JPH08143766A - 熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

熱可塑性重合体組成物

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JPH08143766A
JPH08143766A JP6210772A JP21077294A JPH08143766A JP H08143766 A JPH08143766 A JP H08143766A JP 6210772 A JP6210772 A JP 6210772A JP 21077294 A JP21077294 A JP 21077294A JP H08143766 A JPH08143766 A JP H08143766A
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thermoplastic polyurethane
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film
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竜也 尾下
Shunji Kaneda
俊二 金田
Koji Hirai
広治 平井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性ポリウレタン(A)を50〜90重量%、
オレフィン系エラストマー(B)を5〜15重量%及び芳香族
ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体(C)を5〜35
重量%の割合で含有し、場合により(A)〜(C)の合計重量
に対してポリオレフィン樹脂3〜10重量%及び/又は高
級脂肪酸ビスアミド0.3〜4重量%を含有する重合体組成
物であって、前記ポリウレタン(A)が、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール及び/又は2−メチル−1,8−オクタ
ンジオールを30モル%以上含有するジオール成分とジカ
ルボン酸成分とからなるポリエステルジオール、有機ジ
イソシアネート及び鎖伸長剤の反応により得られたポリ
ウレタンである重合体組成物、並びに該重合体組成物よ
りなるフイルム、シートなどの成形品及び積層体。 【効果】 本発明の重合体組成物は非粘着性、耐ブロッ
キング性及び離型性に優れ、フイルム、その他の成形
品、積層体等を離型紙や離型剤を使用せずに製造でき、
フイルム等は巻戻しが簡単にでき、しかもフイルム等の
成形品は弾性回復性、柔軟性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性重合体組成物、
該熱可塑性重合体組成物からなるフイルム、シート、そ
の他の成形品、該熱可塑性重合体組成物を表面層として
有するフイルム状またはシート状積層体に関する。詳細
には、本発明は、非粘着性で、耐ブロッキング性、離型
性に優れていて、フイルムまたはシート、フイルム状ま
たはシート状積層体などを製造する際に離型紙を用いな
くても円滑に巻き取ることができ且つ巻き取ったそれら
の製品はブロッキングを生ずることなく円滑に巻き戻す
ことができ、更に金型などを用いてモールド成形を行っ
た場合には型からの成形品の取り出しが円滑に行われ得
る、熱可塑性ポリウレタンから主としてなる熱可塑性重
合体組成物、該組成物からなるフイルム、シート、モー
ルド成形品などの成形品、該組成物を表面層として有す
るフイルム状またはシート状積層体に関するものであ
り、本発明の熱可塑性重合体組成物から得られる上記し
た成形品や積層体は弾性回復性、柔軟性、力学的特性に
も極めて優れていて、特にフイルムまたはシートは伸縮
性フイルムまたはシートとして有用である。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンは、高い弾性を有
していて強度が大きく、耐摩耗性、耐薬品性、耐油性、
耐屈曲性などの諸特性にも優れており、しかも通常の熱
可塑性樹脂の成形加工法が適用できることから、従来か
ら種々の分野で広く用いられている。しかしながら、熱
可塑性ポリウレタンは粘着性が強くてブロッキングを起
こし易いことから、押出成形などによってフイルムやシ
ートを製造した場合に単独で巻き取ることが困難であ
り、単独で巻き取った場合には巻き取ったフイルムやシ
ートの巻き戻しが困難であったり不可能になって、使用
できなくなるというのが現状である。また、熱可塑性ポ
リウレタンを金型に導入して成形品を製造する場合も、
その粘着性により成形品が金型壁面に粘着して金型から
の取り出しが容易に行われないという欠点がある。この
ため、非粘着化、ブロッキング防止、離型性の付与など
の目的で、熱可塑性ポリウレタン中に滑剤を添加する
方法、熱可塑性ポリウレタンに他のポリマーをブレン
ドする方法、熱可塑性ポリウレタンのフイルムまたは
シートをシリコーンを含む離型紙またはポリエチレンや
ポリプロピレンをラミネートした離型紙の上に製膜して
離型紙と一緒に巻き取る方法、成形に当たって金型内
面に離型剤を塗る方法などが従来から行われている。
【0003】しかしながら、上記の方法による場合
は、ブロッキング防止効果や離型効果を発現させるため
には多量の滑剤の配合が必要であり、その結果製品の表
面に滑剤がブリードアウトして表面に多数の凹凸が生じ
て平滑性が失われるという欠点がある。また、これまで
知られている上記の場合は多量のポリマーをブレンド
する必要があるため、熱可塑性ポリウレタン本来の特性
が失われ易く、特に弾性回復性、柔軟性および強伸度が
大きく低下し、しかもフイルムやシートなどの成形品の
表面荒れが生じて外観が不良になるという欠点がある。
更に、上記およびの場合は、離型紙や離型剤を使用
する必要があり、そのため成形に手間がかかり、しかも
高価な離型紙や離型剤などを使用するのでコストが高く
なるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性ポリウレタンが本来有している優れた特性、特に弾
性回復性、柔軟性および強伸度などの力学的特性を失わ
ずにそのまま保持していて、しかも多量の滑剤、高価な
離型紙、離型剤を使用しなくても粘着やブロッキングを
効果的に防止して、物性や外観的に優れる熱可塑性ポリ
ウレタンのフイルム、シート、その他の成形品、積層体
などを円滑に製造することのできる熱可塑性ポリウレタ
ンから主としてなる熱可塑性重合体組成物を提供するこ
とである。そして、本発明の目的は、上記した熱可塑性
重合体組成物からなるフイルム、シート、モールド成形
品などの成形品、および前記熱可塑性重合体組成物の表
面層を有するフイルム状またはシート状積層体を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、特定の熱可塑性ポリウ
レタンに対して、オレフィン系エラストマーおよび芳香
族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体を特定の
割合でブレンドすると、熱可塑性ポリウレタン本来の優
れた特性を有しており、しかも非粘着性、耐ブロッキン
グ性および離型性に優れる熱可塑性重合体組成物が得ら
れること、この熱可塑性重合体組成物を用いてフイル
ム、シート、モールド成形品などの成形品、積層体など
