JPH08143390A - 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ - Google Patents
単結晶引き上げ用黒鉛ルツボInfo
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- JPH08143390A JPH08143390A JP28303094A JP28303094A JPH08143390A JP H08143390 A JPH08143390 A JP H08143390A JP 28303094 A JP28303094 A JP 28303094A JP 28303094 A JP28303094 A JP 28303094A JP H08143390 A JPH08143390 A JP H08143390A
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- crucible
- graphite
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 黒鉛ルツボ10内表面の少なくとも上部の表
面粗さRmaxが30μm以上である単結晶引き上げ用
黒鉛ルツボ。 【効果】 黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16との嵌合面
にSi等の半導体原料溶融液が侵入しても、両ルツボの
固着を抑制することができ、黒鉛ルツボ10の破損を防
止することができる。
面粗さRmaxが30μm以上である単結晶引き上げ用
黒鉛ルツボ。 【効果】 黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16との嵌合面
にSi等の半導体原料溶融液が侵入しても、両ルツボの
固着を抑制することができ、黒鉛ルツボ10の破損を防
止することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶引き上げ用黒鉛ル
ツボに関し、より詳細にはシリコン等の半導体物質の単
結晶を製造するときに用いられる単結晶引き上げ用黒鉛
ルツボに関する。
ツボに関し、より詳細にはシリコン等の半導体物質の単
結晶を製造するときに用いられる単結晶引き上げ用黒鉛
ルツボに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体物質、特にシリコン
(以下、Siと記す)単結晶の作製には、チョクラルス
キー法(以下、CZ法と記す)と呼ばれる回転引き上げ
法が広く用いられている。図5はCZ法で使用される一
般的な結晶製造装置を示した模式的断面図であり、図中
30は有底円筒状の黒鉛ルツボを示している。黒鉛ルツ
ボ30は図中矢印方向に所定速度で回転する支持軸15
に支持されており、また黒鉛ルツボ30の外側にはヒー
タ18が同心円状に配設されている。黒鉛ルツボ30の
内側には同じく有底円筒状の石英ルツボ16が嵌合され
ており、石英ルツボ16の内側にはヒータ18により溶
融させた結晶用Si原料の溶融液17が充填されてい
る。さらに石英ルツボ16の中心軸上には、支持軸15
と同一軸心で同方向または逆方向に所定の速度で回転す
るワイヤ等の引き上げ軸19が配設されている。そし
て、引き上げ軸19の先端に取り付けられた種結晶20
を溶融液17の表面に接触させて引き上げ軸19を引き
上げていくことにより、溶融液17が凝固して形成され
る単結晶21を成長させる。
(以下、Siと記す)単結晶の作製には、チョクラルス
キー法(以下、CZ法と記す)と呼ばれる回転引き上げ
法が広く用いられている。図5はCZ法で使用される一
般的な結晶製造装置を示した模式的断面図であり、図中
30は有底円筒状の黒鉛ルツボを示している。黒鉛ルツ
ボ30は図中矢印方向に所定速度で回転する支持軸15
に支持されており、また黒鉛ルツボ30の外側にはヒー
タ18が同心円状に配設されている。黒鉛ルツボ30の
内側には同じく有底円筒状の石英ルツボ16が嵌合され
ており、石英ルツボ16の内側にはヒータ18により溶
融させた結晶用Si原料の溶融液17が充填されてい
る。さらに石英ルツボ16の中心軸上には、支持軸15
と同一軸心で同方向または逆方向に所定の速度で回転す
るワイヤ等の引き上げ軸19が配設されている。そし
て、引き上げ軸19の先端に取り付けられた種結晶20
を溶融液17の表面に接触させて引き上げ軸19を引き
上げていくことにより、溶融液17が凝固して形成され
る単結晶21を成長させる。
【0003】ところで近年、収率よく単結晶を得るため
単結晶21の大形化が図られ、溶融液17が充填される
石英ルツボ16の容量が大きくなり、したがって黒鉛ル
ツボ30も大形になってきているが、これに伴い、嵌合
