JPH08136599A - 比誘電率の測定方法および装置 - Google Patents

比誘電率の測定方法および装置

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JPH08136599A
JPH08136599A JP27397594A JP27397594A JPH08136599A JP H08136599 A JPH08136599 A JP H08136599A JP 27397594 A JP27397594 A JP 27397594A JP 27397594 A JP27397594 A JP 27397594A JP H08136599 A JPH08136599 A JP H08136599A
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JP27397594A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Nakauchi
啓雅 中内
Hideki Hayakawa
秀樹 早川
Mikio Takagi
幹雄 高木
Akira Kawanaka
彰 川中
Mitsuhide Kyo
光秀 許
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地中埋設管が埋設されている土壌の比誘電率
を少ない演算量で求めること。 【構成】 地表面から電磁波を放射し、地中埋設管によ
る反射波を受信し、地中埋設管を横切るように移動しつ
つ放射した電磁波と反射波との時間差に基づいて土壌断
面の原画像を作成し、土壌の比誘電率を順番に変更しつ
つ設定しながら、その原画像の少なくとも一部分を用い
て、地中埋設管の見かけの位置から真の位置に戻すマイ
グレーション法による演算処理を行い、マイグレーショ
ン処理によって得られた原画像の周波数領域での各周波
数毎の第1周波数成分と、予め定める比誘電率毎の埋設
物の反射波の信号の周波数領域での各周波数毎の第2周
波数成分との一致の程度を評価し、評価の高い比誘電率
を、埋設物が埋設されている土壌の比誘電率であると判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比誘電率の測定方法お
よび装置に関し、もっと詳しくは、たとえば管が埋設さ
れている土壌の比誘電率の測定を行う方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な先行技術は特開昭63−222
287に開示されている。この先行技術では地中埋設管
の埋設位置を探査するために、合成開口法を用い、すな
わち地中埋設管である物標に電磁波を放射し、その反射
波プロフィールデータの物標に対応した双曲線毎にその
データの頂点部に集積して、その影像の重みによる物標
スポットを形成し、その物標スポットの黒点を表示し、
その物標スポットの尖鋭度を評価して地表から物標まで
の土壌の比誘電率を求め、物標スポットの尖鋭度の評価
が高い比誘電率を、実際の比誘電率と定めて、再び反射
波プロフィールデータの合成開口演算処理を行い、物標
スポット影像の重みが黒点の密度によって表示された画
像を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような先行技術で
は、合成開口法によって得られる物標スポットは、黒点
が点在して得られる画像であり、したがってノイズなど
に悪影響されて、物標である地中埋設管の画像を、直感
的に把握しにくいと言う問題がある。
【0004】この問題を解決する他の先行技術は、特開
平5−232220に開示されている。この先行技術で
は、たとえば地中埋設管の埋設位置を探査するために、
地表から地中埋設管である物標に電磁波を放射し、その
反射波による探査画像を得、その探査画像に対して土壌
比誘電率を徐々に変化させてマイグレーション処理を行
い、地中埋設管などの埋設物の反射像の収斂度合、すな
わちピークピーク値から、土壌の比誘電率を計算する。
【0005】この先行技術では、候補とする複数の各比
誘電率毎に、マイグレーション処理を行って地表断面の
