JPH08143498A - 5−置換アルコキシベンゼン誘導体 - Google Patents
5−置換アルコキシベンゼン誘導体Info
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- JPH08143498A JPH08143498A JP28332594A JP28332594A JPH08143498A JP H08143498 A JPH08143498 A JP H08143498A JP 28332594 A JP28332594 A JP 28332594A JP 28332594 A JP28332594 A JP 28332594A JP H08143498 A JPH08143498 A JP H08143498A
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Abstract
16のアルケニル、C3〜16のアルケニルオキシ、C
1〜10のアルコキシル置換されたC1〜12のアルキ
ル、環A、環B:それぞれ独立的にF原子により置換さ
れていてもよい1,4−フェニレン、トランス−1,4
−シクロヘキシレン、トランス−1,3−ジオキサン−
2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジ
ン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル又はピ
リダジン−3,6−ジイルを表わし、Y1、Y2:それぞ
れ独立的に単結合、−CH2CH2−、−OCH2−、−
CH2O−、−(CH2)4−又は−C≡C−、m:0、
1、2、X1:F原子、Cl原子、R2:C1〜16の直
鎖状アルキル、C3〜16の直鎖状アルケニル)で表わ
される化合物及びこれを含有する液晶組成物。 【効果】 低電圧駆動が要求される各種液晶表示素子、
特にアクティブマトリックス駆動用の液晶材料として有
用である。
Description
として有用な5−置換アルコキシベンゼン誘導体である
新規化合物及びそれを含有する液晶組成物に関する。
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等が知
られているが、このうち現在最もよく用いられているの
はTN型及びSTN型である。また駆動方式としても従
来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般
的になり、更に単純マトリックス方式、最近ではアクテ
ィブマトリックス方式が実用化されている。これらのう
ち、アクティブマトリックス方式によると、最も高画質
の表示が可能であり、視野角が広く、高精細化及びカラ
ー化が容易で、動画表示も可能であるので、今後の液晶
表示方式の主流になると考えられている。
いられる液晶材料としては、通常の液晶表示と同様に、
種々の特性が要求されているが、特に、(1)比抵抗が
高く、電圧の保持率に優れること。(2)しきい値電圧
(Vth)が低いこと。(3)液晶相の温度範囲が広いこ
と。(4)適当な屈折率異方性(Δn)を有することの
4点は重要である。
(1)
を、Δεは誘電率異方性をそれぞれ表わす。)で表わさ
れるが、この式からわかるようにしきい値電圧を低減す
るためには液晶材料の弾性定数を小さくするか、あるい
は誘電率異方性を大きくする必要がある。
シアノ基を有するものが多く、このような化合物では、
高い比抵抗値や高い電圧保持率の液晶材料を得ることを
困難にさせる傾向を有する。
には、液晶材料の弾性定数を小さくすることが考えられ
る。しかしながら、弾性定数の小さい化合物は一般に2
環性であり、それを添加することによって、組成物の液
晶相の上限温度を大幅に低下させてしまう傾向を有する
ものがほとんどである。一方、3環性あるいは4環性の
化合物では、それを添加することによって、組成物の液
晶相の上限温度を低下させることは少ないけれども、こ
うした化合物ではその弾性定数が一般に大きいことが多
く、その添加によってしきい値電圧は高くなってしまう
傾向にあった。
クティブマトリックス用液晶組成物を得ることはかなり
困難であった。
する課題は、化学的に安定であって、添加により高い比
抵抗と電圧保持率の液晶材料を容易に得ることができ、
且つ液晶相の温度範囲を狭くすることなしに、そのしき
い値電圧を効果的に低減させることが可能な新規化合物
を提供することにある。
範囲が広く、且つしきい値電圧の低い液晶組成物を提供
することにある。
決するために、一般式(I)
キル基もしくはアルコキシル基、炭素原子数2〜16の
アルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ
基、又は炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置換さ
れた炭素原子数1〜12のアルキル基を表わし、環A及
び環Bはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されて
いてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−
シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサン−
2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリ
ミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル
基又はピリダジン−3,6−ジイル基を表わし、Y1及
びY2はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、−
OCH2−、−CH2O−、−(CH2)4−又は−C≡C
−を表わし、mは0、1又は2を表わし、X1はフッ素
原子又は塩素原子を表わし、R2は炭素原子数1〜16
の直鎖状アルキル基又は炭素原子数3〜16の直鎖状ア
ルケニル基を表わす。)で表わされる5−置換アルコキ
シベンゼン誘導体を提供する。
が炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基又は炭素原子
数2〜12の直鎖状アルケニル基を表わし、環A及び環
Bがそれぞれ独立的にフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シ
クロヘキシレン基を表わし、Y1及びY2がそれぞれ独立
的に単結合、−CH2CH2−又は−C≡C−を表わし、
R2が炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基又は炭素
原子数3〜12の直鎖状アルケニル基を表わすことを特
徴とする前記一般式(I)で表わされる化合物が好まし
い。
鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニ
ル基を表わし、環Aがトランス−1,4−シクロヘキシ
レン基であり、R2は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキ
ル基又は炭素原子数3〜7の直鎖状アルケニル基を表わ
すことを特徴とする前記一般式(I)で表わされる化合
物が好ましい。
1,4−シクロヘキシレン基であり、Y2が単結合又は
−CH2CH2−を表わすことを特徴とする前記一般式
(I)の化合物がより好ましい。
ることが好ましく、更に、X1がフッ素原子であること
が好ましく、Y1が単結合であることが好ましく、更に
は、R1が炭素原子数1〜7のアルキル基であることが
好ましい。
合成することができる。即ち、一般式(II)
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物に、一般式(III)
す。)で表わされるアルコールを塩基存在下にフェノラ
ートとして反応させることにより製造することができ
る。
が好ましく、特にN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)が好ましい。塩基としてはナトリウム等のアルカリ
金属、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、ブ
チルリチウム等の有機金属化合物、リチウムジイソプロ
ピルアミド(LDA)等の金属アミド、t−ブトキシカ
リウム等のアルコラート等を用いることができる。
般式(IV)
及びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)
で表わされる5−置換フルオロフェノール誘導体を、塩
基存在下にアルコラートとして、これを一般式(V)
し、Wは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表わ
す。)で表わされるハライドと反応させることによって
も得ることができる。
フェノール誘導体は、例えば一般式(II)の化合物と
t−ブトキシカリウムを反応させること等により得るこ
とができる。
れる化合物の代表例を第1表に掲げる。
C2はそれぞれ異なる結晶相を表わし、Iは等方性液体
相を表わす。) 第1表からわかるように、一般式(I)で表わされる化
合物は、化合物単独では液晶相を示さないものが多い。
これは一般式(I)が、2,3−ジ置換−1,5−フェ
ニレン基という極めて折れ曲がった構造を骨格中に有す
ることによる。通常の液晶化合物はその中心骨格が、
1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキ
シレン基に代表されるように、極めて直線性に優れた環
構造から構成され、一般式(I)のような構造を有する
化合物はこれまでほとんど注目されていなかった。しか
しながら、一般式(I)は、液晶性こそ高くないけれど
も、通常の母体液晶との相溶性には非常に優れており、
添加した場合の液晶相上限温度の低下もそれほど大きい
ものではない。しかも後述するように、その添加によっ
て組成物のしきい値電圧を極めて効果的に低減すること
が可能であり、更に屈折率異方性が比較的小さい等の特
徴を有している。
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、特
にTN型あるいはSTN型といった電界効果型表示セル
の材料として、好適に使用することができる。しかも、
一般式(I)で表わされる化合物は、その分子内にシア
ノ基やエステル結合などの強い極性基を有さないため、
その添加により得られた液晶材料は容易に大きい比抵抗
と高い電圧保持率を得ることできる。そのため、アクテ
ィブマトリックス駆動用液晶材料の構成成分として特に
適している。
れる化合物の少なくとも1種類をその構成成分として含
有する液晶組成物をも提供するものである。本発明の液
晶組成物において、一般式(I)の化合物と混合して使
用することのできるネマチック液晶化合物の好ましい代
表例としては、例えば、4−置換安息香酸4−置換フェ
ニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4−置換フェ
ニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビ
フェニリル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニル
オキシ)安息香酸4−置換フェニル、4−(4−置換シ
クロヘキシル)安息香酸4−置換フェニル、4−(4−
置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロヘキシ
ル、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シクロ
ヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシク
ロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)エ
チル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘキ
シル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、4,
4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘキシ
ル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−
(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサン、
4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’
−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼン、4
−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−置換ビ
シクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニル)−
4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチニル)
−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン、2−(4
−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、2−(4’−
置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン及び上記各化
合物においてベンゼン環が側方置換基を有する化合物等
を挙げることができる。
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
下の例からも明らかである。ネマチック液晶材料として
現在汎用されおり、特にアクティブマトリックス用とし
て好適な母体液晶(B)
を表わし、「%」は「重量%」を表わす。)は116.
