JPH08141634A - 複合材押出用ニップル - Google Patents
複合材押出用ニップルInfo
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- JPH08141634A JPH08141634A JP28339594A JP28339594A JPH08141634A JP H08141634 A JPH08141634 A JP H08141634A JP 28339594 A JP28339594 A JP 28339594A JP 28339594 A JP28339594 A JP 28339594A JP H08141634 A JPH08141634 A JP H08141634A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 焼付きを防止し生産性を向上させた、複合材
押出用ニップルを提供する。 【構成】 芯線10導入部のニップル9、導入した芯線10
の外周に押出素材5を複合する集合室8、芯線10周囲に
複合された押出素材5を所定形状に成形するダイス12を
主要構成部とする複合材押出機の前記ニップル9におい
て、前記ニップル9の少なくとも集合室8寄りの内面
に、高強度セラミックス材及び非粘着性セラミックス材
が順次層状にコーティングされている。 【効果】 ニップル9上に高強度セラミックス材及び非
粘着性セラミックス材が順次層状にコーティングされて
いるので、芯線10とニップル9の接触による焼付きが長
期間防止され、生産性が向上する。
押出用ニップルを提供する。 【構成】 芯線10導入部のニップル9、導入した芯線10
の外周に押出素材5を複合する集合室8、芯線10周囲に
複合された押出素材5を所定形状に成形するダイス12を
主要構成部とする複合材押出機の前記ニップル9におい
て、前記ニップル9の少なくとも集合室8寄りの内面
に、高強度セラミックス材及び非粘着性セラミックス材
が順次層状にコーティングされている。 【効果】 ニップル9上に高強度セラミックス材及び非
粘着性セラミックス材が順次層状にコーティングされて
いるので、芯線10とニップル9の接触による焼付きが長
期間防止され、生産性が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム被覆鋼線
や銅被覆鋼線等の複合線材を押出す際、芯線(鋼線)が
ニップル内面に焼付いたりしない複合材押出用ニップル
に関する。
や銅被覆鋼線等の複合線材を押出す際、芯線(鋼線)が
ニップル内面に焼付いたりしない複合材押出用ニップル
に関する。
【0002】
【従来の技術】複合材押出機は、芯線を導入するニップ
ル、導入された芯線の外周に押出素材を複合する集合
室、芯線周囲に押出素材が複合された複合素材を所定形
状に成形するダイスを主要構成部とするもので、例え
ば、アルミニウム被覆鋼線の製造に多用されているコン
フォーム押出機は、図1に示す構造のものである。即
ち、回転ホイール1の周縁に設けられたエンドレス溝2
と前記エンドレス溝2に係合する固定シューブロック3
とにより通路4を形成し、通路4内に押出素材5を連続
的に供給し、前記回転ホイール1の回転に伴い前記押出
素材5とエンドレス溝2内面との間に生じる摩擦抵抗に
よって前記押出素材5に押出圧力を発生させ、更にこれ
をアバットメント6内に設けたサブコンテナ7及びその
奥の集合室8で押出相当圧力に高め、前記集合室8に、
ニップル9を通して芯線10を導入して、芯線10の外周に
押出素材5を複合し、この複合体をダイス12を通して複
合線11に成形するものである。尚、前記ニップル9は、
アルミニウム被覆鋼線を押出す場合で、 500℃前後の高
温に加熱される。
ル、導入された芯線の外周に押出素材を複合する集合
室、芯線周囲に押出素材が複合された複合素材を所定形
状に成形するダイスを主要構成部とするもので、例え
ば、アルミニウム被覆鋼線の製造に多用されているコン
フォーム押出機は、図1に示す構造のものである。即
ち、回転ホイール1の周縁に設けられたエンドレス溝2
と前記エンドレス溝2に係合する固定シューブロック3
とにより通路4を形成し、通路4内に押出素材5を連続
的に供給し、前記回転ホイール1の回転に伴い前記押出
素材5とエンドレス溝2内面との間に生じる摩擦抵抗に
