JPH081381Y2 - 天井埋込型空気調和機の吸込グリル取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、天井埋込型空気調和機の吸込グリル取付構
造に関するものである。

〔従来の技術〕

天井埋込型空気調和機は、天井裏に設置された空気調
和機本体の下方に、天井面の開口を覆い外周に吹出口と
中央に吸込口を形成したグリル本体を設け、吹出口には
吹出空気の流れを変える風向板を、吸込口には室内の塵
埃を除去するフィルターを具えた吸込グリルが設けら
れ、室内の空気を循環させて空調を行っている。

従来、吸込グリルはフィルターの清掃または交換のた
めに頻繁に取り外す必要があり、グリル本体の開口の一
側に一端をヒンジ機構により固定し、他端にフックを設
けて他の一側に係止する方法が取られている。

この場合、フックの係止を外すためにグリル本体の開
口と吸込グリルとの間に余裕を取る必要があったり、ま
たヒンジ機構が天井面に露出して室内の外観を損なう等
の問題があった。

この対策として第４図および第５図に一例を示すよう
に、ヒンジ機構をグリル本体の内側に持ってくるために
二つのヒンジ機構を設けたり、スプリングにより吸込グ
リルをフックの係止方向にスライドする機構を設ける等
の対応により、フックの係止を容易にするとともにフッ
クを外した時にスプリングにより吸込グリルが押し出さ
れてグリル本体から離れて回動するためにグリル本体と
吸込グリルが当たりなく回動できるようにしている。

しかしながら、この組立には二つのヒンジ機構の確実
な動作を調整するとともに、取付けてからのグリル本体
と吸込グリルとの当たりや、フックの掛かり具合等の調
整に可成りの熟練と作業時間がかかり、複雑な構造と部
品点数の多い点が問題とされている。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、
複雑なヒンジ機構を使用することなく、グリル本体と吸
込グリルとの当たりや、フックの掛かり具合の調整に特
に手の掛からない吸込グリル取付構造を提供することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、吸込グリルのヒンジ側に
向け側面に長孔を形成した複数のリブを所定の間隔をあ
けて平行に形成し、同吸込グリルのヒンジ側に対向する
グリル本体の吸込口内側に一端をヒンジ軸中央に巻装
し、他端をグリル本体内側に固定したＬ字状の板バネを
設け、上記複数のリブの長孔にヒンジ軸の両端を摺動可
能に挿入した。

〔作用〕

上記の構成によれば、吸込グリルの軸支側の内側にヒ
ンジ軸を挿入する横に長い長孔を有する複数のリブを所
定の間隔をあけて平行に形成し、Ｌ字状に曲げ一側にグ
リル本体に固定する取付孔と他側の先端にヒンジ軸を巻
込んで保持した板バネを、吸込グリルの複数のリブに対
向してグリル本体に固定し、吸込グリルの長孔にヒンジ
軸の両端を挿入し吸込グリルを保持することにより、吸
込グリルの開放時にはヒンジ軸が長孔の先端にずれるこ
とによりグリル本体と吸込グリルの当たりを防ぎ、吸込
グリルの閉止時には長孔の根元にヒンジ軸が摺動し、さ
らに板バネを変形させて吸込グリルのフックをグリル本
体に係止し、吸込グリルを板バネによりフック方向に付
勢することによりフックの係合を確実にすることができ
る。

〔実施例〕

本考案の実施例を添付図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図は本考案の天井埋込型空気調和機の断面側面図
で、上部中央に室内空気を吸込む吸込ファン１とその外
周に複数の室内側熱交換器２を配し、下部中央に吸込グ
リル３を設けた吸込口４とその外周に風向板を具えた吹
出口５を配したグリル本体６が取付けられ、吸込グリル
３を通って塵埃を除かれた空気は、吸込ファン１から室
内側熱交換器２を通り、吹出口５から室内に送り出され
ている。

