JP2010227997A - 金属材料の熱間押出製管用ガラス潤滑剤およびそれを用いた熱間押出製管方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ金属酸化物の合計量が12〜30質量%であり、Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量が20〜40質量%であるケイ酸ガラス潤滑剤で構成されることを特徴とする金属材料の熱間押出製管用ガラス潤滑剤である。ただし、アルカリ金属酸化物の合計量のうち1/3以上をK2Oとし、Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量のうち1/4以上をAl2O3とする。この熱間押出製管用ガラス潤滑剤は、さらに25質量%以下のB2O3を含むケイ酸ガラス潤滑剤で構成するのが望ましく、熱間押出で加工される金属材料の外面潤滑剤として用いるのが好適である。
【選択図】なし
Description
「質量%」:潤滑剤に含まれる各成分の質量百分率を表す。
「金属材料」:炭素鋼、Cr合金、Cr−Ni合金およびNi基合金などの材料をいう。
しかし、ケイ酸塩系ガラスにおいて、アルカリ金属の酸化物は粘度を低下させる役割を発揮するため、アルカリ金属の酸化物を添加しなければガラスの粘度が高くなり過ぎ、熱間押出用ガラス潤滑剤として機能しなくなる。
ただし、アルカリ金属酸化物の合計量のうち1/3以上をK2Oとし、Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量のうち1/4以上をAl2O3とする。
(1)熱間押出加工の潤滑性に優れる。
(2)熱間押出された金属材料に残存するガラスの剥離性を改善し、酸洗肌荒れや酸洗コスト低減する。
(3)熱間押出に用いられる工具表面に付着するガラスの剥離性を改善し、押込み疵や焼付き等の欠陥を抑制する。
本発明の熱間押出製管用ガラス潤滑剤は、アルカリ金属酸化物の合計量が12〜30質量%であり、Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量が20〜40質量%であるケイ酸ガラス潤滑剤で構成されることを特徴とする。ただし、前記アルカリ金属酸化物の合計量のうち1/3以上をK2Oとし、Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量のうち1/4以上をAl2O3とする必要がある。
アルカリ金属酸化物は酸化成分であり、ガラスの粘度を低下させる作用を発揮する。アルカリ金属酸化物の合計量が30質量%を超えると、潤滑剤の粘度が低下し過ぎるとともに、Al2O3、CaOまたはMgOを含有させても酸化能が高く、潤滑剤の剥離性が十分でなくなる。一方、12質量%未満では、潤滑剤の粘度が高くなり過ぎ、押出加工温度域(1000℃〜1250℃)において100〜104ポアズの適正粘度を得られないことがある。
Al2O3、並びにアルカリ土類金属の酸化物のCaOおよびMgOは還元成分である。Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量が20質量%未満では、アルカリ金属酸化物の合計量を15〜30質量にコントロールしても、材料表面とガラスの界面での酸化が進み、潤滑剤の剥離性が十分でない。
B2O3は必須の含有成分ではないが、鉄酸化物をガラス中に均一に溶融させる作用を発揮する。前述の通り、ガラス中に溶融した鉄酸化物は濃度勾配を示し、材料およびガラス界面において最も濃度が高く、ガラス内部に行くにしたがって濃度が低くなる。B2O3は鉄酸化物をガラス中に均一に溶融させるので、結果的に材料とガラスの界面における鉄元素濃度を下げる効果を有する。
材料とガラスの界面での鉄元素濃度を下げる効果を十分に得るには、B2O3を8質量%以上含有させるのが好ましい。さらに好ましくは15質量%以上である。一方、25質量%を超えると、材料表面の酸化をむしろ促進させることになるため、上限を25質量%とした。
本発明の熱間押出製管用ガラス潤滑剤は、熱間押出時の優れた潤滑性を確保するため、正面潤滑剤、外面潤滑剤、または内面潤滑剤としていずれにも使用することができる。
