JP4788063B2 - スタッド溶接装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタッド溶接装置に係わり、更に詳しくは狭い作業空間内で横向きに鉄筋同士を溶接するためのスタッド溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、新幹線の鉄筋コンクリート製の高架橋やトンネルの崩落事故が頻繁に発生し、大きな社会問題となってきている。その原因はともかくとして、1960年〜1970年代の高度成長期を境として急速に増えてきた鉄筋コンクリート構造物は、車の排気ガスや酸性雨、更には交通量の増加によって老朽化が進んできている。鉄筋コンクリート構造物の寿命は50年以上と言われているが、鉄筋コンクリート構造物を取り巻く環境の悪化によって、高度成長期に構築された多くの構造物が寿命に近づきつつある。しかし、適切な時期に適切なメンテナンス、補修を行うことによって、鉄筋コンクリート構造物の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0003】
例えば、ホロースラブ橋に代表されるように、鉄筋コンクリート製の橋梁においては、橋脚部分でコンクリート床版同士が伸縮装置を介して接続されているが、このコンクリート床版の端部に設けた伸縮装置が最も損傷が大きく、その取替えが必要となっている。この伸縮装置の取替え工事は、先ずコンクリート床版のコンクリート部の端部を内部の鉄筋とともに回転カッターやワイヤーソーイング装置で切断した後、コンクリート床版の切断端部と伸縮装置を取り除き、その後コンクリート部の切断面を、全面に亘って削岩機によって厚さ10〜15cm程度斫り、鉄筋の端部を露出させた後、新規の伸縮装置を設置してから、前記鉄筋の露出部に新設鉄筋を10cm程度重ねた状態でフレアー溶接して延長するとともに、その他の鉄筋を配し、最後にコンクリートを打設する作業である。
【0004】
ここで、最も問題となる作業は、コンクリート部の斫り作業である。通常、この種の伸縮装置の取替え工事は、交通規制を最短にするため集中工事となり、そのため斫り作業が深夜に及ぶ場合もあり、発生する騒音によって近隣住民に多大な迷惑をかけることになるのである。また、騒音発生がひどい場合には、工事そのものが近隣住民の苦情や実力行使によって中断させられることもある。
【0005】
一方、東名高速道路や名神高速道路、あるいは首都高速道路を始めとして、交通量の増加によって慢性的な交通渋滞が発生している区間が存在し、その交通渋滞を緩和するために、各地で車線の拡幅工事が行われてきている。この車線の拡幅工事における問題は、前述の伸縮装置の取替え工事にも共通する。既設のコンクリート床版の端部を延長する場合、先ずコンクリート部を内部の鉄筋とともに、切断し、それから切断面から厚さ10〜15cm程度まで削岩機やウォタージェットでコンクリート部を斫り、鉄筋の先端部を露出させ、そして既設鉄筋の端部に新設鉄筋を10cm程度重ねた状態でエンクローズ溶接又は機械継手で連結し、最後にコンクリートを打設するのである。この場合もコンクリート部の斫り作業が、工期の長期化と騒音発生の最大の問題となっている。
【0006】
また、トンネル内面補強改修工事では、既設トンネルの内面に沿って新たな鉄筋を配設する作業を伴うが、この鉄筋を連結する手段として前述のフレアー溶接やエンクローズ溶接又は機械継手が利用されている。この場合の鉄筋同士の連結作業に多大な労力と時間を要し、これがコスト低減化の妨げになっていた。
【0007】
ここで、同径の鉄筋同士を同軸状に溶接する技術として、前述のエンクローズ溶接があるが、溶接時間が長いため作業効率が悪くなり、現場向きではなく、また発熱の熱容量が大きいため鉄筋に材質変化が生じ、更に根本的に所定長さの溶接しろを確保するためのコンクリート部の斫り作業が必要となるのである。また、鋼板の表面に鉄筋をスタッド溶接する技術は一般的であるが、従来からスタッド溶接は、15cm角以上の面積を有する鉄板に溶接することが推奨されており、磁気吹き現象のため常識的にもそのような場合に適用されていた。
