JPH08139933A - 画像処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 黒エッジ部を正確に検出できる画像処理装置
を提供する。 【構成】 画像処理装置において、カラー画像をスキャ
ナによって読み取って３原色のそれぞれの濃度に対応す
る３原色データに変換する手段、３原色データに基づい
て、エッジ部の画素を検出するエッジ検出手段１、注目
画素とその両隣の画素の３原色データに基づいて、注目
画素の画素色を判定する画素色判定手段２、エッジ検出
手段１のエッジ検出結果および画素色判定手段２の画素
色判定結果に基づいて、黒エッジ部の画素を検出する黒
エッジ検出手段３１、ならびに黒エッジ検出手段３１の
黒エッジ検出結果および画素色判定手段２の画素色判定
結果に基づいて、黒エッジ部とベース部との境界部の画
素を検出する黒エッジ隣接カラー滲み画素検出手段３２
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、カラー複写機などの
画像処理装置に関し、特に黒文字領域のエッジ部を正確
に検出できる画像処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】カラー複写機においては、一般に、カラ
ー原稿がＣＣＤで構成されたスキャナによって読み取ら
れ、赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の加色法の３原色の
電気信号に変換される。赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）
の電気信号は、これらの補色であるシアン（Ｃ）、マゼ
ンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の減色法の３原色データに
変換される。

【０００３】また、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イ
エロー（Ｙ）の３原色データに基づいて、黒（ＢＫ）デ
ータが生成される。各画素ごとに、Ｙ、Ｍ、Ｃの各成分
の最小値ｍｉｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ）が抽出され、これに補正
係数βを掛けた値βｍｉｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ）がその画素の
ＢＫ出力（ＢＫｏｕｔ＝βｍｉｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ））とさ
れる。

【０００４】そして、Ｙ出力（Ｙｏｕｔ）は、Ｙ成分か
らＹ、Ｍ、Ｃの各成分の最小値ｍｉｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ）を
減算した値（Ｙｏｕｔ＝Ｙ−ｍｉｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ））と
なる。同様に、Ｍ出力（Ｍｏｕｔ）は、Ｍ成分からｍｉ
ｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ）を減算した値（Ｍｏｕｔ＝Ｍ−ｍｉｎ
（Ｙ，Ｍ，Ｃ））となり、Ｃ出力（Ｃｏｕｔ）は、Ｃ成
分からｍｉｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ）を減算した値（Ｃｏｕｔ＝
Ｃ−ｍｉｎ（Ｙ，Ｍ，Ｃ））となる。

【０００５】現像は、各色の出力信号Ｙｏｕｔ、Ｍｏｕ
ｔ、Ｃｏｕｔ、ＢＫｏｕｔに基づいて、各色それぞれに
ついて行なわれる。たとえば、イエロー（Ｙ）の現像を
行なう場合には、信号Ｙｏｕｔに基づいて変調されたレ
ーザビームによって感光体表面が走査され、この感光体
表面にイエロー（Ｙ）に対応した静電潜像が形成され
る。この静電潜像は、イエロートナーによってトナー像
に顕像化された後、記録用紙に転写される。マゼンタ
（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラック（ＢＫ）についても、
同様な現像が行なわれる。

【０００６】ところで、カラー複写機においては、入力
された画像に対し、その特徴に基づいて、網点領域、黒
文字領域、写真領域の３種類の分類判定が行なわれてい
る。そして、判定された各領域ごとに、それぞれ適した
処理が施されることによって、高画質化が図られてい
る。

【０００７】黒文字領域の画像に対しては、たとえば、
黒文字を強調するための処理が施される。写真領域の画
像に対しては、たとえば、平滑化処理と鮮鋭化処理とが
施される。網点領域の画像に対しては、たとえば、モア
レ（干渉縞）を防止するための処理が施される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】黒文字領域の画像に対
して黒文字を強調するための処理を施すためには、黒文
字領域を正確に抽出することが必要となる。黒文字領域
の抽出は、エッジの判定と画素色の判定とに基づいて行
なわれている。従来においては、画素色の判定において
は、注目画素の画像データのみに基づいて行なわれてい
る。

