JP2986690B2 - 熱可塑性ポリウレタン組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリウレタン組
成物、該熱可塑性ポリウレタン組成物からなるフイル
ム、シート、その他の成形品、該熱可塑性ポリウレタン
組成物を表面層として有するフイルム状またはシート状
積層体に関する。詳細には、本発明は、非粘着性で、耐
ブロッキング性、離型性に優れていて、フイルムまたは
シート、フイルム状またはシート状積層体などを製造す
る際に、離型紙を用いなくても円滑に巻き取ることがで
き、且つ巻き取ったそれらの製品はブロッキングを生ず
ることなく円滑に巻き戻すことができ、更に金型などを
用いてモールド成形を行った場合に型からの成形品の取
り出しが円滑に行われ得る熱可塑性ポリウレタン組成
物、該組成物からなるフイルム、シート、モールド成形
品などの成形品、該組成物を表面層として有するフイル
ム状またはシート状積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンは、高い弾性を有
していて強度が大きく、耐摩耗性、耐薬品性、耐油性、
耐屈曲性などの諸特性にも優れており、しかも通常の熱
可塑性樹脂の成形加工法が適用できることから、従来か
ら種々の分野で広く用いられている。しかしながら、熱
可塑性ポリウレタンは粘着性が強くてブロッキングを起
こし易いことから、押出成形などによってフイルムやシ
ートを製造した場合に単独で巻き取ることが困難であ
り、単独で巻き取った場合には巻き取ったフイルムやシ
ートの巻き戻しが困難であったり不可能になって、使用
できなくなるというのが現状である。また、熱可塑性ポ
リウレタンを金型に導入して成形品を製造する場合も、
その粘着性により成形品が金型壁面に粘着して金型から
の取り出しが容易に行われないという欠点がある。この
ため、非粘着化、ブロッキング防止、離型性の付与など
の目的で、(i)熱可塑性ポリウレタン中に滑剤を添加す
る方法、(ii)熱可塑性ポリウレタンに他のポリマーをブ
レンドする方法、(iii)熱可塑性ポリウレタンのフイル
ムまたはシートをシリコーンを含む離型紙またはポリエ
チレンやポリプロピレンをラミネートした離型紙の上に
製膜して離型紙と一緒に巻き取る方法、(iv)成形に当
たって金型内面に離型剤を塗る方法などが従来から行わ
れている。
【0003】しかしながら、上記(i)の方法による場
合は、ブロッキング防止効果や離型効果を発現させるた
めに多量の滑剤の配合が必要であり、その結果製品の表
面に滑剤がブリードアウトして表面に多数の凹凸が生じ
て平滑性が失われるという欠点がある。また、これまで
知られている上記(ii)の方法による場合は、極めて多
量のポリマーをブレンドする必要があるため、熱可塑性
ポリウレタン本来の特性が失われ易く、しかもフイルム
やシートなどの成形品の表面荒れが生じて外観が不良に
なるという欠点がある。更に、上記(iii)および(iv)
の方法による場合は、離型紙や離型剤を別途準備して成
形を行うことが必要であり、そのため成形に手間がかか
り、しかも高価な離型紙や離型剤などを使用するのでコ
ストが高くなるという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱可
塑性ポリウレタンが本来有している優れた特性を損なう
ことがなくそのまま保持していて、しかも多量の滑剤、
高価な離型紙、離型剤を使用しなくても粘着やブロッキ
ングを効果的に防止して、物性や外観的に優れる熱可塑
性ポリウレタンのフイルム、シート、その他の成形品、
積層体などを円滑に製造することのできる熱可塑性ポリ
ウレタン組成物を提供することである。そして、本発明
の目的は、上記した熱可塑性ポリウレタン組成物からな
るフイルム、シート、モールド成形品などの成形品、お
よび熱可塑性ポリウレタン組成物の表面層を有するフイ
ルム状またはシート状の積層体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、熱可塑性ポリウレタン
に対して、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラ
ストマーおよびポリオレフィン樹脂を特定の割合でブレ
ンドすると、熱可塑性ポリウレタン本来の優れた特性を
有していて、しかも非粘着性、耐ブロッキング性および
離型性に優れる熱可塑性ポリウレタン組成物が得られる
こと、この熱可塑性ポリウレタン組成物を用いてフイル
ム、シート、モールド成形品などの成形品、積層体など
を製造した場合には、離型紙や離型剤を使用しなくて
も、巻き取り、巻き戻し、金型からの離脱が円滑に且つ
容易に行われ、物性および外観などにも優れる製品が製
造できることを見出した。更に、本発明者らは、上記し
た熱可塑性ポリウレタン組成物に対して、更に特定量の
高級脂肪酸ビスアミドを滑剤として添加すると、その非
粘着性、耐ブロッキング性、離型性が一層向上すること
を見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】 すなわち、本発明は、熱可塑性ポリウレ
