JPH08144407A

JPH08144407A - 壁構造およびその施工方法

Info

Publication number: JPH08144407A
Application number: JP31128394A
Authority: JP
Inventors: Keiichi Shiozaki; 惠一塩崎; Shigeo Sakairi; 重雄坂入; Masashi Sakairi; 昌志坂入
Original assignee: OYO KAGAKU KENKYUKAI KK; SAKAIRI KOGYO KK
Current assignee: OYO KAGAKU KENKYUKAI KK; SAKAIRI KOGYO KK
Priority date: 1994-11-22
Filing date: 1994-11-22
Publication date: 1996-06-04

Abstract

(57)【要約】【目的】狭い作業スペースで迅速に躯体に壁パネルを
取付ける。【構成】躯体Ａに設けられた取付具３と壁パネルＢに
設けられた取付具５とを連結して躯体Ａに壁パネルＢを
取付ける。躯体Ａは、取付具３の一部を構成して躯体Ａ
の取付面に沿って配設され壁パネルＢの取付面を躯体Ａ
の取付面に沿って移動可能にする案内部材１を備える。
壁パネルＢは、取付具５の一部を構成し躯体Ａの案内部
材１に対応した被案内部材４を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、壁構造およびその施工
方法に関する。さらに詳しくは、建屋，トンエルの側
壁，天井壁等からなる壁構造の取付性に係る改良と、こ
の壁構造を施工ずるに好適な壁構造の施工方法とに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、壁構造としては、例えば、躯体に
設けられた取付具と壁パネルに設けられた取付具とを連
結して躯体に壁パネルを取付けてなるものが知られてい
る。

【０００３】この従来の壁構造は、壁パネルをクレーン
等で吊持ちしたり（高層建家の場合）運搬車等に積載し
たり（トンネルの場合）して取付位置まで運搬し、取付
位置で躯体の取付具と壁パネルの取付具との位置合わせ
を行ってから、ボルト締，溶接等の連結を行うものであ
る。

【０００４】このような従来の壁構造では、作業スペー
スが狭くてクレーン，運搬車等が動作，走行できない場
合には、躯体に壁パネルを取付けることができないとい
う問題点がある。また、躯体の取付具と壁パネルの取付
具との位置合わせを壁パネルの不安定な状態で行わなけ
ればならないため、位置合わせにかなりの時間を要する
という問題点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の問題
点を考慮してなされたもので、狭い作業スペースで迅速
に躯体に壁パネルを取付けることのできる壁構造を提供
すること、この壁構造を施工するに好適な壁構造の施工
方法を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明に係る壁構造は、請求項１に記載のように、
躯体に設けられた取付具と壁パネルに設けられた取付具
とを連結して躯体に壁パネルを取付けてなる壁構造にお
いて、躯体は取付具の一部を構成して躯体の取付面に沿
って配設され壁パネルの取付面を躯体の取付面に沿って
移動可能にする案内部材を備え、壁パネルは取付具の一
部を構成し躯体の案内部材に対応した被案内部材を備え
たことを特徴とする手段を採用する。また、請求項２に
記載のように、請求項１の壁構造において、案内部材は
鋼材で形成されたレールからなり、被案内部材はレール
を走行可能な車輪からなることを特徴とする手段を採用
する。また、請求項３に記載のように、請求項１または
２の壁構造において、躯体の取付具と壁パネルの取付具
との連結部分に多孔質の金属またはセラミックスを主材
とする吸振材を設けたことを特徴とする手段を採用す
る。

【０００７】また、前述の課題を解決するため、本発明
に係る壁構造の施工方法は、請求項４に記載のように、
躯体の取付面に沿って配設された案内部材に対して案内
部材に対応した被案内部材が設けられた壁パネルを装着
し、躯体の取付面に壁パネルの取付面を沿わせて所定の
取付位置まで壁パネルを移動させ、取付位置で躯体に設
けられた取付具と壁パネルに設けられた取付具とを連結
することにより、躯体に壁パネルを取付ける手段を採用
する。

【０００８】

【作用】前述の手段によると、請求項１では、案内部
材，被案内部材によって壁パネルの取付面を躯体の取付
面に沿わせて移動させ運搬するため、狭い作業ペースで
も壁パネルを取付位置まで運搬することができる。ま
た、案内部材，被案内部材によって壁パネルの移動方向
以外の躯体に対する位置合わせが行われて安定化される
ため、躯体の取付具，壁パネルの取付具の位置合わせに
時間が掛からなくなる。このため、狭い作業スペースで
迅速に躯体に壁パネルを取付けることのできる壁構造を
提供するという課題が解決されることになる。

