JPH0813528B2 - 共押出熱収縮性積層フィルム - Google Patents

共押出熱収縮性積層フィルム

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JPH0813528B2
JPH0813528B2 JP1161146A JP16114689A JPH0813528B2 JP H0813528 B2 JPH0813528 B2 JP H0813528B2 JP 1161146 A JP1161146 A JP 1161146A JP 16114689 A JP16114689 A JP 16114689A JP H0813528 B2 JPH0813528 B2 JP H0813528B2
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heat
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正樹 大屋
由治 西本
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呉羽化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はガスバリヤー層が塩化ビニリデン系樹脂から
成り、且つその厚みが6μm以上でフィルムの厚みの30
%以下であり、 シール層がビカット軟化点110℃以上のプロピレン−
エチレンランダム共重合体90〜10重量%とビカット軟化
点100℃以下のエチレン−αオレフィン共重合体または
プロピレン系共重合体10〜90重量%との混合物からな
り、且つ、その厚みがフィルムの厚みの40〜85%であ
り、 中間層の少くとも1個が結晶融点240℃以下のポリア
ミド,熱可塑性ポリエステル及びアイオノマーから選ば
れた樹脂から成り、且つその厚みがフィルムの5〜40%
であり、 外層がオレフィン系樹脂からなり、少なくとも一つの
層間に厚みが0.5〜5.0μmの接着剤層を有し、且つフィ
ルムの厚みが20〜120μmである共押出熱収縮性積層フ
ィルムに関する。
従来の技術 形状が不揃いで、かつ不規則な食品の包装には、一般
に熱収縮包装が用いられる。又、これらの包装には長時
間の保存期間が求められるため、包装材料には酸素に対
するバリヤー性が必要とされる。
食品包装のための酸素ガスバリヤー性のある熱収縮性
フィルムとしては塩化ビニリデン系樹脂(以下PVDCと略
称する)単独フィルムが用いられてきた。しかし、PVDC
単独フィルムは低温時の機械的強度が小さいため、PVDC
とオレフィン樹脂の積層フィルムの開発が行なわれ、PV
DCとオレフィン樹脂の積層フィルムとして多数のフィル
ムが提案されている。
これらのフィルムに関して特開昭60−120050にはガス
バリヤー層が6μm以上で全層の厚みに対して30%以下
のPVDC、両外層もしくは少くとも一層がエチレン−酢酸
ビニル共重合体(以下EVAと略称する)もしくは線状低
密度ポリエチレン(以下LLDPEと略称する)もしくはそ
の混合物の如きオレフィン系樹脂からなり、内層に全層
の厚みに対して5〜40%の厚みをもつ少なくとも1層の
結晶融点が240℃以下を有するポリアミドもしくは熱可
塑性ポリエステルを有し、且つ夫々の層間に接着剤層を
もつことからなる熱収縮性筒状積層フィルムが開示され
ている。
又、特開昭60−97847には、ガスバリヤー層がPVDC,両
外層もしくは少なくとも一層が実施例においてEVAもし
くはLLDPEもしくはその混合物の如きオレフィン系樹脂
からなり、内層に全層の厚みに対し5〜20%の厚みをも
つ少なくとも一層のアイオノマー樹脂を有し、且つそれ
ぞれの層間に接着剤層をもつ熱収縮性積層フィルムが開
示されている。
更に、特開昭62−80043には少くとも1つの外側重合
体層、内側熱シール性層及び随時該内側層間の酸素遮閉
層を含んでなる優れた熱収縮及び冷シール性を有する熱
可塑性の多層包装フィルムにおいて、熱シール性層がエ
チレンおよび共重合体に基づいてx〜y重量%の、分子
当りの炭素数が4〜8のα−オレフィンとの共重合体を
含んでなる、但しx=0.5nc+8及びy=1.25nc+15で
あり、なおncがα−オレフィンの炭素数であり、また該
共重合体が920kg/m3以下の密度を有する、該熱可塑性多
層包装フィルムが開示されている。
しかし、これらのフィルムでは、長時間のボイルにお
ける熱シール強度の耐熱性、耐白化性(透明性低下)、
耐ピンホール性、フィルム開口性、熱収縮率等のバラン
スにおいて充分とは云い難い点があった。