よって前記押出素材5に押出圧力を発生させ、更にこれ
をアバットメント6内に設けたサブコンテナ7及びその
奥の集合室8で押出相当圧力に高め、前記集合室8に、
ニップル9を通して芯線10を導入して、芯線10の外周に
押出素材5を複合し、この複合体をダイス12を通して複
合線11に成形するものである。尚、前記ニップル9は、
アルミニウム被覆鋼線を押出す場合で、 500℃前後の高
温に加熱される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図2は、前記コンフォ
ーム押出機の主要構成部の説明図である。鋼線等の芯線
10を導入するニップル9、導入した芯線10の外周にアル
ミニウム等の押出素材を複合する集合室8、芯線10周囲
に複合された押出素材を所定形状に成形するダイス12か
らなる。芯線10はニップル9の芯線導入部13を通って集
合室8へ進入する。芯線10と、ニップル9の芯線導入部
13とのクリアランスは、得られる複合線11の偏肉防止及
びメタルの逆流防止の為 0.2〜0.3 mmに狭くしてある。
このようにクリアランスが狭い為に、芯線10は、集合室
内の圧力変動により片側に押されてニップル9内面に接
触する。一方、芯線10は押出素材との密着性を高める為
に、脱脂、研磨後、窒素ガス雰囲気中で 200〜400 ℃の
温度に高周波加熱されてからニップル9に導入される。
このように表面が活性化した芯線10が、高温に加熱され
たニップル9の内面に接触するとニップル9内面に焼付
きが生じ、芯線10には欠陥が生じる。この欠陥は、のち
の伸線工程で断線の原因になる。ニップル内面の焼付き
が更に激しくなると押出中に芯線10が断線するようにな
る。前記伸線中又は押出中の断線は生産性を著しく低下
させた。このような問題はコンフォーム以外の通常の油
圧式押出機等においても発生した。本発明は、焼付きに
よる鋼線等の芯線の損傷を防止し生産性を向上させた、
複合材押出用ニップルの提供を目的とする。
ーム押出機の主要構成部の説明図である。鋼線等の芯線
10を導入するニップル9、導入した芯線10の外周にアル
ミニウム等の押出素材を複合する集合室8、芯線10周囲
に複合された押出素材を所定形状に成形するダイス12か
らなる。芯線10はニップル9の芯線導入部13を通って集
合室8へ進入する。芯線10と、ニップル9の芯線導入部
13とのクリアランスは、得られる複合線11の偏肉防止及
びメタルの逆流防止の為 0.2〜0.3 mmに狭くしてある。
このようにクリアランスが狭い為に、芯線10は、集合室
内の圧力変動により片側に押されてニップル9内面に接
触する。一方、芯線10は押出素材との密着性を高める為
に、脱脂、研磨後、窒素ガス雰囲気中で 200〜400 ℃の
温度に高周波加熱されてからニップル9に導入される。
このように表面が活性化した芯線10が、高温に加熱され
たニップル9の内面に接触するとニップル9内面に焼付
きが生じ、芯線10には欠陥が生じる。この欠陥は、のち
の伸線工程で断線の原因になる。ニップル内面の焼付き
が更に激しくなると押出中に芯線10が断線するようにな
る。前記伸線中又は押出中の断線は生産性を著しく低下
させた。このような問題はコンフォーム以外の通常の油
圧式押出機等においても発生した。本発明は、焼付きに
よる鋼線等の芯線の損傷を防止し生産性を向上させた、
複合材押出用ニップルの提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
芯線導入部のニップル、導入した芯線の外周に押出素材
を複合する集合室、芯線周囲に複合された押出素材を所
定形状に成形するダイスを主要構成部とする複合材押出
機の前記ニップルにおいて、前記ニップルの少なくとも
集合室寄りの内面に、高強度セラミックス材及び非粘着
性セラミックス材が順次層状にコーティングされている
ことを特徴とする複合材押出用ニップルである。
芯線導入部のニップル、導入した芯線の外周に押出素材
を複合する集合室、芯線周囲に複合された押出素材を所
定形状に成形するダイスを主要構成部とする複合材押出
機の前記ニップルにおいて、前記ニップルの少なくとも
集合室寄りの内面に、高強度セラミックス材及び非粘着
性セラミックス材が順次層状にコーティングされている
ことを特徴とする複合材押出用ニップルである。
【0005】この発明は、ニップル内面上に高強度セラ
