JPH08141737A - 鉄板または鉄骨の溶接方法 - Google Patents

鉄板または鉄骨の溶接方法

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JPH08141737A
JPH08141737A JP27814994A JP27814994A JPH08141737A JP H08141737 A JPH08141737 A JP H08141737A JP 27814994 A JP27814994 A JP 27814994A JP 27814994 A JP27814994 A JP 27814994A JP H08141737 A JPH08141737 A JP H08141737A
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Japan
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welding
weld metal
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plate
welded
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JP27814994A
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English (en)
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Yoshikazu Ogasawara
義和 小笠原
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Fujimi Sangyo Kk
OGASAWARA TAMAKI
Original Assignee
Fujimi Sangyo Kk
OGASAWARA TAMAKI
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 溶接すべき1対の鉄板1または鉄骨11を、
対向する端部間に所定のルート間隔Lを隔てて位置決め
すると共に上記1対の鉄板1または鉄骨11の端部近傍
の溶接金属の供給側から見て裏側にルート間隔Lより広
幅の裏当て板2、14a〜14cを1対の鉄板1または
鉄骨11に跨がるように沿わせた後、上記ルート間隔L
に溶接金属3を充填して溶接するようにした鉄板または
鉄骨の溶接方法。裏当て部材2、14a〜14cは溶接
金属3の冷却後、溶接金属3から分離可能で、且つ溶接
温度での耐熱性を有する非金属材料で形成することが好
ましい。 【効果】 鉄板1等の端部に傾斜状の開先を設ける必要
がなくなると共に、溶接不良が生じた場合、裏当て部材
2、14a〜14cの分離後、溶接金属3を切削除去し
て再充填することにより、簡単に補修できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄板または鉄骨の溶接
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄板の溶接に際しては、図14に
示すように、通常、溶接すべき2枚の鉄板21の端部の
各表面近傍に傾斜状の開先21aを形成した上で、上記
2枚の鉄板21の端面21b同士を突き合わせ、更に、
必要により鉄板21の裏面側に図示しない布等を当てが
った上で、図15のように、上記2枚の鉄板21の開先
21aが形成する谷間に溶接金属22を充填するように
していた。
【0003】また、H形鋼等の鉄骨の溶接に際しては、
溶接すべき1対の鉄骨の対向する端部間に所定のルート
間隔を設定すると共に、溶接部位への溶接棒の挿入側か
ら見て裏側に、鉄製の継手板を上記1対のH形鋼間に跨
がるように沿わせた状態で、上記溶接棒を溶融させて上
記ルート間隔に溶接金属を充填するものであった。
【0004】
