JP3446734B2 - 鉄筋の突合せスタッド溶接方法及びその装置 - Google Patents

鉄筋の突合せスタッド溶接方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋の突合せスタ
ッド溶接方法及びその装置に係わり、更に詳しくは横向
きの既設鉄筋の端部にスタッド鉄筋を同軸状に突合せて
溶接することが可能であり、特に橋梁のコンクリート床
版同士の接続部に配した伸縮装置の取替え工事あるいは
床版の横幅拡張工事等に適用可能な鉄筋の突合せスタッ
ド溶接方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、新幹線の鉄筋コンクリート製の高
架橋やトンネルの崩落事故が頻繁に発生し、大きな社会
問題となってきている。その原因はともかくとして、1
960年〜1970年代の高度成長期を境として急速に
増えてきた鉄筋コンクリート構造物は、車の排気ガスや
酸性雨、更には交通量の増加によって老朽化が進んでき
ている。鉄筋コンクリート構造物の寿命は50年以上と
言われているが、鉄筋コンクリート構造物を取り巻く環
境の悪化によって、高度成長期に構築された多くの構造
物が寿命に近づきつつある。しかし、適切な時期に適切
なメンテナンス、補修を行うことによって、鉄筋コンク
リート構造物の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0003】例えば、ホロースラブ橋に代表されるよう
に、鉄筋コンクリート製の橋梁においては、橋脚部分で
コンクリート床版同士が伸縮装置を介して接続されてい
るが、このコンクリート床版の端部に設けた伸縮装置が
最も損傷が大きく、その取替えが必要となっている。こ
の伸縮装置の取替え工事は、先ずコンクリート床版のコ
ンクリート部の端部を内部の鉄筋とともに回転カッター
やワイヤーソーイング装置で切断した後、コンクリート
床版の切断端部と伸縮装置を取り除き、その後コンクリ
ート部の切断面を、全面に亘って削岩機によって厚さ1
0〜15cm程度斫り、鉄筋の端部を露出させた後、新
規の伸縮装置を設置してから、前記鉄筋の露出部に新設
鉄筋を10cm程度重ねた状態でフレアー溶接して延長
するとともに、その他の鉄筋を配し、最後にコンクリー
トを打設する作業である。
【0004】ここで、最も問題となる作業は、コンクリ
ート部の斫り作業である。通常、この種の伸縮装置の取
替え工事は、交通規制を最短にするため集中工事とな
り、そのため斫り作業が深夜に及ぶ場合もあり、発生す
る騒音によって近隣住民に多大な迷惑をかけることにな
るのである。また、騒音発生がひどい場合には、工事そ
のものが近隣住民の苦情や実力行使によって中断させら
れることもある。
【0005】一方、東名高速道路や名神高速道路、ある
いは首都高速道路を始めとして、交通量の増加によって
慢性的な交通渋滞が発生している区間が存在し、その交
通渋滞を緩和するために、各地で車線の拡幅工事が行わ
れてきている。この車線の拡幅工事における問題は、前
述の伸縮装置の取替え工事にも共通する。既設のコンク
リート床版の端部を延長する場合、先ずコンクリート部
を内部の鉄筋とともに、切断し、それから切断面から厚
さ10〜15cm程度まで削岩機やウォタージェットで
コンクリート部を斫り、鉄筋の先端部を露出させ、そし
て既設鉄筋の端部に新設鉄筋を10cm程度重ねた状態
でエンクローズ溶接又は機械継手で連結し、最後にコン
クリートを打設するのである。この場合もコンクリート
部の斫り作業が、工期の長期化と騒音発生の最大の問題
となっている。
【0006】ここで、同径の鉄筋同士を同軸状に溶接す
る技術として、前述のエンクローズ溶接があるが、溶接
時間が長いため作業効率が悪くなり、現場向きではな
く、また発熱の熱容量が大きいため鉄筋に材質変化が生
じ、更に根本的に所定長さの溶接しろを確保するための
コンクリート部の斫り作業が必要となるのである。ま
た、鋼板の表面に鉄筋をスタッド溶接する技術は一般的
であるが、従来からスタッド溶接は、15cm角以上の
面積を有する鉄板に溶接することが推奨されており、磁
