JPH08141311A - 複数成分の分離方法 - Google Patents

複数成分の分離方法

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JPH08141311A
JPH08141311A JP6286373A JP28637394A JPH08141311A JP H08141311 A JPH08141311 A JP H08141311A JP 6286373 A JP6286373 A JP 6286373A JP 28637394 A JP28637394 A JP 28637394A JP H08141311 A JPH08141311 A JP H08141311A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 擬似移動層方式のクロマト分離法の処理効率
を向上させて、分離純度の向上、回収率の向上を図る。 【構成】 無端直列の吸着塔群に一方向の液を循環させ
て第1〜第4区画のゾーンを形成し、第1区画の頂部か
らの原料液の流入及び末部からの吸着力の強い特定成分
の含有量が少ない液の流出、第3区画の頂部からの溶離
液の流入及び末部からの上記特定成分の含有量が多い液
の流出をさせる操作と、所定時間毎に上記各液の流入,
流出の位置を循環流の下流側に一吸着塔分移動させる操
作とを一サイクルとして繰り返す複数成分の分離方法に
おいて、上記原料液の流入を一時的に休止させるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数成分を含む原料液
から、回収目的の特定の成分を分離する方法に関し、詳
しくは、原料液中に含まれる2以上の成分に対しての吸
着能力が異なる吸着剤が充填されている吸着塔の多数を
無端直列に連結した吸着塔群に対して、上記原料液を循
環するように流しながら、上記の特定成分を他の成分か
ら分離して取り出すようにしたクロマト分離法を用いた
複数成分の分離方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、2以上の成分を含む原料液から回収
目的の特定成分を分離して取り出す方法の一つとして、
2以上の成分に対しての吸着能力が異なる吸着剤(2以
上の成分に対して選択的吸着能力を有する吸着剤)を充
填した吸着塔の多数を配管によって無端直列の循環系を
なすように連結形成し、この吸着塔群に対して、2以上
の成分を含む原料液を供給循環させることにより、液の
流れの方向に沿って各成分が富化された帯域を分けて形
成させ、この富化した帯域から、所定の成分を抜出す操
作を行ない、また該富化帯域の移動に伴って、原料液の
供給位置や液の抜出し位置を循環流の下流側に一吸着塔
分づつ間欠的に移行させるという操作を行なうことによ
って、目的とする所定の成分を連続的に分離回収する擬
似移動層方式のクロマト分離法が知られている。この方
法は、固定層方式のクロマト分離法に比べて連続的な分
離回収ができる利点や、使用する吸着剤の単位量当たり
の処理効率が高い利点があるため、工業的には近年その
利用が大幅に高くなってきている。
【0003】このような擬似移動層方式のクロマト分離
法のうちで最も代表的ないわゆる4ゾーン方式として知
られる一例を、原料液(以下「原料液」という)から、
吸着剤に対する吸着力の強いB成分と弱いA成分を分離
する例として、図1に示した装置を参考にしながら以下
説明する。
【0004】図1の装置は、4ゾーン方式の擬似移動層
クロマト分離を行なうために代表的に用いられる8塔型
(吸着塔1〜8)の吸着塔群からなる装置を示し、各吸
着塔1〜8は配管101〜107によって順次直列に接
続されていると共に、吸着塔8の下端は配管108を介
して吸着塔1の上端に接続されて全体として無端直列を
なし、ポンプ12によりこの直列系内で液が一方向(図
の矢印方向)に通液循環される循環系を構成している。
【0005】また、上記配管101〜108のうちの各
吸着塔1〜8の上端に接続されている配管には、それぞ
れ開閉切換え可能の原料液供給弁1F〜8Fを介して共
通の原料液供給管16が接続されると共に、同様に開閉
切換え可能の溶離液供給弁1D〜8Dを介して共通の溶
離液供給管15が接続されている。14は原料液供給ポ
ンプ、13は溶離液供給ポンプである。また、上記配管
101〜108のうちの各吸着塔1〜8の下端に接続さ
れている配管には、それぞれ開閉切換え可能のA成分抜
出弁1A〜8Aを介して共通のA成分抜出管17が接続
