JPH08139484A - 電磁波シールド構造体 - Google Patents

電磁波シールド構造体

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JPH08139484A
JPH08139484A JP27000894A JP27000894A JPH08139484A JP H08139484 A JPH08139484 A JP H08139484A JP 27000894 A JP27000894 A JP 27000894A JP 27000894 A JP27000894 A JP 27000894A JP H08139484 A JPH08139484 A JP H08139484A
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JP
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plastic
electromagnetic wave
mesh
molded body
wave shield
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JP27000894A
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Takashi Tamura
隆 田村
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Excel KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 設計の自由度が高くしかも電磁シールド効果
を具備するプラスチック成形体を提供する。 【構成】 網目状金属構造体2の所望の形状とさせ、該
構造体2を埋設してプラスチック部3を形成した電磁シ
ールド効果を有するプラスチック成形体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波シールド効果を
有する構造体に関するもので、プラスチック成形体内に
電磁波シールド効果を有する網目状金属構造体を設けた
電磁波シールド構造体に関するものである。
【0002】本発明は、電磁波障害を発生する発生源の
外部への漏洩シールドや、あるいは外部からの電磁波障
害の侵入防止シールドを必要とする筐体等に有効であ
る。
【0003】より具体的には、生産現場にある電磁波ノ
イズを発生する電気設備機器、電気工作機器、その他ス
イッチング機器や、電磁波シールドを必要とする民生・
家電機器、事務・商業機器、交通・輸送制御機器、計測
・通信・制御機器、コンピューターなどのデータ処理機
器、あるいは電気・電子機器を多用する自動車部品など
に有効である。
【0004】
【従来の技術】従来、電磁波シールドを行う方法とし
て、導電性を有する金属を使用する場合、板状の板金を
加工した金属筐体によるもの、薄い金属箔を粘着材等に
より貼合または積層(ラミネート)したもの、金属メッ
シュを枠内に収納したものなどが使われ、プラスチック
成形を利用する場合、プラスチック成形体の表面に導電
性塗料やメッキなどによって導電性を付与する方法か、
プラスチックに導電性を有するカーボン繊維・金属繊維
・金属フレーク・金属粉体等を含有させ成形する方法が
取られていた。
【0005】金属筐体は、金属板を加工するためにプレ
ス加工・溶接加工が必要となり、形状的に制約を受け設
計的な自由度が制限されていた。また、取付けに必要な
ブラケット等もプレス加工・溶接加工が要求され、数多
くの工数が掛かった。更に、防錆のためのメッキ加工や
塗装加工も必要であった。薄い金属箔を粘着材等により
貼合または積層(ラミネート)する場合は、粘着強度や
積層できる形状に限界があり使用できる範囲が限られて
いた。金属メッシュを使用する場合には、メッシュ端部
を固定するために金属製の枠内に収納するなどの方法が
取られ、平面体に形状が限られていた。
【0006】プラスチック成形体は、プラスチックの持
つ優れた成形性から、筐体デザインの自由度を増し、所
望の形状の成形体が得られているが、プラスチックが電
気絶縁体であるため単体では電磁波シールド効果がまっ
たく得られない。このため、プラスチック成形品に導電
性を付与し電磁波シールド効果を得る方法が取られてい
る。
