JPH081382A - 鉄筋の溶接補助具、風防部材、溶接用継手及び溶接方法 - Google Patents

鉄筋の溶接補助具、風防部材、溶接用継手及び溶接方法

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JPH081382A
JPH081382A JP13328894A JP13328894A JPH081382A JP H081382 A JPH081382 A JP H081382A JP 13328894 A JP13328894 A JP 13328894A JP 13328894 A JP13328894 A JP 13328894A JP H081382 A JPH081382 A JP H081382A
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welding
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joint
reinforcing bar
welded
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Yoshikazu Ogasawara
義和 小笠原
Tadashi Hamanaka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄筋に沿わせる溶接用継手の軸方向の位置決
めを確実にすること、鉄筋に対する風防部材の係止作業
を簡略化すること及び、溶接強度の向上並びに溶接後の
補修作業の簡素化を図ること。 【構成】 溶接用継手12を支持して鉄筋10に係止す
るサポート部材13に、継手12の軸方向位置決め用の
位置決め部材22aを設ける。また、風防部材14の第
2係止部33を永久磁石により構成する。更に、ガスシ
ールドアーク溶接法によるシールド用ガスの噴出量を毎
分30〜150リットルとした。また、溶接用継手12
aを鉄製とし、補修用の開口12bを設けてセラミック
製等の遮蔽部材12cで遮蔽した。一方、遮蔽部材12
cを設けない鉄製の継手12の場合、溶接後に必要によ
り超硬カッタ37で切削して補修用の開口12fを設け
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸ガスシールドアー
ク溶接法による鉄筋の溶接に用いる溶接補助具、風防部
材、溶接用継手並びに上記の溶接補助具及び溶接用継手
を用いた鉄筋の溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、隣接する2本の鉄筋の相対向する
端部同志を炭酸ガス等を用いたガスシールドアーク溶接
法により溶接する際に、上記両鉄筋の端部外周に断面円
弧状継手を沿わせて、溶融した溶接金属の受け部材とし
て使用することが行われている。この種の継手として、
鉄製のものを使用する場合は、スポット溶接等により上
記継手を鉄筋に仮り付けした後に本溶接を行うことがで
きるが、セラミック製継手を用いる場合、スポット溶接
等による仮り付けができないものである。
【0003】そこで、従来、溶接すべき2本の鉄筋を同
一軸線上に配置されるように治具で位置決めして保持
し、上記セラミック製継手を、上記治具とは別部材であ
るサポート部材により保持して上記鉄筋に押圧しながら
溶接を行うことが提案されている(実開平5ー7078
2号公報の図6参照)。
【0004】また、この種のガスシールドアーク溶接を
屋外で実施する場合、溶接部位近傍で生じる風によって
シールド用ガスが吹き飛ばされるのを防止するため、2
本の鉄筋間の溶接部位近傍を覆って、溶接部位への風の
侵入を防止する風防部材を設けることが提案されている
(特開平2ー112897号公報の第9及び10図参
照)。この場合、上記風防部材の対向する側部に、それ
ぞれ上記鉄筋の外周を両側から挟み込んで保持する2枚
のばね板からなる係止部材を付設して、この係止部材に
より上記風防部材を鉄筋上に係止した状態で溶接作業を
行うようになっている。
【0005】上述のように2本の鉄筋を溶接する際に、
通常両鉄筋の対向する端面間に所定のルート間隔(開先
間隔)が明けられるものであるが、このルート間隔を一
定にするため、継手の内周に、上記ルート間隔に対応し
た長さを有するスペーサを突設することが提案されてい
る(実開平5ー88789号公報の図1参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に、セラミック製継手をサポート部材により鉄筋に押圧
しながら溶接を行う場合、上記セラミック製継手に軸方
向の位置ずれが生じると、溶接作業時に溶融した溶接金
属がセラミック製継手により確実に受けられなくなり、
溶接金属が溶接部位の裏側から漏洩する恐れがある。特
に2本の鉄筋を鉛直方向に立てた状態で溶接作業を行う
場合、サポート部材を鉄筋に取り付けてから溶接作業を
開始するまでの間に上記セラミック製継手の軸方向の位
置ずれが生じやすいばかりでなく、セラミック製継手が
鉄筋とサポート部材との間から抜け落ちる恐れがある。
【0007】また、上記従来の風防部材では、1対の係
止部材をそれぞれ2枚のばね板で形成して両側の鉄筋に
係止するようにしているので、両係止部材を共に挟み込
み形式で両鉄筋に係止しなければならず、係止作業が煩
雑になる問題がある。
【0008】更に、上記風防部材を用いて溶接を行う場
合であっても、ある程度以上の強風下ではシールド用ガ
スが吹き飛ばされて、溶接部位の確実なシールドが困難
になるので、溶接作業を停止せざるを得ない。なお、上
記のような強風下で仮に溶接作業を続行した場合、溶接
部位の曲げ、引張り強度が不足することとなる。
【0009】また、従来、強風下ではない通常の気象条
件の下でも、溶接時に発生するスラグが溶接部位の裏側
位置、つまり、上記継手の近傍に蓄積されることによ
り、溶接部位の強度不足が生じやすいものであった。仮
に、鉄製継手を用いて溶接を行った際に、上記のような
溶接不良が生じた場合、溶接部位の裏側が上記鉄製継手
で覆われていて、補修が不可能であるため、溶接部位近
傍を所定長さに渡って切断除去して2本の鉄筋を一度完
全に分離した後、上記切断部と等しい長さを有する補充
用鉄筋の両端部を上記2本の鉄筋にそれぞれ改めて溶接
しなければならず、補修作業が極めて煩雑になるもので
あった。
【0010】また、上記継手の内周に、2本の鉄筋間の
ルート間隔に応じた長さのスペーサを設けてルート間隔
の一定化を図る場合は、スペーサを設ける工程を付加す
ることにより継手の製造作業が複雑化し、コスト高をも
招くものであった。
【0011】更に、従来、例えば、屋内の天井又は床面
から1cm程度突出している鉄筋に他の鉄筋を鉄製の継
手を用いて溶接する際、万一溶接不良が生じると、上記
天井又は床面からの突出量が僅かであるため鉄筋の切断
が不可能であり、補修ができなくなる問題があった。
【0012】本発明に係る鉄筋の溶接補助具、風防部
材、溶接用継手及び溶接方法は、上記の問題点を解消し
て溶接用継手の軸方向の位置決めを確実にすること、鉄
筋に対する風防部材の係止を簡単に行えるようにするこ
と、溶接強度を向上させるとともに溶接後の補修に簡単
に行えるようにすること等を課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に係る溶接補助具は、所定の間隔を隔てて
配置され、溶接すべき2本の鉄筋の相対向する端部をそ
れぞれ保持する1対の保持部と、これら1対の保持部を
連結する連結部とを有し、溶接時に上記両鉄筋の固定用
に使用される治具と、断面円弧状の溶接用継手を上記2
本の鉄筋の各端部外周に沿わせて支持するサポート部材
とを含む鉄筋の溶接補助具であって、上記治具の各保持
部が鉄筋外周の少なくとも半周程度を覆いながら上記鉄
筋を保持するアーム部と、上記鉄筋を上記アーム部に押
圧して固定する押圧具とを有するとともに、上記連結部
が溶接すべき鉄筋とほぼ平行に延びる棒状の把手からな
り、かつ上記サポート部材は上記溶接用継手を外側から
支持する支持部と、上記2本の鉄筋にそれぞれ係止され
る1対の係止部とを備え、このサポート部材の支持部の
内周に、上記溶接用継手の軸方向両端部にそれぞれ当接
して軸方向の位置決めをする位置決め部が設けられてい
ることを特徴とするものである。
【0014】請求項2に係る鉄筋の溶接補助具は、所定
の間隔を隔てて配置され、溶接すべき2本の鉄筋の相対
向する端部をそれぞれ保持する1対の保持部と、両保持
部を連結する連結部とを有し、断面円弧状の溶接用継手
を上記両鉄筋の各端部外周に沿わせて溶接する際に上記
2本の鉄筋の固定用に使用される治具を含む鉄筋の溶接
補助具であって、上記治具は上記両鉄筋の端部外周のほ
ぼ半周程度を覆う断面円弧状体を有し、この断面円弧状
体の軸方向両端部がそれぞれ上記1対の保持部の一部で
ある第1アーム部を形成するとともに、上記断面円弧状
体の軸方向中間部が上記連結部を形成し、かつ上記各保
持部は断面円弧状を成し上記鉄筋の端部外周の残りのほ