気吹き現象のため常識的にもそのような場合に適用され
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、スタッド
鉄筋を溶接する相手面は、かなり広い面積を有する板物
であることが常識であった。そのため、従来のスタッド
溶接技術は、略同径の鉄筋同士を溶接すること、更には
鉄筋が略水平な状況下で行うこと等は全く想定外であっ
た。
【0008】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、略同径の鉄筋同士を溶接するこ
とができるとともに、鉄筋が略水平な状況下でも良好に
溶接することが可能な鉄筋の突合せスタッド溶接方法及
びその装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、略同径の鉄筋同士を略水平な状況下でも良
好に溶接することが可能な鉄筋の突合せスタッド溶接方
法であって、既設鉄筋の端部周囲に、該既設鉄筋と直交
した導体面を有するアースクランプを着脱可能に装着す
るとともに、該アースクランプの導体面に耐熱性絶縁素
材からなるリング状のスタッドベースを押し当てた状態
で装着し、スタッド溶接ガンに装填したスタッド鉄筋の
先端を前記既設鉄筋の端面に接触させるとともに、該ス
タッド鉄筋の先端部周囲に配したフェルールを前記スタ
ッドベースに接合した状態でスタッド溶接してなり、前
記スタッドベースは、中心部に前記既設鉄筋の端部に挿
入可能な装着孔を有し、該装着孔の軸方向一側面には前
記アースクランプの導体面に押し当てる当接面を形成す
るとともに、装着孔の軸方向他側面には前記フェルール
の先端面を接合する接合面と、下部に中心角に対して6
0〜180°に設定した円弧状の突縁を形成したもので
あり、前記フェルールは、リング状の一端部に前記スタ
ッド鉄筋の先端部を挿入する挿着孔を形成するととも
に、他端部を拡径して内部に溶融金属溜となる空間部を
形成し、更に先端面の前記突縁に対応する部分は平坦面
とし、それ以外の部分にガス抜き溝を形成したものであ
る鉄筋の突合せスタッド溶接方法を確立した。ここで、
前記スタッドベースと前記フェルールとの接合面におい
て、凹凸嵌合構造によってフェルールの中心出しをして
なることが好ましい
【0010】して、本発明は、横向きの既設鉄筋の端
部にスタッド鉄筋を同軸状に突合せて溶接する鉄筋の突
合せスタッド溶接装置であって、スタッド鉄筋を装填す
るスタッド溶接ガンと、前記既設鉄筋に着脱可能に装着
し、該既設鉄筋と直交した導体面を有するアースクラン
プと、前記既設鉄筋の端部周囲でアースクランプの導体
面に押し当てた状態で装着する耐熱性絶縁素材からなる
リング状のスタッドベースと、前記スタッド鉄筋の先端
部周囲に装着し且つ前記スタッドベースに接合可能なフ
ェルールとからなり、前記スタッドベースは、中心部に
前記既設鉄筋の端部に挿入可能な装着孔を有し、該装着
孔の軸方向一側面には前記アースクランプの導体面に押
し当てる当接面を形成するとともに、装着孔の軸方向他
側面には前記フェルールの先端面を接合する接合面と、
下部に中心角に対して60〜180°に設定した円弧状
の突縁を形成したものであり、前記フェルールは、リン
グ状の一端部に前記スタッド鉄筋の先端部を挿入する挿
着孔を形成するとともに、他端部を拡径して内部に溶融
金属溜となる空間部を形成し、更に先端面の前記突縁に
対応する部分は平坦面とし、それ以外の部分にガス抜き
溝を形成したものである鉄筋の突合せスタッド溶接装置
を構成した。この場合も前記スタッドベースと前記フェ
ルールとの接合面において、凹凸嵌合構造によってフェ
ルールの中心出しをしてなることが好ましい
【0011】に、前記アースクランプは、一対の挟持
アームの先端部に前記既設鉄筋の端部を挟持する挟持板
を着脱固定手段で取付け、前記挟持アームと挟持板は導
体で形成し、両挟持板は前記導体面を形成してなること
が好ましく、また前記アースクランプは、挟持アームの
先端部を側面視ヘ字形に屈曲させたものであることも好
ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を添付図
