JPH11123443A - 金属材料の熱間押出方法 - Google Patents

金属材料の熱間押出方法

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JPH11123443A
JPH11123443A JP29412697A JP29412697A JPH11123443A JP H11123443 A JPH11123443 A JP H11123443A JP 29412697 A JP29412697 A JP 29412697A JP 29412697 A JP29412697 A JP 29412697A JP H11123443 A JPH11123443 A JP H11123443A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱時に生成したスケールが付着したままの加
熱ビレットを30以上の押出比Rで加工を行った際に多
発するスケール起因の焼付き疵と押し込み疵を抑制する
ことが可能な金属材料の熱間押出方法。 【解決手段】加熱前または加熱後のビレット表面に、1
0〜60重量%のB23 を含有する耐火性物質を塗布
し、その上に押出加工温度域における粘度が101.5
104 ポアズのガラス潤滑剤を塗布してから押出し加工
に供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユジーン・セジュ
ルネ法に代表される潤滑剤にガラスを用いる金属材料の
熱間押出方法に係わり、より詳しくは表面性状と寸法精
度に優れた押出製品が得られ、しかも工具寿命の長い金
属材料の熱間押出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、Crを含有する合金鋼、ステン
レス鋼および耐熱合金などからなる継目無管は、潤滑剤
にガラスを用いたユジーン・セジュルネ法に代表される
熱間押出製管法によって製造されることが多い。また、
このユジーン・セジュルネ法に代表される熱間押出製管
法では、炭素鋼からなる継目無管も製造される。
【0003】上記の熱間押出製管法における潤滑剤であ
るガラスの供給は、一般に、被加工材料である中空丸ビ
レット(以下、単に「ビレット」という)を押出加工温
度(通常、1000〜1250℃)に加熱した後に行わ
れる。
【0004】すなわち、押出プレスのコンテナ内面とビ
レット外面との潤滑を行う外面ガラスの供給は、加熱後
のビレットを粉末ガラスが散布されたテーブル上で転動
転写させてビレット外面にガラスを被覆することにより
行われる。また、押出プレスのマンドレル外面とビレッ
ト内面との潤滑を行う内面ガラスの供給は、ターニング
ローラ上で回転中または上記のテーブル上で転動中のビ
レットの孔内に、半円筒状のスプーンを用いて粉末ガラ
スを挿入塗布してビレット内面にガラスを被覆すること
により行われる。
【0005】一方、押出プレスのダイス内面とビレット
の先端面および外面との潤滑を行う正面ガラスの供給
は、水ガラスなどの適宜なバインダーを用いて粉末ガラ
スを中空円盤状に成形したガラスディスクをダイスの入
側面に固定装着することにより行われる。
【0006】上記の各ガラスのうち、通常、正面ガラス
と内面ガラスには、押出加工温度の1000〜1250
℃で適正な粘度(101.5 〜104 ポアズ)を有するこ
とから、SiO2 −Na2 O−CaO系の窓ガラスやS
iO2 −Al23 −B23 系の無アルカリガラスが
多用される。また、外面ガラスには、被覆後のハンドリ
ング中に被覆したガラスが剥離脱落するするのを防ぐ観
点から、ビレット表面に対する付着性に優れるものがよ
いとされ、1000〜1250℃での粘度が100 〜1
1.5 ポアズという粘度の低いSiO2 −Na2 O−B
23 系のガラスが多用される。
【0007】ところで、被加工材料であるビレットを押
出加工温度に加熱するとその表面には、材質に特有の酸
化膜(以下、単に「スケール」という)が生成付着す
る。すなわち、炭素鋼ではFeO、Fe23 およびF
34 を、Crを含有する合金鋼では(Fe・Cr)
34 を、ステンレス鋼ではCr23 を、CrとNi
を多量に含有する耐熱合金では(Cr・Ni)34
主成分とするスケールが生成付着する。