を製造した場合には、離型紙や離型剤を使用しなくて
も、巻き取り、巻き戻し、金型からの離脱が円滑に且つ
容易に行われること、そしてそこで得られたフイルム、
シート、モールド成形品、積層体などは弾性回復性、柔
軟性および強伸度などの特性に優れていて、特にフイル
ムまたはシートは伸縮性フイルムまたはシートとして有
用であることを見出した。更に、本発明者らは、上記し
た熱可塑性重合体組成物に対して、更にポリオレフィン
樹脂および高級脂肪酸ビスアミドの少なくとも一方を特
定の割合で配合すると、その非粘着性、耐ブロッキング
性、離型性が一層向上することを見出し、それらの知見
に基づいて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、(i) 熱可塑性ポリ
ウレタン(A)、オレフィン系エラストマー(B)および芳
香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体(C)を
含有する重合体組成物であって; (ii) (A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリ
ウレタン(A)を50〜90重量%、オレフィン系エラス
トマー(B)を5〜15重量%および芳香族ビニル化合物
−共役ジエンブロック共重合体(C)を5〜35重量%の
割合で含有し;そして、(iii) 熱可塑性ポリウレタン
(A)が、ポリエステルジオール、有機ジイソシアネート
および鎖伸長剤の反応により得られた熱可塑性ポリウレ
タンであり;且つ(iv) 熱可塑性ポリウレタン(A)の製
造に用いた前記ポリエステルジオールが、ジカルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体と、3−メチル−1,
5−ペンタンジオールおよび2−メチル−1,8−オク
タンジオールの少なくとも一方を30モル%以上含有す
るジオール成分とを反応させて得られたポリエステルジ
オールである;ことを特徴とする熱可塑性重合体組成物
である。
【0007】そして、本発明は、熱可塑性ポリウレタン
(A)、オレフィン系エラストマー(B)および芳香族ビニ
ル化合物−共役ジエンブロック共重合体(C)の合計重量
に基づいて、更にポリオレフィン樹脂(D)を3〜10重
量%の割合で含有するか、および/または高級脂肪酸ビ
スアミド(E)を0.3〜4重量%の割合で含有する上記
した熱可塑性重合体組成物を包含する。更に、本発明
は、上記の熱可塑性重合体組成物からなる、フイルム、
シート、モールド成形品などの成形品、および上記の熱
可塑性重合体組成物を表面層として有するフイルム状ま
たはシート状積層体を包含する。
【0008】本発明の熱可塑性重合体組成物(以下単に
「重合体組成物」という)で用いる熱可塑性ポリウレタ
ン(A)は、ポリエステルジオール、有機ジイソシアネー
トおよび鎖伸長剤の反応により得られる熱可塑性ポリウ
レタンであって、熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用
いた前記ポリエステルジオールが、ジカルボン酸または
そのエステル形成性誘導体と、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオールおよび2−メチル−1,8−オクタンジ
オールの少なくとも一方を30モル%以上の割合で含有
するジオール成分とを反応させて得られたポリエステル
ジオールであることが必要である。その場合に、ポリエ
ステルジオールを形成するためのジオール成分は、3−
メチル−1,5−ペンタンジオールおよび2−メチル−
1,8−オクタンジオールの一方のみを含有していて
も、または両方を含有していてもよい。熱可塑性ポリウ
レタンとして、ジオール成分中における3−メチル−
1,5−ペンタンジオールおよび/または2−メチル−
1,8−オクタンジオールの含有割合(両ジオールを含
む場合は両者の合計割合)が30モル%未満であるジオ
ールとジカルボン酸成分との反応により得られたポリエ
ステルジオールを用いて製造された熱可塑性ポリウレタ
ンを使用した場合には、そのような熱可塑性ポリウレタ
ンに対して、オレフィン系エラストマー(B)および芳香
族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体(C)を上
記した割合でブレンドしても、弾性回復性に優れる重合
体組成物や成形品が得られない。
【0009】一般に、ポリエステルジオールを構成する
ジオール成分中における3−メチル−1,5−ペンタン
ジオールおよび/または2−メチル−1,8−オクタン
ジオールの含有割合が高いほど重合体組成物やそれから
得られる成形品の弾性回復性が向上するので、ポリエス
テルジオールを構成するジオール成分における3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールおよび/または2−メチ
ル−1,8−オクタンジオールの含有割合が40モル%
以上であるのが好ましく、50モル%以上であるのがよ
り好ましい。
【0010】熱可塑性ポリウレタン(A)用のポリエステ
ルジオールを構成するジオール成分は、70モル%以下
の割合であれば3−メチル−1,5−ペンタンジオール
および/または2−メチル−1,8−オクタンジオール
以外の他のジオール成分を有していてもよく、他のジオ
ール成分の例としては、エチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9
−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどを挙
げることができ、これらの他のジオール成分の1種また
は2種以上を3−メチル−1,5−ペンタンジオールお
よび/または2−メチル−1,8−オクタンジオールと
共に使用することができる。
【0011】また、熱可塑性ポリウレタン(A)用のポリ
エステルジオールを構成するジカルボン酸成分として
は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはそ
れらのエステル形成性誘導体のいずれもが使用でき、例
えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、
2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチ
ルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオ
オクタン二酸などの炭素数が6〜12の脂肪族ジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性
誘導体などを挙げることができ、これらのジカルボン酸
は単独で使用しても、または2種以上併用してもよい。
そのうちでも、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
などの炭素数6〜10の脂肪族ジカルボン酸またはその
エステル形成誘導体を使用するのが、本発明の重合体組
成物の弾性回復性、伸度などが良好となり、好ましい。
【0012】更に、熱可塑性ポリウレタン(A)を製造す
るのに用いられる上記したポリエステルジオールは、数
平均分子量が1300〜8000であるのが好ましい。
熱可塑性ポリウレタン(A)を構成するポリエステルジオ