本発明者は、長時間のボイルにおける熱シール強度の
耐熱性、耐白化性、耐ピンホール性、フィルム開口性、
熱収縮率及び延伸性において、バランスのとれた実用性
のある共押出熱収縮性積層フィルムを得るべく鋭意研究
の結果、ポリオレフィン層/ポリアミド層又は熱可塑性
ポリエステル層又はアイオノマー層/ガスバリヤー層/
ポリオレフィン層からなる共押出積層フィルムであっ
て、該オレフィン層からなるシール層が比較的厚くかつ
特定のプロピレン−エチレンランダム共重合体を含む層
である共押出熱収縮性積層フィルムを見出し、本発明を
成すに至った。
問題点を解決するための手段 本発明のフィルムは、ガスバリヤー層がPVDCから成
り、且つその厚みが6μm以上でフィルムの厚みの30%
以下であり、 シール層がビカット軟化点110℃以上のプロピレン−
エチレンランダム共重合体90〜10重量%とビカット軟化
点100℃以下のエチレン−αオレフィン共重合体または
プロピレン系共重合体10〜90重量%との混合物からな
り、且つ、その厚みがフィルムの厚みの40〜85%であ
り、 中間層の少くとも1層が結晶融点240℃以下のポリア
ミド,熱可塑性ポリエテル,及びアイオノマーから選ば
れた樹脂からなり、その厚みがフィルムの5〜40%であ
り、 外層がオレフィン系樹脂からなり、 層間の少なくとも一つに夫々の厚みが0.5〜5.0μmの
接着剤層を有し、且つフィルムの厚みが20〜120μmで
ある共押出熱収縮性積層フィルムである。
本発明の共押出熱収縮性積層フィルムはPVDC、ポリオ
レフィン、ポリアミド又は熱可塑性ポリエステル、又は
アイオノマー、接着剤樹脂を共押出積層し、冷却、加熱
延伸することにより製造される。
本発明の熱収縮性積層フィルムはガスバリヤー層であ
るPVDC層が比較的厚いので製造時ダイ流路内での滞留時
間が短く、熱分解が起り難いという製造上の長所があ
る。更に外層もしくはシール層のオレフィン系樹脂とPV
DC層の間には少くとも一層の特定な厚みのポリアミド層
もしくは熱可塑性ポリエステル層もしくはアイオノマー
層を配置するので耐ピンホール性、適当な剛性を有し、
フィルム開口性がよくしかも均一な延伸性即ち熱収縮率
を得ることができる。
本発明ではバリヤー層として使用されるPVDCは65〜95
重量%の塩化ビニリデン及びこれと共重合可能な不飽和
単量体の少なくとも1種の5〜35重量%からなる共重合
体である。共重合可能な単量体としては、例えば塩化ビ
ニル、アクリロニトリル、アクリル酸アルキルエステル
(アルキル基炭素数1〜18個)等が包含される。このPV
DC中には必要に応じて、少量の可塑剤、安定剤を含有さ
せてもよい。これらの添加剤は当業者には公知であり、
ジオクチル・アジペート、エポキシ化大豆油等が代表的
なものである。
PVDC層の厚みは6μm以上で全層の厚みに対して30%
以下、好ましくは25%以下である。6μm未満ではダイ
内でポリアミドもしくは熱可塑性ポリエステルと積層し
て押出す際ダイ流路内での滞留時間が長くなってPVDCが
熱分解し共押出が困難になる。又、全層厚みの30%を越
えると積層フィルムの低温時の衝撃強度が低下する。
シール層にはビカット軟化点110℃以上のプロピレン
−エチレンランダム共重合体90〜10重量%とビカット軟
化点100℃以下のエチレン−αオレフィン共重合体また
はプロピレン系共重合体10〜90重量%との混合物が用い
られる。
ビカット軟化点110℃以上のプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体(A)は通常、エチレン含量7%を越え
ない。プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)は
長時間のボイルに耐える素材自体の耐熱性を有するが、
これのみでは熱シール強度の耐熱性、延伸性(従って熱
収縮性)が不安定である。
一方、ビカット軟化点100℃以下のエチレン−αオレ
フィン共重合体またはプロピレン系共重合体(B)はこ
れのみでは素材自体及び熱シール強度の耐熱性、フィル
ム開口性に乏しい。
ビカット軟化点100℃以下のエチレ−αオレフィン共
重合体としてはエチレンとプロピレン,ブテン−1、ペ
ンテン−1,4メチルペンテン−1,ヘキセン−1,オクテン
−1等の炭素数3から8迄のα−オレフィンとの共重合
体が用いられ、密度0.910未満、結晶融点125℃未満で且
つビカット軟化点90℃以下である超低密度ポリエチレン
(以下VLDPEと略称する),LLDPE等が好ましく使用され
る。
またビカット軟化点100℃以下のプロピレン系共重合
体としてはプロピレン−ブテン共重合体,プロピレン−