【０００９】ところで、現在使用されているスキャナで
は、１画素に対するＢ、Ｇ、Ｒフィルタの配列順序は、
たとえば、図１４に示すように、主走査方向に、Ｂ、
Ｇ、Ｒの順となっている。したがって、黒文字領域の立
ち上がりエッジ部では、Ｂ、Ｇ、Ｒ信号の濃度関係はＲ
＞Ｇ＞Ｂとなり、Ｙ、Ｍ、Ｃ信号の濃度関係はＣ＞Ｍ＞
Ｙとなる。逆に、黒文字領域の立ち下がりエッジ部で
は、Ｂ、Ｇ、Ｒ信号の濃度関係はＢ＞Ｇ＞Ｒとなり、
Ｙ、Ｍ、Ｃ信号の濃度関係はＹ＞Ｍ＞Ｃとなる。

【００１０】このため、注目画素の画像データのみに基
づいて画素色を判定する手法では、黒文字領域のエッジ
部（黒エッジ部）の画素色判定を正確に行なうことがで
きず、黒エッジ部を正確に検出できないという問題があ
る。

【００１１】この発明は、黒エッジ部を正確に検出でき
る画像処理装置を提供することを目的とする。

【００１２】また、この発明は、黒エッジ部とベース部
との境界部の画素を検出でき、検出された境界部の画素
の３原色データに所定の処理を施すことにより、黒エッ
ジ部を強調することが可能となる画像処理装置を提供す
ることを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この発明による画像処理
装置は、カラー画像をスキャナによって読み取って３原
色のそれぞれの濃度に対応する３原色データに変換する
手段、３原色データに基づいて、エッジ部の画素を検出
するエッジ検出手段、注目画素とその両隣の画素の３原
色データに基づいて、注目画素の画素色を判定する画素
色判定手段、エッジ検出手段のエッジ検出結果および画
素色判定手段の画素色判定結果に基づいて、黒エッジ部
の画素を検出する黒エッジ検出手段、ならびに黒エッジ
検出手段の黒エッジ検出結果および画素色判定手段の画
素色判定結果に基づいて、黒エッジ部とベース部との境
界部の画素を検出する黒エッジ隣接カラー滲み画素検出
手段を備えていることを特徴とする。

【００１４】画素色判定手段としては、たとえば、注目
画素の３原色データに基づいて、注目画素の画素色を、
黒、白、有彩色、灰色または灰色候補に分類判定する第
１判定手段、第１判定手段によって画素色が灰色候補と
判定された注目画素の画素色を、注目画素の最大濃度色
と、注目画素の両隣の画素の画素色および最大濃度色と
に基づいて、灰色または有彩色に分類判定する第２判定
手段を備えているものが用いられる。

【００１５】この場合、第２判定手段による分類判定条
件は、スキャナのカラーフィルタの配列順序に応じた黒
エッジ部の画素色および最大濃度色の特性に基づいて設
定される。

【００１６】黒エッジ隣接カラー滲み画素検出手段とし
ては、注目画素に対する黒エッジ検出結果、画素色およ
び最大濃度色と、注目画素の一方の隣の画素に対する黒
エッジ検出結果と、注目画素の他方の隣の画素に対する
黒エッジ検出結果および画素色とに基づいて、注目画素
が黒エッジ部とベース部との境界部の画素であるか否か
を判定する黒エッジ隣接カラー滲み画素判定手段を備え
ているものが用いられる。

【００１７】この場合、黒エッジ隣接カラー滲み画素判
定手段による判定条件は、スキャナのカラーフィルタの
配列順序に応じた上記境界部での画素色および最大濃度
色の特性と、上記境界部での画像濃度特性に基づいて設
定される。

【００１８】

【作用】カラー画像は、光学スキャナによって読み取ら
れて３原色のそれぞれの濃度に対応する３原色データに
変換される。エッジ検出手段では、３原色データに基づ
いて、エッジ部の画素が検出される。画素色判定手段で
は、注目画素とその両隣の画素の３原色データに基づい
て、注目画素の画素色が判定される。

