15を0バイアスにベース
ラインを有する交流信号として、第1の分極状態と部分
分極状態の差を容量値の差として検知する。こうするこ
とにより、従来のようにDCバイアスに、交流波形を重
畳する方法と異なり強誘電体薄膜10に印加される電圧
の最大値がDCバイアス分減少する為、強誘電体薄膜1
0の分極、すなわち、記憶状態を破壊する事がなくな
る。好ましくは、振幅の最大値を、強誘電体薄膜10の
抗電圧Vcの0.3倍以下とする事で、さらに非破壊性
は高まる。
【0032】図4に、SrBi2 Ta2 O9 からなる強
誘電体薄膜の印加電圧に対する分極の変化を実測した結
果が示されているが、この強誘電体薄膜の場合ヒステリ
シスカーブから求められる抗電圧は膜厚に依存するが、
本実施例の場合200nmの厚みで0.6〜0.8V程
度である。この膜に対して、0.2V以下の印加電圧で
は、1010回のパルス印加後、分極は維持されている。
つまり、抗電圧の0.3倍以下の電圧であれば、少なく
とも1010回のパルスを印加しても分極は破壊されな
い。逆に言えば、1010回のパルス印加を想定した場合
には、0.2V印加で読み出しを行う必要があり、容量
を読み出すための交流波形の励振電圧に加えて、DCバ
イアスを印加するといった従来の方法では強誘電体薄膜
の分極を非破壊で読み出すことは不可能である。
【0033】また、第3のパルス15は、前記センス回
路18のセット時間より長い立ち上がり時間trを持た
せる事で、該センス回路18の定常動作領域で読み出し
動作を行うことができる為、読み出し動作のエラーを防
止することができる。
【0034】上記した第3実施例によれば、0バイアス
状態にベースラインを有する交流信号である第3のパル
ス15により情報を読み出す事で、強誘電体薄膜10の
分極状態を破壊することがない。
【0035】また、0バイアス状態にベースラインを有
し、振幅の最大値が抗電圧の0.3倍以下である交流信
号である第3のパルス15により情報を読み出す事で、
強誘電体薄膜10の分極状態を破壊することがない。
【0036】以下に図7、図8を参照して本発明の第4
実施例を説明する。第4実施例は上記した強誘電体メモ
リを単純マトリックス構成としたものである。強誘電体
薄膜10の上部電極および下部電極が第1ストライプ電
極130、第2ストライプ電極131として構成されて
いる。32は分極設定回路40による分極設定と書き込
み/読み出しの切り替えスイッチである。この場合、分
極設定は全てのストライプ電極130、131を各々電
気的に結合して、同一の電圧−Veを印加するので分極
設定は一括して行える。
【0037】次に、書き込み回路33は選択セルにだけ
電圧Vwを印加する為に使用するもので、例えば、X−
ラインの選択ラインにVw/2、非選択ラインに0V、
Y−ラインの選択ラインに−Vw/2、非選択ラインに
0Vを印加することにより、選択セルにVw、選択ライ
ンに接続される非選択セルにVw/2、それ以外の非選
択セルには0Vが印加される。
【0038】また、X−ラインの選択ラインにVw/
3、非選択ラインに0V、Y−ラインの選択ラインに0
V、非選択ラインに2Vw/3を印加することにより、
選択セルにはVw、非選択セルには±Vw/3が印加さ
れる。従って、非選択セルにはVw/2、あるいはVw
/3と小さな電圧しか印加されることはなく、非選択セ
ルの分極を破壊する事はない。
【0039】図8(a)は図7の構成をより具体的に示
した回路構成図である。ここで、35、36は分極設
定、書き込み、読み出しの切り替えスイッチであり、3
8は書き込み、読み出しの切り替えスイッチである。本
実施例では1/3法により説明する。37は基準電圧発
生回路であり、例えば、Vwから±Vw/3、Vwから
±2Vw/3の電圧を作成する。
【0040】まず図8(a)、(b)において、分極設
定は、切り替えスイッチ35、36で0バイアス発生回
路39、分極設定回路40を接続し、全てのメモリセル
に一括して大きさVeの第1のパルス13を印加する。
次に、書き込みは第2のパルス14を図7の1/3法と
同様に、切り替えスイッチ35、38でVwとVw/3
を選択し、切り替えスイッチ36、43によって2Vw
/3及び0Vを選択して印加し、選択セルにはVw、非
選択セルにはVw/3を印加する。
【0041】ここで、重要なことは大きさVw、パルス
幅twは図5の条件を満足している必要があるが、望ま
しくは、twはtsの2〜5倍程度、VwはVcの1.
2〜1.5倍程度として、第1の方向の分極量に対して
20〜60%程度の分極量を有する部分分極状態とす
る。この後、読み出し時においては、まず、トランジス
タ41でφG をオフさせて切り替えスイッチ36を切り
替え、データライン30をオープン状態にする。ただ
し、予め負荷容量CL 42に電荷を蓄えて電位を安定に
保っておく。この時の負荷容量CL 42は負荷容量10
の5〜100倍程度が望ましい。
【0042】この後、切り替えスイッチ38、43を読
みだし用に切り替える。すなわち、第3のパルス15を
以下のように印加する。選択ラインを−Vr、非選択ラ
インを−Vr/3、データライン30は、選択ラインを
0バイアス(正確には負荷容量CL 42の電位に固
定)、非選択ラインを−2Vr/3の電位に固定する。
こうして、選択セルに−Vr、非選択セルに±Vr/3
が印加される事より、選択セルからは分極の変化に伴う
電荷が流れ出る。すなわち、負荷容量CL 42に電荷が
蓄積され、電位が上昇する為、センス回路18で
“1”、“0”を検出する事ができる。ここで、単純マ
トリックスのX、Yラインの数がn×m回あるとする
と、全てのセルを書き込む間に選択セルは、大きさVw
の第2のパルスで書き込みが行われるが、他のセルが書
き込みされているn×m−1回は±Vw/3の信号が印
加される。また、n×m−1回、分極を破壊しようとす
る方向に印加されたとすると、例えば、1Gbitのメ
モリでは109 回となる。Vw/3で109 回後、実デ
バイスを考えると、分極量の変化が10%程度であれば
よい。図5により、強誘電体薄膜10の抗電圧Vcの
0.3倍であれば、104 回でも分極の変化、すなわ
ち、破壊される量は元々の分極量の10%以下である。
従って第2パルス14の大きさとしてVwをVcの0.
8〜1.5倍にすると、1Mbit〜1Gbitまでの
メモリを実現する事ができる。
【0043】図8に戻り、読み出し時に、選択セルに−
Vrの電圧が印加されると、セルが“1”状態、すなわ
ち、部分分極されている場合はΔQpの大きさの電荷
が、センス回路18、データライン30に流入する。一
方、“0”状態の場合は、線形分CcVrの電荷だけで
ある。すなわち、データライン30は ΔV1=(ΔQp+CcVr)/(CL+Cd) ΔV0=CcVr/(CL+Cd) ここで、Cd;データライン30の全容量 従って、 ΔV1−ΔV0=ΔQp/(CL+C
d) この差が、センス回路18で検出できるよう負荷容量C
L 42、データライン30の全容量Cdを決定する。Δ
Qpはセル面積、残留分極量、部分分極の大きさに依存
する。ただし、Vw/3を強誘電体薄膜10の抗電圧V
cの0.2〜05倍程度に抑えると、通常Vcは0.8
〜2.0V程度になるように強誘電体薄膜10の特性を
設計するのでVw/3は0.2〜1.0Vとなる。よっ
て、ΔV0はこの電圧よりも低い方が望ましい。
【0044】上記した第4実施例によれば、0バイアス
状態にベースラインを有し、パルスの立ち上がり時間t
rが、センス回路18のセット時間より遅い交流信号で
ある第3のパルス15により情報を読み出す事で、強誘
電体薄膜10の分極状態を破壊することがなく、また、
定常動作しているセンス回路18で読み出しを行う為読
み出しエラーを防止する事ができる。
【0045】また、選択回路により選択した第1、第2
ストライプ電極30、31により挟持された強誘電体薄
膜10からなる記憶セルに、書き込み回路33、およ
び、読み出し回路を電気的に接続し、書き込み、読み出
しを行う事で、非破壊読み出しのできる高集積大容量メ
モリが具現できる。
【0046】また、書き込み時に、第2のパルス14を
選択するワードライン31にVw、非選択ワードライン
31にVw/3、選択データライン30に0、非選択の
データライン30に2Vw/3を印加する事で、選択セ
ルにはVwを、その他の非選択セルにはVw/3が印加
されるため、選択セル以外のセルへの書き込みが防げ他
セルへの干渉無しに書き込みが行える。
【0047】また、書き込み時に、第2のパルス14を
選択するワードライン31に大きさVw/2、非選択ワ
ードライン31に0V、選択データライン30に−Vw
/2非選択のデータライン30に0V、印加する事で、
選択セルにはVwを、その他の非選択セルにはVw/2
が印加されるため、選択セル以外のセルへの書き込みが
防げ、他セルへの干渉無しに書き込みが行える。
【0048】以下に本発明の第5実施例を説明する。第
5実施例は、図9に示すように、第1実施例の原理を単
純マトリックス構成のメモリに適用したものである。X
−ライン、すなわちワードライン31として、この場
合、下部電極を構成する第2ストライプ電極131と、
Y−ライン、すなわちデータライン30として上部電極
を構成する第1ストライプ電極130を用い、その間に
挟持された強誘電体薄膜で各々X、Y−ラインを構成す
る。
【0049】このX、Y−ラインは切り替えスイッチ3
2により、一括分極設定回路34またはアドレス回路に
切り替わり(この場合必ずしも必要ない)、1/2また
は1/3Vw法を用いた書き込み回路33、および読み
出しのための交流小信号発生回路50に接続している。
【0050】一方、データライン30は、同じく1/2
または1/3Vw法を用いた書き込み回路33、および
センス回路18に接続する。このセンス回路18は、増
幅器と位相および出力両方を検出する測定回路(不図
示)に接続しており、この出力は外部回路(不図示)に
送られる。このセンス回路18はワードライン(Y−ラ
イン)30の1本1本に接続されており、多数のデータ
を一括して読み出せる様にしても良いし、選択回路を通
してセンス回路18に接続されても良い。また、その組
み合わせ、すなわち、4本、8本、16本等のバイト単
位の出力を処理できるよう、幾つかのデータをひとかた
まりにまとめて検出しても良く、システムに適したデー
タ処理を行えば良い。また交流小信号発生回路50も、
ワードライン31の1本1本に接続し、多数のデータを
一括して書き込みをする事で、本メモリデバイスへのア
クセススピードを高める事ができる。また、さらに、選
択回路を通して接続しても良い。また、その組み合わ
せ、すなわち、4本、8本、16本等のバイト単位の入
力を処理できるよう、幾つかのデータをひとかたまりに
まとめて書き込みしても良く、システムに適したデータ
処理を行えば良い。
【0051】上記した第5実施例によれば、選択回路に
より、所望のワードライン31を選択して、信号発生器
から第2のパルス14を選択セルに印加する事で、選択
したセルにだけ信号を印加させる事ができる。
【0052】また、一部、または全てのワードライン3
1に一括して、信号発生器からの信号を選択セルに印加
できる為、高速動作のメモリが具現できる。
【0053】また、選択回路により選択されたデータラ
イン30をセンス回路に電気的に接続する事で、選択し
たセルからの情報を、他セルからの干渉なしに読み出す
事ができる一部、または全てのデータライン30をセン
ス回路に一括して電気的に接続する事で、高速で情報の
読み出しが可能となる。
【0054】また、第1ストライプ電極130、およ
び、第2ストライプ電極131の一部または、全部を選
択し、第1のパルス13を印加する事で、第1の分極状
態の設定を一括してできるので、高速で、かつ、高集積
大容量メモリが具現できる。
【0055】以下に図10を参照して本発明の第6実施
例を説明する。図10(a)において、上部電極をX−
ライン31、下部電極をY−ライン30とし、X−ライ
ン31、Y−ライン30ともに切り替えスイッチ35、
36を介して、選択回路(不図示)、分極設定回路4
0、書き込み回路37に接続される。この切り替えスイ
ッチ35、36はアドレス信号を受けて切り替わり、特
定のラインのみが選択される。すなわち、分極設定の時
には、全て、あるいは、あるまとまった単位のみが選択
され、書き込み時は、ある特定のラインだけに書き込み
電圧Vwが印加され、それ以外のセルにはVw/3が印
加されるよう切り替わる。
【0056】一方、読み出し時にはX−ライン31と選
択用のマルチプレクサ50により特定のラインが選択さ
れ、信号発生回路15により読み出し用の交流小信号が
印加される。X−ライン31、Y−ライン30に挟持さ
れた領域が記憶セル10である。非選択のY−ラインの
終端は適切なインピーダンスで整合させる。場合によっ
ては不要である。本実施例では、インピーダンス測定回
路19は、出力値と位相を検出するが、他の方法でも何
ら構わない。
【0057】選択セルと非選択セルのパルス時間依存性
を図10(b)のタイムチャートに示す。分極設定時
は、下部電極30を基準にして全セルに、分極設定回路
40により大きさ−Veを印加し分極が設定される。次
に、書き込みはアドレス回路60に従って、順次セルが
選択され書き込み回路37より書き込み信号が印加され
て行われる。この場合、選択したセルにはVwが、それ
以外のセルには±Vw/3が印加される。ここで、Vw
は部分分極を起こさせる第2パルス14の大きさパルス
幅を有し、図4、図5で示される関係を満足している。
書き込みの第2のパルス14の幅twが強誘電体薄膜1
0のスイッチング時間tsと同程度、あるいは、長い場
合にはVwは抗電圧の0.7〜2倍の範囲が望ましい。
ts以下の場合には、抗電圧Vcの1〜3倍の大きさの
範囲が望ましい。さらには、非選択セルには、Vw/3
の大きさの電圧が印加され、しかも、n×mのマトリッ
クス構成とした場合、(n×m−1)/2回のパルスが
印加されるため、このパルスにより非選択セルの分極、
すなわち、記憶内容が変化しない変化量として10%以
下となるようVwの値を決める必要がある。
【0058】次に、読み出しの為に、交流小信号を0バ
イアス状態で印加する。0バイアスとする事で、セルの
