JPH10325880A - 比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定方法、及びその測定装置 - Google Patents

比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定方法、及びその測定装置

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JPH10325880A
JPH10325880A JP9238485A JP23848597A JPH10325880A JP H10325880 A JPH10325880 A JP H10325880A JP 9238485 A JP9238485 A JP 9238485A JP 23848597 A JP23848597 A JP 23848597A JP H10325880 A JPH10325880 A JP H10325880A
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JP9238485A
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Masahiro Tsuchiya
雅弘 土谷
Akirou Masakado
彰朗 正角
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の比誘電率を測定する方法は、作成した地
中の原画像をマイグレーション法により画像処理した
後、さらに収斂の度合いを評価しなければならないた
め、非常に多くの計算時間を要していた。 【解決手段】地中に埋設物が埋設されている埋設場所近
傍の地表面である第1の位置にある送受信アンテナから
電磁波が送信され、埋設物に反射して受信されるまでに
要する反射時間と、地表面上であり、且つ反射時間が第
1の位置における反射時間と等しくなる第2の位置と第
1の位置との距離と、送受信アンテナが地表面上である
第3の位置にあるときの反射時間と、前記第1又は第2
の位置に対する前記第3の位置の相対位置とから埋設場
所の比誘電率又は埋設物の埋設深さを算出する方法、及
びその測定装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比誘電率又は埋設
物の埋設位置を測定する測定方法、及びその測定装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、住まいの安心に対する意識が高ま
っており、住宅の基礎地盤に対する信頼性のある評価手
法、並びに地中に存在する例えばガス管や水道管等の建
築設備や地下空洞等を測定する手法が望まれている。こ
れらの測定方法としては、アンテナやレーダを用いた非
掘削的なものがあり、特に地中の比誘電率や埋設物の埋
設位置を正確に測定する技術は重要な要素を占めてい
る。
【0003】従来、比誘電率又は埋設物の埋設位置の測
定方法に関しては、例えば特開平5−232220号公
報に、電磁波を用いて地中の画像を作成し、この画像か
ら比誘電率を測定する方法が開示されている。詳しく
は、まず送信した電磁波と反射波との時間差に基づいて
地中の原画像を作成する。次に、地中の比誘電率を順番
に変更しつつ設定しながら、その原画像の少なくとも一
部分を用いて、地中埋設管の見かけの位置から真の位置
に戻すマイグレーション法による演算処理を行う。そし
て、得られた処理画像から地中埋設管の頂部の収斂の程
度を評価し、高い収斂度合いが得られるものをそこの比
誘電率とする測定方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の比誘
電率を測定する方法は、地表面を移動しつつデータを収
集し地中の原画像を作成し、この原画像をマイグレーシ
ョン法により画像処理した後、さらに収斂の度合いを評
価しなければならないため、非常に多くの計算時間を要
していた。
【0005】本発明は上記従来の問題を解消しようとす
るものであり、その目的とするところは、例えば地中の
比誘電率や地中に埋設されている管の埋設位置を地表か
ら容易に且つ短時間で測定することのできる、比誘電率
又は埋設物の埋設位置の測定方法、及びその測定方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定
方法は、地中に埋設物が埋設されている埋設場所近傍の
地表面である第1の位置にある送受信アンテナから電磁
波が送信され、前記埋設物に反射して前記送受信アンテ
ナで受信されるまでに要する反射時間と、前記地表面上
であり、且つ反射時間が前記第1の位置における反射時