【００１９】そして、エッジ検出手段のエッジ検出結果
および画素色判定手段の画素色判定結果に基づいて、黒
エッジ部の画素が検出される。また、黒エッジ検出手段
の黒エッジ検出結果および画素色判定手段の画素色判定
結果に基づいて、黒エッジ部とベース部との境界部の画
素が検出される。

【００２０】

【実施例】以下、図１〜図１３を参照して、この発明の
実施例について説明する。

【００２１】（１）黒エッジ検出部の全体構成の説明

【００２２】図１は、黒エッジ検出部の構成を示してい
る。黒エッジ検出部は、エッジ検出部１と、画素色判定
部２と、結果合成部３とから構成されている。エッジ検
出部１には、図示しないスキャナの読み取り信号に基づ
いて生成されたＭ、Ｃ、Ｙ信号が入力される。エッジ検
出部１からは、エッジ検出結果が出力される。

【００２３】画素色判定部２にも、Ｍ、Ｃ、Ｙ信号が入
力される。画素色判定部２からは、画素色判定結果が出
力される。結果合成部３には、エッジ検出部１の検出結
果と画素色判定部２の判定結果が送られる。結果合成部
３からは、黒エッジ検出結果が出力される。この実施例
においては、スキャナに設けられたカラーフィルタの配
列順序は、図１４に示すように、主走査方向にＢ、Ｇ、
Ｒの順であるとする。

【００２４】（２）エッジ検出部１の説明

【００２５】図２は、エッジ検出部１の構成を示してい
る。エッジ検出部１は、黒データ生成部１１、第１前処
理部１２、第２前処理部１３、３値化処理部１４および
エッジ判定部１５を備えている。

【００２６】（２−１）黒データ生成部１１の説明 黒データ生成部１１では、各８ビットのＭ、Ｃ、Ｙ画像
データのうちの、最小値min(M,C,Y)が求められる。そし
て、求められた最小値が黒成分データＢＫとして出力さ
れる。つまり、黒成分データ（ＢＫ）は、次式で表され
る。

【００２７】

【数１】ＢＫ＝ｍｉｎ（Ｍ，Ｃ，Ｙ）

【００２８】（２−２）第１前処理部１２の説明 第１前処理部１２では、各画素の黒成分データＢＫに対
して、ローパスフィルタ処理が施される。

【００２９】たとえば、注目画素に対して図５に示す、
３×３の積分フィルタを用いて、ローパスフィルタ処理
が施される。つまり、注目画素を中心とする３×３のマ
トリクス内の各画素の黒成分データＢＫを、図６に示す
ようにＡ〜Ｉとすると、注目画素の黒成分データＢＫ
は、次の式で示されるＢＫ’（第１処理データ）に変換
される。

【００３０】

【数２】ＢＫ’＝（Ｂ＋Ｄ＋４Ｅ＋Ｆ＋Ｈ）×０．２５

【００３１】（２−３）第２前処理部１３の説明 第２前処理部１３では、第１前処理部１２によって得ら
れた第１処理データＢＫ’に対して、エッジ強調フィル
タ処理が施される。

【００３２】たとえば、注目画素に対して図７に示す、
３×５の微分フィルタを用いて、エッジ強調フィルタ処
理が施される。つまり、注目画素を中心とする３×５の
マトリクス内の各画素の第１処理データＢＫ’を、図８
に示すようにＡ〜Ｏとすると、注目画素のデータＢＫ
は、次の式で示されるＢＫ”（第２処理データ）に変換
される。

【００３３】

【数３】ＢＫ”＝（−４Ｃ−Ｆ−３Ｇ＋２４Ｈ−３Ｉ−
Ｊ−４Ｍ）×０．１２５

【００３４】（２−４）３値化処理部１４の説明 ３値化処理部１４では、第２前処理部１３によって得ら
れた８ビットの第２処理データＢＫ”が、２つの閾値ｔ
１、ｔ２（ｔ１＞ｔ２）を用いて３値化される。