されている石英ルツボ16と黒鉛ルツボ30との熱膨張
率の差によって生じる黒鉛ルツボ30の内面における引
張り応力が増大し、変形、割れ、欠損等(以下、破損と
記す)の欠陥が発生し易くなり、黒鉛ルツボ30を使用
し得る回数が減少している。
単結晶21の大形化が図られ、溶融液17が充填される
石英ルツボ16の容量が大きくなり、したがって黒鉛ル
ツボ30も大形になってきているが、これに伴い、嵌合
されている石英ルツボ16と黒鉛ルツボ30との熱膨張
率の差によって生じる黒鉛ルツボ30の内面における引
張り応力が増大し、変形、割れ、欠損等(以下、破損と
記す)の欠陥が発生し易くなり、黒鉛ルツボ30を使用
し得る回数が減少している。
【0004】図6は破損を抑制するための処置が施こさ
れた黒鉛ルツボを模式的に示した断面図であり、図中3
0は分割面11で2分割された黒鉛ルツボを示してい
る。黒鉛ルツボ30の内面には石英ルツボ(図示せず)
が嵌合されており、黒鉛ルツボ30と受け台14との嵌
合面22および分割面11が開口して内部応力が開放さ
れることにより、黒鉛ルツボ30の破損が抑制される。
れた黒鉛ルツボを模式的に示した断面図であり、図中3
0は分割面11で2分割された黒鉛ルツボを示してい
る。黒鉛ルツボ30の内面には石英ルツボ(図示せず)
が嵌合されており、黒鉛ルツボ30と受け台14との嵌
合面22および分割面11が開口して内部応力が開放さ
れることにより、黒鉛ルツボ30の破損が抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばSi
溶融液中に多結晶Si原料を再投入するリチャージに際
して、Si原料を投入すると、石英ルツボ16内の溶融
Siが石英ルツボ16の上端を越えて周囲に飛散するこ
とがある。また、石英ルツボ16は脆くて耐衝撃性が乏
しいため、リチャージに際して多結晶Si原料を投入す
ると、衝撃で石英ルツボ16にき裂が生じ、このき裂か
ら溶融液がしみ出ることがある。この飛散したSiの一
部、あるいは石英ルツボ16のき裂からしみ出したSi
は、黒鉛ルツボ30の上端から、あるいは石英ルツボ1
6のき裂から、黒鉛ルツボ30と石英ルツボ16の隙間
に侵入し、該侵入したSiが冷却される際に、黒鉛ルツ
ボ30と石英ルツボ16の接着剤の役割を果し、両ルツ
ボを固着する。
溶融液中に多結晶Si原料を再投入するリチャージに際
して、Si原料を投入すると、石英ルツボ16内の溶融
Siが石英ルツボ16の上端を越えて周囲に飛散するこ
とがある。また、石英ルツボ16は脆くて耐衝撃性が乏
しいため、リチャージに際して多結晶Si原料を投入す
ると、衝撃で石英ルツボ16にき裂が生じ、このき裂か
ら溶融液がしみ出ることがある。この飛散したSiの一
部、あるいは石英ルツボ16のき裂からしみ出したSi
は、黒鉛ルツボ30の上端から、あるいは石英ルツボ1
6のき裂から、黒鉛ルツボ30と石英ルツボ16の隙間
に侵入し、該侵入したSiが冷却される際に、黒鉛ルツ
ボ30と石英ルツボ16の接着剤の役割を果し、両ルツ
ボを固着する。
【0006】黒鉛の熱膨張係数は約5.0×10-6/℃
であって、石英の熱膨張係数(0.5×10-6/℃)の
約10倍であり、冷却時においては黒鉛は石英の約10
倍収縮する。このため、上記構成の黒鉛ルツボ30にお
いても、黒鉛ルツボ30と石英ルツボ16が高温で固着
した後冷却されると、黒鉛ルツボ30が分割面11で開
かず、黒鉛ルツボ30には引張り応力がかかり、破損が
発生するという課題があった。
であって、石英の熱膨張係数(0.5×10-6/℃)の
約10倍であり、冷却時においては黒鉛は石英の約10
倍収縮する。このため、上記構成の黒鉛ルツボ30にお
いても、黒鉛ルツボ30と石英ルツボ16が高温で固着
した後冷却されると、黒鉛ルツボ30が分割面11で開
かず、黒鉛ルツボ30には引張り応力がかかり、破損が
発生するという課題があった。
【0007】一方、黒鉛ルツボ30と石英ルツボ16の
隙間に侵入したSiの量が少ない場合には、侵入したS
iは、黒鉛ルツボ30の気孔を通って内部に吸収され、
黒鉛ルツボ30の内表面にSi融液が残留しないため、
石英ルツボ16と黒鉛ルツボ30との固着がおこらず、
黒鉛ルツボ30は分割面11で開き、破損が発生しにく
くなる。しかし、近年のルツボの大型化による黒鉛ルツ
ボの強度の強化により、黒鉛ルツボ30の嵩密度が大き
くなり、これに伴って、気孔径が小さくなる傾向にある
ため、気孔へのSi浸透量が少なくなり、黒鉛ルツボ3
0と石英ルツボ16との固着による破損がより発生しや
すい状態になって、上記課題が助長される傾向にある。
隙間に侵入したSiの量が少ない場合には、侵入したS
iは、黒鉛ルツボ30の気孔を通って内部に吸収され、
黒鉛ルツボ30の内表面にSi融液が残留しないため、
石英ルツボ16と黒鉛ルツボ30との固着がおこらず、