7℃以下でネマチック相を示し、その誘電率異方性(Δ
ε)は4.7であり、これを用いて作製したセル厚6μ
mのTNセルのしきい値電圧(Vth)は2.14Vであ
った。また、その屈折率異方性(Δn)は0.090で
あった。
中の(No.1)の化合物15重量%からなる液晶組成
物(M−1)を調製したところ、そのネマチック相の上
限温度は102.4℃と母体液晶(B)よりやや低くな
り、そのΔεは5.7と大きくなった。この組成物を用
いて同様にしてセルを作製し、そのVthを測定したとこ
ろ、1.86Vと母体液晶(B)と比較して0.28V
も低減することができた。また、そのΔnは0.084
と0.006小さくなった。更に、この組成物の比抵抗
を測定したところ1012Ωcm以上と大きく、このセル
の電圧保持率は高いものであった。
び(No.1)の化合物と類似構造を有する式(R−
1)
(N−1)を調製した。(N−1)のネマチック相の上
限温度は124.3℃と(M−1)に比べると高くな
り、そのΔεは4.0と(M−1)より小さくなった。
この組成物を用いて同様にしてセルを作製し、そのVth
を測定したところ、2.25Vと母体液晶(B)より大
きくなってしまい低減効果は見られなかった。また、こ
のΔnは0.091と母体液晶(B)と同程度であっ
た。
第1表中の(No.2)の化合物15重量%からなる液
晶組成物(M−2)を調製したところ、そのネマチック
相の上限温度は94.5℃と母体液晶(B)より低下し
たが、そのΔεは5.8と大きくなった。しかも、この
組成物を用いて同様にしてセルを作製し、そのVthを測
定したところ、1.72Vと母体液晶(B)と比較し
て、約20%も低減された。また、この組成物のΔnは
0.083と母体液晶(B)より0.007も小さくな
った。更にこの組成物の比抵抗を測定したところ1012
Ωcm以上と大きく、このセルの電圧保持率は非常に高
いものであった。
び(No.2)の化合物と類似構造を有する式(R−
2)
(N−2)を調製した。(N−2)のネマチック相の上
限温度は109.6℃と(M−2)に比べると高くなっ
た。また、そのΔεは4.3と(M−2)よりかなり小
さくなった。同様にしてセルを作製しそのVthを測定し
たところ、2.16Vと(M−2)に比べるとかなり高
くなった。また、このΔnは0.089と母体液晶
(B)と同程度であった。
る化合物は、アクティブマトリックス用液晶材料とし
て、そのしきい値電圧の低減に大きな効果を有すること
が明らかである。
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
ジを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を
併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR)、質量スペクトル(MS)等に
より確認した。NMRにおけるCDCl3は溶媒を表わ
し、sは1重線、dは2重線、tは3重線、mは多重線
を表わし、また例えばttは3重の3重線を表わし、J
はカップリング定数を表わす。MSにおけるM+は親ピ
ークを表わし、( )内の数値はそのピークの相対強度
を表わす。組成物中における「%」はすべて「重量%」
を表わす。 (実施例1) トランス−4−(3−アリルオキシ−
4,5−ジフルオロフェニル)−トランス−4’−プロ
ピルビシクロヘキサン(第1表中の(No.2)の化合
物)の合成
ml溶液を0℃に冷却し、カリウム−t−ブトキシド
9.28gを加え、同温度で更に30分間攪拌した。こ
れにDMF40ml及びテトラヒドロフラン(THF)
20mlに溶解した4−(3,4,5−トリフルオロフ
ェニル)−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン
20gを15℃で滴下し、更に室温で2時間攪拌した。
水を加え、稀塩酸で中和した後、反応生成物をヘキサン
で抽出した。有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで脱
水乾燥し、溶媒を溜去して得られた粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン=9
/1)を用いて精製して、トランス−4−(3−アリル
オキシ−4,5−ジフルオロフェニル)−トランス−
4’−プロピルビシクロヘキサン18.9gを得た。更
にエタノールから再結晶して精製し、その相転移温度を
測定したところ、結晶相からの昇温時56℃で等方性液
体相に転移した。
8H)、δ=1.71〜1.89(m,8H)、δ=
2.35(tt,1H,J=12Hz,3Hz)、δ=
4.59(d,2H,J=5.4Hz)、δ=5.30
(d,1H,J=8.6Hz)、δ=5.42(d,1
H,J=17.2Hz)、δ=6.05(ddd,1
H,J=5.4Hz,8.6Hz,17.2Hz)、δ
