JPH08138557A - Ac型ガス放電パネル - Google Patents

Ac型ガス放電パネル

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JPH08138557A
JPH08138557A JP27463594A JP27463594A JPH08138557A JP H08138557 A JPH08138557 A JP H08138557A JP 27463594 A JP27463594 A JP 27463594A JP 27463594 A JP27463594 A JP 27463594A JP H08138557 A JPH08138557 A JP H08138557A
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一郎 小岩
Mitsuro Mita
充郎 見田
Katsuaki Sakamoto
勝昭 坂本
Takao Kanehara
隆雄 金原
茂 ▲高▼崎
Shigeru Takasaki
Aya Yamanaka
綾 山中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高効率化を図るとともに、活性化時間とエー
ジング時間を縮小し、放電開始電圧Vfと放電維持電圧
Vsを、より低電圧化することができ、長寿命化を図る
ことができるAC型ガス放電パネルを提供する。 【構成】 AC型ガス放電パネルにおいて、電極20が
形成される背面板12上に誘電体層22が形成され、そ
の誘電体層22上に形成される保護膜24としてSrG
2 4 を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、AC型ガス放電パネル
に係り、特に、そのガス放電パネルの保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、「テレビ
ジョン学会 技術報告 IDY94−14,P1〜6」
に開示されるものがあり、表示電極(サステイン電極)
間の電位差により、誘電体層上の電荷を放電空間を介し
てやりとりすることにより、放電空間に生じたプラズマ
放電による紫外線で蛍光体を励起して発光させ、カラー
表示を行うものである。応用面としては、今後、大画面
のHDTV用の表示デバイスの最有力候補と考えられ
る。
【0003】その場合、表示電極(サステイン電極)上
には誘電体層が形成され、その誘電体層と放電空間の間
には保護膜が設けられるが、その保護膜は印刷法により
形成することが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の装置では、保護膜にMgOを使用している。し
たがって、このMgOが空気中の水分を吸っており、こ
の水分を、活性化により抜くために、シール工程中で高
温(通常、300℃以上)、減圧下(4×10-6Tor
r以下)で数時間の活性化を行わなければならない。
【0005】この活性化は、生産性を低めるばかりでな
く、活性化により特性が左右されるために、管理を厳し
くしなくてはならないという問題があった。本発明は、
上記問題点を除去し、活性化時間とエージング時間を縮
小し、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsを、より低
電圧化することができ、高効率化を図るとともに、長寿
命化を図ることができるAC型ガス放電パネルを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、AC型ガス放電パネルにおいて、 (1)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、
該誘電体層上に形成される保護膜としてSrGd2 4
を用いる。 (2)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、
該誘電体層上に形成される保護膜としてBaGd2 4
を用いる。
【0007】(3)電極が形成された基板上に誘電体層
が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてC
aGd2 4 を用いる。 (4)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、
該誘電体層上に形成される保護膜としてBax Sr1-x
Gd2 4 (ただし0<x<1)を用いる。 (5)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、
該誘電体層上に形成される保護膜としてSrx Ca1-x
Gd2 4 (ただし0<x<1)を用いる。
【0008】(6)電極が形成された基板上に誘電体層
が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてM
gGd2 4 を用いる。
【0009】
【作用】本発明によれば、AC型ガス放電パネルにおけ
る保護膜を、従来のMgOからSrGd2 4 、BaG
2 4 、CaGd2 4 、Bax Sr1-x Gd2 4
(ただし、0<x<1)、Srx Ca1-x Gd2
4 (ただし、0<x<1)又はMgGd2 4 に変える
ようにしたので、ほぼ同様の電圧で高効率化が達成でき
た。
【0010】更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は、従
来のMgOの場合は、320℃で1時間以上必要であっ
たのに対して、本発明の場合は、320℃で30分で十
分であり、エージングも、従来のMgOの場合は、3時
間必要であったが、本発明の場合は、30分で十分であ
った。したがって、本発明の保護膜を形成すると、高効
率化が達成されるばかりでなく、活性化時間とエージン
グ時間を縮小することができる。
【0011】また、バインダーとして、焼成により、前
記各保護膜になる前駆体を加えることにより、バインダ
ーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。し
たがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより
低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の実施例に用いたAC型ガス放
電パネルの部分斜視図、図2はそのパネルの製造フロー
チャートである。この図に示すように、10は面放電型
のAC−PDP(交流型プラズマディスプレイパネル:
交流型ガス放電パネル)、12は背面板、14は前面
板、16は放電空間、18は蛍光体層、20(20a,
20b)は電極、22は誘電体層、24は保護膜であ
る。
【0013】このように、面放電型のAC−PDP10
は、前面板14の内側に緑色蛍光体層18を形成してい
る。パネル内には、He−5%Xeガスを500Tor
r封入し、駆動は20kHzで行った。以下、本発明の
AC型ガス放電パネルの製造工程を図2〜図4を参照し
ながら説明する。
【0014】〔1〕前面板の製造工程 まず、図2に示すように、(1)隔壁の一層目の印刷を
行う。つまり、蛍光体が形成される箇所をマスクして、
隔壁が形成される箇所に、例えば、黒色ガラスペース
ト;デュポン(DuPont)9741を印刷し(ステ
ップS1)、(2)次に、乾燥(150℃)を行い(ス
テップS2)、(3)次に、焼成(580℃)を行う
(ステップS3)。
【0015】次に、(4)蛍光体層の印刷を行う。つま
り、隔壁の間の蛍光体層の形成位置に、蛍光体層の印刷
を行う。例えば、緑色蛍光体;P1−G1(化成オプト
ニクス社製)を印刷し(ステップS4)、(5)次に、
乾燥(150℃)を行う(ステップS5)。次に、