黒鉛ルツボ30は分割面11で開き、破損が発生しにく
くなる。しかし、近年のルツボの大型化による黒鉛ルツ
ボの強度の強化により、黒鉛ルツボ30の嵩密度が大き
くなり、これに伴って、気孔径が小さくなる傾向にある
ため、気孔へのSi浸透量が少なくなり、黒鉛ルツボ3
0と石英ルツボ16との固着による破損がより発生しや
すい状態になって、上記課題が助長される傾向にある。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、不慮の事故によってSi等の半導体原料溶融液が黒
鉛ルツボと石英ルツボの合せ面隙間に侵入しても、黒鉛
ルツボと石英ルツボの固着が抑制され、黒鉛ルツボの破
損を防止することのできる単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ
を提供することを目的としている。
り、不慮の事故によってSi等の半導体原料溶融液が黒
鉛ルツボと石英ルツボの合せ面隙間に侵入しても、黒鉛
ルツボと石英ルツボの固着が抑制され、黒鉛ルツボの破
損を防止することのできる単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボは、黒鉛ル
ツボ内表面の少なくとも上部の表面粗さRmaxが30
μm以上であることを特徴としている(1)。
に本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボは、黒鉛ル
ツボ内表面の少なくとも上部の表面粗さRmaxが30
μm以上であることを特徴としている(1)。
【0010】また本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛ル
ツボは、黒鉛ルツボ内表面の少なくとも上部に、深さ3
0μm以上の表面傷が、単位表面積当り50%以上の割
合で形成されていることを特徴としている(2)。
ツボは、黒鉛ルツボ内表面の少なくとも上部に、深さ3
0μm以上の表面傷が、単位表面積当り50%以上の割
合で形成されていることを特徴としている(2)。
【0011】
【作用】黒鉛ルツボと石英ルツボの合せ面隙間にSi融
液が侵入し、黒鉛ルツボと石英ルツボの接着が起こる状
況について、本発明者が検討した結果、以下のことがわ
かった。
液が侵入し、黒鉛ルツボと石英ルツボの接着が起こる状
況について、本発明者が検討した結果、以下のことがわ
かった。
【0012】黒鉛ルツボと石英ルツボの合せ面隙間に侵
入し、黒鉛ルツボ内表面に付着したSi融液の黒鉛ルツ
ボ内表面での広がりやすさは、黒鉛ルツボの内表面粗さ
に影響される。すなわち、黒鉛ルツボの内表面が例えば
鏡面仕上げされ、凹凸が小さい場合には、Si融液は黒
鉛ルツボの内表面に液滴状に付着し、ほとんど広がらな
い。このため、黒鉛ルツボの気孔にすべてのSiを吸収
してSiCに転化することができず、黒鉛ルツボの内表
面にSi融液が残り、該Si融液が、黒鉛ルツボと石英
ルツボを接着する原因となり、黒鉛ルツボの破損が発生
しやすい状態となる。これに対して、黒鉛ルツボの内表
面の凹凸が大きい場合には、付着したSi融液が、凹み
の部分を伝わって黒鉛ルツボの内表面上で広がる。した
がって、黒鉛ルツボに吸収されるSiの量が増大し、黒
鉛ルツボの内表面にSiが残りにくくなる。なお、黒鉛
ルツボの気孔内に吸収されたSi融液は、気孔内でSi
C化するため、内表面に付着したSi融液がすべて吸収
された場合には、黒鉛ルツボと石英ルツボとの固着は起
こらない。このように黒鉛ルツボの内表面にSiが残り
にくくなると、黒鉛ルツボと石英ルツボとの接着は起こ
りにくくなり、黒鉛ルツボの破損は発生しにくい状態と
なる。
入し、黒鉛ルツボ内表面に付着したSi融液の黒鉛ルツ
ボ内表面での広がりやすさは、黒鉛ルツボの内表面粗さ
に影響される。すなわち、黒鉛ルツボの内表面が例えば
鏡面仕上げされ、凹凸が小さい場合には、Si融液は黒
鉛ルツボの内表面に液滴状に付着し、ほとんど広がらな
い。このため、黒鉛ルツボの気孔にすべてのSiを吸収
してSiCに転化することができず、黒鉛ルツボの内表
面にSi融液が残り、該Si融液が、黒鉛ルツボと石英
ルツボを接着する原因となり、黒鉛ルツボの破損が発生
しやすい状態となる。これに対して、黒鉛ルツボの内表
面の凹凸が大きい場合には、付着したSi融液が、凹み
の部分を伝わって黒鉛ルツボの内表面上で広がる。した
がって、黒鉛ルツボに吸収されるSiの量が増大し、黒
鉛ルツボの内表面にSiが残りにくくなる。なお、黒鉛
ルツボの気孔内に吸収されたSi融液は、気孔内でSi
C化するため、内表面に付着したSi融液がすべて吸収
された場合には、黒鉛ルツボと石英ルツボとの固着は起
こらない。このように黒鉛ルツボの内表面にSiが残り
にくくなると、黒鉛ルツボと石英ルツボとの接着は起こ
りにくくなり、黒鉛ルツボの破損は発生しにくい状態と