分極、すなわち、記憶内容を変化させることを避ける事
ができる。この交流小信号の振幅は図5で決められる。
すなわち、ある読み出し回数にして分極の変化しない電
圧以下で読み出される必要があるが、ここで重要な事は
容量値は極めて低い電圧30〜100mV程度の電圧で
検出できるため、この動作により分極が変化することは
ない。出力は“0”状態が25、“1”状態が26の点
として検出され、その容量値の差ΔCとして読み出しが
行われる。通常のPZT、Pb(Zr0.4 Ti0.6 )O
3 を用いた場合、このΔCは全容量の1〜5%程度が得
られる。
【0059】さらに、図11に示すように、X−ライン
31(または、ワードライン)とY−ライン30(また
は、データライン)を切り替えスイッチ52を介してイ
ンピーダンス素子17で終端する。読み出し時には、選
択されたセルだけが、選択・書き込み・読み出し回路5
1に接続される。その他のラインはインピーダンス素子
17に接続される。こうする事により、選択されたX、
Y−ライン以外のラインは比較的低インピーダンスにな
るため、ワードライン31の容量Cdとインピーダンス
素子17の抵抗Rで決められる時定数τよりも遅い信号
で選択セルの容量値を読み出す事により、選択セル以外
の信号、すなわち、ノイズが出力ラインに混入する事を
防止する事ができる。
【0060】さらに、図12に示すように、X−ライン
31とY−ライン30は切り替えスイッチなしにインピ
ーダンス素子17に全て接続しても良い。この場合、分
極設定および書き込み時には、ワードライン31、およ
びデータライン30の1本当りの容量Cdとインピーダ
ンス素子17の抵抗Rとで決まる時定数Cd・Rより速
いパルス幅を有する第2のパルス14にて行い、読み出
しは、この時定数より遅い周波数成分を有する第3のパ
ルス15にて行う。
【0061】上記した第6実施例によれば、データライ
ン30、または、ワードライン31もしくは、その両方
を選択回路により、所望のラインをGNDレベルに接地
されたインピーダンス回路、または、素子17に電気的
に接続する事で、非選択セルからの情報、いわゆる、ノ
イズは前記インピーダンス回路、または、インピーダン
ス素子を介してGNDレベルに流出する為、非選択セル
からの干渉無しにS/Nの良い読み出しが可能となる。
【0062】また、インピーダンス回路、または、素子
17とワードライン31、または、データライン30の
抵抗分・容量分から決められる時定数よりも速い立ち上
がり時間を有する第2のパルス14を印加する事で、非
選択セルへの実効的な印加電圧を減ずることができる
為、非選択セルの分極を変化させることなく、つまり、
干渉無しに書き込みができる。
【0063】また、インピーダンス回路、または、素子
17とワードライン31、または、データライン30の
抵抗分・容量分から決められる時定数よりも遅い立ち上
がり時間を有する第3のパルス15を印加する事で、非
選択セルからの情報、いわゆる、ノイズは前記インピー
ダンス回路、または、インピーダンス素子17を介して
GNDレベルに流出する為、非選択セルからの干渉無し
にS/Nの良い読み出しが可能となる。
【0064】また、強誘電体容量とデータライン30と
の間に電気的に接続されたスイッチング素子をオン・オ
フする事により所望とするセルを選択する事で、非選択
セルとは電気的に分離することができる為、S/Nの良
い書き込み、あるいは読み出しができる。
【0065】以下に図13を参照して本発明の第7実施
例を説明する。第7実施例は本実施例の部分分極のメモ
リをDRAM型のメモリに適用したものである。通常、
DRAM型の強誘電体メモリは強誘電体薄膜の分極を完
全反転させている為、強誘電体薄膜の疲労特性により強
誘電体薄膜の分極量が半減してしまう為、106 〜10
13回程度のアクセスしかできない。しかし、本実施例の
部分分極は1部の分極領域が回転した、いわゆる、エネ
ルギーの低い状態であるため、疲労に対しても102
104 回強いことを確認している。従って、1016〜1
17回程度の書き込み/読み出しに耐えることができ
る。すなわち、10MHzで駆動して常に同一のセルを
アクセスする場合でも10年で1015回程度であり、1
16〜1017回のアクセスが可能であれば、十分な信頼
性が確保できる。
【0066】図13において(a)は第7実施例の構成
を示す図であり、(b)はセンス回路の詳細な構成図で
あり、(c)は動作を示すタイムチャートである。図に
おいて49はセンス回路、30と30′はデータライ
ン、45と45′はワードライン、47、47′はプレ
ートライン、44、44′は選択用メモリセルである。
ここで、46はダミーセルの容量であるが、ここでは再
書き込みを自動で行うために線形容量を使用している
が、強誘電体容量でも良い。あるいは、強誘電体薄膜の
線形容量分を利用しても良い。センス回路49は、選択
セルとダミーセル46との信号差を比較差動増幅して、
大きな信号の入力端のノードはハイレベルに逆側の入力
端のノードをローレベルにラッチする。従って、この読
み出し動作終了後、つまり、センス回路49での増幅動
作終了後、再度選択セルに対応するワードライン45を
選択すれば、読み出し動作により反転させられた選択セ
ルの分極を元に戻す事ができる。
【0067】また、本実施例では、データライン30は
GNDレベルとして、プレートライン47のセル電位は
図6となるようにコントロールして読み出しを行ってい
る。この時、プレートライン47をワードライン45に
平行に配置させるかあるいはプレートライン47をデー
タライン30に垂直に配置させる事で集積度の高いメモ
リデバイスが実現できる。
【0068】上記した第7実施例によれば、強誘電体容
量とデータライン30との間に電気的に接続されたスイ
ッチング素子をFET型の半導体トランジスタとする事
で、高集積大容量のメモリが具現できる。
【0069】また、プレートライン47がワードライン
45に平行に配置される事で効率的なレイアウトが可能
となり、高集積大容量のメモリが具現できる。
【0070】また、プレートライン47がデータライン
30に垂直に配置される事で効率的なレイアウトが可能
となり、高集積大容量のメモリが具現できる。
【0071】また、ダミーセル46を線形容量素子、あ
るいは、強誘電体の線形容量分を利用した素子とする事
で、安定したリファレンス信号を取り出すことができる
為、安定した読み出し動作が行える。
【0072】また、読みだし動作後、ワードライン45
を再度選択する事で、センス回路49の電位を選択セル
(あるいは、ダミーセル46を含めて)に印加する事が
できる為、何ら新たな回路を付加することなしに反転し
た分極を元に戻す再書き込み動作が自動的にできる。
【0073】以下に図14を参照して本発明の第8実施
例を説明する。第8実施例の構成は基本的に第7実施例
の構成に従うが、プレートライン47を全て1つの電
位、プレート電位として固定する。分極設定の時には、
負の電圧−Veを印加する。その後、書き込み/読み出
しは、例えば、Vwの中間点Vw/2に固定する。こう
することによって、データライン30、および、センス
回路49の電圧を−Vwと+Vwの間で駆動させる事に
より、自動的に読み出しができる。また、何の新たな特
別な回路を付加しなくとも、読み出し動作により反転さ
せられた分極を元の状態へと戻す事ができる。
【0074】上記した第8実施例によれば、プレートラ
イン47が全て、電源電圧Vcc、あるいは、書き込み
電圧Vwの1/2に固定すると、データライン30の電
圧、センス回路49の電圧を−Vwと+Vwの間で駆動
させる事により、自動的に読み出しができる。また、何
の新たな回路無しに再書き込みができる。
【0075】以下に図15を参照して本発明の第9実施
例を説明する。同図において(a)は回路図、(b)は
動作を示すタイムチャートである。この実施例では読み
出し時の第3のパルスの大きさVrと幅Wrが重要であ
る。また、図6に示す印加電圧と反転回数の関係で明ら
かなように、その高さは非破壊読み出しが可能となるよ
う選択される。同一セルを1012〜1015回程度、読み
出し、つまりアクセスしても分極が変化しない条件でな
ければならず、そのためには読み出し電圧Vrは強誘電
体薄膜10の分極を1回のパルス印加で完全反転するに
必要な電圧Vsの10〜15%程度の値である。Vsを
1〜2Vとすれば、パルス高Vrは、01〜0.3V程
度である。一方、パルス幅Wrは、負荷容量16に強誘
電体薄膜10からの電荷を充電して、これをS/N良く
検出できるよう設定する必要がある。分極設定・書き込
みは書き込み時に部分分極させ、その後、スイッチ61
を切り替えて読み出しの為の第3のパルス15を印加す
る。このパルス15は(1、(2)、(3)の3通りを
通常考える。(1)は矩形波、(2)はある傾斜を有す
るパルス、(3)はサイン波の上半分等である。出力を
53、53′に示すすなわち部分分極後、つまり、デー
タ“1”の書き込み後は容量値が大きく、53の信号と
なり、“0”の場合には、容量値が小さい為に、53′
のようになる。このように、“1”、“0”に対し、応
答差が生じる事から、“1”、“0”を識別する事がで
きる。
【0076】さらに、読み出しは具体的には、例えば、
図16に示すように、ダミーセル56、切り替えスイッ
チ57、部分分極作成回路58を追加し、強誘電体薄膜
10とダミーセル56の信号差を検出する。この場合、
ダミーセル56は差動型センスアンプからなるセンス回
路59に対して1つあれば良いため、ダミーセル56か
らの信号は“1”状態と“0”状態の中間の出力となる
よう、その面積、または、ダミーセル56の分極量を調
整する。あるいは、ダミーセル56の信号量を検出する
際、印加する電圧を調整しても良い。
【0077】図16(b)の出力に示されるようにセン
ス回路59の一方の入力端には強誘電体薄膜10の分極
状態、つまり、“1”あるいは“0”に対応する信号
が、もう一方の入力端にはダミーセル56からのリファ
レンス信号が入力されて、差動増幅され、“1”、“0
が識別される。
【0078】上記した第9実施例によれば、選択したセ
ルとダミーセル46との信号差を比較差動増幅する事
で、安定したS/Nの良い読み出しが行える。
【0079】以下に図17を参照して本発明の第10実
施例を説明する。第10実施例は第9実施例において、
メモリとしての感度、読み出し特性をさらに改善したも
のである。図17(a)は構成を示し、データラインは
第1ストライプ電極130からなるが、第2ストライプ
電極からなるワードラインは2つペア131a、131
bでメモリセルの1つのビットが構成されている。13
1a、131bは隣合うビットで、お互いに逆の情報
“1”と“0”、あるいは、“0”と“1”を書き込む
ように消去・書き込み・読み出し回路70で決定され
る。
【0080】ここで、図17(b)の(1)、(2)は
上記した方法をパルスシーケンスとして示している。出
力は、前記実施例と同様、差動アンプからなるセンス回
路59により検出する。“1”と“0”の差は、(1)
の場合、通常の容量結合、(2)の場合、図に示すよう
実成分と虚数成分で、その差を検出する。
【0081】上記した第10実施例によれば、2つのペ
ア131a、131bからなる記憶セルの一方に第1の
情報を書き込み、もう一方に第2の情報を書き込み、2
つのペアからなる記憶セルに接続される一方のワードラ
インをセンス回路59の一方の入力端に接続し、もう一
方のワードラインを、センス回路59のもう一方の入力
端に接続し、その差を検出する事で、S/Nの良い読み
出しが可能となる。
【0082】以下に、記憶セルに記憶された情報をどの
ようにして読み出すかをより詳細に述べた実施例を説明
する。
【0083】まず、図18〜26を用い、本発明の第1
1実施例を説明する。図18に示されるように、白金等
からなる電極216、217で狭持された強誘電体薄膜
210は、該電極に電圧が印加されると、印加電圧に対
して分極量は非線形に変化し、図19に示されるような
ヒステリシス特性を有する。ヒステリシス特性は通常1
KHz程度の連続サイン波、または、三角波を用いて測
定される。同図において、Prを残留分極量、Psを飽
和分極量、分極が0になるときの電圧Vc′を抗電圧と
称する。図20には単一パルスを印加した場合の分極破
壊量ΔPと印加パルスの大きさVaとの関係を示す。本
図は、Sr1.0 Bi2.2 Ta2 O8.2 からなる強誘電体
薄膜210に対する実測データである。ここで、分極破
壊量ΔPとは、Vaなる大きさのパルスを印加すること
で、強誘電体薄膜210の分極量がどれだけ変化した
か、すなわち破壊したかを表現するための量である。図
20に示すVcも抗電圧と称されるが、ここでの抗電圧
Vcは、分極が全然破壊されないときの電圧と、分極が
完全に破壊されるときの電圧との中間電圧として定義さ
れる。一般に、連続波を印加して得られる特性(図1
9)と、単一パルスを印加して得られる特性(図20)
とにおける抗電圧Vc′、Vcとは一致しないがほぼ等
しい。
【0084】図20において、[I]の領域は、その領
域の大きさを有するパルスが印加されても、第1の方向
に分極設定された分極状態から変化しない領域である。
本実施例で第1の分極状態とは、図19中、原点に対し
て負の方向とし、ディジタルデータの“0”と定義す
る。この第1の分極状態は一方の記憶状態である部分分
極状態との読み出しマージンを考えると、その両者間で
電気的特性にできるだけ差を持たせておいた方が良く、
第1の分極状態は完全分極させた状態とする方が好まし
いが、逆に言えば、読み出しマージンが、データ
“1”、“0”を判別できる量を確保できれば、完全分
極状態でなくとも良い。一方、部分分極状態を“1”と
定義する。これは、今後の説明に混乱をきたさない為に
定義するだけであり、逆に“1”、“0”を定義しても
全く同一に本実施例を実施できることは言うまでもな
い。[III]は第1の分極状態が、印加パルスにより第2
の分極状態に反転させられた状態を有する領域である。
上記で第1の分極状態を図19中、原点に対して負の方
向で定義していることから、第2の分極状態とは原点に
対して正の方向となる。[II]は部分分極状態の領域で