(6)隔壁の積層印刷を行う。つまり、前記した隔壁の
一層目の印刷上に例えば、デュポン(DuPont)9
741を印刷し、次に、乾燥を行い、順次、印刷−乾燥
−印刷−乾燥……を繰り返す(ステップS6)。
【0016】次に、(7)焼成(580℃)を行う(ス
テップS7)。 〔2〕背面板の製造工程 まず、第3図に示すように、背面板上に電極(Ag)端
子の印刷を行う。例えば、銀ペースト;ESL−590
(ESL社製)を印刷し(ステップS11)、次に、乾
燥(150℃)を行う(ステップS12)。
【0017】次に、電極(Au)の印刷を行う。例え
ば、金ペースト;A−3725(エンゲルハルド社製)
を印刷し(ステップS13)、乾燥(150℃)を行う
(ステップS14)。次いで、焼成(580℃)を行う
(ステップS15)。次に、誘電体層の印刷を行う。例
えば、透明ガラスペースト;G3−0496(奥野製薬
工業社製)を印刷し(ステップS16)、次いで、乾燥
(150℃)を行う(ステップS17)。次に、焼成
(580℃)を行う(ステップS18)。
【0018】次いで、保護膜材料〔例えば、SrGd2
4 ,BaGd2 4 ,CaGd24 ,Bax Sr
1-x Gd2 4 (ただし、0<x<1),Srx Ca
1-x Gd 2 4 (ただし、0<x<1),又はMgGd
2 4 の各粉末〕を含むペーストを印刷する(ステップ
S19)、例えば、保護膜材料としてのSrGd2 4
粉末を含むペーストにより、スクリーン印刷法により形
成する。次いで、乾燥(150℃)を行う(ステップS
20)。次に、焼成(580℃)を行う(ステップS2
1)。
【0019】前記ペーストには前記保護膜材料の粉末、
樹脂(例えば、エチルセルロース)、溶媒(例えば、ブ
チルカルビトール)が含まれているが、前述の乾燥(ス
テップS20)、焼成(ステップS21)の各工程によ
り、樹脂及び溶媒は焼失し、保護膜材料からなる保護膜
が形成される。次いで、オーバーコートの印刷を行う
(ステップS22)。つまり、パネルの外部雰囲気によ
り配線の腐蝕等を防ぐために、パネルの外部の背面板上
をガラスコートする。次いで、乾燥(150℃)を行う
(ステップS23)。次に、焼成(580℃)を行う
(ステップS24)。
【0020】(3)組み立て工程 まず、図4に示すように、前面板と背面板との位置合わ
せを行い(ステップS31)、次いで、接着部への塗り
を行い(ステップS32)、シールを行い(ステップS
33)、ガス封入(He−5%Xe,500Torr)
を行い(ステップS34)、チップオフ、つまり、ガス
封入された管を封じる(ステップS35)を順次行う。
【0021】図1において、前面板14には蛍光体層1
8(ここでは、緑色)と隔壁(図示なし)を形成し、背
面板12には電極20、誘電体層22、保護膜24を順
次形成している。この実施例での保護膜24は保護膜材
料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することによ
り形成しており、このペースト中に含まれる粉末として
は、SrGd2 4 粉末(セイミケミカル株式会社製)
を用いた。このペースト中には、粉末を40wt%、エ
チルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビト
ールを55wt%含んでいる。
【0022】参考のために保護膜を用いない場合(N
o.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇
部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロ
ースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを68
wt%含むペーストを用いた場合(No.753)につ
いても示した。これら3通りの場合について上記した図
2に示す工程でパネル化し、評価した結果を表1に示
す。
【0023】
【表1】
【0024】この表1において、保護膜については、保
護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル
753)、1層形成SrGd2 4 膜(パネル341
2)、2層形成SrGd2 4 膜(パネル3413)が
上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電
圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・
-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1
の値を各パネル毎に示している。
【0025】このように、本発明のSrGd2 4 膜を
用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成
したものにおいても、保護膜なしの場合に比して、放電
開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効
率であることが分かる。更に、MgO膜を用いた場合と
比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同
程度であるが、輝度は2倍以上の値を示しており、発光
効率も高いことがわかる。
【0026】したがって、SrGd2 4 粉末を含むペ
ーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷
法により形成すると高効率化できる。また、SrGd2
4 粉末の方がMgO粉末よりも吸湿性が低いので、活
性化やエージングの時間を短くすることができる。更
に、焼成により、SrGd2 4 になる前駆体をバイン
ダーとしてペーストに加えても良い。この前駆体として
は、一例として、Sr−ジーイソプロポキシド、Gd−
トリ−n−ブトキシドを1:2の割合で含むイソプロピ
ルアルコール溶液を加える。このバインダーはSrGd
2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0027】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。本発明の第2実施例のパネルの構造及びパネルの製
造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除
き、その説明は省略する。この実施例での保護膜は、保
護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷するこ
とにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末
としては、BaGd2 4 粉末(セイミケミカル株式会
社製)を用いた。前記ペースト中には、この粉末を40
wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチ
ルカルビトールを55wt%含んでいる。参考のために
保護膜を用いない場合(No.643)と、気相法によ
り作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を
27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒として
ブチルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた
場合(No.753)についても示した。これら3通り
の場合について図2に示す工程でパネル化し、評価した
結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】この表2において、保護膜については、保