なる。
【0013】また、同様の理由から、黒鉛ルツボと石英
ルツボとの合せ面隙間に侵入し、黒鉛ルツボ内表面に付
着したSi融液の黒鉛ルツボ内表面での広がりやすさ
は、黒鉛ルツボの内表面傷の深さ、および傷の密度に影
響される。
ルツボとの合せ面隙間に侵入し、黒鉛ルツボ内表面に付
着したSi融液の黒鉛ルツボ内表面での広がりやすさ
は、黒鉛ルツボの内表面傷の深さ、および傷の密度に影
響される。
【0014】本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ
(1)にあっては、黒鉛ルツボ内表面の表面粗さRma
xが30μm以上であるため、不慮の事故によって半導
体原料溶融液が黒鉛ルツボと石英ルツボとの合せ面隙間
に侵入しても、黒鉛ルツボと石英ルツボとの固着が抑制
され、黒鉛ルツボの破損が防止される。
(1)にあっては、黒鉛ルツボ内表面の表面粗さRma
xが30μm以上であるため、不慮の事故によって半導
体原料溶融液が黒鉛ルツボと石英ルツボとの合せ面隙間
に侵入しても、黒鉛ルツボと石英ルツボとの固着が抑制
され、黒鉛ルツボの破損が防止される。
【0015】また、本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛
ルツボ(2)にあっては、黒鉛ルツボ内表面に、深さ3
0μm以上の表面傷が、単位表面積当り50%以上の割
合で形成されているため、上記した(1)の場合におけ
る作用と同様の作用が得られる。
ルツボ(2)にあっては、黒鉛ルツボ内表面に、深さ3
0μm以上の表面傷が、単位表面積当り50%以上の割
合で形成されているため、上記した(1)の場合におけ
る作用と同様の作用が得られる。
【0016】なお、黒鉛ルツボ内表面の表面粗さRma
xを30μm以上とする範囲は、必ずしも黒鉛ルツボ内
表面全面とする必要はなく、例えば、リチャージに際し
てSi原料を投入した際に石英ルツボの上端を越えて融
液が飛散し、該飛散したSiの一部が黒鉛ルツボの上端
から黒鉛ルツボと石英ルツボの隙間に侵入して黒鉛ルツ
ボと石英ルツボとが固着、破損することを抑制するため
には、内表面の上部のみにおいて表面粗さRmaxを3
0μm以上とすることで、十分黒鉛ルツボの破損を防止
する作用が得られる。また、黒鉛ルツボの内表面に、深
さ30μm以上の表面傷を、単位面積当り50%以上の
割合で形成する範囲についても同様のことがいえる。
xを30μm以上とする範囲は、必ずしも黒鉛ルツボ内
表面全面とする必要はなく、例えば、リチャージに際し
てSi原料を投入した際に石英ルツボの上端を越えて融
液が飛散し、該飛散したSiの一部が黒鉛ルツボの上端
から黒鉛ルツボと石英ルツボの隙間に侵入して黒鉛ルツ
ボと石英ルツボとが固着、破損することを抑制するため
には、内表面の上部のみにおいて表面粗さRmaxを3
0μm以上とすることで、十分黒鉛ルツボの破損を防止
する作用が得られる。また、黒鉛ルツボの内表面に、深
さ30μm以上の表面傷を、単位面積当り50%以上の
割合で形成する範囲についても同様のことがいえる。
【0017】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ用黒鉛ルツボの実施例及び比較例を図面に基づいて説
明する。なお、ここでは従来例と同一機能を有する構成
部品には同一の符号を付すこととする。
げ用黒鉛ルツボの実施例及び比較例を図面に基づいて説
明する。なお、ここでは従来例と同一機能を有する構成
部品には同一の符号を付すこととする。
【0018】図1は実施例に係る単結晶引き上げ用黒鉛
ルツボを示しており、(a)は模式的斜視図を、(b)
は模式的展開図をそれぞれ示している。図中10は2つ
に分割された内径が310mm、厚さが15mmの黒鉛
ルツボを示しており、黒鉛ルツボ10の嵩密度は1.8
6g/cm3 であり、黒鉛ルツボ10の内表面には表面
粗化処理及び/または表面傷形成処理が施されている。
ルツボを示しており、(a)は模式的斜視図を、(b)
は模式的展開図をそれぞれ示している。図中10は2つ
に分割された内径が310mm、厚さが15mmの黒鉛
ルツボを示しており、黒鉛ルツボ10の嵩密度は1.8
6g/cm3 であり、黒鉛ルツボ10の内表面には表面
粗化処理及び/または表面傷形成処理が施されている。
【0019】以下、上記実施例に係る黒鉛ルツボ10を
用いて単結晶の引き上げを行った場合の効果を、下記に
示すSi引き上げの模擬実験の結果から説明する。図2
は上記模擬実験を行うための単結晶引き上げ装置を示し
ており、(a)は模式的上面図を、(b)は模式的縦断
面図をそれぞれ示している。
用いて単結晶の引き上げを行った場合の効果を、下記に
示すSi引き上げの模擬実験の結果から説明する。図2
は上記模擬実験を行うための単結晶引き上げ装置を示し