データをフーリエ変換して周波数領域での演算を行った
後、次に、相互相関の演算のために逆フーリエ変換を行
って時間軸領域に変換し、地中埋設管を横切る各位置毎
に、時間軸をずらしつつ、相互相関を演算して求めてい
る。したがって演算処理量が膨大であり、時間がかかる
という問題がある。
【0006】本発明の目的は、地中埋設管などの埋設物
が埋設されている隠蔽場所の土壌などの比誘電率を、演
算量を少なくして求めることができるようにした比誘電
率の測定方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、埋設物が埋設
されている隠蔽場所の表面に沿って移動しつつ、隠蔽場
所に、電磁波を放射し、埋設物による反射波を受信し、
放射した電磁波と反射波との時間差に基づいて隠蔽場所
の断面の原画像を作成し、原画像の少なくとも一部分を
用いて、フーリエ変換により計算される原画像の周波数
領域での各周波数毎の第1周波数成分と、予め定める比
誘電率毎の埋設物の反射波の信号の周波数領域での各周
波数毎の第2成分との一致の程度の評価を行い、一致の
程度の評価が高い比誘電率を、その隠蔽場所から埋設物
までの比誘電率であると判定することを特徴とする比誘
電率の測定方法である。また本発明は、埋設物が埋設さ
れている隠蔽場所の表面に沿って移動しつつ、隠蔽場所
に、電磁波を放射し、埋設物による反射波を受信し、放
射した電磁波と反射波との時間差に基づいて隠蔽場所の
断面の原画像を作成し、隠蔽場所から埋設物までの比誘
電率を順番に変更しつつ設定し、設定した各比誘電率を
用いて、原画像の少なくとも一部分を用いて、埋設物の
見かけの位置から真の位置に戻すマイグレーション法に
よる演算処理を行い、マイグレーション処理を行うにあ
たって計算される原画像の周波数領域での各周波数毎の
第1周波数成分と、予め定める比誘電率毎の埋設物の反
射波の信号の周波数領域での各周波数毎の第2周波数成
分との一致の程度の評価を行い、一致の程度の評価が高
い比誘電率を、その隠蔽場所から埋設物までの比誘電率
であると判定することを特徴とする比誘電率の測定方法
である。また本発明は、一致の程度の評価は、第1およ
び第2周波数成分の相互相関を演算して求めることによ
って行うことを特徴とする。また本発明は、埋設物が埋
設されている隠蔽場所に、電磁波を放射する手段と、埋
設物による反射波を受信する受信手段と、放射した電磁
波と反射波との時間差に基づいて隠蔽場所の断面の原画
像を作成する手段と、作成された原画像をストアする原
画像メモリと、複数の比誘電率を設定する手段と、原画
像メモリの少なくとも一部分を用いて、フーリエ変換に
より計算される原画像の周波数領域での各周波数毎の第
1周波数成分と、予め定める比誘電率毎の埋設物の反射
波の信号の周波数領域での各周波数毎の第2成分との演
算処理を行う演算処理手段と、演算処理手段の演算処理
によって得られた結果をストアする処理結果メモリと、
処理結果メモリにストアされている内容を用いて第1周
波数成分と、第2周波数成分との一致の程度を演算処理
して評価する一致程度評価手段と、一致程度評価手段の
出力に応答し、一致の程度の評価が高い比誘電率を、隠
蔽場所から埋設物までの比誘電率であると判定する手段
とを含むことを特徴とする比誘電率の測定装置である。
また本発明は、埋設物が埋設されている隠蔽場所に、電
磁波を放射する手段と、埋設物による反射波を受信する
受信手段と、放射した電磁波と反射波との時間差に基づ
いて隠蔽場所の断面の原画像を作成する手段と、作成さ
れた原画像をストアする原画像メモリと、複数の比誘電
率を設定する手段と、設定した各比誘電率を用いて、原
画像メモリの少なくとも一部分を用いて埋設物の見かけ
の位置から真の位置に戻すマイグレーション法による演
算処理を行うマイグレーション処理手段と、処理手段の
演算処理によって得られた画像をストアする処理画像メ
モリと、処理画像メモリにストアされている画像を用い
て前記マイグレーション処理を行うにあたって計算され
る原画像の周波数領域での各周波数毎の第1周波数成分
と、予め定める比誘電率毎の埋設物の反射波の信号の周
波数領域での各周波数毎の第2周波数成分との一致の程
度を演算処理して評価する一致程度評価手段と、一致程
