JPH08145113A - 流体封入式マウント - Google Patents

流体封入式マウント

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JPH08145113A
JPH08145113A JP29145394A JP29145394A JPH08145113A JP H08145113 A JPH08145113 A JP H08145113A JP 29145394 A JP29145394 A JP 29145394A JP 29145394 A JP29145394 A JP 29145394A JP H08145113 A JPH08145113 A JP H08145113A
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JP
Japan
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fluid
rubber elastic
mounting member
film
partition
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Application number
JP29145394A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Tanahashi
洋昭 棚橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08145113A publication Critical patent/JPH08145113A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動部材による液圧吸収機構を簡単な構造で
実現できる流体封入式マウントの提供。 【構成】 第二の取付部材14によって支持されたゴム
弾性膜44を、第二の取付部材14に対して部分的に拘
束せしめて、該拘束部により該ゴム弾性膜44を複数の
区画部分に仕切り、それらの区画部分によって、平衡室
62の容積変化を許容する可撓性膜56と、液圧吸収機
構を構成する可動部材58とを、それぞれ構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のエンジンマウント等に
好適に用いられる、内部に封入された流体の流動作用に
基づいて防振効果を得るようにした流体封入式マウント
に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、それら両部材を防振連結するマウント装置
の一種として、特開昭57−9340号公報等に開示さ
れているように、互いに所定距離を隔てて配された第一
の取付部材と第二の取付部材を、それらの間に介装され
た支持ゴム弾性体によって弾性的に連結すると共に、第
二の取付部材に固設された仕切部材を挟んだ両側に、壁
部の一部が前記支持ゴム弾性体によって構成されて振動
入力時に内圧変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一
部が可撓性膜によって構成されて該可撓性膜の変形に基
づいて容積変化が許容される平衡室とを構成し、それら
受圧室および平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、
それら受圧室と平衡室を相互に連通する流体流路を設け
てなる構造とされて、振動入力時に流体流路を通じて流
動せしめられる流体の共振作用や流動抵抗等の流動作用
に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式マウン
トが知られている。
【0003】また、かくの如き流体封入式マウントにお
いては、前記公報にも記載されているように、流体流路
を通じて流動せしめられる流体の流動作用に基づく防振
効果が有効に発揮されない程の高周波振動に対する防振
を目的として、受圧室の内圧変動に基づいて所定量変形
乃至は変位可能とされて、その変形乃至は変位に基づい
て、小振幅振動の入力時における受圧室の内圧変動を吸
収する可動部材が、好適に採用される。
【0004】ところが、従来では、可動部材による液圧
吸収機構を採用しようとすると、可動部材を特別に単体
で形成してマウントに組み付ける必要があるために、マ
ウント構造が複雑化し、製作性およびコスト性が悪化す
ることが避けられなかったのである。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、受圧室と平衡室の間での流体流動を許容せ
しめて流体共振作用等に基づく防振効果を発揮する流体
流路に加えて、可動部材による液圧吸収機構を、簡単な
構造によって容易に実現せしめることの出来る、改良さ
れた構造の流体封入式マウントを提供することにある。
【0006】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、互いに所定距離を隔てて配