ており、(a)は模式的上面図を、(b)は模式的縦断
面図をそれぞれ示している。
【0020】図2において、黒鉛ルツボ10は受け台1
4上に配置され、黒鉛ルツボ10の内側には石英ルツボ
16が設置されている。黒鉛ルツボ10上端の石英ルツ
ボ16側にはSi粉末27が、図2(a)に示すよう
に、黒鉛ルツボ10を円周方向に6分割する位置に各2
0gずつ載置されている。また、石英ルツボ16中には
Si原料17が、溶解時に石英ルツボ16高さの1/3
のSi液量となるよう投入されている。
4上に配置され、黒鉛ルツボ10の内側には石英ルツボ
16が設置されている。黒鉛ルツボ10上端の石英ルツ
ボ16側にはSi粉末27が、図2(a)に示すよう
に、黒鉛ルツボ10を円周方向に6分割する位置に各2
0gずつ載置されている。また、石英ルツボ16中には
Si原料17が、溶解時に石英ルツボ16高さの1/3
のSi液量となるよう投入されている。
【0021】単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10内の表面
粗さ、及び表面傷の形成状態を変化させ、冷却後の単結
晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の破損状況を確認した結果
を表1に示す。なお、比較例には※を付し、表中のNo.
は実施例、比較例の通し番号を表している。
粗さ、及び表面傷の形成状態を変化させ、冷却後の単結
晶引き上げ用黒鉛ルツボ10の破損状況を確認した結果
を表1に示す。なお、比較例には※を付し、表中のNo.
は実施例、比較例の通し番号を表している。
【0022】
【表1】
【0023】ここで、黒鉛ルツボの表面粗さは、表面粗
さ計として例えば東京精密社製のhandy surf
Eー30Aを用い、JISーBー0601規格に準じ
て測定を行った。
さ計として例えば東京精密社製のhandy surf
Eー30Aを用い、JISーBー0601規格に準じ
て測定を行った。
【0024】なお、黒鉛ルツボ10の表面粗化処理を行
うにあたっては、表面に微細な鋼片を吹きつける、ショ
ットブラスト処理により行い、鋼片の吹きつけ圧を調整
することで所定の表面粗さを得た。また、黒鉛ルツボ1
0の表面傷形成処理を行うにあたっては、80番のサン
ドペーパを用いてルツボ高さ方向と円周方向の傷が直行
するように前記表面傷を形成する方法、または機械加工
によりルツボ円周方向に傷を形成する方法を採用した。
サンドペーパによる表面傷の幅は該表面傷の深さ(Rm
ax)の約1/3となるよう形成し、機械による表面傷
の幅は該表面傷の深さ(Rmax)と略同じとなるよう
形成した。
うにあたっては、表面に微細な鋼片を吹きつける、ショ
ットブラスト処理により行い、鋼片の吹きつけ圧を調整
することで所定の表面粗さを得た。また、黒鉛ルツボ1
0の表面傷形成処理を行うにあたっては、80番のサン
ドペーパを用いてルツボ高さ方向と円周方向の傷が直行
するように前記表面傷を形成する方法、または機械加工
によりルツボ円周方向に傷を形成する方法を採用した。
サンドペーパによる表面傷の幅は該表面傷の深さ(Rm
ax)の約1/3となるよう形成し、機械による表面傷
の幅は該表面傷の深さ(Rmax)と略同じとなるよう
形成した。
【0025】また、表中の実施例及び比較例において
は、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10(30)を使用
し、単結晶の引き上げは行わず、それ以外はチョクラル
スキー法による単結晶の引き上げ操作と同操作を行い、
石英ルツボ16内のSi原料17を溶解し、一定時間保
持した後、冷却を行った。なお、前記操作の際、黒鉛ル
ツボ10の上端に乗せたSi粉末27が溶解し、そのほ
とんどが黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16との隙間に入
り込んだことが確認された。
は、単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ10(30)を使用
し、単結晶の引き上げは行わず、それ以外はチョクラル
スキー法による単結晶の引き上げ操作と同操作を行い、
石英ルツボ16内のSi原料17を溶解し、一定時間保
持した後、冷却を行った。なお、前記操作の際、黒鉛ル
ツボ10の上端に乗せたSi粉末27が溶解し、そのほ
とんどが黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16との隙間に入
り込んだことが確認された。
【0026】以下、表1に示す結果について検討する。
【0027】表1の No.2〜4に示すように、黒鉛ルツ
ボ10の内表面全面に表面粗化処理を行なった場合、表
面粗さ(Rmax)が30μm以上である実施例 No.