護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル
753)、1層形成BaGd2 4 膜(パネル341
4)、2層形成BaGd2 4 膜(パネル3415)が
上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電
圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・
-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1
の値を各パネル毎に示している。
【0030】このように、本発明のBaGd2 4 を用
いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成し
たものにおいても、保護膜なしの場合に比して、放電開
始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率
であることが分かる。更に、MgOを用いた場合と比較
しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同程度
であるが、発光効率は高い。
【0031】輝度においても、放電電流が3倍以上多い
保護膜なしの場合よりは低いものの、MgOよりはかな
り高い値を示している。したがって、BaGd2 4
末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をスク
リーン印刷法により形成すると、低電圧、高効率という
特性が(MgO微粉末を用いた場合に比しても)得られ
た。
【0032】また、BaGd2 4 粉末の方が、MgO
粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージングの間
隔を短くすることができる。更に、焼成により、BaG
2 4 になる前駆体をバインダーとしてペーストに加
えても良い。この前駆体としては、一例としてBa−ジ
ーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを
1:2の割合で含むイソプロピルアルコール溶液を加え
る。このバインダーはBaGd2 4 粒子同士をつなぎ
とめて固定する働きをする。
【0033】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。本発明の第3実施例のパネルの構造及びパネルの製
造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除
き、その説明は省略する。この実施例での保護膜は、保
護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷するこ
とにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末
としては、CaGd2 4 粉末(セイミケミカル株式会
社製)を用いた。前記ペースト中にはこの粉末を40w
t%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチル
カルビトールを55%含んでいる。
【0034】参考のために保護膜を用いない場合(N
o.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇
部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロ
ースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを68
wt%含むペーストを用いた場合(No.753)につ
いても示した。これら3通りの場合について図2に示す
工程でパネル化し、評価した結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】この表3において、保護膜については、保
護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル
753)、1層形成CaGd2 4 膜(パネル340
8)、2層形成CaGd2 4 膜(パネル3409)が
上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電
圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・
-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1
の値を各パネル毎に示している。
【0037】この実施例のCaGd2 4 膜を用いた保
護膜においては、1層形成したものも2層形成したもの
においても、保護膜なしの場合に比して、放電開始電圧
Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率であ
る。更に、MgO微粉末を用いた場合と比較しても放電
開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは高いが、輝度は2倍
以上の値を示しており、したがって効率も高い。
【0038】以上より、CaGd2 4 粉末を含むペー
ストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷法
により形成すると高効率化が達成できる。CaGd2
4 粉末の方がMgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性
化やエージングの間隔を短くすることが期待できる。更
に、焼成によりCaGd2 4 になる前駆体をバインダ
ーとしてペーストに加えても良い。この前駆体として
は、一例としてCa−ジーイソプロポキシド、Gd−ト
リ−n−ブトキシドを1:2の割合で含むイソプロピル
アルコール溶液を加える。このバインダーはCaGd2
4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0039】次に、本発明の第4実施例について説明す
る。本発明の第4実施例のパネルの構造及びパネルの製
造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除
き、その説明は省略する。本実施例での保護膜は保護膜
材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することに
より形成しており、このペースト中に含まれる粉末とし
ては、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 粉末(セイミケミカ
ル株式会社製)を用いた。前記ペースト中には、この粉
末を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒と
してブチルカルビトールを55wt%含んでいる。参考
のために保護膜を用いない場合(No.643)と、気
相法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000
Å径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶
媒として、ブチルカルビトールを68wt%含むペース
トを用いた場合(No.753)についても示した。
【0040】これら3通りの場合について図2に示す工
程でパネル化し、評価した結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】この表4において、保護膜については、保
護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル
753)、1層形成Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 膜(パ
ネル3404)、2層形成Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4
膜(パネル3405)が上げられており、印刷回数(膜
厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs
/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発
光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0043】この実施例のBa0.6 Sr0.4 Gd2 4
を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形
成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して放電
開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効
率であることが分かる。更に、MgO微粉末を用いた場
合と比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vs
は同程度であるが、輝度はかなり高く、したがって効率
も高い値を示している。
【0044】したがって、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4
粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をス
クリーン印刷法により形成すると高効率化が達成でき
る。また、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 粉末の方が、M
gO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージング
の間隔を短くすることが期待できる。更に、焼成によ
り、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 になる前駆体をバイン
ダーとしてペーストに加えても良い。この前駆体として
は、一例としてBa−ジーイソプロポキシド、Sr−ジ
ーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを
0.6:0.4:2の割合で含むイソプロピルアルコー
ル溶液を加える。このバインダーはBa0.6 Sr0.4
2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有す
る。
【0045】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。本発明の第5実施例のパネルの構造及びパネルの製
造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除
き、その説明は省略する。本実施例での保護膜は保護膜
材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することに
より形成しており、このペースト中に含まれる粉末とし
ては、Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 粉末(セイミケミカ
ル株式会社製)を用いた。前記ペースト中にはこの粉末
を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒とし
てブチルカルビトールを55wt%含んでいる。参考の
ために保護膜を用いない場合(No.643)と、気相
法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å
径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒
としてブチルカルビトールを68wt%含むペーストを
用いた場合(No.753)についても示した。
【0046】これら3通りの場合について図2に示す工
程でパネル化し、評価した結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】この表5において、保護膜については、保
護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル
753)、1層形成Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 膜(パ
ネル3406)、2層形成Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4
膜(パネル3407)が上げられており、印刷回数(膜
厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs
/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発
光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0049】この実施例のSr0.6 Ca0.4 Gd2 4
を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形
成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して放電
開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効
率であることが分かる。 更に、MgO微粉末を用いた
場合と比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧V
sは同程度であるが、輝度は2倍程度を示し、効率も高
い値を示している。
【0050】したがって、Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4
粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をス
クリーン印刷法により形成すると高効率化が達成でき
る。また、Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 粉末の方が、M
gO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージング
の間隔を短くすることが期待できる。更に、焼成により
Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 になる前駆体をバインダー
としてペースト中に加えてもよい。この前駆体として
は、一例としてSr−ジーイソプロポキシド、Ca−ジ
ーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを
0.6:0.4:2の割合で含むイソプロピルアルコー
ル溶液を加える。このバインダーはSr0.6 Ca0.4
2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有す
る。
【0051】次に、本発明の第6実施例について説明す
る。本発明の第6実施例のパネルの構造及びパネルの製
造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除
き、その説明は省略する。本実施例での保護膜は保護膜
材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することに