エチレン共重合体等が用いられる。
プロピレン系樹脂であっても単独重合体、ブロック共
重合体は熱シール強度の耐熱性、延伸性が不安定であ
る。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)とエチ
レン−αオレフィン共重合体もしくは、プロピレン系共
重合体(B)とを特定比で混合することにより、上記の
特徴が得られる。
(A)と(B)との混合物に於ちて、混合比は(A)
/(B)=90〜10/10〜90(重量%)、が用いられる。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)が90重
量%を超えると熱シール強度の耐熱性、延伸性が不安定
であり、(A)が10重量%以下では基材自体の耐熱性、
開口性に乏しい。
シール層で好ましいのはビカット軟化点110℃以上の
プロピレン−エチレンランダム共重合体とビカット軟化
点90℃以下のVLDPEとの混合物、更に好ましくは、ビカ
ット軟化点110℃以上のプロピレン−エチレンランダム
共重合体とビカット軟化点80℃以下のVLDPEとの混合物
である。好ましい混合比は(A)/(B)=90〜40/10
〜60(重量%)であり、更に好ましくは(A)/(B)
=80〜60/20〜40(重量%)である。
シール層がこれらのプロピレン−エチレンランダム共
重合体とエチレン−αオレフィン共重合体またはプロピ
レン系共重合体との混合物からなる層であり、且つその
層厚みがフィルムの厚みの40〜85%好ましくは50〜80%
であることが本発明の特徴の一つである。
外層を構成するオレフィン系樹脂としては、例えば シール層と同じビカット軟化点110℃以上のプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体90〜10重量%とビカット
軟化点100℃以下のエチレン−αオレフィン共重合体ま
たはプロピレン系共重合体10〜90重量%との混合物、 密度0.910未満、結晶融点125℃未満でビカット軟化点
90℃未満のエチレン−αオレフィン共重合体であるVLDP
E、密度が0.910〜0.930のLLDPE、またはVLDPEとLLDPEの
混合物、 結晶融点80℃〜103℃のEVAまたは該EVAと密度0.910〜
0.930のLLDPEもしくはVLDPEとの混合物、 密度0.910未満、結晶融点125℃未満、且つビカット軟
化点85℃未満のVLDPE55重量%以上と密度0.910〜0.930
のLLDPE0〜30重量%未満と結晶融点80〜103℃のエチレ
ンとビニルエステル共重合体、エチレンと脂肪族不飽和
カルボン酸共重合体、エチレンと脂肪族不飽和カルボン
酸エステル共重合体から選ばれた少くとも1種の共重合
体45重量%未満の混合物が用いられ得る。
外層とシール層合計の全厚みは熱シール強度の耐熱性
から全積層フィルムの厚みの50〜80%、好ましくは50〜
70%である。
本発明のポリアミド,熱可塑性ポリエステル及びアイ
オノマーから選ばれた樹脂を中間層に少くとも1層使用
することにより、適度な剛性によるフィルム開口性と延
伸性を備え、積層フィルムの延伸性及び耐ピンホール性
が改良される。ポリアミドもしくは熱可塑性ポリエステ
ルもしくはアイオノマーがポリオレフィン外層により保
護されないと耐ピンホール性の低下が著しい。
中間層としてのポリアミドもしくは熱可塑性ポリエス
テル層もしくはアイオノマー層は、ポリオレフィンの外
層もしくはシール層とPVDCの芯層の間に配置されるので
接着剤を使用することが好ましい。
ポリアミドとしては結晶融点が240℃以下好ましくは2
00℃以下を有するものが用いられ、例えばナイロン6,ナ
イロン69,ナイロン610,ナイロン612,ナイロン9,ナイロ
ン11,ナイロン12,ナイロン6−66,ナイロン6−69,ナイ
ロン6−10,ナイロン6−12,ナイロン6−66−610,ナイ
ロン66−610−12から選ばれた少くとも1種のナイロン
又はヘキサメチレンジアミンと芳香族二塩基酸を含むナ
イロンが使用される。最も好ましくは、結晶融点175〜2
40℃の脂肪族ポリアミドと結晶融点120〜175℃未満の脂
肪族ポリアミドの混合物が使用される。
熱可塑性ポリエステルとしては同様に結晶融点が240
℃以下好ましくは200℃もしくは融点の存在しないもの
であり、酸成分が芳香族2塩基酸と脂肪族2塩基酸から
選ばれたものであり、グリコール成分が脂肪族グリコー
ル、脂環族グリコール又は芳香族グリコールから選ばれ
たグリコール残基からなる共重合ポリエステルが望まし