ールの数平均分子量が1300未満であると、重合体組
成物の弾性回復性、耐熱性、耐寒性、強伸度など低下し
易くなり、一方8000を超えると重合体組成物を溶融
した際に急激な粘度上昇を生じて押出成形などが困難に
なり、成形性の低下を招き易い。なお、本明細書でいう
ポリエステルジオールの数平均分子量は、いずれもJI
S K−1557に準拠して測定した水酸基価に基づい
て算出した数平均分子量である。
【0013】熱可塑性ポリウレタン(A)を製造するのに
用いられる上記したポリエステルジオールの製造法は特
に制限されず、上記したジカルボン酸成分およびジオー
ル成分を用いて、従来既知のエステル交換反応、直接エ
ステル化反応などによって重縮合させて製造することが
できる。その場合に、その重縮合反応をチタン系または
スズ系の重縮合触媒の存在下に行ってもよいが、チタン
系重縮合触媒を用いた場合には重縮合反応の終了後にポ
リエステルジオールに含まれるチタン系重縮合触媒を失
活させておくのが好ましい。チタン系重縮合触媒を失活
処理したポリエステルジオールを用いて熱可塑性ポリウ
レタン(A)を製造することにより、熱可塑性ポリウレタ
ン(A)を高温で溶融状態に保っても、熱可塑性ポリウレ
タン(A)を構成しているハードセグメントとソフトセグ
メントとのブロック性の低下が抑制されて、熱可塑性ポ
リウレタン(A)が当初有していた耐熱性、弾性回復性な
どの諸特性が熱可塑性ポリウレタン(A)を含有する重合
体組成物から得られる成形品などにおいてそのまま良好
に発揮される。
【0014】チタン系重縮合触媒を用いて製造されたポ
リエステルジオール中に含まれるチタン系重縮合触媒の
失活方法としては、例えば重縮合反応により得られたポ
リエステルジオールを加熱下に水と接触させて失活する
方法、ポリエステルジオールをリン酸、リン酸エステ
ル、亜リン酸、亜リン酸エステル等のリン化合物で処理
する方法を挙げることができ、それらのうちでも加熱下
に水と接触させる前者の方法が好ましい。水と接触させ
てチタン系重縮合触媒を失活させる方法としては、重縮
合反応により得られたポリエステルジオールに対して水
を1重量%以上(通常1〜4重量%程度)添加して80
〜150℃に加熱撹拌する方法、ポリエステルジオール
に水蒸気を通しながら100〜150℃の温度で撹拌す
る方法などを挙げることができる。
【0015】また、熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に
用いられる有機ジイソシアネートの種類は特に制限され
ず、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来用いられ
ている有機ジイソシアネートのいずれもが使用でき、分
子量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイ
ソシアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種ま
たは2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシアネ
ートの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを
挙げることができ、それらのうちで4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートが好ましく用いられる。
【0016】また、熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に
用いられる鎖伸長剤としては、通常の熱可塑性ポリウレ
タンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のいずれ
もが使用でき、その種類は特に制限されない。そのうち
でも、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分
子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物
(例えば分子量300以下の脂肪族ジオール、脂環式ジ
オールおよび芳香族ジオール)が好ましく用いられる。
好ましい鎖伸長剤の具体例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオ
ール、ビスー(β−ヒドロキシエチル)テレフタレー
ト、キシリレングリコールなどのジオール類を挙げるこ
とができ、これらの鎖伸長剤は単独で用いてもまたは1
種以上を併用してもよい。上記したうちでも、鎖伸長剤
として炭素数2〜10の脂肪族ジオールを用いるのが好
ましく、1,4−ブタンジオールがより好ましい。
【0017】熱可塑性ポリウレタン(A)としては、上記
したポリエステルジオール、有機ジイソシアネートおよ
び鎖伸長剤のみの反応によって得られたものを使用する
のが好ましい。しかし場合によっては、少量(ポリエス
テルジオールの重量に基づいて30重量%以下)の他の
高分子ジオール(例えばポリカーボネートジオール、ポ
リエーテルジオール、上記した以外のポリエステルジオ
ールなど)を、上記したポリエステルジオール、有機ジ
イソシアネートおよび鎖伸長剤などと共に用いて熱可塑
性ポリウレタンを製造し、それを熱可塑性ポリウレタン
(A)として用いてもよい。
【0018】また、熱可塑性ポリウレタン(A)は、上記
したポリエステルジオール、鎖伸長剤および場合により
用いられる他の高分子ジオールが有しているイソシアネ
ート基反応性の活性水素原子の合計モル数に対するイソ
シアネート基のモル数の比率が1:0.95〜1.3、
特に1:1.00〜1.10になるようにして、それら
の成分を反応させて得られた熱可塑性ポリウレタンであ
るのが、本発明の重合体組成物を用いて押出成形などの
成形を行う場合に、溶融粘度の急激な上昇がなくなり、
成形性よく成形品を製造することができ、しかも得られ
る成形品の耐熱性が良好なものとなるので好ましい。
【0019】また、熱可塑性ポリウレタン(A)は、その
硬度(JIS A硬度)が85以下であるのが好まし
く、硬度85以下の熱可塑性ポリウレタン(A)を用いた
場合には重合体組成物およびそれから得られる成形品に
充分な柔軟性を付与することができる。重合体組成物お
よび成形品に充分な柔軟性と良好な力学的特性を兼備さ
せる点から、硬度(JIS A硬度)が60〜80の熱
可塑性ポリウレタン(A)を用いるのが一層好ましい。
【0020】更に、熱可塑性ポリウレタン(A)は、その
対数粘度(ηinh)が0.85dl/g対数粘度以上で
あるのが好ましく、1.00dl/g以上であるのがよ
り好ましく、1.20dl/g以上であるのが更に好ま
しい。ここで、本明細書中でいう熱可塑性ポリウレタン
の対数粘度(ηinh)とは、次のようにして求めた値を
いう。
【0021】[熱可塑性ポリウレタンの対数粘度(ηin
h)]熱可塑性ポリウレタンを含む重合体組成物からフ
イルムを製造し、このフイルムより得られる試験片に試
験片1g当たり2dlのをジメチルホルムアミド(DM
F)を加えて室温で24時間撹拌した後濾過分別してD
MF溶液を回収した。不溶部分には更にDMFを加えて
1時間撹拌して濾過分別を行い、この操作を3回繰り返
して、回収された濾液を一緒にした。濾液からDMFを
留去した後、室温で24時間真空乾燥して、得られた熱
可塑性ポリウレタンの重量を測定して、重合体組成物の