度評価手段の出力に応答し、一致の程度の評価が高い比
誘電率を、隠蔽場所から埋設物までの比誘電率であると
判定する手段とを含むことを特徴とする比誘電率の測定
装置である。
【0008】
【作用】本発明に従えば、地中埋設管などの埋設物が埋
設されている隠蔽場所、たとえば土壌の表面に沿って移
動しつつ、その隠蔽場所に電磁波を放射し、埋設物によ
る反射波を受信し、放射した電磁波と反射波との時間差
に基づいて隠蔽場所の断面の原画像をまず作成し、フー
リエ変換により計算される原画像の周波数領域での各周
波数毎の第1周波数成分と、予め定める比誘電率毎の埋
設物の反射波の信号の周波数領域での各周波数毎の第2
周波数成分とを演算して求め、それらの一致の程度の評
価を行い、一致の程度の評価が高い比誘電率を、その隠
蔽場所から埋設物までの比誘電率であると判定する。こ
のような第1および第2周波数成分は、マイグレーショ
ン法による演算処理時に用いられる。
【0009】この原画像に基づいて、隠蔽場所から埋設
物までの比誘電率を順番に変更しつつ設定し、マイグレ
ーション法による演算処理を行い、こうして得られるマ
イグレーション法による演算処理して得られた画像は、
前述の合成開口法による黒点が点在した画像とは異な
り、原画像を隠蔽場所の表面に沿って移動方向に圧縮し
た画像となり、したがってマイグレーション法によって
演算処理して得られた画像は埋設物の画像に一層近似し
た画像となり、そのため比誘電率の設定が、実際の隠蔽
場所の値に近似しているか、または異なった値であるか
を直感的に知ることが極めて容易である。
【0010】こうしてマイグレーション法によって周波
数領域で得られたスペクトル振幅の分布の各周波数毎の
周波数成分A(ξ,η)を用い、それと、予め定める比
誘電率εr毎に埋設物の反射波の信号の周波数領域での
各周波数毎の周波数成分Aεr(ξ,η)である周波数
領域でのスペクトル振幅の分布を求めたテンプレートと
の一致の程度を、たとえば相互相関によって評価し、そ
の一致の程度の評価が高い比誘電率を、隠蔽場所から埋
設物までのたとえば土壌などの比誘電率であるものと判
定する。したがって本発明は、前述の先行技術に関連し
て述べたように逆フーリエ変換を行って相互相関を行う
構成ではないので、演算処理量を減少することができ、
比誘電率を求めるにあたっての時間を短縮することがで
きる。
【0011】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の全体の構成を示
すブロック図である。土壌1には鋼管2が埋設されてお
り、地上で、この管2を探査するために、本発明が実施
される。送信アンテナ3には送信手段4から単一個の矩
形波パルスが与えられ、これによって送信アンテナ3か
らは図2(1)で示されるインパルス状の電磁波が放射
される。この電磁波は図1の参照符5で示されるように
土壌1内を進み、管2によって反射され、この反射波は
参照符6で示されるように進んで地上に設けられた受信
アンテナ7によって受信され、受信手段8に与えられ
る。アンテナ7によって受信される反射波の波形は図2
(2)に示されるとおりである。送信アンテナ3から放
射された電磁波と受信アンテナ7によって受信された反
射波との時間差ΔTは、管2の深さに対応している。受
信手段8は、送信手段4から出力される矩形波パルスに
同期し、前記時間差ΔTを検出し、マイクロコンピュー
タなどによって実現される処理回路9に与える。送信ア
ンテナ3と受信アンテナ7と一体的に固定し、管2を横
切る図1のx方向である矢符10で示される方向に等間
隔ずつ移動するたび毎に、上述の動作を繰返し、その受
信波形を原画像メモリ11にストアする。この原画像メ
モリ11にストアされている原画像は、陰極線管などの
目視表示手段12によって、図3(1)で示されるよう
に得られる。原画像メモリ11には、前述の図2(2)
で示される波形が複数階調でストアされ、この実施例で
は白と黒の中央の中間階調を零レベルとする。土壌1内
には単一の管2が埋設されているものと想定する。原画
像メモリ11にストアされている管2に対応する像13
は図3(1)の左右方向、すなわちx方向に拡がった大