タン(A)、スチレン系エラストマー(B)、オレフィン
系エラストマー(C)、ポリオレフィン樹脂(D)およ
び高級脂肪酸ビスアミド(E)を含有し、前記した
(A)〜(D)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウ
レタン(A)を40〜90重量%、スチレン系エラスト
マー(B)を5〜35重量%、オレフィン系エラストマ
ー(C)を5〜25重量%、ポリオレフィン樹脂(D)
を5〜15重量%および高級脂肪酸ビスアミド(E)を
0.3〜4重量%の割合で含有することを特徴とする熱
可塑性ポリウレタン組成物である。
【0007】更に、本発明は、上記の熱可塑性ポリウレ
タン組成物からなる、フイルム、シート、モールド成形
品などの成形品、並びに上記の熱可塑性ポリウレタン組
成物を表面層として有するフイルム状またはシート状積
層体を包含する。
【0008】本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物(以
下単に「ポリウレタン組成物」という)で用いる熱可塑
性ポリウレタン(A)は、高分子ジオール、有機ジイソ
シアネートおよび鎖伸長剤の反応により得られる熱可塑
性ポリウレタンである。熱可塑性ポリウレタンを構成す
る高分子ジオールの例としては、ポリエステルジオー
ル、ポリエーテルジオール、ポリエステルエーテルジオ
ール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルポリカ
ーボネートジオールなどを挙げることができ、これらは
単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよい。
【0009】その場合のポリエステルジオールとして
は、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはそ
れらのエステル形成性誘導体と低分子ジオールとの反応
により得られるポリエステルジオール、ラクトンの開環
重合により得られるポリエステルジオールのいずれもが
使用できる。より具体的には、上記したポリエステルジ
オールとして、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カン二酸などの炭素数が6〜10の脂肪族ジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸など
の芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘
導体の1種または2種以上と、炭素数が2〜10の脂肪
族ジオール(例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、
2−メチル−1,8−オクタンジオールなど)の1種ま
たは2種以上とを重縮合反応させて得られるポリエステ
ルジオール、更にはポリカプロラクトンジオール、ポリ
バレロラクトンジオールなどを挙げることができる。
【0010】また、ポリエーテルジオールとしては、例
えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどを用い
ることができる。更に、上記したポリカーボネートジオ
ールの例としては、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8
−オクタンジオールなどの脂肪族ジオールの1種または
2種と、炭酸ジフェニル、炭酸アルキルなどの炭酸エス
テルまたはホスゲンとの反応により得られるポリカーボ
ネートジオールを挙げることができる。
【0011】 更に、熱可塑性ポリウレタン(A)を構
成する上記した高分子ジオールは、数平均分子量が10
00〜6000であるのがポリウレタン組成物の力学的
特性、耐熱性、耐寒性、弾性回復性などが良好になり好
ましい。ここで、本明細書でいう高分子ジオールの数平
均分子量は、JIS K−1557に準拠して測定した
水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0012】また、熱可塑性ポリウレタン(A)の製造
に用いられる有機ジイソシアネートの種類は特に制限さ
れず、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来用いら
れている有機ジイソシアネートのいずれもが使用でき、
分子量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジ
イソシアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種
または2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシア
ネートの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、トルエンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、
