JPH08143177A - 給紙ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】給紙ユニットの積重ね順が制限されることがな
く、駆動源の消費電力及び運転騒音が小さい給紙ユニッ
トを提供する。 【構成】プリンタ１の下部には、積層用紙を収容した給
紙ユニット１０が複数段積み重ねられる。各給紙ユニッ
ト１０は、給紙ローラ１７と、この給紙ローラによって
繰り出された用紙を、その上にある給紙ユニットもしく
はプリンタ１に搬送する搬送ローラ２６と、を備えてい
る。各給紙ユニット１０には、給紙ローラ１７及び搬送
ローラ２６を駆動するためのモータが設けられており、
プリンタ１からの指令によって、各給紙ユニットの搬送
ローラ２６の駆動もしくは給紙ローラ１７及び搬送ロー
ラ２６の駆動が成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、プリンタ等の画像形
成装置の下部に多段的に積重ねられて配置される給紙ユ
ニットに関し、画像形成装置の画像形成部に対して用紙
を給送する、給紙ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】積層用紙を収容した給紙ユニットを、複
数段積み重ねて画像形成装置（以下、プリンタとする）
の下部に配置し、任意の給紙ユニットからプリンタ側に
用紙を給送する技術が、例えば特開平１−２７５３４２
号公報において知られている。各給紙ユニットは、積層
用紙を収容する収容部、積層用紙を１枚に分離する用紙
分離機構、この用紙分離機構によって分離された用紙を
搬送する搬送機構を備えている。

【０００３】各給紙ユニットは、それが選択された場合
に、前記用紙分離機構および搬送機構が駆動され、それ
に収容された用紙をプリンタ側に給送する。この場合、
例えば、２段目の給紙ユニットが選択されたとすると、
１段目の給紙ユニットは、搬送機構のみが駆動され、２
段目の給紙ユニットは、用紙分離機構および搬送機構が
駆動される。すなわち、選択された給紙ユニットの上側
の給紙ユニットは、下段の給紙ユニットから搬送されて
くる用紙を、上側のプリンタに向けて搬送するため、搬
送機構のみが駆動される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の給紙ユニットには、以下の問題点がある。各給紙ユニ
ットの給紙機構および搬送機構を駆動する駆動源は、１
つの給紙ユニット（代表給紙ユニット）内に設けられて
おり、この駆動源によって、その他の給紙ユニットが駆
動される。このため、代表給紙ユニットの駆動源から駆
動力が伝達されるよう、各給紙ユニットは、それぞれが
相互に連結される駆動力伝達機構を備えている。従っ
て、代表給紙ユニットを特定の段（上記従来技術では最
上段）に置く必要が生じ、各給紙ユニットの積重ね順が
制限され、給紙ユニットの組み替えができない。

【０００５】また、１つの駆動源ですべての給紙ユニッ
トを駆動するため、駆動源は、給紙ユニットの積重ねの
最大数を考慮した容量が必要とされる。すなわち、積重
ねる給紙ユニットの数が多ければ、それだけ大型、消費
電力の大きい駆動源が必要とされる。

【０００６】さらに、前記した各給紙ユニット相互を連
結する駆動力伝達機構により、常時積重ねられたすべて
の給紙ユニットが駆動されてしまい、騒音、振動等が発
生する。この発明は、給紙ユニットの積重ね順が制限さ
れることがなく、駆動源の消費電力及び運転騒音が小さ
い給紙ユニットを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の給紙ユニットは、画像形成装置の下部に複数
段積重ね可能に装置され、それぞれ前記画像形成装置の
画像形成部に向けて、分離された用紙を給送するように
構成されており、各給紙ユニットは、積層された用紙の
１枚分離を果たす給紙ローラを備えた用紙分離機構と、
この用紙分離機構によって分離された用紙を、その上段
にある給紙ユニット内もしくは前記画像形成装置本体内
に搬送する搬送ローラを備えた搬送機構と、前記給紙ロ
ーラ及び搬送ローラの駆動を果たす駆動源と、この駆動
源と連結され、前記給紙ローラと搬送ローラとを同時に
駆動可能にすると共に、搬送ローラのみを駆動可能とす
る駆動力伝達機構と、を有することを特徴としている。