きな曲率半径を有する像である。送受信アンテナ3,7
から管2までの土壌1の平均の比誘電率を、実際の比誘
電率に比べてわずかに大きく設定してマイグレーション
法による演算処理を行った処理画像は図3(2)に示さ
れるとおりとなり、管2の原画像メモリ11にストアさ
れている像13に比べて像14のx方向に圧縮されて収
束された画像を得ることができる。土壌1の比誘電率を
実際の比誘電率とほぼ等しい値に設定してマイグレーシ
ョン法によって演算処理して得られた画像は図3(3)
に示されるとおりであり、管2に対応した像15は収束
の程度が高く、単一の黒点として表される。土壌1の実
際の比誘電率に比べて小さ過ぎる比誘電率を設定してマ
イグレーション法による演算処理を行ったときの処理画
像は図3(4)に示されるとおりであり、管2に対応し
て下に凸の像16が得られる。
【0012】図4は処理回路9の動作を説明するための
フローチャートであり、図5は図4に示される動作のさ
らに具体的な動作を説明するためのフローチャートであ
る。図4のステップN1からステップN2に移り、また
図5のステップn1からステップn2に移り、前述のよ
うに原画像を作成して原画像メモリ11にストアする。
図5における次のステップn3では、作業者はキーボー
ドなどの入力手段17から土壌1の比誘電率として複数
の値εrを入力し、そのうちの1つを設定する。
【0013】ステップn4では、設定された比誘電率を
用いて原画像メモリ11のストア内容を用いて全画面に
わたり、埋設物の見かけの位置から真の位置に戻すマイ
グレーション法による演算処理を行う。
【0014】マイグレーション法による演算処理を述べ
る。送受信アンテナ3,7によって観測されて原画像メ
モリ11にストアされている原画像は、地下構造と同一
のパターンを示さない。それは、図6に示されるように
送受信アンテナ3,7が設けられた観測点から管2の頂
部2aである真の反射面参照符19で示される反射波
を、その真下20の符号を辿って見かけの反射面2bが
きたようにスポットしているからである。マイグレーシ
ョン法は、見かけの反射面2bの位置から真の反射面の
位置2aに戻す演算処理操作を言う。このマイグレーシ
ョン法は、次のように定式化することができる。図7で
示されるように座標系を設定する。
【0015】x方向は、地表に沿って、今調査しようと
する直線の方向を示す。y方向は、地下に向けて正の方
向をとる。
【0016】今、波動の場をu(x,y,t)で表す
と、問題は時刻t>0に対して得られた地表面上での記
録データu(x,0,t)(地表断面)から時刻t=0
における深さ方向の場u(x,y,0)(深度断面)を
求めることである。
【0017】ここでは、簡単のために、波の伝搬速度c
は一定であると仮定する。波の場u(x,y,t)は次
の式1の波動方程式を満足する。
【0018】
【数1】
【0019】両辺を三次元フーリエ変換すれば、
【0020】
【数2】
【0021】を得る。ここに、u(x,y,t)の三次
元フーリエ変換をU(ξ,η,ω)で表すことにする
が、これらの間には、
【0022】
【数3】
【0023】の関係がある。これを、地中から地表に向
かう波のみを考えて解くと
【0024】
【数4】
【0025】となる。次に、u(x,y,t)のxとy
に関する二次元フーリエ変換をV(ξ,η,t)で表す
【0026】
【数5】
【0027】となる。そこで式1の波動方程式を二次元
フーリエ変換すると
【0028】
【数6】
【0029】となる。これはtに関する常微分方程式で
ある。従って、地中から地表に向かう波のみを考えた一
般解は
【0030】
【数7】
【0031】と表される。ここでA(ξ,η)は時間t
に依存しない関数である。式7について二次元逆フーリ
エ変換をとると、式5から
【0032】
【数8】
【0033】となる。これより、とくにy=0とおけ
ば、
【0034】
【数9】
【0035】となる。他方、地表断面u(x,0,t)
の二次元フーリエ変換を
【0036】
【数10】
【0037】と定義すると、この逆フーリエ変換は
【0038】
【数11】
【0039】となる。この式11と式9とを比較すれ
ば、明らかに、 B(ξ,ω)dω=A(ξ,η)dη …(12) でなければならない。式12と式4とから最終的に
