JPH065376Y2 - ガラス製品成形用金型 - Google Patents

ガラス製品成形用金型

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JPH065376Y2 JP1989052649U JP5264989U JPH065376Y2 JP H065376 Y2 JPH065376 Y2 JP H065376Y2 JP 1989052649 U JP1989052649 U JP 1989052649U JP 5264989 U JP5264989 U JP 5264989U JP H065376 Y2 JPH065376 Y2 JP H065376Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ガラス製品成形用金型に関し、食器や医薬品
用容器、建築部材や家具・事務用品、装飾品あるいは電
気・電子機器用ガラス製品などの製造に際して好適に用
いられる溶射被覆金型に関するものである。
〔従来の技術〕
テレビはもとより、ワードプロセッサー,コンピュータ
用ディスプレイなどに多用されているブラウン管は、金
型内に溶融状態のガラスを注入し、引続き冷却すること
によって所定の形状に成形している。このような用途に
使われるガラス成形用金型としては、一般に、耐溶融
ガラス侵食性に優れること、成形ガラスとの剥離性に
優れること、冷却が均一にかつ速度が一定しているこ
と、高温環境下における耐摩耗性に優れること、耐
用期間が長いこと、などの条件を具えることが要求され
ている。
〔考案が解決しようとする課題〕
そこで、従来は次のような対策を取っている。まず、第
の点については、耐熱・耐食鋼を金型素材として採用
することで対処し、そして、〜の点については、金
型表面に溶射皮膜を被成すること、とくに金型の溶融ガ
ラスと接触する部分、さらには金型の保温を必要とする
部分などに溶射を施すこととしている。
かかる溶射処理において現在使用されている溶射皮膜
(例えば、ZrO2・Y2O3,ZrO2・CeO)によれば、たしかに無
処理の金型に比べるとその効果は著しいものがある。し
かしながら、使用時間の経過とともに溶射皮膜が局部的
に剥離するため、長期間の使用に耐えないという欠点が
あり、上述した寿命延長の要求については満足されて
いないのが実情であった。
また、一般に採用されている大気中で施工する溶射皮膜
は、表面粗さが大きいため、金型として使用する場合に
は、必ず溶射後その表面を仕上げる必要があり、硬質の
溶射皮膜表面の仕上げに多大の工数をかけざるを得ない
という欠点があった。
そこで本考案は、耐熱性と溶融ガラスによる、耐侵食性
並びに耐摩耗性、ガラスの剥離性などに優れると共に、
保温性も良好なガラス製品成形用金型を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
従来からある金型の溶射皮膜は、大気中で溶射処理され
たものであるため、皮膜中には気孔が不可避に存在す
る。この気孔は、保温,断熱効果としての作用はあるも
のの、溶融ガラスを注入して成形するケースでは、この
ガラスが気孔中に侵入し、過酷な熱変動などによって該
皮膜が早期に破壊したり、剥離するという欠点があっ
た。しかも、大気中の溶射によって得られる従来の溶射
皮膜は、表面粗さが大きい(20〜50μm)うえ、酸化物
を含むため非常に硬くなり、表面仕上げに多大の労力を
必要とする欠点があった。
本考案にかかる溶射被覆層を有する金型は、主として溶
融ガラスと接する部分が、実質的に酸素を含まない低圧
のアルゴンガス雰囲気中で、炭化物系の溶射材料をプラ
ズマ溶射した皮膜で覆われており、その溶射皮膜は炭化
物の溶射層のため適度の硬さを有しかつ気孔がなく、そ
のうえ平滑な表面性状を有することから、上述した従来
の溶射金型の欠点を一挙に解決するものである。
すなわち、本考案は、成形時にガラスと接触する個所
に、炭化物もしくは炭化物サーメットである溶射材料
を、実質的に酸素を含まない低圧アルゴンガス雰囲気下