【発明が解決すべき課題】ところが、上記の鉄板の溶接
方法では、各鉄板21の端部に開先21aを設ける作業
が極めて煩雑であるという問題があった。また、2枚の
鉄板21が主として開先21aを設けた表面近傍でのみ
溶接され、裏面側には溶接金属22が殆ど充填されない
ので、充分な溶接強度が得られにくい不具合があった。
【0005】一方、上記の鉄骨の溶接方法において、充
填した溶接金属中に巣等の欠陥部が生じる場合、この欠
陥部は通常、上記継手板近傍、つまり、溶接部位の裏側
近傍で生じやすいものであるが、上記1対の鉄骨に継手
板が溶接されているため、上記裏側からの欠陥部の補修
が極めて困難になるものであった。例えば、鉄筋の溶接
時であれば、欠陥部をその近傍の鉄筋と共に切断除去し
た上で補修することも可能であるが、鉄骨の場合、切削
除去も極めて困難である。以上のように、鉄骨の溶接時
に溶接不良が生じた場合、補修が極めて困難であり、そ
の結果、建築物の強度、耐震性等の低下が回避しがたい
ものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決して、溶接部位に開先を設けることなく、溶接する
ことができると共に、溶接強度を向上させることができ
る鉄板または鉄骨の溶接方法を提供することを目的とし
ている。そのため、請求項1に係る鉄板の溶接方法は、
溶接すべき2枚の鉄板を、対向する端部間に所定のルー
ト間隔を隔てて位置決めすると共に上記2枚の鉄板の端
部近傍の裏面側に上記ルート間隔より広幅の裏当て板を
上記2枚の鉄板に跨がるように沿わせた後、上記ルート
間隔に溶接金属を充填して溶接するようにしたことを特
徴とするものである。
【0007】請求項2に係る鉄板の溶接方法は、溶接す
べき2枚の鉄板を、対向する端部間に所定のルート間隔
を隔てて位置決めすると共に上記2枚の鉄板の端部近傍
の裏面側に上記ルート間隔より広幅の裏当て板を上記2
枚の鉄板に跨がるように沿わせた後、上記ルート間隔に
溶接金属を充填して溶接し、上記溶接金属の冷却後、裏
当て板を分離した後、溶接不良箇所の溶接金属を鉄板の
裏面側から切削して除去し、除去した空洞部に再度溶接
金属を充填して補修するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0008】請求項3に係る鉄骨の溶接方法は、溶接す
べき1対の鉄骨を、対向する端部間に所定のルート間隔
を隔てて位置決めすると共に上記1対の鉄骨の対向する
端部の溶接金属の供給側から見て裏側に上記ルート間隔
より広幅の裏当て板を上記1対の鉄骨間に跨がるように
沿わせた後、上記ルート間隔に溶接金属を充填して溶接
するようにしたことを特徴としている。
【0009】請求項4に係る鉄骨の溶接方法は、溶接す
べき1対の鉄骨を、対向する端部間に所定のルート間隔
を隔てて位置決めすると共に上記1対の鉄骨の対向する
端部の溶接金属の供給側から見て裏側に上記ルート間隔
より広幅の裏当て板を上記1対の鉄骨間に跨がるように
沿わせた後、上記ルート間隔に溶接金属を充填して溶接
し、溶接後、上記裏当て板が分離した後、溶接不良箇所
の溶接金属を上記裏側から切削して除去し、除去した空
洞部に再度溶接金属を充填して補修するようにしたこと
を特徴とするものである。
【0010】請求項5に係る鉄板の溶接方法は、上記請
求項1または2の鉄板の溶接方法において、上記裏当て
板が、溶接金属の冷却後に溶接金属から分離可能で、且
つ少なくとも溶接温度における耐熱性を有する非金属材
料から成ることを特徴とするものである。
【0011】請求項6に係る鉄板の溶接方法は、上記請
求項5の溶接方法において、上記裏当て板がセラミック
から成ることを特徴としている。また、請求項7に係る
鉄板の溶接方法は、請求項5の溶接方法において、上記
裏当て板がガラスウォールからなるものである。
【0012】請求項8に係る鉄骨の溶接方法は、上記請
求項3または4の鉄骨の溶接方法において、上記裏当て
板が、溶接金属の冷却後に溶接金属から分離可能で、且