【0040】
【数12】
【0041】が得られる。従って、地表断面のデータを
フーリエ変換してB(ξ,ω)を求め、その結果に式1
3を適用すれば、深度断面のフーリエ変換が求められ
る。伝搬速度cは c=c0/(εr)1/2 …(14) (c0:真空中での波の伝搬速度、εr:地中の比誘電
率)より求められる。こうしてマイグレーション法によ
って演算処理して得られた処理画像は、たとえば図3
(2)〜図3(4)のうちの1つであり、このような処
理画像は処理画像メモリ21にストアされる。
【0042】原画像における地中埋設管2の反射像のフ
ーリエ変換による周波数領域でのスペクトル振幅の分布
は、主に地中の伝搬速度、すなわち土壌の比誘電率εr
に依存し、或る深度方向の範囲内では、次に述べる図8
および図9のように、本件発明者によれば、埋設物であ
る管2の位置とは、無関係にスペクトルの存在する領域
が決まることが判った。
【0043】図8のように実領域上の埋設管2の像が、
漸近線
【0044】
【数13】
【0045】に挟まれた双曲線33になる。ただしXi
は埋設管2の観測軸方向の位置である。したがって周波
数領域上での埋設管2の像のスペクトルは、図9のよう
に直線 η = ± cξ …(16) に挟まれた領域に分布する。ただしcは伝搬速度であ
る。線33に対応する比誘電率に比べて、それがもっと
小さいときには、双曲線34が得られ、また比誘電率が
さらに大きいときには、双曲線35が得られる。
【0046】 ω = cξ …(17) ここで漸近線Sは、dを埋設管の深度とするとき、双曲
【0047】
【数14】
【0048】において、 ( x − Xi ) >> d …(19) とした場合に
【0049】
【数15】
【0050】として得られる。式20からも判るよう
に、この直線は伝搬速度cに依存し、地中埋設管の深度
に対して不変である。このことから、図9のように周波
数領域上で、この直線を求めることにより、伝搬速度の
推定が可能なことが判る。
【0051】すなわち図9(1)に示されるように、縦
軸ηに関して対称な直線36,37は、比誘電率εrに
対応する傾きを有し、これらの直線36,37によって
囲まれる領域38,39に、管2の反射波の信号のデー
タを2次元フーリエ変換したとき周波数領域のデータが
得られ、これは図8の双曲線33に対応している。比誘
電率εrがもっと小さい図8の双曲線35であるときに
は、図9(2)に示される直線40の傾きが小さくな
り、その対称な直線は参照符41で示され、この周波数
領域は、参照符42,43で示される。
【0052】そこで図5のステップn6以降では、こう
して得られた処理画像を用いて、管2の収斂すべき予め
定める部位である頂部2aを見付けるための演算が行わ
れる。まずこのステップn6では、予め定める複数の各
比誘電率εr毎の2次元フーリエ変換の周波数領域にお
けるテンプレートAεr(ξ,η)を作成して、図1に
示されるメモリ32にストアする。たとえばこの実施例
では、伝搬速度cと真空中の光速c0との比c/c0に
ついて、0.2〜0.6の範囲を、0.05間隔で設定
して、テンプレートを作成して保管メモリ32に保管し
ておく。この図5におけるステップn3〜n6は、図4
において総括的にステップN3で示されている。
【0053】図4のステップN3aおよび図5のステッ
プn6aでは、実際に得られた反射波の信号の2次元フ
ーリエ変換による周波数領域のスペクトル振幅の分布で
ある周波数成分A(ξ,η)を演算して求める。
【0054】そこで図4のステップN3bおよび図5の
ステップn6bでは、各周波数η毎に、式21で示され
る相互相関Cを求める。
【0055】
【数16】
【0056】図4のステップN3cおよび図5のステッ
プn6cでは、式21で示された各周波数毎の相互相関
Cの値が最も高いテンプレートの比誘電率εrを、その
管2が埋設されている土壌の比誘電率であると判断して
決定する。
【0057】ステップn6dでは、比誘電率の検出精度
を向上するために、前述のステップn6cで決定した比
誘電率に対応するc/c0に対し、±0.05の範囲
を、0.025間隔で設定してマイグレーション処理を