面に基づき更に詳細に説明する。図1〜図4は本発明の
鉄筋の突合せスタッド溶接装置を示し、図中符号1は既
設鉄筋、2はスタッド鉄筋、3はアースクランプ、4は
スタッドベース、5はフェルール、6はコンクリートを
それぞれ示している。
【0013】本発明の鉄筋の突合せスタッド溶接装置
は、既設鉄筋1の端部にスタッド鉄筋2を同軸状に突合
せて溶接する装置であり、スタッド鉄筋2を装填するス
タッド溶接ガン(図示せず)と、前記既設鉄筋1に着脱
可能に装着し、該既設鉄筋1と直交した導体面7を有す
るアースクランプ3と、前記既設鉄筋1の端部周囲でア
ースクランプ3の導体面7に押し当てた状態で装着する
耐熱性絶縁素材からなるリング状のスタッドベース4
と、前記スタッド鉄筋2の先端部周囲に装着し且つ前記
スタッドベース4に接合可能なフェルール5とから構成
されている。
【0014】以下に各部について詳細に説明する。ここ
で、既設鉄筋1とスタッド鉄筋2は、同径の異形鉄筋で
あるが、丸棒状の鉄筋でも勿論構わず、また直径が大小
若干異なっても構わない。また、スタッド鉄筋2は、従
来公知の各種形状のものを用いることが可能である。そ
して、本発明に用いるスタッド溶接ガンは、従来から公
知のものを用いることが可能である。尚、本実施形態で
は、前記既設鉄筋1がコンクリート6に埋設されたもの
を想定しているが、本発明は適当な状態に既設鉄筋1が
固定されていれば適用可能である。
【0015】前記アースクランプ3は、図1〜図3に示
すように、一対の挟持アーム8,8の基部を回動可能に
枢着するとともに、それぞれ挟持アーム8,8の先端部
に既設鉄筋1の端部を挟持する挟持板9,9を設け、更
に挟持アーム8,8の中間部にボルトと蝶ナットからな
る締結手段10を備え、適宜な位置にアース線(図示せ
ず)の接続部11を設けたものである。図中符号12
は、挟持アーム8,8の枢着部を示している。ここで、
前記挟持板9,9は、スタッド溶接時に熱的損傷を受け
た場合に取り替えることができるように、前記挟持アー
ム8,8の先端部にボルト締め等の着脱固定手段で取付
けている。また、両挟持板9,9の接合面には、既設鉄
筋1の端部を受け入れる半円状の係合凹部13を形成
し、前記締結手段10で挟持アーム8,8を締め付けた
際に、両係合凹部13,13内に既設鉄筋1の端部を圧
接状態で保持できるようにしている。また、前記挟持ア
ーム8,8の先端部は側面視ヘ字形に角度αだけ屈曲さ
せており、既設鉄筋1の端部の露出長さが短い場合で
も、アースクランプ3の基部がコンクリート6の切断面
14に接触しないようにしている。本実施形態では、前
述の角度αは30度に設定している。
【0016】また、前記アースクランプ3を構成する挟
持アーム8,8と挟持板9,9は導体で形成し、両挟持
板9,9は前述の導体面7を形成するので、スタッド溶
接時の磁気吹き現象を緩和するのに要求される面積と形
状を有している。例えば、前記挟持板9は、本実施形態
では一辺が4〜5cmで厚さが3〜5mm程度の板状の
ものを用いている。そして、前記係合凹部13の寸法
は、既設鉄筋1の直径に応じて設定されており、異なる
直径の既設鉄筋1の場合には、それに合った係合凹部1
3を有する挟持板9に付け替えれば良い。
【0017】前記スタッドベース4は、図4に示すよう
に、耐熱性絶縁素材、例えば後述のフェルール5と同種
のセラミックス素材で成形し、焼成したものであり、外
径は前記フェルール5の外径よりも大きくし、中心部に
前記既設鉄筋1の端部に挿入可能な装着孔15を有し、
該装着孔15の軸方向一側面には前記アースクランプ3
の導体面7に押し当てる当接面16を形成するととも
に、装着孔15の軸方向他側面にはガス抜き溝17を有
する前記フェルール5の先端面を接合する接合面18
と、下部に前記フェルール5と溶融金属を受ける円弧状
の突縁19を形成したものである。ここで、前記突縁1
9は中心角に対して60〜180°に設定している。ま
た、前記スタッドベース4の接合面18には、上部側の
2箇所に突起20,20を形成し、該突起20,20と
前記突縁19とでフェルール5の周囲を3点支持してそ
の中心出しを簡単に行えるようにしている。また、前記