間と等しくなる第2の位置と、前記第1の位置との距離
と、前記送受信アンテナが前記地表面上の任意の位置で
ある第3の位置にあるときの前記反射時間と、前記第1
又は第2の位置に対する前記第3の位置の相対位置とか
ら前記埋設場所の比誘電率又は埋設物の埋設位置を算出
する方法である。
【0007】ここで、埋設物とは例えばガス管や水道管
等が挙げられるが、地下空洞等であっても構わない。こ
こで地中とは一般的には土の中であるが、例えばコンク
リート中等、何でも構わない。送受信アンテナとして
は、送信アンテナと埋設物の距離と、受信アンテナと埋
設物の距離とが略等しくなるように、送信アンテナと受
信アンテナが互いに近接したものや、送信と受信をT/
Rスイッチで切り替える一体型のものが好ましい。ま
た、第1、第2、第3の位置における送受信アンテナと
地表面との間は、空気層の影響が無視できるように可能
な限り小さくするのが好ましい。
【0008】反射時間とは、電磁波が送信されてから埋
設物に反射して受信されるまでの往復に必要な時間であ
る。また反射時間は電磁波をパルス状信号とすることで
容易に求めることができ、その他にも公知技術を用いる
ことで求めることができる。反射時間は3カ所で測定し
ているが、測定の順番は別に問わない。また、一つの送
受信アンテナで測定しても、2組の送受信アンテナが一
体となったもので測定しても、3組の送受信アンテナが
一体となったもので測定しても構わない。第3の位置の
相対位置は、適当にx、y方向の座標軸と中心座標を埋
設場所表面に設ける等して求めればよい。ただし、第3
の位置は第1と第2の位置を結ぶ直線上にあると、比誘
電率や埋設物の深さを求めるときの計算量が少なくなる
ので好ましい。比誘電率又は埋設深さの算出方法として
は、予め求めてある算出式に反射時間などの測定した数
値データを代入するなどして求める方法である
【0009】また請求項2記載の比誘電率又は埋設物の
埋設位置の測定方法は、請求項1記載の比誘電率又は埋
設物の埋設位置の測定方法であって、前記第1、第2、
第3の位置が、一直線上である方法である。
【0010】また請求項3記載の比誘電率又は埋設物の
埋設位置の測定方法は、請求項2記載の比誘電率又は埋
設物の埋設位置の測定方法であって、前記第1又は第2
の位置における反射時間t1 と、前記第3の位置におけ
る反射時間t2 と、前記第1と第2の位置の距離rと、
前記第2と第3の位置の距離r’と、未知数である埋設
場所の比誘電率εと埋設物の深さdと前記第1又は第2
の位置から埋設物までの距離xと前記第3の位置から埋
設物までの距離yとから、下記4つの、
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】 これら方程式を連立させ、前記埋設場所の比誘電率又は
埋設物の埋設位置を算出する方法である。
【0011】ここで、連立された方程式は公知である数
値解析等で解けばよい。また第2と第3の位置の距離と
いうのは第1と第3の位置の距離であってもよく、同様
に連立方程式を立てることができる。また、これら連立
方程式を求め、予め比誘電率と埋設物の埋設位置を一般
式で表しておき、測定などにより収集した数値データを
この一般式に代入して比誘電率や埋設位置を算出するよ
うにしてもよい。
【0012】また請求項4記載の比誘電率又は埋設物の
埋設位置の測定方法は、地中に埋設物が埋設されている
埋設場所近傍の地表面の一直線上にある第1、第2、第
3の位置における前記反射時間と、第1、第2、第3の
位置の位置関係とから比誘電率を変更しつつ設定し、設
定した各比誘電率から埋設位置を算出し、得られた埋設
位置が収束したときの比誘電率及び埋設位置を埋設場所
の比誘電率及び埋設物の埋設位置とする方法である。
【0013】ここで、第1、第2、第3の位置の位置関
係は、例えば地表面の第1、第2、第3の位置を通る直
線をx軸として求めればよい。また、x軸に対して鉛直
方向にy軸を設け埋設位置を適当に決めるなどして、第
1、第2、第3の位置関係と反射時間から比誘電率を変
数とする第1、第2、第3の位置に対応した3つの埋設
位置に関する方程式を立てることができる。従って、比
誘電率を変更しつつ設定し、設定した各比誘電率を3つ
の方程式に代入することで埋設位置は算出することがで
きる。そして、それぞれ求められた埋設位置の分散の度
合いを判定し、分散が最小となるときの比誘電率及び埋
設位置を埋設場所の比誘電率及び埋設物の埋設位置とす
る。
【0014】また請求項5記載の比誘電率又は埋設物の
埋設位置の測定装置は、前記埋設場所に向け電磁波を送
信し、埋設物からの反射波を受信する送受信アンテナを
有する埋設場所の比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定
