JPH08137232A - トナー補給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像装置におけるトナーのニアーエンドの正
確な検出が達成され、従って、正しい時期にトナーカー
トリッジの交換を促すことができる画像形成装置を、コ
スト的に安価なものにして提供する。 【構成】 シート９の引き剥がしによってカートリッジ
本体５に並設のトナー補給口１０ａ，１０ｂを順次開封
させるように、トナーカートリッジ４を構成し、このト
ナーカートリッジ４を装填するための現像装置側のカー
トリッジ装填部３には、トナー補充情報に基づいてトナ
ー補給口１０ａ，１０ｂを順次１個ずつ開封させるシー
ト巻き取り手段１３を設け、更に、トナーカートリッジ
４に収容のトナー残量の表示手段１８を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、静電写真複写機やプリ
ンターなどの画像形成装置に装備の現像装置に対するト
ナー補給装置に関し、具体的には、トナーカートリッジ
によるトナーの補給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】上記のトナー補給装置に用いられるトナ
ーカートリッジは、一般には、カートリッジ本体に設け
たトナー収容部のトナー補給口を可撓性のシートで封着
し、かつ、このシートをトナー補給口側に折り返して成
るもので、トナーの補給に際しては、折り返しシートを
引っ張ってシートを引き剥がし、トナー補給口を開封さ
せて、ホッパーを通して現像装置にトナーを流下させる
補給形態がとられる。

【０００３】ところで、上記トナーカートリッジの交換
を促す表示は、ホッパー内のトナーを消費し尽くした際
の、現像装置のトナー濃度検出センサーからのトナー補
給信号を基にして成されるのが一般的である。即ち、ホ
ッパー内のトナーを消費し尽くした状態で現像装置内の
トナー濃度が低下すると、トナー濃度検出センサーから
はトナー補給信号が発せられて、ホッパー下部のトナー
補給ローラが回転されるのであるが、ホッパー内のトナ
ーを消費し尽くしているので、当然ながらトナーの補充
は成されず、従って、トナー補給信号が継続して発せら
れることになるが、このときのトナー補給信号をトナー
補充情報にして、この情報を基にしてカートリッジ交換
の表示を成さしめるようにしているのであるが、これで
はカートリッジ交換の時期がずれてしまって、鮮明な画
像の形成面で問題を生じることになる。

【０００４】そこで、用紙一枚当たりの画像記録に要す
るトナー消費量とトナーカートリッジに収容されている
トナー量との関係から、トナーカートリッジ１本当たり
のトナー量についての画像記録可能の用紙枚数を算出し
て、画像記録の累計枚数がこの枚数に達する前の、まさ
しくトナー切れが近い状態（ニアーエンド）になったと
きの情報を基にしてトナーカートリッジの交換表示を成
さしめ、或いは、現像に関与する回転体（例えばモータ
や感光体など）の回転数や装置の稼働時間などからトナ
ーのニアーエンドを検出させるようにして、その情報を
基にしてトナーカートリッジの交換表示を成さしめるこ
ともあるが、使用する用紙のサイズや装置の稼働時間な
どは大きく変動することから情報が不確定となり、緻密
なトナー残量の検知に基づくカートリッジの交換表示を
期し得ない点で問題があった。

【０００５】このような問題を解消して、トナーカート
リッジの交換を正しい時期に行えるようにしたトナー補
給装置が、例えば実開平４−３４５０号公報によって提
案されるに至ったのである。

【０００６】このトナー補給装置のトナーカートリッジ
は、トナー収容部を形成する複数枚の板状部材を放射状
にして回転軸に設けると共に、これをスリット状のトナ
ー補給口が形成された筒体に内蔵し、かつ、上記の回転
軸を、前記筒体の両端を閉塞する蓋体にわたって架設し
て成るもので、トナー補充情報に基づいて回転軸を回転
させて、順次１個のトナー収容部からトナーを供給する
トナー補給形態がとられ、而して、多数のトナー収容部
を備えてトナー量を単位管理できることから、トナーの
ニアーエンドを正確に検出することができ、緻密なトナ
ー残量の検知に基づいて正しい時期にカートリッジの交
換表示を成さしめることができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
トナーカートリッジにあっては、板状部材と筒体内面と
の間、及び、板状部材の端面と蓋体との間における多数
の隙間管理を厳密にしないことには、空になったトナー
収容部にトナーが流れ込んで、このトナーを無駄にする
問題があり、しかも、全体の構造が極めて複雑である上
に、多数の板状部材の隙間を厳密に管理しての組み立て
が必要であることから、このトナーカートリッジ単体の
コストが非常に高くつき、更に、上記の隙間にトナーが
噛み込み易いことから回転軸の回転がスムーズに行われ
なくなったり、或いは、この隙間に噛み込んだトナーの
ために板状部材が付け根から破損したりする事態が懸念
される点で問題があったのである。