つ少なくとも溶接温度における耐熱性を有する非金属材
料から成ることを特徴とするものである。
【0013】請求項9に係る鉄骨の溶接方法は、上記請
求項8の溶接方法において、上記裏当て板がセラミック
から成ることを特徴としている。また、請求項10に係
る鉄骨の溶接方法は、請求項8の溶接方法において、上
記裏当て板がガラスウォールからなるものである。
【0014】
【作用】上記請求項1の鉄板の溶接方法によれば、溶接
すべき2枚の鉄板の対向する端部間に所定のルート間隔
を設け、このルート間隔に溶接金属を充填するようにし
たので、鉄板の端部に開先を設ける必要がなくなり、溶
接作業の簡素化を実現することができる。更に、溶接金
属は、鉄板の対向する端面間の上記ルート間隔に、鉄板
の厚さ方向全域に渡って充填されるので、充分な溶接強
度を得ることができるようになる。
【0015】請求項2の鉄板の溶接方法によれば、溶接
後、上記裏当て板が冷却に伴って自然に破砕するかまた
は作業者が破砕することによって鉄板から分離した後、
裏側からの目視またはX線検査等により溶接不良箇所が
発見された場合、鉄板の裏面側から溶接不良箇所の溶接
金属を切削して除去し、溶接金属を再充填することによ
り、溶接不良箇所を確実に補修できるようになる。な
お、上記溶接不良箇所は、通常、鉄板の裏面側近傍で生
じやすいので、溶接不良箇所を裏面側から切削するよう
にしたが、万一、鉄板の表面側近傍に溶接不良箇所が存
在する場合、当該溶接不良箇所を表面側から切削、除去
しても良い。
【0016】請求項3の鉄骨の溶接方法によれば、対向
する端部間に所定のルート間隔が設定されて位置決めさ
れた1対の鉄骨の、上記対向する端部の裏側に裏当て板
を当てがった状態で上記ルート間隔に溶接金属を充填し
て溶接する。溶接金属の冷却後、上記裏当て板は冷却に
伴って自然に破砕するかまたは作業者が破砕することに
よって、溶接金属から分離することができる。
【0017】請求項4の鉄骨の溶接方法によれば、充填
した溶接金属中に万一溶接不良箇所が生じた場合、上記
裏当て板が冷却に伴って自然に破砕するかまたは作業者
が破砕することによって分離した後、溶接不良箇所を溶
接部位の裏側、つまり、上記裏当て板を配置していた側
から切削除去し、除去してできた空洞部に溶接金属を再
度充填することにより、補修を行える。すなわち、従来
の溶接方法では、溶接後に鉄製の継手板が存在している
ので、裏側からの補修が不可能であったのに対し、本発
明では、溶接後、裏当て板が分離可能であるので、裏側
からの補修が可能となったものである。
【0018】請求項5乃至7の鉄板の溶接方法または請
求項8乃至10の鉄骨の溶接方法によれば、溶接すべき
1対の鉄板または鉄骨の端部近傍の裏面側に、溶接金属
の冷却後に溶接金属から分離可能で、且つ少なくとも溶
接温度における耐熱性を有する非金属材料、例えば、セ
ラミックまたはガラスウォールから成る裏当て板を沿わ
せるようにしたので、溶接金属の充填時に溶接金属が鉄
板または鉄骨の裏面側に廻り込むことが防止されると共
に、上記裏当て板は非金属製であるので、溶接後、溶接
金属の冷却に伴って裏当て板が自然に分離するか、もし
くは作業者が裏当て板を容易に分離することができる。
なお鉄板または鉄骨の表面側に溶接金属の余盛部が形成
された場合、必要に応じグラインダ等により除去すれば
良い。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1及び図2に示すように、溶接すべき2枚の
鉄板1の対向する端部間に所定のルート間隔Lを設定
し、且つ、2枚の鉄板1の端部近傍の裏面側にセラミッ
ク製の裏当て板2を沿わせた状態で各鉄板1を位置決め
する。この場合、裏当て板2の幅は、鉄板1の幅と同等
以上とする。ここでは、大略水平で平坦な支持面4上に
裏当て板2を載置し、更に、裏当て板2上に2枚の鉄板
1の対向する端部を載置して、鉄板1を位置決めしてい
る。そして、上記の配置状態で、図3のように、2枚の