ぼ半周程度を覆うとともに上記第1アーム部に開閉自在
に取り付けられた第2アーム部と、第1及び第2アーム
部を閉じて上記鉄筋を保持した状態で第1及び第2アー
ム部をロックするロック部と、第1及び第2アーム部を
ロックした状態で上記鉄筋を第1又は第2アーム部に押
圧して固定する押圧具とを有し、更に上記連結部の内周
に上記第1アーム部の内周より大径であり上記溶接用継
手を収容する断面円弧状の凹部が設けられているもので
ある。
【0015】請求項3に係る鉄筋の溶接補助具は、所定
の間隔を隔てて配置され、溶接すべき2本の鉄筋の相対
向する端部をそれぞれ保持する1対の保持部と、両保持
部を連結する連結部とを有し、断面円弧状の溶接用継手
を上記2本の鉄筋の各端部外周に沿わせて溶接する際に
上記両鉄筋の固定用に使用される治具を含む鉄筋の溶接
補助具であって、上記治具は上記両鉄筋の端部外周の少
なくとも半周程度を覆うとともに円周方向の一部に鉄筋
の挿入及び抽出用の開口が設けられた開口付き筒状体を
有し、この開口付き筒状体の軸方向両端部がそれぞれ上
記1対の保持部の一部であるアーム部を形成するととも
に、上記開口付き筒状体の軸方向中間部が上記連結部を
形成し、上記各保持部は更に上記鉄筋を上記アーム部に
押圧して固定する押圧具を有し、かつ上記連結部の内面
に、上記アーム部の内面より大径を成し上記溶接用継手
を収容する断面円弧状の凹部が設けられていることを特
徴とするものである。
【0016】請求項4に係る鉄筋の溶接補助具は、上記
請求項3の構成において、各アーム部が断面円弧状に形
成されているものである。
【0017】請求項5に係る鉄筋の溶接補助具は、上記
請求項3の構成において、各アーム部が一部に上記開口
の設けられた断面多角形状を成し、上記押圧具が上記断
面多角形状のアーム部のいずれかの角部と対向する位置
に設けられていることを特徴とするものである。
【0018】請求項6に係る風防部材は、互いに対向す
る2方向に開口が設けられた箱状に形成され、溶接時に
溶接部位近傍を覆って風の侵入を防止するのに用いられ
る風防部材において、上記風防部材は一方の開口近傍の
壁部に、溶接すべき2本の鉄筋の外周形状にそれぞれ対
応する1対のほぼ円弧状の切欠が形成され、かつ一方の
鉄筋の外周を両側から挟み込むことによりこの鉄筋に係
止される第1係止部と、他方の鉄筋に吸着される磁石か
らなる第2係止部とが設けられていることを特徴とする
ものである。
【0019】請求項7に係る風防部材は、互いに対向す
る2方向に開口が設けられた箱状に形成され、2本の鉄
筋の溶接時に溶接部位近傍を覆って風の侵入を防止する
のに用いられる風防部材本体と、断面円弧状の溶接用継
手を上記2本の鉄筋の各端部外周に沿わせて支持するサ
ポートとを含む風防部材であって、上記風防部材本体の
一方の開口近傍の壁部に上記2本の鉄筋の外周形状にそ
れぞれ対応する1対のほぼ円弧状の切欠が形成されると
ともに、この風防部材本体には上記2本の鉄筋にそれぞ
れ係止される1対の係止部が設けられ、上記サポートは
上記風防部材本体の一方の開口の一縁部に開閉自在に取
り付けられるとともに、このサポートには上記溶接用継
手を外側から支持する断面円弧状の支持部と、閉状態で
上記風防部材本体の一方の開口の他縁部に係合する係合
部とが設けられ、溶接時に上記風防部材本体と、上記溶
接用継手を支持したサポートとで上記鉄筋を両側から挟
み込んで上記係合部を上記一方の開口の他縁部に係合し
た状態で、上記風防部材本体及びサポートが上記鉄筋に
係止されると同時に上記溶接用継手が上記鉄筋に沿わさ
れることを特徴とするものである。
【0020】請求項8に係る鉄筋の溶接用継手は、溶接
すべき2本の鉄筋の相対向する端部外周に沿わせて用い
られる鉄筋の溶接用継手であって、上記溶接用継手は断
面円弧状を成すとともに、その円周方向一端部の軸方向
ほぼ中間位置に、溶接時に上記2本の鉄筋の端部間に設
けられるべきルート間隔に対応した軸方向幅を有し、か
つ上記溶接用継手の断面が描く円弧の接線方向に突出す
る間隔確認用突起が設けられていることを特徴としてい
る。
【0021】請求項9に係る鉄筋の溶接用継手は、溶接
すべき2本の鉄筋の相対向する端部外周に沿わせて用い
られる鉄筋の溶接用継手であって、上記溶接用継手は鉄
によりほぼ断面円弧状に形成されるとともに、その溶接
部位近傍に、溶接後に補修を行うための開口が設けら
れ、更に鉄に対する非溶着性を有し、上記開口を遮蔽す
る遮蔽部材が備えられていることを特徴とするものであ
る。
【0022】請求項10に係る鉄筋の溶接用継手は、上
記遮蔽部材が上記開口内に嵌め込まれて開口縁部に固定
されているものである。
【0023】請求項11に係る鉄筋の溶接用継手は、上
記請求項9または10の遮蔽部材がセラミックから成る
ものである。
【0024】請求項12に係る鉄筋の溶接用継手は、上
記請求項9または10の遮蔽部材が銅から成ることを特
徴としている。
【0025】請求項13に係る鉄筋の溶接用継手は、上
記請求項9または10の遮蔽部材が1800℃程度の高
温に耐える耐熱性を有する未焼成の粘土材から成るもの
である。
【0026】請求項14に係る鉄筋の溶接用継手は、溶
接すべき2本の鉄筋の相対向する端部外周に沿わせて用
いられる鉄筋の溶接用継手であって、1800℃程度の
高温に耐える耐熱性と、鉄筋に対する非溶着性とを有す
るガラス系材料でほぼ断面円弧状に形成されていること
を特徴とするものである。
【0027】請求項15に係る鉄筋の溶接方法は、所定
の間隔を隔てて配置され、溶接すべき2本の鉄筋の相対
向する端部をそれぞれ保持する1対の保持部と、両保持
部を連結する連結部とを有する治具を含む溶接補助具を
使用し、断面円弧状の溶接用継手を上記2本の鉄筋の各
端部外周に沿わせて炭酸ガスシールドアーク溶接法によ
り溶接する鉄筋の溶接方法において、シールド用炭酸ガ
スの噴出量が毎分30〜120リットルであることを特
徴としている。
【0028】請求項16に係る鉄筋の溶接方法は、請求
項15の鉄筋の溶接方法において、上記シールド用炭酸
ガスの噴出量を毎分50〜120リットルの範囲に限定
したものである。
【0029】請求項17に係る鉄筋の溶接方法は、所定
の間隔を隔てて配置され、溶接すべき2本の鉄筋の相対
向する端部をそれぞれ保持する1対の保持部と、両保持
部を連結する連結部とを有する治具を含む溶接補助具を
使用し、ほぼ断面円弧状で鉄製の溶接用継手を上記2本
の鉄筋の各端部外周に沿わせて炭酸ガスシールドアーク
溶接法により溶接する鉄筋の溶接方法において、溶接
後、溶接部位の補修が必要な時、切削工具により上記鉄
製の溶接用継手における少なくとも溶接中心部位近傍を
切削して開口を形成した後、この開口を介して溶着済の
不良な溶接金属を上記切削工具により切削して除去し、
続いて上記開口を介して溶接金属を再充填することによ
り補修を行うことを特徴とするものである。
【0030】請求項18に係る鉄筋の溶接方法は、所定
の間隔を隔てて配置され、溶接すべき2本の鉄筋の相対
向する端部をそれぞれ保持する1対の保持部と、両保持
部を連結する連結部とを有する治具を含む溶接補助具を
使用し、請求項9〜13のいずれか記載の溶接用継手を
上記2本の鉄筋の各端部外周に沿わせて炭酸ガスシール
ドアーク溶接法により溶接する鉄筋の溶接方法であっ
て、溶接後、溶接部位の補修が必要な時、上記溶接用継
手における遮蔽部材を除去した後、上記溶接用継手に予
め設けられている開口を介して溶着済の不良な溶接金属
を切削工具により切削して除去し、続いて上記開口を介
して溶接金属を再充填することにより補修を行うことを
特徴としている。
【0031】
【作用】上記請求項1の溶接補助具は、溶接用継手とし
てセラミック製等のものを使用する場合に好適に使用さ
れるものである。この場合、まず溶接すべき2本の鉄筋
の端部を、それぞれ上記治具のアーム部内に挿入し、両
鉄筋間に所定のルート間隔を設けた状態で上記押圧具に
より押圧、固定する。続いて、上記サポート部材の支持
部によりセラミック製等の溶接用継手を支持し、上記係
止部で上記両鉄筋に係止する。この状態で、上記溶接用
継手が両鉄筋の端部外周に沿わされる。その後、炭酸ガ
スを用いたガスシールドアーク溶接法等により、上記2
本の鉄筋を溶接する。
【0032】請求項1の構成によれば、上記サポート部
材の支持部内周に、溶接用継手の軸方向両端部に当接し
て軸方向の位置決めを行う位置決め部が設けられている
ので、サポート部材上で溶接用継手が軸方向にずれるこ
とがなく、溶接時に溶接金属が溶接用継手により確実に
受けられて、上記溶接金属が溶接部位の裏側から漏洩す
るような不具合は生じにくくなる。特に、2本の鉄筋を
鉛直方向に立てた状態で溶接する場合であっても、鉛直
方向に配置された溶接用継手の下端部が上記位置決め部
で位置決めされているので、上記溶接用継手が軸方向に
ずれたり、鉄筋とサポート部材との間から抜け落ちるこ
とはない。また、連結部を棒状の把手として構成したの
で、作業者は片手で上記把手を把持するのみで本溶接補
助具を簡単に取り扱える利点がある。
【0033】請求項2の溶接補助具に含まれる治具は、