ある。つまり、部分分極とは、第1の分極と第2の分極
との混合状態を有する分極状態である。
【0085】以上の説明でも判るように、この部分分極
は、負の方向を有する第1のパルスにより強誘電体薄膜
210の分極状態を第1の分極状態に設定し、次に正の
方向を有する第2のパルスを印加することで形成でき
る。図20は前述したように、SrBi2 Ta2 O9 か
らなる強誘電体薄膜210に対する実測データである
が、実際に、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの2倍〜
2.5倍の大きさを有するパルスを印加することで、Δ
P=1となり、分極は完全に破壊される。すなわち、分
極を完全反転させることができる。従って、強誘電体薄
膜210の抗電圧Vcの2倍〜2.5倍の大きさを有す
る負の第1のパルスを印加して、強誘電体薄膜210を
第1の分極状態にセットして、次に、強誘電体薄膜21
0の抗電圧Vcの0.3倍〜2倍の大きさを有する正の
第2のパルスを印加することで部分分極状態を形成する
ことができる。この部分分極状態は極めて安定に存在す
る事が確認された。
【0086】図38はヒステリヒスカーブを用いて従来
の強誘電体メモリ(図38(a))と本実施例の強誘電
体メモリ(図38(b))との差異を概念的に示す図で
ある。
【0087】従来の強誘電体メモリでは、データ“1”
“0”は十分な印加電圧Vaにより完全反転させた分極
状態(飽和分極状態)A、Bに対応付ける。信号の読み
出しは分極を完全反転させるに十分な正の印加電圧Va
を印加し、分極の変化に伴い発生する電荷量を所望の負
荷により電流あるいは電圧として検出する。このとき、
記憶状態“1”の場合には分極状態はA→C→Bと変化
し、記憶状態“0”の場合にはB→C→Bと変化する
(厳密には必ず元の分極状態Bに戻るわけでなく場合に
よる)。今、変化した分極量をΔPとすると、i=ΔP
・A(強誘電体セル面積)/dtにより、ある単位時間
に変化する電荷量(=ΔP・A)が電流となる。また、
電荷量を容量Cに蓄積することでV=ΔP・A/Cによ
り電圧として検知できる。従って、記憶状態“1”を読
み出す場合の方が、“0”の場合に比べてΔPが大きい
ために、検出される電流あるいは電圧は大きくなって
“1”“0”の識別ができる。
【0088】一方、本実施例の強誘電体メモリではすで
に詳述したように、記憶状態“1”“0”を共に飽和分
極状態とするのではなく、一方を飽和分極状態Xあるい
はZに割り当て、他方は部分分極状態とするものであ
る。ここで、X、Zは図38(a)におけるA、Bに対
応する。今、ここでは、記憶状態“0”を分極状態Xに
対応させ、記憶状態“1”を部分分極状態に対応付け
る。強誘電体キャパシタに分極反転させるに十分な負の
電圧−Vaを印加し、印加電圧を取り除くと分極状態は
Xとなる。これを記憶状態“0”とする。そして、分極
状態Xであるセルに少なくともVa>Vpを満足する適
切な大きさを有する正の部分分極作成電圧Vpを印加す
ると、分極状態はX→D→Eと遷移し、XでもなくZで
もない部分分極状態となる。図22〜24中の容量値が
最大となるY点は、単一パルスを印加して得られる特性
(図20)において定義されたVcと同程度の大きさの
正のパルスを印加して作成された部分分極状態に対応し
ており、連続波を印加して得られる特性であるヒステリ
シスカーブ上に図示することは困難であるが、図38中
斜線で示すようXZの、ほぼ中点近傍である。こうして
定義された“1”“0”の読み出しは、適切な第3のパ
ルスを印加してその容量値の差異を適切な方法にて検出
する。
【0089】図21は上記した部分分極を用いた強誘電
体メモリ装置の構成を示す図であり、以下にその動作を
説明する。
【0090】すなわち、セル選択回路223により選択
された記憶セル211に情報の書き込み、記憶、が行わ
れ、逆に読み出しの際には、同様にセル選択回路223
により所望の記憶セル211が選択され、記憶している
情報を読み出し回路224にて読み出す。情報の書き込
みは以下のようにして行われる。記憶セル211は、第
1のパルス送出回路225により送出された第1のパル
スにより第1の分極状態(負の方向)に分極設定され、
次に、第2のパルス送出回路226により送出された第
2のパルスにより部分分極状態に設定される。第1およ
び第2のパルス送出回路225、226の切り替えは、
切り替えスイッチ228により行われる。この時、第1
のパルスは、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの2.5
倍以上の大きさVeを有する負のパルスであり、第2の
パルスは、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの1倍の大
きさVwを有する正のパルスである。
【0091】読み出しは、書き込みと同様に、セル選択
回路223により所望の記憶セル211を選択し、第3
のパルス送出回路227により第3のパルスを印加し、
記憶セル211からの信号を読み出し回路224により
読み出す。情報の書き込み、読み出しの際に、負荷23
0を図のようにA、Bと切り替えスイッチ229により
切り替えても良いし、同じものを使用しても良い。さら
には、書き込み時には、負荷230を接続しなくともL
owレベルとしても良い。
【0092】図22、23に部分分極状態を形成する印
加パルスの大きさVpと、形成された部分分極状態を有
する強誘電体薄膜210の容量値Cpを示す。電圧0の
点(X点)での容量値Coが第1の分極状態を有する強
誘電体薄膜210の容量値であるが、部分分極状態15
を形成する印加電圧の大きさVpが増大するのにしたが
って、容量値Cpは大きくなり、極大を示した後、減少
する。従って、“1”、“0”の2値は、2つの分極状
態、すなわち第1の分極状態と部分分極状態とで容量値
が異なる。従って、両者の容量値の差を読み出し回路2
24で検出することで、ディジタルメモリとして具現化
することができる。勿論、読み出しを考えれば、部分分
極状態の容量値Cpと第1の分極状態の容量値Coが大
きければ大きいほど読み出しマージンは大きくなり、S
/Nの良い読み出しができる強誘電体メモリが具現でき
る。
【0093】次に、一対の電極216、217で強誘電
体薄膜210を狭持した強誘電体セル211を作成する
プロセスを以下に示す。ここでは、いわゆるMOD法と
呼ばれる湿式塗布式にて先に例示したSrBi2 Ta2
O9 からなる強誘電体薄膜210を用いた強誘電体セル
211を形成する場合について詳述する。前駆体溶液と
してSr、Bi、Taの各2エチルヘキサン酸塩のキシ
レン溶液を用い、Biを化学量論比に対して10%過剰
に添加する。塗布濃度を0.15Mとし、振り切り速度
2000rpmで2000オングストロームの白金から
なる下部電極216を設けたシリコン基板上に成膜し
た。塗膜の乾燥を250℃で5分間行ったあと、ランプ
アニーラを用いて125℃/秒の昇温速度で800℃ま
で加熱し酸素中で30秒間の急速昇温ベークを施す。塗
布成膜からベークまでの工程を3回繰り返して多層膜と
し、酸素気流中で800℃、60分間のアニールを行
う。その結果、膜厚2400オングストロームのSrB
i2 Ta2 O9 薄膜を得た。続いて、膜厚2000オン
グストロームの上部白金からなる上部電極217を強誘
電体薄膜210上にスパッタ成膜し、イオンミルを用い
てエッチングを行い、最後に基板全体を酸素気流中で8
00℃、30分間の2次アニールを行って、強誘電体セ
ル211を形成する。ここで説明した大きな流れは、例
示したMOD法でなくとも、強誘電体薄膜210をスパ
ッタ等の物理的蒸着法あるいは、MOCVD等の化学的
気相成長法で形成しても同様である。従って、下部電極
216、強誘電体薄膜210、上部電極217と熱処理
プロセスを包含しながら積層されていくため、下部電極
216と強誘電体薄膜210と上部電極217との界面
における、あるいは、その近辺の電気的物性が異なり、
ある電気特性は非対称になることは予想される。但しこ
の解釈は定かではない。しかし、図22、23に示した
部分分極形成電圧Vpに対する容量値Cpは、程度の差
はあるが図示されているように常に非対称になることが
見いだされた。図22、図23は同一の強誘電体セル2
11に対し、図22は、上部電極217側に電圧を印加
し、下部電極216側から信号を読み出した場合、図2
3は、反対に、下部電極216側に電圧を印加し、上部
電極217側から信号を読み出した場合であるが、非対
称であることから、そのままではカーブは一致しない。
但し、部分分極状態での容量Cpの極大値Cpmax およ
び、それを示す電圧値Vpは、ほぼ一致している。ま
た、勿論、同一セルの電気的特性であることから、下部
電極216、上部電極217とを逆にすることで、一致
することは言うまでもない。従って、第1の分極状態、
すなわち、“0”を設定する際、上部電極217側に分
極させるか、あるいは、下部電極216側に分極させる
かで、第1の分極状態の容量値Coは異なる。例えば、
図22、23中で、X点を“0”、Y点“0”とする
と、“1”、“0”での容量値差ΔCは5%程度であ
る。一方、Z点を“0”、Y点を“1”とすると、
“1”、“0”での容量値差は10%程度と、倍にな
る。これは、SrBi2 Ta2 O9 強誘電体薄膜210
に固有の特性ではない。例えば、強誘電体材料として非
常に著名な、いわゆるPZTでも同様である。図24
に、そのPZT、Pb(Zr0.4 Ti0.6 )O3 強誘電
体薄膜210′からなる強誘電体セル211′の実測デ
ータを示す。この強誘電体材料でも傾向は全く同一で、
同図は、上部電極217側に電圧を印加した場合のデー
タであるが、下部電極216側に印加した場合には、先
のSrBi2 Ta2 O9 の強誘電体材料と同様に非対称
性が逆転する。PZTの場合には、X点を“0”、Y点
“1”とすると、“1”、“0”での容量値差ΔCは1
0%程度である。一方、Z点を“0”、Y点“1”とす
ると、“1”、“0”での容量値差ΔCは20%程度と
なる。但し、SrBi2 Ta2 O9 強誘電体薄膜からな
る強誘電体セルと、Pb(Zr0.4 Ti0.5)O3 強誘
電体薄膜からなる強誘電体セルとで、その非対称性の方
向は図25に示すように逆である。
【0094】図22、23、24から上部電極217に
電圧を印加にした場合のCp−Vpカーブを図25に整
理する。理由は、定かではないが、これは、強誘電体薄
膜210の材料の違いではなく、評価サンプルのデバイ
ス構造による差であると予測される。
【0095】図26に実際に評価したサンプルの構造を
示す。同図(a)に示すように、SrBi2 Ta2 O9
の強誘電体薄膜210の場合には、熱酸化膜232が設
けられたSi基板231上に白金Pt電極からなる厚み
2000オングストロームの下部電極216、厚み約2
000オングストロームの強誘電体薄膜210、白金P
t電極からなる厚み2000オングストロームの上部電
極217からなる記憶セル211が設けられ、さらに、
3000オングストロームの厚みのSOGからなる層間
絶縁膜233、3000オングストロームの厚みの白金
Ptからなる配線電極234が設けられ、図中a点とb
点にプローブを触針し、電圧印加、容量値測定を行って
いる。一方、Pb(Zr0.45Ti0.55)O3 強誘電体薄
膜の場合には、同図(b)に示すように、層間絶縁膜2
33、配電電極234が設けられておらず、図中c点と
d点にプローブを触針し、電圧印加、容量値測定を行っ
ているといった違いがある。おそらく、この構造による
差は、強誘電体薄膜210に与える応力の差として強誘
電体薄膜210に影響し、結果として強誘電体セル21
1のCp−Vpの非対称性を生み、さらに、応力の差が
その方向性をも逆転させているものと思われる。ちなみ
に、Si基板上に異種材料からなる薄膜を積層した場
合、材料固有の膜収縮率、薄膜作成条件に依存して、S
i基板のそりが変化する。つまり、膜ストレスがSi基
板を歪ませているわけであるが、条件により膜毎に凹凸
が逆転することは珍しくないといったように、構造によ
り強誘電体薄膜210に与えられるストレスは大きく異
なり、Cp−Vpの特性が非対称になり、また、その方
向が逆になっても不思議ではない。但し、念のため、再
度、記述するがあくまでも仮説である。しかし、正確な
解釈か否かに問わず同一構造のサンプルを幾度作成して
も、非対称性が存在することは確認している。
【0096】なお、本実施例でのメモリ構造は、SrB
i2 Ta2 O9 強誘電体薄膜からなる強誘電体セル21
1のサンプルと同一構造を使用しているが、メモリの構
成によっては、これに限られるものではない。従って、
実際のCp−Vp特性に合わせて非対称性を見極め、下
部電極216、上部電極217のどちら方向に分極させ
て第1の分極状態とするかが重要である。
【0097】以上より、第1の分極状態が下部電極21
6方向に分極、あるいは上部電極217方向に分極する
ことで、第1の分極状態の容量値Coが最小にでき、部
分分極状態との容量値差を大きくすることができ、すな
わち、読み出しマージンが大きくとれ、S/Nの良い読
み出し動作ができる強誘電体メモリが具現できる。
【0098】さらには、図20、図22、23、およ
び、図24から明らかなように第2のパルス(大きさV
w(絶対値))、すなわち、部分分極状態を形成する電
圧の大きさを、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの1〜
2倍とすることで、Cpを極大にすることができ、すな
わち、読み出しマージンが大きくとれ、S/Nの良い読
み出し動作ができる強誘電体メモリが具現できる。
【0099】当然ながら、第1の分極状態が下部電極2
16方向に分極、あるいは、上部電極217方向に分極
して、第1の分極状態の容量値Coを最小にし、第2の
パルスの大きさVw(絶対値)、すなわち、部分分極状
態を形成する電圧の大きさを、強誘電体薄膜210の抗
電圧Vcの1〜2倍とすることでCpを極大にすれば最
も大きな読み出しマージンがとれ、非常にS/Nの良い
読み出し動作ができる強誘電体メモリが具現できる。
【0100】以下に、図27〜図32に基づき本発明の