【０００８】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、一般に広く用いられてコスト的に極めて安
価であるトナーカートリッジ、即ち、カートリッジ本体
に設けたトナー収容部のトナー補給口を可撓性のシート
で封着するようにしたトナーカートリッジに簡単な改造
を施す改良技術によって、上記の不都合が解消されるに
至ったトナー補給装置を提供することを目的としてい
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、カートリッジ本体に並設した複数のトナ
ー収容部のトナー補給口を可撓性のシートで封着すると
共に、このシートをトナー収容部の並設方向に折り返
し、かつ、その折り返しシートを引っ張ることでトナー
補給口が順次開封されるようにトナーカートリッジを構
成する一方、現像装置側のトナーカートリッジの装填部
には、トナー補充情報に基づいてトナー補給口を順次１
個ずつ開封させるシート巻き取り手段を設け、更に、未
開封のトナー収容部におけるトナー残量の表示手段を備
えた点に特徴がある。

【００１０】

【作用】上記の構成によれば、トナー補充情報に基づい
てシート巻き取り手段がトナー補給口を順次１個ずつ開
封することで、この開封されたトナー補給口に対応する
トナー収容部内のトナーが現像装置側に補給される。そ
して、未開封のトナー収容部内のトナー量を基にしてト
ナーの残量表示が正確に行われる。

【００１１】而して、機能的には、シート巻き取り手段
とトナー残量の表示手段とを要する点では、上記公報に
記載の技術が、板状部材ひいては回転軸に対する駆動制
御手段とトナー残量の表示手段とを必要とする点で同じ
であるが、トナーカートリッジについては、カートリッ
ジ本体に複数のトナー収容部を並設する改造を施すもの
の、その実態はカートリッジ本体のトナー補給口を可撓
性のシートで封着する普及タイプのトナーカートリッジ
と殆ど変わるものではなく、従って、上記公報に記載の
技術に比較してトナー補給装置の大幅なコストダウンが
達成される。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は例えば静電写真複写機に装備の現像装置１
に対するトナー補給装置を示し、具体的には、ホッパー
２のカートリッジ装填部３にトナーカートリッジ４を装
填して、カートリッジ内部に収容のトナーをホッパー２
を通して現像装置１に流下補給させるトナー補給装置を
示している。

【００１３】上記のトナーカートリッジ２は、図２，３
に示すように、合成樹脂製のカートリッジ本体５に、容
量的に大なるメインのトナー収容部６ａと容量的に小な
るサブのトナー収容部６ｂとを並べて形成すると共に、
それぞれのトナー収容部６ａ，６ｂに、キャップ７によ
って封止されるトナー補充口８を形成する一方、このカ
ートリッジ本体５の周部フランジａとトナー収容部間の
面部ｂとに、合成樹脂製の可撓性シート９を例えば熱溶
着して、前記トナー収容部６ａ，６ｂのトナー補給口１
０ａ，１０ｂを封着し、かつ、このシート９をトナー収
容部６ａ，６ｂの並設方向でサブトナー収容部６ｂ側に
折り返して、この折り返しシート９ａの端縁を例えば粘
着テープ１１によってカートリッジ本体５に接合してい
る。

【００１４】前記ホッパー２のカートリッジ装填部３に
は、トナーカートリッジ４の左右両側のフランジａ，ａ
を抜け止め係止する係止部ｃ，ｃが設けられており、か
つ、ホッパー２の一方の側板２ａには、トナー補給ロー
ラ１２の軸線に沿う方向のスリットｄが形成されてい
て、カートリッジ装填部３に対するトナーカートリッジ
４の装填は、前記スリットｄに折り返しシート９ａを挿
通させつつ、トナーカートリッジ４を上方からカートリ
ッジ装填部３に嵌め込んで、前記係止部ｃ，ｃに左右両
側のフランジａ，ａを抜け止め係止させることで行われ
る。

【００１５】このようにして装填されたトナーカートリ
ッジ４の折り返しシート９ａを巻き取って、トナー収容
部６ａ，６ｂのトナー補給口１０ａ，１０ｂを開封させ
るためのシート巻き取り手段１３がホッパー２の近傍に
設けられている。このシート巻き取り手段１３は、折り
返しシート９ａの端縁部を係止して巻き取るシート巻き
取り回転体１４と、ギヤ連動機構Ｇを介して前記回転体
１４を回転させるステッピングモータ１５とから成り、
かつ、前記ステッピングモータ１５は、ホッパー２内の
トナーを消費し尽くした際の、現像装置１のトナー濃度
検出センサー１６から継続して発せられるトナー補給信
号を基にして次のように制御される。