【0008】
このように、スタッド鉄筋を溶接する相手面は、かなり広い面積を有する板物であることが常識であった。そのため、従来のスタッド溶接技術は、略同径の鉄筋同士を溶接すること、更には鉄筋が略水平な状況下で行うこと等は全く想定外であった。また、伸縮装置の取替え工事を始めとして、既設鉄筋に新設鉄筋を溶接して延長する作業は、非常に狭い空間で行われるが、従来のスタッドガンは、ガン本体に前方へ突出した直線駆動される駆動軸の先端に、スタッドを延長するように同軸状に装着する構造であるため、スタッドガンの駆動軸先端までの長さにスタッドの長さを加えた程度の最低空間を要し、特にスタッドとして長尺の異形鉄筋を用いる場合にはセッティング自体が困難となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、狭い作業空間内で横向きの既設鉄筋の端部にスタッド鉄筋を同軸状に突合せて溶接することが可能であり、特に橋梁のコンクリート床版同士の接続部に配した伸縮装置の取替え工事、床版の横幅拡張工事あるいはトンネル内面補強改修工事等に適用可能なスタッド溶接装置を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題解決のために、スタッドガン本体の前方に、直線駆動する駆動軸に対して平行に単又は複数本のガイド杆を突設し、該ガイド杆の先端にはフェルール当接部を形成し、前記ガイド杆の途中部にスライド移動可能に設けた移動体を前記駆動軸に連結するとともに、該移動体にスタッド保持具を設け、更に前記ガン本体の後方に、前記駆動軸に対して平行に単又は複数本の第2ガイド杆を突設し、該第2ガイド杆にスライド移動可能に設けた第2移動体に第2スタッド保持具を設け、前方の前記スタッド保持具と後方の当該第2スタッド保持具とに装着したスタッドをガン本体の上方又は側方に配してなるスタッド溶接装置を構成した。
【0011】
また、前記スタッドが異形鉄筋で作製されたものであることがより好ましい。
【0012】
更に、既設鉄筋に着脱可能に装着し、該既設鉄筋と直交した導体面を有するアースクランプと、前記既設鉄筋の端部周囲でアースクランプの導体面に押し当てた状態で装着する耐熱性絶縁素材からなるリング状のスタッドベースと、前記スタッドの先端部周囲に装着し且つ前記スタッドベースに接合可能なフェルールとを備えてなることがより好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき更に詳細に説明する。図1〜図は本発明のスタッド溶接装置の第1実施形態を示し、図中符号1はスタッドガン、2はガン本体、3は駆動軸、4はスタッド、5は既設鉄筋、6はアースクランプ、7はスタッドベース、8はフェルールをそれぞれ示している。尚、後述の第2実施形態及び第3実施形態は、本発明の実施例ではなく参考例である。
【0014】
本発明のスタッド溶接装置を構成するスタッドガン1は、スタッドガン本体2の前方に、直線駆動する駆動軸3に対して平行に単又は複数本のガイド杆10,10を突設し、該ガイド杆10,10の先端にはフェルール当接部11を形成し、前記ガイド杆10,10の途中部にスライド移動可能に設けた移動体12を前記駆動軸3に連結するとともに、該移動体12にスタッド保持具13を設け、該スタッド保持具13に装着したスタッド4をガン本体2の上方に配してなる基本構造を有している。尚、図示しないが、前記スタッド保持具13の向きを横方向に設定すれば、スタッド4をガン本体2の側方に配することが可能である。そして、本発明のスタッド溶接装置は、前述のスタッドガン1に加えて、既設鉄筋5に着脱可能に装着し、該既設鉄筋5と直交した導体面9を有するアースクランプ6と、前記既設鉄筋5の端部周囲でアースクランプ6の導体面9に押し当てた状態で装着する耐熱性絶縁素材からなるリング状のスタッドベース7と、前記スタッド4の先端部周囲に装着し且つ前記スタッドベース7に接合可能なフェルール8とより構成される。