【0008】上記のスケールは、いずれも素地に比べて
高硬度であり、これを放置したまま押出し加工に供する
と、押出管にスケール起因の押し込み疵が発生するのみ
ならず、工具摩耗が著しくなる。このため、通常、加熱
後のビレットには、その表面に元圧(ポンプまたはアキ
ュムレータによる吐出圧・・・以下、同じ)が200〜
300kgf/cm2 程度の高圧水を吹き付けるデスケ
ール処理(以下、単に「高圧水デスケール処理」とい
う)が施される。
【0009】しかし、上記の高圧水デスケール処理で
は、炭素鋼のスケールについては、部分的に残留するも
のの、ほぼ確実に除去できるが、合金鋼、ステンレス鋼
および耐熱合金のスケールについては、素地に対するス
ケールの密着性が高いために除去困難である。特に、C
r含有量が13重量%以上のステンレス鋼やCrとNi
を多量に含有する耐熱合金のスケールは、その発生量が
少なくて厚さは薄いものの、素地に対するスケールの密
着性が極めて高いためにほとんど除去できない。
【0010】なお、スケールを完全に除去する方法とし
ては、例えば、上記の高圧水デスケール処理後、グリッ
ドなどの硬質粒子を高速で吹き付けるか、チェーンなど
の索条体を叩きつけて強い衝撃を加える方法が考えられ
る。しかし、これらの方法は、高圧水デスケール処理の
みに比べて能率が悪いため、押出管の製造コスト上昇を
招くだけでなく、ビレットの表面性状を悪化させて押出
管の品質低下を招くので採用できない。
【0011】このため、最近では、ビレットの表面に酸
化防止剤と称される耐火性物質を塗布してからビレット
加熱を行い、加熱後のビレット表面に上記高圧水デスケ
ール処理と同じ元圧の高圧水を吹き付けて酸化防止剤皮
膜を除去(炭素鋼についてはデスケール処理を兼ねる)
した後に押出し加工に供する方法が採られている。これ
は、炭素鋼のビレットについては、主としてスケールに
よる材料ロスを少なくするとともに、高圧水デスケール
処理後の表面性状の向上を図るためであり、合金鋼、ス
テンレス鋼および耐熱合金のビレットについては、スケ
ール厚さを可及的に薄くするためである。
【0012】なお、酸化防止剤としては、主成分がSi
2 またはSiO2 とAl23 であり、その成分組成
がガラス潤滑剤の粉末ガラスとほぼ同様のものが多用さ
れている。
【0013】ところが、上記のようにして処理された加
熱ビレットを用いても、高加工度、具体的には下式で定
義される押出比Rを30以上にして押出し加工を行う
と、押出管にスケール起因の押し込み疵に加えて焼付き
疵が多発するのみならず、工具摩耗も著しくなって工具
寿命が短くなるという問題があった。この問題は、上記
の高圧水デスケール処理によるスケール除去が困難な合
金鋼、ステンレス鋼および耐熱合金の場合に特に顕著で
あった。
【0014】 R=(IDC 2−ODM 2)/(IDD 2−ODM 2) ただし、 IDC :コンテナ内径(mm)、 ODM :マンドレル外径(mm)、 IDD :ダイスのベアリング部内径(mm)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたもので、その課題は、加熱
時に生成したスケールが付着したままの加熱ビレットを
対象に30以上の押出比Rで加工を行ってもスケール起
因の押し込み疵と焼付き疵の発生を抑制することが可能
で、しかも工具寿命をも長くすることができる金属材料
の熱間押出方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の金
属材料の熱間押出方法にある。
【0017】所定の押出加工温度に加熱される前または
加熱された後のビレット表面に、10〜60重量%のB
23 を含有する耐火性物質を塗布して加熱時に生成ま
たは生成付着したビレット表面のスケールを前記の耐火
性物質中に溶融させ、次いでその上に押出加工温度域に
おける粘度が101.5 〜104 ポアズのガラス潤滑剤を
塗布してから押出し加工に供することを特徴とする金属
材料の熱間押出方法。
【0018】上記の本発明は、次に述べる知見に基づい
てなされた。
【0019】すなわち、本発明者は、加熱時に生成付着
したスケールが全表面または表面の一部に付着しままの
加熱ビレット、特に合金鋼、ステンレス鋼および耐熱合