【００１６】即ち、前記カートリッジ装填部３にトナー
カートリッジ４が装填され、それの折り返しシート９ａ
が回転体１４に連結されて、未だトナーの補給が一切成
されていないものとして、この状態でトナー濃度検出セ
ンサー１６からトナー補給信号が継続して発せられる
と、そのトナー補給信号をトナー補充情報としてモータ
制御部１７に入力させて、この情報を基にして、トナー
収容部６ａのトナー補給口１０ａを開封させるに必要な
ステップ数でモータ１５を回転させると共に、次のトナ
ー補充情報に基づいて、トナー収容部６ｂのトナー補給
口１０ｂを開封させるに必要なステップ数でモータ１５
を回転させるようにしているのである。

【００１７】この間におけるトナー残量を表示するため
のトナー残量表示手段１８と、トナーカートリッジ４の
交換を促すためのカートリッジ交換メッセージの表示手
段１９とを、静電写真複写機の制御パネル２０に設けて
いる。上記のトナー残量表示手段１８は、例えばメイン
とサブのトナー収容部６ａ，６ｂのトナー収容割合に対
応させて、ＬＥＤやＬＣＤなどの発光表示体ｅ，ｆを区
分け配置して成り、トナーカートリッジ４が交換され
て、未だトナーの補給が一切成されていない状態では、
発光表示体ｅ，ｆを点灯させ、トナー補充情報に基づい
て、それが第１回目であればメインのトナー収容部６ａ
に対応する発光表示体ｅを消灯させ、第２回目であれば
サブのトナー収容部６ｂに対応する発光表示体ｆを消灯
させるように構成している。

【００１８】一方、カートリッジ交換の表示手段１９
は、最終のトナー補充情報（この実施例では２回目のト
ナー補充情報）をトナー補給口１０ａ，１０ｂの全てが
開封されたことの情報にして、これを基にしてトナーカ
ートリッジ４の交換を促すメッセージを発光表示させる
ように構成している。

【００１９】上記の構成によれば、トナー補充情報に基
づいてシート巻き取り手段１３が折り返しシート９ａを
巻き取り、前記シート９をカートリッジ本体５から引き
剥がして、前記トナー補給口１０ａ，１０ｂを順次１個
ずつ開封することで、この開封されたトナー補給口１０
ａ，１０ｂに対応するトナー収容部６ａ，６ｂ内のトナ
ーが現像装置１のホッパー２に補給される。

【００２０】そして、トナーカートリッジ４に収容され
ているトナー残量の表示が、トナーなしの状態を含めて
トナー残量表示手段１８によって正確に表示されると共
に、トナーなしの状態になったときには、即ち、サブの
トナー収容部６ｂからトナーが補給されて、現像装置１
にとっては所謂トナーのニアーエンドに陥ったときに
は、かゝる事態がカートリッジ交換のメッセージで表示
手段１９によって表示されるのである。

【００２１】尚、上記の実施例では、サブトナー収容部
６ｂのトナー補給口１０ｂが開封された際に、トナー残
量表示手段１８の発光表示体ｆを消灯させるようにして
いるが、この消灯に代えてカートリッジ交換のメッセー
ジを表示させることで、カートリッジ交換の表示手段を
兼用構成することが可能となる。

【００２２】また、上記の実施例では、メインとサブの
２個のトナー収容部６ａ，６ｂをカートリッジ本体５に
並設させているが、図４に示すように、例えば同じ容量
の多数のトナー収容部６…を並設する構成に変更可能で
あり、或いは図５に示すように、トナー収容部６ａ，６
ｂを独立させることなく、カートリッジ本体５の内部に
仕切り部材２１を設けて、２個のトナー収容部６ａ，６
ｂを互いに上部側で連通させる構成にしてもよく、勿
論、同様にして多数のトナー収容部を構成するもよく、
これらの場合、トナー補充口８を共用できることから、
トナーカートリッジ４のコストダウンはもとより、この
トナー補充口８を大径にすることができるので、トナー
の充填を効率的に行える利点がある。