上記連結部における凹部に予め溶接用継手を挿入してお
き、溶接すべき2本の鉄筋の各端部を各保持部の第1及
び第2アーム部で両側から抱持してロック部により上記
第1及び第2アーム部をロックし、この状態で両鉄筋の
端部間に所定のルート間隔を設けた上で上記押圧具によ
り鉄筋を第1又は第2アーム部に押圧、固定して、溶接
を行うようにしたものである。
【0034】この場合、上記溶接用継手は上記連結部の
凹部内で保持されているが、この連結部は保持部におけ
る第1アーム部と一体の断面円弧状体として構成されて
いるので、保持部により鉄筋を固定、支持した状態で溶
接用継手は上記鉄筋の外周に緊密に沿わされることにな
る。しかも、上記溶接用継手の軸方向両端部には上記凹
部の両端面がそれぞれ当接して、これらの端面により溶
接用継手の軸方向の位置決めが行われているので、溶接
用継手が軸方向にずれることはない。特に2本の鉄筋を
鉛直方向に立てた状態で溶接する場合でも、溶接用継手
の軸方向の位置ずれや抜け落ちは確実に防止される。
【0035】請求項3の溶接補助具は、請求項2の溶接
補助具に類似しているが、請求項2の溶接補助具では各
保持部が第1及び第2アーム部を有するのに対し、ここ
では各保持部が単一のアーム部を有する点が相違してい
る。このように、各保持部が単一のアーム部を有し、従
って、請求項2における開閉部及びロック部が不要とな
るので、押圧具で各鉄筋をアーム部に押圧して固定した
状態での鉄筋の位置決め精度を一層向上させることがで
きるとともに、開閉部やロック部の劣化等の恐れがない
ので、一層の長寿命化が可能になる。なお、各アーム部
に対する鉄筋の挿入及び抽出は、アーム部の周方向の一
部に存在する開口を介して行える。
【0036】請求項4及び5では、上記請求項3の溶接
補助具におけるアーム部の断面形状を、鉄筋の保持に好
都合な円弧状または一部に開口が設けられた多角形状と
したものである。特に請求項5のように、アーム部を複
数の平板状の壁部を屈曲状態で連続させた多角形状と
し、上記押圧具をこの多角形状断面のアーム部のいずれ
かの角部に対向する位置に設ければ、固定すべき鉄筋が
上記押圧具によりアーム部の角部に押圧されるようにな
るので、鉄筋を確実に位置決めして固定できる利点があ
る。
【0037】請求項6の溶接補助具は、風防部材に関す
るものであって、上記第1及び第2係止部により上記2
本の鉄筋にそれぞれ係止して用いるものである。そし
て、ここでは第1係止部のみを鉄筋を両側から挟み込む
形式とし、第2係止部は磁石により鉄筋に吸着させるよ
うにしたので、従来のように1対の係止部を共に挟み込
み形式とした場合に比して、鉄筋に対する係止作業が一
層容易に行えるようになる。
【0038】請求項7の溶接補助具は、溶接部位への風
の侵入を防止する風防部材本体と、溶接用継手を支持し
て鉄筋に沿わせるサポートとを開閉自在に接続してなる
ものであって、溶接時には、上記風防部材本体とサポー
トとで鉄筋を両側から挟み込んでサポートの上記係合部
を風防部材本体に係合することにより、風防部材本体と
サポートを同時に鉄筋に取り付けることができるように
構成したものである。また、上記の取付状態で、サポー
トに予め支持させておいた溶接用継手が、溶接すべき2
本の鉄筋の外周に当接させられる。なお、風防部材本体
及びサポートを鉄筋に係止した状態で、風防部材本体に
設けた、対向する1対の開口の内の一方がサポートによ
って、ほぼ密封状態となるように覆われるので、溶接部
位への風の侵入が一層少なくなる利点がある。
【0039】請求項8の鉄筋の溶接用継手は、その円周
方向一端部における軸方向ほぼ中間位置に、溶接すべき
2本の鉄筋間に設けるべきルート間隔に等しい軸方向長
さを有する間隔確認用突起を設けたので、この溶接用継
手を用いて溶接を行う際に、上記間隔確認用突起の長さ
を目安とすることにより、ルート間隔をほぼ一定に保つ
ための調整を容易に行うことができる。
【0040】すなわち、上記間隔確認用突起は、上記従
来の継手内周に突設したスペーサのように、鉄筋の先端
面に実際に当接するものではないが、一方の鉄筋の先端
面を上記間隔確認用突起の軸方向一端部に、他方の鉄筋
の先端面を上記間隔確認用突起の軸方向他端部に位置合
わせすることにより、上記ルート間隔をほぼ一定とする
ことができる。しかも、上記間隔確認用突起は、溶接用
継手と一体に、かつ、その断面が描く円弧の接線方向に
突出するように設けたものであるから、間隔確認用突起
を有する本溶接用継手を容易に、かつ安価に製造できる
ものである。
【0041】請求項9の鉄筋の溶接用継手は、鉄製の溶
接用継手に開口を設け、溶接時には上記開口を遮蔽部材
で覆って溶接作業を行うようにしたので、溶接部位での
溶接金属の受けが確実に行われて、溶接金属が溶接部位
の裏側から漏洩する恐れがないとともに、万一溶接不良
が生じた場合、上記遮蔽部材を取り外すことにより、上
記溶接用継手の開口を介して補修作業が行えるものであ
る。なお、具体的な補修方法は、請求項18に関連して
後述する。
【0042】請求項10の鉄筋の溶接用継手は、請求項
9における上記遮蔽部材が溶接用継手の開口内に嵌め込
まれて開口縁部に固定されているので、溶接用継手及び
遮蔽部材全体としての厚みを軽減できるとともに、溶接
用継手と遮蔽部材とが別体に構成されている場合に比し
て、溶接用継手及び遮蔽部材を前記サポート部材にセッ
トする際等の取扱いが容易になるものである。なお、こ
の場合、溶接後補修が必要であれば、上記遮蔽部材を破
砕するか、または取り外すことにより、上記開口を開放
し、この開口を介して補修が行える。
【0043】また、上記請求項9または10の溶接用継
手を用いれば、例えば、屋内の天井や床面から1cm程
度突出している鉄筋に他の鉄筋を溶接した際に、溶接不
良が生じても、上記遮蔽部材を破砕または取り外すこと
により、容易に補修が行えるものである。
【0044】請求項11または12の鉄筋の溶接用継手
は、上記請求項9または10における遮蔽部材がセラミ
ックまたは銅から構成されているので、遮蔽部材が鉄製
の溶接用継手に溶着されることが防止され、必要に応じ
てこの遮蔽部材を溶接用継手から分離するか、または遮
蔽部材を破砕することにより、上記補修用の開口を開放
できるようになる。
【0045】請求項13の鉄筋の溶接用継手は、上記請
求項9または10の遮蔽部材が1800℃程度の高温に
耐える耐熱性を有する未焼成の粘土材により形成されて
いるので、セラミックまたは銅により形成する場合に比
して、遮蔽部材を一層安価に製造することができ、ひい
ては溶接作業のコスト低減に寄与するものである。
【0046】請求項14の鉄筋の溶接用継手は、180
0℃程度の高温に耐える耐熱性と、鉄筋に対する非溶着
性とを有するガラス系材料で形成したので、溶接後、溶
接用継手を鉄筋から分離し、溶接用継手を反復使用する
ことができるようになる。また、溶接用継手全体が上記
ガラス材料で形成されているので、溶接用継手と遮蔽部
材とを併用する場合に比して、取扱いが一層容易にな
り、作業効率を高める上で有利である。
【0047】請求項15の鉄筋の溶接方法は、本願溶接
補助具及び溶接用継手を使用し、かつ炭酸ガスシールド
アーク溶接法で鉄筋の溶接を行う場合に、シールド用炭
酸ガスの噴出量を従来より増大させて毎分30〜120
リットルの範囲としたものである(従来の噴出量は毎分
20〜25リットル以下であった)。これにより、屋外
で溶接作業を行う際に、ある程度の強風が吹いても、上
記噴出量の増したシールド用ガスにより、大気が溶接部
位に触れるのを、従来より一層効果的に防止することが
でき、その結果溶接不良を減少させることができる。
【0048】また、シールド用ガスの噴出量を増大させ
ることにより、溶接時に生じるスラグをシールド用ガス
の圧力で吹き飛ばすことができるようになり、溶接部位
の強度を一層向上させることができる。請求項16の溶
接方法は、上記炭酸ガスの噴出量を更に毎分50〜12
0リットルの範囲に設定することにより、一層の強風下
でも溶接作業が可能となるとともに、溶接部位の強度を
一層向上させることができる。
【0049】請求項17の鉄筋の溶接方法は、鉄製の溶
接用継手を用いて溶接した後、溶接部位の補修が必要な
場合に、切削工具により上記溶接用継手の少なくとも溶
接中心部位近傍を切削して開口を設けた後、この開口を
介して溶接金属の不良箇所を切削して除去し、この除去
作業により生じた空洞部に新たな溶接金属を充填して補
修するようにしたので、補修作業が極めて簡単になる。
すなわち、従来のように、一旦溶接部位で鉄筋を切断し
た後、切断部の長さに応じた補充用鉄筋の両端部を元の
2本の鉄筋にそれぞれ再溶接するような煩雑な作業が不
要になる。
【0050】請求項18の鉄筋の溶接方法は、上記請求
項9〜13の溶接用継手、つまり、補修用の開口を有す
る溶接用継手を用いて溶接を行った後に、補修が必要な
場合に、上記開口を塞いでいる遮蔽部材を破砕または取
り外し(溶接後、自然に遮蔽部材が剥離した場合は作業
者が取り外す必要はない。)、その後、上記請求項17
と同様の手順で切削工具により不良な溶接金属を切削し