されると共に、同様に開閉切換え可能のB成分抜出弁1
B〜8Bを介して共通のB成分抜出管18が接続されて
いる。
【0006】このような吸着塔群に対して、いま吸着塔
1の上端から原料液供給弁1Fを介して原料液を供給し
ながら、吸着塔2の下端から吸着力の弱いA成分をA成
分抜出弁2Aを介して抜出し、同時に、吸着塔5の上端
から溶離液供給弁5Dを介して溶離液を供給しながら、
吸着塔6の下端からB成分抜出弁6Bを介して抜出す操
作を行ない、この操作を所定時間を行なった時点で、上
記の各液の供給位置及び抜出位置を循環系の下流側に一
吸着塔分移行させるという操作を行なうという、液の供
給,抜出しと位置の切換え移行の操作を一サイクルとし
て順次繰り返すことで、4ゾーン方式の擬似移動層クロ
マト分離操作が行なわれる。
【0007】なお上記の一サイクルとして説明した操作
中の各吸着塔内における状態から、吸着塔1,2がB成
分の吸着ゾーンである第1区画、吸着塔3,4がA成分
の吸着ゾーンである第2区画、吸着塔5,6がB成分の
溶離ゾーンである第3区画、吸着塔7,8がA成分の溶
離ゾーンである第4区画とそれぞれ称され、これらのゾ
ーンは液の供給,抜き出しの一の移行に伴って一吸着塔
分移行する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように擬似移動
層方式のクロマト分離法は、連続的な分離回収ができ、
また原料液負荷量(一サイクル当たりの原料液フィード
量/吸着剤の量)が固定層方式に比べて大きく、吸着剤
単位量当たりの処理効率が高いという特徴がある。
【0009】ところで、上記クロマト分離法において、
処理効率の一層の向上、高価な吸着剤使用量の削減化を
図ることは、この方法を実施するための装置の小型化、
低廉化の実現のために好ましく、本発明者はかかる観点
から鋭意研究を重ねて本発明をなすに至った。すなわち
本発明者は、従来のクロマト分離法においては液供給位
置の切換え時を除いて原料液供給は常に連続的に行なわ
れるために、回収する成分の一定純度を確保するのに原
料液負荷量(吸着剤に対する原料液の割合)に限界があ
ったが、原料液供給を上記のように常に連続して供給す
ることが必要か否か検討した。その結果、原料液供給は
常に連続して行なうことは必ずしも必要でなく、むしろ
原料液供給を休止する操作を併用すると、循環系内にお
いて目的成分が広がる(ブロードになる)傾向が抑制さ
れることを見い出した。
【0010】本発明はかかる知見に基づいてなされたも
のであり、その目的は、擬似移動層方式のクロマト分離
法の処理効率を向上させて、分離純度の向上、回収率の
向上を図ることができる新規な複数成分の分離法を提供
するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の請求項1に記載した発明の特徴は、原料液中に含ま
れる2以上の成分に対する選択的な吸着能力を有した吸
着剤が充填されている吸着塔の多数を無端直列に連結し
た吸着塔群に対して、該吸着塔群に一方向の液を循環さ
せて、この循環流の流れ方向に沿って該吸着塔群を第1
区画,第2区画,第3区画,第4区画に分け、第1区画
の頂部から上記原料液を流入させかつ末部から吸着剤に
対する吸着力の強い特定成分の含有量が少ない液を流出
させると共に、第3区画の頂部から溶離液を流入させか
つ末部から上記特定成分の含有量が多い液を流出させる
操作、及び所定時間毎に上記各液の流入及び流出の位置
を循環流の下流側に一吸着塔分移動させる操作の、上記
二つの操作を一サイクルとして繰り返す複数成分の分離
方法において、上記各一サイクル中の原料液の流入及び
溶離液の流入の操作は、第1区画の頂部から上記原料液
を流入させながら同時に第3区画の頂部から溶離液を流
入させる二液流入の時間帯と、及びこの二液流入時間帯
の前又は後の少なくともいずれかにおいて第1区画の頂
部から上記原料液を流入させることなく第3区画の頂部
から溶離液を流入させる一液流入の時間帯を実質的に連
続させて行なうようにしたところにある。
【0012】上記本発明は、既知の所謂4ゾーン方式の
クロマト分離法のいずれのものにも適用できる。
【0013】上記構成において、原料液と溶離液の流入
操作は、一サイクルの始めに二液流入の時間帯を設けて
その後に一液流入の時間帯を設けてもよいし、反対に該
一サイクルの始めに一液流入の時間帯を設けてその後に
二液流入の時間帯を設けてもよく、また更に、該一サイ
クルの中間に二液流入の時間帯を設けて、一サイクルの