鉄板1の端部間の上記ルート間隔Lの裏当て板2の上方
に溶接金属3を充填することにより、2枚の鉄板1を溶
接する。
【0020】溶接終了後、溶接部位の冷却に伴って、鉄
板1とセラミック製の裏当て板2との熱膨張率の差によ
り、裏当て板2は通常鉄板1から自然に分離するが、分
離しない場合、作業者が裏当て板2を破砕等によって分
離する。その後、鉄板1の表面側に、鉄板1の表面より
上方に突出する溶接金属3の余盛部が存在すれば、必要
により、不図示のグラインダ等で除去し、鉄板1の表面
と溶接金属3の表面とが面一を成すようにする。
【0021】更に、必要に応じて、目視またはX線等に
より溶接部位の検査を行い、万一、溶接不良箇所が存在
すれば、図4のように、比較的小さな刃先部5aを有す
る切削工具5により、溶接不良箇所の溶接金属3を鉄板
1の裏面側から切削、除去した後、切削した部位に鉄板
1の裏面側から溶接金属3を再度充填することにより、
溶接不良箇所の補修を行うことができる。
【0022】溶接すべき鉄板1が、船舶用である場合、
鉄板1の厚さTは、通常15乃至35mm程度であり、
この場合、上記ルート間隔Lは、鉄板1の厚さTに応じ
て、8乃至20mm程度の範囲に設定することができ
る。また、セラミック製の裏当て板2の厚さは、鉄板1
の厚さTに応じて、例えば、4乃至7mm程度に設定で
き、裏当て板2の鉄板長手方向幅Bは30乃至50mm
程度、すなわち、上記ルート間隔Lの2乃至3倍程度と
することが好適である。なお、溶接すべき鉄板1の厚さ
Tが変化すれば、ルート間隔L、裏当て板2の鉄板長手
方向幅B及び厚さは、上記厚さTに応じて変更すること
ができる。
【0023】上記実施例では、鉄板1は大略水平な支持
面4上に載置して溶接するようにしたが、鉄板1は、例
えば、大略垂直に立てた状態で固定して溶接することも
できる。その場合、図5に示すように、セラミック製の
裏当て板2は、例えば、埋込み式の磁石片2aにより、
2枚の鉄板1に固定することができる。溶接後、裏当て
板2が鉄板1から分離した後、磁石片2aのみを回収し
て再利用することも可能である。なお、裏当て板2は、
磁石片2a以外に、例えば、スプレー式の接着剤または
両面粘着式の粘着テープ等で鉄板1に固定するようにし
ても良い。また、裏当て板2を鉄板1に固定する代わり
に、裏当て板2を鉄板1とは独立に位置決め、固定して
も良い。
【0024】鉄板1は、平坦なものの他、所定の湾曲形
状を有するものであっても良い。鉄板1が湾曲している
場合、裏当て板2にもそれに応じた湾曲形状を付与する
ことができる。更に、上記実施例では、裏当て板2は1
枚板により構成したが、鉄板1の幅が大きい場合、裏当
て板2を鉄板1の幅方向に分割した複数の分割片により
構成しても良い。また、裏当て板2はセラミック製とし
たが、ガラスウォール等、セラミック以外の非金属材料
や銅等の溶接金属3から分離可能な他の金属により形成
することも可能であり、溶接後、溶接金属3から容易に
分離できると共に溶接温度に耐える耐熱性を有する材料
であれば良い。
【0025】次に、鉄骨の溶接方法に関する実施例を説
明する。図6に示すように、それぞれ互いに平行に延び
る1対の側板部11と、両側板部11の幅方向中間部同
士を連結する連結部12とからなり、建築物の梁または
柱等として使用される1対のH形鋼13の対向する端部
を溶接する場合、H形鋼13の上記対向する端部間に所
定のルート間隔Lを設定した上で、上記1対のH形鋼1
3が互いに同軸上に位置するように位置決めする。
【0026】次に、図7に示すように、1対のH形鋼1
3の左右の側板部11の各外面及び連結部12の裏面
に、それぞれセラミックからなる裏当て板14a〜14
cを上記1対のH形鋼13間に跨がるように沿わせて固
定する。図9に示すように、上記1対のH形鋼13の側
板部11に沿わされる裏当て板14a、14bは、側板
部11の幅方向で2枚に分割されている。各裏当て板1
4a〜14cのH形鋼長手方向の幅Wは上記ルート間隔
Lより大きく、例えば、ルート間隔Lの2乃至3倍程度