調製に使用した熱可塑性ポリウレタンのほぼ100%が
回収されていることを確認し、回収率が100%に満た
ない場合は、回収されなかった部分は熱可塑性ポリウレ
タンの分子量が充分に高いためにDMFに不溶であった
ものと判断して、相対粘度の測定からは外した。回収さ
れて熱可塑性ポリウレタンを0.5g/dlの濃度にな
るようにDMFに溶解し、その24時間後に30℃でウ
ッベローデ型粘度計により溶液粘度を測定し、次式によ
り対数粘度(ηinh)を求めた。
【0022】
【数1】ηrel=t/t0 ηinh=ln(ηrel)/c [上記式中、t=溶液の流下時間(秒)、t0=溶媒の
流下時間(秒)、ηrel=比粘度、ηinh=対数粘度、c
=ポリウレタンの濃度(g/dl)を示す]
【0023】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン
(A)の製造方法は特に制限されず、上記したポリエステ
ルジオール、有機ジイソシアネート、鎖伸長剤および必
要に応じて他の高分子ジオールを使用して、公知のウレ
タン化反応技術を利用して、プレポリマー法およびワン
ショット法のいずれで製造してもよい。そのうちでも、
実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好まし
く、特に多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重合
が好ましい。
【0024】本発明の重合体組成物で用いるオレフィン
系エラストマー(B)としては、本出願前既知のオレフィ
ン系エラストマーのいずれもが使用でき、例えば、エチ
レン−プロピレン共重合体ゴム(EPM);エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM);ポリエ
チレンおよび/またはポリプロピレンの硬質セグメント
とEPMおよび/またはEPDMの軟質セグメントから
なるオレフィン系エラストマー;ポリエチレンの硬質セ
グメントとエチレン−酢酸ビニル共重合体および/また
はエチレン−エチルアクリレート共重合体の軟質セグメ
ントからなるエラストマー;ブチルゴム;軟質セグメン
トが主として非結晶性ポリエチレンであり架橋点が金属
イオン結合であるエラストマーなどを挙げることができ
る。
【0025】そのうちでも、オレフィン系エラストマー
(B)としては、EPDM、或いはポリエチレンおよび/
またはポリプロピレンの硬質セグメントとEPMおよび
/またはEPDMの軟質セグメントからなるオレフィン
系エラストマーが好ましい。ポリエチレンおよび/また
はポリプロピレンの硬質セグメントとEPMおよび/ま
たはEPDMの軟質セグメントからなる前記したオレフ
ィン系エラストマーでは、硬質セグメントと軟質セグメ
ントとはブロック共重合体の形態で結合していても、ま
たはブレンド形態になっていてもよい。硬質セグメント
と軟質セグメントがブレンド形態になっている前記のオ
レフィン系エラストマー(B)では、両方のセグメントが
単に混合している単純ブレンド型、パーオキサイドなど
の架橋剤によって部分的に架橋されている部分架橋型、
またはパーオキサイドなどの架橋剤により完全に架橋さ
れている完全架橋型のいずれであってもよい。そして、
EPDMからなるオレフィン系エラストマーまたはEP
DMを軟質セグメントとする上記したオレフィン系エラ
ストマーにおいて、EPDMを構成するジエン化合物と
してはエチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエ
ン、ジシクロペンタジエンなどの1種または2種以上が
好ましく用いられる。
【0026】また、本発明の重合体組成物で用いるオレ
フィン系エラストマー(B)は、そのメルトフローレート
(MI;230℃、10kg荷重)が10〜60g/分
であるのが、耐ブロッキング性、フイルムやシートを製
造する際の製膜安定性などの良好になり好ましい。また
オレフィン系エラストマー(B)はその硬度(JISA硬
度)が40〜85の範囲であるのが重合体組成物および
それから得られる成形品などの弾性回復性および柔軟性
が優れる点から好ましい。オレフィン系エラストマーと
しては、従来から種々のものが市販されており、本発明
ではそのような市販のもののうちから、上記した特性を
有するものを選んで使用することができる。
【0027】そして、本発明の重合体組成物で用いる芳
香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体(C)
[以下単に「ブロック共重合体(C)」ということがあ
る]は、芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックを
少なくとも1個、好ましくは2個以上有し、且つ共役ジ
エン重合体ブロックを少なくとも1個以上有するブロッ
ク共重合体である。ブロック共重合体(C)における芳香
族ビニル化合物の分布は、ランダム、テーパー、一部ブ
ロック状、またはそれらの混在型のいずれであってもよ
い。更に、ブロック共重合体(C)の分子構造は直鎖状、
分岐状または放射状のいずれであってもよい。
【0028】ブロック共重合体(C)では、芳香族ビニル
化合物の含有量が5〜50重量%であるのが好ましく、
10〜40重量%であるのがより好ましい。ブロック共
重合体(C)における芳香族ビニル化合物の含有量が5重
量%未満であると、そのようなブロック共重合体を使用
して得られる重合体組成物およびそれから得られるフイ
ルムやその他の成形品の粘着性が大きくなり、前記した
ような種々の不都合を生じ易くなる。一方、ブロック共
重合体(C)における芳香族ビニル化合物の含有量が50
重量%を超えると、そのようなブロック共重合体(C)を
含有する重合体組成物およびそれから得られるフイルム
やその他の成形品などの弾性回復性、柔軟性が低下し易
くなる。
【0029】ブロック共重合体(C)を構成するビニル芳
香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
ベンゼン核がアルキルおよび/またはハロゲンで置換さ
れたスチレンなどを挙げることができ、特にスチレンで
あるのが好ましい。また、ブロック共重合体(C)を構成
する共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、2−メ
チル−1,3−ブタジエン(別称;イソプレン)、1,
3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−ク
ロロ−1,3−ブタジエンなどを挙げることができ、
1,3−ブタジエンおよび/または2−メチル−1,3
−ブタジエンが好ましい。
【0030】また、ブロック共重合体(C)はそのメルト
フローレート(MI;200℃、5kg荷重)が30g
/分以下であるのが好ましく、10g/分以下であるの
がより好ましく、5g/分以下であるのが更に好まし
い。ブロック共重合体(C)のメルトフローレートが30
g/分よりも大きいと、そのようなブロック共重合体
(C)を含有する重合体組成物およびそれより得られるフ
イルムやその他の成形品などの弾性回復性、強度、柔軟
性が低下し易くなり、またフイルムなどを製造する際の
製膜性が不良になり易い。ブロック共重合体(C)のメル
トフローレートの下限値については特に制限はないが、
0.1g/分以上であるのが望ましい。更に、ブロック