て補修するようにしたものである。この場合も、補修の
ために溶接済の鉄筋を切断する必要がないことは勿論、
請求項17と異なり、溶接用継手を切削して開口を設け
る必要もないので、補修作業が一層容易に行えるもので
ある。
【0051】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図2に示すように、本実施例に係る鉄筋の溶接
補助具を用いて溶接を行う溶接装置は、炭酸ガスシール
ドアーク溶接法を用いるものであって、図示しない溶接
用電源及び制御機構等を内蔵し、かつ前面に計器盤兼操
作盤1aを有する本体1を備えている。本体1は図示し
ないガスボンベから供給される炭酸ガス(シールド用ガ
ス)を、作業者の操作量に基づいて所定の噴出量及び噴
出圧となるように調整した上でホース2を介して、その
先端の噴出管3に供給し、噴出管3の先端開口部から炭
酸ガスが噴出されるようになっている。
【0052】本実施例では、上記炭酸ガスの噴出量が従
来より増加されて、毎分30〜120リットルの範囲、
より好ましくは毎分50〜120リットルの範囲に設定
される。また、上記溶接用電源の電圧は、好ましくは2
8〜35ボルトの範囲に、流れる電流は好ましくは20
0〜260アンペアの範囲に設定される。なお、ホース
2の途中の、噴出管3の近傍には、溶接作業のオン、オ
フ等を操作する操作具2aが設けられている。
【0053】上記ホース2及び噴出管3内には、図示し
ないロールに巻回された溶接用ワイヤ4(図1参照)を
供給するためのワイヤ供給管5がほぼ同芯状に内蔵さ
れ、ワイヤ供給管5の先端が噴出管3の先端開口部から
僅かに突出している。
【0054】本溶接補助具は、図1に示すように、溶接
すべき2本の鉄筋10を同一軸線上に位置決めして保持
する鋼鉄製等の治具11と、図3に示すように、セラミ
ックからなり、中心角約180°の断面円弧状を成す溶
接用継手12(以下、単に継手12という)を外側から
支持し、上記2本の鉄筋10の対向する各端部外周に上
記継手12を沿わせた状態で、両鉄筋10の外周に図1
中下方から係止されるサポート部材13と、図1の上方
から上記2本の鉄筋10に係止され、溶接部位近傍を被
覆して、溶接作業時に溶接部位に風が吹き込まないよう
に遮断する風防部材14とを備えている。なお、ここで
は鉄筋10として、外周に所定の軸方向間隔を置いて複
数の大径鍔部10aが設けられた異形棒鋼を使用する場
合を示しているが、鉄筋10は、例えば上記大径鍔部1
0aに加えて、更に軸方向に延びる突起を有するもの
や、或いは大径鍔部10a及び上記軸方向突起等を全く
有しないものを使用しても良い。
【0055】図4に示すように、治具11は、それぞれ
鉄筋10を保持する1対の保持部15と、溶接すべき鉄
筋10を保持した時にこの鉄筋10の軸線方向と平行に
延びる中空で棒状の把手16と、把手16の軸方向両端
部と各保持部15を接続する1対の接続部17とを備え
ている。上記把手16と接続部17とは、保持部15同
志を連結する連結部19を構成する。
【0056】各保持部15は、鉄筋10の端部外周を外
側から保持するアーム部18を有する。アーム部18は
平板状の壁部18aと、この壁部18aに対向する断面
く字形の壁部18bとを備えて、全体として断面ほぼ多
角形状に形成され、壁部18aには、押圧具としての押
圧ボルト20が螺合されている。この押圧ボルト20は
鉄筋10を、壁部18bの屈曲部18c近傍に押圧する
ことにより、アーム部18内で鉄筋10を固定するよう
になっている。そのため、押圧ボルト20は、屈曲部1
8cに対向する位置に設けられている。
【0057】図5に示すように、サポート部材13は継
手12の外周を外側から支持するほぼ断面円弧状の支持
部22と、支持部22の両側に支持部22と一体に設け
られた1対の係止部23とを備えている。各係止部23
は、各鉄筋10の外周をそれぞれ両側から1対のばね板
23aで挟み込むことにより、サポート部材13を鉄筋
10に弾性的に係止させるようになっている。支持部2
2の内周の曲率半径は継手12の外周の曲率半径とほぼ
等しくなるように設定されている。
【0058】更に、支持部22の内周には、継手12の
軸方向両端部に当接して継手12の軸方向の位置決めを
行う円弧状の位置決め部材22a(位置決め部)が設け
られている。これらの位置決め部材22aは、支持部2
2と一体に設けられたものであっても良く、また、別部
材を接着等により取り付けたものであっても良い。な
お、位置決め部材22の代わりに、例えば支持部22に
段部を設けて、この段部により継手12の軸方向の位置
決めを行うようにしても良い。
【0059】図6及び図7に示すように、風防部材14
は、互いに対向する2方向のみが開放された箱状に形成
され、その断面積が一方の開口24側から他方の開口2
5側に向かうに伴って次第に大きくなるように、各壁部
26乃至29が台形状に形成されている。互いに対向す
る1対の壁部26、27における開口24に面する部位
には、鉄筋10の外周形状に対応した円弧状の切欠31
がそれぞれ設けられている。
【0060】また壁部26の外面側には、溶接される一
方の鉄筋10の外周を両側から挟み込むことのできる1
対のばね板32aからなり、風防部材14を一方の鉄筋
10に係止する第1係止部32が設けられている。更
に、壁部27の外面側には、溶接される他方の鉄筋10
に吸着される永久磁石からなる第2係止部33が設けら
れている。そして、切欠31を鉄筋10の外周に当接さ
せて位置決めした状態で、第1及び第2係止部32、3
3により風防部材14を鉄筋10に係止できるようにな
っている。なお、鉄筋10に対する風防部材14の位置
決めは、第1係止部32で鉄筋10を挟み付けるのみで
充分に行えるものである。
【0061】溶接作業を行う際には、図8に示すよう
に、まず溶接すべき2本の鉄筋10の対向する端部を、
治具11の1対の保持部15のアーム部18内に挿入
し、図示しないゲージによる測定または目測により、両
鉄筋10の対向する端面間に所定のルート間隔Dを設け
る。そして、この状態で、両鉄筋10を壁部18bの屈
曲部18c(図4)に当接させて押圧ボルト20で締め
付け、両鉄筋10を保持部15内で固定する。
【0062】次に、図9に示すように風防部材14を図
の上方から2本の鉄筋10に当てがい、前記第1及び第
2係止部32、33により両鉄筋10に係止した後、図
10のように、予め継手12を支持させたサポート部材
13を、図の下方から図中左側の係止部23を上記第1
係止部32上に被せた上で両鉄筋10に係止する。この
状態で継手12が両鉄筋10の端部外周のほぼ半周程度
を覆うこととなる。
【0063】そして、図1のように、前記噴出管3を風
防部材14内に挿入し、炭酸ガスを噴出しながらアーク
溶接を行うことにより、溶融した溶接用ワイヤ4にて両
鉄筋10を溶着する。この場合、本発明では前述のよう
に炭酸ガスの噴出量を従来より増加させ、加えて風防部
材14を使用しているので、毎秒20m程度の強風の下
でも溶接作業が可能であり、溶接部位の強度低下も生じ
にくい。また、炭酸ガスの噴出量を増加させることによ
り、溶接作業中に生じるスラグが炭酸ガスにより吹き飛
ばされる結果、溶接部位に多量のスラグが蓄積されるこ
とがないので、溶接強度は一層向上するものである。
【0064】溶接時の炭酸ガスの噴出量は、溶接すべき
鉄筋10の径及び溶接作業時の作業現場の風速等に基づ
いて毎分30〜120リットルの範囲で調整すれば良
い。より好ましくは、毎分50〜120リットルの範囲
で調整する。従来の炭酸ガスシールドアーク溶接法によ
る炭酸ガスの噴出量は、通常毎分25リットル以下であ
るので、上記本発明の最も好ましい使用範囲において
は、炭酸ガスの噴出量を従来の2〜5倍程度に増加させ
ていることになる。但し、直径が10mm程度の極めて
細い鉄筋10同志を溶接する際には、炭酸ガスの噴出量
を本発明の下限値である毎分30リットル以下の、毎分
20リットル程度としても、実用上差し支えない。な
お、屋内で溶接作業を行う場合、または屋外での溶接作
業時であっても風速が所定値以下の場合は、風防部材1
4を用いずに溶接を行っても良い。
【0065】上記各図では、治具11及び鉄筋10をほ
ぼ水平に配置して溶接作業を行う場合を示したが、治具
11及び鉄筋10をほぼ鉛直方向に延びるように配置し
て作業を行うこともできる。その場合、本実施例では、
サポート部材13の支持部22に設けた位置決め部材2
2aにより継手12の軸方向の位置決めを行っているの
で、サポート部材13及び継手12がほぼ鉛直方向に配
置されても継手12が鉄筋10とサポート部材13との
間から抜け落ちて落下することはなく、継手12が確実
に位置決めされた状態で溶接作業を行える。
【0066】溶接終了後、溶接部位、特に、溶接不良の
生じやすい、継手12で覆われた裏面部の強度検査が必
要な場合、サンプルを抽出して実際に折り曲げ、引張り
等の試験を行うか、またはX線或いは超音波による非破
壊検査を行う。そして、上記検査により溶接不良が発見
された場合は、セラミック製の継手12を破砕して除去