で、プラズマ溶射することによって得られる、ビッカー
ス硬さ600〜2000、気孔率3%以下および表面粗さ15μ
m以下の皮膜を形成してなるガラス製品成形用金型、を
提案する。
なお、上記溶射材料としては、炭化物としてWC,Cr3C2,W
C-TiC,TiC,ZrC,TaC,NbCを用い、これに混合する金属と
しては、前記炭化物に対して0wt%〜50wt%のNi,Ni-Cr,N
i-Alを用い、 一方、前記溶射皮膜は、最外層を炭化物層として中間層
から内層にかけて金属成分割合を次第にもしくは段階的
に多くした多層状皮膜としたものである。
この考案にかかる金型は、表面に被成した皮膜が、その
形成時に実質的に酸素を含まない環境下で溶射形成され
たものであるため、前記炭化物や金属が酸化物へと変化
しない。また、炭化物の分解が抑制される。従って、皮
膜と金型との密着性が良好で、炭化物のもつ適度の硬さ
を損なうことがなく、気孔少なく、そして金属の優れた
延性を活用した平滑な皮膜表面を有するものとなる。
本考案において、皮膜の硬さを前述のように限定した理
由は、600未満では溶融ガラスとの接触によって摩耗さ
れやすくなり、また2000を超える硬さでは、溶射後、そ
の表面を研磨仕上げする場合に多大の時間を要する。
次に、皮膜の気孔率を3%以下に限定する理由は、気孔
率が高い場合、成形時に溶融ガラスが気孔部を通って皮
膜内部へ侵入して温度変化に際して体積の膨張,収縮を
繰返すことによって皮膜を機械的に破壊する。
そして、皮膜の表面粗さを15μm以下に限定する理由
は、成型後のガラス表面が平滑に仕上がるからである。
〔作用〕
さて、金型に被成していた既知の溶射法は、大気雰囲気
中で溶射するものが一般的である。この既知方法では溶
射材料は加熱溶融に伴って酸化物となる。このようにし
て得られた酸化物を含む溶射皮膜は、一般に、塑性変形
しにくくかつ脆い酸化物粒子を介して結合した堆積層で
あるため、上記粒子間には気孔発生の主因である微少な
空間が存在する。その結果、このような溶射層は、その
後加熱したとしても上記酸化物粒子の存在が障害となっ
て金属粒子どうしの相互融合が阻害され、ポーラスな皮
膜しかできない。
もちろんこれは金属材料を溶射した際の一般的な現象で
あるが、非酸化物系のセラミックス,例えば炭化物,硼
化物,窒化物などを同じように大気中で溶射した場合も
同じように酸化物への変化と分解があり、形成された溶
射皮膜はすべて酸化物や分解物との混合体となっている
のが普通である。
このために従来は、炭化物,硼化物あるいは窒化物が有
する固有の諸特性(高硬度,高耐摩耗性,高耐食性な
ど)を損なわずにこれを皮膜化することは困難とされて
いたのである。
そこで、本発明では、もともと卓越した特性を有する非
酸化物系セラミックスに着目し、なかでも炭化物として
WC,Cr3C2,TiC,WC-TiC,ZrC,TaC,NbCを選んでこれを溶射
材料とし、一方、溶射環境からは酸素を除いて低圧のア
ルゴンガス雰囲気を用い、その中で金型を予熱し、その
後引続き同雰囲気中で溶射し、金型表面に所定厚の皮膜
を形成する。
この皮膜の層厚については、50〜500mmの範囲内が好適
である。この範囲の皮膜厚だと、金型との密着性がよ
く、また溶融ガラスとの接触によっても長期間にわたり
摩耗することなく、その性能を発揮するからである。
本考案において、溶射材料として炭化物を選択した理由
は、高い硬度を有して耐摩耗性に優れている一方、溶融
ガラスに侵食されず良好な剥離性を示すためである。
炭化物に混合する金属として、Ni,Ni-Cr,Ni-Alを選択し
た理由は、溶融ガラス(600℃〜1000℃)の溶融温度域
において、高い機械的強度を示すとともに、耐酸化性能
を保有しており、使用時の溶射皮膜に加えられる機械的
衝撃に耐え、また高温環境下の酸化作用に耐えられる皮
膜を形成することにある。
さらに、金属の添加量を0〜50wt%の範囲に限定したの
は、無添加の場合は炭化物としての機能すなわち、超硬