【０００９】また、請求項２では、前述の請求項１の作
用において、レールからなる案内部材，車輪からなる被
案内部材により、壁パネルが転動により移動される。ま
た、レールからなる案内部材は、鋼材で形成されて壁パ
ネルを支持する取付具としての強度を備えている。

【００１０】また、請求項３では、前述の請求項１，２
の作用において、吸振材が躯体側と壁パネル側との振動
伝達を減衰する。

【００１１】また、請求項４では、案内部材が設けられ
た躯体に被案内部材が設けられた壁パネルを装着して、
壁パネルの移動，取付具の位置合わせ，取付具の連結を
行うため、前述の壁構造を施工するに好適な壁構造の施
工方法を提供するという課題が解決される。

【００１２】

【実施例】以下、本発明に係る壁構造およびその施工方
法の実施例を図面に基いて説明する。

【００１３】図１〜図５は、本発明に係る壁構造および
その施工方法の第１実施例を示すものである。

【００１４】この実施例では、高層建家からなる躯体Ａ
に外装壁からなる壁パネルＢを取付ける場合を示してあ
る。

【００１５】躯体Ａは、高層建家の各階のフロアを形成
するスラブＡａと、スラブＡａを支持するＨ型鋼の梁Ａ
ｂとからなる。

【００１６】この躯体Ａには、図１，図２に詳細に示さ
れるように、案内部材１が設けられている。案内部材１
は、梁Ａｂに溶接固定されたＬ字形のブラケット１１
と、ブラケット１１に固定されて躯体Ａの外部の上下方
向に配設された変形のＨ型鋼のレール１２と、レール１
２をブラケット１１に締付け固定するボルト１３とから
なる。なお、ブラケット１１とレール１２との間には、
吸振材２が介装されている。この吸振材２は、多孔質の
金属またはセラミックスを主材として衝撃吸収，振動
（震動）吸収，騒音吸収の各機能を備えたもので、図３
に詳細に示されるように、多孔質の主材で形成された芯
材２１にゴム材２２をモールドしてなる。なお、吸振材
２の芯材２１は、例えば、鋳鉄等の金属細片に直接通電
して加熱，加圧して多孔質に焼結し、焼結密度に疎，密
の分布を設けたものである。

【００１７】また、躯体Ａには、図４に詳細に示される
ように、梁Ａｂに溶接固定されたＬ字形のボルト孔付き
の取付具３が設けられている。

【００１８】壁パネルＢは、コンクリートの本体部Ｂａ
と、本体部Ｂａ一部に設けられたフレーム板Ｂｂと、隣
接する壁パネルＢとの突合端面のフレーム板Ｂｂに固定
されたコ字形のシール材Ｂｃとからなる。

【００１９】この壁パネルＢには、図１，図２に詳細に
示されるように、車輪形からなる被案内部材４が設けら
れている。被案内部材４は、壁パネルＢに植設固定され
た軸４１と、軸４１に回転可能に支承された車輪４２
と、軸４１，車輪４２の間に介装されたベアリング４３
とからなる。なお、軸４１と壁パネルＢとの間には、吸
振材２が介装されている。

【００２０】また、壁パネルＢには、図４に詳細に示さ
れるように、フレーム板Ｂｂに固定された取付具５が設
けられている。この取付具５は、躯体Ａに設けられた取
付具３に対応するもので、壁パネルＢ溶接固定されたコ
字形のボルト孔付きのブラケット５１と、ブラケット５
１のコ字形の内部に溶接固定されたナット５２とからな
る。

【００２１】躯体Ａに壁パネルＢを取付ける施工に際し
ては、図５に示すように、壁パネルＢを躯体Ａの最上階
へリフトして集積しておき、各壁パネルＢをホイスト等
で吊持して被案内部材４の車輪４２を躯体Ａの案内部材
１のレール１２に挿入嵌合し、車輪４２をレール１２に
転動させて壁パネルＢを躯体Ａの案内部材１に沿って降
下させる。