【0007】その一つの方法としては、プラスチック成
形品の表面に導電性を付与する方法があり、金属粉体を
含有する導電性塗料を表面に塗布する方法、メッキ・真
空蒸着・スパッタリング・溶射等で金属薄膜を表面に形
成させる方法などがある。これら表面処理による導電化
処理は、プラスチック成形加工後の2次加工で行わなけ
ればならないこと、導電薄膜層とプラスチック成形体と
の密着強度を確保するのが困難なこと、2次加工と密着
強度を確保するための処理が必要で、コストが高くなる
などの問題がある。
【0008】他の方法としては、プラスチックに導電性
を有するカーボン繊維・金属繊維・金属フレーク・金属
粉体等を含有させ、プラスチック筐体に導電性を付与す
る方法がある。この方法は、プラスチック内に分散した
導電性の繊維状や粉体状の充填物が互いに接触すること
によって導電性を得るため、高充填の充填材量が必要と
なる。高充填の充填材を混入させるためプラスチックの
混練性・成形性が著しく損なわれるばかりでなく、繊維
状の充填材の場合には混練によって繊維が切断され効果
が低減するなどの問題がある。また、多量に混入する充
填材によって、プラスチックの機械的性質が低下するな
どの問題もある。更に、導電性の繊維状充填材のコスト
も高く、それをプラスチックに混入するコストも高いた
め、安価な製品が得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の方法にお
いて、良好な電磁波シールド効果を得られる板金による
金属筐体は、形状的に制約を受け設計的な自由度が制限
され、プレス加工・溶接加工などの数多くの工数が掛か
り防錆のためのメッキ加工や塗装加工も必要であるなど
の問題があった。薄い金属箔を粘着材等により貼合また
は積層(ラミネート)するものは、粘着強度や形状制限
に問題があり、金属メッシュは固定の枠内に収納され平
面体に形状が限られるなどの問題があった。
【0010】プラスチック成形体を利用する方法におい
ては、その一つとして、プラスチック成形体の表面に、
塗料塗布・メッキ・真空蒸着・スパッタリング・溶射等
で導電膜を表面に形成させる方法があるが、導電層とプ
ラスチック成形体との密着強度を確保するのが困難なこ
と、2次加工と密着強度を確保するための処理が必要
で、コストが高くなるなどの問題があった。もう一方の
方法として、導電性のカーボン繊維・金属繊維・金属フ
レーク・金属粉体等を含有させ、プラスチック内の繊維
状や粉体状の導電性充填物の接触により導電性を付与す
る方法があるが、高充填の充填材量が必要となりプラス
チックの混練性・成形性が著しく損なわれ、繊維状の充
填材が混練によって繊維が切断され効果が低減するなど
の問題があった。
【0011】従って本発明の目的とするところは、上述
した従来の欠点を解消し、所望の電磁波シールド効果を
有し、所望の設計的な自由度を持つ形状のプラスチック
成形体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、プラスチック成形体内に電磁波シールド効
果を有する網目状金属構造体を設け、所望の電磁波シー
ルド効果を得ると共に所望の設計的な自由度を持つ形状
のプラスチック成形体を得るものである。
【0013】例えば、鉄、アルミニウム、銅、ステンレ
ス等の導電性を有する金属の網目状構造体で、溶融した
プラスチックが通過可能な網目サイズを有する構造体
を、所望の形状に予め賦形しておき、次いで成形しよう
とするプラスチック成形金型内に予め賦形した網目状金
属構造体をセットし、プラスチック成形金型内に溶融し
たプラスチックを供給し、成形することによって、プラ
スチック成形体内に電磁波シールド効果を有する網目状
金属構造体を設けたものである。
【0014】本発明で用いることの出来る網目状金属構
造体は電磁波シールド効果を持つものであれば前述の
鉄、アルミニウム、銅、ステンレス以外の金属であって
も良い。また、一般に網目状金属構造体は平坦な形状で
あるが、プラスチック成形体内に設ける場合、成形体内
の位置によっては網目状金属構造体とプラスチックとの
成形収縮率の差によって、成形後の成形体に変形が生じ
る。これを防止するために網目状金属構造体に波形形状
等の凹凸を付与し、網目状金属構造体がプラスチック成
形体内に均等に配置されるようにすることが効果的であ
る。更に網目状金属構造体が波形形状等の凹凸を付与さ