【００３５】つまり、ＢＫ”≧ｔ１であれば、高濃度画
素であると判別される。ＢＫ”≦ｔ２であれば、低濃度
画素であると判別される。ｔ２＜ＢＫ”＜ｔ１であれ
ば、中間調画素であると判別される。これらの判別結果
は、２ビットの３値化データで表される。高濃度画素で
ある場合の３値化データをtr(H) で示し、低濃度画素で
ある場合の３値化データをtr(L) で示し、中間調画素で
有る場合の３値化データをtr(M) で示す。閾値ｔ１とし
ては、たとえば、１６０が設定され、閾値ｔ２として
は、たとえば、５０が設定される。

【００３６】（２−５）エッジ判定部１５の説明 エッジ判定部１５では、エッジ領域判定処理と、高濃度
エッジ領域判定処理とが行なわれる。

【００３７】エッジ領域判定処理では、図９に示すよう
に、注目画素ｘを中心とした５×５のマトリクス領域内
に、高濃度画素（tr(H) ）と、低濃度画素（tr(L) ）と
が、それぞれ１つ以上存在している場合には、注目画素
ｘを中心とした３×３のマトリクス領域内の画素が、エ
ッジ画素と判定される。このエッジ領域判定処理では、
任意の１画素に対して、一度、エッジ画素と判定された
場合には、その判定結果が保持される。

【００３８】高濃度エッジ領域判定処理では、エッジ画
素と判定された画素が、高濃度画素（tr(H) ）または中
間調画素（tr(M) ）である場合には、その画素が高濃度
エッジ画素と判定される。高濃度エッジ画素に対しては
判定結果データed(E) が出力され、その他の画素に対し
ては判定結果データed(N) が出力される。

【００３９】（３）画素色判定部２の説明 図３は、画素色判定部２の構成を示している。画素色判
定部２は、判定部２１と、カラー滲み補正部２２とを備
えている。

【００４０】（３−１）判定部２１の説明 判定部２１では、各画素のＭ、Ｃ、Ｙデータに基づい
て、画素色判定処理が行なわれる。

【００４１】すなわち、まず、注目画素のＭ、Ｃ、Ｙデ
ータに基づいて、最大濃度max(M,C,Y)と、最大濃度色cl
max(M,C,Y)とが抽出される。

【００４２】また、注目画素のＭ、Ｃ、Ｙデータに基づ
いて、最小濃度min(M,C,Y)と、最小濃度色clmin(M,C,Y)
とが抽出される。

【００４３】そして、注目画素の最大濃度max(M,C,Y)
と、最小濃度min(M,C,Y)とに基づいて、注目画素の画素
色cld が判定される。この画素色判定処理では、注目画
素の色が、黒(Black) 、白(White) 、灰色(Gray0) 、灰
色候補(Gray1) および有彩色(Color) のうちの１に判定
される。また、この画素色判定処理では、次の５つの閾
値が用いられる。

【００４４】tbk ： Black 判定閾値であり、たとえ
ば、１６０〜１７０に設定される。 twh ： White 判定閾値であり、たとえば、３０〜４０
に設定される。 tglv ： Glayレベル判定閾値であり、たとえば、７０
に設定される。 tgw0 ： Gray0 レンジ判定閾値であり、たとえば、３
０に設定される。 tgw1 ： Gray1 レンジ判定閾値（ただし、tgw0＜tgw
1）であり、たとえば、６０に設定される。

【００４５】判定条件および判定結果は、次の通りであ
る。

【００４６】(i) min(M,C,Y)≧tbk ならば cld ＝Bl
ack と判定される。 (ii) max(M,C,Y)≦twh ならば cld ＝White と判定
される。 (iii) 上記1)に該当せず、min(M,C,Y)≧tglv かつmax
(M,C,Y)−min(M,C,Y)≦tgw0 ならば cld ＝Gray0 と
判定される。 (iv) 上記(i) または(iii) に該当せず、min(M,C,Y)≧t
glv かつmax(M,C,Y)−min(M,C,Y)≦tgw1 ならば cld
＝Gray1 と判定される。 (v) 上記(i) 〜(iv)以外であれば cld ＝Color と判定
される。