=6.56〜6.63(m,2H) MS:m/e=376(M+) (実施例2) トランス−4−(3−メトキシ−4,
5−ジフルオロフェニル)−トランス−4’−プロピル
ビシクロヘキサン(第1表中の(No.1)の化合物)
の合成
50ml溶液を0℃に冷却し、これにDMF40ml及
びテトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解した4
−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−トランス−
4’−プロピルビシクロヘキサン20gを15℃で滴下
し、更に室温で1時間攪拌した。水を加え、稀塩酸で中
和し、反応生成物をヘキサンで抽出した。有機層を水洗
後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥し、溶媒を溜去して
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/トルエン=9/1)を用いて精製して、
トランス−4−(3−メトキシ−4,5−ジフルオロフ
ェニル)−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン
17.9gを得た。更にエタノールから再結晶して精製
し、相転移温度を測定した。転移温度は第1表にまとめ
て示した。 (実施例3) 4−[2−(3−メトキシ−4,5−
ジフルオロフェニル)エチル]−トランス−4’−プロ
ピルビシクロヘキサン(第1表中の(No.3)の化合
物)の合成 実施例2において4−(3,4,5−トリフルオロフェ
ニル)−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサンに
換えて、4−[2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチル]−トランス−4’−プロピルビシクロヘキ
サンを用いた以外は実施例2と同様にして、4−[2−
(3−メトキシ−4,5−ジフルオロフェニル)エチ
ル]−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサンを得
た。相転移温度は第1表にまとめて示した。 (実施例4) 4−[2−(3−アリルオキシ−4,
5−ジフルオロフェニル)エチル]−トランス−4’−
プロピルビシクロヘキサン(第1表中の(No.4)の
化合物)の合成 実施例1において4−(3,4,5−トリフルオロフェ
ニル)−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサンに
換えて、4−[2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチル]−トランス−4’−プロピルビシクロヘキ
サンを用いた以外は実施例1と同様にして、4−[2−
(3−アリルオキシ−4,5−ジフルオロフェニル)エ
チル]−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサンを
得た。相転移温度は第1表にまとめて示した。 (実施例5) 液晶組成物の調製(1) 特にアクティブマトリックス用として好適なフッ素系の
母体液晶(B)
を表わす。)を調製したところ、116.7℃以下でネ
マチック(N)相を示した。その物性値及びこれを用い
て作製したセル厚6μmのTNセルのしきい値電圧(V
th)は以下の通りであった。
o.1)の化合物15重量%からなる液晶組成物(M−
1)を調製した。この(M−1)のN相の上限温度(T
N-I)及びその物性値は以下の通りであった。
た。しかしながら、Δεは母体液晶(B)よりかなり増
加し、この組成物を用いて同様にしてセルを作製し、そ
のVthを測定したところ、0.28V(約13%)も低
減することができた。また、このΔnは0.084と
0.006小さくなった。更に、この組成物の比抵抗を
測定したところ1012Ωcm以上と大きく、このセルの
電圧保持率は非常に高かった。 (比較例1)母体液晶(B)85重量%及び(No.
1)の化合物と類似構造を有する式(R−1)
(N−1)を調製した。この(N−1)のN相の上限温
度(TN-I)及びその物性値は以下の通りであった。 N相の上限温度(TN-I) 124.3℃ 誘電率異方性(Δε) 4.0 屈折率異方性(Δn) 0.091 しきい値電圧(Vth) 2.25V このようにN相の上限温度(TN-I)は(M−1)より
高くなったが、そのΔεは(M−1)より小さくなっ
た。この組成物を用いて同様にしてセルを作製し、その
Vthを測定したところ、2.25Vと母体液晶(B)よ
り大きくなってしまい、(M−1)と比較すると0.3
9Vも高くなった。また、このΔnは0.091と母体
液晶(B)とほとんど変わらない値であった (実施例6) 液晶組成物の調製(2) 母体液晶(B)85重量%及び実施例1で得た(No.