水素化4,4’−ジフェニメタンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネートなどを挙げることができ、そ
のうちでも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トが好ましい。
【0013】また、熱可塑性ポリウレタン(A)の製造
に用いられる鎖伸長剤としては、通常の熱可塑性ポリウ
レタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のいず
れもが使用でき、その種類は特に制限されない。そのう
ちでも、脂肪族ジオール、脂環式ジオールおよび芳香族
ジオールのうちの1種または2種以上を鎖伸長剤として
用いるのが好ましく、具体例としては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、シクロヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,4
−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどのジオ
ール類を挙げることができる。上記したうちでも、鎖伸
長剤として炭素数2〜6の脂肪族ジオールを用いるのが
好ましく、1,4−ブタンジオールがより好ましい。
【0014】本発明のポリウレタン組成物で用いる熱可
塑性ポリウレタン(A)は、上記した高分子ジオール:
鎖伸長剤=1:0.2〜8.0になるように、且つ[高
分子ジオールと鎖伸長剤の合計モル数]:[有機ジイソ
シアネートのモル数]=1:0.98〜1:1.10の
範囲になるようにして、高分子ジオール、有機ジイソシ
アネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られたポリウレ
タンであるのが好ましい。そのような熱可塑性ポリウレ
タン(A)を使用すると、本発明のポリウレタン組成物
を用いて押出成形などの成形を行う場合に、溶融粘度の
急激な上昇がなくなり、成形性よく成形品を製造するこ
とができ、しかも得られる成形品の耐熱性が良好なもの
となる。
【0015】また、熱可塑性ポリウレタン(A)は、そ
の硬度(JIS A硬度)が55〜85であるのが好ま
しい。熱可塑性ポリウレタン(A)の硬度が55未満で
あると、ポリウレタン組成物から得られる成形品の力学
的特性が低下し易くなり、一方85を超えるとポリウレ
タン組成物から得られる成形品の柔軟性が低下し易くな
る。
【0016】本発明で使用する熱可塑性ポリウレタン
(A)の製造方法は特に制限されず、上記した高分子ジ
オール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を使用し
て、公知のウレタン化反応技術を利用して、プレポリマ
ー法およびワンショット法のいずれで製造してもよい。
そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合する
ことが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いる
連続溶融重合が好ましい。
【0017】 そして、本発明のポリウレタン組成物で
用いるスチレン系エラストマー(B)としては、本出願
前既知のスチレン系エラストマーのいずれもが使用でき
る。スチレン系エラストマー(B)の好ましい例として
は、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのブロック共重
合体からなるスチレン系エラストマーおよび/または
非芳香核二重結合を部分的にまたは完全に水素添加し
たものが好ましく用いられる。その場合のブロック共重
合体の分子構造は直鎖状、分岐状または放射状のいずれ
の構造であってもよい。また、前記ブロック共重合体は
ビニル芳香族化合物単位を5〜50重量%で含有し且つ
直鎖状の構造を有しているのが好ましく、ブロック共重
合体中におけるビニル芳香族化合物の分布状態はランダ
ム、テーパー、一部ブロック状、またはそれらの混在型
のいずれであってもよい。ビニル芳香族化合物と共役ジ
エンとのブロック共重合体からなるスチレン系エラスト
マー(B)におけるビニル芳香族化合物の好ましい例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンゼン核が
アルキルおよび/またはハロゲンで置換されたスチレン
などを挙げることができ、特にスチレンであるのが好ま
しい。また、共役ジエンの例としては、1,3−ブタジ
エン、2−メチル−1,3−ブタジエン(別称;イソプ
レン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタ
ジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどを挙げる
ことができ、1,3−ブタジエンおよび/または2−メ
