JPH08142544A - 写真貼着カードの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面には自分の好みの写真等を有したカード
を、裏面の識別用マーク等が体裁良く配置され縁部も奇
麗に一致した状態にして形成することができ、写真の位
置決めも簡単であり大量に製造しても打ち抜き刃の切れ
味を損わない技術の提供。 【構成】 裏面周囲に打ち抜き用幅部を残して識別用の
マーク、数字、文字等を印刷して形成したカード裏面材
用大型紙１の表面２に樹脂の加熱接着材による接着層を
設け、表面に写真８を焼付けて前記カード裏面材の打ち
抜き寸法より大きく形成したカード表面材７の裏面を前
記カード裏面材用大型紙１の表面２に面合して両材を加
熱接着した後、前記打ち抜き用幅部をカード表面材７ご
と打ち抜く構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トランプ、カルタ、タ
ロットカード、教育用カード等が自分の好みのオリジナ
ルな表面を有するように形成する写真貼着カードの製造
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のカードの製造方法では、
実開昭５５−１５４０６３号公報にゲーム用カードとし
て開示されたものがある。これは、自分の好む写真、図
面、その他をプリントした表面材を、ゲームに要求され
る図形、記号、その他をプリントした裏面材に接着して
設けたものである。また、ゲームに要求される所定枚数
分のカードを作成可能な一枚の大型に形成した後、これ
を各カードごとに裁断して設けるようにしていた。

【０００３】また、実開平６−４２２１８号公報に開示
された写真貼着可能なゲーム用カードでは、表面にゲー
ム表示を印刷したカード表紙の裏面に感圧接着剤を塗布
して剥離可能なカード裏紙を貼着しておき、このカード
裏紙を剥がして使用者の好きな写真を貼着するようにし
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法では好みの写真その他を貼付けるだけであるから、縁
を揃えるため写真の大きさを貼付け側に合せて誤差のな
いように切断するのは困難であるし、数が多いと大変手
間がかかるという問題がある。コーナーにアールがある
と尚更である。また、縁がずれないように貼り合せるの
も困難であるし、貼り合わせた後、ずれてしまった縁を
そろえるため、この縁部を切断すると図形やゲーム表示
側がその分狭くなって体裁が悪くなったりするという問
題がある。写真等を複数連ねて一枚にしたものを貼付け
て切断するものでは、そのように透き間なく配列した写
真の焼付けには手間がかかる、等の問題がある。また、
感圧接着剤を使用したものを切断していくと、そのう
ち、この接着剤が刃に付着し、その後の切れ味を悪くす
るという問題がある。

【０００５】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的とするところは、表面には
自分の好みの写真または写真のコピーを有したカード
を、裏面の識別用のマーク、数字、文字等が体裁良く配
置された状態にして形成することができ、また、表面材
と裏面材との縁部が奇麗に一致した状態にして形成する
ことができ、また、表面材接着時の位置決めを簡単にす
ることができると共に、打ち抜き刃の切れ味を損わない
写真貼着カードの製造方法を提供することにある。

【０００６】また、効率が良いように多数のカードを同
時に製造しても、いずれのカードも識別用のマーク等が
欠けることなく同じ状態で体裁よく配置され、かつ縁部
を奇麗に設けることができる写真貼着カードの製造方法
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として本発明請求項１記載の写真貼着カードの製
造方法では、裏面周囲に打ち抜き用幅部を残して識別用
のマーク、数字、文字等を印刷して形成したカード裏面
材の表面に樹脂の加熱接着材による接着層を設け、表面
に写真を焼付けまたはコピーして前記カード裏面材の打
ち抜き寸法より大きく形成したカード表面材の裏面を前
記カード裏面材の表面に面合して両材を加熱接着した
後、前記打ち抜き用幅部をカード表面材ごと打ち抜くこ
ととした。

【０００８】請求項２記載の写真貼着カードの製造方法
では、前記カード裏面材の表面に前記カード表面材の貼
付け位置を表示することとした。

【０００９】請求項３記載の写真貼着カードの製造方法
では、前記カード裏面材を大きく形成して一枚で複数の
カードを打ち抜き可能に前記識別用のマーク等の印刷を
複数列行うと共に該カード裏面材の表面に前記カード表
面材を打ち抜き位置ごとに接着し、前記カード裏面材の
打ち抜き位置に一致して矩形状刃を複数整列配置した打
ち抜き刃で打ち抜くこととした。