2)の化合物15重量%からなる液晶組成物(M−2)
を調製した。この(M−2)のN相の上限温度
(TN-I)及びその物性値は以下の通りであった。
より若干低下したものの、Δεが大きくなり、この組成
物を用いて同様にしてセルを作製し、そのVthを測定し
たところ、1.72Vと母体液晶(B)と比較して、
0.42Vも低減することができた。また、このΔnは
0.083と母体液晶(B)よりも0.007も低減す
ることができた。更に、この組成物の比抵抗を測定した
ところ10 12Ωcm以上と大きく、このセルの電圧保持
率は高いものであった。 (比較例2)母体液晶(B)85重量%及び(No.
2)の化合物と類似構造を有する式(R−2)
(N−2)を調製した。この(N−2)のN相の上限温
度(TN-I)及びその物性値は以下の通りであった。 N相の上限温度(TN-I) 109.6℃ 誘電率異方性(Δε) 4.3 屈折率異方性(Δn) 0.089 しきい値電圧(Vth) 2.16V このようにN相の上限温度(TN-I)は(M−2)より
高くなった。しかしながら、そのΔεは(M−2)より
かなり低く、この組成物を用いて同様にしてセルを作製
し、そのVthを測定したところ、2.16Vであり、母
体液晶(B)より高くなり、(M−2)と比較すると
0.44Vも高くなった。また、このΔnは母体液晶
(B)と同程度であった。
物は、実施例に示したように工業的にも極めて容易に製
造でき、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、ネ
マチック液晶として現在汎用されている母体液晶との相
溶性にも優れている。しかも、母体液晶に少量添加する
ことにより、得られた組成物のネマチック液晶温度範囲
をそれほど低下させることなく、それを用いた液晶セル
のしきい値電圧(Vth)を効果的に低減することが可能
である。また、分子内に強い極性基が存在せず、容易に
大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ることができる。従
って、液晶相の温度範囲が広く、且つ低電圧駆動が要求
される各種液晶表示素子、特にアクティブマトリックス
駆動用の液晶材料として非常に有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜16のアルキル基もしく
はアルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル
基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、又は炭
素原子数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原
子数1〜12のアルキル基を表わし、環A及び環Bはそ
れぞれ独立的にフッ素原子により置換されていてもよい
1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキ
シレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジ
イル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−
2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基又はピ
リダジン−3,6−ジイル基を表わし、Y1及びY2はそ
れぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、−OCH
2−、−CH2O−、−(CH2)4−又は−C≡C−を表
わし、mは0、1又は2を表わし、X1はフッ素原子又
は塩素原子を表わし、R2は炭素原子数1〜16の直鎖
状アルキル基又は炭素原子数3〜16の直鎖状アルケニ
ル基を表わす。)で表わされる化合物。 - 【請求項2】 R1が炭素原子数1〜12の直鎖状アル
キル基又は炭素原子数2〜12の直鎖状アルケニル基を
表わし、環A及び環Bがそれぞれ独立的にフッ素原子に
より置換されていてもよい1,4−フェニレン基又はト
ランス−1,4−シクロヘキシレン基を表わし、Y1及
びY2がそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−又は
−C≡C−を表わし、R2が炭素原子数1〜12の直鎖
状アルキル基又は炭素原子数3〜12の直鎖状アルケニ
ル基を表わすことを特徴とする請求項1記載の一般式
(I)で表わされる化合物。 - 【請求項3】 R1が炭素原子数1〜7の直鎖状アルキ
ル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基を表わ
し、環Aがトランス−1,4−シクロヘキシレン基であ
り、R2は炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又は炭
素原子数3〜7の直鎖状アルケニル基を表わすことを特
徴とする請求項2記載の一般式(I)で表わされる化合
物。 - 【請求項4】 環A及び環Bが共にトランス−1,4−
シクロヘキシレン基を表わし、Y2が単結合又は−CH2
CH2−を表わすことを特徴とする請求項3記載の一般
式(I)で表わされる化合物。 - 【請求項5】 mが1であることを特徴とする請求項
2、3又は4記載の一般式(I)で表わされる化合物。 - 【請求項6】 Y1が単結合であることを特徴とする請
求項3、4又は5記載の一般式(I)で表わされる化合
物。 - 【請求項7】 X1がフッ素原子であることを特徴とす
る請求項3、4、5又は6記載の一般式(I)で表わさ
れる化合物。 - 【請求項8】 R1が炭素原子数1〜7のアルキル基で
あることを特徴とする請求項3、4、5、6又は7記載
の一般式(I)で表わされる化合物。 - 【請求項9】 請求項1乃至8記載の一般式(I)で表
わされる化合物を含有する液晶組成物。
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