質で摩耗することなく、ガラスの離形がよい性質を利用
できる。一方、金属質が50wt%以内のサーメットは、炭
化物の特性と金属の延性,金型への密着性を兼備してい
るので、両特性を有効に利用できる。これに対し、50wt
%以上金属質を添加すると、炭化物の特性が消失し、本
考案の目的に適しない。
以上説明したように、実質的に酸素を含まない低圧のア
ルゴンガス雰囲気下で得られる溶射皮膜は、炭化物,金
属とも酸化物をほとんど含まないものとすることができ
る。しかも、このようにして被成された皮膜は、それぞ
れの溶射材料が保有する性質を損なうことがないばかり
か、溶射粒子が相互に融合しやすいので、無気孔で平滑
な皮膜とすることができる。しかも、溶射環境中に酸素
が含まれていないため、溶射に先立ってたとえ金型を予
熱することがあっても酸化されることがない。その結
果、予熱金型が利用できるから、金型上に形成される溶
射皮膜は、内部応力が開放されており、たとえ上述した
範囲を超えて皮膜を厚くしても剥離することが全くな
い。
金型に本考案の溶射皮膜を形成させる際、例えば次に示
すように、金型の母材に近い皮膜には金属成分を多く
し、溶射皮膜を重ねるに従って炭化物の成分を次第にも
しくは段階的に多くして最表層部ではほぼ100%の炭化物
層を形成させることも可能である。
金型と直接接触する皮膜 炭化物/金属=50/50 中間層(1) 炭化物/金属=60〜80/40〜20 中間層(2) 炭化物/金属=80〜90/20〜10 最表層部 炭化物/金属=95〜100/5〜0 〔実施例〕 実施例1 第1図は、本考案にかかる金型を製造する際に用いられ
る溶射装置を示したものである。この図において、図示
の符号1は溶射雰囲気を画成するためのチャンバーであ
る。このチャンバー1には、排気用バルブ2、吸気用バ
ルブ3が配設してあり、またチャンバー1内のガスを吸
引する真空ポンプ4が、雰囲気ガス中の粉塵類を除去す
るためのマルチサイクロン5およびフィルター6を介し
て接続してある。さらにこのチャンバー1には、内圧保
持用のアルゴンガス供給管7、ブラウン管製造用金型で
ある被処理材冷却用のアルゴンガス冷却管8、および溶
射ロボットモータ冷却のために用いるアルゴンガス冷却
管9が取付けられている。
上記チャンバー1内には、プラットフォーム10が設置し
てあり、そのプラットフォーム10上には、溶射ロボット
11と回転台12が設置してある。この回転台12には被処理
材としてブラウン管製造用金型13が固定されている。そ
して、この被処理材13に対しては、温度計測用の熱電対
14が、また溶射ロボット11の先端部には溶射ガン15がそ
れぞれ取付けてあり、いずれもチャンバー1の外から制
御できるように構成してある。
前記溶射ガン15には、雰囲気調整も考慮しプラズマ発生
ガスとしてアルゴン,水素,窒素などの非酸化性ガス類
を用いる。そして、この溶射ガン15と被処理材13とは、
チャンバー外にて電気的に接続することによって、必要
に応じて極性が変えられるようにしてある。16は直流電
源、17は極性切換スイッチであり、必要に応じて溶射ガ
ンと被処理材の極性を変化させることができる。
次に、上記装置による金型への溶射皮膜形成は次のよう
な手順にて行った。
(1)チャンバー1に取付けられている吸・排気用バルブ
2,3およびアルゴンガス供給管7を閉とした後、真空
ポンプ4を作動させてチャンバー1内の空気を系外に排
出し、内圧を1×10-2〜10-3 mbr(ミリバール)とし
た。
(2)次に、アルゴンガス供給管7を開とし、チャンバー
1内に内圧:60mbr程度の希薄なアルゴンガス雰囲気を
構成した。
(3)その後、再び真空ポンプ4を作動させてチャンバー
1内のアルゴンガス圧力を20mbrとした後、溶射ガン15
を作動させてプラズマアークを発生させると共にそのア
ークの先端を被処理材の表面近傍へもって行き、該被処
理材を加熱した。
(4)この被処理材の加熱は、外部電源の接続を、溶射ガ
ン15の方を陰極とし被処理材13の方を陽極として、プラ
ズマアークを被処理材13の表面を数回掃走させることに