に設定される。側板部11及び連結部12に対する裏当
て板14a〜14cの固定方法としては、図8に裏当て
板14aを例示するように、裏当て板14a内に永久磁
石片15を埋め込んでおいて、当該永久磁石片15によ
り側板部11に吸着、固定させることができるが、これ
以外に、スプレー式の接着剤や両面粘着式の粘着テープ
等で固定しても良い。
【0027】裏当て板14a〜14cの固定後、図示し
ない溶接棒を連結部12の表面側から図7の矢印Aに沿
って、まず、図7の左側の側板部11間のルート間隔L
に挿入し、裏当て板14aに沿って溶接金属3を充填す
ることにより、1対のH形鋼13の左側の側板部11の
連結部12より手前側の部位同士を溶接する。以下、同
様に、1対のH形鋼13の連結部12間のルート間隔L
及び図7の右側の側板部11間のルート間隔Lの連結部
12より手前側の部位にも裏当て板14c及び14aに
沿って溶接金属3を充填する。これにより、図9に示す
大略コ字形の領域D1、つまり、各側板部11の手前側
部位及び連結部12に溶接金属3が充填される。なお、
Eで示す各側板部11間のルート間隔から溶接金属3が
裏面側に漏れる恐れがある場合、このEの部位にもセラ
ミック製の裏当て板を、裏当て板14cを延長すること
により、または独立の裏当て板を設けることにより、配
置することができる。
【0028】次に、連結部12の裏面側から上記溶接棒
により裏当て板14bに沿って図10の領域D2及びD
3、つまり、各側板部11の連結部12より奥側の部位
に溶接金属3を充填する。この裏面側からの充填時に
は、裏当て板14a、14cは既に冷却により破砕して
落下している場合がある。本実施例のように、側板部1
1の手前側と奥側で裏当て板14a、14bを分割しな
いで、1枚の裏当て板を配置した場合、表面側の溶接が
終了した後、裏面側の溶接に移る前に側板部11に沿わ
せた裏当て板が破砕している恐れがある。裏面側からの
溶接金属3の充填後、裏当て板14bも溶接金属3の冷
却に伴って、自然に破砕して落下するが、裏当て板14
a〜14cが落下しない場合、作業者が破砕等して裏当
て板14a〜14cを除去すれば良い。また、裏当て板
14a〜14cの破砕片の内、永久磁石片15を含むも
のが側板部11または連結部12の表面に付着して残存
している場合も、作業者が分離、回収する。回収した永
久磁石片15は、再び新規の裏当て板14a〜14cに
埋め込んで再利用することもできる。
【0029】溶接後、裏当て板14a〜14cが分離し
た後、溶接部位を目視で検査するか、或いは、必要によ
り、X線検査等を行い、万一、溶接不良箇所が存在すれ
ば、図11のように、比較的小さな刃先部5aを有する
切削工具5により、溶接不良箇所の溶接金属3を裏側、
つまり、裏当て板14a〜14cを当てがっていた側か
ら切削、除去した後、切削した部位に溶接金属3を再度
充填することにより、溶接不良箇所の補修を行うことが
できる。
【0030】上記実施例では、各側板部11の外面側に
裏当て板14a、14bを配置して、各側板部11の内
面側から溶接金属3を充填するようにしたが、各側板部
11の内面側に連結部12の表面側と裏面側とで分割し
て裏当て板14a、14bを配置し、各側板部11の外
面側から溶接金属3を充填するようにしても良い。この
場合、1対のH形鋼13の対向する側板部11間のルー
ト間隔Lに充填した溶接金属3で溶接不良が生じた場
合、側板部11の内面側から切削、除去して補修する。
なお、連結部12の裏面側に配置する裏当て板14c
も、必要により、幅方向で2枚以上に分割しても良い。
【0031】次に、鉄骨の溶接方法に関する別の実施例
を説明する。図12に示すように、1対の鋼管18を溶
接する場合、対向する端部間に所定のルート間隔Lを隔
てて上記1対の鋼管18を互いに同軸上に位置決めし、
続いて、上記1対の鋼管18の対向する端部近傍の外周
に、上記ルート間隔Lより長い複数の裏当て板19を上
記1対の鋼管18間に跨がるように沿わせて固定する。