ミックス材層を、その上に非粘着性セラミックス材層を
コーティングして芯線のニップル内面への焼付きを防止
したものである。非粘着性セラミックス材層を高強度セ
ラミックス材層の上、つまり芯線10と接触する側にコー
ティングするのは、表面活性な芯線の焼付きを防止する
為である。高強度セラミックス材層を、前記非粘着性セ
ラミックス材層の下にコーティングするのは、非粘着性
セラミックス材層とニップル内面との密着性を高める為
である。高強度セラミックス材及び非粘着性セラミック
ス材は、少なくとも芯線が接触する集合室寄り部分にコ
ーティングする。ニップル内面全体にコーティングして
もよいが不経済である。この発明は、WC−Co系合
金、SKD61合金等の任意の材料のニップルに適用でき
る。高強度セラミックス材には高温下で高強度のTi
C、TiCN、SiC、WC、ZrC、B4 C等が用い
られる。非粘着性セラミックス材には高温下で芯線(鋼
線等)と非粘着性のTiN、Al2 O3 、BN、AlN
等が用いられる。
ミックス材層を、その上に非粘着性セラミックス材層を
コーティングして芯線のニップル内面への焼付きを防止
したものである。非粘着性セラミックス材層を高強度セ
ラミックス材層の上、つまり芯線10と接触する側にコー
ティングするのは、表面活性な芯線の焼付きを防止する
為である。高強度セラミックス材層を、前記非粘着性セ
ラミックス材層の下にコーティングするのは、非粘着性
セラミックス材層とニップル内面との密着性を高める為
である。高強度セラミックス材及び非粘着性セラミック
ス材は、少なくとも芯線が接触する集合室寄り部分にコ
ーティングする。ニップル内面全体にコーティングして
もよいが不経済である。この発明は、WC−Co系合
金、SKD61合金等の任意の材料のニップルに適用でき
る。高強度セラミックス材には高温下で高強度のTi
C、TiCN、SiC、WC、ZrC、B4 C等が用い
られる。非粘着性セラミックス材には高温下で芯線(鋼
線等)と非粘着性のTiN、Al2 O3 、BN、AlN
等が用いられる。
【0006】請求項2記載の発明は、高強度セラミック
ス材が炭化チタニウム又は炭窒化チタニウムの少なくと
もいずれかであり、非粘着性セラミックス材が窒化チタ
ニウム又は酸化アルミニウムの少なくともいずれかであ
ることを特徴とする請求項1記載の複合材押出用ニップ
ルである。非粘着性セラミックス材には主に金属窒化物
が用いられるが、特にTiN(窒化チタニウム)は、高
温下での鋼線との非粘着性に優れている。高強度セラミ
ックス材には主に金属炭化物が用いられるが、特にTi
C(炭化チタニウム)は、SKD61合金製ニップル等の
内面とTiN層との高温下での密着性向上に効果があ
る。
ス材が炭化チタニウム又は炭窒化チタニウムの少なくと
もいずれかであり、非粘着性セラミックス材が窒化チタ
ニウム又は酸化アルミニウムの少なくともいずれかであ
ることを特徴とする請求項1記載の複合材押出用ニップ
ルである。非粘着性セラミックス材には主に金属窒化物
が用いられるが、特にTiN(窒化チタニウム)は、高
温下での鋼線との非粘着性に優れている。高強度セラミ
ックス材には主に金属炭化物が用いられるが、特にTi
C(炭化チタニウム)は、SKD61合金製ニップル等の
内面とTiN層との高温下での密着性向上に効果があ
る。
【0007】請求項3記載の発明は、炭化チタニウム層
又は炭窒化チタニウム層の少なくともいずれかの層、及
び窒化チタニウム層又は酸化アルミニウム層の少なくと
もいずれかの層が、それぞれ1μm以上の厚さにコーテ
ィングされていることを特徴とする請求項2記載の複合
材押出用ニップルである。炭化チタニウム(TiC)層
又は炭窒化チタニウム(TiCN)層は、そのコーティ
ング厚さが1μm未満では、その窒化チタニウム(Ti
N)層又は酸化アルミニウム (Al2 O3)層の剥離防止
効果が十分に得られず、窒化チタニウム層又は酸化アル
ミニウム層は、その厚さが1μm未満では、その焼付防
止効果が十分に得られない。従って、いずれの層も1μ
m以上の厚さにコーティングするのが好ましい。コーテ
ィング層を1μmを超えてあまり厚くしても、その効果
は飽和し不経済である。
又は炭窒化チタニウム層の少なくともいずれかの層、及
び窒化チタニウム層又は酸化アルミニウム層の少なくと