【００４７】上記の判定条件および判定結果に示すよう
に、灰色候補(Gray1) に対する判定条件は、灰色(Gray
0) に対する判定条件より緩やかに設定されている。

【００４８】判定部２１からは、画素色判定結果データ
cld(White, Color, Gray0, Gray1,Black)と、最大濃度
色データclmax(M,C,Y)とが出力される。

【００４９】（３−２）カラー滲み補正部２２の説明 カラー滲み補正部２２では、画素色判定処理によって灰
色候補(Gray1) と判定された画素に対して、両隣の画素
を参照して、カラー滲み補正が行なわれる。

【００５０】カラー滲み補正では、画素色判定処理によ
ってGray1 と判定された画素が、黒エッジ部の画素であ
るか否かが、その両隣の画素を参照することにより判定
され、黒エッジ部の画素である場合にはその画素色がGl
ay0 に補正され、そうでない場合にはその画素色がColo
r に補正される。

【００５１】Gray1 と判定された画素( 注目画素) ｎが
図１０または図１１に示すように、立ち上がり黒エッジ
部にある場合には、カラーフィルタの配列により、注目
画素ｎのＭ、Ｃ、Ｙの濃度関係は、Ｃ＞Ｍ＞Ｙとなる。
したがって、注目画素ｎの最大濃度色clmax(M,C,Y)はシ
アンＣとなる。

【００５２】Gray1 と判定された画素( 注目画素) ｎが
図１２または図１３に示すように、立ち下がり黒エッジ
部にある場合には、カラーフィルタの配列により、注目
画素ｎのＭ、Ｃ、Ｙの濃度関係は、Ｙ＞Ｍ＞Ｃとなる。
したがって、注目画素ｎの最大濃度色clmax(M,C,Y)はイ
エローＹとなる。

【００５３】Gray1 と判定された画素( 注目画素) ｎの
最大濃度色clmax(M,C,Y)がマゼンダＭである場合には、
その注目画素ｎは黒エッジ部にないと判定され、その画
素色cld が Gray1 からcolor に補正される。

【００５４】Gray1 と判定された画素( 注目画素) ｎの
最大濃度色clmax(M,C,Y)がシアンＣであることを条件１
とする。条件１を満たす場合には、その両隣の画素に基
づいて、注目画素が立ち上がり黒エッジ部にある画素か
否かが判定される。

【００５５】注目画素ｎが図１０に示すように、立ち上
がり黒エッジ部の画素である場合には、注目画素の左隣
りの画素（ｎ−１）は、次の条件２を満たすはずであ
る。 cld ＝White または cld ＝Gray1 でかつ clmax(M,C,Y) ＝C または cld ＝Color でかつ clmax(M,C,Y) ＝C …条件２

【００５６】また、注目画素の右隣りの画素（ｎ＋１）
は、次の条件３ａを満たすはずである。 cld ＝Gray0 または cld ＝Black …条件３ａ

【００５７】なお、Gray1 と判定された画素（注目画
素）が、図１１に示すように細線の立ち上がり黒エッジ
部の画素である場合には、注目画素の右隣りの画素（ｎ
＋１）は、次の条件３ｂを満たすはずである。 cld ＝Gray1 でかつ clmax(M,C,Y) ＝Y または cld ＝Color でかつ clmax(M,C,Y) ＝Y …条件３ｂ

【００５８】条件３ａと条件３ｂとを合わせて条件３と
する。 cld ＝Gray0 または cld ＝Black または cld ＝Gray1 でかつ clmax(M,C,Y) ＝Y または cld ＝Color でかつ clmax(M,C,Y) ＝Y …条件３

【００５９】Gray1 と判定された画素( 注目画素) ｎの
最大濃度色clmax(M,C,Y)がシアンＣである場合（条件１
を満たす場合）には、その左隣の画素（ｎ−１）が上記
条件２を満たし、かつ右隣の画素ｎ＋１が上記条件３を
満たしていれば、注目画素が立ち上がり黒エッジ部にあ
ると判定され、注目画素ｎの画素色cld がGlay1 からGl
ay0に補正される。