各裏当て板19は断面円弧状をなし、その内径が鋼管1
8の外径と大略等しくされると共に、隣接する裏当て板
19の円周方向端部同士がほぼ密着するように配設され
る。
【0032】この状態で、作業者が鋼管18内に入り、
鋼管18の内周側から上記ルート間隔Lに溶接金属3を
充填する。溶接金属3の冷却後、裏当て板19を分離
し、目視またはX線等により、溶接不良箇所の有無を検
査し、万一、溶接不良箇所が存在すれば、鋼管18の外
周側から溶接金属3の不良箇所を切削、除去した後、空
洞部に再度溶接金属3を充填することにより、補修を行
う。なお、鋼管18が比較的小径で、作業者が鋼管18
内に入ることが困難である場合、裏当て板19を鋼管1
8の内周側に沿わせて固定し、鋼管18の外周側から溶
接金属3を充填することにより、溶接すれば良い。な
お、上記実施例では、H形鋼13及び鋼管18について
説明したが、本発明の鉄骨の溶接方法は、山形鋼、溝形
鋼、角形鋼管等、各種鉄骨に適用できるものである。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明の鉄板の溶接方法
によれば、溶接すべき2枚の鉄板の対向する端部間に所
定のルート間隔を設け、このルート間隔に溶接金属を充
填するようにしたので、鉄板の端部に開先を設ける必要
がなくなり、溶接作業の簡素化を実現することができ
る。更に、2枚の鉄板の対向する端面間のルート間隔に
おいて、溶接金属が鉄板の厚さ方向の全域に充填される
ので、充分な溶接強度を得ることができる。また溶接す
べき鉄板の端部近傍の裏面側には、裏当て板を沿わせる
ようにしたので、溶接金属が鉄板の裏面側に廻り込むこ
とが防止される。
【0034】本発明の鉄骨の溶接方法によれば、溶接す
べき1対の鉄骨の対向する端部間に所定のルート間隔を
設定して位置決めし、上記対向する端部の溶接金属の供
給方向から見て裏側に冷却後の溶接金属から分離可能な
裏当て板を当てがった状態で上記ルート間隔に溶接金属
を充填して溶接するようにしたので、溶接金属の充填
時、溶接金属が溶接部位の裏側から漏洩することが上記
裏当て板により防止されると共に、溶接金属の冷却後に
上記裏当て板を溶接金属から分離することができるもの
である。
【0035】また、鉄板または鉄骨の溶接後、上記裏当
て板が溶接金属から分離した後、目視もしくはX線検査
等により溶接不良箇所が発見された場合、鉄板または鉄
骨の溶接部位の裏側から溶接不良箇所の溶接金属を切削
して除去し、除去してできた空洞部に溶接金属を再充填
するようにすれば、溶接不良箇所を確実に補修でき、こ
れにより、万一、溶接不良が生じた場合でも、補修によ
り充分な溶接強度を確保できるようになる。
【0036】上記裏当て板を、溶接金属からの分離性を
有し、且つ、少なくとも溶接温度での耐熱性を有する非
金属材料により形成すれば、溶接後、溶接金属の冷却に
伴って上記裏当て板が溶接金属から自然に分離するか、
または作業者が裏当て板を溶接金属から容易に分離でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の溶接方法により溶接される鉄
板及び裏当て板を示す概略斜視図。
【図2】上記鉄板及び裏当て板を示す概略断面図。
【図3】上記鉄板の溶接状態を示す概略断面図。
【図4】上記鉄板の溶接不良箇所の補修状態を示す概略
側面図。
【図5】本発明の変形実施例の鉄板及び裏当て板を示す
概略断面図。
【図6】本発明の実施例の溶接方法により溶接されるH
形鋼を示す概略斜視図。
【図7】上記H形鋼及び裏当て板を示す概略正面図。
【図8】図7の部分拡大断面図。
【図9】上記H形鋼に連結部の表面側から溶接金属を充
填した状態を示す図7中CーC線に沿う概略断面図。
【図10】上記H形鋼に連結部の裏面側から溶接金属を
充填した状態を示す図7中CーC線に沿う概略断面図。
【図11】溶接されたH形鋼の溶接不良箇所の補修手順
を示す拡大正面図。
【図12】本実施例の溶接方法により溶接される鋼管及