装置において、前記送受信アンテナが水平方向一直線上
に所定距離で配設された3組からなり、前記反射時間を
検知する反射時間検知装置と、前記検知した反射時間を
比較して2つの反射時間が等しくなるところより埋設物
が前記2組の送受信アンテナ間中央の鉛直下方に位置す
ることを前記反射時間より検知する位置検知装置と、前
記第1又は第2の位置における反射時間と、前記第3の
位置における反射時間と、第1、第2、第3の位置の位
置関係とから比誘電率及び埋設物の深さを算出する演算
処理装置とを具備する装置である。
【0015】ここで、この装置における送受信アンテナ
は、3組の送受信アンテナが水平方向一直線上に所定距
離だけ離して配設されたものである。反射時間検知装置
は従来からの公知技術を用いればよく、例えばパルス状
の電磁波を用いることによって反射時間を検知するもの
がある。位置検出装置は反射時間を比較して、等しい時
間の組み合わせを検知するが、例えば離散的に反射時間
を検知すると、完全に等しくなる組み合わせがない場合
があり、そのときは最も近い組み合わせを検知するよう
にする。演算処理装置には、例えばコンピュータがあ
り、予め比誘電率又は埋設物の埋設位置を求める算出式
を設定しておく。
【0016】また請求項6記載の比誘電率又は埋設物の
埋設位置の測定装置は、前記埋設場所に向け電磁波を送
信し、埋設物からの反射波を受信する送受信アンテナを
有する埋設場所の比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定
装置において、前記送受信アンテナが水平方向一直線上
に所定距離で配設された3組からなり、前記反射時間を
検知する反射時間検知装置と、検知した反射時間と送受
信アンテナの位置関係とから、比誘電率を変更しつつ設
定し、設定した各比誘電率から想定される複数の埋設位
置を算出し、得られた想定される複数の埋設位置の分散
が最小であるときの比誘電率及び埋設位置を埋設場所の
比誘電率及び埋設物の埋設位置とする演算処理装置とを
具備する装置である。
【0017】
【作用】請求項1記載の比誘電率又は埋設物の埋設位置
の測定方法によれば、埋設物が埋設されている埋設場所
近傍の地表面である第1の位置にある送受信アンテナか
ら電磁波が送信されて前記埋設物に反射して受信される
までに要する反射時間と、前記埋設場所表面であり、且
つ反射時間が前記第1の位置における反射時間と等しく
なる第2の位置と、前記第1の位置との距離と、前記送
受信アンテナが前記埋設場所表面の任意の位置である第
3の位置にあるときの前記反射時間と、前記第1又は第
2の位置に対する前記第3の位置の相対位置とから前記
埋設場所の比誘電率又は埋設物の埋設位置を測定するこ
とができる。
【0018】請求項2記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定方法によれば、第1、第2、第3の位置が一
直線上であるので、前記埋設場所の比誘電率又は埋設物
の埋設位置を求めるときに、2次元平面上の三角形をも
とに連立方程式を立てればよいことになる。
【0019】請求項3記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定方法によれば、前記第1又は第2の位置にお
ける反射時間と、前記第3の位置における反射時間と、
前記第1と第2の位置の距離と、前記第2と第3の位置
の距離と、未知数である埋設場所の比誘電率と埋設物の
深さとから、下記4つの、前記第1又は第2の位置と第
3の位置における埋設物までの距離と、反射時間との方
程式を連立させ、この連立方程式を解くことによって、
前記埋設場所の比誘電率又は埋設物の埋設位置を測定す
ることができる。
【0020】請求項4記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定方法によれば、地表面の第1、第2、第3の
位置を通る直線をx軸とし、x軸に対して鉛直方向にy
軸を設けるなどして、第1、第2、第3の位置の位置関
係を決める。そして、第1、第2、第3の位置関係と反
射時間から比誘電率を変数とする第1、第2、第3の位
置に対応した3つの埋設位置に関する方程式を立てるこ
とができる。従って、比誘電率を変更しつつ設定し、設
定した各比誘電率を3つの方程式に代入することで想定
される埋設位置は算出することができる。そして、それ
ぞれ求められた複数の埋設位置の分散を求め、分散が最
小となるときの比誘電率及び埋設位置を埋設場所の比誘
電率及び埋設物の埋設位置とする。
【0021】請求項5記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定装置の構成によれば、3組の送受信アンテナ