【0015】
本発明のスタッド溶接装置は、狭い作業空間内で既設鉄筋5の端部にスタッド4を同軸状に突合せて溶接する用途に特に適しているが、用途は特に限定されるものではなく広く一般のスタッド溶接に用いることも可能である。また、前記スタッド4としては既設鉄筋5と同一径の異形鉄筋を用いることが好ましいが、丸棒状の鉄筋でも勿論構わず、また直径が大小若干異なっても構わない。また、前記スタッド4は、従来公知の各種形状のものを用いることも可能である。尚、本実施形態では、前記既設鉄筋5がコンクリート14に埋設されたものを想定しているが、本発明は適当な状態に既設鉄筋5が固定されていれば適用可能である。
【0016】
以下に各部について詳細に説明する。先ず、本発明に用いるスタッドガン1は、図1に示すように、ガン本体2の先端に駆動軸3が突出し、該駆動軸3と平行して2本のガイド杆10,10を前方へ延びて設けられ、該ガイド杆10,10の先端には後述のフェルール8を押えるとともに、ガン本体2を位置決めするためのフェルール当接部11を形成している。ここで、前記ガイド杆10,10の並び方は、前記駆動軸3を挟んで上下でも左右でも良い。そして、前記ガイド杆10,10の途中部に移動体12をスライド移動可能に設け、該移動体12を前記駆動軸3の先端に連結するとともに、該移動体12にスタッド保持具13を設けている。前記スタッド保持具13に装着したスタッド4はガン本体2の上方又は側方に配置され、ガン本体2の内部の直線駆動機構によって駆動軸3が進退すると、それに応じて移動体12及びスタッド保持具13に装着したスタッド4が前後方向に移動する。ここで、前記ガイド杆10,10に対する移動体12の移動距離は、スタッド溶接する際にスタッド4の既設鉄筋5に対する離間、押し込みに要するストロークを確保できる程度で良い。従って、原理的には、前記ガイド杆10,10の長さを、移動体12の長さにストロークを加えた程度に短くできる。
【0017】
次に、前記アースクランプ6は、図2及び図3に示すように、エキセントリック型の構造のものであり、ベース金具15の先端部に銅合金製の受け金具16を着脱可能に取付けるとともに、ベース金具15に一端を回動可能に取付けた側面視L字形のアーム17の他端部に調節ネジ18を介して押え金具19を取付け、前記受け金具16と押え金具19とで既設鉄筋5を挟持できるようになっている。そして、前記アーム17の屈曲部に先端部がへ字状に屈曲した操作ハンドル20の先端を枢着するとともに、該操作ハンドル20の屈曲部と前記ベース金具15とにそれぞれ連結部材21の端部を枢着している。
【0018】
前記アーム17と操作ハンドル20の枢着部A、前記連結部材21とベース金具15の枢着部B、前記連結部材21と操作ハンドル20の枢着部Cの位置関係は、図3(a)の受け金具16に対して押え金具19が開いた状態では、枢着部Aと枢着部Bを結ぶ直線より枢着部Cが上方に位置し、図3(b)の受け金具16に対して押え金具19が閉じて既設鉄筋5を挟持した状態では、枢着部Aと枢着部Bを結ぶ直線より枢着部Cが下方に位置するように構成している。つまり、図3(a)の状態から操作ハンドル20を押し下げると、既設鉄筋5に受け金具16と押え金具19が接触して図3(b)の想像線で示した状態となるが、更に操作ハンドル20を強く押し下げると枢着部Cが枢着部Aと枢着部Bを結ぶ直線を超えて下方に位置して、既設鉄筋5の挟持状態が維持されるのである。ここで、前記受け金具16には既設鉄筋5を受け入れる係合凹部16Aが形成され、前記押え金具19にも同様の係合凹部19Aが形成されている。また、前記操作ハンドル20に力を加えるために固定ハンドル22が前記ベース金具15に固定されている。更に、前記ベース金具15にはアース線23が接続されている。また、前記ベース金具15は平面視ヘ字形に角度αだけ屈曲させており、既設鉄筋5の端部の露出長さが短い場合でも、アースクランプ6の基部がコンクリート14の斫り面24に接触しないようにしている。本実施形態では、前述の角度αは30度に設定している。