チル−1,3−ブタジエンが好ましい。
【0018】また、本発明のポリウレタン組成物で用い
るスチレン系エラストマー(B)は、そのメルトフロー
レート(MI;190℃、2.16kg荷重)が1〜1
5g/分であり、硬度(JIS A硬度)が30〜80
であるのが、弾性回復性および柔軟性の点から好まし
い。
【0019】本発明のポリウレタン組成物で用いるオレ
フィン系エラストマー(C)としては、本出願前既知の
オレフィン系エラストマーのいずれもが使用でき、例え
ば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM);エ
チレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPD
M);ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンの硬
質セグメントとEPMおよび/またはEPDMの軟質セ
グメントからなるオレフィン系エラストマー;ポリエチ
レンの硬質セグメントとエチレン−酢酸ビニル共重合体
および/またはエチレン−エチルアクリレート共重合体
の軟質セグメントからなるエラストマー;ブチルゴム;
架橋点が金属イオン結合であり軟質セグメントが非結晶
性のポリエチレンであるエラストマーなどを挙げること
ができる。
【0020】そのうちでも、オレフィン系エラストマー
(C)としては、EPDM、或いはポリエチレンおよび
/またはポリプロピレンの硬質セグメントとEPMおよ
び/またはEPDMの軟質セグメントからなるオレフィ
ン系エラストマーが好ましい。ポリエチレンおよび/ま
たはポリプロピレンの硬質セグメントとEPMおよび/
またはEPDMの軟質セグメントからなる前記したオレ
フィン系エラストマーでは、硬質セグメントと軟質セグ
メントとはブロック共重合体の形態で結合していても、
またはブレンド形態になっていてもよい。硬質セグメン
トと軟質セグメントがブレンド形態である場合は、両方
のセグメントが単に混合している単純ブレンド型、パー
オキサイドなどの架橋剤によって部分的に架橋されてい
る部分架橋型、またはパーオキサイドなどの架橋剤によ
り完全に架橋されている完全架橋型のいずれであっても
よい。そして、EPDMからなるオレフィン系エラスト
マーまたはEPDMを軟質セグメントとする上記したオ
レフィン系エラストマーにおいては、EPDMを構成す
るジエン化合物としてはエチリデンノルボルネン、1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどの1種ま
たは2種以上が好ましく用いられる。
【0021】また、本発明のポリウレタン組成物で用い
るオレフィン系エラストマー(C)は、そのメルトフロ
ーレート(MI;230℃、10kg荷重)が10〜6
0g/分であり、硬度(JIS A硬度)が50〜80
であるのが耐ブロッキング性、柔軟性の点から好まし
い。
【0022】更に、本発明のポリウレタン組成物で用い
るポリオレフィン樹脂(D)としては、低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどが好ま
しく用いられ、それらのうちでも高密度ポリエチレンが
より好ましい。本発明のポリウレタン組成物で用いるポ
リオレフィン樹脂(D)は、そのメルトフローレート
(MI;190℃、2.16kg荷重)が0.02〜1
5g/分であり、硬度(JIS A硬度)が40〜85
であるのが耐ブロッキング性、柔軟性の点から好まし
い。
【0023】そして、本発明のポリウレタン組成物で
は、熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレン系エラスト
マー(B)、オレフィン系エラストマー(C)およびポ
リオレフィン樹脂(D)の合計重量に基づいて、熱可塑
性ポリウレタン(A)を40〜90重量%、スチレン系
エラストマー(B)を5〜35重量%、オレフィン系エ
ラストマー(C)を5〜25重量%およびポリオレフィ
ン樹脂(D)を5〜15重量%の割合で含有しているこ
とが必要であり、熱可塑性ポリウレタン(A)を60〜
90重量%、スチレン系エラストマー(B)を5〜25
重量%、オレフィン系エラストマー(C)を5〜15重
量%およびポリオレフィン樹脂(D)を5〜10重量%
の割合で含有しているのが好ましい。
【0024】本発明のポリウレタン組成物において、熱
可塑性ポリウレタン(A)の含有量が40重量%未満で
あると、ポリウレタン組成物が熱可塑性ポリウレタン本
来の優れた諸特性(特に耐摩耗性、強度、柔軟性など)
を示さなくなり、一方90重量%を超えるとポリウレタ
ン組成物に粘着性、ブロッキング性が発現して、フイル
ムやシートなどの巻き取り、巻き戻しなどが困難にな
り、成形品の金型などからの離型が困難になる。また、
スチレン系エラストマー(B)の含有量が5重量%未満
の場合および35重量%を超える場合は、いずれもポリ
ウレタン組成物に粘着性、ブロッキング性が発生して、
フイルムやシートなどの巻き取り、巻き戻しなどが困難