された第一の取付部材と第二の取付部材を、それらの間
に介装された支持ゴム弾性体によって弾性的に連結する
と共に、該第二の取付部材に固設された仕切部材を挟ん
だ両側に、壁部の一部が前記支持ゴム弾性体によって構
成されて振動入力時に内圧変動が生ぜしめられる受圧室
と、壁部の一部が可撓性膜によって構成されて該可撓性
膜の変形に基づいて容積変化が許容される平衡室とを構
成し、それら受圧室および平衡室に非圧縮性流体を封入
すると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する流
体流路を設ける一方、前記受圧室の壁部に、該受圧室の
内圧変動に基づいて所定量変形乃至は変位可能な可動部
材を配設せしめてなる流体封入式マウントにおいて、前
記第二の取付部材によってゴム弾性膜を支持せしめると
共に、該ゴム弾性膜を該第二の取付部材に対して部分的
に拘束せしめて、該拘束部により該ゴム弾性膜を複数の
区画部分に仕切り、それらの区画部分によって、前記可
撓性膜と前記可動部材を、それぞれ構成したことにあ
る。
【0007】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、前記ゴム弾性膜の中央部分が前記第二の取付部材
に対して環状に拘束されて、該環状の拘束部よりも外側
部分によって前記可撓性膜が構成されると共に、該環状
の拘束部よりも内側部分によって前記可動部材が構成さ
れる。
【0008】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、前記可撓性膜および前記可動部材を構成する
前記ゴム弾性膜における各区画部分が、何れも、外側面
において外部空間に露呈される。
【0009】さらに、本発明の好ましい第三の態様にお
いては、前記受圧室の周りを環状に取り囲むようにし
て、前記平衡室が形成される。
【0010】また、本発明の好ましい第四の態様におい
ては、前記仕切部材と、前記第二の取付部材に固設され
た拘束部材とによって、前記ゴム弾性膜を両側から挟み
込むことにより、該ゴム弾性膜が前記第二の取付部材に
対して拘束される。
【0011】更にまた、本発明の好ましい第五の態様に
おいては、前記拘束部材によって、前記ゴム弾性膜にて
構成された前記可撓性膜を覆う保護カバーが構成され
る。
【0012】また、本発明の好ましい第六の態様におい
ては、前記仕切部材の外周縁部に前記流体流路を形成す
る流路形成部材が配設されて、前記第二の取付部材に固
定されると共に、該流路形成部材に対して、前記ゴム弾
性膜の外周縁部が加硫接着される。
【0013】更にまた、本発明の好ましい第七の態様に
おいては、前記ゴム弾性膜において、前記可撓性膜を構
成する区画部分よりも、前記可動部材を構成する区画部
分の方が厚肉とされる。
【0014】
【作用・効果】本発明に従う構造とされた流体封入式マ
ウントにおいては、単一のゴム弾性膜を、拘束部にて、
実質的に、複数の区画部分に分割したことにより、該単
一のゴム弾性膜によって可撓性膜と可動部材を共に構成
せしめ得たのであり、それによって、特別な部品点数の
増加を伴うことなく、簡略な構造をもって、可動部材に
よる液圧吸収機構が実現され得ることとなったのであ
る。
【0015】また、本発明の好ましい第一乃至第四の態
様においては、何れも、単一のゴム弾性膜によって可撓
性膜と可動部材が、一層有利に構成され得る。
【0016】更にまた、本発明の好ましい第五の態様に
おいては、可撓性膜を覆う保護カバーが拘束部材によっ
て構成されることから、特別な部材の増加を伴うことな
く、可撓性膜の保護および耐久性の向上が実現され得
る。
【0017】さらに、本発明の好ましい第六の態様にお
いては、流路形成部材の組み付けによって、流体流路の
形成とゴム弾性膜の組付けが同時に為され得ることか
ら、構造の簡略化および製作性の向上が図られ得る。
【0018】また、本発明の好ましい第七の態様におい
ては、可動部材を構成するゴム弾性膜自体の弾性力によ
って可動部材の変位規制を行うことが可能となり、特別
な変位規制手段を設ける必要がないことから、構造のよ
り一層の簡略化が可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0020】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用エンジンマウント10が示されている。この
エンジンマウント10は、互いに所定距離を隔てて配さ
れた第一の取付金具12と第二の取付金具14が、支持
ゴム弾性体16によって連結された構造とされており、
第一の取付金具12がパワーユニット側に、第二の取付
金具14がボデー側に、それぞれ取り付けられることに
より、パワーユニットをボデーに対して吊り下げ状態で
防振支持せしめるようになっている。なお、そのような
装着状態下、パワーユニット重量が及ぼされて支持ゴム
弾性体16が圧縮変形せしめられることにより、第一の
取付金具12が第二の取付金具14に対して鉛直下方