行い、前述のステップn6〜ステップn6cを繰返し、
これによって最も点状化の度合いの強いc/c0に対応
する比誘電率を、ステップn6eで最終的な土壌の正確
な比誘電率として決定する。
【0058】管2の頂部2aを見つけるために、本発明
の他の実施例として操作者が図3(2)で示される処理
画像を表示手段12によって実際に見て、その頂部2a
に対応した像2cを見つけ、その像2cのx座標を、入
力手段17から入力し、その入力されたx座標を有する
直線22に関して、相互相関Cを演算して求めるように
してもよく、このようにすれば、直線22に関する相互
相関Cを求めることが迅速に行うことができる。さらに
他の実施例として管2の頂部2aを見つけるために、x
方向の各座標位置での隣接する画素相互の白と黒との階
調の差を求め、このような演算をy方向に上から順に行
い、大きな階調の差が得られたときにおける座標x,y
を、頂部2aの像2cが得られた位置として決定するよ
うにしてもよい。
【0059】さらにまた本発明の他の実施例として管2
の頂部2aを見つけるために、x方向にずらしながらy
方向の波形のレベル弁別を行い、y方向の最も上方で弁
別レベルを超える波形が得られた位置(x,y)を頂部
2aの像2cが得られた位置として判断するようにして
もよい。
【0060】上述の各実施例では、マイグレーション法
による処理画像に基づいて、管2の頂部2aを見つける
ようにしたけれども、本発明の他の実施例として原画像
をメモリ11にストアされている原画像に基づいて、そ
の頂部2aの像を見つけるようにしてもよい。
【0061】こうして1つの比誘電率を設定してマイグ
レーション法による演算処理を行い、その収斂の程度の
評価を行った後には、ステップn6aでは、そのマイグ
レーション処理を行った後の処理画像に基づき、管2の
頂部2aの候補点を検出して読取るための演算を行う。
その後、次のステップn7において、管2の頂部2aの
像2cが属する原画像の複数ブロックの1つを、図10
に示されるようにして選ぶ。図10は原画像メモリ11
の複数(この実施例では6)に分割された状態を示し、
各ブロックは参照符25〜30で示される。頂部2aの
像2cが属するブロック27を選択する。前述の各ブロ
ック25〜30は、x方向に任意の幅で分割してよい
が、この例の場合は等間隔に分割されている。たとえば
この実施例において像2cを含む全体の像14は、ブロ
ック27だけでなく隣接するブロック26にも部分的に
含まれる。そこで1つの像14が1つ以上のブロック2
6,27にわたって存在しても、後続のマイグレーショ
ン法による演算処理が正確に行われるようにするため
に、図11に示されるように、選択されたブロック27
のx方向に沿う両側に拡げた拡大ブロック31を設定す
る。この拡大ブロック31は、ブロック25〜30のx
方向の幅ΔDと、両側にたとえばΔD/2ずつ拡げて合
計2・ΔD幅を有する。こうして得られた拡大ブロック
31をステップn8において設定する。
【0062】次にステップn9では、比誘電率εrを変
更して設定し、原画像メモリ11における拡大ブロック
31内のみをステップn10においてマイグレーション
法による演算処理を行い、その結果ステップn11では
一致の程度の評価を行う。以下同様にしてステップn1
2では、前述のステップn9〜n11の動作を繰返し、
各比誘電率毎にマイグレーション法による演算処理を行
って一致の程度の評価を行う。各比誘電率毎のマイグレ
ーション法によって得られた処理画像は、処理画像メモ
リ21にそれぞれストアされる。
【0063】ステップn13では、複数の各比誘電率毎
の一致の程度の評価が最大であるときの比誘電率を決定
し、その最大の一致の程度の評価が得られたときの比誘
電率を、土壌1の地表から管2の頂部2aまでの実際の
平均比誘電率であるものと判定する。このような一致の
程度の評価が最大であるときのマイグレーション法によ
る処理画像は、図3(3)に示されるとおりであって、
管2の頂部2aの像15は、黒点で表される。表示手段
12は、このような図3(3)で示される処理画像を表
示する。これによって管2の埋設位置を正確に知ること
ができる。
【0064】一致の程度の評価を行うために、本発明の