【００１０】

【作用】請求項１記載の写真貼着カードの製造方法で
は、表面材と裏面材とを合せて加熱接着し、打ち抜き用
幅部をカード表面材ごと打ち抜いている。従って打ち抜
かれたカードの方は両材の縁部が奇麗に一致している
し、識別用のマーク等もカード内に奇麗に収まってい
る。また、樹脂の加熱接着材は、打ち抜き時に感圧接着
剤の粘着材が打ち抜き刃に付着して切れ味を落とすとい
うようなことがないから、多数のカードでも奇麗に効率
よく打ち抜き形成することができる。

【００１１】請求項２記載の写真貼着カードの製造方法
では、貼付け位置の表示に合せてカード表面材を面合す
ることにより、打ち抜き幅部を避けて識別用マーク等を
正しく配置し奇麗なカードを形成することができる。

【００１２】請求項３記載の写真貼着カードの製造方法
では、識別用マーク等が正しく配置され縁部が揃った奇
麗なカードを同時に複数形成することができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図２はカード裏面材用大型紙１の表面２を
示しており、図中３は後述する写真８の貼付け位置を表
示する矩形状の枠であり、あらかじめ設定したカード打
ち抜き大きさ９に、打ち抜き幅部１０を周囲に設けた大
きさに設定し、前記カード裏面材用大型紙１の表面２に
整列して複数列印刷したものである。そして、この表面
２には、図４に示すように、加熱接着用（ホットメルト
型）の樹脂フィルム４ａを貼付することにより、接着層
４が全面に設けられている。尚、この加熱接着用樹脂フ
ィルム４ａは半透明であり、前記貼付け位置を表示する
枠３は、このフィルムを透して表示される。

【００１４】このカード裏面材用大型紙１の裏面５に
は、図３に示すように、トランプのマーク６が前記貼付
け位置の表示３内に対応した位置に、かつカード打ち抜
き大きさ９より狭い範囲にそれぞれ印刷されている。ま
た、この裏面５はマーク６の印刷後、滑りを良くするた
めのワニスが塗布されている。

【００１５】図５はカード表面材７としての写真８を示
しており、同一のネガから同一大きさで５３枚の印画紙
に焼付けて設けたものである。この写真８は、前記貼付
け位置を示す枠３より狭く、かつ、打ち抜き大きさ９よ
り広く形成されている。

【００１６】図６は図１に示すプレス装置１１の打ち抜
き刃１２を示しており、前記プレス装置１１の可動枠１
３に固定される平板１４に、矩形状の刃部１５が整列し
て複数列固設されている。この刃部１５の縦横の大きさ
が前記カード打ち抜き大きさ９となる。

【００１７】次に、図１は写真貼着カードの製造工程を
示しており、自分の好みの写真８でトランプカードを製
造する場合、まず、同図（イ）に示すように、カード裏
面材用大型紙１の表面２の貼付け位置表示枠３内に、前
記写真８をそれぞれ少しの糊、両面テープ等を使用して
仮固定する。写真８を全ての貼付け位置表示枠３内に仮
固定した後、同図（ロ）に示すように、このカード裏面
材用大型紙１を加熱ローラ１６，１６の間を加圧しなが
ら通過させる。これによって、写真８は接着層４によっ
てカード裏面材用大型紙１の表面に強固に接着されるこ
とになる。このように形成したカード裏面材用大型紙１
を、同図（ハ）に示すように、プレス装置１１に位置決
めした後、打ち抜き刃１２で全面打ち抜く。

【００１８】図７（イ），（ロ）は、この製造工程によ
り設けられた写真貼着カード１７の表面および裏面を示
しており、写真８がカード表面材７となり、そのカード
全体の縁部１８は、打ち抜きによりズレのない切断面と
なっている。図中１ａが写真貼着カードとしての裏面材
である。

【００１９】以上、説明してきたように本実施例では、
カード裏面材が大型でマーク位置が見えなくても写真は
貼付け表示枠３を目安に仮固定するだけで全て正確に位
置決めできるし、誰でも簡単にできる。写真８とカード
裏面材用大型紙１とは、加熱と加圧によって接着する樹
脂フイルムにより、カードとしての適当なしなやかさを
損なわないように、かつ強固に一体化させることができ
る。カード裏面材用大型紙１をカードごとに切り離すと
き、写真８より狭く、かつマーク６の表示より広い範囲
で打ち抜くので、写真が少々ずれていたにしても縁部１
８が奇麗に揃い、マーク６もずれないように位置させる
ことができる。また、前記打ち抜き時は、接着剤として
の樹脂フイルムは刃部１５には付着しないので、該刃部
１５の切れ味を損うことがない。カード裏面材用大型紙
１、その表面の張り付け表示枠３、樹脂フイルムによる
接着層４、打ち抜き刃１２を備えたプレス装置１１等の
採用により、自分の好みの写真８を表面にし、かつ縁部
が奇麗なカードを同時に複数枚ずつ製造していくことが
できる。