(図中、下方)に所定量だけ変位せしめられると共に、
防振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の
取付金具14の間に対して、鉛直方向(図1中の上下方
向)に入力されることとなる。
【0021】より詳細には、第一の取付金具12は、開
口方向に向かって僅かに拡開する円筒状の周壁部を備え
た略カップ形状を有しており、該第一の取付金具12の
底壁部に対して、取付用ねじ穴18を有する取付ブロッ
ク20が固着されている。
【0022】一方、第二の取付金具14は、大径の略円
筒形状を有しており、第一の取付金具12の径方向外方
に所定距離を隔てて略同一軸心上に位置せしめられて、
該第二の取付金具14の軸方向両側から第一の取付金具
12の開口部側先端部および取付ブロック20の突出先
端部がそれぞれ所定量だけ突出する状態で配設されてい
る。なお、第二の取付金具14は、軸方向一方(図中、
下方)の端部が、軸方向外方に行くに従って次第に小径
化するテーパ筒部22とされていると共に、軸方向他方
(図中、上方)の開口端部に、径方向外方に広がる段差
部24と該段差部24の外周縁部に設けられたかしめ部
26とを有している。
【0023】そして、第一の取付金具12の外周面と、
第二の取付金具14におけるテーパ筒部22の内周面と
の間に、支持ゴム弾性体16が介装されており、それら
第一の取付金具12と第二の取付金具14に対して支持
ゴム弾性体16が加硫接着された一体加硫成形品とされ
ている。この支持ゴム弾性体16は、第二の取付金具1
4のテーパ筒部22から第一の取付金具12に向かって
傾斜して延びる厚肉の略テーパ筒形状を有しており、該
支持ゴム弾性体16によって、第二の取付金具14にお
けるテーパ筒部22側の開口部が流体密に閉塞されてい
る。
【0024】また、第二の取付金具14における段差部
24側の開口部には、仕切部材としての仕切金具28と
流路形成部材としてのオリフィス金具30が配設されて
いる。仕切金具28は、軸方向一方の側に開口する環状
凹部32を有しており、該環状凹部32の内周壁部分が
軸方向に延長されて所定高さで突出する円筒状突部34
とされていると共に、該円筒状突部34の突出先端部が
径方向内方に湾曲されて環状の押え部36が一体形成さ
れている一方、環状凹部32の外周壁部分が径方向外方
に向かって屈曲されてフランジ部38が形成されてい
る。また一方、オリフィス金具30は、円環板状の取付
部40と、該取付部40の内周縁部から軸方向一方の側
に向かって突出形成された円筒部42とから構成されて
いると共に、取付部40には、略薄肉の有底円板形状を
有するゴム弾性膜44の開口周縁部が加硫接着されてお
り、このゴム弾性膜44によって、オリフィス金具30
の中心穴が流体密に閉塞せしめられている。
【0025】そして、仕切金具28のフランジ部38が
第二の取付金具14の段差部24上に重ね合わされて、
環状凹部32が第二の取付金具14内に入り込む状態で
組み付けられていると共に、オリフィス金具30の取付
部40が仕切金具28のフランジ部38上に重ね合わさ
れて、円筒部42が仕切金具28の環状凹部32内に入
り込む状態で組み付けられており、それら仕切金具28
のフランジ部38とオリフィス金具30の取付部40
が、第二の取付金具14のかしめ部26によって段差部
24上にかしめ固定されることにより、仕切金具28お
よびオリフィス金具30が第二の取付金具14に対して
固定されている。
【0026】また、これにより、第二の取付金具14に
おける段差部24側の開口部が、ゴム弾性膜44によっ
て流体密に閉塞されており、以て、第二の取付金具14
の内部が、該第二の取付金具14の軸方向両端部に配設
された支持ゴム弾性体16とゴム弾性膜44により外部
空間に対して密閉されていると共に、そこに所定の非圧
縮性流体が封入されている。なお、かかる封入流体とし
ては、本実施例では、流体の共振作用等に基づく防振効
果が有効に発揮されるように、水やアルキレングリコー
ル,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の0.
1Pa・s以下の低粘性流体が好適に採用される。ま
た、流体の封入は、例えば、第一及び第二の取付金具1
2,14を有する支持ゴム弾性体16の一体加硫成形品
に対する仕切金具28およびオリフィス金具30の組付
けを流体中で行うこと等によって、有利に為され得る。
【0027】さらに、第二の取付金具14には、略円筒
形状を有するカバー金具46が外嵌固定されており、こ
のカバー金具46の軸方向一方(図中、下方)の端部に
対して取付ブラケット48が固着されている一方、該カ
バー金具46の軸方向他方(図中、上方)の端部に対し
て、拘束金具50が嵌着固定されている。この拘束金具
50は、カバー金具46に対する嵌着部から軸方向外方
に向かって筒状に突出せしめられており、ゴム弾性膜4
4の外周部分の外面を所定距離を隔てて覆っている。ま
た、該拘束金具50の突出先端部は、径方向内方に向か
って内フランジ状に屈曲されており、その内周縁部52