【０００８】

【作用】画像形成装置の下部には、積層用紙を収容した
給紙ユニットが複数段積重ねられる。各給紙ユニット
は、積層用紙の１枚分離を果たす給紙ローラと、この給
紙ローラによって繰り出された用紙を、その上にある給
紙ユニットもしくは画像形成装置に搬送する搬送ローラ
と、を備えている。各給紙ユニットには、給紙ローラ及
び搬送ローラを駆動するための駆動源が設けられてお
り、画像形成装置からの指令によって、各給紙ユニット
の搬送ローラの駆動もしくは給紙ローラ及び搬送ローラ
の駆動が成される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好ましい一実施例について、
図面を参照して詳細に説明する。図１は、画像形成装置
であるプリンタ１の下部に、本発明に係る給紙ユニット
１０を２段積み重ねて配置した構成を示している。

【００１０】まず、プリンタの構成に付いて説明する。
プリンタ１の下部には、着脱機構（図示せず）が設けら
れており、給紙ユニット１０が電気的かつ機械的に着脱
自在に接続される。また、プリンタ１の下部には、その
下に配される給紙ユニット側から搬送されてくる用紙を
受け入れる搬送ユニット２が設けられている。搬送ユニ
ット２は、その下に装着された給紙ユニット１０の上面
に形成された用紙排出口と一致する吸入ガイド２ａと、
この吸入ガイド２ａに配された送りローラ対２ｂと、を
有している。プリンタ１の内部には、搬送ガイド３及び
搬送ローラ４対が設けられており、前記送りローラ対２
ｂによって搬送される用紙を、画像形成部である印字部
６に案内する。そして、印字部６で印字された用紙は、
排出ガイド７及び排出ローラ対８を介して、プリンタ１
の外部に設けられたスタッカ（図示せず）に排出され
る。

【００１１】次に、給紙ユニットの構成に付いて説明す
る。給紙ユニット相互は、前記プリンタと給紙ユニット
との接続関係と同様、図示されていない着脱機構によっ
て、電気的かつ機械的に接続される。本実施例では、上
段の給紙ユニット及び下段の給紙ユニットは同一の構成
であるため、下段の給紙ユニットの構成部材に参照符号
を付して、その構成を説明する。

【００１２】給紙ユニット１０の内部には、積層用紙が
収容される用紙収容部１２が設けられている。この用紙
収容部１２は、例えば、紙面と垂直方向に引き出し可能
となっており、この部分を引き出すことによって、図に
示すように押圧板１３上に積層用紙が収容される。

【００１３】給紙ユニット１０の内部には、押圧板１３
上に積層された用紙を１枚に分離する用紙分離機構１５
が設けられている。この用紙分離機構１５は、押圧板１
３の付勢力によって最上の用紙が当接、付勢する給紙ロ
ーラ１７と、最上の用紙の前側両端部が係合する分離爪
１８と、を有する。前記給紙ローラ１７は、給紙ローラ
軸１７ａがモータ（図１では図示せず）によって駆動さ
れることにより、時計方向に駆動される。そして、給紙
ローラ１７によって１枚に分離された用紙は、ガイド１
９に沿って搬送される。なお、本実施例では、用紙分離
機構として、爪分離方式を用いているが、摩擦によって
用紙を分離する方式であっても差支えない。

【００１４】給紙ユニット１０の内部には、前記ガイド
１９と交差するように、略鉛直方向に延出する搬送路２
０が形成されており、この搬送路は、給紙ユニット１０
の下面から上面にかけて貫通し、それぞれの面において
閉塞可能な吸入口２０ａと排出口２０ｂを規定してい
る。この搬送路２０は、給紙ユニット１０が多数段積重
ねられたときに、相互に隣接する給紙ユニットの排出口
と吸入口が一致して、単一の搬送路を形成する。そし
て、最上段の給紙ユニットの搬送路２０の排出口２０ｂ
は、前記プリンタ１の吸入ガイド２ａと一致する。