スタッドベース4の軸方向の厚みは、その素材強度にも
よるが、3〜5mmに設定しているが、それよりも厚く
ても構わないが、既設鉄筋1がコンクリート6に埋設さ
れたものであり、それを斫って既設鉄筋1の先端部を露
出させる場合には、なるべく薄い方がコンクリート6の
斫り量が少なくて済むので好ましく、また薄すぎると強
度面で問題となるので、適度な厚みとする。
【0018】前記フェルール5は、図4に示すように、
水平スタッド溶接の際に使用する公知のものを用いるこ
とが可能であり、セラミックス素材で成形し、焼成した
ものである。つまり、前記フェルール5は、リング状の
一端部に前記スタッド鉄筋2の先端部を挿入する挿着孔
21を形成するとともに、他端部を拡径して内部に溶融
金属溜となる空間部22を形成し、更に先端面に溶接時
に発生するガスの逃し穴となるガス抜き溝17,…を形
成したものである。ここで、前記フェルール5の先端面
は、前記スタッドベース4の接合面18に接合され、該
接合面18とガス抜き溝17,…とで、ガスの逃し穴が
形成されるが、前記突縁19に対応する部分は平坦面2
3となしてガス抜き溝17は形成していない。この平坦
面23と前記接合面18が密接し、更にその下方に前記
突縁19が位置するので、空間部22内に溶け出した溶
融金属が溢れ出して落下することがないようにしてい
る。
【0019】そして、図1に示すように、コンクリート
6に埋設された既設鉄筋1にスタッド鉄筋2を溶接する
には、既設鉄筋1をコンクリート6と共に切断して端面
を露出させ、それから前記アースクランプ3を該既設鉄
筋1の端部に装着可能なだけその周囲のコンクリートを
斫って凹部24を形成し、既設鉄筋1の端部を所定長さ
だけ露出させる。そして、前記アースクランプ3の挟持
板9,9の接合面に形成した両係合凹部13,13で、
既設鉄筋1の端部を先端を余して圧接状態で保持し、導
体面7が該既設鉄筋1に直交するように装着する。それ
から、前記既設鉄筋1の端部に、スタッドベース4の装
着孔15を挿入して、当接面16を導体面7に押し当て
る。そして、従来のスタッド溶接技術と同様に、スタッ
ド溶接ガンに装填したスタッド鉄筋2の先端を前記既設
鉄筋1の端面に接触させるとともに、該スタッド鉄筋2
の先端部に装着孔21を挿入して挿着したフェルール5
の先端面を前記スタッドベース4の接合面18に接合し
た状態でスタッド溶接するのである。ここで、スタッド
溶接の手法そのものは公知であり、先ず既設鉄筋1の端
面にスタッド鉄筋2の先端突起部を接触させ、両鉄筋
1,2に大電流を流しながらスタッド鉄筋2を若干後退
させて、両鉄筋間にアーク放電を持続させて、鉄筋の端
部が溶融した直後にスタッド鉄筋2を前進させて既設鉄
筋1の端部に溶接するのである。最後に、前記アースク
ランプ3を外し、フェルール5及びスタッドベース4を
ハンマーで軽く叩き、割って除去する。
【0020】前記アースクランプ3の挟持板9,9で形
成される既設鉄筋1と直交した導体面7は、溶接面とな
る既設鉄筋1の端面に対してその周囲に十分な面積を確
保し、スタッド溶接時の磁気吹き現象を緩和する作用を
するのであり、この導体面7の存在によって同径鉄筋同
士の良好な水平スタッド溶接が可能となる。更に、前記
スタッドベース4は、溶接時に発生する高熱からアース
クランプ3を保護することと、溶融金属が溢れ出して落
下するのを防止し、鉄筋同士の接合部の減肉を抑制して
良好なスタッド溶接を実現することが主な作用である。
更に、前記スタッドベース4と前記フェルール5との接
合面において、前記突縁19と突起20,20による凹
凸嵌合構造によってフェルール5の中心出し、ひいては
既設鉄筋1とスタッド鉄筋2との中心出しを行うことも
重要な作用である。前記スタッドベース4と前記フェル
ール5との凹凸嵌合構造は、前述の構造に限定されるも
のではなく、前記スタッドベース4の接合面18に、前
記フェルール5の先端部の外周が嵌合し且つ前記ガス抜
き溝17を塞がない程度の凹部を全体的に形成しても良
い。また、水平スタッド溶接する際に、前記スタッドベ
ース4及びフェルール5の上下が一目で分かる目印を付
けることも好ましく、前記突起20,20はその目印の