の反射時間を検知し、次に位置検知装置が、反射時間を
比較して2つの反射時間が等しいときに、3組のうちの
いずれか2組の送受信アンテナの間の中央鉛直下方に埋
設物が存在すると判断する。そして、第1又は第2の位
置における反射時間と、第3の位置における反射時間
と、第1、第2、第3の位置の位置関係とから、予め算
出式を設定するなどした演算処理装置によって比誘電率
又は埋設物の埋設位置を算出することができる。
【0022】請求項6記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定装置の構成によれば、3組の送受信アンテナ
は一直線上に所定距離で配設されているので、第1、第
2、第3の位置の位置関係は既知になっている。また、
反射時間検知装置にて第1、第2、第3の位置の位置に
おける反射時間は検知される。そして、これら第1、第
2、第3の位置の位置関係と反射時間とから上述したの
と同様にして、演算装置は埋設場所の比誘電率及び埋設
物の埋設位置を求める。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕以下、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。ここで、図1は本発明の比誘電率又は埋設物の
埋設位置の測定方法を示す説明図である。
【0024】以下、比誘電率と埋設物の測定方法につい
て説明する。図1において、埋設場所である地中1に
は、埋設物としてパイプ2が地下2.5mに埋設されて
いる。地中の比誘電率は予め別の方法で求めたところ8
であった。また、xは第1及び第2の位置からパイプま
での距離、t1 は距離xに必要な反射時間を示してい
る。yは第3の位置5からパイプまでの距離、t2 は距
離yに必要な反射時間を示している。rは第1の位置3
と第2の位置4の距離を示している。またdはパイプの
深さを示しており、r’は第2の位置に対する第3の位
置5の相対的な位置を示している。ただし、第3の位置
5は第1と第2の位置を結ぶ直線上に位置させており、
r’は第2の位置4と第3の位置5の距離を示してい
る。
【0025】次に測定方法について述べる。まず地表面
の第1の位置3に送受信アンテナ6を置き、ここで送信
される電磁波がパイプ2に反射して受信するまでに要す
る反射時間t1 を測定する。このとき測定したt1 の値
は50nsであった。送受信アンテナ6を地表面に沿っ
て牽引しつつ反射時間を測定し、再び反射時間が50n
sとなる位置を第2の位置4とする。そこで第1の位置
3と第2の位置4の距離を測定する。測定結果は2mで
あった。次に第2の位置4から1m離れた第3の位置5
において、反射時間t2 を測定する。測定したt2 の値
は60nsであった。
【0026】次に、εを地中の比誘電率、cを光の速度
(3×108 m/s)とおき、上述した文字を用いて連
立方程式を立てる。
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】 [数11]と[数12]とから
【数13】 これに、[数9]と[数10]を代入してxとyを消去
すると、
【数14】 ここから、得られた数値を代入してdの値を求めると、
2.4mとなった。さらに[数9]にd=2.4を代入
してxを求め、さらに[数11]のxにその値を代入す
るとεが求まり、その値は8.3である。このようにし
て比誘電率εと埋設物(パイプ2)の深さdを求めるこ
とができる。
【0027】さらに埋設物は第1と第2の位置の中央鉛
直下方にあることがわかっているので、深さdが求まれ
ば埋設物の埋設位置を求めることができる。上述したよ
うに、比誘電率と埋設物の深さは一般式で記述すること
ができるので、第1、第2、第3の位置の位置関係や反
射時間の数値データが求まれば、代入するだけで比誘電
率と埋設位置を求めることができる。即ち、容易に且つ
短時間でこれらを求めることができる。
【0028】また、第3の位置5は第2の位置4の一直
線上であったが、別に一直線上である必要はない。第3
の位置の相対的な位置関係がわかれば、方程式は複雑に
なり計算量が増加するものの、埋設物の鉛直上方埋設場
所表面の位置と第3の位置との距離を算出することがで
き第3の位置から埋設物までの距離を算出した後、比誘
電率と埋設物の埋設位置を同様に求めることができる。
【0029】〔実施例2〕次に実施例2について説明す
る。図2は実施例2に用いた比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定装置を示す説明図である。この測定装置に
は、それぞれの間の距離がrである3組の第1、第2、