第12実施例を説明する。
【0101】第12実施例は単純マトリックス構成とし
たことを特徴とする。すなわち、強誘電体薄膜210を
間に挟んでほぼ直交する一対のストライプ状の電極で強
誘電体薄膜210を狭持し、そのストライプ状の電極で
交差された領域を記憶セル220とする構成である。
【0102】以下に、図27により前記した第11実施
例で説明した強誘電体セル211を単純マトリックス構
成としたメモリ動作を説明する。強誘電体薄膜210の
上部電極217および下部電極216が、第1ストライ
プ電極218、第2ストライプ電極219に構成されて
いる。上部電極217、および、下部電極216のどち
らを、第1ストライプ電極218あるいは第2ストライ
プ電極219としても良い。
【0103】書き込みは以下のようにする。まず、強誘
電体セル220を第1の分極状態にセットする。この場
合、セル選択回路223により所望のセル220を選択
し、第1のパルスを送出する第1のパルス送出回路22
5から、選択したセル220にだけ第1のパルスを印加
する。次に、切り替えスイッチ228を切り替え、第2
のパルスを送出する第2のパルス送出回路226によ
り、選択したセルにだけ第2のパルスを印加する。しか
し、図に示す単純なマトリックス構成の場合、選択した
セル220にだけ電圧を印加することは容易ではない。
何故なら、選択したセルに電圧を印加するとした場合、
隣接セルとの相互干渉(クロストーク)により非選択セ
ルにも何らかの電圧が印加されてしまう。例えば、図2
8に示すように、容量Cをnxnマトリックスに構成
し、Cijを選択し、Vaなる大きさの電圧を印加した
場合、非選択セル220′をも含めた各セルに印加され
る電圧は図29に示すようになる。従って、選択されな
い非選択セル220′の分極状態をも変えてしまう。そ
こで、本実施例では以下のように行っている。
【0104】すなわち、第1の分極状態にセットする分
極設定は、選択回路228により全てのX−ラインの第
1ストライプ電極218を選択し、また、Y−ラインの
第2ストライプ電極219も同様に選択回路228によ
り全て選択し、切り替えスイッチ229を分極設定回路
側に切り替え、第1のパルスを全セルに印加する。こう
することで、全セルが第1の分極状態に設定される。次
に、部分分極状態にセットする書き込みは、切り替えス
イッチ229を書き込み回路側に電気的に接続し以下の
ように行う。
【0105】例えば、X−ラインの選択された第1スト
ライプ電極218にVw/3、非選択の第1ストライプ
電極218′に0V、Y−ラインの選択された第2スト
ライプ電極219に0、非選択の第2ストライプ電極2
19′を2Vw/3なる大きさの電圧を印加することに
より、選択セル220にはVw、非選択セル220′に
は±Vx/3が印加される。従って、非選択セル22
0′には、Vw/3と小さな電圧しか印加されることな
く、該セルの分極の破壊を防ぐことができる。すなわ
ち、選択されたセル220は、第2のパルスの大きさV
wが印加され、意図した部分分極状態に分極状態が設定
される。すなわち、情報の書き込みが行える。この動作
をシーケンシャルに行い、全セル中、部分分極状態に設
定したいセルを部分分極状態にセットすることで書き込
み動作が終了する。
【0106】読み出しは、書き込みと同様に、例えば、
読み出しのための第3のパルスを以下のように印加す
る。X−ラインの選択された第1ストライプ電極218
にVr/3、非選択の第1ストライプ電極218′に0
V、Y−ラインの選択された第2ストライプ電極219
に0、非選択の第2ストライプ電極219′を2Vr/
3とすることにより、選択セル220にはVr、非選択
セル220′には±Vr/3が印加される。従って、非
選択セル220′には、Vw/3と小さな電圧しか印加
されることなく、非選択セル220′からの信号量は非
常に小さく、読み出し回路に流入する情報は、主に、選
択したセル220からのものであり、“1”、“0”を
判別することができる。
【0107】上記したように、選択セル220にはVw
の電圧が印加されるが、非選択セル220′にはVw/
3の電圧しか印加されない。このような方法は一般に1
/3駆動法と呼ばれている。
【0108】以下にこの1/3駆動法について図39の
結線図を参照して説明する。ここではラインX1、X
2、X3及びY1、Y2、Y3で構成された3×3のマ
トリックスを例とし、セルC22を選択してVdの大き
さの電圧を印加した場合について説明する。セルC22
を選択した場合には、(a)に示すように、ラインX2
がノードA1に、ラインY1、Y3がノードA2に、ラ
インX1、X3がノードA3に接続され、ラインY2は
接地される。このとき、ノードA1、A2、A3は例え
ば抵抗素子R、あるいは適切な素子、回路等により、各
々の電位がVd、2Vd/3、Vd/3となるように工
夫されている。さらには、電圧印加を確実に行うため
に、不図示であるが各ノードから直接ラインに接続する
のではなく、インピーダンス変換素子・回路を介して接
続してもよい。
【0109】さてこうして接続すると、その等価回路は
(b)となる。選択したセルC22はノードA1−A4
間にあるが、A1の電位はVdであり、A4の電位はG
NDレベルであることから、C22に印加される電圧は
Vdとなる。C12とC32はA1−A2間に、C1
1、C13、C33はA2−A3間に、C21とC23
はA3−A4間に位置するため、そのノードに供給され
る電位の差分が印加されることになって全てVd/3と
なる。従って、C22を選択してVdの大きさの電圧を
印加すると各セルに印加される電圧は同図(c)に示さ
れるように、選択したセルC22にはVdが、それ以外
のセルにはVd/3が印加される。
【0110】以上、単純マトリックスにした場合の動作
を説明したが、印加パルスの大きさ、方向は、当然なが
ら第11実施例に準拠する。
【0111】次に、読み出し動作についてより詳細に記
述する。読み出しは具体的には、例えば、図27に示す
ように、読み出し用に2つの信号を比較増幅する比較増
幅アンプ235を用い、一方の入力端236aには記憶
セルからの信号、データ“1”の場合にはV1、データ
“0”の場合にはV0が流入され、もう一方の入力端2
36bにはダミーセル237からの信号Vrefが流入
される。この時、ダミーセル側にも、図示していない
が、適宜必要な負荷、切り替えスイッチ等が接続されて
いる。各信号の大きさは図30なる関係に設定される。
従って、図30中の信号差ΔVが読み出しマージンとな
る。このΔVを比較増幅アンプ235により比較増幅し
て、Vrefに比べて大きいか、小さいかで“1”、
“0”が判別される。記憶セル220に記憶された情報
が“1”、“0”かを判別するには、必ず何かの基準と
比較してその大小関係により行われる。
【0112】従って、記憶セル220からの信号だけを
適切なアンプで増幅して、予め設定している値を基準に
する、あるいは、メモリ装置外に設けられた信号を基準
にしても良いが、アクセス回数に対する特性の劣化、使
用環境に対する耐候性等々を考慮すると、記憶セルと同
一なものを同一環境にセットされた、すなわち、記憶セ
ルと同一のものを同じメモリ装置内にセットされたもの
をダミーセル232とし、その信号を基準とする方が信
頼性ははるかに高い。さて、こうした読み出し方法で
は、ΔVが読み出しマージンになることは、先に記した
が、これをさらに大きくし、読み出しS/Nを高めるメ
モリ装置を説明する。
【0113】基本的には図27に従うが、図32に基づ
き説明する。強誘電体薄膜210を挟んでほぼ直交する
第1ストライプ電極238−1、238−2と第2スト
ライプ電極239が交差する領域の2つの記憶セル22
0−1、220−2を1つの記憶単位とする。図27で
は、1つの記憶セル220が1つの記憶単位であった
が、図32では、記憶セルを2つで1つの記憶単位が構
成されている。この場合、必ずしも隣り合う記憶セルで
ある必要はなく1対1で対応していれば良い。ここでは
理解を容易にするため、隣り合うセルとする。220−
1と220−2には、お互いに逆の情報、“1”と
“0”、あるいは、“0”と“1”といったように逆の
データを書き込まれる。また、比較増幅アンプ235の
一方の入力端236aには記憶セル220−1からの信
号が流入され、もう一方の入力端236bにはダミーセ
ルではなく、記憶セル220−2からの信号が流入さ
れ、比較増幅される。勿論、負荷、あるいは、切り替え
スイッチ等の必要な構成要件は満たされているものとす
る(不図示)。
【0114】この場合には、前述したダミーセルからの
信号が基準となるわけでなく、相補データが基準信号と
なる。すなわち、今、220−1を情報を記憶している
セルとし、220−2は、220−1を情報を判別する
ための参照セルとする。勿論、この定義に限定されず、
この逆であってもよい。例えば、記憶セル220−1に
“0”が記憶されている場合には、参照セル220−2
には“1”が記憶されているため、それらのセルからの
読み出し信号の大小関係は図31に示される。逆に記憶
セル220−1に“1”が記憶されている場合には、参
照セル220−2には“0”が記憶されているため、そ
れらのセルからの読み出し信号の大小関係は、逆になる
(図31)。このデータ“1”に対する信号V1、およ
び、データ“0”に対する信号V0は、当然ながら同一
の条件(強誘電体薄膜材料、セル面積、分極状態、印加
電圧、…)での記憶セルの場合には、図30に示される
諸量に一致する。
【0115】従って、読み出しマージンは、2倍の2Δ
Vとなり、図27で示される構成のメモリに比べ読み出
しS/Nを非常に高めることができる。
【0116】以上のように、一対の電極の一方がストラ
イプ状に、または、該電極と電気的に接続された電極が
ストライプ状に複数本、略平行に配列された第1ストラ
イプ電極218と、前記一対の電極のもう一方がストラ
イプ状に、または、該電極と電気的に接続された電極が
ストライプ状に複数本、略平行に配列された第2ストラ
イプ電極219とからなる電極に狭持された強誘電体薄
膜210から構成され、前記第1ストライプ電極218
と前記第2ストライプ電極219は強誘電体薄膜210
を挟んでほぼ直交し、その第1、第2ストライプ電極2
18,219との交差領域を記憶セル220とした強誘
電体メモリにおいて2つの記憶セル220−1,220
−2をペアで1つの記憶単位とし、記憶セル220−
1,220−2の一方の記憶セルは読み出しアンプ22
1の一方の入力端に電気的に接続され、もう一方の記憶
セルは読み出しアンプ221のもう一方の入力端に電気
的に接続されており、その差を比較増幅して読み出しを
行う。
【0117】また、2つの記憶セル220−1,220
−2をペアで1つ記憶単位とする事により、両者に同
一、あるいは、異なる情報を書き込み、それらの差を比
較増幅することで読み出しマージンを大きくすることが
可能となり、S/Nの良い読み出しができる。
【0118】以下に本発明の第13実施例として、前記
第12実施例で説明した単純マトリックス構成の強誘電
体メモリに関する、他の変形例を図33に基づき説明す
る。
【0119】合計n個の記憶単位を有する強誘電体メモ
リを、図33(a)に示されるように複数のブロック
(M1,M2,M3,…)に分割して構成する。各ブロ
ックはブロック選択回路240にて必要に応じて、電気
的に離間、あるいは、結合される。ブロック内では、第
12実施例で記載された構成に準拠し、強誘電体薄膜2
10を間に挟んでほぼ直交する一対のストライプ状の電
極218、219で強誘電体薄膜210を間に挟んでほ
ぼ直交する一対のストライプ状の電極218、219で
強誘電体薄膜210を狭持し、そのストライプ状の電極
218、219で交差された領域を記憶セルとし、所望
の記憶セルを選択するためのセル選択回路223が具備
されている。所望の記憶セルは、まず、ブロック選択回
路240にてブロックを選択し、次に、セル選択回路2
23にて所望のセルを選択する。ブロック選択、セル選
択は、ここで記載したように時系列に順序立てて行う必
要はなく、同時でも、逆の順序でも何ら支障はない。
【0120】書き込みは、全セルを一括に第1の分極状
態に設定し、所望の記憶セルを部分分極状態にすること
で書き込みを行うが、この方法では、全セルを一括に第
1の分極状態に設定されるため、1つの記憶単位を書き
直すだけでも全記憶セルを書き直さねばならず、大容量
のメモリの場合、非常に時間を要しメモリへのアクセス
スピードの高速化を阻む。しかし、本実施例で提示した
ように複数ブロックに分割してメモリを構成すれば、ブ
ロック毎に前述の書き込み動作が行えるため、書き直し
をする記憶セル211が含まれるブロックだけ、前述の
書き込み動作を行えば良く、メモリへのアクセススピー
ドをより高めることができる。全記憶セルを書き直した
い場合には、ブロック選択回路240にて全ブロックを
一括して選択すれば良い。また、第1のパルス送出回路
225、第2のパルス送出回路226、第3のパルス送
出回路227等は、必要に応じてブロック毎にブロック
内に具備しても良いし、全てを、例えば図33のように
切り替えスイッチ241を介してブロック選択回路24
0の外に設置しても良い。
【0121】さらに、ディジタル画像ファイルとして本
実施例の強誘電体メモリを使用する場合を考える。画像
の場合には、1ビットだけ、あるいは、数ビットだけ情
報を書き直すことは無い。画像1枚とか、あるまとまっ
た情報単位で書き直す。従って、前記ブロックの記憶容
量を、その情報単位で構成する。こうすることで、書き
直しをしたい情報単位毎に、書き直しを行えば良く、情
報単位を記憶容量とするブロックを複数具備する強誘電
体メモリとすることで、非常に効率の良い、アクセスス
ピードの速い画像ファイル用の強誘電体メモリが提供で
きる。
【0122】以下に本発明の第14実施例を説明する。
すなわち、前記実施例において、第1の分極状態の強誘
電体薄膜210の分極状態を設定する際の第1のパルス
の大きさVe(絶対値)について説明する。
【0123】図22、23には、SrBi2 Ta2 O9
強誘電体薄膜に対する、図24には、Pb(Zr0.45T