働きもする。
【0021】次に、本発明によって同径の鉄筋同士を水
平スタッド溶接した試験結果を以下に示す。使用した母
材異形鉄筋(既設鉄筋1に対応する)は、D16(KD
S490D)であり、異形スタッド(スタッド鉄筋2に
対応する)は、同種鋼材からなるD16×300(KD
S490D)である。この使用した鋼材の機械的性質
は、降伏点が393N/mm2、引張強度が504N/
mm2、伸びが29%である。次の表1にスタッド溶接
した5本の試験体の引張試験結果を示すが、何れも外観
検査において良好であり、また破断位置は溶接部とは異
なる軸部であった。
【0022】
【表1】
【0023】発明の水平スタッド溶接方法は、その適
用範囲を限定するものではないが、橋梁、高架橋等のコ
ンクリート床版の伸縮装置の取り替え工事において、コ
ンクリート床版の車軸方向の配力筋(既設鉄筋1)を露
出させ、該配力筋にスタッド鉄筋2を溶接する場合に適
用すればより効果的である。また、本発明の水平スタッ
ド溶接方法は、橋梁、高架橋等の車線の拡幅工事におい
て、コンクリート床版の側部に露出させた主鉄筋(既設
鉄筋1)にスタッド鉄筋を溶接し、更にそのスタッド鉄
筋2に新設の主鉄筋を連結する場合に適用しても効果的
である。
【0024】また、本発明の鉄筋の突合せスタッド溶接
方法及びその装置は、略同径の鉄筋同士を水平スタッド
溶接するものであるので、前述のコンクリート床版の伸
縮装置の取替え工事や拡幅工事に用いる場合に限定され
るものではなく、コンクリート構造物に埋設された既設
鉄筋にスタッド鉄筋を溶接する場合や、更に広く一般の
鉄筋同士をスタッド溶接する場合に適用できることは、
本明細書及び図面の記載から明らかである。
【0025】
【発明の効果】以上にしてなる請求項1及び2に係る発
明の鉄筋の突合せスタッド溶接方法は、略同径の鉄筋同
士を中心出しをした状態で溶接することができるととも
に、鉄筋が略水平な状況下でも良好に溶接することがで
き、特に既設の鉄筋コンクリート構造物を部分的に切断
し、切断部に新設の鉄筋コンクリート部を構築する工法
において、コンクリート部の斫り作業を可及的に少なく
して工期の短縮化と騒音発生の低減化を図ることができ
る。更に、溶接部の外観検査において良好であり、また
引張試験においても破断位置は溶接部とは異なる軸部で
あるといった優れた結果が得られた。
【0026】請求項に係る発明の鉄筋の突合せス
タッド溶接装置によれば、略同径の鉄筋同士を中心出し
をした状態で溶接することができるとともに、鉄筋が略
水平な状況下でも良好に溶接することができ、特に既設
の鉄筋コンクリート構造物を部分的に切断し、切断部に
新設の鉄筋コンクリート部を構築する工法において、コ
ンクリート部の斫り作業を可及的に少なくして工期の短
縮化と騒音発生の低減化を図ることができる。更に、溶
接部の外観検査において良好であり、また引張試験にお
いても破断位置は溶接部とは異なる軸部であるといった
結果が得られた。また、アースクランプの熱的損傷を抑
制することができ、該アースクランプを繰り返し使用す
ることができるので、コスト削減に寄与することができ
るとともに、良好なスタッド溶接ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】異形鉄筋同士をスタッド溶接する前のセット状
態を示す部分断面図である。
【図2】アースクランプの平面図である。
【図3】要部の拡大断面図である。
【図4】スタッドベースとフェルールの斜視図であり、
(a)はスタッドベースとフェルールが離れた状態、
(b)はスタッドベースとフェルールを接合した状態を
それぞれ示している
【符号の説明】
1 既設鉄筋 2 スタッド鉄筋 3 アースクランプ 4 スタッドベース 5 フェルール 6 コンクリート 7 導体面 8 挟持アーム 9 挟持板 10 締結手段 11 接続部 12 枢着部 13 係合凹部 14 切断面 15 装着孔 16 当接面 17 ガス抜き溝 18 接合面 19 突縁 20 突起 21 挿着孔 22 空間部 23 平坦面 24 凹