【００６０】注目画素ｎが上記条件１を満たしていて
も、その左隣の画素（ｎ−１）が上記条件２を満たして
いない場合、または右隣の画素ｎ＋１が上記条件３を満
たしていない場合には、注目画素が立ち上がり黒エッジ
部にないと判定され、注目画素ｎの画素色cld がGlay1
から Colorに補正される。

【００６１】Gray1 と判定された画素( 注目画素) ｎの
最大濃度色clmax(M,C,Y)がイエローＹであることを条件
４とする。条件４を満たす場合には、その両隣の画素に
基づいて、注目画素が立ち下がり黒エッジ部にある画素
か否かが判定される。

【００６２】図１２に示すように、Gray1 と判定された
画素（注目画素）ｎが立ち下がり黒エッジ部の画素であ
る場合には、注目画素の左隣りの画素（ｎ−１）は、次
の条件５ａを満たすはずである。 cld ＝Gray0 または cld ＝Black …条件５ａ

【００６３】また、注目画素の右隣りの画素（ｎ＋１）
は、次の条件６を満たすはずである。 cld ＝White または cld ＝Gray1 でかつ clmax(M,C,Y) ＝Y または cld ＝Color でかつ clmax(M,C,Y) ＝Y …条件６

【００６４】なお、Gray1 と判定された画素（注目画
素）が、図１３に示すように細線の立ち下がり黒エッジ
部の画素である場合には、注目画素の左隣りの画素（ｎ
−１）は、次の条件５ｂを満たすはずである。 cld ＝Gray1 でかつ clmax(M,C,Y) ＝C または cld ＝Color でかつ clmax(M,C,Y) ＝C …条件５ｂ

【００６５】条件５ａと条件５ｂとを合わせて条件５と
する。 cld ＝Gray0 または cld ＝Black または cld ＝Gray1 でかつ clmax(M,C,Y) ＝C または cld ＝Color でかつ clmax(M,C,Y) ＝C …条件５

【００６６】Gray1 と判定された画素( 注目画素) ｎの
最大濃度色clmax(M,C,Y)がイエローＹである場合（条件
４を満たす場合）には、その左隣の画素（ｎ−１）が上
記条件５を満たし、かつ右隣の画素ｎ＋１が上記条件６
を満たしていれば、注目画素が立ち下がり黒エッジ部に
あると判定され、注目画素ｎの画素色cld がGlay1 から
Glay0に補正される。

【００６７】注目画素ｎが上記条件４を満たしていて
も、その左隣の画素（ｎ−１）が上記条件５を満たして
いない場合、または右隣の画素ｎ＋１が上記条件６を満
たしていない場合には、注目画素が立ち下がり黒エッジ
部にないと判定され、注目画素ｎの画素色cld がGlay1
から Colorに補正される。

【００６８】画素色判定部２からは、画素色判定結果デ
ータcld(White, Color, Gray0, Black) および最大濃度
色データclmax(M,C,Y)が出力される。

【００６９】（４）結果合成部３の説明 図４は、結果合成部３の構成を示している。結果合成部
３は、黒エッジ画素検出部３１と、エッジ隣接滲み画素
検出部３２とを備えている。

【００７０】（４−１）黒エッジ画素検出部３１の説明 黒エッジ画素検出部３１では、エッジ検出部１から入力
されるエッジ検出結果データed(E,N) ならびに画素色判
定部２から入力される画素色判定結果データcld(White,
Color, Gray0, Black) に基づいて、注目画素が黒エッ
ジ画素か否かが判定される。

【００７１】つまり、画素色判定部２でGray0 または B
lackと判定され、かつエッジ検出部1 で高濃度エッジed
(E) と判定された画素が、黒エッジ画素bed(BE) と判定
される。それ以外の画素は、非黒エッジ画素bed (N) と
される。