i0.55)O3 強誘電体薄膜に対する、印加パルスの大き
さVaと反転分極量Pの実測データを示す。図より明ら
かなように、印加電圧Vaに伴い強誘電体薄膜の分極は
非線形的に反転していくが、抗電圧Vcの2倍〜2.5
倍で反転分極量は飽和する。すなわち、それ以上印加電
圧Vaを増加しても反転分極量は大きくならない。逆に
言えば、抗電圧Vcの2倍〜2.5倍の大きさを有する
パルスを印加すると、強誘電体薄膜の分極を完全に反転
(完全反転)させることができる。前記実施例で説明し
ているように、本実施例のメモリでは、第1の分極状態
と部分分極状態とを記憶状態として利用し、その容量値
差ΔCを読み出すメモリであることから、ΔCは大きい
方が望ましい。
【0124】同図から明らかなように、強誘電体薄膜2
10の上部電極217に電圧を印加するか、下部電極2
10に印加するかで部分分極作成電圧Vpに対する作成
された部分分極状態での容量値Cpを示すCp−Vpカ
ーブは非対称であり、Vp=0での容量値Coの値は異
なるが、このCoがデータ“0”に対する容量値とな
る。
【0125】同図は、 1)負の方向に十分な電圧(前記サンプルに対し−5
V)を印加し、 2)完全反転させた第1の分極状態にセットした後にV
pを印加、 3)部分分極状態作成、容量値Cp測定 そして、1)に戻り、Vpをパラメータとして変化させ
て、Cp測定を…、と繰り返している。従って、Coの
値は完全反転させた状態での容量値である。読み出しマ
ージンΔCを極大とするためには、第1の分極状態は完
全反転された分極状態とする必要がある。何故なら、前
記第11実施例記載の非対称性を利用することで、もっ
とも小さな容量値Coを持たせることができるからであ
る。読み出しマージンΔCを大きくするには、第1の分
極状態の容量値Coをできるだけ小さくし、部分分極状
態の容量値をできるだけ大きな値とすることで、ΔCを
最大にすることができ、高S/Nのメモリが具現でき
る。
【0126】従って、強誘電体薄膜210の抗電圧Vc
の2倍以上である第1のパルスを印加することで、第1
の分極状態を完全分極状態とすることができ、一方の記
憶状態である部分分極状態とで容量値差を最大限設ける
ことができることから、S/Nの良い読み出しができ
る。
【0127】次に本発明の第15実施例を説明する。図
20から明らかなように、強誘電体薄膜210の抗電圧
Vcの2倍〜2.5倍の大きさを有する第1のパルスを
印加することで分極を完全反転させることができる。強
誘電体薄膜210の抗電圧Vcの2倍〜2.5倍の大き
さを有する負の第1のパルスを印加し、負の方向に強誘
電体薄膜210の分極状態を第1の分極状態にセットし
て、次に、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの0.3倍
〜2.5倍の大きさを有する正の第2のパルスを印加す
ることで部分分極状態を形成することができる(図2
0)。これは、代表的な強誘電体メモリの記憶セルとし
て研究されているSrBi2 Ta2 O9 強誘電体薄膜、
および、Pb(Zr0.4 Ti0.6 )O3 強誘電体薄膜の
両者に対して言えることを我々は見い出した。また、当
然ながら部分分極状態は極めて安定に存在している事が
確認された。
【0128】従って、強誘電体薄膜210の抗電圧Vc
の0.3倍〜2.5倍である大きさVw(絶対値)を有
する第2のパルスを印加することで、非常に安定した部
分分極状態を作ることができる。
【0129】また、第1の分極状態は、必ずしも完全反
転の必要はなく、必要な読み出しマージンΔCが得られ
れば本実施例の強誘電体メモリは具現できる。従って第
1の分極状態は完全反転された分極状態とする必要性は
必須ではなく第1の分極状態はメモリシステム全体の中
で適切に設定された印加電圧により作り出せば良い。こ
の場合には、通常、メモリシステム全体の中で許容され
る最大の印加電圧により第1の分極状態が作り出される
のが普通であるが、この限りではない。
【0130】以下に本発明の第16実施例を説明する。
すなわち、第12実施例で記述した単純マトリックスに
おいて、第3のパルスを印加して記憶セル211、ある
いは、220−1、220−2の情報を読み出しする場
合の電圧値について説明する。通常、メモリの機能を考
えると同一状態の同一セルを106 回、あるいは、10
7 回読み出すことは十分考えられる。読み出し動作後の
記憶セルの分極量の変化が元々の値に比べて10%程度
であれば設計的に許容される。
【0131】図34、図35、及び図36、図37には
SrBi2 Ta2 O9 強誘電体薄膜に対する印加電圧V
dと分極の破壊量Pdの関係を示す。図34、35は、
強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの2.5倍以上の大き
さを有する負の第1のパルスを印加して完全分極反転さ
せた第1の分極状態に対するデータで、図36、37
は、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの2.5倍以上の
大きさを有する負の第1のパルスを印加して完全分極反
転させた第1の分極状態を作成後、強誘電体薄膜210
の抗電圧Vcの1.5倍の大きさの正の第2のパルスを
印加して作り出した部分分極状態に対するデータであ
る。この抗電圧Vcの1.5倍の大きさの正の第2のパ
ルスを印加して作り出した部分分極状態とは、前記実施
例で説明したCpmaxを有する分極状態である。さら
に、図34、36は、Vdの大きさを持つ正の片側極性
のパルスを印加した場合、図35、37は、Vdの大き
さを持つ両極性のパルスを印加した場合のデータであ
る。これらの図から明らかなように、強誘電体薄膜21
0の抗電圧Vcの0.3倍以下であれば、片側極性の印
加パルス、あるいは、両極性の印加パルスに対し、10
9 回後でも分極の変化、すなわち、破壊される量は元々
の分極量の10%以下である。
【0132】従って、第1の分極状態、あるいは、部分
分極状態に分極された記憶セル211に振幅の最大値
が、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの0.3倍以下で
あり、0バイアス状態に基準を有する片側極性、あるい
は、両極性の第3のパルスを印加して、記憶セル211
の情報を読み出しを行うことで、分極状態を変化させな
い、すなわち、記憶状態を非破壊で読み出しが行える。
【0133】次に本発明の第17実施例を説明する。図
27、図28、図29に基づき本発明の第17実施例を
説明する。本実施例は単純マトリックス構成としてい
る。すなわち、強誘電体薄膜210を間に挟んでほぼ直
交する一対のストライプ状の電極で強誘電体薄膜210
を挾持し、そのストライプ状の電極で交差された領域を
記憶セル220とする構成である。
【0134】以下に、図27により前記第11実施例で
説明した強誘電体セル211を単純マトリックス構成と
したメモリ動作を説明する。強誘電体薄膜210の上部
電極217、および、下部電極216が、第1ストライ
プ電極218、第2ストライプ電極219に構成されて
いる。上部電極217、および、下部電極216のどち
らを、第1ストライプ電極218、あるいは、第2スト
ライプ電極219としても良い。
【0135】書き込みは以下のようにする。まず、第1
の分極状態にセットする。この場合、セル選択回路22
3により所望のセル220を選択し、第1のパルスを送
出する第1のパルス送出回路225から、選択したセル
220にだけ第1のパルスを印加する。次に、切り替え
スイッチ228を切り替え、第2のパルスを送出する第
2のパルス送出回路226により、選択したセルにだけ
第2のパルスを印加する。しかし、図に示す単純マトリ
ックス構成の場合、選択したセル220にだけ電圧を印
加することは容易ではない。何故なら、隣接セルとの相
互干渉(クロストーク)により選択したセルに電圧を印
加するとした場合、非選択セルにも何らかの電圧が印加
されてしまう。例えば、図28に示すように、容量Cを
n×nマトリックスに構成して、Cijを選択し、Va
なる大きさの電圧を印加した場合、非選択セルをも含め
た各セルに印加される電圧は図29に示すようになる。
従って、選択されない非選択セル220′の分極状態を
も変えてしまう。そこで、本実施例では以下のように行
っている。第1の分極状態にセットする分極設定は、選
択回路228により全てのX−ラインの第1ストライプ
電極218を選択し、また、Y−ラインの第2ストライ
プ電極219も同様に選択回路228により全て選択し
て切り替えスイッチ229を分極設定回路側に切り替
え、第1のパルスを全セルに印加する。こうすること
で、全セルが第1の分極状態に設定される。次に、部分
分極状態にセットする書き込みは、切り替えスイッチ2
29を書き込む回路側に電気的に接続し、以下のように
行う。
【0136】すなわち、X−ラインの選択された第1ス
トライプ電極218にVw/3、非選択の第1ストライ
プ電極218′に0V、Y−ラインの選択された第2ス
トライプ電極219に0、非選択の第2ストライプ電極
219′を2Vw/3なる大きさの電圧を印加すること
により、選択セル220にはVw、非選択セル220′
には±Vw/3が印加される。この電圧印加方式を、こ
こでは、1/3駆動法と命名する。この時、図34〜図
37から明らかなように、印加電圧の大きさが、強誘電
体薄膜210の抗電圧のVcの少なくとも0.3倍以下
であれば、片側極性の印加パルス、あるいは、両極性の
印加パルスに対し、109 回後でも分極の変化、すなわ
ち、破壊される量は元々の分極量の10%以下である。
従って、非選択セル220′に印加される±Vw/3
が、強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの0.3倍程度で
あれば、該セル220′の分極状態、すなわち記憶情報
は破壊されない。
【0137】従って、強誘電体薄膜210の抗電圧Vc
の1倍以下である大きさVw(絶対値)を有する第2の
パルスを選択セル220に印加して部分分極状態を作成
する事で、非選択セル220′の記憶状態を破壊せず
に、選択した記憶セル220を安定した部分分極状態と
することができる。つまり、他記憶セルへの干渉無しに
書き込み動作が行える。
【0138】また、本実施例は図32に示すように、2
つの記憶セルを1つの記憶単位とした単純マトリックス
構成の強誘電体メモリに対しても適用できる。すなわ
ち、強誘電体薄膜210を挟んでほぼ直交する第1スト
ライプ電極238−1、238−2と第2ストライプ電
極239が交差する領域の2つの記憶セル220−1、
220−2を1つの記憶単位とする。図27では1つの
記憶セル220が1つの記憶単位であったが、図32で
は、記憶セルを2つで1つの記憶単位が構成されてい
る。この場合、必ずしも隣り合う記憶セルである必要は
なく、1対1で対応していれば良い。本メモリの詳細な
説明は第14実施例に記載している。このメモリに対し
ても、上記1/3駆動法を適用し、強誘電体薄膜210
の抗電圧Vcの1倍以下である大きさVw(絶対値)を
有する第2のパルスを記憶セル220−1、220−2
に印加して部分分極状態を作成する事で、非選択セル2
20′の記憶状態を破壊せずに、選択した記憶セル22
0−1、220−2を安定した部分分極状態とすること
ができる。つまり、他記憶セルへの干渉無しに書き込み
動作が行える。
【0139】従って、強誘電体薄膜210の抗電圧Vc
の1倍以下である大きさVw(絶対値)を有する第2の
パルスを印加して部分分極状態を作成する事で、非選択
セルの記憶状態を破壊せずに、選択した記憶セル220
−1、220−2を安定した部分分極状態とすることが
できる。つまり、他記憶セルへの干渉無しに書き込み動
作が行える。また、2つの記憶セル220−1、220
−2をペアで1つの記憶単位とする事により、両者に同
一あるいは、異なる情報を書き込み、それらの情報の
和、あるいは、差等を読み出すことによりS/Nの良い
読み出しができる。
【0140】なお、上記した実施例の強誘電体薄膜とし
ていわゆる反強誘電体薄膜を用いることも可能であり、
この場合は適当なバイアス電圧をあらかじめ印加してお
くことにより、上記したような第1の分極状態と部分分
極状態とを使用して“0”、“1”情報の書き込みある
いは読み出しを行なうことができる。
【0141】上記した具体的実施例から次のような構成
の技術的思想が導き出される。
【0142】(1) 一対の電極により挟持された強誘
電体薄膜10を記憶セルとする強誘電体メモリであっ
て、前記強誘電体薄膜の抗電圧Vthよりも大きい電圧V
e を有する第1のパルス13を印加して、自発分極の2
つの状態のうち第1の方向の分極状態に分極させる第1
のパルス印加手段と、前記第1のパルス13とは逆極性
の電圧Vw を有する第2のパルス14を印加して、前記
第1の方向の分極状態を有する領域と、前記第1の方向
とは逆方向の第2の方向の分極状態を有する領域とが混
合した部分分極状態を形成する第2のパルス印加手段
と、を具備したことを特徴とする強誘電体メモリ。
【0143】(2) 構成(1)において、第2のパル
ス14の大きさVw(絶対値)が、前記強誘電体薄膜1
0の抗電圧の0.3倍〜2倍である事を特徴とする強誘
電体メモリ。
【0144】(3) 構成(1)あるいは(2)におい
て、前記第1のパルス13の大きさVe(絶対値)と、
前記第2のパルス14の大きさVw(絶対値)が、Vw
≦Veである事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0145】(4) 構成(1)において、第2のパル
ス14のパルス幅Wwが、第1のパルス13のパルス幅
Weの1%〜300%である事を特徴とする強誘電体メ
モリ。
【0146】(5) 構成(4)において、前記第1の
パルス13のパルス幅Weと、前記第2のパルス14の
パルス幅Wwが、Ww≦Weである事を特徴とする強誘
電体メモリ。
【0147】(6) 構成(1)において、前記部分分
極状態の分極量が第1の分極状態の分極量の10%〜9
0%である事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0148】(7) 構成(1)において、前記第1の