3、4では、黒鉛ルツボ10に破損は発生せず再使用可
能であったのに対し、表面粗さが30μm未満の比較例
No.2では、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだSiに
より黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固着し、黒鉛
ルツボ10に割れが発生し、再使用が不可能となった。
ボ10の内表面全面に表面粗化処理を行なった場合、表
面粗さ(Rmax)が30μm以上である実施例 No.
3、4では、黒鉛ルツボ10に破損は発生せず再使用可
能であったのに対し、表面粗さが30μm未満の比較例
No.2では、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだSiに
より黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固着し、黒鉛
ルツボ10に割れが発生し、再使用が不可能となった。
【0028】表1の No.5〜7に示すように、黒鉛ルツ
ボ10の内表面全面に表面傷形成処理を行なった場合に
おいても、表面粗さ(Rmax)が30μm以上の実施
例 No.6、7では、黒鉛ルツボ10に破損は発生せず再
使用可能であったのに対し、表面粗さが30μm未満の
比較例 No.5では、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだ
Siにより黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固着
し、黒鉛ルツボ10に割れが発生し、再使用が不可能と
なった。
ボ10の内表面全面に表面傷形成処理を行なった場合に
おいても、表面粗さ(Rmax)が30μm以上の実施
例 No.6、7では、黒鉛ルツボ10に破損は発生せず再
使用可能であったのに対し、表面粗さが30μm未満の
比較例 No.5では、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだ
Siにより黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固着
し、黒鉛ルツボ10に割れが発生し、再使用が不可能と
なった。
【0029】上記した結果から明らかなように、実施例
に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボにあっては、黒鉛ル
ツボ10の内表面の表面粗さRmaxが30μm以上で
あるので、半導体原料溶融液が黒鉛ルツボ10と石英ル
ツボ16との合せ面隙間に侵入しても、黒鉛ルツボ10
と石英ルツボ16との固着が抑制され、黒鉛ルツボ10
の破損を防止することができる。
に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボにあっては、黒鉛ル
ツボ10の内表面の表面粗さRmaxが30μm以上で
あるので、半導体原料溶融液が黒鉛ルツボ10と石英ル
ツボ16との合せ面隙間に侵入しても、黒鉛ルツボ10
と石英ルツボ16との固着が抑制され、黒鉛ルツボ10
の破損を防止することができる。
【0030】また、表1の No.8〜11に示すように、
黒鉛ルツボ10の内表面全面に機械により表面傷加工処
理を行なった例を比較した場合、単位面積あたりの傷面
積が50%以上である実施例 No.10、11では、黒鉛
ルツボ10に破損は発生せず再使用可能であったのに対
し、単位面積あたりの傷面積が50%未満である比較例
No.8、9では、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだS
iによりが黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固着
し、黒鉛ルツボ10に割れが発生し再使用が不可能とな
った。
黒鉛ルツボ10の内表面全面に機械により表面傷加工処
理を行なった例を比較した場合、単位面積あたりの傷面
積が50%以上である実施例 No.10、11では、黒鉛
ルツボ10に破損は発生せず再使用可能であったのに対
し、単位面積あたりの傷面積が50%未満である比較例
No.8、9では、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだS
iによりが黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固着
し、黒鉛ルツボ10に割れが発生し再使用が不可能とな
った。
【0031】上記した結果から明らかなように、実施例
に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボにあっては、黒鉛ル
ツボ10の内表面に、深さ30μm以上の表面傷が、単
位表面積当り50%以上の割合で形成されているので、
半導体原料溶融液が黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16と
の合せ面隙間に侵入しても、黒鉛ルツボ10と石英ルツ
ボ16との固着が抑制され、黒鉛ルツボ10の破損を防
止することができる。また、表1の No.12〜15に示
すように、黒鉛ルツボ10の内表面の上端から10cm
の範囲全周に表面粗化加工あるいは表面傷加工処理を行
なった場合、表面粗さ(Rmax)が30μm以上であ
る実施例 No.13、15では、黒鉛ルツボ10に破損は
発生せず再使用可能であったのに対し、表面粗さが30
μm未満である比較例 No.12、14では、黒鉛ルツボ
10に割れが発生し再使用が不可能となった。