始めと終りの双方に一液流入の時間帯を設けてもよい。
原料液の流入を休止させる時間の長さは、特に限定され
るものではないが、一液流入,二液流入の全時間に対し
て1/5〜4/5、好ましくは1/3〜1/2とするこ
とが好ましい場合が多い。1/5以下では原料液の供給
休止の効果があまり期待できず、反対に4/5以上では
原料液供給量が小となる傾向が大きくなからである。
【0014】また、請求項2に記載した発明の特徴は、
原料液中に含まれる2以上の成分に対する選択的な吸着
能力を有した吸着剤が充填されている吸着塔の多数を、
各々逆流防止弁を有する配管を介して無端直列に連結し
た吸着塔群に対し、該吸着塔群を流れ方向に沿って第1
区画,第2区画,第3区画に分け、第1区画と第2区画
の間の逆流を防止しながら、第1区画の頂部から上記原
料液を流入させかつ末部から上記吸着剤に対する吸着力
の強い成分の含有量が少ない液を流出させると共に、第
2区画の頂部から溶離液を流入させかつ末部から上記特
定成分の含有量が多い液を流出させ、さらに上記各液の
流入及び流出の位置を所定時間毎に循環流下流側に一吸
着塔分移動させる操作を繰り返す複数成分の分離方法に
おいて、原料液と溶離液を並行して流入させる操作は、
第1区画の頂部から上記原料液を流入させながら同時に
第2区画の頂部から溶離液を流入させる二液流入の時間
帯と、この二液流入時間帯の前又は後の少なくともいず
れかにおいて第1区画の頂部からは上記原料液を流入さ
せることなく第2区画の頂部から溶離液を流入させる一
液流入の時間帯を実質的に連続させて行なうようにした
ところにある。
【0015】この発明は、既知の所謂3ゾーン方式のク
ロマト分離を行なう方法、例えば特開昭62−9120
5号、特開平3−134562号、特開平3−1004
59号等のいずれの方法にも適用できる。
【0016】なお請求項2に記載した発明における逆流
防止弁とは、以下の場合に液が反対方向に流れることを
防止できるものであればよく、例えば遮断弁あるいは一
方向弁(チェッキ弁)などを用いることができる。すな
わち、第1区画の頂部から原料液を流入させ、第1区画
の末部から吸着剤に対する吸着力の強い成分の含有量が
少ない液(A成分液)を流出させ、同時に第2区画頂部
から溶離液を流入させる際に、第1区画の末部と第2区
画の頂部は配管によって連通しているので、前記溶離液
が配管を通じて逆流し、前記A成分液に混入するのを防
止する必要がある。
【0017】このような場合に、一方向弁を付設させて
いる場合は自動的に上記混入を防止でき、また遮断弁を
付設している場合はこの遮断弁を閉じることで上記混入
を防止することができる。
【0018】
【作用】本発明においては、原料液の流入及び溶離液の
流入操作において、溶離液は常に供給するが、原料液は
供給と休止の時間帯を分けているので、原料液の供給休
止中において既に循環系に供給された原料液が循環流に
よって移動するという従来はなかった状態、すなわち第
1区画において吸着力の強い成分と弱い成分が分離する
条件が与えられ、したがって、一サイクルの全時間帯に
おいて原料液を供給する従来法と同じ液量を供給する場
合でも、吸着塔内の原料液中の各成分の帯域が狭くなっ
て複数の成分の分離状態が良好となり、目的とする成分
を高純度に高い回収率で回収することができる。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて更に説明す
る。
【0020】実施例1 本例においては、既に説明した4ゾーン方式の擬似移動
層クロマト分離に用いられる8塔型(吸着塔1〜8)の
吸着塔群からなる図1の装置を用いて、第1区画を形成
する吸着塔1の上端から原料液供給弁1Fを介して原料
液を供給しながら、同第1区画の吸着塔2の下端から吸
着力の弱いA成分をA成分抜出弁2Aを介して抜出し、
同時に、第3区画を形成する吸着塔5の上端から溶離液
供給弁5Dを介して溶離液を供給しながら、同第3区画
の吸着塔6の下端からB成分抜出弁6Bを介して抜出す
操作を行なうと共に、所定時間を経過した時点で、上記
の各液の供給位置及び抜出位置を、循環系の下流側に一
吸着塔分移行させるという操作を一サイクルとして繰り
返すが、常に供給する溶離液に対して上記の原料液の供
給を以下に説明するようにその後半部分において一時的
に休止することを特徴とする。
【0021】本例においては、Ca型の強酸性カチオン
交換樹脂(アンバーライトCG6000:商品名)を充
填した吸着塔1〜8で装置を構成し、これに下記表1組