【0019】
また、前記アースクランプ6を構成する受け金具16と押え金具19とで導体面9を形成するが、更に確実に導体面を形成するためと、後述のスタッドベース7と既設鉄筋5の隙間から溶接時のガスが漏れて溶接不良になるのを防止するために、図4に示すような2枚の馬蹄形の導体板25,25をそれぞれ反対側から既設鉄筋5を挟み込むように、前記導体面9とスタッドベース7との間に装着するようにしている。尚、前記スタッドベース7を用いずにフェルール8のみの場合には、前記導体面9とフェルール8の間に装着する。ここで、導体板25,25は、スタッド溶接時の磁気吹き現象を緩和するのに要求される面積と形状を有している。例えば、前記導体板25は、本実施形態では一辺が4〜5cmで薄い銅合金製の板状のものを用いている。尚、前記導体板25,25は、互いにスライド係合するように構成しても、またそれぞれ前記受け金具16と押え金具19の導体面側に装着しても良い。
【0020】
前記ガン本体2のスタッド保持具13の構造は、基本的には前記アースクランプ6と同様である。ここで、前記アースクランプ6の場合のベース金具15は、スタッド保持具13の場合には前記移動体12で兼用させることが可能である。
【0021】
前記スタッドベース7は、図2及び図5に示すように、耐熱性絶縁素材、例えば後述のフェルール8と同種のセラミックス素材で成形し、焼成したものであり、外径は前記フェルール8の外径よりも大きくし、中心部に前記既設鉄筋5の端部に挿入可能な挿着孔26を有し、該挿着孔26の軸方向一側面には前記アースクランプ6の導体面9又は導体板25に押し当てる当接面27を形成するとともに、挿着孔26の軸方向他側面にはガス抜き溝28を有する前記フェルール8の先端面を接合する接合面29と、下部に前記フェルール8と溶融金属を受ける円弧状の突縁30を形成したものである。ここで、前記突縁30は中心角に対して60〜180°に設定している。また、前記スタッドベース7の接合面29には、上部側の2箇所に突起31,31を形成し、該突起31,31と前記突縁30とでフェルール8の周囲を3点支持してその中心出しを簡単に行えるようにしている。また、前記スタッドベース7の軸方向の厚みは、その素材強度にもよるが、3〜5mmに設定している。スタッドベース7の厚さは、それよりも厚くても構わないが、既設鉄筋5はコンクリート14に埋設されたものであり、それを斫って該既設鉄筋5の先端部を露出させる場合には、なるべく薄い方がコンクリート14の斫り量が少なくて済むので好ましく、また薄すぎると強度面で問題となるので、適度な厚みとする。
【0022】
前記フェルール8は、図5に示すように、水平スタッド溶接の際に使用する公知のものを用いることが可能であり、セラミックス素材で成形し、焼成したものである。つまり、前記フェルール8は、リング状の一端部に前記スタッド4の先端部を挿入する挿着孔32を形成するとともに、他端部を拡径して内部に溶融金属溜となる空間部33を形成し、更に先端面に溶接時に発生するガスの逃し穴となるガス抜き溝28,…を形成したものである。ここで、前記フェルール8の先端面は、前記スタッドベース7の接合面29に接合され、該接合面29とガス抜き溝28,…とで、ガスの逃し穴が形成されるが、前記突縁30に対応する部分は平坦面34となしてガス抜き溝28は形成していない。この平坦面34と前記接合面29が密接し、更にその下方に前記突縁30が位置するので、空間部33内に溶け出した溶融金属が溢れ出して落下することがないようにしている。
【0023】