れることによって、プラスチック成形体の表面の一部に
金属網目状構造体が露出する。この網目状金属構造体の
露出によって、プラスチックの電気絶縁体であることに
よる組付け部分での導電性が改良できる。すなわち、プ
ラスチック成形体内に設けた網目状金属構造体がプラス
チック成形体の一部に露出することによって、成形体内
部に設けた網目状金属構造体は外部との導電部を保有す
ることができ、良好な電磁波シールド性を確保できる。
網目状金属構造体の予備賦形は、プレス成形などの従来
方法を利用することができるのはもちろんのこと、所望
の形状が得られる方法であればどのような方法を利用し
ても良い。本発明によるプラスチック成形体の成形方法
は、網目状金属構造体を内部に配設できる成形方法であ
ればどのような方法も利用でき、例えば射出成形、プレ
ス成形、射出圧縮成形、真空成形、押出成形、ブロー成
形等の成形方法が利用できる。
【0015】使用するプラスチックの例としては、熱可
塑性プラスチックはもちろんのこと熱硬化性プラスチッ
クも使用できる。このプラスチック材料にガラス繊維、
炭素繊維、タルク、無機粉体等の強化材を強化すると、
プラスチック材の成形収縮率が減少し、且つ成形体の剛
性が向上するので成形後の成形体の変形が改善でき、所
望の形状と寸法の成形体が容易に得られる。
【0016】更に、プラスチック材料に炭素粉体、アル
ミニウム粉体、金属粉体等の導電性粉体を含有させるこ
とによって、より導電性の優れた成形体が得られるのは
もちろんである。網目状金属構造体の場合、網目のサイ
ズが電磁妨害波の波長に比べ大きいとシールド効果が低
減するが、これら導電性粉体を含有させることによって
実質的な導電性網目状構造体の網目サイズの縮小が図
れ、網目状金属構造体のみでは得られない波長部分の電
磁波シールドが可能となる。
【0017】本発明のプラスチック成形体に電磁波吸収
効果を持たせる場合には、フェライト粉体等の電磁波吸
収可能な粉体をプラスチック材料に含有させ、しかる
後、網目状金属構造体を内部に配設した状態で成形する
ことによって所望の電磁波吸収効果を持つ製品が得られ
る。
【0018】また、電磁波シールド効果を持ち且つクッ
ション性を要求される場合には、プラスチック材料とし
て熱可塑性のエラストマーを用いることによって所望の
クッション性を持つ成形体が得られる。
【0019】本発明に用いる電磁波シールド効果を持つ
網目状金属構造体は、金属であるため、プラスチック成
形時のプラスチック成形品との成形収縮に差がある。す
なわち、網目状金属構造体はプラスチック成形体内での
収縮が小さく、プラスチックの成形収縮は相対的に大き
い。このためプラスチック成形体内での網目状金属構造
体の配設位置が表面に偏った場合、表面部分は網目状金
属構造体の影響で成形収縮が小さく、裏面部分は成形収
縮が大きくなり、著しい変形を生じることがある。この
変形を防止するために、前述した網目状金属構造体に波
形形状等の凹凸を付与し、網目状金属構造体がプラスチ
ック成形体内に均等に配設されるようにする方法がある
が、更にもう一つの方法として、表面部及び裏面部の両
面部に網目状金属構造体を設ける方法がある。表面部及
び裏面部の両面部に設けた網目状金属構造体は同等な成
形収縮率を保有し、且つ表裏両面よりプラスチック成形
体を挟み込むので成形体の成形収縮変形を押さえ込むこ
とができる。更に、表裏両面に電磁波シールド効果を持
つ網目状金属構造体を設けることによって、シールドの
多層化による高周波帯域電磁妨害波の多重反射によるシ
ールド効果の向上が可能となる。
【0020】網目状金属構造体をプラスチック成形体内
に設ける本発明においては、プラスチックにガラス繊
維、炭素繊維、タルク、無機粉体等の強化材を含有さ
せ、プラスチックの成形収縮率を減少させると共にプラ
スチック成形体の剛性を向上させる方法は極めて効果的
で、プラスチックの種類や製品形状・製品の厚みによっ
ては、網目状金属構造体に波形形状等の凹凸を付与しな
くても良い場合がある。また、表裏2面の網目状金属構
造体を設けなくても良い場合があることはもちろんであ
る。
【0021】本発明は、網目状金属構造体を用いている
ので成形体の形状付与の自由度が大きく、所望の形状が
得られるばかりでなく、プラスチック成形体で最終形状
を賦形するので従来の方法に比べ設計自由度が増す。ま
た、網目状金属構造体とプラスチックから構成されてい
るので、金属製の電磁波シールド体に比べ軽量化が図れ