【００２０】以上、本発明の実施例を説明してきたが、
本発明の具体的な構成はこの実施例に限定されるもので
はなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などが
あっても本発明に含まれる。

【００２１】例えば、実施例では、カードはカード裏面
材用大型紙１によって複数枚同時に製造するとしたが、
これに限らず、カード裏面材をカード一枚打ち抜く大き
さに設けて一枚ずつ製造するようにしてもよい。

【００２２】カード表面材として印画紙に焼きつけた写
真を使用するとしたが、写真をカラーコピーしたものを
使用してもよい。この場合、カード裏面材のマーク印刷
面にはワニスを塗布せず、加熱接着時にこの面とカラー
コピー面とにラミネートフイルムを被覆しておき一体に
接着させると良い。

【００２３】接着層４は加熱接着用の樹脂フイルム４ａ
を貼付けるとしたが、このような樹脂を塗布して設ける
こともできる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項１
記載の写真貼付カードの製造方法にあっては、前記構成
としたため、自分の好みの写真、またはそれをコピーし
たものを表面材としたカードを製造することができる。
カードは打ち抜きによって縁部が奇麗に一致している
し、識別用のマーク等もカード内に奇麗に収めることが
できる。加熱接着材は、打ち抜き時に感圧接着剤の粘着
材が打ち抜き刃に付着して切れ味を落とすというような
ことがないから、多数のカードでも奇麗に効率よく打ち
抜き形成することができるし、カードとしての適当なし
なやかさを損なわないように、かつ強固に一体化させる
ことができる等の効果が得られる。

【００２５】請求項２記載の写真貼付カードの製造方法
にあっては、前記構成としたため、貼付け位置の表示に
合せてカード表面材を面合することにより、打ち抜き幅
部を避けて識別用マーク等を正しく配置し奇麗なカード
を形成することができるという効果が得られる。

【００２６】請求項３記載の写真貼付カードの製造方法
にあっては、前記構成としたため、識別用マーク等が正
しく配置され縁部が揃った奇麗なカードを同時に複数形
成することができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る写真貼着カードの製造
方法を示す説明図である。

【図２】実施例のカード裏面材大型紙の表面を示す正面
図である。

【図３】実施例のカード裏面材大型紙の裏面を示す肺面
図である。

【図４】実施例のカード裏面材大型紙の一部を示す断面
図である。

【図５】実施例のカード表面材としての写真を示す断面
図である。

【図６】実施例の打ち抜き刃を示す正面図である。

【図７】（ア）実施例の打ち抜いたカードを示す正面図
である。 （イ）実施例の打ち抜いたカードを示す背面図である。

【符号の説明】

１ カード裏面材用大型紙 １ａ カード裏面材 ２ カード裏面材用大型紙の表面 ３ カード裏面材用大型紙の表面に設けた貼り付け位置
表示枠 ４ 接着層 ４ａ 接着層を設けるための樹脂フイルム ５ カード裏面材用大型紙の裏面 ６ トランプのマーク（識別用のマーク） ７ カード表面材 ８ 写真 ９ カード打ち抜き大きさ １０ 打ち抜き幅部 １２ 打ち抜き刃 １６ 加熱ローラ １７ 写真貼着カード １８ 縁部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面周囲に打ち抜き用幅部を残して識別
   用のマーク、数字、文字等を印刷して形成したカード裏
   面材の表面に樹脂の加熱接着材による接着層を設け、表
   面に写真を焼付けまたはコピーして前記カード裏面材の
   打ち抜き寸法より大きく形成したカード表面材の裏面を
   前記カード裏面材の表面に面合して両材を加熱接着した
   後、前記打ち抜き用幅部をカード表面材ごと打ち抜くこ
   とを特徴とした写真貼着カードの製造方法。
2. 【請求項２】 前記カード裏面材の表面に前記カード表
   面材の貼付け位置を表示した請求項１記載の写真貼着カ
   ードの製造方法。
3. 【請求項３】 前記カード裏面材を大きく形成して一枚
   で複数のカードを打ち抜き可能に前記識別用のマーク等
   の印刷を複数列行うと共に該カード裏面材の表面に前記
   カード表面材を打ち抜き位置ごとに接着し、前記カード
   裏面材の打ち抜き位置に一致して矩形状刃を複数整列配
   置した打ち抜き刃で打ち抜くことを特徴とした請求項１
   または２記載の写真貼着カードの製造方法。