【００２３】そして、多数のトナー収容部６…を形成し
たトナーカートリッジ４を用いる場合は、図６に示すよ
うに、トナー残量の表示手段１８には、そのトナー収容
部６…の個数に合わせて発光表示体ｈ…を設けるのであ
るが、このように多数の発光表示体ｈ…を設けることに
よって、トナー残量を緻密に検知することが可能とな
り、延いては、緻密なトナー残量の検知に基づいて正し
い時期にカートリッジ交換の表示を成さしめ得る利点が
ある。

【００２４】尚、上記いずれのトナー残量表示手段１８
においても、トナー収容部６の個数に合わせて発光表示
体ｅ，ｆ、ｈ…を設けて、トナー補給口１０ａの開封に
対応させて発光表示体ｅ，ｆ、ｈ…を消灯させるように
しているが、例えば、複数のトナー収容部６…に対応さ
せて発光表示体ｈ…を設けるようにした表示手段１８に
おいて、これの各発光表示体ｈ…を例えば二分割にして
順次消灯させるようにし、かつ、画像の記録状況に合わ
せて消灯の制御を行わせるようにすると、トナー残量を
一層緻密に検知することが可能となる。

【００２５】即ち、１個のトナー収容部６に収容されて
いるトナー量と用紙一枚当たりの画像記録に要するトナ
ー消費量との関係から、この１個のトナー収容部６に収
容のトナー量についての画像記録可能の用紙枚数を算出
し、そして、トナー補充情報に基づいてトナー収容部６
のトナー補給口１０が開封されたとしても、二分割され
た発光表示体点灯させたままにしておいて、画像記録の
累計枚数が上記した画像記録可能枚数の１／２に達する
と、二分割した一つの発光表示体を消灯させるように
し、かつ、残りの発光表示体については、トナー補充情
報を基にして消灯させ、かつ、この情報に基づいて、次
のトナー収容部６のトナー補給口１０を開封させるので
あり、このようにすることで、トナーの残量検知を倍の
制御で緻密に行うことができるのである。

【００２６】このような制御は、メインとサブのトナー
収容部６ａ，６ｂを設けるトナーカートリッジ４につい
ても同様に行うことが可能であり、また、画像記録の累
計枚数による制御に代えて、例えば現像に関与する回転
体の回転数や装置の稼働時間などを基にして制御するこ
とも可能である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明のトナー補給
装置によれば、トナーカートリッジに複数のトナー収容
部を設けて、このトナー収容部のトナー補給口を、トナ
ー補充情報に基づいて順次１個ずつ開封させるように
し、かつ、トナーカートリッジに収容のトナー残量の表
示手段を備えたことで、トナーのニアーエンドの正確な
検出はもとより、このトナー残量の検知に基づいて正し
い時期にカートリッジの交換を促すことができる。

【００２８】しかも、トナーカートリッジについては、
カートリッジ本体のトナー補給口を可撓性のシートで封
着する普及タイプのトナーカートリッジと殆ど変わら
ず、僅かにカートリッジ本体に複数のトナー収容部を並
設させるだけであることから、従来の技術に比較してト
ナー補給装置の大幅なコストダウンが達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】現像装置の断面図である。

【図２】シート巻き取り手段と共に示すトナーカートリ
ッジの斜視図である。

【図３】トナーカートリッジの断面図である。

【図４】別実施例のトナーカートリッジの断面図であ
る。

【図５】更に別実施例のトナーカートリッジの断面図で
ある。

【図６】多数のトナー収容部を備えるトナーカートリッ
ジを対象にしたトナー残量表示手段の説明図である。

【符号の説明】 ３…カートリッジ装填部、４…トナーカートリッジ、５
…カートリッジ本体、６，６ａ，６ｂ…トナー収容部、
９…可撓性のシート、９ａ…折り返しシート、１０，１
０ａ，１０ｂ…トナー補給口、１３…シート巻き取り手
段、１８，１９…表示手段。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カートリッジ本体に並設した複数のトナ
   ー収容部のトナー補給口を可撓性のシートで封着すると
   共に、このシートをトナー収容部の並設方向に折り返
   し、かつ、その折り返しシートを引っ張ることでトナー
   補給口が順次開封されるようにトナーカートリッジを構
   成する一方、現像装置側のトナーカートリッジの装填部
   には、トナー補充情報に基づいてトナー補給口を順次１
   個ずつ開封させるシート巻き取り手段を設け、更に、ト
   ナーカートリッジに収容のトナー残量の表示手段を備え
   て成ることを特徴とするトナー補給装置。
2. 【請求項２】 トナー補給口の全てが開封されたことの
   情報に基づいてトナーカートリッジの交換を促すカート
   リッジ交換の表示手段を設けてある請求項１記載のトナ
   ー補給装置。