もいずれかの層が、それぞれ1μm以上の厚さにコーテ
ィングされていることを特徴とする請求項2記載の複合
材押出用ニップルである。炭化チタニウム(TiC)層
又は炭窒化チタニウム(TiCN)層は、そのコーティ
ング厚さが1μm未満では、その窒化チタニウム(Ti
N)層又は酸化アルミニウム (Al2 O3)層の剥離防止
効果が十分に得られず、窒化チタニウム層又は酸化アル
ミニウム層は、その厚さが1μm未満では、その焼付防
止効果が十分に得られない。従って、いずれの層も1μ
m以上の厚さにコーティングするのが好ましい。コーテ
ィング層を1μmを超えてあまり厚くしても、その効果
は飽和し不経済である。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、芯線導入部のニップ
ル、導入した芯線の外周に押出素材を複合する集合室、
芯線周囲に複合された押出素材を所定形状に成形するダ
イスを主要構成部とする複合材押出機の前記ニップルに
おいて、前記ニップルの少なくとも集合室寄りの内面
に、高強度セラミックス材及び非粘着性セラミックス材
が順次層状にコーティングされている。従って、非粘着
性セラミックス材層により芯線の焼付が防止され、高強
度セラミックス材層により前記非粘着性セラミックス材
層とニップルとの密着性が保持され、長期に渡り、芯線
のニップルへの焼付による該芯線の損傷が防止される。
請求項2記載の発明では、非粘着性セラミックス材に、
高温下での芯線(鋼線等)との非粘着性が特に優れたT
iN又はAl2 O3 を用い、高強度セラミックス材に、
SKD61合金製等のニップル内面とTiN層又はAl2
O3 層との高温下での密着性向上に特に優れたTiC又
はTiCNを用いるので、ニップル内面の焼付がより長
期間防止される。請求項3記載の発明では、非粘着性セ
ラミックス材のTiN層又はAl2 O3層、及び高強度
セラミックス材のTiC層又はTiCN層の厚さを、そ
れぞれ焼付防止効果が得られる1μm以上に限定したの
で、焼付防止を、高信頼性、低コストで達成可能であ
る。
ル、導入した芯線の外周に押出素材を複合する集合室、
芯線周囲に複合された押出素材を所定形状に成形するダ
イスを主要構成部とする複合材押出機の前記ニップルに
おいて、前記ニップルの少なくとも集合室寄りの内面
に、高強度セラミックス材及び非粘着性セラミックス材
が順次層状にコーティングされている。従って、非粘着
性セラミックス材層により芯線の焼付が防止され、高強
度セラミックス材層により前記非粘着性セラミックス材
層とニップルとの密着性が保持され、長期に渡り、芯線
のニップルへの焼付による該芯線の損傷が防止される。
請求項2記載の発明では、非粘着性セラミックス材に、
高温下での芯線(鋼線等)との非粘着性が特に優れたT
iN又はAl2 O3 を用い、高強度セラミックス材に、
SKD61合金製等のニップル内面とTiN層又はAl2
O3 層との高温下での密着性向上に特に優れたTiC又
はTiCNを用いるので、ニップル内面の焼付がより長
期間防止される。請求項3記載の発明では、非粘着性セ
ラミックス材のTiN層又はAl2 O3層、及び高強度
セラミックス材のTiC層又はTiCN層の厚さを、そ
れぞれ焼付防止効果が得られる1μm以上に限定したの
で、焼付防止を、高信頼性、低コストで達成可能であ
る。
【0009】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)図1に示したコンフォーム押出機を用いて
アルミニウム被覆鋼線を製造した。ニップルにはSKD
61合金製のニップルを用いた。このニップル内面の芯線
が接触する可能性のある集合室寄りの部位にTiC層と
TiN層を順次化学蒸着法によりコーティングした。鋼
線(線径3.24mmφ) は、ニップル導入直前に、アルカリ
脱脂、表面研磨、超音波洗浄による研磨粉除去の前処理
を行い、更に、窒素ガス雰囲気中で 200〜300 ℃に高周
波加熱した。押出速度は40m/min.とした。押出素材には
9.5mmφの純アルミニウム線を用いた。TiC層とTi
N層のコーティング厚さは種々に変化させた。押出材の
線径は3.96mmφ又は4.25mmφとした。
る。 (実施例1)図1に示したコンフォーム押出機を用いて
アルミニウム被覆鋼線を製造した。ニップルにはSKD