本発明の熱間押出製管用ガラス潤滑剤は、炭素鋼、Cr合金、Cr−Ni合金などの他、Ni基合金等の金属材料を対象にすることができる。これらの金属材料は1000℃〜1250℃の高温に加熱されると多少なりともスケールが生成することから、熱間押出後の脱ガラス処理においてスケールごとガラスを剥離できることから、比較的、剥離性を確保し易くなる。
本発明の熱間押出製管方法は、上記組成のケイ酸ガラス潤滑剤で構成される熱間押出製管用ガラス潤滑剤を熱間押出で加工される金属材料の潤滑剤として用いることを特徴とする。
表1に示す組成からなる8種の粉末ガラス(粒径:約180μm)を準備し、ガラスの剥離性を調査した。準備した粉末ガラスは、本発明例としてガラスA〜F、比較例としてガラスG、Hに区分される。鋼種SUS304のブロック状試験片(20mm×20mm×20mm)を準備し、その試験表面に各粉末ガラス2gをまぶし、大気雰囲気下の加熱炉(温度:1250℃)で1時間加熱した後、ブロック状試験片を取出し、直ちに水槽中に浸漬し急冷した。
鋼種SUS304およびCr−Ni合金(25質量%Cr−35質量%Ni)を用いて熱間押出製管を行い、製管後における管外面のガラス剥離状態および表面状況を調査した。
粘度:1200℃で1000ポアズ
組成:SiO2(73質量%)、Na2O(13質量%)、Al2O3(2質量%)、
CaO(8質量%)およびMgO(4質量%)
正面潤滑剤は、上記の市販ガラスに水ガラス3号を5質量%加えてディスク状に成形して用いた。
ビレット寸法:外径174mm×内径44mm×長さ800mm、先端に20R加工
ビレット加熱温度:1250℃
押出管寸法:外径47mm×内径41mm(×肉厚3mm)×長さ40,000mm
ビレット寸法:外径330mm×内径206mm×長さ1100mm、
先端に20R加工
ビレット加熱温度:1250℃
押出管寸法:外径223mm×内径195mm(×肉厚14mm)×長さ5300mm
○:良。完全に剥離したことを示す。
△:可。一部ガラスが剥離していない部位(残存面積で10%未満)があったことを示
す。
×:不可。ガラスが剥離してない部位が広範囲に存在(残存面積で10%以上)すること
を示す。
○:良。
△:不可。コンテナ付着ガラスによる筋疵があったことを示す。
×:不可。焼き付きがあったことを示す。
(1)熱間押出加工の潤滑性に優れる。
(2)熱間押出された金属材料に残存するガラスの剥離性を改善し、酸洗肌荒れや酸洗コスト低減する。
(3)熱間押出に用いられる工具表面に付着するガラスの剥離性を改善し、押込み疵や焼付き等の欠陥を抑制する。
Claims (7)
- アルカリ金属酸化物の合計量が12〜30質量%であり、Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量が20〜40質量%であるケイ酸ガラス潤滑剤で構成されることを特徴とする金属材料の熱間押出製管用ガラス潤滑剤。
ただし、アルカリ金属酸化物の合計量のうち1/3以上をK2Oとし、Al2O3、CaOおよびMgOの1種または2種以上の合計量のうち1/4以上をAl2O3とする - さらに25質量%以下のB2O3を含むケイ酸ガラス潤滑剤で構成されることを特徴とする請求項1に記載の金属材料の熱間押出製管用ガラス潤滑剤。
- 当該熱間押出製管用ガラス潤滑剤が、熱間押出で加工される金属材料の外面潤滑剤として用いられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の金属材料の熱間押出製管用ガラス潤滑剤。
- Crを15質量%以上含有する金属材料の熱間押出加工に用いられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の金属材料の熱間押出製管用潤滑剤。
- 請求項1または2に記載の熱間押出製管用ガラス潤滑剤を熱間押出で加工される金属材料の潤滑剤として用いることを特徴とする金属材料の熱間押出製管方法。
- 当該熱間押出製管用ガラス潤滑剤を、金属材料の外面潤滑剤として用い熱間押出加工を行うことを特徴とする請求項5に記載の金属材料の熱間押出製管方法。
- 前記金属材料がCrを15質量%以上含有する被加工材であることを特徴とする請求項5または6に記載の金属材料の熱間押出製管方法。
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