【００２２】この壁パネルＢの降下では、躯体Ａ，壁パ
ネルＢの取付面が沿った状態での移動となるため、躯体
Ａの外側に広い作業スペースを確保する必要がなくな
る。また、躯体Ａの案内部材１に方向規制された移動と
なるため、壁パネルＢが揺動することがなく、仮にホイ
ストによる吊持が切断してもそのまま直下に高速で降下
するだけであり、安全に作業を行うことができる。ま
た、躯体Ａ側，壁パネルＢ側にそれぞれ設けられている
吸振材２により、躯体Ａの案内部材１，壁パネルＢの被
案内部材４の間で生ずる衝撃，振動，騒音が吸収され
る。また、車輪４２，レール１２による転動で降下する
ため、移動が円滑，確実となる。

【００２３】なお、躯体Ａが高層である場合には、壁パ
ネルＢの降下を各フロアごとまたは数フロアごとに行う
こともできる。

【００２４】壁パネルＢの降下は、取付位置に到達して
停止される。取付位置では、図４に示すように、躯体Ａ
の取付具３と壁パネルＢの取付具５とが位置合わせされ
て吸振材２を介して連結される。

【００２５】取付位置での壁パネルＢは、躯体Ａの案内
部材１に規制されて揺動等しない安定した姿勢であると
ともに、躯体Ａの案内部材１，壁パネルＢの被案内部材
４によって移動（昇降）方向以外の取付具３，５の位置
合わせが既に完了している。従って、躯体Ａの取付具３
と壁パネルＢの取付具５とが位置合わせに時間が掛から
なくなる。

【００２６】また、躯体Ａの取付具３と壁パネルＢの取
付具５とは、躯体Ａ側から挿入されるボルト６で締付け
固定されて連結される。従って、溶接作業が行われない
ため、溶接作業のための養生が不要となる。なお、吸振
材２は、取付具３，５の当接シート板とボルト６のワッ
シャとして設けられている。

【００２７】この躯体Ａに壁パネルＢを取付ける施工で
は、躯体Ａ，壁パネルＢの取付面が沿った状態が維持さ
れ、躯体Ａ側から各種の作業をすることができるため、
躯体Ａの外側への足場の架設が不要となる。

【００２８】躯体Ａに壁パネルＢが取付けられた状態で
は、躯体Ａの案内部材１，壁パネルＢの被案内部材４が
残置され、躯体Ａ，壁パネルＢを支持連結して躯体Ａ，
壁パネルＢを連結している前記取付具３，５の一部とし
て機能する。従って、躯体Ａへの壁パネルＢの取付強度
が高くなる。また、躯体Ａの案内部材１が強度のある鋼
材からレール１２を主要部材としていることも、躯体Ａ
への壁パネルＢの取付強度がの向上に寄与する。

【００２９】取付状態の躯体Ａ，壁パネルＢの間では、
吸振材２の機能によって、一方で発生した衝撃，振動
（震動），騒音の他方へ伝達が減衰される。

【００３０】図６，図７は、本発明に係る壁構造および
その施工方法の第２実施例を示すものである。

【００３１】この実施例では、トンネルからなる躯体Ａ
に防護壁からなる壁パネルＢを取付ける場合を示してあ
る。

【００３２】この実施例は、躯体Ａに設けられる案内部
材１，取付具３をトンネルのセグメント等に植設された
ボルト１４，３１に吸振材２を介して締付け固定してあ
る。また、壁パネルＢはトンネルのセグメントに対応し
てく字形に形成され、く字形の壁パネルＢを案内する躯
体Ａの案内部材１は載承用（図６の上方側）と傾倒防止
用（図７の下方側）との２条が配設されている。なお、
案内部材１のレール１２は、Ｉ型鋼からなる。また、他
の構成各部は、前述の第１実施例と同様である。

【００３３】この実施例によると、壁パネルＢが横方向
に移動される点が前述の第１実施例と異なるものの、第
１実施例と殆ど同様の作用，効果が奏される。

【００３４】特に、この実施例によると、トンネルで壁
パネルＢの搬入地点が限定されている場合等に、搬入地
点から壁パネルＢを躯体Ａに沿って移動運搬することが
できる。

【００３５】以上、図示した実施例の外に、躯体Ａが橋
脚，船舶等で壁パネルＢが側パネル，舷側パネル等とす
る実施例も可能である。

【００３６】さらに、壁パネルＢを上下，左右の双方に
移動させるように案内部材１を配設する実施例とするこ
とも可能である。

【００３７】さらに、案内部材１を曲面に沿って配設
し、曲面形の壁パネルＢを躯体Ａの曲面形の取付面に取
付ける実施例とすることも可能である。

【００３８】さらに、壁パネルＢが耐積雪構造を備えた
天井壁からなる場合に吸振材２をゴム材やスプリンング
材とする等、躯体Ａ，壁パネルＢの構造に対応して吸振
材２の材質を変更した実施例とすることも可能である。