共重合体(C)は、その硬度(JIS A硬度)が30〜
80であるのが、弾性回復性、柔軟性などの点から好ま
しい。
【0031】そして、本発明の重合体組成物では、熱可
塑性ポリウレタン(A)、オレフィン系エラストマー(B)
およびブロック共重合体(C)の合計重量に基づいて、熱
可塑性ポリウレタン(A)を50〜90重量%、オレフィ
ン系エラストマー(B)を5〜15重量%およびブロック
共重合体(C)を5〜35重量%の割合で含有しているこ
とが必要であり、熱可塑性ポリウレタン(A)を60〜9
0重量%、オレフィン系エラストマー(B)を5〜10重
量%およびブロック共重合体(C)を5〜25重量%の割
合で含有しているのが好ましい。
【0032】本発明の重合体組成物において、熱可塑性
ポリウレタン(A)の含有量が50重量%未満であると、
重合体組成物およびそれからなるフイルムなどの成形品
の弾性回復性が低下し且つ熱可塑性ポリウレタン本来の
優れた諸特性(特に耐摩耗性、強度など)が失われ、一
方90重量%を超えると重合体組成物に粘着性、ブロッ
キング性が発現して、フイルムやシートなどの巻き取
り、巻き戻しなどが困難になり、成形品の金型などから
の離型が困難になる。
【0033】また、オレフィン系エラストマー(B)の含
有量が5重量%未満であると重合体組成物からなるフイ
ルムやシートなどの巻き取り、巻き戻しなどが困難にな
ったり成形品の金型などからの離型が困難になり、一方
15重量%を超える場合は重合体組成物から得られるフ
イルムなど成形品の弾性回復性、柔軟性が低下し、表面
に荒れをじたりする。
【0034】また、重合体組成物中におけるブロック共
重合体(C)の含有量が5重量%未満であると重合体組成
物に粘着性、ブロッキング性が発生してフイルムやシー
トなどの巻き取り、巻き戻し、成形品の金型などからの
離型が困難になり、一方35重量%を超える場合もブロ
ッキングが生じ、強度などの物性低下が大きくなり好ま
しくない。
【0035】使用する熱可塑性ポリウレタン(A)の内容
[例えば熱可塑性ポリウレタン(A)の対数粘度、ポリウ
レタンを構成するポリエステルジオールの内容など]、
オレフィン系エラストマー(B)およびブロック共重合体
(C)の種類などに応じて、上記した配合組成の範囲内で
熱可塑性ポリウレタン(A)、オレフィン系エラストマー
(B)およびブロック共重合体(C)の配合量を選んで、重
合体組成物から得られるフイルムやシートなどの弾性回
復率が85%以上になるようにすると、弾性回復率の高
い製品を得ることができ望ましく、したがって本発明は
上記した本発明の重合体組成物から得られた弾性回復率
が85%以上のフイルムやシートなどの成形品をその好
ましい態様として包含する。
【0036】また、熱可塑性ポリウレタン(A)、オレフ
ィン系エラストマー(B)およびブロック共重合体(C)の
合計重量に基づいて、ポリオレフィン樹脂(D)を3〜1
0重量%の割合で含有させると、耐ブロッキング性が一
層向上して、フイルムやシートなどを製造する際の製膜
性、モールド成形品などを製造する際の離型性が一層向
上するので望ましい。その場合のポリオレフィン樹脂
(D)としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどが好ましく用いられ、それらの
うちでも高密度ポリエチレンが耐ブロッキング性の向上
効果が大きく、より好ましい。また、ポリオレフィン樹
脂(D)は、そのメルトフローレート(MI;190℃、
2.16kg荷重)が0.02〜15g/分であり、硬
度(JISA硬度)が40〜85であるのが耐ブロッキ
ング性の向上効果の点から好ましい。
【0037】また、本発明の重合体組成物は、上記した
熱可塑性ポリウレタン(A)、オレフィン系エラストマー
(B)、ブロック共重合体(C)および場合によりポリオレ
フィン樹脂(D)と共に、熱可塑性ポリウレタン(A)、オ
レフィン系エラストマー(B)およびブロック共重合体
(C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミド
(E)を0.3〜4重量%の割合で含有することが好まし
い。高級脂肪酸ビスアミド(E)を前記の割合で含有する
ことによって、重合体組成物の非粘着性、耐ブロッキン
グ性、離型性が一層向上する。高級脂肪酸ビスアミド
(E)の含有量が4重量%を超えると耐ブロッキング性や
離型性は良好になるが高級脂肪酸ビスアミドがフイル
ム、シート、その他の成形品の表面にブリードアウトし
表面状態が悪化する。
【0038】重合体組成物から得られるフイルム、シー
トなどの成形品の弾性回復性、強度、柔軟性を低下させ
ないためには、高級脂肪酸ビスアミド(E)としては、下
記の一般式(1);
【0039】
【化1】 R1−CO−NH−R2−NH−CO−R3 (1) (上記式中、R1およびR3はアルキル基、R2はアルキ
レン基を示す)で表される高級脂肪酸ビスアミドが好ま
しい。上記の一般式(1)では、R1およびR3が炭素数
6〜35のアルキル基で且つR2が炭素数1〜9のアル
キレン基であるのが好ましく、R1およびR3が炭素数1
0〜35のアルキル基で且つR2が炭素数1〜6のアル
キレン基であるのがより好ましい。
【0040】上記した一般式(1)で表される高級脂肪
酸ビスアミドの好ましい例としては、メチレンビスステ
アリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、テ
トラメチレンビスステラリン酸アミド、ヘキサメチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスモンタン酸アミ
ド、テトラメチレンビスモンタン酸アミド、ヘキサメチ
レンビスモンタン酸アミドなどを挙げることができ、そ
のうちでもメチレンビスステアリン酸アミドおよびエチ
レンビスステアリン酸アミドがより好ましい。これらの
高級脂肪酸ビスアミドは単独で使用しても2種以上を併
用してもよい。
【0041】本発明の重合体組成物は、上記した成分の
他に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、
充填剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤、防黴剤などの添
加剤の1種または2種以上を本発明の効果を損なわない
範囲の量で含有していてもよい。
【0042】本発明の重合体組成物の製造方法は特に制
限されず、熱可塑性ポリウレタンや熱可塑性重合体組成
物を製造する際に従来から使用されている方法のいずれ
もが採用できる。例えば、熱可塑性ポリウレタン(A)、
オレフィン系エラストマー(B)、ブロック共重合体(C)
および必要に応じてポリオレフィン樹脂(D)および/ま
たは高級脂肪酸ビスアミド(E)、更には他の添加剤をポ
リマーの混合に通常用いられる縦型または水平型の混合
機を用いて上記した所定の割合で予備混合した後、1軸
押出機、2軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミ
キサーなどを用いて回分式または連続式に加熱下に混練
して製造することができる。特に、押出機を使用して加
熱混練を行った場合には、ストランド状に押出してから
適当な長さに切断してペレットなどの粒状物にしてもよ
い。かかる方法により本発明の重合体組成物を製造する
ことができる。また、前記の方法以外にも、場合によっ