成の原料液を供給すると共に溶離液として水を用いて、
フラクトースを回収する操作を行なった。
【0022】
【表1】
【0023】装置の構成条件及び運転条件は以下の通り
である。すなわち、吸着剤13.82リットルを充填し
た内径108.3mm、充填層高1500mmの吸着塔
の内部を60℃に保ち、下記表2に示すタイムスケジュ
ールでフラクトースを回収した。なお一サイクル途中で
原料液の供給を休止した後半部分の時間長さは、常に供
給を継続した溶離液の供給時間に対して1/2とした。
【0024】
【表2】
【0025】なお本例で用いた原料液中に含まれる各成
分の上記Ca型の強酸性カチオン交換樹脂に対する親和
性の強さの順序はフラクトース>グルコース>マルトー
スであり、抜出弁1A〜8Aからはマルトース及びグル
コースの成分に富む液体が抜き出され、抜出弁1B〜8
Bからは分離目的成分であるフラクトースに富む液体が
抜き出された。
【0026】 一サイクルを91.14分とした各工程での流量 原料液の供給量 10.2リットル/サイクル 溶離液の供給量 25.2リットル/サイクル マルトース,グルコース画分の抜出し量17.7リット
ル/サイクル フラクトース画分の抜出し量17.7リットル/サイク
ル 以上のクロマト分離の操作により得られたフラクトース
の回収率等を下記表3に示した。
【0027】
【表3】
【0028】比較例1 装置の構成条件及び原料液の組成は実施例1と同一と
し、運転条件を常に原料液を供給する表4のように変更
してフラクトースの回収を行なった。
【0029】 一サイクルを91.14分とした各工程での流量 原料液の供給量 8.4リットル/サイクル 溶離液の供給量 25.2リットル/サイクル マルトース,グルコース画分の抜出し量16.8リット
ル/サイクル フラクトース画分の抜出し量16.8リットル/サイク
【0030】
【表4】
【0031】以上の従来法によるクロマト分離の操作に
より得られたフラクトースの回収率等を下記表5に示し
た。
【0032】
【表5】
【0033】この表3と表5の結果から、上記実施例1
と比較例1とでは、処理量が本発明実施例1において比
較例1の約1.2倍となっているにも拘らず、回収され
るフラクトースの純度及び回収率は該比較例1と同等で
あることが分かり、本発明方法の有効性が実証された。
【0034】以上の実施例1と比較例1による効果上の
差異は、富化帯域の状態の違いから次のように説明され
る。すなわち、従来例では一サイクルの全時間において
連続的に供給するために各サイクルの弁の切換直前にお
けるA,B成分の分離状態が図4のようになるのに対
し、本例では各サイクルの液供給の後半部分において一
時的に原料液の供給を休止するために、同A,B成分の
分離状態は図2,3の各2′,3′,4′・・・とな
る。これらの図を比較すれば明らかであるように、A,
B成分の分離は図4の場合に比べて本例の図2,3の場
合に良好であり、これによって上述した本発明における
良好な分離性の向上、したがって純度及び回収率の向上
が奏されるのである。
【0035】実施例2 上記比較例1の装置構成条件及び原料液組成を同一にす
ると共に、原料液の供給は、その供給量を比較例1と同
じにすると共に、供給操作は一時休止する実施例1と同
じ条件で操作してフラクトースの回収を行なった。本例
によるフラクトースの回収率等を下記表6に示した。
【0036】
【表6】
【0037】この表6の結果から分かるように、同一の
装置を用いて行なった従来法(比較例1)の分離結果に
比べて、同量の原料液を供給する際に、その供給を一時
休止するという操作を行なった実施例2では、目的とす
る回収成分であるフラクトースの純度の向上、回収率の
向上が得られることが分かる。
【0038】実施例3 本例においては、既に説明した3ゾーン方式の擬似移動
層クロマト分離に用いられる6塔型(吸着塔1〜6)の
吸着塔群からなる図5の装置を用いて、次のように実施
した。
【0039】なお図5の装置は逆流防止弁として遮断弁
を用いた。すなわち、遮断弁2Zを閉じて、第1区画を
形成する吸着塔1の上端から原料液供給弁1Fを介して
原料液を供給しながら、同第1区画の吸着塔2の下端か
ら吸着力の弱いA成分をA成分抜出弁2Aを介して抜出
し、同時に第3区画を形成する吸着塔3の上端から溶離
液供給弁3Dを介して溶離液を供給しながら、同第3区
画の吸着塔4の下端からB成分をB成分抜出弁4Bを介
して抜出す操作を行なうと共に、所定時間を経過した時
点で、上記の各液の供給位置及び抜出位置および遮断弁