吸込グリル３は一側を本考案のヒンジ機構によりグリ
ル本体６に取付られ、他側に形成されたフック８により
グリル本体６に係止されている。

吸込グリル３を開く場合は、吸込グリル３を反フック
側にずらすことにより、フック７とグリル本体６の係止
が外れて、吸込グリル３のフック側が下方に落ち、ヒン
ジ機構のヒンジ軸８に支えられて下方に垂れ下がり開放
状態になる。

第２図（ａ）は本考案のヒンジ機構（円Ａ内）を詳細
に示す要部断面図、第２図（ｂ）は同ヒンジ軸８部分の
断面図、第３図はその斜視図である。

グリル本体６のヒンジ側内縁は、上に向かって鋭角状
に側面が形成され、その上にＬ字状に曲げられ一方に取
付孔９、他方の先端に第２図（ｂ）のようにヒンジ軸８
に巻き付け固定した板バネ10を取付けている。

一方、吸込グリル３のヒンジ側に向け板バネ10を挟む
間隔で複数のリブ11が平行に形成され、同リブ11の側壁
にはヒンジ軸８と直角方向に伸びる長孔12が形成されて
いる。

ヒンジ軸８の両端が斜めになるように板バネ10をひね
りながら、リブ11の長孔12に挿入することにより、吸込
グリル３はグリル本体６にヒンジ軸８を中心に回動自在
に固定される。

この状態で、吸込グリル３を閉じると、吸込グリル３
はフック７の係止部を越えるまで反フック側に押し出さ
れ、ヒンジ軸８は吸込グリル３の長孔12を伝わって移動
しさらに板バネ10を曲げ、フック７の係止部を越えた時
に板バネ10の曲りが復元して、フック７とグリル本体６
を係止状態に保持する。

吸込グリル３を開く時は、吸込グリル３を反フック側
に移動しフック７の係止部を越えた状態で下方にずれ、
板バネ10の曲りが復元するとともに、ヒンジ軸８が吸込
グリル３の長孔12に沿って移動してグリル本体６のヒン
ジ側と引っ掛かりや当たりなく吸込グリル３を開くこと
が出来る。

〔考案の効果〕

以上のように本考案においては、吸込グリルのヒンジ
側にヒンジ軸を挿通しヒンジ側に伸びる長孔を設けたリ
ブを形成し、対向するグリル本体にＬ字状に曲げ一方に
取付孔と他方の先端にヒンジ軸を取付けた板バネを取付
け、同ヒンジ軸を吸込グリルの長孔に挿通することによ
り、長孔とヒンジ軸との摺動範囲と板バネの撓みによ
り、吸込グリルをフック側または反フック側に移動する
ことができ、開閉の際の吸込グリルの当たり等の支障事
項を解決することができる。

また、複雑なヒンジ機構の組み合わせや調整作業を削
減するとともに、部品点数の削減し、コストダウンを図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の天井埋込型空気調和機の断面側面図、
第２図はヒンジ機構を詳細に示す要部断面図、第３図は
同要部斜視図、第４図は従来の天井埋込型空気調和機の
断面側面図、第５図は従来のヒンジ機構を示す要部断面
図である。 図中、１は吸込ファン、２は室内側熱交換器、３は吸込
グリル、４は吸込口、５は吹出口、６はグリル本体、７
はフック、８はヒンジ軸、９は取付孔、10は板バネ、11
はリブ、12は長孔、13は従来例の第１のヒンジ、14は同
第２のヒンジ、15は同ストッパー、16は同付勢バネであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】グリル本体の吸込口に一端をヒンジ機構に
   より軸支し他端をフックにて係止する吸込グリルを形成
   してなる天井埋込型空気調和機において、上記吸込グリ
   ルのヒンジ側に向け側面に長孔を形成した複数のリブを
   所定の間隔をあけて平行に形成し、同吸込グリルのヒン
   ジ側に対向するグリル本体の吸込口内側に一端をヒンジ
   軸中央に巻装し、他端をグリル本体内側に固定したＬ字
   状の板バネを設け、上記複数のリブの長孔にヒンジ軸の
   両端を摺動可能に挿入してなることを特徴とする天井埋
   込型空気調和機の吸込グリル取付構造。