が、ゴム弾性膜44を挟んで、仕切金具28の押え部3
6に対して対向位置せしめられていることにより、かか
るゴム弾性膜44の径方向中間部分が、該拘束金具50
の内周縁部52と仕切金具28の押え部36とによって
挟圧されて、第二の取付金具14に対して固定的に拘束
支持せしめられている。更に、ゴム弾性膜44は、拘束
金具50と仕切金具28による環状の被拘束部54より
も外周側部分が、弾性変形の容易な可撓性膜部56とさ
れている一方、該被拘束部54よりも内周側部分が、可
撓性膜部56よりも厚肉とされて展張状態で拘束支持さ
れることにより、変形量が弾性力によって制限される可
動部材としての可動膜部58とされている。
【0028】これにより、第二の取付金具14の内部に
形成された流体室が、仕切金具28を挟んだ両側に二分
されており、以て、壁部の一部が支持ゴム弾性体16に
よって構成されて、振動入力時に該支持ゴム弾性体16
の弾性変形に基づいて内圧変動が生ぜしめられる受圧室
60と、壁部の一部が可撓性膜部56によって構成され
て、該可撓性膜部56の変形に基づいて容積変化が容易
に許容される平衡室62とが、形成されている。また、
仕切金具28とオリフィス金具30の間には、第二の取
付金具14の内周面に沿って周方向に延びる環状流路が
形成されており、該環状流路が周上の適当な場所で受圧
室60と平衡室62に連通されることによって、それら
受圧室60と平衡室62を相互に連通して流体流動を許
容する流体流路としてのオリフィス通路64が形成され
ている。
【0029】このような構造とされたエンジンマウント
10は、第一の取付金具12が、取付ブロック20を介
して、図示しないパワーユニット側に固定される一方、
第二の取付金具14が、取付ブラケット48を介して、
図示しない車体側に固定されることにより、それらパワ
ーユニットと車体の間に介装されて、該パワーユニット
を車体に対して吊り下げ状態で防振支持せしめることと
なる。なお、図1においては、仕切金具28が支持ゴム
弾性体16に近接位置していると共に、第一の取付金具
12が可動膜部58に近接位置しているが、車両への装
着状態下では、パワーユニットの重量が及ぼされて支持
ゴム弾性体16が弾性変形し、第一の取付金具12が第
二の取付金具14に対して鉛直下方(図中、下方)に変
位せしめられることにより、それら各部材が当接される
ようなことはない。
【0030】而して、そのような装着状態下、第一の取
付金具12と第二の取付金具14の間に鉛直方向(図
中、上下方向)の振動が入力されると、支持ゴム弾性体
16が弾性変形せしめられて受圧室60に内圧変動が惹
起されることとなる。そして、シェイク等の5〜15Hz
程度の低周波振動の入力時には、受圧室60と平衡室6
2の間でオリフィス通路64を通じて流動せしめられる
流体の共振作用に基づく高減衰効果が有効に発揮され得
て、優れた制振効果が発揮されるのであり、また、低速
こもり音等の100〜200Hz程度の高周波振動の入力
時には、オリフィス通路64は実質的に閉塞状態となる
が、受圧室60の壁部の一部を構成する可動膜部58の
変形に基づいて、受圧室60の内圧変動が吸収されて低
動ばね効果が発揮されることにより、良好なる防振効果
が発揮され得るのである。なお、可動膜部58は、それ
自体の弾性力によって変形量が制限されることから、該
可動膜部58による液圧吸収機能に起因して、オリフィ
ス通路64による低周波振動に対する減衰効果が妨げら
れるようなこともない。
【0031】そして、そこにおいて、上述の如き構造と
されたエンジンマウント10においては、受圧室60の
液圧吸収機構を構成する可動膜部58が、ゴム弾性膜4
4によって、平衡室62の可撓性膜部56と一体的に形
成されていることから、かかる液圧吸収機構を付与する
ために特別な別部材が必要とされることがないのであ
り、少ない部品点数と簡単な構造によって、高周波振動
に対して有効な防振効果を発揮する液圧吸収機構が付与
され得るのである。
【0032】しかも、本実施例においては、ゴム弾性膜
44を部分的に拘束して可撓性膜部56と可動膜部58
に区画する拘束部が、仕切金具28と拘束金具50でゴ
ム弾性膜44を挟み込むことによって構成されているこ
とから、加硫接着等を必要とすることなく、少ない部品
点数と簡単な構造によって拘束部が実現され得て、マウ
ント構造の簡略化が一層有利に図られ得ると共に、特別
な部材を用いることなく、可撓性膜部56を保護するカ
バーが付与されるといった利点もある。
【0033】また、本実施例においては、可動膜部58
が厚肉とされてそれ自体の弾性力によって変形量が制限
されるようになっていることから、該可動膜部58の変
形量を制限するための規制部材も必要なく、より一層の
構造の簡略化が図られ得るのである。
【0034】更にまた、本実施例においては、ゴム弾性
膜44がオリフィス金具30に加硫接着されて取り付け
られていることから、第二の取付金具14等への組付け
が容易であると共に、流体室の優れた流体密性が安定し
て発揮されるといった利点がある。
【0035】また、本実施例においては、第二の取付金