【００１５】前記搬送路２０には、前記ガイド１９の下
流側において、前記用紙分離機構によって１枚に分離さ
れた用紙を搬送する搬送機構２５が配されている。この
搬送機構２５は、搬送ローラ２６及びこれに当接するピ
ンチローラ２７を有し、前記ガイド１９に沿って搬送さ
れる用紙を挟持し、上段の給紙ユニット（最上段の給紙
ユニットの場合はプリンタ）に搬送する。搬送ローラ２
６は、搬送ローラ軸２６ａが前記モータによって駆動さ
れることにより、時計方向に駆動され、用紙を上方に向
けて搬送する。

【００１６】上記した給紙ローラ１７及び搬送ローラ２
６は、給紙ユニットに設けられたモータ及び駆動力伝達
機構（図示せず）によって駆動される。このモータは、
各給紙ユニットに設けられており、それぞれのモータ
は、プリンタからの指令に基づいて駆動される。この場
合、給紙ユニットは、複数段積重ねられた状態にあるた
め、選択された給紙ユニットは、給紙ローラ１７および
搬送ローラ２６が駆動され、それより上にある給紙ユニ
ットは、搬送ローラ２６のみが駆動されるように構成し
なければならない。このように駆動されるモータ及び駆
動力伝達機構の一例の構成を図２及び図３を参照して説
明する。

【００１７】給紙ユニットのフレームには、図に示すよ
うなギヤトレイン及びモータ３０が取り付けられてお
り、モータ３０の駆動軸に取り付けられたギヤ３０ａが
太陽ギヤ３２と噛合している。太陽ギヤ３２の支持軸に
は、二股アーム３５が取り付けられており、その腕部の
先端には、太陽ギヤ３２に噛合する遊星ギヤ３７，３９
が回転可能に保持されている。遊星ギヤ３７は、二股ア
ーム３５の回動により、前記給紙ローラ軸１７ａに取り
付けられた給紙ローラギヤ１７ｂまたはアイドラギヤ４
１と噛合可能になっている。アイドラギヤ４１は、前記
搬送ローラ軸２６ａに取り付けられた搬送ローラギヤ２
６ｂと噛合している。また、遊星ギヤ３９は、搬送ロー
ラギヤ２６ｂと噛合可能となっており、この両者が噛合
関係にあるときは、前記遊星ギヤ３７は、給紙ローラギ
ヤ１７ｂと噛合関係にある。

【００１８】上記構成において、モータ３０が正転駆動
されると、図２に示すように、太陽ギヤ３２は、時計回
りに駆動され、これに伴い、二股アーム３５は時計回り
に回動され、遊星ギヤ３７，３９は、それぞれ給紙ロー
ラギヤ１７ｂ、搬送ローラギヤ２６ｂと噛合する。この
結果、給紙ローラギヤ１７ｂ，搬送ローラギヤ２６ｂ
は、共に図の矢印で示す方向に駆動され、これらに取り
付けられている給紙ローラ１７及び搬送ローラ２６は、
用紙搬送方向に駆動される。また、モータ３０が逆回転
されると、図３に示すように、遊星ギヤ３９は、搬送ロ
ーラギヤ２６ｂから外れ、遊星ギヤ３７がアイドラギヤ
４１と噛合する。この結果、搬送ローラ２６のみに用紙
搬送方向への駆動力が伝達される。このように、簡単な
構成によって、搬送ローラ２６のみ、あるいは搬送ロー
ラ２６及び給紙ローラ１７を駆動することができる。も
ちろん、例えば、給紙ローラギヤ１７ｂの部分にクラッ
チ機構を設けて、その給紙ユニットが選択されなかった
場合に、給紙ローラギヤ１７ｂへの駆動力の伝達をＯＦ
Ｆするように構成しても良い。このようなクラッチ機構
を設ければ、モータの同一方向の回転のみで上記動作を
行うことができる。