し、継手12で覆われていた溶接部位の裏側の不良な溶
接金属を、切削工具で切削して除去した後、この切削に
より生じた空洞部に溶融状態の溶接金属を再充填するこ
とにより、溶接部位の補修を行うことができる。なお、
溶接後の冷却期間中に継手12が自然に破砕して脱落し
た場合、作業者が継手12を破砕することなく直接補修
が行える。
【0067】上記セラミック製の継手12に代えて鉄製
の継手12を使用することもでき、その場合、治具11
により溶接すべき2本の鉄筋10を位置決めして固定し
た後、スポット溶接等により継手12を予め一方または
双方の鉄筋10の端部外周に仮り付けして置くことによ
り、サポート部材13を使用することなく炭酸ガスシー
ルドアーク溶接法による本溶接を行うことができる。
【0068】この場合、溶接終了後の検査により溶接不
良が発見されれば、図11に示すように、切削工具とし
ての超硬カッタ37により鉄製の継手12を裏面側から
切削して溶接部位近傍に開口12fを設け、この開口1
2fを介して、溶着済の溶接金属4aの不良部分を切削
して除去した後、上記開口12fを介して溶接金属4a
を再充填することにより、溶接部位の補修を行うことが
できる。本発明者の実験によれば、補修に要する時間
は、超硬カッタ37による切削及び再溶接を併せても3
0〜150秒程度の短時間であり、補修の成功率も極め
て高いものであった。
【0069】図12に継手の変形例を示す。この継手1
2aは鉄により形成され、中央の溶接部位近傍に矩形状
の開口12bが明けられている。また、開口12bより
大きな矩形状を成すとともに、曲率を有する、セラミッ
クからなる遮蔽部材12gが設けられ、この遮蔽部材1
2gを継手12aの外周面に当てることにより、開口1
2bが遮蔽されるようになっている。遮蔽部材12gの
内周の曲率半径は、継手12a外周の曲率半径とほぼ等
しくなるように設定されている。
【0070】図12の継手12aを使用して鉄筋10の
溶接を行う場合、前述と同様、図8のように2本の鉄筋
10を固定し、更に図9のように風防部材14をセット
する。その後、図5のサポート部材13の支持部22の
中央に、まず遮蔽部材12gを置き、その上に更に継手
12aを置いて位置決め部材22で軸方向の位置決めを
する。この時、遮蔽部材12gと継手12aは接着等で
互いに固定して置いても良いが、単に遮蔽部材12gの
上に継手12aを重ねて置くのみでも良い。
【0071】その後、遮蔽部材12g及び継手12aを
支持したサポート部材13の1対の係止部23を2本の
鉄筋10に係止する。そして、前述と同様に溶接作業を
行う。溶接後、溶接不良が生じていて補修が必要な場合
は、遮蔽部材12gを取り除くことにより、開口12b
を介して簡単に前記の補修作業が行える。
【0072】なお、図12の継手12aにおける遮蔽部
材12gは、上記したセラミック以外に、鉄に対する非
溶着性を有する金属材料、例えば銅により形成しても良
い。また、遮蔽部材12gとして、1800℃程度の高
温に耐える耐熱性を有する未焼成の粘土材を、断面ほぼ
円弧状に形成したものを使用することもでき、上記粘土
材の材質は、必要な耐熱性を具備していれば特に限定さ
れるものではない。
【0073】図13に継手の他の変形例を示す。この継
手12aは鉄にて形成され、中央の溶接部位近傍に矩形
状の開口12bが明けられている。この開口12b内に
矩形状の遮蔽部材12cが嵌め込まれて接着等により開
口12bの縁部に固定されている。遮蔽部材12cはセ
ラミックまたは銅等の、鉄に対する非溶着性を有する材
料により形成されている。また遮蔽部材12cは180
0℃程度の耐熱性を有する未焼成の粘土材で形成し、こ
れを開口12b内に充填したものでも良い。
【0074】この継手12aを用いて溶接を行う際に
は、治具11で2本の鉄筋10を固定、保持した後、継
手12aを両鉄筋10に仮り付けした上でサポート部材
13を用いることなく本溶接が行えるとともに、溶接後
に補修が必要な場合、遮蔽部材12cを破砕するか、ま
たは分離することにより継手12a自体は鉄筋10に溶
着された状態のまま補修作業が行えるものである。
【0075】また、図3に示す継手12全体を、180
0℃程度の高温に耐える耐熱性と鉄筋10に対する非溶
着性とを有するガラス系材料で形成することもできる。
この場合、溶接終了後に一体化された2本の鉄筋10を
継手12から分離することにより、継手12は反復使用
が可能になる。
【0076】図14、15に風防部材の変形例を示す。
この風防部材は図6、7の風防部材14と基本的には同
様に構成されているが、風防部材本体14aにおける壁
部29の開口24側の端部にサポート13aがその円周
方向一端部で蝶番34により回動自在に取り付けられて
いる点で前記風防部材14と相違している。サポート1
3aは継手12の外周を外側から支持する断面円弧状の
支持部35と、支持部35の内周側の軸方向一端部に溶
接等により取り付けられ、サポート部材13aの円周方
向他端部からその延長方向に突出する断面円弧状の係合
片36(係合部)とからなり、係合片36を壁部28の
内面側に係合することにより、図15、16に示すよう
に風防部材本体14aとサポート13aとで鉄筋10が
両側から挟み込まれた状態で風防部材本体14aとサポ
ート部材13aとが鉄筋10に取り付けられるようにな
っている。また、この状態で、支持部35により支持さ
れた継手12が両鉄筋10に沿わされるようになってい
る。なお、風防部材本体14aにおいて、前記の風防部
材14と同一構成を有する部位には同一参照番号を付し
て重複した説明を省略した。
【0077】以下、本発明の他の実施例を説明する。こ
の実施例の溶接補助具は図17に示すような鋼鉄製等の
治具40を有している。治具40は、中心角ほぼ180
°の断面円弧状体41を備え、この断面円弧状体41の
軸方向両端部は1対の第1アーム部42を構成してい
る。また、断面円弧状体41における両第1アーム部4
2間の部位、つまり断面円弧状体41の軸方向中間部は
連結部49を構成している。この連結部49の内周に
は、上記第1アーム部42の内周より大径となるように
段差Bを設けることにより、断面円弧状の凹部43が形
成されている。この段差Bは、例えば断面円弧状体41
の軸方向両端部に厚みBを有する半円筒形状の鉄板を溶
接することにより、形成される。なお、図17には上記
鉄板を分離状態で示してはいない。
【0078】そして、図18に示す継手12dが上記凹
部43の円弧状の底面43aで支持されるようになって
いる。なお、底面43aの曲率半径は継手12dの外径
と等しくなるように設定されるとともに、第1アーム部
42の内径と継手12dの内径が等しくなるように設定
されている。
【0079】各第1アーム部42の円周方向一端部には
蝶番44を介して、中心角ほぼ180°の断面円弧状を
成す第2アーム部45が、その円周方向一端部にて開閉
自在に取り付けられている。図17から明らかなよう
に、第2アーム部45の内径は第1アーム部42の内径
より大きく設定され、かつ、第2アーム部45の内径と
凹部43の内径とは等しく設定されている。上記第1及
び第2アーム部42、45は、後述するロック部47及
び押圧ボルト56とともに、溶接すべき鉄筋10の端部
を保持する保持部46を構成する。
【0080】第1及び第2アーム部42、45の各円周
方向他端部には、第1及び第2アーム部42、45を互
いにロックするロック部47が設けられている。すなわ
ち、各第1アーム部42の円周方向他端部には、所定の
軸方向間隔を置いて1対の突起48が設けられ、また、
各第2アーム部45の円周方向他端部における突起48
に対応する位置には、1対の突起50が形成されてい
る。
【0081】隣接する突起48間には支軸51が回動自
在に支持され、支軸51にはボルト52が支軸51とほ
ぼ直角を成すように一体的に設けられている。ボルト5
2にはワッシャ53が移動自在に嵌合されるとともに、
ワッシャ53の外方で蝶ナット54がボルト52に螺合
されている。
【0082】そして、図17中右側の保持部46に見ら
れるように、第1及び第2アーム部42、45の上記円
周方向他端部同志を接合させて第2アーム部45を閉状
態とし、支軸51とともにボルト52を上方に回動させ
てワッシャ53を両突起50の上面に接触させ、この状
態で蝶ナット54を締めつけることにより、第1及び第
2アーム部42、45がロック状態となる。
【0083】第2アーム部45のほぼ中央位置には、ね
じ孔55が明けられ、このねじ孔55には、押圧具とし
ての押圧ボルト56が螺合されている。そして、上記の
ように、鉄筋10を保持部46内に挿入し、第1及び第
2アーム部42、45をロックした状態で、押圧ボルト
56を前進方向へ回動させて、押圧ボルト56先端部に
より鉄筋10の外周に押圧力を付与すると、鉄筋10が
第1アーム部42の内周42aに押し付けられ、これに
より保持部46内で鉄筋10が固定されるようになって
いる。
【0084】図18に示すように、上記継手12dはセ
ラミック等により中心角約180°の断面円弧状に形成