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略同径の鉄筋同士を略水平な状況下でも
    良好に溶接することが可能な鉄筋の突合せスタッド溶接
    方法であって、既設鉄筋の端部周囲に、該既設鉄筋と直
    交した導体面を有するアースクランプを着脱可能に装着
    するとともに、該アースクランプの導体面に耐熱性絶縁
    素材からなるリング状のスタッドベースを押し当てた状
    態で装着し、スタッド溶接ガンに装填したスタッド鉄筋
    の先端を前記既設鉄筋の端面に接触させるとともに、該
    スタッド鉄筋の先端部周囲に配したフェルールを前記ス
    タッドベースに接合した状態でスタッド溶接してなり、
    前記スタッドベースは、中心部に前記既設鉄筋の端部に
    挿入可能な装着孔を有し、該装着孔の軸方向一側面には
    前記アースクランプの導体面に押し当てる当接面を形成
    するとともに、装着孔の軸方向他側面には前記フェルー
    ルの先端面を接合する接合面と、下部に中心角に対して
    60〜180°に設定した円弧状の突縁を形成したもの
    であり、前記フェルールは、リング状の一端部に前記ス
    タッド鉄筋の先端部を挿入する挿着孔を形成するととも
    に、他端部を拡径して内部に溶融金属溜となる空間部を
    形成し、更に先端面の前記突縁に対応する部分は平坦面
    とし、それ以外の部分にガス抜き溝を形成したものであ
    ることを特徴とする鉄筋の突合せスタッド溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記スタッドベースと前記フェルールと
    の接合面において、凹凸嵌合構造によってフェルールの
    中心出しをしてなる請求項1記載の鉄筋の突合せスタッ
    ド溶接方法。
  3. 【請求項3】 横向きの既設鉄筋の端部にスタッド鉄筋
    を同軸状に突合せて溶接する鉄筋の突合せスタッド溶接
    装置であって、スタッド鉄筋を装填するスタッド溶接ガ
    ンと、前記既設鉄筋に着脱可能に装着し、該既設鉄筋と
    直交した導体面を有するアースクランプと、前記既設鉄
    筋の端部周囲でアースクランプの導体面に押し当てた状
    態で装着する耐熱性絶縁素材からなるリング状のスタッ
    ドベースと、前記スタッド鉄筋の先端部周囲に装着し且
    つ前記スタッドベースに接合可能なフェルールとからな
    り、前記スタッドベースは、中心部に前記既設鉄筋の端
    部に挿入可能な装着孔を有し、該装着孔の軸方向一側面
    には前記アースクランプの導体面に押し当てる当接面を
    形成するとともに、装着孔の軸方向他側面には前記フェ
    ルールの先端面を接合する接合面と、下部に中心角に対
    して60〜180°に設定した円弧状の突縁を形成した
    ものであり、前記フェルールは、リング状の一端部に前
    記スタッド鉄筋の先端部を挿入する挿着孔を形成すると
    ともに、他端部を拡径して内部に溶融金属溜となる空間
    部を形成し、更に先端面の前記突縁に対応する部分は平
    坦面とし、それ以外の部分にガス抜き溝を形成したもの
    であることを特徴とする鉄筋の突合せスタッド溶接装
    置。
  4. 【請求項4】 前記スタッドベースと前記フェルールと
    の接合面において、凹凸嵌合構造によってフェルールの
    中心出しをしてなる請求項3記載の鉄筋の突合せスタッ
    ド溶接装置。
  5. 【請求項5】 前記アースクランプは、一対の挟持アー
    ムの先端部に前記既設鉄筋の端部を挟持する挟持板を着
    脱固定手段で取付け、前記挟持アームと挟持板は導体で
    形成し、両挟持板は前記導体面を形成してなる請求項3
    又は4記載の鉄筋の突合せスタッド溶接装置。
  6. 【請求項6】 前記アースクランプは、挟持アームの先
    端部を側面視ヘ字形に屈曲させたものである請求項3〜
    5何れかに記載の鉄筋の突合せスタッド溶接装置。
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