分極状態と前記部分分極状態の差を容量値の差として検
出する事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0149】(8) 構成(7)において、前記第2の
パルスとは極性が逆である第3のパルス15を印加し
て、前記部分分極状態の分極状態の読み出しを行う事を
特徴とする強誘電体メモリ。
【0150】(9) 構成(8)において、さらに、読
み出し信号を検出するセンス回路18を有し、第3のパ
ルス15が、前記センス回路18のセット時間よりも長
いパルス幅を有する事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0151】(10) 構成(8)において、第3のパ
ルス15が、前記強誘電体薄膜10の抗電圧の0.3倍
以下のパルス高を有する事を特徴とする強誘電体メモ
リ。
【0152】(11) 構成(8)において、第3のパ
ルス15のパルス高、あるいはパルス幅が、前記第2の
パルス14のパルス高、パルス幅に比べて小さい事を特
徴とする強誘電体メモリ。
【0153】(12) 構成(8)において、第3のパ
ルス15がバイアス状態にベースラインを有する交流信
号である事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0154】(13) 構成(12)において、第3の
パルス15の振幅の最大値が、前記強誘電体薄膜10の
抗電圧の0.3倍以下である事を特徴とする強誘電体メ
モリ。 (14) 構成(12)あるいは(13)において、第
3のパルス15は、前記センスアンプ18のセット時間
より長い立ち上がり時間trを有する事を特徴とする強
誘電体メモリ。
【0155】(15) 構成(1)において前記一対の
電極が、ストライプ状に配列された下部電極、または、
下部電極が接続された電極からなる第1ストライプ電極
130と、前記下部電極とほぼ直交する方向にストライ
プ状に配列された上部電極、または、上部電極が接続さ
れた電極からなる第2ストライプ電極131であり、前
記第1ストライプ電極130、および、第2ストライプ
電極131の交差領域を記憶セルとし、所望の記憶セル
をセレクトする選択回路と、書き込み回路33、およ
び、読み出し回路をさらに具備した事を特徴とする強誘
電体メモリ。
【0156】(16) 構成(15)において、選択回
路を介して第1ストライプ電極130に信号発生器が接
続されている事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0157】(17) 構成(15)あるいは(16)
において、第1ストライプ電極130各々に信号発生器
が接続されている事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0158】(18) 構成(15)〜(17)におい
て、選択回路を介して第2ストライプ電極131にセン
ス回路18が接続されている事を特徴とする強誘電体メ
モリ。 (19) 構成(15)〜(18)において、第2スト
ライプ電極131各々にセンス回路18が接続されてい
る事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0159】(20) 構成(15)〜(19)におい
て、記憶セルの分極を前記第1の分極状態に設定する
際、前記第1ストライプ電極130、および、第2スト
ライプ電極131の一部、または、全部を選択し、前記
第1のパルス13を印加する事を特徴とする強誘電体メ
モリ。
【0160】(21) 構成(17)〜(20)のいず
れかにおいて、書き込み時に第2のパルス14を、選択
するワードラインにVw、非選択ワードラインにVw/
3、選択データラインに0V、非選択のデータラインに
2Vw/3となるよう印加する事を特徴とする強誘電体
メモリ。
【0161】(22) 構成(17)〜(21)のいず
れかにおいて、書き込み時に第2のパルス14を、選択
するワードラインにVw/2、非選択ワードラインに0
V、選択データラインに−Vw/2、非選択データライ
ンに0Vとなるよう印加する事を特徴とする強誘電体メ
モリ。
【0162】(23) 構成(17)において、データ
ライン30、または、ワードライン31、もしくは、そ
の両方に選択回路を通してGNDレベルに接地されたイ
ンピーダンス回路、または、インピーダンス素子17が
接続されている事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0163】(24) 構成(26)において、第2の
パルス14の立ち上がり時間が前記インピーダンス回
路、または、素子17とワードライン31、または、デ
ータライン30の抵抗分・容量分から決められる時定数
よりも速い事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0164】(25) 構成(26)において、第3の
パルス28の立ち上がり時間が前記インピーダンス回
路、または、素子17とワードライン31、または、デ
ータライン30の抵抗分・容量分から決められる時定数
よりも遅い事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0165】(26) 構成(17)において、前記強
誘電体薄膜10の一方の電極がスイッチング素子の一方
の電極に接続され、もう一方の電極はプレートラインに
そして前記スイッチング素子のもう一方の電極がデータ
ライン30に接続されている事を特徴とする強誘電体メ
モリ。
【0166】(27) 構成(26)において、前記ス
イッチング素子がFET型の半導体トランジスタであ
り、そのゲート端子がワードライン45に接続されてい
る事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0167】(28) 構成(26)、(27)におい
て、前記プレートライン47がワードライン45に平行
に配置されている事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0168】(29) 構成(26)、(27)におい
て、前記プレートライン47がデータライン30に垂直
に配置されている事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0169】(30) 構成(26)〜(29)のいず
れかにおいて、前記プレートライン47が全て電源電
圧、あるいは、書き込み電圧Vwの1/2に固定されて
いる事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0170】(31) 構成(26)〜(30)のいず
れかにおいて、ダミーセル46との信号差を比較する事
で、出力を読み出す事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0171】(32) 構成(31)において、ダミー
セル46が線形容量素子、あるいは、強誘電体の線形容
量分を利用した素子である事を特徴とする強誘電体メモ
リ。 (33) 構成(26)〜(32)のいずれかにおい
て、読みだし動作後、ワードライン45を再度選択する
事を特徴とする強誘電体メモリ。
【0172】(34) 構成(17)において、前記第
1ストライプ電極130、または、第2ストライプ電極
131の一方が2本ペアで平行に配列してなり、第1ス
トライプ電極130と第2ストライプ電極131で交差
した領域2つペア131a、131bで1つの記憶単位
とし、所望の記憶セルをセレクトする選択回路、書き込
み回路、および、読み出し回路59をさらに具備した事
を特徴とする強誘電体メモリ。
【0173】(35) 構成(37)において、2つの
ペアからなる記憶セル131a、131bの一方に第1
の情報を書き込み、もう一方に第2の情報を書き込む事
を特徴とする強誘電体メモリ。
【0174】(36) 構成(35)において、2つの
ペアからなる記憶セル131a、131bに接続される
一方のワードラインが差動型センスアンプ59の一方の
入力端に接続され、もう一方のワードラインが、上記セ
ンスアンプ59のもう一方の入力端に接続されている事
を特徴とする強誘電体メモリ。
【0175】(37) 構成(1)において、前記一対
の電極のうち一方の電極が前記強誘電体薄膜210の下
層となる下部電極216であり、もう一方の電極が強誘
電体薄膜210の上層となる上部電極217であって、
前記第1の分極状態が前記下部電極216方向に分極さ
れている事を特徴とする強誘電体メモリ装置。
【0176】(38) 構成(1)において、前記一対
の電極のうち一方の電極が前記強誘電体薄膜210の下
層となる下部電極216であり、もう一方の電極が強誘
電体薄膜210の上層となる上部電極217であって、
前記第1の分極状態が前記上部電極217方向に分極さ
れている事を特徴とする強誘電体メモリ装置。
【0177】(39) 構成(1)、(37)、(3
8)のいずれかにおいて、前記一対の電極のうち一方が
ストライプ状に、または、該電極と電気的に接続された
電極がストライプ状に複数本、略平行に配列された第1
ストライプ電極218と、前記一対の電極のもう一方が
ストライプ状に、または、該電極と電気的に接続された
電極がストライプ状に複数本、略平行に配列された第2
ストライプ電極219とからなる電極に狭持された強誘
電体薄膜210から構成され、前記第1ストライプ電極
218と前記第2ストライプ電極219は前記強誘電体
薄膜210を挟んでほぼ直交し、その第1、第2ストラ
イプ電極218、219との交差領域を記憶セル220
とした強誘電体メモリにおいて、特定の2つの記憶セル
をペアで1つの記憶単位とした事を特徴とする強誘電体
メモリ装置。
【0178】(40) 構成(39)において、前記記
憶セル220からの信号を検出する差動型の読み出しア
ンプ221を具備し、前記2つの記憶セル220−1、
220−2の一方の記憶セルを比較増幅型読み出しアン
プ221の一方の入力端に電気的に接続され、もう一方
の記憶セルが比較増幅型読み出しアンプ221のもう一
方の入力端に電気的に接続されている事を特徴とする強
誘電体メモリ装置。
【0179】(41) 構成(39)または(40)に
おいて、合計n個の記憶単位を有し、該n個の記憶単位
が少なくとも2つ以上の複数ブロックに電気的に離間さ
れた状態となっていることを特徴とする強誘電体メモリ
装置。
【0180】(42) 構成(41)において、前記ブ
ロックが1枚分の映像情報を記憶できる記憶単位を有す
ることを特徴とする強誘電体メモリ装置。
【0181】(43) 構成(1)、(37)〜(4
2)のいずれかにおいて、前記第1のパルスの大きさV
e(絶対値)が、前記強誘電体薄膜210の抗電圧の2
倍以上である事を特徴とする強誘電体メモリ装置。
【0182】(44) 構成(43)において、前記第
2のパルスの大きさVw(絶対値)が前記第1のパルス
の大きさよりも小さく、前記強誘電体薄膜210の抗電
圧の0.3倍〜2.5倍である事を特徴とする強誘電体
メモリ装置。
【0183】(45) 構成(1)において、前記第2
のパルスの大きさVw(絶対値)が、前記強誘電体薄膜
210の抗電圧の1倍〜2倍である事を特徴とする強誘
電体メモリ装置。
【0184】(46) 構成(1)、(37)〜(4
2)のいずれかにおいて、前記第1の分極状態、あるい
は、部分分極状態に分極された記憶セル211に、振幅
の最大値が前記強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの0.
3倍以下であり、0バイアス状態に基準を有する片側極
性、あるいは、両極性の第3のパルスを印加して、前記
記憶セル211の情報の読み出しを行う事を特徴とする
強誘電体メモリ装置。
【0185】(47) 構成(1)、(37)、(3
8)のいずれかにおいて、前記一対の電極の一方がスト
ライプ状に、または、該電極と電気的に接続された電極
がストライプ状に複数本、略平行に配列された第1スト
ライプ電極218と、前記一対の電極のもう一方がスト
ライプ状に、または、該電極と電気的に接続された電極
がストライプ状に複数本、略平行に配列された第2スト
ライプ電極219とからなる電極に狭持された強誘電体
薄膜210から構成され、前記第1ストライプ電極21
8と前記第2ストライプ電極219は前記強誘電体薄膜
210を挟んでほぼ直交し、その第1、第2ストライプ
電極218、219との交差領域を記憶セル220とし
た強誘電体メモリにおいて、前記第2のパルスVw(絶
対値)の大きさが、前記強誘電体薄膜の抗電圧Vcの1
倍以下であり、かつ、前記第1ストライプ電極218に
は第2のパルスの大きさVwの1/3の電圧を印加する
事を特徴とする強誘電体メモリ装置。
【0186】(48) 構成(39)において、前記第
2のパルスの大きさVwが、前記強誘電体薄膜210の
抗電圧の1倍以下である事を特徴とする強誘電体メモリ
装置。
【0187】上記した構成(1)〜(48)の作用、効
果は以下の通りである。
【0188】(1) (作用) 自発分極(分極)の2つの状態のうち第1の
分極状態に前記強誘電体薄膜の抗電圧Vthよりも大き
い電圧Veを有する第1のパルス13を印加して分極さ
せ、次に、前記印加電圧Veとは逆極性の電圧Vwを有
する第2のパルス14を印加し、前記第1の方向の分極
を有する領域と、前記第1の方向とは逆方向の第2の分
極を有する領域とが混合した部分分極状態にて情報の記
憶を行う。
【0189】(効果) 書き込み時に、第1のパルス1
3とは逆極性のパルスを印加することで、完全分極でな
く、極めて安定な部分分極の状態を作り出すことがで
き、この部分分極状態は、電圧が0でも部分分極状態
“1”と“0”とで容量値が異なるため、これを完全な
0バイアス状態で読み出しが行えることから完全な非破
壊で読み出し動作ができる。
【0190】(2) (作用) 自発分極(分極)の2つの状態のうち第1の
分極状態に前記強誘電体薄膜の抗電圧Vthよりも大き
い電圧Veを有する第1のパルス13を印加して分極
し、次に、前記印加電圧Veとは逆極性の抗電圧の0.