に係る単結晶引き上げ用黒鉛ルツボにあっては、黒鉛ル
ツボ10の内表面に、深さ30μm以上の表面傷が、単
位表面積当り50%以上の割合で形成されているので、
半導体原料溶融液が黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16と
の合せ面隙間に侵入しても、黒鉛ルツボ10と石英ルツ
ボ16との固着が抑制され、黒鉛ルツボ10の破損を防
止することができる。また、表1の No.12〜15に示
すように、黒鉛ルツボ10の内表面の上端から10cm
の範囲全周に表面粗化加工あるいは表面傷加工処理を行
なった場合、表面粗さ(Rmax)が30μm以上であ
る実施例 No.13、15では、黒鉛ルツボ10に破損は
発生せず再使用可能であったのに対し、表面粗さが30
μm未満である比較例 No.12、14では、黒鉛ルツボ
10に割れが発生し再使用が不可能となった。
【0032】上記した結果から明らかなように、黒鉛ル
ツボ10上端付近でのSi付着に対しては、黒鉛ルツボ
10の内表面上端付近に表面粗化加工あるいは表面傷加
工処理を行うことにより、黒鉛ルツボ10の内表面全面
に処理を行なった場合と同等の効果が得られることがわ
かった。
ツボ10上端付近でのSi付着に対しては、黒鉛ルツボ
10の内表面上端付近に表面粗化加工あるいは表面傷加
工処理を行うことにより、黒鉛ルツボ10の内表面全面
に処理を行なった場合と同等の効果が得られることがわ
かった。
【0033】なお、黒鉛ルツボ10内表面に表面処理を
行わなかった従来の黒鉛ルツボ(比較例 No.1)30で
は、黒鉛ルツボ30上端から入り込んだSiにより黒鉛
ルツボ30と石英ルツボ16とが固着し、黒鉛ルツボ3
0に割れが発生して再使用が不可能となった。
行わなかった従来の黒鉛ルツボ(比較例 No.1)30で
は、黒鉛ルツボ30上端から入り込んだSiにより黒鉛
ルツボ30と石英ルツボ16とが固着し、黒鉛ルツボ3
0に割れが発生して再使用が不可能となった。
【0034】また、比較例に係る、破損が発生した黒鉛
ルツボ10においては、黒鉛ルツボ10上端から入り込
んだSiにより黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固
着していることが確認された。これに対して、実施例に
係る、破損が発生しなかった黒鉛ルツボ10において
は、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだSiが内表面の
円周方向および下方向に広がり、黒鉛ルツボ10に吸収
されたことを示すSiC化した変色部が認められたが、
黒鉛ルツボ10内表面にSiの付着はなく、石英ルツボ
16との固着は発生しなかった。
ルツボ10においては、黒鉛ルツボ10上端から入り込
んだSiにより黒鉛ルツボ10と石英ルツボ16とが固
着していることが確認された。これに対して、実施例に
係る、破損が発生しなかった黒鉛ルツボ10において
は、黒鉛ルツボ10上端から入り込んだSiが内表面の
円周方向および下方向に広がり、黒鉛ルツボ10に吸収
されたことを示すSiC化した変色部が認められたが、
黒鉛ルツボ10内表面にSiの付着はなく、石英ルツボ
16との固着は発生しなかった。
【0035】次に、傷の深さ(表面粗さ)と曲げ強度と
の関係について実験した結果について説明する。図3
(a)は実験に使用した黒鉛材を模式的に示した側面図
であり、図3(b)は下面図である。黒鉛材26は幅x
が20mm、高さyが15mm、長さzが100mmの
ものを用いた。黒鉛材26は黒鉛ルツボ10と同じ材質
のものを用い、嵩密度は1.86g/cm3 であった。
曲げスパンtは80mmとした。試験片の下面に表面傷
25を形成し、3点曲げ強度を測定した結果を図4に示
す。なお、平滑表面での曲げ強度は400kgf/cm
2 であった。また、表面傷形成処理はサンドペーパもし
くは機械加工を用い、三角溝状の表面傷25を黒鉛材2
6の幅方向と平行に端から端まで形成し、表面傷25の
幅は傷深さと同程度に設定した。
の関係について実験した結果について説明する。図3
(a)は実験に使用した黒鉛材を模式的に示した側面図
であり、図3(b)は下面図である。黒鉛材26は幅x
が20mm、高さyが15mm、長さzが100mmの
ものを用いた。黒鉛材26は黒鉛ルツボ10と同じ材質
のものを用い、嵩密度は1.86g/cm3 であった。
曲げスパンtは80mmとした。試験片の下面に表面傷
25を形成し、3点曲げ強度を測定した結果を図4に示
す。なお、平滑表面での曲げ強度は400kgf/cm
2 であった。また、表面傷形成処理はサンドペーパもし
くは機械加工を用い、三角溝状の表面傷25を黒鉛材2
6の幅方向と平行に端から端まで形成し、表面傷25の
幅は傷深さと同程度に設定した。
【0036】図4から明らかなように、表面傷25の深
さが黒鉛材26の高さyの1.5%以上になると強度は
80%以下に低下する。このことから、表面傷25の深
さは黒鉛材26の高さyの1.5%以内であるように形
成するのが望ましいことがわかった。なお、黒鉛材26
の高さyは本実施例における黒鉛ルツボ10の厚みに相
当するものであるが、表1に示した No.8〜11の実験
例における表面粗さRmax(表面傷の深さ)200μ
mとは、黒鉛ルツボ10の厚みに対して1.3%の値と
なり、黒鉛ルツボ10の強度には支障をきたさない。
さが黒鉛材26の高さyの1.5%以上になると強度は
80%以下に低下する。このことから、表面傷25の深
さは黒鉛材26の高さyの1.5%以内であるように形
成するのが望ましいことがわかった。なお、黒鉛材26
の高さyは本実施例における黒鉛ルツボ10の厚みに相