金からなり、その全表面にスケールが付着しままの加熱
ビレットを対象に、30以上の押出比Rで押出し加工を
行った場合に多発するスケール起因の焼付き疵の発生原
因の究明に努めた。
【0020】その結果、加熱時に生成付着したスケール
が全表面に付着しままの加熱ビレットを用いて押出し加
工して得られた合金鋼、ステンレス鋼および耐熱合金の
押出管に発生する焼付き疵と押し込み疵は、管の長手方
向全長にわたって発生しており、全表面を覆う可及的に
薄くなったスケールが焼付き疵と押し込み疵および工具
摩耗の発生原因であることを確認した。
【0021】また、加熱時に生成付着したスケールが表
面の一部に付着しままの加熱ビレットを用いて押出し加
工して得られた炭素鋼の押出管の焼付き疵と押し込み疵
は、スケールが付着したビレット部分に対応する位置と
その近傍に集中して発生しており、スケールが焼付き疵
とスケール押し込み疵および工具摩耗の発生原因である
ことを確認した。
【0022】ここで、加熱時に生成付着するスケール、
なかでもCr23 は、工具と被加工材料との焼付きを
防ぐ顕著な効果を有するものであることは周知の通りで
あるが、それにもかかわらず焼付き疵と押し込み疵が発
生するのであり、その原因がスケールの延性欠乏による
ことをつきとめた。
【0023】すなわち、熱間押出加工においては、押出
比を大きくすると、押出管の外径を決定するダイスのベ
アリング部分を通過する被加工材料の通過速度が速くな
り、これに伴ってベアリング部分でのガラス潤滑剤皮膜
が薄膜化する反面、ベアリング部分を通過する被加工材
料の表面にはより多くの新生面(ビレット表面以外の材
料部分)が出現するようになる。
【0024】ところが、押出比Rを30以上にして押出
し加工すると、上記ガラス潤滑剤皮膜の薄膜化と新生面
の出現表面積が著しく顕著になり、ダイスのベアリング
部分通過時に瞬時に出現する新生面中に、延性が乏しい
ことから、表面にスケールのない新生面が突発的に出現
するのに加え、その新生面上のガラス潤滑剤皮膜の厚さ
が極端に薄くなるのみならず、甚だしい場合にはガラス
潤滑剤皮膜に膜切れが生じ、この部分に集中して焼付き
疵が発生し、スケール存在部分に押し込み疵が発生する
ことがわかった。
【0025】また、加熱時に生成付着したスケールが部
分的に付着したままのビレットの場合には、上記同様の
理由により、表面にスケールのない新生面がスケールの
近傍に瞬時に出現するのに加え、その新生面上のガラス
潤滑剤皮膜の厚さが極端に薄くなるのみならず、甚だし
い場合にはガラス潤滑剤皮膜に膜切れが生じ、ビレット
のスケール部分とその近傍に対応する押出管の部分に集
中して焼付き疵と押し込み疵が発生することがわかっ
た。
【0026】ここで、スケールのない新生面上のガラス
潤滑剤皮膜の厚さが極端に薄くなるのみならず、ガラス
潤滑剤皮膜に膜切れが生じるのは、延性の乏しいスケー
ルによってスケールのない新生面に対するガラス潤滑剤
自体の移動が阻害されるためである。
【0027】また、スケールが部分的に付着したままの
ビレットの場合におけるスケールの近傍に出現するスケ
ールのない新生面上のガラス潤滑剤皮膜の厚さが極端に
薄くなるのみならず、ガラス潤滑剤皮膜に膜切れが生じ
るのは、加工前のスケール上のガラス潤滑剤皮膜の厚さ
が他の部分に比べて薄いうえに、延性の乏しいスケール
によってスケールのない新生面に対するガラス潤滑剤自
体の移動が阻害されるためである。
【0028】さらに、スケールが部分的に付着したまま
のビレットの場合、スケールの近傍だけでなくスケール
部分に対応する押出管の部分に焼付き疵が発生するの
は、上記と同様に、加工前のスケール上のガラス潤滑剤
皮膜の厚さが他の部分に比べて薄いためである。すなわ
ち、ガラス潤滑剤とスケールとでは、スケールの方が耐
焼付き性に劣り、ガラス潤滑剤皮膜の厚さが薄い分だ
け、スケール部分の方が焼付きやすいためである。
【0029】そこで、加熱時に生成付着するスケール、
なかでも素地に対する密着性の高い合金鋼、ステンレス
鋼および耐熱合金のスケールを無害化するために、数多
くの製造実験を行った。
【0030】その結果、所定量以上、具体的には10重
量%以上のB23 を含有する粉末ガラスや酸化防止剤
などの耐火性物質を用いると、B23 とスケールとの