3倍〜2倍であるパルス高を有する第2のパルス14を
印加し、前記第1の方向の分極を有する領域と、前記第
1の方向とは逆方向の第2の分極を有する領域の混合し
た部分分極状態にて情報の記憶を行う。
【0191】(効果) 書き込み時に、第1のパルス1
3とは逆極性の、しかも、抗電圧の03倍〜2倍のパル
ス高を有する第2のパルス14を印加することで、第1
の方向の分極を完全反転させることなく、第2の方向の
分極状態を混在させた部分分極状態を安定して形成でき
る。
【0192】(3) (作用) 自発分極(分極)の2つの状態のうち第1の
分極状態に前記強誘電体薄膜の抗電圧Vthよりも大き
い電圧Veを有する第1のパルス13を印加して分極
し、次に、前記印加電圧Veとは逆極性の、しかも、大
きさ(絶対値)が、前記印加電圧Veの大きさより小さ
い電圧Vwを有する第2のパルス14を印加し、前記第
1の方向の分極を有する領域と、前記第1の方向とは逆
方向の第2の分極を有する領域の混合した部分分極状態
にて情報の記憶を行う。
【0193】(効果) 書き込み時に、第1のパルス1
3とは逆極性の、しかも、大きさ(絶対値)が、前記印
加電圧Veの大きさより小さい電圧Vwを有する第2の
パルス14を印加することで、第1の方向の分極を完全
反転させることなく、第2の方向の分極状態を混在させ
た分極状態を安定して形成できる。
【0194】(4) (作用) 自発分極(分極)の2つの状態のうち第1の
分極状態に前記強誘電体薄膜の抗電圧Vthよりも大き
い電圧Veを有する第1のパルス13を印加して分極
し、次に、前記印加電圧Veとは逆極性の、第1のパル
ス幅の1%〜300%のパルス幅を有する第2のパルス
14を印加し、前記第1の方向の分極を有する領域と、
前記第1の方向とは逆方向の第2の分極を有する領域の
混合した部分分極状態にて情報の記憶を行う。
【0195】(効果) 書き込み時に、第1のパルス1
3とは逆極性の、しかも、第1のパルス幅の1%〜30
0%のパルス幅を有する第2のパルス14を印加するこ
とで、第1の方向の分極を完全反転させることなく、第
2の方向の分極状態を混在させた部分分極状態を安定し
て形成できる。
【0196】(5) (作用) 自発分極(分極)の2つの状態のうち第1の
分極状態に前記強誘電体薄膜の抗電圧Vthよりも大き
い電圧Veを有する第1のパルス13を印加して分極
し、次に、前記印加電圧Veとは逆極性の、しかも、パ
ルス幅がWw≦Weを満足する第2のパルス14を印加
し、前記第1の方向の分極を有する領域と、前記第1の
方向とは逆方向の第2の分極を有する領域を混合させた
部分分極状態にて情報の記憶を行う。
【0197】(効果) 書き込み時に、第1のパルス1
3とは逆極性の、しかも、パルス幅がWw≦Weを満足
する第2のパルス14を印加することで、第1の方向の
分極を完全反転させることなく、第2の方向の分極状態
を混在させた部分分極状態を安定して形成できる。
【0198】(6) (作用) 自発分極(分極)の2つの状態のうち第1の
分極状態に前記強誘電体薄膜の抗電圧Vthよりも大き
い電圧Veを有する第1のパルス13を印加して分極
し、次に、前記印加電圧Veとは逆極性の電圧Vwを有
する第2のパルス14を印加し、前記第1の方向の分極
を有する領域と、前記第1の方向とは逆方向の第2の分
極を有する領域を混合させた部分分極状態にて情報の記
憶を行う。
【0199】(効果) 第1の分極状態の分極量の10
%〜90%の分極量を有する部分分極状態とする事で、
電圧が0でも部分分極状態“1”と“0”とで容量値に
差を付ける事ができ、“1”、“0”を識別することが
できる。
【0200】(7) (作用) 第1の分極状態と部分分極の差を容量値の差
として検出する。
【0201】(効果) 第1の分極状態と部分分極の差
を容量値の差として検出することで、第3のパルスの振
幅は小さくて良く、すなわち、強誘電体薄膜10への印
加電圧は小さくても良く、分極状態の破壊を防ぐ事がで
きる。
【0202】(8) (作用) 第2のパルス14とは極性が逆である第3の
パルス15により情報を読み出す。
【0203】(効果) 第2のパルス14とは極性が逆
である第3のパルス15により情報を読み出す事で、記
憶情報の“1”、“0”をS/N良く読み出すことがで
きる。
【0204】(9) (作用) パルス幅がセンス回路18のセット時間より
も長い第3のパルス15で情報を読み出す。
【0205】(効果) パルス幅がセンス回路18のセ
ット時間よりも長い第3のパルス15で情報を読み出す
事で、センス回路18が定常動作状態で読み出しができ
る為、読み出しエラーが防止できる。すなわち、S/N
の良い読み出しが可能となる強誘電体メモリが具現でき
る。
【0206】(10) (作用) パルス高が強誘電体薄膜10の抗電圧Vcの
0.3倍以下である第3のパルス15で情報を読み出
す。
【0207】(効果) パルス高が強誘電体薄膜10の
抗電圧Vcの0.3倍以下である第3のパルス15で情
報を読み出す事で、強誘電体薄膜10の分極状態を読み
出し動作により破壊することがない。
【0208】(11) (作用) 読み出し時に、前記第2のパルス14に比べ
てパルス高、あるいはパルス幅が小さい第3のパルス2
8を印加する。
【0209】(効果) 読み出し時に、前記第2のパル
ス14に比べてパルス高、あるいはパルス幅が小さい第
3のパルス28を印加する事で、強誘電体薄膜10の分
極状態を破壊することがない。
【0210】(12) (作用) 0バイアス状態にベースラインを有する交流
信号である第3のパルス15により情報を読み出す。
【0211】(効果) 0バイアス状態にベースライン
を有する交流信号である第3のパルス15により情報を
読み出す事で、強誘電体薄膜10の分極状態を破壊する
ことがない。
【0212】(13) (作用) 0バイアス状態にベースラインを有し、振幅
の最大値が抗電圧の0.3倍以下である第3のパルス1
5により情報を読み出す。
【0213】(効果) 0バイアス状態にベースライン
を有し、振幅の最大値が抗電圧の0.3倍以下である交
流信号である第3のパルス15により情報を読み出す事
で、強誘電体薄膜10の分極状態を破壊することがな
い。
【0214】(14) (作用) 0バイアス状態にベースラインを有し、パル
スの立ち上がり時間trが、センス回路18のセット時
間より遅い交流信号である第3のパルス15により情報
を読み出す。
【0215】(効果) 0バイアス状態にベースライン
を有し、パルスの立ち上がり時間trが、センス回路1
8のセット時間より遅い交流信号である第3のパルス1
5により情報を読み出す事で、強誘電体薄膜10の分極
状態を破壊することがなく、また、定常動作しているセ
ンス回路18で読み出しを行う為、読み出しエラーを防
止する事ができる。
【0216】(15) (作用) 選択回路により選択した第1ストライプ電極
30、および、第2ストライプ電極31により挟持され
た強誘電体薄膜10からなる記憶セルに、書き込み回路
33、および、読み出し回路34を電気的に接続し、書
き込み、読み出しを行う。
【0217】(効果) こうした構成とする事で、非破
壊読み出しのできる高集積大容量メモリが具現できる。
【0218】(16) (作用) 選択回路により、所望のワードライン31を
選択して、信号発生器から第2のパルス14を選択セル
に印加し、書き込みを行う。
【0219】(効果) 選択回路により、所望のワード
ライン31を選択して、信号発生器から第2のパルス1
4を選択セルに印加する事で、選択したセルにだけ信号
を印加させる事ができる。
【0220】(17) (作用) 信号発生器をワードライン31個々に接続
し、一部、または全てのワードライン31に一括して、
信号発生器からの信号を選択セルに印加する。
【0221】(効果) 一部、または全てのワードライ
ン31に一括して、信号発生器からの信号を選択セルに
印加できる為、高速動作のメモリが具現できる。
【0222】(18) (作用) 選択回路により選択されたデータライン30
をセンス回路に電気的に接続し、信号を検出する。
【0223】(効果) 選択回路により選択されたデー
タライン30をセンス回路に電気的に接続する事で、選
択したセルからの情報を、他セルからの干渉なしに読み
出す事ができる。
【0224】(19) (作用) データライン30個々にセンス回路18を接
続し、一部、または全てのデータライン30をセンス回
路に電気的に接続する。
【0225】(効果) 一部、または全てのデータライ
ン30をセンス回路に一括して電気的に接続する事で、
高速で情報の読み出しが可能となる。
【0226】(20) (作用) 記憶セル10の分極を前記第1の分極状態に
設定する際、前記第1ストライプ電極130、および、
第2ストライプ電極131の一部、または、全部を選択
し、第1のパルス13を印加する。
【0227】(効果) 第1ストライプ電極130、お
よび、第2ストライプ電極131の一部、または、全部
を選択し、第1のパルス13を印加する事で、第1の分
極状態の設定を一括してできるので、高速で、かつ、高
集積大容量メモリが具現できる。
【0228】(21) (作用) 書き込み時に、第2のパルス14を選択する
ワードライン31に第2のパルスVwを、非選択ワード
ライン31にVw/3を、選択データライン30に0V
を、非選択のデータライン30に2Vw/3を印加す
る。
【0229】(効果) 書き込み時に、第2のパルス1
4を選択するワードライン31にVw非選択ワードライ
ン31にVw/3、選択データライン30に0V、非選
択のデータライン30に2Vw/3を印加する事で、選
択セル以外のセルへの書き込みが防げ、他セルへの干渉
無しに書き込みが行える。
【0230】(22) (作用) 書き込み時に、第2のパルス14を選択する
ワードライン31にVw/2、非選択ワードライン31
に0V、選択データライン30に−Vw/2、非選択デ
ータライン30に0V、印加する。
【0231】(効果) 書き込み時に、第2のパルス1
4を選択するワードライン31に大きさVw/2、非選
択ワードライン31に0V、選択データライン30に−
Vw/2、非選択データライン30に0V、印加するこ
とで、選択セルにはVwを、その他の非選択セルにはV
w/2が印加されるため、選択セル以外のセルへの書き
込みが防げ、他のセルへの干渉無しに書き込みが行え
る。
【0232】(23) (作用) データライン30、または、ワードライン3
1、もしくは、その両方を選択回路により、所望のライ
ンをGNDレベルに接地されたインピーダンス回路、ま
たは、素子17に電気的に接続する。
【0233】(効果) データライン30、または、ワ
ードライン31、もしくは、その両方を選択回路によ
り、所望のラインをGNDレベルに接地されたインピー
ダンス回路、または、素子17に電気的に接続する事
で、非選択セルからの情報、いわゆる、ノイズは前記イ
ンピーダンス回路、または、インピーダンス素子を介し
てGNDレベルに流出する為、非選択セルからの干渉無
しにS/Nの良い読み出しが可能となる。
【0234】(24) (作用) インピーダンス回路、または、素子17とワ
ードライン31、またはデータライン30の抵抗分・容
量分から決められる時定数よりも速い立ち上がり時間を
有する第2のパルス14を印加する事で、書き込みを行
う。
【0235】(効果) インピーダンス回路、または、
素子17とワードライン31、またはデータライン30
の抵抗分・容量分から決められる時定数よりも速い立ち
上がり時間を有する第2のパルス14を印加する事で、
非選択セルへの実効的な印加電圧を減ずることができる
為、非選択セルの分極を変化させることなく、つまり、
干渉無しに書き込みができる。
【0236】(25) (作用) インピーダンス回路、または、素子17とワ
ードライン31、またはデータライン30の抵抗分・容
量分から決められる時定数よりも遅い立ち上がり時間を
有する第3のパルス15を印加する事で読み出しを行
う。
【0237】(効果) インピーダンス回路、または、
素子17とワードライン31、またはデータライン30
の抵抗分・容量分から決められる時定数よりも遅い立ち
上がり時間を有する第3のパルス15を印加する事で、
非選択セルからの情報、いわゆる、ノイズは前記インピ
ーダンス回路、または、インピーダンス素子17を介し
てGNDレベルに流出する為、非選択セルからの干渉無
しにS/Nの良い読み出しが可能となる。
【0238】(26) (作用) 強誘電体容量とデータライン30との間に電
気的に接続されたスイッチング素子をオン・オフする事
により所望とするセルを選択する。
【0239】(効果) 強誘電体容量とデータライン3
0との間に電気的に接続されたスイッチング素子をオン
・オフする事により所望とするセルを選択する事で、非
選択セルとは電気的に分離することができる為、S/N
の良い書き込み、あるいは読み出しができる。
【0240】(27) (作用) 強誘電体容量とデータライン30との間に電
気的に接続されたFET型の半導体トランジスタからな
るスイッチング素子をゲート端子が接続するワードライ
ン45をハイ・ローとする事でオン・オフする事により
所望とするセルを選択する。
【0241】(効果) 強誘電体容量とデータライン3
0との間に電気的に接続されたスイッチング素子をFE
T型の半導体トランジスタとする事で、高集積大容量の
メモリが具現できる。
【0242】(28) (作用) 構成(26)、(27)に記載の作用と同様
である。
【0243】(効果) プレートライン47がワードラ
イン45に平行に配置される事で効率的なレイアウトが
可能となり、高集積大容量のメモリが具現できる。
【0244】(29) (作用) 構成(26)、(27)に記載の作用と同様
である。
【0245】(効果) プレートライン47がデータラ
イン30に垂直に配置される事で効率的なレイアウトが
可能となり、高集積大容量のメモリが具現できる。
【0246】(30) (作用) プレートライン47が全て、電源電圧Vc
c、あるいは、書き込みの為の第2のパルス14の大き
さVwの1/2に固定する。
【0247】(効果) プレートライン47が全て、電
源電圧Vcc、あるいは、書き込み電圧Vwの1/2に
固定すると、データラインの電圧、センスアンプの電圧
を−Vwと+Vwの間で駆動させる事により、自動的に
読み出しができる。また、何の新たな回路無しに再書き
込みができる。
【0248】(31) (作用) 選択したセルとダミーセル46との信号差を
センス回路18により比較差動増幅する事で、“1”
“0”を判別する。
【0249】(効果) 選択したセルとダミーセル46
との信号差を比較差動増幅する事で、安定したS/Nの
良い読み出しが行える。
【0250】(32) (作用) 選択したセルと線形容量からなるダミーセル
46との信号差をセンス回路18により比較差動増幅す
る事で、“1”“0”を判別する。
【0251】(効果) ダミーセル46を線形容量素
子、あるいは、強誘電体の線形容量分を利用した素子と
する事で、安定したリファレンス信号を取り出すことが
できる為安定した読み出し動作が行える。
【0252】(33) (作用) 読みだし動作後、ワードライン45を再度選
択し、センス回路18の両端にラッチされた電位により
選択セル分極状態を元に戻す。ダミーセル46として、
強誘電体の分極反転を利用したモードで利用している場
合は、合わせてダミーセル46の分極状態をも書き戻
す。
【0253】(効果) 読みだし動作後、ワードライン
45を再度選択する事で、センス回路18の電位を選択
セル(あるいは、ダミーセル46を含めて)に印加する
事ができる為、何らの新たな回路無しに反転した分極を
元に戻す再書き込み動作が自動的にできる。
【0254】(34) (作用) 2つのペア131a、131bからなる記憶
セルの一方に第1の情報を書き込み、もう一方に第2の
情報を書き込み、2つのペアからなる記憶セルに接続さ
れる一方のワードラインを差動型センスアンプ59の一
方の入力端に接続され、もう一方のワードラインを、も
う一方のセンスアンプ59の入力端に接続し、その差を
検出する。
【0255】(効果) 2つのペア131a、131b
からなる記憶セルの一方に第1の情報を書き込み、もう
一方に第2の情報を書き込み、2つのペアからなる記憶
セルに接続される一方のワードラインを差動型センスア
ンプ59の一方の入力端に接続され、もう一方のワード
ラインを、もう一方のセンスアンプの入力端に接続し、
その差を検出する事で、S/Nの良い読み出しが可能と
なる。
【0256】(35) (作用) 2つのペア131a、131bからなる記憶
セルの一方に第1の情報を書き込み、もう一方に第2の
情報を書き込む。