の閉じる位置を、循環系の下流側に一吸着塔分だけ移行
させるという操作を一サイクルとして繰り返すが、常に
供給する溶離液に対して上記の原料液を以下に説明する
ようにその後半部分において一時的に休止させた。
【0040】本例においては、Ca型の強酸性カチオン
交換樹脂(アンバーライトCG6000:商品名)を充
填した吸着塔1〜6で装置を構成し、これに上記表1組
成の原料液を供給すると共に溶離液として水を用いて、
フラクトースを回収する操作を行なった。
【0041】装置の構成条件及び運転条件は以下の通り
である。すなわち、吸着剤13.82リットルを充填し
た内径108.3mm、充填層高1500mmの吸着塔
の内部を60℃に保ち、下記表7に示すタイムスケジュ
ールでフラクトースを回収した。なお一サイクル途中で
原料液の供給を休止した後半部分の時間長さは、常に供
給を継続した溶離液の供給時間に対して1/2とした。
【0042】
【表7】
【0043】なお本例で用いた原料液中に含まれる各成
分の上記Ca型の強酸性カチオン交換樹脂に対する親和
性の強さの順序はフラクトース>グルコース>マルトー
スであり、抜出弁1A〜6Aからはマルトース及びグル
コースの成分に富む液体が抜き出され、抜出弁1B〜6
Bからは分離目的成分であるフラクトースに富む液体が
抜き出された。
【0044】 一サイクルを68.40分とした各工程での流量 原料液の供給量 10.2リットル/サイクル 溶離液の供給量 47.1リットル/サイクル マルトース,グルコース画分の抜出し量40.4リット
ル/サイクル フラクトース画分の抜出し量16.8リットル/サイク
ル 以上のクロマト分離の操作により得られたフラクトース
の回収率等を下記表8に示した。
【0045】
【表8】
【0046】比較例2 装置の構成条件及び原料液の組成は実施例3と同一と
し、運転条件を常に原料液を供給する表9のように変更
してフラクトースの回収を行なった。
【0047】 一サイクルを68.40分とした各工程での流量 原料液の供給量 8.4リットル/サイクル 溶離液の供給量 47.1リットル/サイクル マルトース,グルコース画分の抜出し量38.7リット
ル/サイクル フラクトース画分の抜出し量16.8リットル/サイク
【0048】
【表9】
【0049】以上の従来法によるクロマト分離の操作に
より得られたフラクトースの回収率等を下記表10に示
した。
【0050】
【表10】
【0051】この表8と表10の結果から、上記実施例
3と比較例2とでは、処理量が本発明実施例3において
比較例2の約1.2倍となっているにも拘らず、回収さ
れるフラクトースの純度及び回収率は該比較例1と同等
であることが分かり、本発明方法の有効性が実証され
た。
【0052】実施例4 上記比較例2の装置構成条件及び原料液組成を同一にす
ると共に、原料液の供給は、その供給量を比較例2と同
じにすると共に、供給操作は一時休止する実施例3と同
じ条件で操作してフラクトースの回収を行なった。本例
によるフラクトースの回収率等を下記表11に示した。
【0053】
【表11】
【0054】この表11の結果から分かるように、同一
の装置を用いて行なった従来法(比較例2)の分離結果
に比べて、同量の原料液を供給する際に、その供給を一
時休止するという操作を行なった実施例4では、目的と
する回収成分であるフラクトースの純度の向上、回収率
の向上が得られることが分かる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、従来は溶離液と共に連
続的に供給していた原料液を、供給期間中に休止させる
時間帯を設けたことにより、吸着塔内における目的成分
の富化帯域の幅が狭くなり、分離純度の向上によって高
純度品を高率で回収できるという効果がある。
【0056】また従来と同一規模の装置を用いる場合に
は原料液負荷量の増加、すなわち処理量の増大を図るこ
とができるので生産性が向上し、また従来と同一量を処
理する場合には装置の大きさを小さくでき、吸着剤の使
用量を削減できるためコストの低廉化、資源の有効利用
が図られるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に用いられる擬似移動層式装
置の構成概要を示した図。
【図2】図1の装置を用いて8サイクルの運転を行なっ
た際のA成分及びB成分の富化帯域の移動の状態を図解
的に示したうちの前半1〜4サイクルまでの図。
【図3】図1の装置を用いて8サイクルの運転を行なっ
た際のA成分及びB成分の富化帯域の移動の状態を図解