る。更に、網目状金属構造体をプラスチック成形体の内
部に設けているので、従来のプラスチック成形体の表面
に導電膜を表面に形成させる方法のように導電層の剥が
れなどの問題がない。また、網目状金属構造体がプラス
チック成形体内で連続して連結状態で存在するので、プ
ラスチック内に導電性充填物の接触により導電性を付与
する方法のような、充填材の不足や繊維状充填材の切断
などによる効果の低減もない。更に、本発明は、安価な
網目状金属構造体と汎用のプラスチック成形方法を利用
でき、優れた電磁波シールド効果を持ったプラスチック
成形体が得られる。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0023】図1(a)〜(c)は、本発明による実施
第1例で、図1(a)は、電磁波シールド効果を有する
網目状金属構造体を含設したプラスチック成形体の外観
略図、図1(b)は、図1(a)の成形体の部分断面略
図、図1(c)は、網目状金属構造体と通過する溶融プ
ラスチックを示す概念略図である。
【0024】図1(a)において、プラスチック成形体
1は、電磁波シールド効果を有する網目状金属構造体を
プラスチック成形方法によって内部に設けたものの外観
略図である。その成形は、電磁波シールド効果を有する
網目状金属構造体を、所望の形状に予め賦形しておき、
次いでプラスチック成形金型内に予め賦形した網目状金
属構造体をセットし、プラスチック成形金型内に溶融し
たプラスチックを供給し、成形することによって、プラ
スチック成形体内に電磁波シールド効果を有する網目状
金属構造体を設けたものである。プラスチック成形体1
は、図1(a)の部分断面A−Aを示す図1(b)のよ
うに、電磁波シールド効果を有する網目状金属構造体2
とプラスチック部3から構成される。電磁波シールド効
果を有する網目状金属構造体2は、図1(c)に示すよ
うに、成形時に溶融したプラスチック3aが通過可能な
網目サイズ2aを持ち、成形時に網目状金属構造体2が
プラスチック部3の内部に配置可能な構造を持つ。網目
状金属構造体2は、シールドしようとする電磁波の種類
と得ようとする効果によって、網目サイズや金属の種類
の選択が可能であり、成形時に溶融したプラスチック3
aが通過可能であれば、いかなる網目サイズ2aを持つ
ものでもよい。また、プラスチック成形体1を構成する
プラスチック部3は、熱可塑性プラスチックはもちろん
熱硬化性プラスチックでも良い。
【0025】図2(a)〜(e)は、本発明による実施
第2例で、図2(a)は、電磁波シールド効果を持つ網
目状金属構造体が波形形状等の凹凸を有しプラスチック
成形体内部に配設されたものの外観略図、図2(b)
は、図2(a)の成形体の部分断面略図、図2(c)
は、図2(a)の成形体の側面部分の部分断面略図、図
2(d)及び図2(e)は、プラスチック成形体内部に
設けた網目状金属構造体の波形形状等の他の形状例を示
す部分断面略図である。
【0026】図2(a)において、プラスチック成形体
11は、波形形状等の凹凸を有する網目状金属構造体を
プラスチック成形方法によって内部に配設させたものの
外観略図である。プラスチック成形体11は、断面B−
B及び断面b−bにおいて、図2(b)に示すような波
形形状を有する網目状金属構造体を内部に配設してお
り、断面B−Bと断面b−bは互いに直行する方向であ
り、網目状金属構造体の凹凸は互いに直行する方向に複
合して設けられている。図2(b)は、図2(a)のプ
ラスチック成形体11の断面B−B及び断面b−bを示
すが、プラスチック成形体11は波形形状を有する網目
状金属構造体21をプラスチック部31内部に設け、プ
ラスチック成形体11の表面部11aには波形形状網目
状金属構造体21の凸部分21aが実質的に接し、プラ
スチック成形体11の裏面部11bには波形形状網目状
金属構造体21の凹部分21bが実質的に接している構
造を持つ。図2(c)は、図2(a)の成形体の側面部
分C−Cの部分断面略図と相手部品との組み付け状態を
示す概念略図で、プラスチック成形体11に設けた波形
形状網目状金属構造体21の凹部分21b′は、プラス
チック成形体11を取り付ける相手部品41と実質的に
接し、波形形状網目状金属構造体21と相手部品41と
が電気的に導通可能な構造を持つ。図2(d)及び図2
(e)は、プラスチック成形体に含設させた網目状金属