【００３９】さらに、取付具３を外しやすい構造とし
て、壁パネルＢを必要に応じて元の位置まで復帰移動さ
せる使用態様を採る実施例とすることも可能である。こ
の実施例によると、高所に位置する壁パネルＢの保守，
修理等を安全，容易に行うことができる。また、繁雑に
交換される大型の広告看板等を壁パネルＢの対象とする
こともできる。

【００４０】

【発明の効果】以上のように本発明に係る壁構造は、請
求項１〜３共通として、案内部材，被案内部材によって
壁パネルの取付面を躯体の取付面に沿わせて移動させ運
搬するため、狭い作業ペースで躯体に壁パネルを取付け
ることができる効果がある。

【００４１】また、請求項１〜３共通として、案内部
材，被案内部材によって壁パネルの移動方向以外の躯体
に対する位置合わせが行われて安定化されるため、迅速
に躯体に壁パネルを取付けることができる効果がある。

【００４２】また、求項１〜３共通として、案内部材，
被案内部材によって壁パネルの移動の際の揺動等が防止
されるため、安全に躯体に壁パネルを取付けることがで
きる効果がある。

【００４３】また、求項１〜３共通として、案内部材，
被案内部材によって躯体，壁パネルの取付面が沿った状
態が維持されるため、躯体の外側への足場の架設が不要
となる効果がある。

【００４４】また、求項１〜３共通として、案内部材，
被案内部材が取付具の一部となるため、躯体への壁パネ
ルの取付強度が高くなる効果がある。

【００４５】また、請求項２のみとして、案内部材が鋼
材からなるため、躯体への壁パネルの取付強度がより高
くなる効果がある。

【００４６】また、請求項２のみとして、壁パネルがレ
ール，車輪の転動により移動するため、壁パネルの移動
が円滑，確実となる効果がある。

【００４７】また、請求項３のみとして、躯体側，壁パ
ネル側での衝撃，振動（震動），騒音等の伝達が減衰さ
れる効果がある。

【００４８】さらに、本発明に係る壁構造の施工方法
は、前述の本発明に係る壁構造の効果を損なわないとと
もに、施工コストが低減され、施工期間が短縮される効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る壁構造およびその施工方法の第１
実施例を示す斜視図である。

【図２】図１の要部の拡大横断面図である。

【図３】図２の一部の拡大断面図である。

【図４】図１の他の要部の拡大経断面図である。

【図５】本発明に係る壁構造およびその施工方法の第１
実施例の施工工程を示す斜視図である。

【図６】本発明に係る壁構造およびその施工方法の第２
実施例を示す斜視図である。

【図７】本発明に係る壁構造およびその施工方法の第２
実施例の施工工程を示す斜視図である。

【符号の説明】

１案内部材１２レール２吸振材３取付具（躯体側）４被案内部材４２車輪５取付具（壁パネル側）Ａ躯体Ｂ壁パネル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者坂入重雄群馬県前橋市大渡町一丁目18番５号坂入工業株式会社内 (72)発明者坂入昌志群馬県前橋市大渡町一丁目18番５号坂入工業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】躯体に設けられた取付具と壁パネルに設
けられた取付具とを連結して躯体に壁パネルを取付けて
なる壁構造において、躯体は取付具の一部を構成して躯
体の取付面に沿って配設され壁パネルの取付面を躯体の
取付面に沿って移動可能にする案内部材を備え、壁パネ
ルは取付具の一部を構成し躯体の案内部材に対応した被
案内部材を備えたことを特徴とする壁構造。
【請求項２】請求項１の壁構造において、案内部材は
鋼材で形成されたレールからなり、被案内部材はレール
を走行可能な車輪からなることを特徴とする壁構造。
【請求項３】請求項１または２の壁構造において、躯
体の取付具と壁パネルの取付具との連結部分に多孔質の
金属またはセラミックスを主材とする吸振材を設けたこ
とを特徴とする壁構造。
【請求項４】躯体の取付面に沿って配設された案内部
材に対して案内部材に対応した被案内部材が設けられた
壁パネルを装着し、躯体の取付面に壁パネルの取付面を
沿わせて所定の取付位置まで壁パネルを移動させ、取付
位置で躯体に設けられた取付具と壁パネルに設けられた
取付具とを連結することにより、躯体に壁パネルを取付
ける壁構造の施工方法。