より形成しており、このペースト中に含まれる粉末とし
ては、MgGd24 粉末(セイミケミカル株式会社
製)を用いた。前記ペースト中にはこの粉末を40wt
%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカ
ルビトールを55wt%含んでいる。参考のために保護
膜を用いない場合(No.643)と、気相法により作
製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を27
wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチ
ルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた場合
(No.753)についても示した。
【0052】これら3通りの場合について図2に示す工
程でパネル化し、評価した結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】この表6において、保護膜については、保
護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル
753)、1層形成MgGd2 4 膜(パネル341
0)、2層形成MgGd2 4 膜(パネル3411)が
上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電
圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・
-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1
の値を各パネル毎に示している。
【0055】この実施例のMgGd2 4 を用いた保護
膜においては、1層形成したものも2層形成したものに
おいても、保護膜なしの場合に比して、放電開始電圧V
f、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率であるこ
とが分かる。更に、MgO微粉末を用いた場合と比較し
ても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同程度で
あるが、輝度は2倍以上高い。したがって、効率もかな
り高い値を示している。
【0056】したがって、MgGd2 4 粉末を含むペ
ーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷
法により形成すると高効率化できる。MgGd2 4
末の方がMgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化や
エージングの間隔を短くすることが期待できる。更に、
焼成によりMgGd2 4 になる前駆体をバインダーと
してペースト中に加えても良い。この前駆体としては、
一例として、Mg−ジエトキシド、Gd−トリ−n−ブ
トキシドを1:2の割合で含むイソプロピルアルコール
溶液を加える。このバインダーはMgGd2 4 粒子同
士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0057】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。 (1)請求項1記載の発明によれば、AC−PDPの保
護膜を、MgOからSrGd2 4 に変えたので、ほぼ
同様の電圧で高効率化が達成できた。
【0059】更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は32
0℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で
十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時
間必要)で十分であった。したがって、SrGd2 4
粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、高効
率化が達成されるばかりでなく、活性化時間とエージン
グ時間も縮小される。
【0060】また、バインダーとして、焼成によりSr
Gd2 4 になる前駆体を加ることにより、バインダー
が粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。更
に、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより低電圧
化することができ、長寿命化も期待できる。 (2)請求項2記載の発明によれば、AC−PDPの保
護膜を、MgOからBaGd2 4 に変えたので、低電
圧化、高輝度化、高効率化が達成できた。
【0061】更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は32
0℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で
十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時
間必要)で十分であった。したがって、BaGd2 4
粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、特性
が向上するばかりでなく、活性化時間とエージング時間
も短縮される。
【0062】また、バインダーとして、焼成によりBa
Gd2 4 になる前駆体を加えることにより、このバイ
ンダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化す
る。したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vs
を、より低電圧化することができ、長寿命化も期待でき
る。 (3)請求項3記載の発明によれば、AC−PDPの保
護膜をMgOからCaGd2 4 に変えたので、2倍以
上の輝度が得られ、高い効率が達成できた。
【0063】更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は32
0℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で
十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時
間必要)で十分であった。したがって、CaGd2 4
粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、特性
が向上するばかりでなく、活性化時間とエージング時間
も短縮される。
【0064】また、バインダーとして、焼成によりCa
Gd2 4 になる前駆体を加えることにより、バインダ
ーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。し
たがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより
低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。 (4)請求項4記載の発明によれば、AC−PDPの保
護膜をMgOからBa 0.6 Sr0.4 Gd2 4 に変えた
ので、ほぼ同様の電圧で高輝度、高効率化が達成でき
た。
【0065】更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は32
0℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で