構造体の他の凹凸形状例を示す部分断面略図で、図2
(d)は凹凸形状の頂点がシャープのもので、図2
(e)は凹凸形状が角型形状を持つ例である。図2
(d)及び図2(e)に示す形状は、プラスチック成形
体11に設けた凹凸形状網目状金属構造体21の一断面
を示す略図で、図2(a)の断面B−Bと断面b−bに
示すように凹凸形状は互いに直行する方向に複合して設
けられる。図2(b)、図2(d)及び図2(e)は波
形形状等の凹凸を示す実施の態様の一例で、他の凹凸形
状が可能なことはもちろんである。
【0027】本実施第2例は、プラスチック成形体11
に設けた波形形状網目状金属構造体21が相手部品41
と実質的に接し、相手部品41と電気的に導通可能な構
造を持つばかりでなく、成形品の成形収縮による変形も
防止できる。網目状金属構造体は金属であるため、プラ
スチックに比べ熱による収縮率が小さい。このため、プ
ラスチック成形後に発生するプラスチックの成形収縮
と、プラスチック成形体に設けた網目状金属構造体との
間には収縮率の差があり、この収縮率の差が成形後のプ
ラスチック成形体に変形を発生させる。波形形状等の凹
凸形状を網目状金属構造体に設けることによって、プラ
スチック成形体11内のプラスチック部31の成形収縮
による成形収縮応力は、プラスチック成形体11の表裏
両面及び成形体内において均等な分布となり、低収縮の
網目状金属構造体と成形収縮の大きいプラスチック部と
の収縮率の差によって発生するプラスチック成形体11
の変形を防ぐことができる。
【0028】図3(a)及び図3(b)は、本発明によ
る実施第3例とその比較例で、プラスチック成形体のプ
ラスチック部に強化材を含有させた例と、非強化の場合
を示す説明略図である。図3(a)は、プラスチック成
形体12を、強化材を含有するプラスチック32で成形
し、プラスチック成形体12に網目状金属構造体22を
設けたものである。強化材を含有するプラスチック32
は、強化材の効果によって成形後の成形収縮が小さく押
さえられ、成形収縮によって発生する収縮による変形発
生の応力52aが小さくできる。この変形発生の応力5
2aを小さくすることによって、成形体の変形歪み62
aを極めて小さくすることができ、実用上支障のない寸
法精度と形状を有するプラスチック成形体12が得られ
る。図3(b)は、プラスチック成形体13を非強化の
プラスチック33で成形し、プラスチック成形体13に
網目状金属構造体22を設けた比較例である。非強化プ
ラスチック33は網目状金属構造体22に比べ、成形後
の成形収縮が大きい。このため網目状金属構造体22の
収縮と非強化プラスチック33の成形収縮との差が大き
く、網目状金属構造体22側のプラスチック成形体表面
13aとプラスチック成形体裏面13bとで成形収縮率
がことなり、収縮の差によって発生する収縮変形発生の
応力53aが大きくなる。変形発生の応力53aが大き
いので、成形体の変形歪み63aが大きくなり、得られ
るプラスチック成形体13は著しく変形し実用不可能な
成形体となる。プラスチック成形体のプラスチック部に
強化材を含有させることによって、非強化プラスチック
を使用することによって発生するこのような変形不具合
を解消できる。プラスチックに含有させる効果的な強化
材の例としては、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、無機
粉体などがある。強化材の含有量は、強化材の種類・ア
スペクト比・繊維長・粒度等やプラスチックの種類及び
プラスチック成形体の形状・厚み等によって異なるが、
本発明者の鋭意研究の結果によれば、一般的に10%か
ら60%の含有量が有効で、好適には15%から40%
程度が変形制御に有効で且つ成形性・経済性に優れてい
る。強化材の種類・含有量等は前記種類・含有量に限定
されるものでなく、強化材を加えることによって変形防
止の効果を得られるものであれば、いかなる種類・含有
量であっても良いのはもちろんである。
【0029】図4は、本発明による実施第4例の概念図
で、プラスチック成形体のプラスチック部に導電性粉体
を含有させた例である。プラスチック部に含有された導
電性粉体7は互いに接触すると共に、プラスチック成形
体に設けた網目状金属構造体23と接触する。互いに接
触した導電性粉体7とプラスチック成形体に設けた網目
状金属構造体23とで形成された導電体網目構造24
は、網目状金属構造体23のみで形成される網目状導電