共晶融点が押出加工温度(1000〜1250℃)以下
であることから、スケールが耐火性物質中に溶融してし
まい、スケール起因の焼付き疵と押し込み疵が発生しな
くなることを知見した。ただし、所定量以上のB23
を含有する耐火性物質を被覆するだけでは不十分で、そ
の上に上記の押出加工温度域で所定の粘度、具体的には
101.5 〜104 ポアズの粘度を有するガラス潤滑剤を
被覆する必要があることも同時に知見した。
【0031】なお、特公昭60−47012号公報の第
6頁に掲載される第1表には、上記の本発明で用いる耐
火性物質と同様に、10重量%以上のB23 を含有す
るガラス潤滑剤が示されいる。しかし、そこに示される
ガラス潤滑剤は、押出加工温度域での粘度が101.5
104 ポアズの粉末ガラスと、この粉末ガラスが被加工
材料とその表面のスケールと反応するのを抑制阻止する
ための反応抑制剤(同公報の第5欄第32〜42行目の
記載から明らか)と称される金属酸化物(含むCr2
3 )または金属リン酸塩とを混合したものである。とこ
ろが、このガラス潤滑剤は、ガラス粉末と反応抑制剤と
が先に反応するために、被加工材料表面のスケールをそ
のガラス潤滑剤中に共晶溶融させることができず、本発
明で用いる10重量%以上のB23 を含有する耐火性
物質とは似て否なるものであり、本発明をなすには何ら
の参考にもならないものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属材料の熱間押
出方法について詳細に説明する。
【0033】被加工材料の素材であるビレットは、従来
と同様に、所定の押出加工温度(通常、1000〜12
50℃)に加熱される。その際、ビレットは、加熱によ
り生成付着するスケールの発生量をできるだけ少なくす
るために、SiO2 またはSiO2 とAl23 を主成
分とする酸化防止剤と称される耐火性物質を塗布してか
ら加熱炉に装入するのが好ましいが、必ずしもその必要
はなく、機械加工仕上げ表面のまま加熱炉に装入しても
かまわない。
【0034】押出加工温度に加熱され、その表面が加熱
により生成付着したスケールで覆われた加熱ビレット
は、そのまま潤滑剤であるガラスの供給工程に搬送され
る。
【0035】そして、前述したのと同様の方法を用い、
外周面には外面ガラス、内周面には内面ガラスを供給被
覆するのであるが、本発明においては、先ず最初に10
〜60重量%のB23 を含有する粉末ガラスや酸化防
止剤などからなる耐火性物質を被覆し、その上に押出加
工温度域で101.5 〜104 ポアズの粘度を有するガラ
ス潤滑剤を被覆する必要があることは前述した通りであ
る。
【0036】このように、B23 を10〜60重量%
含有する耐火性物質を最初に被覆すると、加熱時に生成
付着したスケールが耐火性物質中に溶融してしまい、押
出加工時に耐火性物質とともに流動するので、焼付き疵
や押し込み疵の発生起点にならなくなる。
【0037】ここで、最初に被覆する耐火性物質中のB
23 の含有が10重量%未満であると、未溶融のスケ
ールが残存し、この残存スケールが焼付き疵や押し込み
疵の発生起点になる。また、B23 の含有が60重量
%を超えると、粘度が著しく低下し、ビレット表面に対
する付着性悪くなる。このため、最初に被覆する耐火性
物質としては、B23 を10〜60重量%含有するも
のでなければならないのである。
【0038】上記最初に被覆する耐火性物質は、B2
3 を多く含むので、押出加工温度域での粘度が101
アズ以下で極めて低い。このため、この被覆一層のみで
押出比Rが30以上の押出し加工を行うと、正面ガラス
であるガラスディスクから供給されるガラスとともに形
成されるダイスのベアリング部分を通過する被加工材料
の外面側のガラス潤滑剤皮膜の厚さが不足し、押出管外
面に焼付き疵が発生しやすくなる。一方、ガラスディス
クからのガラス供給を受けない被加工材料の内面側にガ
ラス潤滑剤皮膜がほとんど形成されなくなって押出管内
面に焼付き疵が発生する。
【0039】上記の焼付き疵は、最初に被覆した耐火性
物質の上に、押出加工温度域で101.5 〜104 ポアズ
の粘度を有するガラス潤滑剤を被覆すると、ダイスのベ
アリング部分を通過する被加工材料の内外面に十分な厚
さのガラス潤滑剤皮膜が形成されるようになり、その発