十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時
間必要)で十分であった。したがって、Ba0.6 Sr
0.4 Gd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形
成すると、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化
時間とエージング時間も短縮される。
【0066】また、バインダーとして、焼成によりBa
0.6 Sr0.4 Gd2 4 になる前駆体を加えることによ
り、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻
密化する。したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電
圧Vsをより低電圧化することができ、長寿命化も期待
できる。 (5)請求項5記載の発明によれば、AC−PDPの保
護膜をMgO粉末からSr0.6 Ca0.4 Gd2 4 に変
えたので、ほぼ同様の電圧で高輝度、高効率化が達成で
きた。
【0067】更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は32
0℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で
十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時
間必要)で十分であった。したがって、Sr0.6 Ca
0.4 Gd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形
成すると、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化
時間とエージング時間も短縮される。
【0068】また、バインダーとして、焼成によりSr
0.6 Ca0.4 Gd2 4 になる前駆体を加えることによ
り、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻
密化する。したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電
圧Vsをより低電圧化することができ、長寿命化も期待
できる。
【0069】(6)請求項6記載の発明によれば、AC
−PDPの保護膜をMgOからMgGd2 4 に変えた
ので、2倍以上の輝度が得られた。したがって、効率も
かなり高くなった。更に、粉末の吸湿性が低く、活性化
は320℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必
要)で十分であり、エージングも30分(MgO粉末で
はは3時間必要)で十分であった。したがって、MgG
2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成する
と、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化時間と
エージング時間も縮小される。
【0070】また、バインダーとして、焼成によりMg
Gd2 4 になる前駆体を加えることにより、バインダ
ーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。し
たがって、VfとVsをより低電圧化することでき、長
寿命化も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネル
の部分斜視図である。
【図2】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネル
の前面板の製造工程図である。
【図3】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネル
の背面板の製造工程図である。
【図4】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネル
の組み立て工程図である。
【符号の説明】
10 面放電型のAC−PDP 12 背面板 14 前面板 16 放電空間 18 蛍光体層 20(20a,20b) 電極 22 誘電体層 24 保護膜
フロントページの続き (72)発明者 金原 隆雄 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 ▲高▼崎 茂 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 山中 綾 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AC型ガス放電パネルにおいて、 電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電
    体層上に形成される保護膜としてSrGd2 4 を用い
    ることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  2. 【請求項2】 AC型ガス放電パネルにおいて、 電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電
    体層上に形成される保護膜としてBaGd2 4 を用い
    ることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  3. 【請求項3】 AC型ガス放電パネルにおいて、 電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電
    体層上に形成される保護膜としてCaGd2 4 を用い
    ることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  4. 【請求項4】 AC型ガス放電パネルにおいて、 電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電
    体層上に形成される保護膜としてBax Sr1-x Gd2
    4 (ただし0<x<1)を用いることを特徴とするA
    C型ガス放電パネル。
  5. 【請求項5】 AC型ガス放電パネルにおいて、 電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電
    体層上に形成される保護膜としてSrx Ca1-x Gd2
    4 (ただし0<x<1)を用いることを特徴とするA
    C型ガス放電パネル。
  6. 【請求項6】 AC型ガス放電パネルにおいて、 電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電
    体層上に形成される保護膜としてMgGd2 4 を用い
    ることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020080161A (ko) * 2001-04-12 2002-10-23 에프디테크 주식회사 2전극 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 제조방법

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KR20020080161A (ko) * 2001-04-12 2002-10-23 에프디테크 주식회사 2전극 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 제조방법

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