になったり、成形品の金型などからの離型が困難になっ
たり、表面に荒れが生じたり、力学的特性の低下などを
生ずる。
【0025】更に、ポリウレタン組成物中におけるオレ
フィン系エラストマー(C)の含有量が5重量%未満で
あるとポリウレタン組成物に粘着性、ブロッキング性が
発生してフイルムやシートなどの巻き取り、巻き戻し、
成形品の金型などからの離型が困難になり、一方25重
量%を超えるとフイルムなどの成形品表面に荒れが生じ
たり、成形品に柔軟性が失われ、物性(特に強度)の低
下が生ずる。また、ポリウレタン組成物中におけるポリ
オレフィン樹脂(D)の含有量が5重量%未満であると
粘着性、ブロッキング性が発生して、フイルムやシート
などの巻き取り、巻き戻し、成形品の金型からの離型な
どが困難になり、一方15重量%を超えるとフイルムな
どの成形品表面に荒れが生じ、成形品の引張破断強度や
引張破断伸度などの力学的特性が低下する。
【0026】 また、本発明のポリウレタン組成物は、
上記した熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレン系エラ
ストマー(B)、オレフィン系エラストマー(C)およ
びポリオレフィン樹脂(D)の合計重量に基づいて、更
に高級脂肪酸ビスアミド(E)を0.3〜4重量%の割
合で含有しており、高級脂肪酸ビスアミド(E)を1〜
3重量%の割合で含有するのが好ましい。高級脂肪酸ビ
スアミド(E)を前記の割合で含有することによって、
ポリウレタン組成物の非粘着性、耐ブロッキング性、離
型性が一層向上する。高級脂肪酸ビスアミド(E)の含
有量が4重量%を超えると耐ブロッキング性や離型性は
良好になるが高級脂肪酸ビスアミドがフイルム、シー
ト、その他の成形品の表面にブリードアウトし表面状態
が悪化する。
【0027】そして、本発明のポリウレタン組成物で用
いられる高級脂肪酸ビスアミド(E)としては、炭素数
14〜35の飽和高級脂肪酸と炭素数1〜10の脂肪族
ジアミンとの反応により得られる高級脂肪酸ビスアミド
が好ましい。その場合の飽和高級脂肪酸の例としては、
ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタ
デシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、
ベヘン酸、リグノセリン酸、セチン酸、セロチン酸、ヘ
プタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などを挙げるこ
とができ、また脂肪族ジアミンの例としては、メチレン
ジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、
テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、
1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、
1,10−ジアミノデカンなどを挙げることができる。
上記した飽和高級脂肪酸と脂肪族ジアミンとの反応によ
り得られる高級脂肪酸ビスアミドのうちでも、メチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸ア
ミド、テトラメチレンビスステラリン酸アミド、ヘキサ
メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスモンタ
ン酸アミド、テトラメチレンビスモンタン酸アミド、ヘ
キサメチレンビスモンタン酸アミドが好ましく、メチレ
ンビスステアリン酸アミドおよび/またはエチレンビス
ステアリン酸アミドがより好ましく用いられる。
【0028】本発明のポリウレタン組成物は、上記した
成分の他に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、
顔料、充填剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤、防黴剤な
どのの添加剤の1種または2種以上を本発明の効果を損
なわない範囲の量で含有していてもよい。
【0029】 本発明のポリウレタン組成物の製造方法
は特に制限されず、熱可塑性ポリウレタンや熱可塑性重
合体組成物を製造する際に従来から使用されている方法
のいずれもが採用できる。例えば、熱可塑性ポリウレタ
ン(A)、スチレン系エラストマー(B)、オレフィン
系エラストマー(C)、ポリオレフィン樹脂(D)、高
級脂肪酸ビスアミド(E)および必要に応じて他の添加
剤をポリマーの混合に通常用いられる縦型または水平型
の混合機を用いて上記した所定の割合で予備混合した
後、1軸押出機、2軸押出機、ミキシングロール、バン
バリーミキサーなどを用いて回分式または連続式で加熱
下に混練することにより製造される。押出機を用いて加
熱混練する場合は、溶融混練した後ストランド状に押出
してから適当な長さに切断してペレットなどの粒状物に
して本発明のポリウレタン組成物を製造してもよい。ま