されるとともに、その円周方向一端部の軸方向ほぼ中間
位置に、溶接時に上記2本の鉄筋10の隣接する端部間
に設けられるべき間隔に対応した軸方向幅を有し、かつ
上記継手12dの断面が描く円弧の接線方向(図18中
A方向)に突出する間隔確認用突起12eが一体に設け
られている。
【0085】図19に示すように、上記治具40ととも
に使用する風防部材14cは、4つの矩形状の壁部57
乃至60を有し、図中上方及び下方が開放された箱状に
形成されている。壁部57の図中上端部の中央位置に
は、治具40の一方の第2アーム部45の外周に吸着さ
れて、風防部材14cを治具40を取り付けるための永
久磁石61が固定されている。また、壁部57、58の
図中下端には、鉄筋10の外周形状に対応する円弧状の
切欠62が形成されている。
【0086】この実施例において、溶接作業時には、図
20に示すように、まず、治具40の凹部43内に継手
12dを挿入して底面43aで支持する。この状態で第
1アーム部42の内周42aと継手12dの内周とが連
続した円弧状曲面をなすとともに、位置決め部としての
凹部43の端面43b(図17参照)により継手12d
の軸方向両端部が位置決めされて軸方向の移動が不可能
になる。
【0087】続いて、図21に示すように、溶接すべき
2本の鉄筋10の対向する端部を第1アーム部42の内
周42a及び継手12dの内周上に載せ、両鉄筋10の
端面間に設定されるルート間隔Dが継手12dの間隔確
認用突起12eの長さとほぼ等しくなるように位置決め
して、両鉄筋10の端部をそれぞれ第1及び第2アーム
部42、45で抱持し、ロック部47でロックする。な
お、間隔確認用突起12eを有しない継手を使用する場
合は、ゲージによる測定または目測によりルート間隔D
を定めれば良い。
【0088】続いて、図22に示すように、風防部材1
4cを両第2アーム部45間に挿入し、永久磁石61を
図中左側の第2アーム部45の外周に吸着させて風防部
材14cを治具40に取り付けた後、前記噴出管3を風
防部材14c内に挿入し、アーク熱により溶接用ワイヤ
4を溶融させて鉄筋10同志を溶接する。なお、屋内で
溶接作業を行う場合、または屋外であっても風速が所定
値以下の場合は、風防部材14cを用いないで溶接を行
うこともできる。
【0089】図23に治具の他の実施例を示す。この治
具67は、図23には示さない鉄筋の外周の半周乃至そ
れ以上を覆い、円周方向の一部に開口の設けられた開口
付き筒状体としての断面円弧状体68を有する。断面円
弧状体68の軸方向両端部は、それぞれ上記鉄筋の端部
を保持する保持部70を構成し、断面円弧状体68の軸
方向中間部は、上記保持部70同志を連結する連結部7
1を構成している。
【0090】各保持部70は、鉄筋外周の大略3/4周
程度を覆い、残りの1/4周程度が開口76とされたア
ーム部72と、アーム部72の図中上部中央位置に螺合
し、上記鉄筋をアーム部72の図中下部の小径内周77
に押圧する押圧ボルト73(押圧具)とを有している。
上記鉄筋が押圧されるアーム部72の図中下部は、アー
ム部72の図中側部及び上部より内径が小さくされ、そ
の結果、上記連結部71の内周に断面円弧状の凹部74
が設けられている。
【0091】この凹部74は、例えば、凹部74の両側
のアーム部72下部に、図には分離して示さない断面円
弧状の鉄板を溶接することにより形成される。なお、連
結部71の図23中の側部及び上部には、図19に示す
風防部材14cを取り付けるための切欠75が形成さ
れ、連結部71の中心角がほぼ180°になるように設
定されている。
【0092】図23の治具67を用いて溶接を行う場
合、まず、凹部74内に、例えば図3に示す継手12を
挿入して位置決めし、続いて開口76を介してアーム部
72内に鉄筋の端部を挿入する。そして、2本の鉄筋の
端部間に所定のルート間隔を設けた状態で押圧ボルト7
3により鉄筋をアーム部72の小径内周77に押圧して
固定し、必要により図19の風防部材14cをセットし
た後、溶接作業を行えば良い。
【0093】図24に上記治具67の変形例を示す。こ
の変形例の治具67aでは、上記断面円弧状体68に代
えて、断面多角形状で、周方向の一部に開口76aを有
する開口付き筒状体68aが使用され、その軸方向両端
部に、断面多角形状のアーム部72aと、押圧ボルト7
3aとを有する保持部70aが設けられるとともに、開
口付き筒状体68aの軸方向中間部に、断面多角形状の
連結部71aが設けられている。連結部71aの内周に
は、例えば、図18に示す継手12dを収容する断面円
弧状の凹部74aが設けられている。なお、この実施例
では、押圧ボルト73aにより鉄筋が、2つの壁部8
0、81間の屈曲部82近傍に押し付けられて固定され
るようになっている。これにより、鉄筋の位置決め精度
を一層向上させることができる。
【0094】次に、図13の継手12aを用いて特殊な
位置で溶接を行う場合の溶接手順について述べる。図2
5に示すように、例えば、屋内の天井83から鉛直下方
への突出量Cが1cm程度である鉄筋10aに他の鉄筋
10を接続する場合、鉄筋10aとの間に所定のルート
間隔Dを設定した状態で上記鉄筋10を適宜の方法で固
定、保持する。
【0095】続いて、継手12aをスポット溶接等によ
り鉄筋10a及び10に仮り付けした後、図1の溶接装
置を用いて炭酸ガスシールドアーク溶接法により本溶接
を行う。この本溶接後、溶接部位の強度検査が必要であ
れば、X線または超音波による非破壊検査を行えば良
い。検査の結果、強度が不足していれば、継手12aの
遮蔽部材12cを破砕または分離し、開口12bを介し
て前記の切削工具により溶接部位の補修を行える。な
お、図25のように、鉄筋10aの突出量Cが1cm程
度しかない場合、従来のように鉄筋10a及び10を所
定長さに渡って切断する方法では、補修が行えないもの
である。
【0096】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る溶接補助具
は、上記サポート部材の支持部内周に、溶接用継手の軸
方向両端部に当接して軸方向の位置決めを行う位置決め
部が設けられているので、サポート部材上で溶接用継手
が軸方向にずれることがなく、溶接時に溶接金属が溶接
用継手により確実に受けられて、溶接部位の裏側から漏
洩するような不具合は生じにくくなる。特に、2本の鉄
筋を鉛直方向に立てた状態で溶接作業を行う場合であっ
ても、鉛直方向に配置された溶接用継手の下端部が上記
位置決め部で位置決めされているので、上記溶接用継手
が軸方向にずれたり、鉄筋とサポート部材との間から抜
け落ちることはない。これにより、溶接作業を一層確実
に行えるようになる。
【0097】本発明の他の溶接補助具に含まれる治具
は、上記保持部における第1アーム部と上記連結部とを
一体の断面円弧状体として構成するとともに、上記連結
部に上記溶接用継手を収容する凹部を設けたものである
から、上記保持部により鉄筋を固定、支持した状態で上
記溶接用継手が鉄筋の外周に緊密に沿わされる利点があ
る。また、上記溶接用継手の軸方向両端部には上記凹部
の両端面がそれぞれ当接して、これらの端面により溶接
用継手の軸方向の位置決めが行われているので、溶接用
継手が軸方向にずれることはなく、特に2本の鉄筋を鉛
直方向に立てて溶接する場合でも、溶接用継手の抜け落
ちは確実に防止される。これにより、溶接作業を一層確
実に行えるようになる。
【0098】本発明の他の溶接補助具に含まれる治具
は、各保持部が単一のアーム部を有するように構成し、
開閉部及びロック部を不要としたので、押圧具で各鉄筋
をアーム部に押圧して固定した状態における鉄筋の位置
決め精度を一層向上させることができるとともに、一層
の長寿命化が可能になる。
【0099】その場合、各アーム部の形状は、鉄筋の外
径形状に対応した断面円弧状とするか、または周方向の
一部に開口の設けられた断面多角形状とすることができ
るが、特に断面多角形状として、押圧具を上記アーム部
のいずれかの角部に対向する位置に設けることにより、
鉄筋を上記角部に押圧して固定するように構成すれば、
鉄筋の位置決め精度を一層向上させることが可能にな
る。
【0100】本発明に係る風防部材は、2本の鉄筋の溶
接時に溶接部位近傍を覆って風の侵入を防止する風防部
材に第1及び第2係止部を設け、かつ、第1係止部のみ
を鉄筋を両側から挟み込む形式とし、第2係止部は磁石
により鉄筋に吸着させるようにしたので、鉄筋に対する
係止作業がワンタッチで容易に行え、作業効率を向上さ
せることができる。
【0101】本発明に係る他の風防部材は、溶接部位へ
の風の侵入を防止する風防部材本体と、溶接用継手を支
持して鉄筋に沿わせるサポートとを開閉自在に接続して
一体に構成したので、溶接時には、上記風防部材本体と
サポートとで鉄筋を両側から挟み込んでサポートの係合
部を風防部材本体に係合することにより、風防部材本体
とサポートとを同時に鉄筋に取り付けることができ、ま
た、この取付状態で、サポートに予め支持させておいた
溶接用継手を、溶接すべき2本の鉄筋の外周に当接させ
ることができる。これにより、風防部材本体及びサポー