的に示したうちの後半4〜8サイクルまでの図。
【図4】溶離液と原料液を並行して常に供給した従来例
の場合のA成分及びB成分の富化帯域の移動の状態を図
解的に示した図。
【図5】本発明の実施例3に用いられる擬似移動層式装
置の構成概要を示した図。
【符号の説明】
1〜8・・・吸着塔、1A〜8A・・・A成分抜出弁、
1B〜8B・・・B成分抜出弁、1D〜8D・・・溶離
液供給弁、1F〜8F・・・原料液供給弁、12・・・
ポンプ、13・・・溶離液供給ポンプ、14・・・原料
液供給ポンプ、15・・・溶離液供給管、16・・・原
料液供給管、17・・・A成分抜出管、18・・・B成
分抜出管、101〜108・・・配管。
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】上記構成において、原料液と溶離液の流入
操作は、一サイクルの始めに二液流入の時間帯を設けて
その後に一液流入の時間帯を設けてもよいし、反対に該
一サイクルの始めに一液流入の時間帯を設けてその後に
二液流入の時間帯を設けてもよく、また更に、該一サイ
クルの中間に二液流入の時間帯を設けて、一サイクルの
始めと終りの双方に一液流入の時間帯を設けてもよい。
原料液の流入を休止させる時間の長さは、特に限定され
るものではないが、一液流入,二液流入の全時間に対し
て1/5〜4/5、好ましくは1/3〜1/2とするこ
とが好ましい場合が多い。1/5以下では原料液の供給
休止の効果があまり期待できず、反対に4/5以上では
原料液供給量が小となる傾向が大きくなからである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料液中に含まれる2以上の成分に対す
    る選択的な吸着能力を有した吸着剤が充填されている吸
    着塔の多数を無端直列に連結した吸着塔群に対して、該
    吸着塔群に一方向の液を循環させて、この循環流の流れ
    方向に沿って該吸着塔群を第1区画,第2区画,第3区
    画,第4区画に分け、第1区画の頂部から上記原料液を
    流入させかつ末部から吸着剤に対する吸着力の強い特定
    成分の含有量が少ない液を流出させると共に、第3区画
    の頂部から溶離液を流入させかつ末部から上記特定成分
    の含有量が多い液を流出させる操作、及び所定時間毎に
    上記各液の流入及び流出の位置を循環流の下流側に一吸
    着塔分移動させる操作の、上記二つの操作を一サイクル
    として繰り返す複数成分の分離方法において、 上記各一サイクル中の原料液の流入及び溶離液の流入の
    操作は、第1区画の頂部から上記原料液を流入させなが
    ら同時に第3区画の頂部から溶離液を流入させる二液流
    入の時間帯と、及びこの二液流入時間帯の前又は後の少
    なくともいずれかにおいて第1区画の頂部から上記原料
    液を流入させることなく第3区画の頂部から溶離液を流
    入させる一液流入の時間帯を実質的に連続させて行なう
    ことを特徴とする複数成分の分離方法。
  2. 【請求項2】 原料液中に含まれる2以上の成分に対す
    る選択的な吸着能力を有した吸着剤が充填されている吸
    着塔の多数を、各々逆流防止弁を有する配管を介して無
    端直列に連結した吸着塔群に対し、該吸着塔群を流れ方
    向に沿って第1区画,第2区画,第3区画に分け、第1
    区画と第2区画の間の逆流を防止しながら、第1区画の
    頂部から上記原料液を流入させかつ末部から上記吸着剤
    に対する吸着力の強い成分の含有量が少ない液を流出さ
    せると共に、第2区画の頂部から溶離液を流入させかつ
    末部から上記特定成分の含有量が多い液を流出させ、さ
    らに上記各液の流入及び流出の位置を所定時間毎に循環
    流下流側に一吸着塔分移動させる操作を繰り返す複数成
    分の分離方法において、 原料液と溶離液を並行して流入させる操作は、第1区画
    の頂部から上記原料液を流入させながら同時に第2区画
    の頂部から溶離液を流入させる二液流入の時間帯と、こ
    の二液流入時間帯の前又は後の少なくともいずれかにお
    いて第1区画の頂部からは上記原料液を流入させること
    なく第2区画の頂部から溶離液を流入させる一液流入の
    時間帯を実質的に連続させて行なうことを特徴とする複
    数成分の分離方法。
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