当するものであるが、表1に示した No.8〜11の実験
例における表面粗さRmax(表面傷の深さ)200μ
mとは、黒鉛ルツボ10の厚みに対して1.3%の値と
なり、黒鉛ルツボ10の強度には支障をきたさない。
【0037】また、本実施例においては表面傷25の幅
を表面傷25の深さと同じとしたが、一般に前記値は
0.2〜5倍の範囲であるのが望ましく、0.5〜3倍
の範囲であるのがより好ましい。
を表面傷25の深さと同じとしたが、一般に前記値は
0.2〜5倍の範囲であるのが望ましく、0.5〜3倍
の範囲であるのがより好ましい。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る単結
晶引き上げ用黒鉛ルツボ(1)においては、該黒鉛ルツ
ボ内表面の少なくとも上部の表面粗さRmaxが30μ
m以上であるので、不慮の事故によって半導体原料溶融
液が黒鉛ルツボと石英ルツボの合せ面隙間に侵入して
も、黒鉛ルツボと石英ルツボの固着が抑制され、黒鉛ル
ツボの破損を防止できる。
晶引き上げ用黒鉛ルツボ(1)においては、該黒鉛ルツ
ボ内表面の少なくとも上部の表面粗さRmaxが30μ
m以上であるので、不慮の事故によって半導体原料溶融
液が黒鉛ルツボと石英ルツボの合せ面隙間に侵入して
も、黒鉛ルツボと石英ルツボの固着が抑制され、黒鉛ル
ツボの破損を防止できる。
【0039】また、本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛
ルツボ(2)においては、該黒鉛ルツボ内表面の少なく
とも上部に、深さ30μm以上の表面傷が、単位表面積
当り50%以上の割合で形成されているので、上記した
(1)の場合における効果と同様の効果が得られる。
ルツボ(2)においては、該黒鉛ルツボ内表面の少なく
とも上部に、深さ30μm以上の表面傷が、単位表面積
当り50%以上の割合で形成されているので、上記した
(1)の場合における効果と同様の効果が得られる。
【図1】(a)は本発明の実施例に係る単結晶引き上げ
用黒鉛ルツボの模式的斜視図であり、(b)はその展開
図である。
用黒鉛ルツボの模式的斜視図であり、(b)はその展開
図である。
【図2】(a)は実施例に係る黒鉛ルツボに石英ルツボ
を嵌合し、黒鉛ルツボ上端にSi粉を乗せた様子を示し
た模式的上面図であり、(b)はその縦断面図である。
を嵌合し、黒鉛ルツボ上端にSi粉を乗せた様子を示し
た模式的上面図であり、(b)はその縦断面図である。
【図3】(a)、(b)は表面傷の深さ(表面粗さ)と
曲げ強度との関係についての実験で使用した黒鉛材を示
した模式的側面図及び模式的下面図である。
曲げ強度との関係についての実験で使用した黒鉛材を示
した模式的側面図及び模式的下面図である。
【図4】表面傷の深さ(表面粗さ)と曲げ強度との関係
について実験を行なった結果を示したグラフである。
について実験を行なった結果を示したグラフである。
【図5】従来のCZ法で使用される結晶成長装置を示し
た模式的断面図である。
た模式的断面図である。
【図6】従来の2つに分割された黒鉛ルツボを示す模式
的断面図である。
的断面図である。
10 黒鉛ルツボ 24 表面粗化処理及び/または表面傷形成処理を施し
た部分 25 表面傷
た部分 25 表面傷
Claims (2)
- 【請求項1】 黒鉛ルツボ内表面の少なくとも上部の表
面粗さRmaxが30μm以上であることを特徴とする
単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ。 - 【請求項2】 黒鉛ルツボ内表面の少なくとも上部に、
深さ30μm以上の表面傷が、単位表面積当り50%以
上の割合で形成されていることを特徴とする単結晶引き
上げ用黒鉛ルツボ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28303094A JPH08143390A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28303094A JPH08143390A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08143390A true JPH08143390A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17660315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28303094A Pending JPH08143390A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 単結晶引き上げ用黒鉛ルツボ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08143390A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111771017A (zh) * | 2018-02-28 | 2020-10-13 | 胜高股份有限公司 | 石英玻璃坩埚 |
-
1994
- 1994-11-17 JP JP28303094A patent/JPH08143390A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111771017A (zh) * | 2018-02-28 | 2020-10-13 | 胜高股份有限公司 | 石英玻璃坩埚 |
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