第3送受信アンテナ61、62、63と、これら送受信
アンテナから得られる反射時間を検知する反射時間検知
装置7と、3つのうちいずれか2つの反射時間が共に等
しくなるような埋設物の位置を検知する位置検知装置8
と、比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定結果を表示す
る表示装置10と比誘電率又は埋設物の埋設位置を算出
する演算処理装置11が設けられている。ただし実施例
2においては、埋設物はパイプ2とし、埋設場所は地中
1としている。第1、第2、第3送受信アンテナ61、
62、63は、地表面に近接して配置している。
【0030】位置検知装置8では、反射時間検知装置7
で得られる3つの反射時間のうち、いずれか2つの反射
時間が等しいということから、パイプ2までの距離が互
いに略等しいとし、さらにこのことから送受信アンテナ
の中央にパイプがあると判断している。実施例では第1
送受信アンテナ61と第2送受信アンテナ62の間にパ
イプがあると判断できるように位置検知装置を設けてい
る。第1送受信アンテナ61と第2送受信アンテナ62
の中央にパイプ2があると判断すると、その地点におけ
る第1、第2送受信アンテナ61、62の反射時間t1
と第3送受信アンテナ63の反射時間t2 を反射時間検
知装置7にて検知し、演算処理装置11はこれら反射時
間のデータを取り込む。そしてこれらデータをもとに、
上述した方法と同様に演算処理装置11にて比誘電率と
埋設物(パイプ2)の深さが算出される。算出後は、表
示装置10にて、結果が表示される。
【0031】〔実施例3〕次に実施例3について説明す
る。図3は本発明の比誘電率又は埋設物の埋設位置の測
定方法を示す説明図である。
【0032】以下、比誘電率と埋設物の測定方法につい
て説明する。まず、第1、第2、第3の位置3、4、5
を通る直線をx軸、鉛直下方向きにy軸を設定した。た
だし地表面でのy座標は0となるようにした。ここで第
1の位置3における座標を(x1 、0)、そこでの反射
時間をt1 、第2の位置4における座標を(x2
0)、そこでの反射時間をt2 、第3の位置5における
座標を(x3 、0)、そこでの反射時間をt3 とし、パ
イプ2の埋設位置の座標を(x、y)とする。ここで、
x、y軸や原点は任意に設定してもよい。
【0033】εを地中の比誘電率、cを光の速度(3×
108 m/s)とする。第1、第2、第3の位置とパイ
プ2との距離から
【数15】
【数16】
【数17】 ここで、[数15]から[数16]の辺々を引くと、
【数18】 従って、
【数19】 同様に、[数16]と[数17]から
【数20】 同様に、[数17]と[数15]から
【数21】 となる。
【0034】次に、これら3つのパイプ2の埋設位置の
x座標について、分散の度合いを調べる。まず、適当な
比誘電率εの値を設定し、分散、即ち
【数22】 を求める。ただし、
【数23】 である。所定のステップずつ比誘電率を変更するごと
に、上述した作業を繰り返し、分散が最小となるときの
比誘電率εと埋設位置の3つのx座標を求める。そし
て、このときの比誘電率εと3つのx座標の平均値を埋
設場所の比誘電率、及びパイプ2の埋設位置のx座標と
する。また、パイプ2の埋設位置のy座標は[数15]
より
【数24】 から求められる。このようにして比誘電率εと埋設物
(パイプ2)の埋設位置を求めることができる。
【0035】〔実施例4〕次に実施例4について説明す
る。図4は実施例4に用いた比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定装置を示す説明図である。図4において、埋
設場所である地中1には実施例1と同様に、埋設物とし
てパイプ2が地下2.0mに埋設されている。地中の比
誘電率は予め別の方法で求めたところ16であった。ま
た、この装置には、それぞれの間の距離が1mであり一
直線上に設けられた3組の送受信アンテナ61,62,
63と、これら送受信アンテナから得られる反射時間を
検知する反射時間検知装置7と比誘電率又は埋設物の埋
設位置の測定結果を表示する表示装置10と比誘電率又
は埋設物の埋設位置を算出する演算処理装置11とから
構成されている。第1、第2、第3送受信アンテナ6
1,62,63は、地表面に近接して配置している。
【0036】第1の位置にある第1送受信アンテナ61
で送信される電磁波がパイプ2に反射して受信するまで
に要する反射時間t1 を反射時間検知装置7で測定す
る。このとき測定したt1 の値は29.8nsであっ
た。同様に、第2の位置にある第2送受信アンテナ62
での反射時間t2 は37.7nsであり、第3の位置に
ある第3送受信アンテナ63での反射時間t3 は48.