た、前記の方法以外にも、熱可塑性ポリウレタン(A)
の重合時にスチレン系エラストマー(B)、オレフィン
系エラストマー(C)、ポリオレフィン樹脂(D)、高
級脂肪酸ビスアミド(E)および必要に応じて他の添加
剤を添加して、そこで得られたポリウレタン組成物をス
トランド状に押出してから適当な長さに切断してペレッ
トなどの粒状物にする方法によって本発明のポリウレタ
ン組成物を製造してもよい。また、ポリウレタン組成物
のペレットを製造せずに、熱可塑性ポリウレタン
(A)、スチレン系エラストマー(B)、オレフィン系
エラストマー(C)、ポリオレフィン樹脂(D)、高級
脂肪酸ビスアミド(E)および必要に応じて他の添加剤
を予めドライブレンドした後、そのブレンド物を直接押
出成形機などの成形機に供給して溶融混練して押出成形
などを行って成形品を直接そのまま製造してもよい。
【0030】本発明のポリウレタン組成物は熱可塑性で
あり、熱溶融成形、加熱加工が可能であり、押出成形、
射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、注型などの任
意の成形方法によって種々の成形品を円滑に製造するこ
とができる。特に、Tダイ型押出成形機やインフレーシ
ョン押出成形機などを使用して本発明のポリウレタン組
成物からフイルムやシートなどを製造する場合は、ポリ
ウレタン組成物は非粘着性、耐ブロッキング性、離型性
であって、押し出されたフイルムやシート間にブロッキ
ングが生じないので、離型紙などを使用することなく、
そのまま直接押し出して巻き取ることができ、巻き取っ
たフイルムまたはシートは容易に巻き戻しが可能であ
る。また射出成形やその他のモールド成形によって成形
品を製造する場合も、本発明のポリウレタン組成物は非
粘着性で離型性に優れているので、金型内面に離型剤な
どを施さなくでも成形品を容易に型抜きすることがで
き、たとえ離型剤を用いる場合であっても従来の熱可塑
性ポリウレタンのモールド成形に比べて離型剤の使用量
や金型内面への塗布回数などを減らすことができる。
【0031】更に、本発明のポリウレタン組成物は、不
織布やその他の繊維布帛からなる基材、他の重合体フイ
ルムやシートなどからなる基材との積層体の製造にも適
しており、例えば本発明のポリウレタン組成物を繊維布
帛やその他の基材上にフイルム状またはシート状に溶融
押し出しして積層体を製造する場合にも、ポリウレタン
組成物からなる表面層が非粘着性、離型性に優れ、ブロ
ッキングを生じないので、そのようなフイルム状または
シート状の積層体を円滑に巻き取ることができ、また巻
き取った積層体を容易に巻き戻すことができる。繊維布
帛上に本発明のポリウレタン組成物を積層した積層体
は、合成皮革などの用途に有効に使用することができ
る。
【0032】本発明のポリウレタン組成物を用いて得ら
れるフイルム、シート、モールド成形品等の成形品や上
記した積層体は、引張破断強度や引張破断伸度などで代
表される力学的特性に優れていて、しかも平滑な表面を
有していて表面状態も良好であるので、生理用、紙おむ
つ用、目止め用、防塵用などに用いられる伸縮性フイル
ム用途、一般用コンベアベルト、各種キーボードシー
ト、ラミネート品、各種容器などのシート用途、運動シ
ューズ、スキー用シューズなどの靴底用途などの種々の
用途に有効に使用することができる。
【0033】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
では、熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレン系エラス
トマー(B)、オレフィン系エラストマー(C)、ポリ
オレフィン樹脂(D)および(E)高級脂肪酸ビスアミ
ドとして、次に示すものを使用した。
【0034】《熱可塑性ポリウレタン(A)》 ○PU−1(略号):ポリエステル系熱可塑性ポリウレ
タン[(株)クラレ製「クラミロンU 2175」;硬度
(JIS A硬度)75](数平均分子量2000のポ
リブチレンアジペートジオール、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネートおよび1,4−ブタンジオール
を1.0:2.3:1.3のモル比で反応させて得られ
た熱可塑性ポリウレタン) ○PU−2(略号):ポリエーテル系熱可塑性ポリウレ
タン[(株)クラレ製「クラミロンU 9185」;硬
度(JIS A硬度)85](数平均分子量1000の
ポリテトラメチレンエーテルグリコール、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネートおよび1,4−ブタン
ジオールを1.0:2.2:1.2のモル比で反応させ
て得られた熱可塑性ポリウレタン) ○PU−3(略号):ポリエステル系熱可塑性ポリウレ
タン[下記の実施例5で記載するように、数平均分子量
が2000のポリカプロラクトンジオール、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネートおよび1,4−ブタ