61合金製のニップルを用いた。このニップル内面の芯線
が接触する可能性のある集合室寄りの部位にTiC層と
TiN層を順次化学蒸着法によりコーティングした。鋼
線(線径3.24mmφ) は、ニップル導入直前に、アルカリ
脱脂、表面研磨、超音波洗浄による研磨粉除去の前処理
を行い、更に、窒素ガス雰囲気中で 200〜300 ℃に高周
波加熱した。押出速度は40m/min.とした。押出素材には
9.5mmφの純アルミニウム線を用いた。TiC層とTi
N層のコーティング厚さは種々に変化させた。押出材の
線径は3.96mmφ又は4.25mmφとした。
【0010】(実施例2)実施例1において、ニップル
内面の芯線が接触する可能性のある集合室寄りの部位に
WC層、TiC層、TiN層を順次化学蒸着法にてコー
ティングした他は、実施例1と同じ方法により線径3.96
mmφのアルミニウム被覆鋼線を製造した。
内面の芯線が接触する可能性のある集合室寄りの部位に
WC層、TiC層、TiN層を順次化学蒸着法にてコー
ティングした他は、実施例1と同じ方法により線径3.96
mmφのアルミニウム被覆鋼線を製造した。
【0011】(実施例3)ニップルにWC−10wt%Co
系合金製ニップルを用い、このニップル上にTiC層と
TiN層を順次コーティングした他は、実施例1と同じ
方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
系合金製ニップルを用い、このニップル上にTiC層と
TiN層を順次コーティングした他は、実施例1と同じ
方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
【0012】(比較例1)実施例3において、ニップル
内面に直接TiN層をコーティングした他は、実施例3
と同じ方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
内面に直接TiN層をコーティングした他は、実施例3
と同じ方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
【0013】(比較例2)実施例1において、ニップル
内面に直接TiN層をコーティングした他は、実施例1
と同じ方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
内面に直接TiN層をコーティングした他は、実施例1
と同じ方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
【0014】(従来例1)実施例1において、ニップル
内面をコーティングせずにそのまま用いた他は、実施例
1と同じ方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
内面をコーティングせずにそのまま用いた他は、実施例
1と同じ方法によりアルミニウム被覆鋼線を製造した。
【0015】押出されるアルミニウム被覆鋼線を磁気探
傷に掛けて、鋼線の焼付きによる該鋼線表面に生じる欠
陥をオンライン検査した。欠陥がある大きさになったと
ころで、押出を中断してニップルを交換した。又得られ
たアルミニウム被覆鋼線を 2.6mmφに伸線した。ニップ
ル寿命と伸線中の断線回数を調べ、結果を表1に示し
た。
傷に掛けて、鋼線の焼付きによる該鋼線表面に生じる欠
陥をオンライン検査した。欠陥がある大きさになったと
ころで、押出を中断してニップルを交換した。又得られ
たアルミニウム被覆鋼線を 2.6mmφに伸線した。ニップ
ル寿命と伸線中の断線回数を調べ、結果を表1に示し
た。
【0016】
【表1】
【0017】表1より明らかなように、本発明の実施例
1〜3(No.1 〜7)は、いずれもニップル寿命が長く、特
にNo.1〜3,5 〜7 は所要長の200km まで連続押出しがで
きた。又複合線材は無断線で伸線できた。尚、No.4はT
iC層及びTiN層が薄かった為ニップル寿命が若干低
下した。他方、比較例のNo.8,9は、ニップル内面にTi
N層が直接コーティングされ密着性が悪かった為、又従
来例のNo.10 は、ニップル内面に何もコーティングしな
かった為、いずれも短期間のうちに鋼線に焼付きによる
欠陥が発生し拡大した。又複合線材の伸線性も低下し
た。この為生産性が著しく低下した。
1〜3(No.1 〜7)は、いずれもニップル寿命が長く、特