ては、熱可塑性ポリウレタン(A)の重合時にオレフィン
系エラストマー(B)、ブロック共重合体(C)および必要
に応じてポリオレフィン樹脂(D)、高級脂肪酸ビスアミ
ド(E)、他の添加剤を添加して、そこで得られた重合体
組成物をストランド状に押し出してから適当な長さのペ
レットなどの粒状物にする方法によって本発明の重合体
組成物を製造してもよい。または、重合体組成物を予め
製造せずに、熱可塑性ポリウレタン(A)、オレフィン系
エラストマー(B)、ブロック共重合体(C)および必要に
応じてポリオレフィン樹脂(D)、高級脂肪酸ビスアミド
(E)、他の添加剤などを予めドライブレンドした後、そ
のブレンド物を直接押出成形機などの成形機に供給して
溶融混練して押出成形などを行って成形品を直接そのま
ま製造してもよい。
【0043】本発明の重合体組成物は熱可塑性であり、
熱溶融成形、加熱加工が可能であり、押出成形、射出成
形、ブロー成形、カレンダー成形、注型などの任意の成
形方法によって種々の成形品を円滑に製造することがで
きる。特に、Tダイ型押出成形機やインフレーション押
出成形機などを使用して本発明の重合体組成物からフイ
ルムやシートなどを製造する場合は、重合体組成物は非
粘着性、耐ブロッキング性、離型性であって、押し出さ
れたフイルムやシート間にブロッキングが生じないの
で、離型紙などを使用することなく、そのまま直接押し
出して巻き取ることができ、巻き取ったフイルムまたは
シートは容易に巻き戻しが可能である。また射出成形や
その他のモールド成形によって成形品を製造する場合
も、本発明の重合体組成物は非粘着性で離型性に優れて
いるので、金型内面に離型剤などを施さなくでも成形品
を容易に型抜きすることができ、たとえ離型剤を用いる
場合であっても従来の熱可塑性ポリウレタンのモールド
成形に比べて離型剤の使用量や金型内面への塗布回数な
どを減らすことができる。
【0044】更に、本発明の重合体組成物は、不織布や
その他の繊維布帛からなる基材、他の重合体フイルムや
シートなどからなる基材との積層体の製造にも適してお
り、例えば本発明の重合体組成物を繊維布帛やその他の
基材上にフイルム状またはシート状に溶融押し出しして
積層体を製造する場合にも、重合体組成物からなる表面
層が非粘着性、離型性に優れ、ブロッキングを生じない
ので、そのようなフイルム状またはシート状の積層体を
円滑に巻き取ることができ、また巻き取った積層体を容
易に巻き戻すことができる。繊維布帛上に本発明の重合
体組成物を積層した積層体は、合成皮革などの用途に有
効に使用することができる。
【0045】本発明の重合体組成物を用いて得られるフ
イルム、シート、モールド成形品等の成形品や上記した
積層体は、弾性回復性、柔軟性、引張破断強度や引張破
断伸度などで代表される力学的特性に優れていて、しか
も平滑な表面を有していて表面状態も良好であり、特に
弾性回復性に優れているので、それらの特性を活かして
生理用、紙おむつ用、目止め用、防塵用などに用いられ
る伸縮性フイルム用途、一般用コンベアベルト、各種キ
ーボードシート、ラミネート品、各種容器などのシート
用途、運動シューズ、スキー用シューズ等の靴底用途な
どの種々の用途に有効に使用することができる。
【0046】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、ポリウレタンの対数粘度、実施例または比較
例の重合体組成物を用いてフイルムを製造する際のフイ
ルム間の耐ブロッキング性、得られたフイルムの弾性回
復率および柔軟性は、下記のようにして測定または評価
した。
【0047】[製膜時のフイルム間の耐ブロッキング
性]下記の実施例または比較例の重合体組成物を用いて
Tダイ型押出成形機を使用してフイルムを30℃に温度
調整した冷却ロール上に押し出して冷却した後、離型紙
を用いずに2.6m/分の巻取り速度で巻き取った。巻
き取ったフイルムを室温で24時間放置した後、手で巻
き戻し、下記の表1に示した評価基準にしたがって、そ
の巻き戻し性を評価してフイルム間の耐ブロッキング性
を判定した。
【0048】
【表1】 記号: フイルム間の耐ブロッキング性の評価基準 ◎ :引張力を何ら要せずに、極めて簡単に巻き戻しが可能。 ○ :僅かに引張力を要したが、ほぼ円滑に巻き戻しが可能。 △ :かなりの引張力を要したが、巻き戻しが可能。 × :ブロッキングが大きく、巻き戻しが不可能。
【0049】[ポリウレタンの対数粘度]下記の実施例
または比較例の重合体組成物を用いてTダイ型押出成形
機を使用して製膜した膜厚50μmのフイルムから、試
験片(約20cm×20cm;2.0g)を切り出し、
この試験片に200mlのジメチルホルアミド(DM
F)を加えて、試験片中のポリウレタンを抽出してその
対数粘度を測定する、前記した方法によって重合体組成
物から得られたフイルム中に含まれているポリウレタン
の対数粘度を測定した。
【0050】[フイルムの弾性回復率]下記の実施例ま
たは比較例の重合体組成物を用いてTダイ型押出成形機
を使用して製膜した膜厚50μmのフイルムから、試験
片(1cm×8cm)を切り出し、この試験片を温度2
3℃、湿度65%RHの条件下に、引張速度200mm
/分で200%伸長した後その状態に2分間保持し、2
00mm/分の速度で伸長前の位置まで戻して、図1に
示す伸度−応力曲線を得て、その伸度−応力曲線よりa
(%)の値を読み取り、残留歪みを求めて、下記の式に
より弾性回復率を求めた。
【0051】
【数2】 弾性回復率(%)={(200−a)/200}×100
【0052】[フイルムの柔軟性]下記の実施例または
比較例の重合体組成物を用いてTダイ型押出成形機を使
用して膜厚50μmのフイルムを製造し、得られたフイ
ルムを手で触れて、下記の表2に示した評価基準にした
がってフイルムの柔軟性の評価を行った。
【0053】
【表2】 記 号: 柔軟性の評価基準 ○ :ごわごわしておらず、ソフトで柔軟性に優れている。 △ :ややごわごわしていて、やや柔軟性に欠けている。 × :ごわごわした感じが大きく、柔軟性に大きく欠けている。
【0054】また、以下の実施例および比較例では、そ
れぞれの化合物を下記の表3に示す略号で標記する。
【0055】
【表3】 略 号 : 化合物の内容 AD :アジピン酸 MPD :3−メチル−1,5−ペンタンジオール MOD :2−メチル−1,8−オクタンジオール ND :1,9−ノナンジオール BD :1,4−ブタンジオール MDI :4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート TPU :熱可塑性ポリウレタン TPO :オレフィン系エラストマー[MI(230℃、荷重10kg)=40g/10分、 硬度(JIS A硬度)65(三井石油化学社製「ミラストマー7030N」)] SIS :ブロック共重合体(C)[スチレン−イソプレン−スチレンブロック共 重合体;スチレン含量21重量%、MI(200℃、荷重5kg)=3g/10分 (シェルジャパン製「カリフレックスKX401S」)] HDPE:高密度ポリエチレン[MI(190℃、荷重2.16kg)=40g/10分(三井 石油化学社製「高密度ポリエチレン7000F」)] ESBA:エチレンビスステアリン酸アミド
【0056】《参考例 1》[ポリエステルジオールA
の製造] MPDの142kgおよびADの146kgを反応器に
仕込み、常圧下に窒素ガスを系内に通じながら、約22