ンジオールを1:2.5:1.5のモル比で反応させて
得られた熱可塑性ポリウレタン(硬度(JIS A硬度
75)]
【0035】《スチレン系エラストマー(B)》 ○SIS(略号):スチレン−ブタジエンブロック共重
合体エラストマー[日本合成ゴム社製「JSR−SIS
5000」、スチレン含有量15重量%、MI=2g/
10分(190℃、2.16kg荷重)、硬度(JIS
A硬度)38] 《オレフィン系エラストマー(C)》 ○TPO(略号):EPDMとポリプロピレンからなる
部分架橋したオレフィン系エラストマー[三井石油化学
社製「ミラストマー7030N」、MI=40g/10
分(230℃、10kg荷重)、硬度(JIS A硬
度)65] 《ポリオレフィン樹脂(D)》 ○HDPE(略号):高密度ポリエチレン[三井石油化
学社製「高密度ポリエチレン 7000F」、MI=
0.05g/10分(190℃、2.16kg荷重)、
硬度(JIS A硬度) ] 《高級脂肪酸ビスアミド(E)》 ○HABA(略号):エチレンビスステアリン酸アミド
(日本油脂社製「アルフロー50S」、融点140〜1
45℃)
【0036】また、下記の実施例および比較例では、フ
イルムの耐ブロッキング性、引張破断強度と引張破断伸
度、表面状態を下記のようにして測定または評価した。
【0037】《フイルムの耐ブロッキング性 以下の実施例および比較例においてTダイより押出成形
してロール状に巻き取ったフイルム(長さ5m)を、巻
き取り後、24時間放置した後、手で巻き戻し、その際
のフイルム間のブロッキングの程度を下記の表1に示し
た評価基準にしたがって評価した。
【0038】
【表1】 フイルムの耐ブロッキング性の評価内容 ○:巻き取ったフイルム間に何らブロッキングが生じて
おらず、容易に且つ円滑に巻き戻すことができる。 △:巻き取ったフイルム間にブロッキングが生じている
が、力を加えて巻き戻すことにより巻き戻しが可能であ
る。 ×:巻き取ったフイルム間のブロッキングが大きく、力
を加えても巻き戻しが不可能である。
【0039】《引張破断強度および引張破断伸度》以下
の実施例および比較例においてTダイより押出成形して
製造したフイルムを用いて、JIS K 7311に準拠
して引張試験を行い、試験前の標線間距離からの伸び率
を引張破断伸度とし、破断時の応力を破断強度とした。
【0040】《表面状態》以下の実施例および比較例に
おいてTダイより押出成形して製造したフイルムの表面
の状態を肉眼で観察して、凹凸が生じておらず平滑なも
のを○、多数の凹凸があり平滑でないものを×として評
価した。
【0041】《実施例1〜4および比較例1〜8》 (1) 熱可塑性ポリウレタン(A)(PU−1または
PU−2)、スチレン系エラストマー(B)(SI
S)、オレフィン系エラストマー(C)(TPO)、ポリ
オレフィン樹脂(D)(HDPE)および高級脂肪酸ビス
アミド(E)(HABA)を下記の表2に示す重量割合
でドライブレンドした後、押出成形機[プラスチック工
学研究所製の単軸押出機「GT−25」(φ25mm、
L/D=25)(シリンダー温度;供給部175℃、圧
縮部190℃、計量部200℃;ダイ温度200℃)に
供給して溶融混練した後、そのTダイより冷却ロール
(表面温度30℃)上に押し出して冷却し、2.6m/
分の巻き取り速度、一定の巻き取り張力で巻き取って
(パウダーブレーキを使用)、下記の表2に示す厚さの
フイルムを製造した。 (2) 上記(1)で得られたフイルムの耐ブロッキン
グ性、引張破断強度および引張破断伸度、並びに表面状
態を上記した方法で測定または評価したところ、下記の
表2に示すとおりの結果であった。
【0042】《実施例5および比較例9》 (1) 数平均分子量2000のポリブチレンアジペー
トジオール(以下これをPOHという)および1,4−
ブタンジオール(以下これをBDという)を1:1.3
のモル比で混合して30℃に加熱した混合物と、50℃
で加熱溶融した4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(以下これをMDIという)を、POH:BD:
MDIのモル比が1:2.3:1.3の割合になるよう
にして、定量ポンプで同方向に回転する2軸スクリュー
型押出機に連続的に仕込み、連続溶融重合反応を行わせ
て熱可塑性ポリウレタン(PU−3)[硬度(JIS
A硬度)75]を製造した。なおその際に、前記の2軸
スクリュー型押出機の内部を前部、中間部および後部の
3つの帯域に分けた場合に最も高温となる中間部(重合
部)の温度を240℃とした。また、前記の2軸スクリ
ュー型押出機の後部に設けた供給口から、スチレン系エ
ラストマー(B)(SIS)、オレフィン系エラストマ
ー(C)(TPO)、ポリオレフィン樹脂(D)(HD
PE)および高級脂肪酸ビスアミド(E)(HABA)
を下記の表2に示す重量割合で供給し、溶融混練した
後、ストランド状に水中に連続的に押し出し、ついでペ
レタイザーを用いてペレットを製造した。 (2) 上記(1)で得られたポリウレタン組成物のペ
レットを用いて、上記の実施例1〜4で使用した押出機