にNo.1〜3,5 〜7 は所要長の200km まで連続押出しがで
きた。又複合線材は無断線で伸線できた。尚、No.4はT
iC層及びTiN層が薄かった為ニップル寿命が若干低
下した。他方、比較例のNo.8,9は、ニップル内面にTi
N層が直接コーティングされ密着性が悪かった為、又従
来例のNo.10 は、ニップル内面に何もコーティングしな
かった為、いずれも短期間のうちに鋼線に焼付きによる
欠陥が発生し拡大した。又複合線材の伸線性も低下し
た。この為生産性が著しく低下した。
【0018】(実施例4)実施例1において、ニップル
内面の芯線が接触する可能性のある集合室寄りの部位に
TiCN層とAl2 O3 層を順次化学蒸着法によりそれ
ぞれ2μmの厚さにコーティングした他は、実施例1と
同じ方法により線径3.96mmφのアルミニウム被覆鋼線を
製造した。この複合線材は2.6 mmφに無断線で伸線でき
た。又押出時の前記ニップル寿命は 190kmであった。即
ち、TiC層とTiN層をコーティングしたものとほぼ
同等の特性を示した。
内面の芯線が接触する可能性のある集合室寄りの部位に
TiCN層とAl2 O3 層を順次化学蒸着法によりそれ
ぞれ2μmの厚さにコーティングした他は、実施例1と
同じ方法により線径3.96mmφのアルミニウム被覆鋼線を
製造した。この複合線材は2.6 mmφに無断線で伸線でき
た。又押出時の前記ニップル寿命は 190kmであった。即
ち、TiC層とTiN層をコーティングしたものとほぼ
同等の特性を示した。
【0019】(実施例5)実施例1において、ニップル
内面の芯線が接触する可能性のある集合室寄りの部位に
B4 C層とAlN層を順次化学蒸着法によりそれぞれ2
μmの厚さにコーティングした他は、実施例1と同じ方
法により線径3.96mmφのアルミニウム被覆鋼線を製造し
た。この複合線材は2.6 mmφに無断線で伸線できたが、
押出時の前記ニップル寿命は171km で、TiC層とTi
N層をコーティングしたものより若干低い値を示した。
内面の芯線が接触する可能性のある集合室寄りの部位に
B4 C層とAlN層を順次化学蒸着法によりそれぞれ2
μmの厚さにコーティングした他は、実施例1と同じ方
法により線径3.96mmφのアルミニウム被覆鋼線を製造し
た。この複合線材は2.6 mmφに無断線で伸線できたが、
押出時の前記ニップル寿命は171km で、TiC層とTi
N層をコーティングしたものより若干低い値を示した。
【0020】以上、コンフォーム押出機を用いて、アル
ミニウム被覆鋼線を押出す場合について説明したが、本
発明は、他の油圧押出機等を用いた場合、又は銅被覆鋼
線等他の複合材を押出す場合に適用しても同様の効果が
得られる。
ミニウム被覆鋼線を押出す場合について説明したが、本
発明は、他の油圧押出機等を用いた場合、又は銅被覆鋼
線等他の複合材を押出す場合に適用しても同様の効果が
得られる。
【0021】
【効果】以上述べたように、本発明の複合材押出用ニッ
プルは、少なくとも芯線が接触する部位に高強度セラミ
ックス材及び非粘着性セラミックス材が順次層状にコー
ティングされているので、芯線とニップルの接触による
焼付きが長期に渡り防止され、生産性が向上して、工業
上顕著な効果を奏する。
プルは、少なくとも芯線が接触する部位に高強度セラミ
ックス材及び非粘着性セラミックス材が順次層状にコー
ティングされているので、芯線とニップルの接触による
焼付きが長期に渡り防止され、生産性が向上して、工業
上顕著な効果を奏する。
【図1】コンフォーム押出機の説明図である。
【図2】コンフォーム押出機の主要構成部の説明図であ
る。
る。
1──回転ホイール 2──エンドレス溝 3──固定シューブロック 4──通路 5──押出素材 6──アバットメント 7──サブコンテナ 8──集合室 9──ニップル 10──芯線 11──複合線 12──ダイス 13──ニップルの芯線導入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺川 宣朗 東京都大田区下丸子2丁目17番10号 富士 ダイス株式会社内 (72)発明者 御宿 実 東京都大田区下丸子2丁目17番10号 富士 ダイス株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 芯線導入部のニップル、導入した芯線の