0℃の温度で、生成する水を系外に留去しながらエステ
ル化反応を行った。ポリエステルの酸価が30以下にな
った時点でテトライソプロピルチタネートを3641m
g加えて、200mmHg〜100mmHgに減圧しな
がら重縮合反応を続けた。酸価が1.0になった時点で
真空ポンプにより徐々に真空度を上げて反応を完結させ
た。その結果、数平均分子量が2000のポリエステル
ジオールを242kg得た。得られたポリエステルジオ
ールを100℃に加熱して3重量%の水を加え、同温度
で2時間撹拌することにより、チタン触媒を失活させた
後、減圧下に水を留去した。この処理によりチタン触媒
を失活させたポリエステルジオール(以下これを「ポリ
エステルジオールA」という)を得た。
【0057】《参考例 2》[ポリエステルジオールB
の製造] NDの96kg、MODの96kg(ND:MOD=5
0:50のモル比)およびADの146kgを反応器に
仕込み、参考例1と同様にしてエステル化反応および重
縮合反応を行い、数平均分子量2000のポリエステル
ジオールを293kg得た。得られたポリエステルジオ
ールを100℃に加熱して3重量%の水を加え、同温度
で2時間撹拌することにより、チタン触媒を失活させた
後、減圧下に水を留去した。この処理によりチタン触媒
を失活させたポリエステルジオール(以下これを「ポリ
エステルジオールB」という)を得た。
【0058】《参考例 3》[ポリエステルジオールC
の製造] MPDの71kg、NDの48kg、MODの48kg
(MPD:ND:MOD=50:25:25のモル比)
およびADの146kgを反応器に仕込み、参考例1と
同様にしてエステル化反応および重縮合反応を行い、数
平均分子量2000のポリエステルジオールを268k
g得た。得られたポリエステルジオールを100℃に加
熱して3重量%の水を加え、同温度で2時間撹拌するこ
とにより、チタン触媒を失活させた後、減圧下に水を留
去した。この処理によりチタン触媒を失活させたポリエ
ステルジオール(以下これを「ポリエステルジオール
C」という)を得た。
【0059】《参考例 4》[ポリエステルジオールD
の製造] BDの108kgおよびADの146kgを反応器に仕
込み、参考例1と同様にしてエステル化反応および重縮
合反応を行い、数平均分子量2000のポリエステルジ
オールを209kg得た。得られたポリエステルジオー
ルを100℃に加熱して3重量%の水を加え、同温度で
2時間撹拌することにより、チタン触媒を失活させた
後、減圧下に水を留去した。この処理によりチタン触媒
を失活させたポリエステルジオール(以下これを「ポリ
エステルジオールD」という)を得た。
【0060】《参考例 5》[TPU(ポリエステル
ジオールA/MDI/BD)の製造] 参考例1で得られたポリエステルジオールA、MDIお
よびBDを、ポリエステルジオールA:MID:BDの
モル比が1:2.61:1.59となる割合で、これら
の総量が300g/分になる供給速度で、定量ポンプに
より同軸方向に回転する2軸スクリュー型押出機(φ3
0mm、L/D=36、シリンダー温度はブロックごと
に約200〜250℃の範囲で設定)に連続的に仕込
み、連続溶融重合反応を行った。生成したTPUの溶融
物をストランド状で水中へ連続的に押し出し、次いでペ
レタイザーで切断してペレットを製造した。このペレッ
トを80℃で20間除湿乾燥し、その硬度(JIS A
硬度)を測定したところ70であった(以下このポリウ
レタンを「TPU」という)。
【0061】《参考例 6》[TPU(ポリエステル
ジオールB/MDI/BD)の製造] 参考例2で得られたポリエステルジオールB、MDIお
よびBDを、ポリエステルジオールB:MID:BDの
モル比が1:2.21:1.20となる割合で使用した
以外は、参考例5と同様にして連続溶融重合反応、ペレ
ット化および除湿乾燥を行うことによって、硬度(JI
S A硬度)が70のTPUを得た(以下このポリウレ
タンを「TPU」という)。
【0062】《参考例 7》[TPU(ポリエステル
ジオールC/MDI/BD)の製造] 参考例3で得られたポリエステルジオールC、MDIお
よびBDを、ポリエステルジオールC:MID:BDの
モル比が1:2.42:1.40となる割合で使用した
以外は、参考例5と同様にして連続溶融重合反応、ペレ
ット化および除湿乾燥を行うことによって、硬度(JI
S A硬度)が70のTPUを得た(以下このポリウレ
タンを「TPU」という)。
【0063】《参考例 8》[TPU(ポリエステル
ジオールD/MDI/BD)の製造] 参考例4で得られたポリエステルジオールD、MDIお
よびBDを、ポリエステルジオールD:MID:BDの
モル比が1:1.91:0.90となる割合で使用した
以外は、参考例5と同様にして連続溶融重合反応、ペレ
ット化および除湿乾燥を行うことによって、硬度(JI
S A硬度)が70のTPUを得た(以下このポリウレ
タンを「TPU」という)。
【0064】《実施例 1》参考例5で得られたTPU
の75重量部、TPOの10重量部およびSISの1
5重量部を、押出成形機(φ25mm、シリンダー温度
およびダイス温度205℃)に供給して溶融混練して押
出成形機のTダイより押し出し、温度30℃の冷却ロー
ル上で冷却した後巻き取って、厚さ50μmのフイルム
を製造した。その際のフイルム間の耐ブロッキング性を
上記したように評価したところ、僅かな引張力で巻き戻
しが可能であり、評価結果は○であった。得られた厚さ
50μmのフイルムを25℃で7日間放置後、フイルム
中に含まれるTPUの対数粘度、フイルムの弾性回復率
および柔軟性を上記した方法で測定または評価したとこ
ろ、下記の表4に示すとおりの結果であった。
【0065】《実施例 2》参考例6で得られたTPU
の75重量部、TPOの10重量部およびSISの1
5重量部を、実施例1と同様に混練し、押し出し、冷却
して、厚さ50μmのフイルムを製造した。その際のフ
イルム間の耐ブロッキング性を上記したように評価した
ところ、僅かな引張力で巻き戻しが可能であり、評価結
果は○であった。得られた厚さ50μmのフイルムを2
5℃で7日間放置後、フイルム中に含まれるTPUの対
数粘度、フイルムの弾性回復率および柔軟性を上記した
方法で測定または評価したところ、下記の表4に示すと
おりの結果であった。
【0066】《実施例 3》参考例7で得られたTPU
の75重量部、TPOの10重量部およびSISの1
5重量部を、実施例1と同様に混練し、押し出し、冷却
して、厚さ50μmのフイルムを製造した。その際のフ
イルム間の耐ブロッキング性を上記したように評価した
ところ、僅かな引張力で巻き戻しが可能であり、評価結
果は○であった。得られた厚さ50μmのフイルムを2
5℃で7日間放置後、フイルム中に含まれるTPUの対
数粘度、フイルムの弾性回復率および柔軟性を上記した
方法で測定または評価したところ、下記の表4に示すと
おりの結果であった。
【0067】《実施例 4》参考例5で得られたTPU
の75重量部、TPOの10重量部、SISの15重
量部、HDPEの5重量部およびESBAの1.5重量
%を、実施例1と同様に混練し、押し出し、冷却して、
厚さ50μmのフイルムを製造した。その際のフイルム
間の耐ブロッキング性を上記したように評価したとこ
ろ、極めて容易に巻き戻しが可能であり、評価結果は◎
であった。得られた厚さ50μmのフイルムを25℃で
7日間放置後、フイルム中に含まれるTPUの対数粘