本発明のスタッド溶接装置を用いて、コンクリート14に埋設された既設鉄筋5の端部にスタッド4(異形鉄筋)を同軸状に溶接する作業手順を簡単に説明する。先ず、図1及び図2に示すように、既設鉄筋5をコンクリート14と共に切断して端面を露出させ、それから前記アースクランプ6を該既設鉄筋5の端部に装着可能なだけその周囲又は切断面の全面にわたりコンクリートを斫って既設鉄筋5の端部を所定長さだけ露出させる。そして、前記アースクランプ6の受け金具16と押え金具19の係合凹部16A,19Aで、既設鉄筋5の端部を先端を余して圧接状態で保持し、導体面9が該既設鉄筋5に直交するようにアースクランプ6を端部に装着する。それから、前記既設鉄筋5の端部に、前記導体板25,25を挿着し、スタッドベース7の挿着孔26を挿入して、当接面27を導体板25に押し当てる。そして、従来のスタッド溶接技術と同様に、スタッドガン1に装填したスタッド4の先端を前記既設鉄筋5の端面に接触させるとともに、該スタッド4の先端部に挿着孔32を挿入して挿着したフェルール8の先端面を前記スタッドベース7の接合面29に接合した状態で、前記フェルール当接部11でフェルール8を押えてスタッドガン1を位置決めする。
【0024】
それから、前記スタッドガン1の直線駆動機構によってスタッド4を後退させると同時に、該スタッド4とアースクランプ6を介して既設鉄筋5との間に図示しない溶接電源から電力を供給すると、両者が接触している間は短絡電流が流れ、やがて両者が離れるとアークが発生する。スタッド4と既設鉄筋5との間隔を所定時間一定に維持した後、溶接電源からの供給電力を遮断すると同時に、スタッドガン1の直線駆動機構によってスタッド4を前進させて既設鉄筋5に押し当てて両者を溶接する。ここで、スタッド4の後退距離より前進距離は若干長く設定されており、この距離の差が溶け込み量となる。最後に、スタッド4とスタッドガン1を分離するとともに、アースクランプ6を外し、導体板25,25を取り除き、スタッドベース7及びフェルール8をハンマーで軽く叩いて破壊してスタッド溶接の一連の作業が完了する。
【0025】
前記アースクランプ6の受け金具16と押え金具19とで形成される既設鉄筋5と直交した導体面9並びに導体板25は、溶接面となる既設鉄筋5の端面に対してその周囲に十分な面積を確保し、スタッド溶接時の磁気吹き現象を緩和する作用をするのであり、この導体面9並びに導体板25の存在によって同径鉄筋同士の良好な水平スタッド溶接が可能となる。更に、前記スタッドベース7は、溶接時に発生する高熱からアースクランプ6を保護することと、溶融金属が溢れ出して落下するのを防止し、鉄筋同士の接合部の減肉を抑制して良好なスタッド溶接を実現することが主な作用である。更に、前記スタッドベース7と前記フェルール8との接合面において、前記突縁30と突起31,31による凹凸嵌合構造によってフェルール8の中心出し、ひいては既設鉄筋5とスタッド4との中心出しを行うことも重要な作用である。前記スタッドベース7と前記フェルール8との凹凸嵌合構造は、前述の構造に限定されるものではなく、前記スタッドベース7の接合面29に、前記フェルール8の先端部の外周が嵌合し且つ前記ガス抜き溝28を塞がない程度の凹部を全体的に形成しても良い。また、水平スタッド溶接する際に、前記スタッドベース7及びフェルール8の上下が一目で分かる目印を付けることも好ましく、前記突起31,31はその目印の働きもする。
【0026】
前記スタッドベース7を設ける理由は、前記フェルール8の空間部33とで内部が広く両端部(挿着孔26,32)が狭い形状を形成し、前記スタッド4と既設鉄筋5の先端接合部をこの空間内に位置させて良好なスタッド溶接ができるようにするためである。しかし、同様な空間を内部に形成することが可能であれば、スタッドベース7を省略し、フェルール8のみでスタッド溶接することもできる。その例として、フェルール8を図6及び図7に示すような構造とする。
【0027】
図6に示したフェルール8は、軸方向に沿って上下に二つ割した半円筒状の上部分割体35と下部分割体36を接合して一体化したものであり、上部分割体35の内面中央部には空間部を形成するための凹部37を形成するとともに、該凹部37に貫通したガス抜き孔38を形成し、下部分割体36の内面中央部には空間部を形成するための凹部39を形成したものである。ここで、前記凹部37と凹部39とで形成される空間部は上下に長い楕円体形状となり、これにより溶融金属の湯回りが良くなって、スタッド4と既設鉄筋5の溶接部が丸く盛り上がった理想的なスタッド溶接を実現できる。