体のサイズよりも小さな網目状導電体を形成し、実質的
に網目状金属構造体23よりも導電体網目構造24を小
さくすることができる。一般の網目状金属構造体の場合
は、網目のサイズが電磁妨害波の波長に比べ大きいとシ
ールド効果が低減するが、これら導電性粉体7を含有さ
せることによって実質的な導電性網目状構造体24の網
目サイズの縮小が図れ、網目状金属構造体23のみでは
得られない波長部分の電磁波シールドが可能となる。プ
ラスチック部に含有される導電性粉体7の含有量は、導
電性粉体7が互いに接触すると共に、プラスチック成形
体に含設された網目状金属構造体23と接触する量であ
れば良く、使用する網目状金属構造体23の網目サイズ
と導電性粉体7の長さや粒度によって好ましい含有量に
できるのはもちろんである。
【0030】本実施第4例で、導電性粉体を含有したプ
ラスチック成形体の例を説明したが、本実施例の導電性
粉体をフェライト粉体等の電磁波吸収可能な粉体に変え
ることによって、本実施例のプラスチック成形体を電磁
波吸収効果をも兼ね備えたものとすることができる。ま
た、特に磁気シールド効果をプラスチック成形体に持た
せたい場合には、透磁率の大きい材料を用いると有効
で、鉄をはじめとする金属磁性体やフェライトなどの酸
化物磁性体を、本プラスチック成形体の構成要素として
織り込むのが有効である。例えば、網目状金属構造体と
してアルミニウムや非磁性のステンレススチールを用い
た場合は、アルミニウムやステンレススチールは良好な
導電性を示すが、非磁性体であるため磁気シールド効果
は期待できない。この場合に、透磁率の大きい磁性体材
料の粉体等をプラスチック成形体に含有させると、電磁
波シールドと磁気シールドの両効果を兼ね備えたプラス
チック成形体が得られる。
【0031】図5は、本発明による実施第5例の成形体
の断面を示す略図で、プラスチック成形体の表面部及び
裏面部の両面部に網目状金属構造体を設けた例である。
プラスチック成形体14の表面部及び裏面部の両面部に
設けた網目状金属構造体25,26は同等な成形収縮率
を保有し、且つ表裏両面よりプラスチック成形体部34
を挟み込むので成形体の成形収縮変形を押さえ込むこと
ができる。更に、表裏両面に電磁波シールド効果を持つ
網目状金属構造体を設けることによって、シールドの多
層化による高周波帯域電磁妨害波の多重反射によるシー
ルド効果の向上が可能となる。また、網目状金属構造体
一層では漏れてしまう恐れのある電磁妨害波を二層とす
ることによって防ぐことも可能となる。更に、表面部の
網目状金属構造体25と裏面部の網目状金属構造体26
の網目サイズを変えることによって、広帯域の電磁妨害
波のシールドが可能となる。
【0032】本発明は、前記実施例で示したように、電
磁波シールド効果を有する網目状金属構造体をプラスチ
ック成形体に設けたものであるが、プラスチック成形体
の成形方法としては、射出成形・プレス成形・射出圧縮
成形・真空成形・押出成形・中空成形等の成形方法が利
用できることはもちろんのこと、網目状金属構造体をプ
ラスチック成形体に設けることが可能な方法であればい
かなる方法も利用できる。
【0033】また、使用できるプラスチックは熱可塑性
プラスチックはもちろんのこと熱硬化性プラスチックも
使用できる。さらに、クッション性を必要とする場合に
は、熱可塑性エラストマーを使用すれば所望の弾性と柔
軟性を持ったものが得られる。
【0034】前記実施例は、本発明の実施の態様の一例
であり、前記実施例のほかに様々な態様を有する構成が
可能であることはもちろんである。
【0035】
【発明の効果】本発明により奏せられる効果は次ぎの通
りである。
【0036】電磁波シールド効果を有するプラスチック
成形体において、 (1)デザインの自由度の大きい電磁波シールド効果を
有するプラスチック成形体が容易且つ効率良く得られ
る。
【0037】(2)広帯域の電磁波シールド効果に優
れ、シールド効果の信頼性の高いプラスチック成形体が
得られる。
【0038】(3)電磁波シールド構造体の軽量化が図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b),(c)は、第1実施例を示
す外観略図、断面略図及び概念図。
【図2】 (a),(b),(c),(d),(e)
は、第2実施例の外観略図、及び各断面略。
【図3】 (a),(b)は第3実施例とその比較例を