生を防ぐことができる。
【0040】ここで、最初に被覆した耐火性物質の上に
被覆するガラス潤滑剤の押出加工温度域での粘度が10
1.5 未満の低粘度であると、下部に流れ落ちるなどし、
押し込み疵や焼付き疵が発生する。また、押出加工温度
域での粘度が104 を超えると、高粘度になりすぎて潤
滑性が悪くなり、焼付き疵が発生する。従って、最初に
被覆した耐火性物質の上に被覆するガラス潤滑剤は、押
出加工温度域で101.5 〜104 ポアズの粘度を有する
ものでなければならない。
【0041】最初に被覆する10〜60重量%のB2
3 を含有する耐火性物質は、加熱前のビレット表面に水
ガラスなどの適宜なバインダーを用いて塗布した後、ビ
レットを所定の押出加工温度に加熱するようにしてもよ
い。
【0042】最初に被覆する耐火性物質およびその上に
被覆するガラス潤滑剤の粒度については、いずれも特に
制限しないが、粒度があまり粗いと均一強固な皮膜が形
成され難くなるので、最大粒径が50μm以下の粒度の
ものを用いるのが好ましい。
【0043】また、最初に被覆する耐火性物質、および
その上に被覆するガラス潤滑剤の被覆厚さについては、
いずれも特に制限しないが、最初に被覆する耐火性物質
の被覆厚さは15〜30μm程度、その上に被覆するガ
ラス潤滑剤の被覆厚さは20〜50μm程度にすれば十
分である。
【0044】
【実施例】表1に示す成分組成を有する7種類のガラス
潤滑剤と3種類の酸化防止剤を準備した。
【0045】そして、JIS G 3462に規定され
るSTBA25、同G 3463に規定されるSUS3
04とSUS321の3種類の材質からなる継目無鋼管
を得るに当たり、表2に示す種々の条件で押出製管し、
スケール起因の焼付き疵と押し込み疵の発生有無、並び
に工具摩耗の大小を調べた。その結果を、表2に押出条
件と併せて示した。
【0046】なお、正面ガラスには、いずれの場合も、
表1に示すガラス潤滑剤のうちのNo. 1の粉末ガラスを
水ガラスを用いて成形したガラスディスクを用いた。ま
た、最初に被覆する耐火性物質(具体的にはガラス潤滑
剤または酸化防止剤)は、いずれの場合も加熱後のビレ
ット表面に厚さが20μmになるように被覆した。さら
に、その上に被覆するガラス潤滑剤は、いずれの場合も
その厚さが30μmになるように被覆した。ただし、内
面ガラスが単層のものについては、その厚さが40μm
になるよう被覆した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表2に示す結果から明らかなように、本発
明の方法に従って潤滑処理した加熱ビレットを用いた場
合(試番2の内面、試番3、4、7、10および11の
内外面)には、スケール起因の焼付き疵も押し込み疵も
発生せず、工具摩耗もほとんど認められなかった。
【0050】これに対し、本発明の方法に従って潤滑処
理しなかった加熱ビレットを用いた場合(試番1の内外
面、試番2の外面、試番5、6、8および9の内外面)
には、焼付き疵または押し込み疵が発生した。また、試
番9の外面については、ガラス潤滑剤皮膜の膜切れが全
長にわたって発生したために、ダイスの摩耗が極めて大
きかった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高圧水デスケール処理
でスケール除去ができないステンレス鋼などを焼付き疵
を発生させることなく高加工度で押出加工することが可
能で、表面性状に優れる製品鋼管を高能率に製造するこ
とができる。また、工具摩耗も少ないので、工具費の節
減が図れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の押出加工温度に加熱される前または
    加熱された後のビレット表面に、10〜60重量%のB
    23 を含有する耐火性物質を塗布して加熱時に生成ま
    たは生成付着したビレット表面のスケールを前記の耐火
    性物質中に溶融させ、次いでその上に押出加工温度域に
    おける粘度が101.5 〜104 ポアズのガラス潤滑剤を
    塗布してから押出し加工に供することを特徴とする金属
    材料の熱間押出方法。
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