【0028】
また、図7に示したフェルール8は、軸方向に沿って左右両側に二つ割した半円筒状の左分割体40と右分割体41を接合して一体化したものであり、左分割体40の内面上下部には空間部を形成するための上凹部42と下凹部43をそれぞれ形成するとともに、中央部の接合面には上凹部42に連通するガス抜き溝44を形成し、右分割体41は前記左分割体40と対称な形状となしたものである。この場合も、フェルール8の内部の空間部は上下に長い楕円体形状となる。
【0029】
ここで、前記スタッド4が長尺の場合、前記スタッド保持具13のみではスタッド4の保持が不安定になることがある。その場合には、図8に示すように、前記ガン本体2の後方に、前記駆動軸3に対して平行に単又は複数本の第2ガイド杆45,45を突設し、該第2ガイド杆45,45にスライド移動可能に設けた第2移動体46に第2スタッド保持具47を設け、前方の前記スタッド保持具13と後方の当該第2スタッド保持具47とでスタッド4をガン本体の上方に配する。尚、図示しないが、前記スタッド保持具13及び第2スタッド保持具47の向きを横方向に設定すれば、スタッド4をガン本体2の側方に配することが可能である。その他の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
【0030】
次に、本発明の第2実施形態を図9に基づいて説明する。本実施形態のスタッドガン1は、スタッドガン本体1の直線駆動する駆動軸3の先端部に直交させてスタッド保持具48を設け、ガン本体2の上面に沿って前記駆動軸3と平行にリニアガイド49を設けるとともに、該リニアガイド49に補助スタッド保持具50をスライド移動可能に設け、ガン本体2の前方に先端にフェルール当接部材51を設け、前記スタッド保持具48と補助スタッド保持具50に装着したスタッド4をガン本体の上方に配してなるものである。ここで、図示しないが、前記スタッド保持具34を側方へ向けるとともに、ガン本体2の側方にリニアガイド49を設けて、スタッド4をガン本体の側方に配することも可能である。その他の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
【0031】
最後に、本発明の第3実施形態を図10に基づいて説明する。本実施形態のスタッドガン1は、スタッドガン本体2の上面に沿ってリニアガイド52を設けるとともに、該リニアガイド52にスタッド保持具53を直線駆動機構によってスライド移動可能に設け、ガン本体2の前方に先端にフェルール当接部材54を設け、該スタッド保持具53に装着したスタッド4をガン本体2の上方に配してなるものである。ここで、図示しないが、ガン本体2の側方にリニアガイド52を設け、前記スタッド保持具53を側方へ向けて、スタッド4をガン本体の側方に配することも可能である。尚、本実施形態では前述のような駆動軸は存在しないが、前記ガン本体2に内蔵した直線駆動機構の移動部55を前記スタッド保持具53に直接連結して前後駆動するようにしている。本実施形態の場合は、スタッドガン1の全長を最小限に短くすることが可能であり、更に狭い作業空間内でのスタッド溶接作業を行うことができる。その他の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。ことを特徴とするスタッド溶接装置。
【0032】