具14のかしめ部26が、カバー金具46と拘束金具5
0によって覆われていることから、かしめ部26のかし
め加工後に防錆塗装を施さなくても該かしめ部26の防
錆性が十分に確保され得るといった利点もある。
【0036】加えて、本実施例のエンジンマウント10
においては、受圧室60の一方の側が仕切金具28によ
って小径化されていると共に、この小径化された部分に
入り込むようにして第一の取付金具12が配設されてい
ることによって、第一の取付金具12の開口側先端部外
周面と仕切金具28の内周面との間に環状の狭窄流路6
6が形成されており、振動入力時に第一の取付金具12
と第二の取付金具14が相対変位せしめられることによ
り、該狭窄流路66を通じての流体流動が生ぜしめられ
るようになっていることから、この狭窄流路66の大き
さを適当にチューニングし、該狭窄流路66を通じて流
動せしめられる流体の共振作用に基づいて、可動膜部5
8による液圧吸収機構の効果も有効に発揮されない程の
300Hz以上の高周波振動に対する低動ばね効果を得る
ことも可能であり、それによって、高速こもり音等に対
する防振効果も有効に得ることが出来るのである。
【0037】しかも、このように受圧室60の一部を小
径化して第一の取付金具12との間に狭窄流路66を形
成したことにより、第一の取付金具12と第二の取付金
具14の間に、主たる振動入力方向に直交する方向(水
平方向)の振動が入力された際に、第一の取付金具12
と第二の取付金具14の相対変位に基づいて狭窄流路6
6内を周方向に流動せしめられる流体流量が抑えられる
のであり、それによって、かかる狭窄流路66内におけ
る周方向の流体流動作用に起因する防振特性の悪化も効
果的に軽減乃至は防止され得るのである。
【0038】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0039】例えば、前記実施例では、ゴム弾性膜44
の中央部分に可動膜部58が、外周部分に可撓性膜部5
6が、それぞれ区画形成されていたが、ゴム弾性膜44
における可動膜部と可撓性膜部の区画形態は何等限定さ
れるものでなく、受圧室や平衡室の形態等を考慮して、
適当に設定され得るものである。
【0040】また、前記実施例では、ゴム弾性膜44が
オリフィス金具30に加硫接着されて組み付けられてい
たが、その他、例えば、ゴム弾性膜44の外周縁部を第
二の取付金具14に対して直接にかしめ固定したり、或
いは仕切部材に固着したりすることにより、組み付ける
ことも可能である。
【0041】更にまた、流体流路の構造や形態は、前記
実施例におけるオリフィス通路64によって限定的に解
釈されるものでなく、要求される防振特性等に応じて適
宜に変更され得る。
【0042】さらに、可動膜部58に帆布等を固着した
り、仕切金具28の押え部36や拘束金具50の内周縁
部52を径方向内方に延長すること等により、可動膜部
58の変形量を制限する規制手段を構成することも可能
であり、そのような変形量規制手段を設けるような場合
には、可動膜部58を可撓性膜部56よりも厚肉とする
必要もない。
【0043】また、前記実施例では、拘束金具50がカ
バー金具46に外嵌固定されていたが、例えば図2に示
されているように、かかる拘束金具50を、仕切金具2
8およびオリフィス金具30に重ね合わせて、第二の取
付金具14のかしめ部26によって直接にかしめ固定す
ることも可能である。また、図2に示されたエンジンマ
ウント68においては、ゴム弾性膜44に対して、仕切
金具28と拘束金具50とによる拘束部分を周方向に延
びる環状の係止部70が形成されており、ゴム弾性膜4
4の位置ずれが防止されて、可動膜部58が展張状態に
有利に保持され得るようになっている。なお、図2にお
いては、理解を容易とするために、第一実施例と同様な
構造とされた部材および部位に対して、それぞれ、図中
に、第一実施例と同一の符号を付しておく。
【0044】加えて、前記実施例では、パワーユニット
を車体に対して吊り下げ状態で支持せしめるタイプのエ
ンジンマウントに対して本発明を適用したものの一具体
例を示したが、その他、前記特開昭57−9340号公
報にも開示されている如く、パワーユニットを車体に対
して載加状態で支持せしめるタイプのエンジンマウント
に対しても、本発明は同様に適用可能である。なお、そ
の場合には、例えば、第二の取付金具14を車体側に取
り付けるための有底円筒形状のブラケットが、開口部分
において、第二の取付金具14のかしめ部26やカバー
金具46の開口部等にかしめ固定されて取り付けられる
こととなり、また、かかるブラケットによって、拘束金
具50を構成することも可能である。
【0045】また、本発明は、自動車用エンジンマウン
ト以外の各種の防振マウントに対して、何れも、同様に
適用され得ることは勿論である。
【0046】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す縦断面図である。
【図2】本発明の別の実施例としてのエンジンマウント