【００７２】（４−２）エッジ隣接滲み画素判定部３２
の説明

【００７３】エッジ隣接滲み画素検出部３２では、黒エ
ッジ画素検出部３１から入力される黒エッジ検出結果デ
ータbed(BE,N) ならびに画素色判定部２から入力される
画素色判定結果データcld(White, Color, Gray0, Blac
k) および最大濃度色データclmax(M,C,Y)に基づいて、
注目画素が黒エッジ部と白または有彩色のベース部との
境界部にある画素（エッジ隣接滲み画素）か否かが判定
される。

【００７４】エッジ隣接滲み画素の判定を行なっている
理由は、黒エッジ部を強調するためである。すなわち、
エッジ隣接滲み画素と判定された画素に対する各Ｍ、
Ｃ、Ｙ信号は、その最小値min(M,C,Y)に統一されること
により、黒エッジ部とベース部との境界部の濃度が薄く
なり、黒エッジ部が強調される。

【００７５】注目画素およびその両隣の画素が次の条件
ＡまたはＢを満たすときに、注目画素はエッジ隣接滲み
画素bed(EN) と判定される。条件Ａは、注目画素が立ち
上がり黒エッジ部とベース部との境界部のエッジ隣接滲
み画素( 図１０の画素（ｎ−１）に相当する）である否
かを判定するための条件である。条件Ｂは、注目画素ｎ
が立ち下がり黒エッジ部とベース部との境界部のエッジ
隣接滲み画素( 図１２の画素（ｎ＋１）に相当する）で
ある否かを判定するための条件である。

【００７６】(i) 条件Ａ 注目画素ｎに対する黒エッジ画素判定結果が非黒エ
ッジ画素bed(N)であり、かつ画素色判定結果が有彩色(c
olor) であり、かつ最大濃度色がシアン(C) であるこ
と、かつ 左隣の画素ｎ−１に対する黒エッジ判定結果が非黒
エッジ画素bed(N)であり、かつ画素色判定結果が白(Whi
te) または有彩色(color) であること、かつ 右隣の画素ｎ＋１に対する黒エッジ判定結果が黒エ
ッジ画素bed(BE) であること

【００７７】(ii) 条件Ｂ 注目画素ｎに対する黒エッジ画素判定結果が非黒エ
ッジ画素bed(N)であり、かつ画素色判定結果が有彩色(c
olor) であり、かつ最大濃度色がイエロー(Y)であるこ
と、かつ 左隣の画素ｎ−１に対する黒エッジ判定結果が黒エ
ッジ画素bed(BE) であること、かつ 右隣の画素ｎ＋１に対する黒エッジ判定結果が非黒
エッジ画素bed(N)であり、かつ画素色判定結果が白(Whi
te) または有彩色(color) であること

【００７８】上記実施例では、黒エッジ部の灰色の判定
は、両隣の画素を参照して行なわれており、スキャナの
カラーフィルタの配列順序に応じた黒エッジ部での画素
色および最大濃度色の特性が考慮されている。したがっ
て、黒エッジ部の灰色の判定が正確に行なわれ、黒エッ
ジ判定が正確に行なわれる。

【００７９】また、上記実施例では、エッジ隣接滲み画
素が検出されているので、検出されたエッジ隣接滲み画
素のＭ、Ｃ、Ｙ信号に対して所定の処理を施すことによ
り、黒エッジ部を強調することができる。

【００８０】

【発明の効果】この発明によれば、黒エッジ部を正確に
検出できるようになる。また、黒エッジ部とベース部と
の境界部の画素を検出でき、検出された境界部の画素の
３原色データに所定の処理を施すことにより、黒エッジ
部を強調することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】黒エッジ検出部の構成を示すブロック図であ
る。