尚、前述のスタッドガン1は、横向きに使用しても、また上下反転させて使用しても何等支障はなく、作業現場の状況に応じて使用することができる。当然ではあるが、前記スタッドガン1を上向きや下向きにして使用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上にしてなる本発明のスタッド溶接装置によれば、スタッドガンにスタッドを装着した状態の全長が、スタッド自体の長さで規定されるようなガン構造としてことにより、従来構造のものより格段に狭い作業空間内で、横向きの既設鉄筋の端部にスタッドを同軸状に突合せて溶接することができ、溶接状態も良好なものが得られる。それにより、橋梁のコンクリート床版同士の接続部に配した伸縮装置の取替え工事、床版の横幅拡張工事あるいはトンネル内面補強改修工事等の工期を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスタッド溶接装置の第1実施形態を一部破断して示した簡略側面図である。
【図2】 既設鉄筋とスタッドとの接合部分の拡大断面図である。
【図3】 アースクランプの側面図であり、(a)は既設鉄筋を挟持する前の状態、(b)は既設鉄筋を挟持した後の状態をそれぞれ示している。
【図4】 導電板と既設鉄筋の関係を示す部分斜視図である。
【図5】 スタッドベースとフェルールの斜視図であり、(a)はスタッドベースとフェルールが離れた状態、(b)はスタッドベースとフェルールを接合した状態をそれぞれ示している。
【図6】 フェルールの他の実施形態を示し、(a)は分解斜視図、(b)は接合状態の縦断面図である。
【図7】 フェルールの更に他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図8】 第1実施形態の変形例を一部破断して示した簡略側面図である。
【図9】 本発明のスタッド溶接装置の第2実施形態を一部破断して示した簡略側面図である。
【図10】 本発明のスタッド溶接装置の第3実施形態を一部破断して示した簡略側面図である。
【符号の説明】
1 スタッドガン 2 ガン本体
3 駆動軸 4 スタッド
5 既設鉄筋 6 アースクランプ
7 スタッドベース 8 フェルール
9 導体面 10 ガイド杆
11 フェルール当接部 12 移動体
13 スタッド保持具 14 コンクリート
15 ベース金具 16 受金具
16A 係合凹部 17 アーム
18 調節ネジ 19 押え金具
19A 係合凹部 20 操作ハンドル
21 連結部材 22 固定ハンドル
23 アース線 24 斫り面
25 導体板 26 挿着孔
27 当接面 28 ガス抜き溝
29 接合面 30 突縁
31 突起 32 挿着孔
33 空間部 34 スタッド保持具
34 平坦面 35 上部分割体
36 下部分割体 37 凹部
38 ガス抜き孔 39 凹部
40 左分割体 41 右分割体
42 上凹部 43 下凹部
44 ガス抜き溝 45 ガイド杆
46 第2移動体 47 第2スタッド保持具
48 スタッド保持具 49 リニアガイド
50 補助スタッド保持具 51 フェルール当接部材
52 リニアガイド 53 スタッド保持具
54 フェルール当接部材 55 移動部

Claims (3)

  1. スタッドガン本体の前方に、直線駆動する駆動軸に対して平行に単又は複数本のガイド杆を突設し、該ガイド杆の先端にはフェルール当接部を形成し、前記ガイド杆の途中部にスライド移動可能に設けた移動体を前記駆動軸に連結するとともに、該移動体にスタッド保持具を設け、更に前記ガン本体の後方に、前記駆動軸に対して平行に単又は複数本の第2ガイド杆を突設し、該第2ガイド杆にスライド移動可能に設けた第2移動体に第2スタッド保持具を設け、前方の前記スタッド保持具と後方の当該第2スタッド保持具とに装着したスタッドをガン本体の上方又は側方に配してなることを特徴とするスタッド溶接装置。
  2. 前記スタッドが異形鉄筋で作製されたものである請求項記載のスタッド溶接装置。
  3. 既設鉄筋に着脱可能に装着し、該既設鉄筋と直交した導体面を有するアースクランプと、前記既設鉄筋の端部周囲でアースクランプの導体面に押し当てた状態で装着する耐熱性絶縁素材からなるリング状のスタッドベースと、前記スタッドの先端部周囲に装着し且つ前記スタッドベースに接合可能なフェルールとを備えてなる請求項1又は2記載のスタッド溶接装置。
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