1nsであった。演算処理装置11はこれら反射時間を
のデータを取り込み、実施例3で述べた方法にて比誘電
率と埋設物(パイプ2)の埋設位置を算出する。実施例
ではεは1から28までステップ1ずつ増加させていっ
た。このときの[数22]のグラフを図5に示す。ここ
で分散が最小となるときのεは16であることから、上
述したようにして、パイプ2は図の左端の送受信アンテ
ナ61の鉛直下方2mのところにあることがわかる。こ
のようにして比誘電率εと埋設物(パイプ2)の埋設位
置を求めることができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の比誘電率又は埋設物の埋
設位置の測定方法によれば、非常に数の少ないパラメー
タで比誘電率又は埋設物の埋設位置を求めることができ
る。また、パラメータの収集や比誘電率又は埋設物の埋
設位置の算出が非常に容易であるので、測定に工数や時
間がかからない。
【0038】請求項2記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定方法によれば、3次元立体上で連立方程式を
立てるのではなく、2次元平面上の三角形をもとに連立
方程式を立てればよいことになる。よってパラメータが
さらに減少するので連立方程式が簡易になり、解析もさ
らに容易になり、測定に工数や時間がかからない。
【0039】請求項3記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定方法によれば、連立方程式を解くことによっ
て比誘電率又は埋設物の埋設位置を求めることができ
る。連立方程式は従来からある数値解析で解くことがで
きるので、容易に且つ短時間で比誘電率又は埋設物の埋
設位置を求めることができる。
【0040】請求項4記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定方法によれば、パラメータの収集が容易であ
り、比誘電率又は埋設物の埋設位置の算出も従来からあ
る数値解析で解くことができるので、容易に且つ短時間
で比誘電率又は埋設物の埋設位置を求めることができ
る。
【0041】請求項5記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定装置の構成によれば、埋設物が送受信アンテ
ナの中央にあることを特定することができるとともに、
第1と第2、第3の位置関係が既知であることから、測
定の都度、第1と第2の位置の距離や第3の相対位置を
測定する必要がなくなる。よって、測定にかかる手間が
省け、埋設場所表面から容易に且つ短時間で、比誘電率
又は埋設物の埋設位置を測定することができる。
【0042】請求項6記載の比誘電率又は埋設物の埋設
位置の測定装置の構成によれば、第1、第2、第3の位
置関係が既知であることから、測定の都度、第1と第2
の位置の距離や第3の相対位置を測定する必要がなくな
る。よって、測定にかかる手間が省け、埋設場所表面か
ら容易に且つ短時間で、比誘電率又は埋設物の埋設位置
を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における比誘電率又は埋設物
の埋設位置の測定方法を説明する説明図である。
【図2】本発明の実施例2における比誘電率又は埋設物
の埋設位置の測定装置を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施例3における比誘電率又は埋設物
の埋設位置の測定方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施例4における比誘電率又は埋設物
の埋設位置の測定装置を説明する説明図である。
【図5】本発明の実施例4における分散のグラフであ
る。
【符号の説明】
1 地中 2 パイプ 3 第1の位置 4 第2の位置 5 第3の位置 6 送受信アンテナ 61 第1送受信アンテナ 62 第2送受信アンテナ 63 第3送受信アンテナ 7 反射時間検知装置 8 位置検知装置 10 表示装置 11 演算処理装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地中に埋設物が埋設されている埋設場所近