他の実施例として相互相関に代えて、最小2乗法などの
手法を用いてもよい。
【0065】本発明は、地中埋設管2に関して実施され
るだけでなく、コンクリートおよび海水などの隠蔽場所
における管およびその他の埋設物の探査を行うために、
広範囲に実施することができる。また本発明に従って求
めた比誘電率を、埋設物の探査画像を得るためだけでな
く、その他の用途に用いてもよい。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、隠蔽場
所、たとえば地中に埋設された管などの埋設物に、隠蔽
場所の表面から電磁波を放射し、その反射波を受信し、
隠蔽場所の表面に沿って移動しつつそれらの時間差を求
めて原画像を作成し、複数の各比誘電率を順番に変更し
つつ、マイグレーション法による演算処理を行い、こう
して得られた処理画像を処理画像メモリにストアし、そ
の地中埋設管の頂部などのような埋設物の部位を直感的
に容易に把握することができる。
【0067】特に本発明によれば、マイグレーション法
によるフーリエ変換によって得られた埋設物の反射波の
信号毎に周波数領域でのスペクトル分布である第1周波
数成分A(ξ,η)を求め、これとは別に予め求めてお
いた比誘電率毎の各周波数毎の第2周波数成分Aεr
(ξ,η)との一致の程度の評価を、たとえば相互相関
によって評価し、こうして最も評価が高いテンプレート
である第2周波数成分Aεr(ξ,η)に対応する比誘
電率を、隠蔽場所から埋設物までの土壌などの比誘電率
であると判断して決定するようにしたので、前述の先行
技術に関連して述べたように逆フーリエ変換の演算を行
う必要がなく、演算処理量を少なくし、したがって演算
結果を得る時間を短縮することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体のブロック図である。
【図2】図2の動作を説明するための波形図である。
【図3】表示手段12によって表示される原画像メモリ
11および処理画像メモリ21の内容を示す図である。
【図4】処理回路9の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図5】処理回路9の動作をさらに具体的に説明するた
めのフローチャートである。
【図6】相互相関Cを求める動作を説明するための波形
図である。
【図7】原画像を説明するための図である。
【図8】地中埋設管2の像の実領域の特性を示す図であ
る。
【図9】地中埋設管2の像の反射波の信号のフーリエ変
換による周波数領域での特性を示す図である。
【図10】原画像メモリ11のストア領域が各ブロック
25〜30に分割されている状態を説明するための図で
ある。
【図11】拡大ブロック31を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 土壌 2 管 2a 頂部 3 送信アンテナ 4 送信回路 7 受信アンテナ 8 受信回路 9 処理回路 11 原画像メモリ 12 表示手段 17 入力手段 21 処理画像メモリ 25〜30 ブロック 31 拡大ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川中 彰 東京都三鷹市井の頭2−30−6 (72)発明者 許 光秀 東京都八王子市別所2−22−2−201

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 埋設物が埋設されている隠蔽場所の表面
    に沿って移動しつつ、隠蔽場所に、電磁波を放射し、埋
    設物による反射波を受信し、放射した電磁波と反射波と
    の時間差に基づいて隠蔽場所の断面の原画像を作成し、
    原画像の少なくとも一部分を用いて、フーリエ変換によ
    り計算される原画像の周波数領域での各周波数毎の第1
    周波数成分と、予め定める比誘電率毎の埋設物の反射波
    の信号の周波数領域での各周波数毎の第2成分との一致
    の程度の評価を行い、一致の程度の評価が高い比誘電率
    を、その隠蔽場所から埋設物までの比誘電率であると判
    定することを特徴とする比誘電率の測定方法。