示す各説明略図。
【図4】 は、第4実施例の概念略図。
【図5】 は、第5実施例の断面略図。
【符号の説明】
1,11 プラスチック成形体 2 網目状金属構造体 3,31 プラスチック部 21 波形形状網目状金属構成体

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック成形体内に、電磁波シール
    ド効果を有する網目状金属構造体を設けたことを特徴と
    する電磁波シールド構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該網目状金属構造体
    が波形形状等の凹凸を有する形状を有し、該プラスチッ
    ク成形体内に配設されることを特徴とする電磁波シール
    ド構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1において、該網目状金属構造体
    が波形形状等の凹凸を有する形状を有し、該網目状金属
    構造体の一部が部分的に該プラスチック成形体の両表面
    に実質的に接していることを特徴とする電磁波シールド
    構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1において、該網目状金属構造体
    は、該プラスチックが溶融状態で通過可能な網目サイズ
    を有することを特徴とする電磁波シールド構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1において、該網目状金属構造体
    が、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等の導電性を有
    する金属であることを特徴とする電磁波シールド構造
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1において、該プラスチックが熱
    可塑性プラスチックであることを特徴とする電磁波シー
    ルド構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1において、該プラスチックが、
    ガラス繊維、炭素繊維、タルク、無機粉体等の強化材を
    含有することを特徴とする電磁波シールド構造体。
  8. 【請求項8】 請求項1において、該プラスチックが炭
    素粉体、アルミニウム粉体、金属粉体等の導電性粉体を
    含有することを特徴とする電磁波シールド構造体。
  9. 【請求項9】 請求項1において、該プラスチックがフ
    ェライト粉体等の電磁波吸収可能な粉体を含有すること
    を特徴とする電磁波シールド構造体。
  10. 【請求項10】 請求項1において、該プラスチックが
    熱可塑性エラストマーであることを特徴とする電磁波シ
    ールド構造体。
  11. 【請求項11】 請求項1において、該プラスチック成
    形体が射出成形、プレス成形、射出圧縮成形、真空成
    形、押出成形、中空成形等によって成形されることを特
    徴とする電磁波シールド構造体。
  12. 【請求項12】 プラスチック成形体内に、電磁波シー
    ルド効果を有する網目状金属構造体を設けた電磁波シー
    ルド構造体において、該網目状金属構造体を基本的に該
    プラスチック成形体の表裏2面に配設したことを特徴と
    する電磁波シールド構造体。
  13. 【請求項13】 請求項12において、該網目状金属構
    造体が、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等の導電性
    を有する金属であることを特徴とする電磁波シールド構
    造体。
  14. 【請求項14】 請求項12において、該プラスチック
    が熱可塑性プラスチックであることを特徴とする電磁波
    シールド構造体。
  15. 【請求項15】 請求項12において、該プラスチック
    が、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、無機粉体等の強化
    材を含有することを特徴とする電磁波シールド構造体。
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