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10,68 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 支持ゴム弾性体 28 仕切金具 30 オリフィス金具 44 ゴム弾性膜 50 拘束金具 54 被拘束部 56 可撓性膜部 58 可動膜部 60 受圧室 62 平衡室 64 オリフィス通路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    取付部材と第二の取付部材を、それらの間に介装された
    支持ゴム弾性体によって弾性的に連結すると共に、該第
    二の取付部材に固設された仕切部材を挟んだ両側に、壁
    部の一部が前記支持ゴム弾性体によって構成されて振動
    入力時に内圧変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一
    部が可撓性膜によって構成されて該可撓性膜の変形に基
    づいて容積変化が許容される平衡室とを構成し、それら
    受圧室および平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、
    それら受圧室と平衡室を相互に連通する流体流路を設け
    る一方、前記受圧室の壁部に、該受圧室の内圧変動に基
    づいて所定量変形乃至は変位可能な可動部材を配設せし
    めてなる流体封入式マウントにおいて、 前記第二の取付部材によってゴム弾性膜を支持せしめる
    と共に、該ゴム弾性膜を、該第二の取付部材に対して部
    分的に拘束せしめて、該拘束部により該ゴム弾性膜を複
    数の区画部分に仕切り、それらの区画部分によって、前
    記可撓性膜と前記可動部材を、それぞれ構成したことを
    特徴とする流体封入式マウント。
  2. 【請求項2】 前記ゴム弾性膜の中央部分が前記第二の
    取付部材に対して環状に拘束されており、該環状の拘束
    部よりも外側部分によって前記可撓性膜が構成されてい
    ると共に、該環状の拘束部よりも内側部分によって前記
    可動部材が構成されている請求項1に記載の流体封入式
    マウント。
  3. 【請求項3】 前記可撓性膜および前記可動部材を構成
    する前記ゴム弾性膜における各区画部分が、何れも、外
    側面において外部空間に露呈されている請求項1又は2
    に記載の流体封入式マウント。
  4. 【請求項4】 前記受圧室の周りを環状に取り囲むよう
    にして、前記平衡室が形成されている請求項1乃至3の
    何れかに記載の流体封入式マウント。
  5. 【請求項5】 前記仕切部材と、前記第二の取付部材に
    固設された拘束部材とによって、前記ゴム弾性膜が両側
    から挟み込まれることにより、かかるゴム弾性膜が前記
    第二の取付部材に対して拘束されている請求項1乃至4
    の何れかに記載の流体封入式マウント。
  6. 【請求項6】 前記拘束部材により、前記ゴム弾性膜に
    て構成された前記可撓性膜を覆う保護カバーが構成され
    ている請求項5に記載の流体封入式マウント。
  7. 【請求項7】 前記仕切部材の外周縁部に前記流体流路
    を形成する流路形成部材が配設されて、前記第二の取付
    部材に固定されていると共に、該流路形成部材に対し
    て、前記ゴム弾性膜の外周縁部が加硫接着されている請
    求項1乃至6の何れかに記載の流体封入式マウント。
  8. 【請求項8】 前記ゴム弾性膜において、前記可撓性膜
    を構成する区画部分よりも、前記可動部材を構成する区
    画部分の方が厚肉とされている請求項1乃至7の何れか
    に記載の流体封入式マウント。
JP29145394A 1994-11-25 1994-11-25 流体封入式マウント Pending JPH08145113A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6799753B2 (en) 2001-09-28 2004-10-05 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled elastic mount
US7100910B2 (en) 2003-03-12 2006-09-05 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping mount

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6799753B2 (en) 2001-09-28 2004-10-05 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled elastic mount
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