トの係止作業並びに溶接用継手のセットが容易に行える
ようになるとともに、上記の係止状態で、風防部材本体
に設けた、対向する1対の開口の内の一方がサポートに
よりほぼ密封状態で覆われるので、外部の風の侵入が一
層少なくなり、溶接不良を一層減少させることができる
利点が生じる。
【0102】本発明に係る鉄筋の溶接用継手は、その円
周方向一端部の軸方向ほぼ中間位置に、溶接すべき2本
の鉄筋間に設けるべきルート間隔に等しい軸方向長さを
有する間隔確認用突起を設けたので、ルート間隔の調整
を容易に、かつ、ほぼ一定となるように行うことができ
るとともに、上記間隔確認用突起は、溶接用継手と一体
に、かつ、その断面が描く円弧の接線方向に突出するよ
うに設けたものであるから、間隔確認用突起を有する本
溶接用継手を容易に、かつ安価に製造できるようにな
る。
【0103】本発明の他の鉄筋の溶接用継手は、鉄製の
溶接用継手に開口を設け、溶接時には上記開口を遮蔽部
材で覆って溶接作業を行うようにしたので、溶接部位で
の溶接金属の受けが確実に行われて、溶接金属が溶接部
位の裏側から漏洩する恐れがないとともに、万一溶接不
良が生じた場合、上記遮蔽部材を取り外すことにより、
上記溶接用継手の開口を介して容易に補修作業が行える
ものである。
【0104】また、上記遮蔽部材を溶接用継手の開口内
に嵌め込んで開口縁部に固定するようにすれば、溶接用
継手及び遮蔽部材全体としての厚みを軽減できるととも
に、溶接用継手と遮蔽部材とが別体に構成されている場
合に比して、溶接用継手及び遮蔽部材を前記サポート部
材またはサポートにセットする際等の取扱いが容易にな
る利点が生じる。
【0105】なお、この種の開口と遮蔽部材を有する溶
接用継手を用いれば、例えば、屋内の天井や床面から1
cm程度突出している鉄筋に他の鉄筋を溶接した際に、
溶接不良が生じても、上記遮蔽部材を取り除くことによ
り、本発明に係る切削工具による補修が行えるものであ
る。
【0106】上記遮蔽部材としては、鉄に対する非溶着
性を有するセラミックまたは銅等を用いることができる
が、それ以外に、例えば、1800℃程度の耐熱性を有
する、未焼成の粘土材を断面円弧状に形成したものを用
いるようにすれば、溶接作業の経費の削減を図ることが
できる。
【0107】本発明の他の鉄筋の溶接用継手は、180
0℃程度の高温に耐える耐熱性と、鉄筋に対する非溶着
性とを有するガラス系材料で形成したので、溶接後、溶
接用継手を鉄筋から分離し、溶接用継手を反復使用する
ことができ、大幅なコスト削減が図れる。
【0108】本発明に係る鉄筋の溶接方法は、本願溶接
補助具及び溶接用継手を使用し、かつ炭酸ガスシールド
アーク溶接法で鉄筋の溶接を行う場合に、シールド用炭
酸ガスの噴出量を従来より増大させて毎分30〜120
リットルの範囲としたので、屋外で溶接作業を行う際
に、ある程度の強風が吹いても、上記噴出量の増したシ
ールド用ガスにより、大気が溶接部位に触れるのを、従
来より一層効果的に防止することができ、その結果溶接
不良を減少させることができる。
【0109】また、シールド用ガスの噴出量を増大させ
ることにより、溶接時に生じるスラグをシールド用ガス
の圧力で吹き飛ばすことができるようになり、溶接部位
の強度を一層向上させることができる。なお、上記炭酸
ガスの噴出量を更に毎分50〜120リットルの範囲に
設定すれば、一層の強風下でも溶接作業が可能となると
ともに、溶接部位の強度を一層向上させることができ
る。
【0110】本発明の他の鉄筋の溶接方法は、鉄製の溶
接用継手を用いて溶接した後、溶接部位の補修が必要な
場合に、切削工具により上記溶接用継手の少なくとも溶
接中心部位近傍を切削して開口を設け、この開口を介し
て上記切削工具により不良な溶接金属を切削して除去
し、この除去により生じた空洞部に新たな溶接金属を充
填することにより補修するようにしたので、補修作業が
極めて簡単になり、従来のように、一旦鉄筋を所定長に
渡って切断して2本の鉄筋を完全に分離した後、切断部
に相当する長さを有する補充用鉄筋の両端部を上記2本
の鉄筋にそれぞれ再溶接する等の煩雑な作業が不要とな
る。
【0111】本発明の更に他の鉄筋の溶接方法は、前記
した補修用の開口を有する溶接用継手を用いて溶接を行
った後に、補修が必要な場合に、上記開口を塞いでいる
遮蔽部材を破砕または取り外し、その後、上記と同様の
手順で切削工具により不良な溶接金属を切削して補修す
るようにしたものである。なお、溶接後、自然に遮蔽部
材が剥離した場合は作業者が取り外す必要はない。この
場合も、補修のために溶接済の鉄筋を切断する必要がな
いことは勿論、ここでは溶接用継手を切削して開口を設
ける必要もないので、補修作業が一層容易に行えるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る溶接補助具を示す概略正
面図。
【図2】上記溶接補助具を用いて溶接を行う溶接装置の
斜視図。
【図3】上記溶接補助具とともに使用する溶接用継手の
斜視図。
【図4】上記溶接補助具に含まれる治具の斜視図。
【図5】上記溶接補助具に含まれるサポート部材の斜視
図。
【図6】上記溶接補助具に含まれる風防部材の底面図。
【図7】上記溶接補助具に含まれる風防部材の斜視図。
【図8】上記治具により鉄筋を保持した状態を示す概略
正面図。
【図9】上記鉄筋に風防部材を係止した状態を示す概略
正面図。
【図10】上記鉄筋に更にサポート部材を係止した状態
を示す概略正面図。
【図11】上記鉄筋の溶接部位の補修を行う様子を示す
概略正面図。
【図12】本発明に係る溶接用継手の他の実施例を示す
斜視図。
【図13】本発明に係る溶接用継手の更に他の実施例を
示す斜視図。
【図14】本発明に係る風防部材の他の実施例を示す斜
視図。
【図15】図14の風防部材を鉄筋に係止した状態を示
す一部断面側面図。
【図16】図14の風防部材を鉄筋に係止した状態を示
す概略正面図。
【図17】本発明の他の実施例に含まれる治具を示す斜
視図。
【図18】図17の治具に用いる溶接用継手を示す斜視
図。
【図19】図17の治具に取り付ける風防部材を示す斜
視図。
【図20】図17の治具に溶接用継手をセットした状態
を示す斜視図。
【図21】図17の治具により鉄筋を保持した状態を示
す斜視図。
【図22】図17の治具に風防部材を取り付けた状態を
示す概略正面図。
【図23】本発明の他の実施例に係る治具を示す斜視
図。
【図24】本発明の更に他の実施例に係る治具を示す斜
視図。
【図25】本発明の溶接用継手による溶接の例を示す説
明図。
【符号の説明】
10 鉄筋 11 治具 12 溶接用継手 12a 溶接用継手 12b 開口 12c 遮蔽部材 12d 溶接用継手 12e 間隔確認用突起 12f 開口 13 サポート部材 13a サポート 14、14a、14b、14c 風防部材 15 保持部 16 把手部 17 接続部 18 アーム部 19 連結部 20 押圧ボルト(押圧具) 22 支持部 22a 位置決め部材(位置決め部) 23 係止部 31 切欠 32 第1係止部 33 第2係止部 35 支持部 36 係合片(係合部) 37 超硬カッタ(切削工具) 40 治具 41 断面円弧状体 42 第1アーム部 43 凹部 45 第2アーム部 46 保持部 47 ロック部 56 押圧ボルト(押圧具) 57 治具 58 断面円弧状体 58a 開口付き筒状体 60、60a 保持部 61、61a 連結部 62、62a アーム部 63、63a 押圧ボルト 64、64a 凹部 66、66a 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 9/173 A 8315−4E 9/32 A 8315−4E 31/00 D 37/08 A E04G 21/12 105 E

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔を隔てて配置され、溶接すべ
    き2本の鉄筋の相対向する端部をそれぞれ保持する1対
    の保持部と、これら1対の保持部を連結する連結部とを
    有し、溶接時に上記両鉄筋の固定用に使用される治具
    と、断面円弧状の溶接用継手を上記2本の鉄筋の各端部
    外周に沿わせて支持するサポート部材とを含む鉄筋の溶
    接補助具であって、 上記治具の各保持部が鉄筋外周の少なくとも半周程度を
    覆いながら上記鉄筋を保持するアーム部と、上記鉄筋を
    上記アーム部に押圧して固定する押圧具とを有するとと
    もに、上記連結部が溶接すべき鉄筋とほぼ平行に延びる
    棒状の把手からなり、かつ上記サポート部材は上記溶接
    用継手を外側から支持する支持部と、上記2本の鉄筋に
    それぞれ係止される1対の係止部とを備え、このサポー
    ト部材の支持部の内周に上記溶接用継手の軸方向両端部
    にそれぞれ当接して軸方向の位置決めをする位置決め部
    が設けられていることを特徴とする鉄筋の溶接補助具。
  2. 【請求項2】 所定の間隔を隔てて配置され、溶接すべ