【００１９】各給紙ユニットのモータの駆動は、プリン
タ側の制御手段（図示せず）によって制御される。この
場合、選択された給紙ユニットのモータは正転駆動さ
れ、それより上にある給紙ユニットのモータは反転駆動
される。また、それより下にある給紙ユニットのモータ
は駆動されない。すなわち、必要な給紙ユニットのモー
タのみが駆動されるため、全体の消費電力を節約するこ
とができる。

【００２０】以上のように、各給紙ユニットにモータを
設けたため、給紙ユニット相互で連結される駆動力伝達
機構を設ける必要がなくなり、給紙ユニットの積重ね
順、組み合わせに制限されることなく、必要に応じた組
み付けが可能になる。また、実施例に示すように、駆動
力伝達機構の構成を簡略化することができ、騒音、振動
の発生が防止される。

【００２１】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は、上記実施例に限定されることはなく、種々変形す
ることが可能である。例えば、各給紙ユニットは、単一
のケーシング内にそれぞれが引き出されるように構成さ
れていても良い。また、各給紙ユニットの駆動源から、
給紙ローラ及び搬送ローラに駆動力を伝達するための機
構は、図２に示される構成に限定されることはない。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、各給紙
ユニットに駆動源を設けたため、給紙ユニットの積重ね
順が制限されることはない。また、必要な給紙ユニット
の駆動源が駆動されるため、全体の消費電力を節約で
き、騒音、振動の発生が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る給紙ユニットが、プリンタに対し
て２段積重ねられた状態を示す図。

【図２】各給紙ユニットに設けられる駆動源および駆動
力を伝達する機構を示し、給紙ローラおよび搬送ローラ
が駆動される状態を示す図。

【図３】各給紙ユニットに設けられる駆動源および駆動
力を伝達する機構を示し、搬送ローラが駆動される状態
を示す図。

【符号の説明】

１…画像形成装置（プリンタ）、１０…給紙ユニット、
１５…用紙分離機構、１７…給紙ローラ、１７ａ…給紙
ローラ軸、１７ｂ…給紙ローラギヤ、１８…分離爪、２
５…搬送機構、２６…搬送ローラ、２６ａ…搬送ローラ
軸、２６ｂ…搬送ローラギヤ、３２…太陽ギヤ、３５…
二股アーム、３７，３９…遊星ギヤ、４１…アイドラギ
ヤ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像形成装置の下部に複数段積重ね可能
   に装置され、それぞれ積層用紙を収容する給紙ユニット
   であり、前記画像形成装置の画像形成部に向けて、分離
   された用紙を給送する給紙ユニットにおいて、 積層された用紙の１枚分離を果たす給紙ローラを備えた
   用紙分離機構と、 この用紙分離機構によって分離された用紙を、その上段
   にある給紙ユニット内もしくは前記画像形成装置本体内
   に搬送する搬送ローラを備えた搬送機構と、 前記給紙ローラ及び搬送ローラの駆動を果たす駆動源
   と、 この駆動源と連結され、前記給紙ローラと搬送ローラと
   を同時に駆動可能にすると共に、搬送ローラのみを駆動
   可能とする駆動力伝達機構と、を有することを特徴とす
   る給紙ユニット。
2. 【請求項２】 前記駆動源は、正転／反転するように構
   成されており、前記駆動力伝達機構は、前記駆動源によ
   って駆動される太陽ギヤと、この太陽ギヤに設けられ、
   それぞれ太陽ギヤに噛合する第１の遊星ギヤと第２の遊
   星ギヤとを保持した二股アームと、を有しており、 前記駆動源が正転した時に、前記第１の遊星ギヤが前記
   給紙ローラの駆動ギヤに噛合すると共に、前記第２の遊
   星ギヤが搬送ローラの駆動ギヤに噛合し、前記駆動源が
   反転した時に、前記第１の遊星ギヤが前記搬送ローラの
   駆動ギヤと噛合するアイドラギヤに噛合することを特徴
   とする請求項１に記載の給紙ユニット。
3. 【請求項３】 前記駆動力伝達機構は、前記駆動源と前
   記給紙ローラの駆動ギヤとの間に配されたクラッチ機構
   を有し、前記給紙ローラへの駆動力を継脱することを特
   徴とする、請求項１に記載の給紙ユニット。