【図２】エッジ検出部の構成を示すブロック図である。

【図３】画素色判定部の構成を示すブロック図である。

【図４】結果合成部の構成を示すブロック図である。

【図５】第１前処理部によるフィルタ処理を説明するた
めの模式図である。

【図６】第１前処理部によるフィルタ処理を説明するた
めの模式図である。

【図７】第２前処理部によるフィルタ処理を説明するた
めの模式図である。

【図８】第２前処理部によるフィルタ処理を説明するた
めの模式図である。

【図９】エッジ判定部によるエッジ判定処理を説明する
ための模式図である。

【図１０】注目画素が立ち上がり黒エッジ部にある場合
の注目画素および両隣の画素を示す模式図である。

【図１１】注目画素が細線の立ち上がり黒エッジ部にあ
る場合の注目画素および両隣の画素を示す模式図であ
る。

【図１２】注目画素が立ち下がり黒エッジ部にある場合
の注目画素および両隣の画素を示す模式図である。

【図１３】注目画素が細線の立ち下がり黒エッジ部にあ
る場合の注目画素および両隣の画素を示す模式図であ
る。

【図１４】カラーフィルタの配列順序によって、立ち上
がり黒エッジ部と立ち下がり黒エッジ部とで、ＭＣＹ信
号の特性が変化することを説明するための模式図であ
る。

【符号の説明】

１ エッジ検出部 ２ 画素色判定部 ３ 結果合成部 １１ 黒データ生成部 １２ 第１前処理部 １３ 第２前処理部 １４ ３値化処理部 １５ エッジ判定部 ２１ 判定部 ２２ カラー滲み補正部 ３１ 黒エッジ画素検出部 ３２ エッジ隣接滲み画素検出部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０４Ｎ 1/48 9061−5Ｈ Ｇ０６Ｆ 15/70 ３１０ Ｈ０４Ｎ 1/46 Ａ (72)発明者 熊本 秀近 大阪府大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 林 信二 大阪府大阪市中央区玉造１丁目２番28号 三田工業株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カラー画像をスキャナによって読み取っ
   て３原色のそれぞれの濃度に対応する３原色データに変
   換する手段、 ３原色データに基づいて、エッジ部の画素を検出するエ
   ッジ検出手段、 注目画素とその両隣の画素の３原色データに基づいて、
   注目画素の画素色を判定する画素色判定手段、 エッジ検出手段のエッジ検出結果および画素色判定手段
   の画素色判定結果に基づいて、黒エッジ部の画素を検出
   する黒エッジ検出手段、ならびに黒エッジ検出手段の黒
   エッジ検出結果および画素色判定手段の画素色判定結果
   に基づいて、黒エッジ部とベース部との境界部の画素を
   検出する黒エッジ隣接カラー滲み画素検出手段、 を備えている画像処理装置。
2. 【請求項２】 画素色判定手段は、注目画素の３原色デ
   ータに基づいて、注目画素の画素色を、黒、白、有彩
   色、灰色または灰色候補に分類判定する第１判定手段、 第１判定手段によって画素色が灰色候補と判定された注
   目画素の画素色を、注目画素の最大濃度色と、注目画素
   の両隣の画素の画素色および最大濃度色とに基づいて、
   灰色または有彩色に分類判定する第２判定手段、 を備えている請求項１記載の画像処理装置。
3. 【請求項３】 第２判定手段による分類判定条件は、ス
   キャナのカラーフィルタの配列順序に応じた黒エッジ部
   の画素色および最大濃度色の特性に基づいて設定されて
   いる請求項２に記載の画像処理装置。
4. 【請求項４】 黒エッジ隣接カラー滲み画素検出手段
   は、注目画素に対する黒エッジ検出結果、画素色および
   最大濃度色と、注目画素の一方の隣の画素に対する黒エ
   ッジ検出結果と、注目画素の他方の隣の画素に対する黒
   エッジ検出結果および画素色とに基づいて、注目画素が
   黒エッジ部とベース部との境界部の画素であるか否かを
   判定する黒エッジ隣接カラー滲み画素判定手段を備えて
   いる請求項１、２および３のいずれかに記載の画像処理
   装置。
5. 【請求項５】 黒エッジ隣接カラー滲み画素判定手段に
   よる判定条件は、スキャナのカラーフィルタの配列順序
   に応じた上記境界部での画素色および最大濃度色の特性
   と、上記境界部での画像濃度特性に基づいて設定されて
   いる請求項４に記載の画像処理装置。