    き2本の鉄筋の相対向する端部をそれぞれ保持する1対
    の保持部と、両保持部を連結する連結部とを有し、断面
    円弧状の溶接用継手を上記2本の鉄筋の各端部外周に沿
    わせて溶接する際に上記2本の鉄筋の固定用に使用され
    る治具を含む鉄筋の溶接補助具であって、 上記治具は上記両鉄筋の端部外周のほぼ半周程度を覆う
    断面円弧状体を有し、この断面円弧状体の軸方向両端部
    がそれぞれ上記1対の保持部の一部である第1アーム部
    を形成するとともに、上記断面円弧状体の軸方向中間部
    が上記連結部を形成し、かつ上記各保持部は断面円弧状
    を成し上記鉄筋の端部外周の残りのほぼ半周程度を覆う
    とともに上記第1アーム部に開閉自在に取り付けられた
    第2アーム部と、第1及び第2アーム部を閉じて上記鉄
    筋を保持した状態で第1及び第2アーム部をロックする
    ロック部と、第1及び第2アーム部をロックした状態で
    上記鉄筋を第1又は第2アーム部に押圧して固定する押
    圧具とを有し、更に上記連結部の内周に上記第1アーム
    部の内周より大径であり上記溶接用継手を収容する断面
    円弧状の凹部が設けられていることを特徴とする鉄筋の
    溶接補助具。
  3. 【請求項3】 所定の間隔を隔てて配置され、溶接すべ
    き2本の鉄筋の対向する端部をそれぞれ保持する1対の
    保持部と、両保持部を連結する連結部とを有し、断面円
    弧状の溶接用継手を上記2本の鉄筋の各端部外周に沿わ
    せて溶接する際に上記両鉄筋の固定用に使用される治具
    を含む鉄筋の溶接補助具であって、 上記治具は上記両鉄筋の端部外周の少なくとも半周程度
    を覆うとともに円周方向の一部に鉄筋の挿入及び抽出用
    の開口が設けられた開口付き筒状体を有し、この開口付
    き筒状体の軸方向両端部がそれぞれ上記1対の保持部の
    一部であるアーム部を形成するとともに、上記開口付き
    筒状体の軸方向中間部が上記連結部を形成し、上記各保
    持部は更に上記鉄筋を上記アーム部に押圧して固定する
    押圧具を有し、かつ上記連結部の内面に、上記アーム部
    の内面より大径を成し上記溶接用継手を収容する断面円
    弧状の凹部が設けられていることを特徴とする鉄筋の溶
    接補助具。
  4. 【請求項4】 上記各アーム部が断面円弧状に形成され
    ている請求項3記載の鉄筋の溶接補助具。
  5. 【請求項5】 上記各アーム部が一部に上記開口の設け
    られた断面多角形状を成し、上記押圧具が上記断面多角
    形状のアーム部のいずれかの角部と対向する位置に設け
    られている請求項3記載の鉄筋の溶接補助具。
  6. 【請求項6】 互いに対向する2方向に開口が設けられ
    た箱状に形成され、溶接時に溶接部位近傍を覆って風の
    侵入を防止するのに用いられる風防部材において、 上記風防部材は一方の開口近傍の壁部に、溶接すべき2
    本の鉄筋の外周形状にそれぞれ対応する1対のほぼ円弧
    状の切欠が形成され、かつ一方の鉄筋の外周を両側から
    挟み込むことによりこの鉄筋に係止される第1係止部
    と、他方の鉄筋に吸着される磁石からなる第2係止部と
    が設けられていることを特徴とする風防部材。
  7. 【請求項7】 互いに対向する2方向に開口が設けられ
    た箱状に形成され、2本の鉄筋の溶接時に溶接部位近傍
    を覆って風の侵入を防止するのに用いられる風防部材本
    体と、断面円弧状の溶接用継手を上記2本の鉄筋の相対
    向する各端部外周に沿わせて支持するサポートとを含む
    風防部材であって、 上記風防部材本体の一方の開口近傍の壁部に上記2本の
    鉄筋の外周形状にそれぞれ対応する1対のほぼ円弧状の
    切欠が形成されるとともに、この風防部材本体には上記
    2本の鉄筋にそれぞれ係止される1対の係止部が設けら
    れ、上記サポートは上記風防部材本体の一方の開口の一
    縁部に開閉自在に取り付けられるとともに、このサポー
    トには上記溶接用継手を外側から支持する断面円弧状の
    支持部と、閉状態で上記風防部材本体の一方の開口の他
    縁部に係合する係合部とが設けられ、溶接時に上記風防
    部材本体と、上記溶接用継手を支持したサポートとで上
    記鉄筋を両側から挟み込んで上記係合部を上記一方の開
    口の他縁部に係合した状態で、上記風防部材本体及びサ
    ポートが上記鉄筋に係止されると同時に上記溶接用継手
    が上記鉄筋に沿わされることを特徴とする風防部材。
  8. 【請求項8】 溶接すべき2本の鉄筋の相対向する端部
    外周に沿わせて用いられる鉄筋の溶接用継手であって、 上記溶接用継手は断面円弧状を成すとともに、その円周
    方向一端部の軸方向ほぼ中間位置に、溶接時に上記2本
    の鉄筋の相対向する端部間に設けられるべきルート間隔
    に対応した軸方向幅を有し、かつ上記溶接用継手の断面
    が描く円弧の接線方向に突出する間隔確認用突起が設け
    られていることを特徴とする鉄筋の溶接用継手。
  9. 【請求項9】 溶接すべき2本の鉄筋の相対向する端部
    外周に沿わせて用いられる鉄筋の溶接用継手であって、 上記溶接用継手は鉄によりほぼ断面円弧状に形成される
    とともに、その溶接部位近傍に、溶接後に補修を行うた
    めの開口が設けられ、更に鉄に対する非溶着性を有す
    る、上記開口を遮蔽する遮蔽部材が備えられていること
    を特徴とする鉄筋の溶接用継手。
  10. 【請求項10】 上記遮蔽部材が上記開口内に嵌め込ま
    れて開口縁部に固定されている請求項9記載の鉄筋の溶
    接用継手。
  11. 【請求項11】 上記遮蔽部材がセラミックから成る請
    求項9または10記載の鉄筋の溶接用継手。
  12. 【請求項12】 上記遮蔽部材が銅から成る請求項9ま
    たは10記載の鉄筋の溶接用継手。
  13. 【請求項13】 上記遮蔽部材が1800℃程度の高温
    に耐える耐熱性を有する未焼成の粘土材から成る請求項
    9または10記載の鉄筋の溶接用継手。
  14. 【請求項14】 溶接すべき2本の鉄筋の相対向する端
    部外周に沿わせて用いられる鉄筋の溶接用継手であっ
    て、 1800℃程度の高温に耐える耐熱性と、鉄筋に対する
    非溶着性とを有するガラス系材料でほぼ断面円弧状に形
    成されていることを特徴とする鉄筋の溶接用継手。
  15. 【請求項15】 所定の間隔を隔てて配置され、溶接す
    べき2本の鉄筋の端部をそれぞれ保持する1対の保持部
    と、両保持部を連結する連結部とを有する治具を含む溶
    接補助具を使用し、断面円弧状の溶接用継手を上記2本
    の鉄筋の各端部外周に沿わせて炭酸ガスシールドアーク
    溶接法により溶接する鉄筋の溶接方法において、 シールド用炭酸ガスの噴出量が毎分30〜120リット
    ルであることを特徴とする鉄筋の溶接方法。
  16. 【請求項16】 上記シールド用炭酸ガスの噴出量が毎
    分50〜120リットルである請求項15記載の鉄筋の
    溶接方法。
  17. 【請求項17】 所定の間隔を隔てて配置され、溶接す
    べき2本の鉄筋の相対向する端部をそれぞれ保持する1
    対の保持部と、これら1対の保持部を連結する連結部と
    を有する治具を含む溶接補助具を使用し、ほぼ断面円弧
    状で鉄製の溶接用継手を上記2本の鉄筋の各端部外周に
    沿わせて炭酸ガスシールドアーク溶接法により溶接する
    鉄筋の溶接方法において、 溶接後、溶接部位の補修が必要な時、切削工具により上
    記鉄製の溶接用継手における少なくとも溶接中心部位近
    傍を切削して開口を形成した後、この開口を介して溶着
    済の不良な溶接金属を上記切削工具により切削して除去
    し、続いて上記開口を介して溶接金属を再充填すること
    により補修を行うことを特徴とする鉄筋の溶接方法。
  18. 【請求項18】 所定の間隔を隔てて配置され、溶接す
    べき2本の鉄筋の相対向する端部をそれぞれ保持する1
    対の保持部と、これら1対の保持部を連結する連結部と
    を有する治具を含む溶接補助具を使用し、請求項9〜1
    3のいずれか記載の溶接用継手を上記2本の鉄筋の各端
    部外周に沿わせて炭酸ガスシールドアーク溶接法により
    溶接する鉄筋の溶接方法において、 溶接後、溶接部位の補修が必要な時、上記溶接用継手に
    おける遮蔽部材を除去した後、上記溶接用継手に予め設
    けられている開口を介して溶着済の不良な溶接金属を切
    削工具により切削して除去し、続いて上記開口を介して
    溶接金属を再充填することにより補修を行うことを特徴
    とする鉄筋の溶接方法。
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