と同じ押出機を使用して、実施例1〜4と同様にしてT
ダイからフイルムを冷却ロール上に押し出した後、巻き
取って、下記の表2に示す厚さのフイルムを製造した。 (3) 上記(2)で得られたフイルムの耐ブロッキン
グ性、引張破断強度および引張破断伸度、並びに表面状
態を上記した方法で測定または評価したところ、下記の
表2に示すとおりの結果であった。
【0043】
【表2】
【0044】上記の表2の結果から、熱可塑性ポリウレ
タン(A)、スチレン系エラストマー(B)、オレフィ
ン系エラストマー(C)、ポリオレフィン樹脂(D)お
よび高級脂肪酸ビスアミド(E)を本発明で規定した上
記の特定の割合で含有する実施例1〜5の本発明のポリ
ウレタン組成物を用いた場合には、フイルムが非粘着性
であってブロッキングがなく、巻き取り、巻き戻しが容
易に且つ円滑に行われること、しかもそのポリウレタン
組成物から得られたフイルムは引張破断強度や引張破断
伸度などの力学的特性にも優れ、その表面状態も平滑で
良好であることがわかる。それに対して、スチレン系エ
ラストマー(B)、オレフィン系エラストマー(C)お
よびポリオレフィン樹脂(D)のうちの1つまたは2つ
以上を欠いている比較例1〜9のポリウレタン組成物の
場合は、フイルムが粘着性であってブロッキングを生
じ、巻き戻しが困難であるかまたは不可能であること
(比較例1〜3、比較例5〜6および比較例8〜9)、
粘着性がなく巻き戻しが可能であってもフイルムの引張
破断強度が極めて小さく力学的特性が著しく劣っている
か(比較例4と比較例7)、フイルムの表面に凹凸が生
じており表面状態が不良であること(比較例3〜5、比
較例7および比較例9)がわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明のポリウレタン組成物は、非粘着
性で、耐ブロッキング、離型性に優れているので、フイ
ルムやシート、フイルム状やシート状積層体などを製造
する際に、離型紙を用いなくても巻き取ることができ、
巻き取られたフイルム、シート、積層体などはブロッキ
ングを生ずることがなく、容易に巻き戻すことが可能で
ある。また、本発明のポリウレタン組成物を用いてモー
ルド成形などを行った場合には、非粘着性で離型性に優
れているので、金型などへの粘着がなく、金型内面に離
型剤を施さなくても成形品を金型から容易に取り出すこ
とができ、たとえ離型剤を使用する場合であっても離型
剤の使用量を従来よりも大幅に減らすことができる。更
に、本発明のポリウレタン組成物では、熱可塑性ポリウ
レタン(A)、スチレン系エラストマー(B)、オレフ
ィン系エラストマー(C)、ポリオレフィン樹脂(D)
および高級脂肪酸ビスアミド(E)が互いに良好に相溶
しているので、それらの成分の相分離やブリードアウト
などが生じず、引張破断強度や引張破断伸度で代表され
る力学的特性が良好で、しかも凹凸がなく平滑な表面状
態を有する商品価値の高い成形品を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:00) (56)参考文献 特開 平8−52808(JP,A) 特開 平8−41316(JP,A) 特開 平7−138470(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 75/04 - 75/12 B32B 27/40 C08J 5/18 CFF

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン(A)、スチレン
    系エラストマー(B)、オレフィン系エラストマー
    (C)、ポリオレフィン樹脂(D)および高級脂肪酸ビ
    スアミド(E)を含有し、前記した(A)〜(D)の合
    計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を40
    〜90重量%、スチレン系エラストマー(B)を5〜3
    5重量%、オレフィン系エラストマー(C)を5〜25
    重量%、ポリオレフィン樹脂(D)を5〜15重量%お
    よび高級脂肪酸ビスアミド(E)を0.3〜4重量%の
    割合で含有することを特徴とする熱可塑性ポリウレタン
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の熱可塑性ポリウレタン組成物
    からなる成形品。
  3. 【請求項3】 成形品がフイルムである請求項2の成形
    品。
  4. 【請求項4】 成形品がモールド成形品である請求項2
    の成形品。
  5. 【請求項5】 請求項1の熱可塑性ポリウレタン組成物
    を表面層として有するフイルム状積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1の熱可塑性ポリウレタン組成物
    を表面層として有するシート状積層体。
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