より行った。この処理によって被処理材13の表面は清浄
化されるとともに、加熱、昇温され、被処理材13の予熱
が果たされる。予熱の温度としては、通常500〜900℃が
適温であるが、材質の機械的性質に悪影響を与えない限
り任意に選択できる。
(5)なお、前記工程(3)と(4)の処理時、冷却用のアルゴ
ンガス供給管7は開とし、熱電対によって指示される温
度を監視しながら被処理材13が過熱されないように制御
する。もっとも、たとえ過熱されても雰囲気中には酸素
が含まれていないため該被処理材13が酸化されるおそれ
はないが、過熱による基質の冶金的変化を少なくする意
味で上記温度制御は必要である。
(6)被処理材13の表面を清浄にするとともに予熱を完了
した後、再びアルゴンガス供給管7を開としてチャンバ
ー1内の圧力を200mbrとした。
(7)その後、溶射ガン15の極性を陰極から陽極へ、また
被処理材13の方を陽極から陰極へそれぞれ切換え、硬質
溶射材料を被処理材13の表面へ所定の厚さに溶射した。
このようにして処理した金型は、非酸化性雰囲気下で被
覆形成した溶射皮膜を有するため、ガラスと接する部分
は溶射時の雰囲気中に酸素がなく、従って皮膜中には酸
化物をほとんど含んでおらず、しかも無気孔で緻密な表
面皮膜の状態を示すので、耐溶融ガラス侵食性に優れた
金型表面とすることができる。
本考案にかかる金型については、さらに; (8)前記工程(7)の処理後、溶射材料の供給を中止してプ
ラズマアークだけを発生させ、これを再び溶射加工面へ
近づけて生成した溶射皮膜を加熱溶融させてもよい。
(9)また、溶射皮膜を厚くするには、前記(7)の処理のみ
を繰返すことによって溶射厚さを大としてもよいが、
(7)と(8)の両工程を繰返してもよい。なお、本考案のさ
らに別の金型成形例として、 (10)上記(8)の処理後に再び(7)の溶射処理を施した後、
そこで終わる溶射皮膜処理を終えたもの、すなわち金型
の所定の個所に再加熱なしの状態の皮膜を被成させたも
のでもよい。
(11)(7)もしくは(7)+(8)または(7)+(8)+(10)の処理が終
了すれば、真空ポンプ4と供給アルゴンガス量を調整し
て、チャンバー1内のガス圧力を10mbr程度とした後、
再びアルゴンガスをチャンバー1内に導入して100mbr圧
力とし、このままの状態で30〜60分間放置した。
この処理中は常に真空ポンプ4を動かし、新しいアルゴ
ンガスを外部から供給しているため、被処理材13の温度
は次第に低下してくる。
(12)30〜60分間放置後、アルゴンガス供給量を大とし、
大気圧程度にするとともに真空ポンプ4の運転を中止し
た。次いで、吸気用バルブ3および排気用バルブ2を開
として、大気とチャンバー1内の圧力差がなくなったこ
とを確認してから該チャンバー1の蓋を開き、被処理材
であるブラウン管製造用金型13を外に取り出した。
さて、第2図は、上述の製造工程を経て製造された本考
案にかかる金型として、ブラウン管製造用金型を成形し
ている状況を示したものである。図において、21は金型
の中子である。また23は、ブラウン管用の溶融ガラスを
示したものであり、21および22の金型の溶融ガラスと接
触している面には炭化物系の溶射皮膜24が0.05〜0.5mm
の範囲に施工されている。この溶射皮膜を具える溶射金
型を用い、ブラウン管の製造を行った結果につき、溶射
材料,強度,気孔率および表面粗さと皮膜の使用期間に
ついて第1表に示す。
ここでは、比較例として、同一材質の溶射材料を用いて
大気中でプラズマ溶射皮膜加工を施した金型を同一条件
で使用した結果と酸化物系セラミックスの代表として、
ZrO2・Y2O3を用いたものを併記した。
この結果から明らかなように、比較例の溶射金型は表面
粗さが大きいため研磨仕上げを必要とするうえ、多孔質
であるため、ここから侵入した溶融ガラスによって皮膜
が破壊され、短期間で使用不能となった。
これに対し、本考案にかかる金型は、平滑緻密で無気孔
に近い状態にあるうえ、皮膜に内部応力が殆ど存在しな