    傍の地表面である第1の位置にある送受信アンテナから
    電磁波が送信され、前記埋設物に反射して前記送受信ア
    ンテナで受信されるまでに要する反射時間と、 前記地表面上であり、且つ反射時間が前記第1の位置に
    おける反射時間と等しくなる第2の位置と、前記第1の
    位置との距離と、 前記送受信アンテナが前記地表面上の任意の位置である
    第3の位置にあるときの前記反射時間と、 前記第1又は第2の位置に対する前記第3の位置の相対
    位置とから前記埋設場所の比誘電率又は埋設物の埋設位
    置を算出することを特徴とする比誘電率又は埋設物の埋
    設位置の測定方法。
  2. 【請求項2】前記第1、第2、第3の位置が、一直線上
    であることを特徴とする請求項1記載の比誘電率又は埋
    設物の埋設位置の測定方法。
  3. 【請求項3】前記第1又は第2の位置における反射時間
    1 と、前記第3の位置における反射時間t2 と、前記
    第1と第2の位置の距離rと、前記第2と第3の位置の
    距離r’と、未知数である埋設場所の比誘電率εと埋設
    物の埋設位置dと前記第1又は第2の位置から埋設物ま
    での距離xと前記第3の位置から埋設物までの距離yと
    から、 下記4つの、 【数1】 【数2】 【数3】 【数4】 これら方程式を連立させ、前記埋設場所の比誘電率又は
    埋設物の埋設位置を算出することを特徴とする請求項2
    記載の比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定方法。
  4. 【請求項4】地中に埋設物が埋設されている埋設場所近
    傍の地表面の一直線上にある任意の第1、第2、第3の
    位置における前記反射時間と、 第1、第2、第3の位置の位置関係とから比誘電率を変
    更しつつ設定し、設定した各比誘電率から想定される複
    数の埋設位置を算出し、得られた想定される複数の埋設
    位置の分散が最小であるときの比誘電率及び埋設位置を
    埋設場所の比誘電率及び埋設物の埋設位置とすることを
    特徴とする比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定方法。
  5. 【請求項5】前記埋設場所に向け電磁波を送信し、埋設
    物からの反射波を受信する送受信アンテナを有する埋設
    場所の比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定装置におい
    て、 前記送受信アンテナが水平方向一直線上に所定距離で配
    設された3組からなり、 前記反射時間を検知する反射時間検知装置と、 前記検知した反射時間を比較して2つの反射時間が等し
    くなるところより埋設物が2組の送受信アンテナ間中央
    の鉛直下方に位置することを検知する位置検知装置と、 前記第1又は第2の位置における反射時間と、前記第3
    の位置における反射時間と、第1、第2、第3の位置の
    位置関係とから比誘電率又は埋設物の埋設位置を算出す
    る演算処理装置とを具備することを特徴とする比誘電率
    又は埋設物の埋設位置の測定装置。
  6. 【請求項6】前記埋設場所に向け電磁波を送信し、埋設
    物からの反射波を受信する送受信アンテナを有する埋設
    場所の比誘電率又は埋設物の埋設位置の測定装置におい
    て、 前記送受信アンテナが水平方向一直線上に所定距離で配
    設された3組からなり、 前記反射時間を検知する反射時間検知装置と、 検知した反射時間と送受信アンテナの位置関係とから、
    比誘電率を変更しつつ設定し、設定した各比誘電率から
    想定される複数の埋設位置を算出し、得られた想定され
    る複数の埋設位置の分散が最小であるときの比誘電率及
    び埋設位置を埋設場所の比誘電率及び埋設物の埋設位置
    とする演算処理装置とを具備することを特徴とする比誘
    電率又は埋設物の埋設位置の測定装置。
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