【0257】(効果) 2つのペア131a、131b
からなる記憶セルの一方に第1の情報を書き込み、もう
一方に第2の情報を書き込み、2つのペアからなる記憶
セルに接続される一方のワードラインを差動型センスア
ンプ59の一方の入力端に接続され、もう一方のワード
ラインを、もう一方のセンスアンプ59の入力端に接続
し、その差を検出する事で、S/Nの良い読み出しが可
能となる。
【0258】(36) (作用) 2つのペア131a、131bからなる記憶
セルに接続される一方のワードラインを差動型センスア
ンプ59の一方の入力端に接続し、もう一方のワードラ
インを、もう一方のセンスアンプ59の入力端に接続
し、その差を検出する事で読み出しを行う。
【0259】(効果) 2つのペア131a、131b
からなる記憶セルの一方に第1の情報を書き込み、もう
一方に第2の情報を書き込み、2つのペアからなる記憶
セルに接続される一方のワードラインを差動型センスア
ンプ59の一方の入力端に接続し、もう一方のワードラ
インを、もう一方のセンスアンプ59の入力端に接続し
その差を検出する事で、S/Nの良い読み出しが可能と
なる。
【0260】(37) (作用) 前記一対の電極のうち一方の電極が前記強誘
電体薄膜210の下層となる下部電極216であり、も
う一方の電極が強誘電体薄膜210の上層となる上部電
極217であって、前記第1の分極状態が前記下部電極
216方向に、あるいは前記上部電極217方向に分極
する。
【0261】(効果)一対の電極により狭持された強誘
電体薄膜210からなる記憶セル211は、電気特性的
に方向性を有し、強誘電体キャパシタの第1の分極状態
を前記下部電極216方向、あるいは、前記第1の分極
状態を前記上部電極217方向に分極する事により、第
1の分極状態と部分分極状態との容量の差をより大きく
することができ、読み出しマージンの増大によりS/N
の良い読み出し動作が行なえる。
【0262】(38) (作用) 前記一対の電極のうち一方の電極が前記強誘
電体薄膜210の下層となる下部電極216であり、も
う一方の電極が強誘電体薄膜210の上層となる上部電
極217であって、前記第1の分極状態を前記下部電極
216方向に、あるいは、前記上部電極217方向に分
極する。
【0263】(効果) 一対の電極により狭持された強
誘電体薄膜210からなる記憶セル211は、電気特性
的に方向性を有し、強誘電体キャパシタ第1の分極状態
を前記下部電極216方向、あるいは、前記第1の分極
状態を前記上部電極217方向に分極する事により、第
1の分極状態と部分分極状態との容量の差をより大きく
することができ、読み出しマージンの増大によりS/N
の良い読み出し動作が行なえる。
【0264】(39) (作用) 一対の電極の一方がストライプ状に、また
は、該電極と電気的に接続された電極がストライプ状に
複数本、略平行に配列された第1ストライプ電極218
と前記一対の電極のもう一方がストライプ状に、また
は、該電極と電気的に接続された電極がストライプ状に
複数本、略平行に配列された第2ストライプ電極219
とからなる電極に狭持された強誘電体薄膜210から構
成され、前記第1ストライプ電極218と前記第2スト
ライプ電極219は前記強誘電体薄膜210を挟んでほ
ぼ直交し、その第1、第2ストライプ電極218,21
9との交差領域を記憶セル220とした強誘電体メモリ
において、2つの記憶セル220−1,220−2をペ
アで1つの記憶単位として情報の記録再生を行う。
【0265】(効果) 2つの記憶セル220−1,2
20−2をペアで1つの記憶単位とする事により、両者
に同一、あるいは、異なる情報を書き込み、それらの情
報の和、あるいは、差等を読み出すことによりS/Nの
良い読み出しができる。
【0266】(40) (作用) 記憶セルからの信号を検出する差動型の読み
出しアンプ221を具備し、記憶セル220−1,22
0−2の一方の記憶セルを読み出しアンプ221の一方
の入力端に電気的に接続され、もう一方の記憶セルを、
読み出しアンプ221のもう一方の入力端に電気的に接
続されており、その差を比較増幅して読み出して行う。
【0267】(効果) 2つの記憶セル220−1,2
20−2をペアで1つの記憶単位とする事により、両者
に同一、あるいは、異なる情報を書き込み、それらの差
を比較増幅することで読み出しマージンを大きくするこ
とが可能となり、S/Nの良い読み出しができる。
【0268】(41) (作用) 構成(44)に準拠。
【0269】(効果) 合計n個の記憶単位を有し、該
n個の記憶単位が少なくとも2つ以上の複数ブロックに
電気的に離間された強誘電体メモリとすることで、ブロ
ック毎に前記書き込み動作が行えるため、書き直しをす
る記憶セル211が含まれるブロックだけで、書き込み
動作を行えば良く、メモリへのアクセススピードをより
高めることができる。
【0270】(42) (作用) 構成(44)に準拠。
【0271】(効果) 前記ブロックが1枚分の映像情
報を記憶できる記憶単位を有することで、非常に効率の
良い、アクセススピードの速い画像ファイル用強誘電体
メモリが提供できる。
【0272】(43) (作用) 第1のパルスの大きさVe(絶対値)が、前
記強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの2倍以上である。
【0273】(効果) 大きさVe(絶対値)が強誘電
体薄膜210の抗電圧Vcの2倍以上である第1のパル
スを印加することで、第1の分極状態を完全分極状態と
することができる。従って、一方の記憶状態である部分
分極状態と分極状態に差異を最大限設けることができる
ことから、S/Nの良い読み出しができる。
【0274】(44) (作用) 強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの0.3倍
〜2.5倍である大きさVw(絶対値)を有する第2の
パルスを印加し、部分分極状態を作る。
【0275】(効果) 強誘電体薄膜210の抗電圧V
cの0.3倍〜2.5倍である大きさVw(絶対値)を
有する第2のパルスを印加することで、非常に安定し
た、部分分極状態を作ることができる。
【0276】(45) (作用) 強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの1倍〜2
倍である大きさVw(絶対値)を有する第2のパルスを
印加し、部分分極状態を設ける。
【0277】(効果) 強誘電体薄膜210の抗電圧V
cの1〜2倍である大きさVw(絶対値)を有する第2
のパルスを印加することで、非常に安定した部分分極状
態を作ることができることに加えて、第1の分極状態と
の容量値差が最も最大となる部分分極状態とすることが
でき、S/Nの良い読み出しのできる強誘電体メモリが
具現できる。
【0278】(46) (作用) 第1の分極状態、あるいは、部分分極状態に
分極された記憶セル211に振幅の最大値が、強誘電体
薄膜210の抗電圧の0.3倍以下であり、0バイアス
状態に基準を有する片側極性、あるいは、両極性の第3
のパルスを印加して、記憶セル211の情報を読み出し
を行う。
【0279】(効果) 第1の分極状態、あるいは、部
分分極状態に分極された記憶セル211に振幅の最大値
が、強誘電体薄膜210の抗電圧の0.3倍以下であ
り、0バイアス状態に基準を有する片側極性、あるい
は、両極性の第3のパルスを印加して、記憶セル211
の情報を読み出しを行うことで、分極状態を変化させな
い、すなわち、記憶状態を非破壊で読み出しが行える。
【0280】(47) (作用) 一対の電極の一方がストライプ状に、また
は、該電極と電気的に接続された電極がストライプ状に
複数本、略平行に配列された第1ストライプ電極218
と前記一対の電極のもう一方がストライプ状に、また
は、該電極と電気的に接続された電極がストライプ状に
複数本、略平行に配列された第2ストライプ電極219
とからなる電極に狭持された強誘電体薄膜210から構
成され、前記第1ストライプ電極218と前記第2スト
ライプ電極219は前記強誘電体薄膜210を挟んでほ
ぼ直交し、その第1、第2ストライプ電極218,21
9との交差領域を記憶セル220とした強誘電体メモリ
において、前記強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの1倍
以下である大きさVw(絶対値)を有する第2のパルス
を印加し部分分極状態を作成する。
【0281】(効果) 強誘電体薄膜210の抗電圧V
cの1倍以下である大きさVw(絶対値)を有する第2
のパルスを印加し部分分極状態を作る事で、非選択セル
の記憶状態を破壊せずに、選択した記憶セル220を安
定した部分分極状態とすることができる。つまり、他記
憶セルへの干渉無しに書き込み動作が行える。
【0282】(48) (作用) 強誘電体薄膜210の抗電圧Vcの1倍以下
である大きさVw(絶対値)を有する第2のパルスを印
加し部分分極状態を作成する。
【0283】(効果) 強誘電体薄膜210の抗電圧V
cの1倍以下である大きさVw(絶対値)を有する第2
のパルスを印加し部分分極状態を作成する事で、非選択
セルの記憶状態を破壊せずに、選択した記憶セル220
を安定した部分分極状態とすることができる。つまり、
他記憶セルへの干渉無しに書き込み動作が行える。ま
た、2つの記憶セル220−1,220−2をペアで1
つの記憶単位とする事により、両者に同一、あるいは、
異なる情報を書き込み、それらの情報の和、あるいは、
差等を読み出すことによりS/Nの良い読み出しができ
る。
【0284】
【発明の効果】本発明によれば、非破壊読み出しが可能
であり、かつ高集積度の強誘電体メモリ装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電体薄膜を2つの電極で挟持した構造を示
す図である。
【図2】部分分極の状態説明図である。
【図3】部分分極を単一パルスを用いて作成する方法を
説明するための図である。
【図4】パルス駆動における部分分極の状態図である。
【図5】部分分極作成方法を説明するための図である。
【図6】(a)は部分分極を作成するための回路図であ
り、(b)はパルストレインを示す図である。
【図7】強誘電体メモリを単純マトリックス構成とした
図である。
【図8】(a)は図7の構成をより具体的に示した回路
構成図であり、(b)はメモリセルに印可される電圧の
パルストレインを示す図である。
【図9】他の実施例における単純マトリックス構成を示
す図である。
【図10】(a)は図9の構成を詳細に示した図であ
り、(b)はパルストレインを示す図である。
【図11】メモリセルの特定のワードライン及びデータ
ラインを切り替えスイッチによって選択するようにした
構成を示す図である。
【図12】ワードライン及びデータラインを切り替えス
イッチ無しにインピーダンス素子に接続した構成を示す
図である。
【図13】(a)は部分分極メモリをDRAM型のメモ
リに適用した構成を示す図であり、(b)はセンス回路
の構成を示す図であり、(c)は動作を示すタイムチャ
ートである。
【図14】(a)は他の実施例におけるDRAM型のメ
モリ構成を示す図であり、(b)は動作を示すタイムチ
ャートである。
【図15】強誘電体メモリに印加される第3のパルスの
大きさと幅を変化させる実施例を説明するための図であ
る。
【図16】図15に示す実施例の変形例を説明するため
の図である。
【図17】図16に示す実施例において、メモリとして
の感度、読み出し特性を改善した実施例を説明するため
の図である。
【図18】強誘電体薄膜からなる記憶セルの構造を示す
図である。
【図19】SrBi2 Ta2 O9 からなる強誘電体薄膜
のヒステリシスカーブである。
【図20】反転分極量Pと印加パルスの大きさVaとの
関係を示す図である。
【図21】メモリ装置の構成を示す図である。
【図22】SrBi2 Ta2 O9 からなる強誘電体薄膜
の容量値Cpと部分分極作製電圧Vpとの関係を示す図
である。
【図23】SrBi2 Ta2 O9 からなる強誘電体薄膜
の容量値Cpと部分分極作製電圧Vpとの関係を示す図
である。
【図24】Pb(Zr0.4 Ti0.6 )O3 からなる強誘
電体薄膜の容量値Cpと部分分極作製電圧Vpとの関係
を示す図である。
【図25】Cp−Vp特性の非対称性について説明する
ための図である。
【図26】サンプル構造を示す図である。
【図27】単純マトリックス構成の強誘電体メモリ装置
を示す図である。
【図28】n×n単純マトリックスメモリの構造を示す
図である。
【図29】n×n単純マトリックスの各セルに印加され
る電圧を示す図である。
【図30】比較信号の相対関係を示す図である。
【図31】読み出し信号の相対関係を示す図である。
【図32】2つの記憶セルを1つの記憶単位とした単純
マトリックス構成の強誘電体メモリを示す図である。
【図33】複数ブロック分割された単純マトリックス構
成の強誘電体メモリを示す図である。
【図34】完全反転させた分極状態に対する分極の非破
壊特性(片側極性パルスの場合)を示す図である。
【図35】完全反転させた分極状態に対する分極の非破
壊特性(両極性パルスの場合)を示す図である。
【図36】部分分極状態に対する分極の非破壊特性(片
側極性パルスの場合)を示す図である。
【図37】部分分極状態に対する分極の非破壊特性(両
極性パルスの場合)を示す図である。
【図38】従来の強誘電体メモリと本実施例の強誘電体
メモリとの差異を概念的に示す図である。
【図39】1/3駆動法について説明するための図であ
る。
【図40】従来技術を説明する図である。
【図41】従来技術を説明する図である。
【図42】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
10…強誘電体薄膜、11、12、32…切り替えスイ
ッチ、13′…第1のパルス発生回路、14′…第2の
パルス発生回路、15′…第3のパルス発生回路、1
6、17…負荷容量、18…センス回路、33…書き込
み回路、40…分極設定回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 由森 博之 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 三原 孝士 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 平出 修三 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極により挟持された強誘電体薄
    膜を記憶セルとする強誘電体メモリと、 この強誘電体メモリに前記強誘電体薄膜の抗電圧よりも
    大きい電圧を有する第1のパルスを印加して、自発分極
    の2つの状態のうち第1の方向の分極状態に分極させる
    第1のパルス印加手段と、 前記第1のパルスとは逆極性の電圧を有する第2のパル
    スを印加して、前記第1の方向の分極状態を有するドメ
    インと、前記第1の方向とは逆方向の第2の方向の分極
    状態を有するドメインとが混合した部分分極状態を形成
    する第2のパルス印加手段と、を具備し、前記強誘電体
    メモリに対する情報の書き込みあるいは読み出しを、前
    記第1の方向の分極状態と、前記部分分極状態とに基づ
    いて行うようにしたことを特徴とする強誘電体メモリ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記強誘電体メモリは、前記一対の電極
    のうち一方がストライプ状に、または、該電極と電気的
    に接続された電極がストライプ状に複数本、略平行に配
    列された第1ストライプ電極と、前記一対の電極のもう
    一方がストライプ状に、または、該電極と電気的に接続
    された電極がストライプ状に複数本、略平行に配列さ
    れ、前記第1ストライプ電極と前記強誘電体薄膜を挟ん
    でほぼ直交する第2ストライプ電極とからなる電極に狭
    持された強誘電体薄膜から構成され、前記第1と第2ス
    トライプ電極との交差領域を記憶セルとし、これら記憶
    セルのうち特定の2つの記憶セルをペアで1つの記憶単
    位とした事を特徴とする請求項1記載の強誘電体メモリ
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のパルスの大きさが、前記強誘
    電体薄膜の抗電圧の2倍以上である事を特徴とする請求
    項1記載の強誘電体メモリ装置。
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