いため、長期間にわたって溶射皮膜は健全な状態を維持
でき、金型としての寿命を大幅に延長することができ
た。
実施例2 実施例1と同じ溶射材料および溶射方法によって、ブラ
ウン管金型に、炭化物と金属質の割合いを順次変化させ
た溶射皮膜厚0.5mmの被覆を施し、その後最上層のみ0.0
1〜0.04mmの純炭化物を被覆させた。このブラウン管金
型を用いて実施例1同様の方法によって金型の生産を行
った。第2表はこの結果を示したもので、溶融ガラスと
接触する溶射皮膜上に、硬質でガラスとの離型性にすぐ
れた純炭化物を被覆させているため、第1表同様優れた
耐久性と生産性を示した。これに対し、比較例の大気中
で炭化物を溶射したものは、皮膜中に酸化物の混入が多
く、多孔質であるため、極めて短期間で溶射皮膜が剥離
した。
なお、第3図は本実施例における溶射皮膜の炭化物と金
属質の混合割合い(重量比)を示したものである。金型
31母材側は金属質の割合いが多く、最表層部36は100%炭
化物層となっている。
図中、 〔考案の効果〕 本考案の溶射被覆金型によれば、ガラスと接触する部分
が緻密,無気孔,平滑であるうえ、耐摩耗性に優れた炭
化物系の材料で皮膜形成させているため、溶融ガラスの
侵食に耐えるばかりか、耐熱,耐摩耗性、成形ガラスの
剥離性がよく、長期間にわたって高品質のブラウン管を
安定して製造することができる。このため、金型の製造
コストが低減する一方、品質の高い製品を量産すること
が可能であり、金型の取替えなどによる工数の増加や生
産性の低下を来すことがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の溶射金型を製造するための装置の概
略を示す断面図、 第2図は、溶射金型の使用状況を示す部分断面図、 第3図は、炭化物と金属質の混合割合いを変化させた本
考案の溶射皮膜の構造例を示す説明図である。 1……チャンバー、2……排気用バルブ、 3……吸気用バルブ、4……真空ポンプ、 5……マルチサイクロン、6……フィルター、 7……アルゴンガス供給管、 8,9……アルゴンガス冷却管、 10……プラットフォーム、11……溶射ロボット、 12……回転台、13……被処理材(ブラウン管金型)、 14……熱電対、15……溶射ガン、16……直流電源、 17……極性切換スイッチ、21……金型、 22……金型の中子、23……ブラウン管用溶融ガラス、 24……溶射皮膜、31……金型、 31〜35……炭化物と金属質の混合割合いの異なるサーメ
ット溶射層、36……純炭化物。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形時にガラスと接触する個所に、炭化物
    もしくは炭化物サーメットである溶射材料を、実質的に
    酸素を含まない低圧アルゴンガス雰囲気下で、プラズマ
    溶射することによって得られる、ビッカース硬さ600〜2
    000、気孔率3%以下および表面粗さ15μm以下の皮膜
    を形成してなるガラス製品成形用金型。
  2. 【請求項2】上記溶射材料は、炭化物としてWC,Cr3C2,W
    C-TiC,TiC,ZrC,TaC,NbCを用い、これに混合する金属と
    しては、前記炭化物に対して0wt%〜50wt%のNi,Ni-Cr,N
    i-Alを用いることを特徴とする請求項1に記載のガラス
    製品成形用金型。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の金型において、溶射皮膜
    を、最外層を炭化物層として、中間層から内層にかけて
    金属成分割合を次第に、もしくは段階的に多くした多層
    状皮膜としたことを特徴とするガラス製品成形用金型。
JP1989052649U 1989-05-09 1989-05-09 ガラス製品成形用金型 Expired - Lifetime JPH065376Y2 (ja)

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