外周に押出素材を複合する集合室、芯線周囲に複合され
た押出素材を所定形状に成形するダイスを主要構成部と
する複合材押出機の前記ニップルにおいて、前記ニップ
ルの少なくとも集合室寄りの内面に、高強度セラミック
ス材及び非粘着性セラミックス材が順次層状にコーティ
ングされていることを特徴とする複合材押出用ニップ
ル。 - 【請求項2】 高強度セラミックス材が炭化チタニウム
又は炭窒化チタニウムの少なくともいずれかであり、非
粘着性セラミックス材が窒化チタニウム又は酸化アルミ
ニウムの少なくともいずれかであることを特徴とする請
求項1記載の複合材押出用ニップル。 - 【請求項3】 炭化チタニウム層又は炭窒化チタニウム
層の少なくともいずれかの層、及び窒化チタニウム層又
は酸化アルミニウム層の少なくともいずれかの層が、そ
れぞれ1μm以上の厚さにコーティングされていること
を特徴とする請求項2記載の複合材押出用ニップル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28339594A JP2698051B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 複合材押出用ニップル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28339594A JP2698051B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 複合材押出用ニップル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08141634A true JPH08141634A (ja) | 1996-06-04 |
JP2698051B2 JP2698051B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=17664969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28339594A Expired - Fee Related JP2698051B2 (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 複合材押出用ニップル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2698051B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112453091A (zh) * | 2020-11-06 | 2021-03-09 | 山东大学 | 用于异种金属共挤的起伏表面模芯、挤压模具及挤压方法 |
CN114054536A (zh) * | 2020-08-03 | 2022-02-18 | 上海电缆研究所有限公司 | 一种铜铝复合双排连续挤压模组及连续挤压机 |
-
1994
- 1994-11-17 JP JP28339594A patent/JP2698051B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114054536A (zh) * | 2020-08-03 | 2022-02-18 | 上海电缆研究所有限公司 | 一种铜铝复合双排连续挤压模组及连续挤压机 |
CN114054536B (zh) * | 2020-08-03 | 2024-03-29 | 上海电缆研究所有限公司 | 一种铜铝复合双排连续挤压模组及连续挤压机 |
CN112453091A (zh) * | 2020-11-06 | 2021-03-09 | 山东大学 | 用于异种金属共挤的起伏表面模芯、挤压模具及挤压方法 |
CN112453091B (zh) * | 2020-11-06 | 2022-04-05 | 山东大学 | 用于异种金属共挤的起伏表面模芯、挤压模具及挤压方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2698051B2 (ja) | 1998-01-19 |
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