度、フイルムの弾性回復率および柔軟性を上記した方法
で測定または評価したところ、下記の表4に示すとおり
の結果であった。
【0068】《比較例 1》参考例8で得られたTPU
の75重量部、TPOの10重量部およびSISの1
5重量部を、実施例1と同様に混練し、押し出し、冷却
して、厚さ50μmのフイルムを製造した。その際のフ
イルム間の耐ブロッキング性を上記したように評価した
ところ、僅かな引張力で巻き戻しが可能であり、評価結
果は○であった。得られた厚さ50μmのフイルムを2
5℃で7日間放置後、フイルム中に含まれるTPUの対
数粘度、フイルムの弾性回復率および柔軟性を上記した
方法で測定または評価したところ、下記の表4に示すと
おりの結果であった。
【0069】《比較例 2》参考例5で得られたTPU
の30重量部、TPOの30重量部およびSISの4
0重量部を、実施例1と同様に混練し、押し出し、冷却
して、厚さ50μmのフイルムを製造した。その際のフ
イルム間の耐ブロッキング性を上記したように評価した
ところ、巻き戻すことができず、評価結果は×であっ
た。また、製膜時に離型紙を用いて同様にして得られた
厚さ50μmのフイルムを25℃で7日間放置後、フイ
ルム中に含まれるTPUの対数粘度、フイルムの弾性回
復率および柔軟性を上記した方法で測定または評価した
ところ、下記の表4に示すとおりの結果であった。
【0070】
【表4】
【0071】上記表4の結果から、本発明における上記
した(i)〜(iv)の要件のすべてを満たす実施例1〜4
の重合体組成物を用いた場合には、粘着性が小さくフイ
ルム間にブロッキングが生じず、巻き戻しが容易なフイ
ルムを離型紙などを使用することなく巻き取りながら製
膜でき、しかも得られたフイルムは高い弾性回復率を有
していて、柔軟性にも優れていることがわかる。
【0072】それに対して、ジオール成分としてMPD
(3−メチル−1,5−ペンタンジオール)およびMO
D(2−メチル−1,8−オクタンジオール)のいずれ
も使用せずにBD(1,4−ブタンジオール)のみを使
用し、このBDをAD(アジピン酸)と反応させて得ら
れたポリエステルジオールDをMDIおよびBD(鎖伸
長剤)と反応させて得たTPUを含有している比較例
1の重合体組成物の場合には、弾性回復率が低く、しか
も柔軟性に欠けたフイルムしか得られないことがわか
る。また、TPU、TPOおよびSISの含有割合が本
発明の範囲から外れている比較例2の重合体組成物の場
合は、製膜時にフイルム間のブロッキングが大きくてフ
イルムの巻き戻しが不可能であり、しかもフイルムの弾
性回復性および柔軟性のいずれもが劣っていることがわ
かる。
【0073】
【発明の効果】熱可塑性ポリウレタン(A)、オレフィン
系エラストマー(B)およびブロック共重合体(C)を含有
する本発明の重合体組成物は、熱可塑性ポリウレタンが
本来有している優れた特性を有しており、しかも非粘着
性、耐ブロッキング性および離型性に優れていて、フイ
ルム、シート、モールド成形品などの成形品、積層体な
どを製造した場合には、離型紙や離型剤を使用しなくて
も、巻き取り、巻き戻し、金型からの離脱を円滑に且つ
容易に行うことができる。しかも、本発明の重合体組成
物から得られるフイルム、シート、モールド成形品、積
層体などは、弾性回復性、柔軟性および強伸度などの特
性に優れていて、特にフイルムまたはシートは伸縮性フ
イルムまたはシートとして有用である。更に、熱可塑性
ポリウレタン(A)、オレフィン系エラストマー(B)およ
びブロック共重合体(C)と共に、ポリオレフィン樹脂お
よび高級脂肪酸ビスアミドの少なくとも一方を特定の量
で含有する本発明の重合体組成物は、その非粘着性、耐
ブロッキング性、離型性が一層優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例または比較例で製造されたフイルムの伸
度−応力曲線を表した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/20 C08L 23/00 LCN LCQ 53/02 LLW LLY LLZ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i) 熱可塑性ポリウレタン(A)、オレ
    フィン系エラストマー(B)および芳香族ビニル化合物−
    共役ジエンブロック共重合体(C)を含有する重合体組成
    物であって; (ii) (A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリ
    ウレタン(A)を50〜90重量%、オレフィン系エラス
    トマー(B)を5〜15重量%および芳香族ビニル化合物
    −共役ジエンブロック共重合体(C)を5〜35重量%の
    割合で含有し;そして、(iii) 熱可塑性ポリウレタン
    (A)が、ポリエステルジオール、有機ジイソシアネート
    および鎖伸長剤の反応により得られた熱可塑性ポリウレ
    タンであり;且つ(iv) 熱可塑性ポリウレタン(A)の製
    造に用いた前記ポリエステルジオールが、ジカルボン酸
    またはそのエステル形成性誘導体と、3−メチル−1,
    5−ペンタンジオールおよび2−メチル−1,8−オク
    タンジオールの少なくとも一方を30モル%以上含有す
    るジオール成分とを反応させて得られたポリエステルジ
    オールである;ことを特徴とする熱可塑性重合体組成
    物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリウレタン(A)として、硬度
    (JIS A硬度)が85以下で且つ対数粘度(ηin
    h)が0.85dl/g以上の熱可塑性ポリウレタンを
    用いる請求項1の熱可塑性重合体組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリウレタン(A)、オレフィン
    系エラストマー(B)および芳香族ビニル化合物−共役ジ
    エンブロック共重合体(C)の合計重量に基づいて、更に
    ポリオレフィン樹脂(D)を3〜10重量%の割合で含有
    する請求項1または2の熱可塑性重合体組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリウレタン(A)、オレフィン
    系エラストマー(B)および芳香族ビニル化合物−共役ジ
    エンブロック共重合体(C)の合計重量に基づいて、更に
    高級脂肪酸ビスアミド(E)を0.3〜4重量%の割合で
    含有する請求項1〜3のいずれか1項の熱可塑性重合体
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項の熱可塑性
    重合体組成物からなる成形品。
  6. 【請求項6】 成形品がフイルムまたはシートである請
    求項5の成形品。
  7. 【請求項7】 成形品がモールド成形品である請求項5
    の成形品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項の熱可塑性
    重合体組成物を表面層として有するフイルム状またはシ
    ート状積層体。
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