び裏当て板を示す概略正面図。
【図13】溶接後の上記鋼管を示す概略正面図。
【図14】従来の鉄板の溶接前の突き合わせ状態を示す
概略断面図。
【図15】従来の鉄板の溶接状態を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 鉄板 2 裏当て板 3 溶接金属 13 H形鋼(鉄骨) 14a〜14c 裏当て板 18 鋼管(鉄骨) 19 裏当て板 L ルート間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 37/06 E (72)発明者 小笠原 義和 大阪市平野区加美南5丁目5番30号

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接すべき2枚の鉄板を、対向する端部
    間に所定のルート間隔を隔てて位置決めすると共に上記
    2枚の鉄板の端部近傍の裏面側に上記ルート間隔より広
    幅の裏当て板を上記2枚の鉄板に跨がるように沿わせた
    後、上記ルート間隔に溶接金属を充填して溶接するよう
    にしたことを特徴とする鉄板の溶接方法。
  2. 【請求項2】 溶接すべき2枚の鉄板を、対向する端部
    間に所定のルート間隔を隔てて位置決めすると共に上記
    2枚の鉄板の端部近傍の裏面側に上記ルート間隔より広
    幅の裏当て板を上記2枚の鉄板に跨がるように沿わせた
    後、上記ルート間隔に溶接金属を充填して溶接し、上記
    溶接金属の冷却後、裏当て板を分離した後、溶接不良箇
    所の溶接金属を鉄板の裏面側から切削して除去し、除去
    した空洞部に再度溶接金属を充填して補修するようにし
    たことを特徴とする鉄板の溶接方法。
  3. 【請求項3】 溶接すべき1対の鉄骨を、対向する端部
    間に所定のルート間隔を隔てて位置決めすると共に上記
    1対の鉄骨の対向する端部の溶接金属の供給側から見て
    裏側に上記ルート間隔より広幅の裏当て板を上記1対の
    鉄骨間に跨がるように沿わせた後、上記ルート間隔に溶
    接金属を充填して溶接するようにしたことを特徴とする
    鉄骨の溶接方法。
  4. 【請求項4】 溶接すべき1対の鉄骨を、対向する端部
    間に所定のルート間隔を隔てて位置決めすると共に上記
    1対の鉄骨の対向する端部の溶接金属の供給側から見て
    裏側に上記ルート間隔より広幅の裏当て板を上記1対の
    鉄骨間に跨がるように沿わせた後、上記ルート間隔に溶
    接金属を充填して溶接し、溶接後、上記裏当て板が分離
    した後、溶接不良箇所の溶接金属を上記裏側から切削し
    て除去し、除去した空洞部に再度溶接金属を充填して補
    修するようにしたことを特徴とする鉄骨の溶接方法。
  5. 【請求項5】 上記裏当て板が、溶接金属の冷却後に溶
    接金属から分離可能で、且つ少なくとも溶接温度におけ
    る耐熱性を有する非金属材料から成ることを特徴とする
    請求項1または2記載の鉄板の溶接方法。
  6. 【請求項6】 上記裏当て板がセラミックから成ること
    を特徴とする請求項5記載の鉄板の溶接方法。
  7. 【請求項7】 上記裏当て板がガラスウォールから成る
    ことを特徴とする請求項5記載の鉄板の溶接方法。
  8. 【請求項8】 上記裏当て板が、溶接金属の冷却後に溶
    接金属から分離可能で、且つ少なくとも溶接温度におけ
    る耐熱性を有する非金属材料から成ることを特徴とする
    請求項3または4記載の鉄骨の溶接方法。
  9. 【請求項9】 上記裏当て板がセラミックから成ること
    を特徴とする請求項8記載の鉄骨の溶接方法。
  10. 【請求項10】 上記裏当て板がガラスウォールから成
    ることを特徴とする請求項8記載の鉄骨の溶接方法。
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