  2. 【請求項2】 埋設物が埋設されている隠蔽場所の表面
    に沿って移動しつつ、隠蔽場所に、電磁波を放射し、埋
    設物による反射波を受信し、放射した電磁波と反射波と
    の時間差に基づいて隠蔽場所の断面の原画像を作成し、 隠蔽場所から埋設物までの比誘電率を順番に変更しつつ
    設定し、 設定した各比誘電率を用いて、原画像の少なくとも一部
    分を用いて、埋設物の見かけの位置から真の位置に戻す
    マイグレーション法による演算処理を行い、 マイグレーション処理を行うにあたって計算される原画
    像の周波数領域での各周波数毎の第1周波数成分と、予
    め定める比誘電率毎の埋設物の反射波の信号の周波数領
    域での各周波数毎の第2周波数成分との一致の程度の評
    価を行い、 一致の程度の評価が高い比誘電率を、その隠蔽場所から
    埋設物までの比誘電率であると判定することを特徴とす
    る比誘電率の測定方法。
  3. 【請求項3】 一致の程度の評価は、第1および第2周
    波数成分の相互相関を演算して求めることによって行う
    ことを特徴とする請求項1または2記載の比誘電率の測
    定方法。
  4. 【請求項4】 埋設物が埋設されている隠蔽場所に、電
    磁波を放射する手段と、 埋設物による反射波を受信する受信手段と、 放射した電磁波と反射波との時間差に基づいて隠蔽場所
    の断面の原画像を作成する手段と、 作成された原画像をストアする原画像メモリと、 複数の比誘電率を設定する手段と、 原画像メモリの少なくとも一部分を用いて、フーリエ変
    換により計算される原画像の周波数領域での各周波数毎
    の第1周波数成分と、予め定める比誘電率毎の埋設物の
    反射波の信号の周波数領域での各周波数毎の第2成分と
    の演算処理を行う演算処理手段と、 演算処理手段の演算処理によって得られた結果をストア
    する処理結果メモリと、 処理結果メモリにストアされている内容を用いて第1周
    波数成分と、第2周波数成分との一致の程度を演算処理
    して評価する一致程度評価手段と、 一致程度評価手段の出力に応答し、一致の程度の評価が
    高い比誘電率を、隠蔽場所から埋設物までの比誘電率で
    あると判定する手段とを含むことを特徴とする比誘電率
    の測定装置。
  5. 【請求項5】 埋設物が埋設されている隠蔽場所に、電
    磁波を放射する手段と、 埋設物による反射波を受信する受信手段と、 放射した電磁波と反射波との時間差に基づいて隠蔽場所
    の断面の原画像を作成する手段と、 作成された原画像をストアする原画像メモリと、 複数の比誘電率を設定する手段と、 設定した各比誘電率を用いて、原画像メモリの少なくと
    も一部分を用いて埋設物の見かけの位置から真の位置に
    戻すマイグレーション法による演算処理を行うマイグレ
    ーション処理手段と、 処理手段の演算処理によって得られた画像をストアする
    処理画像メモリと、 処理画像メモリにストアされている画像を用いて前記マ
    イグレーション処理を行うにあたって計算される原画像
    の周波数領域での各周波数毎の第1周波数成分と、予め
    定める比誘電率毎の埋設物の反射波の信号の周波数領域
    での各周波数毎の第2周波数成分との一致の程度を演算
    処理して評価する一致程度評価手段と、一致程度評価手
    段の出力に応答し、一致の程度の評価が高い比誘電率
    を、隠蔽場所から埋設物までの比誘電率であると判定す
    る手段とを含むことを特徴とする比誘電率の測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2418552A (en) * 2004-09-24 2006-03-29 Roke Manor Research Microwave scene imaging
JP2019148437A (ja) * 2018-02-26 2019-09-05 応用地質株式会社 誘電率推定装置及び誘電率推定方法

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