く使用される。これらのエステルとしては例えば商品名
バイロン、ペルプレン[東洋紡(株)製品]、ハイテル
[グッドイヤー(株)製品]、PET−G[イーストマン
コダック(株)製品]シーラーPT[デェポン(株)製
品]等があげられる。
アイオノマーとしては、エチレン,プロピレン等のα
−オレフィンとアクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸
等の不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸エステルの
一部をケン化した重合体との共重合体の陰イオン部分を
Na+,K+,Mg2+,Ca2+,Zn2+,などの金属イオンで一部中和し
てなるイオン架橋物が用いられる。通常Na+及びZn2+
用いられる。2価金属イオンで一部中和してなるアイオ
ノマーにポリアミドオリゴマーが含まれているものでも
よい。フィルムの基体自体の耐熱性からはポリアミド,
熱可塑性ポリエステルが好ましい。
尚、本発明において結晶融点は差動走査型熱量計(メ
トラー社製TA−3000)を用い、サンプル8mg、昇温速度
8℃/分で測定して得られた融解曲線の最大値を示す温
度である。ポリアミドもしくは熱可塑性ポリエステルは
結晶融点が240℃を越えると共押出温度が高くなりPVDC
と共押出しが困難となる。又、ポリアミドもしくは熱可
塑性ポリエステル層もしくはアイオノマー層が2層以上
あるときは相互に同種のものであっても又異ったもので
あってもよい。この層はフィルムの厚みに対し5〜40
%、好ましくは5〜30%、より好ましくは10〜20%の厚
みをもつことが必要である。2層以上ある時はその総計
の厚みが5〜40%になる。層厚みが5%未満では延伸
製、フィルム剛性に寄与し得ない、40%を越えると熱シ
ール強度の耐熱性、耐ピンホール性の低下とともに中間
層としてアイオノマー層を配置する場合を除きPVDC層と
の共押出しが困難となる。
接着層を形成する材料としては酢酸ビニル含量13〜28
%のエチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル
含量13〜28%のエチレン−アクリル酸エステル共重合
体,エチレン−αオレフィン共重合体(例えばVLDPE,LL
DPE),ビカット軟化点100℃以下のプロピレン系共重合
体の各不飽和カルボン酸変性物、もしくは該酸変性物の
金属変性物等及びこれらを含む混合物が好ましく使用さ
れる。
これらの接着層は、好ましくはポリオレフィン層とポ
リアミドもしくは熱可塑性ポリエステル層もしくはアイ
オノマー層の間に設けられる。
各接着層の厚みは、0.5〜5μm好ましくは1〜3μ
mであり、積層フィルムの全層の厚みは20〜120μm、
好ましくは30〜100μmである。
本発明の共押出熱収縮性フィルムは積層数に応じた押
出機を用いて環状ダイスを使用して押出される。本発明
で使用されるダイスの1例として第1図に全層の会合部
分を示す模式図を示す。第1図で7は複合流であり、例
えば1はオレフィン系樹脂、2はPVDC、4はポリアミド
もしくは熱可塑性ポリエステルもしくはアイオノマー、
6はプロピレン−エチレンランダム共重合体を含む樹
脂、8は接着性樹脂の各樹脂の流路を示す。第1図のよ
うに、ポリアミドもしくは熱可塑性ポリエステルの流路
の両側に断熱空間3,5を設けることが好ましく、この断
熱空間を設けることによりポリアミド、熱可塑性ポリエ
ステルが高温に押出されてもPVDC層などに直接温度が伝
達されることを防ぐことができ、PVDC層など比較的熱分
解し易い樹脂と共押出することが可能となる。
このようにして押出された積層物は常法に従い2軸延
伸インフレーション法により各々延伸され共押出熱収縮
性積層フィルムが得られる。
また、必要に応じ公知の方法で表層側から(例えば特
表昭64−500180)もしくはPVDCより内側層から(例えば
特開昭47−34565)電子線照射してもよい。
効 果 本発明の共押出熱収縮性積層フィルムは、剛性、フィ
ルム開口性、耐ピンホール性、熱シール強度の耐熱性、
耐白化性、熱収縮率及び延伸性においてバランスのとれ
た優れた積層フィルムであり、且つ包装時の作業性にも
優れた積層フィルムである。
本発明のシール層はビカット軟化点110℃以上のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体とビカット軟化点10
0℃以下のエチレン−αオレフィン共重合体またはプロ
ピレン系共重合体との混合物であり、かつその厚みがフ
ィルム厚みの40〜85%と厚いため熱シール強度の耐熱性
が良く、且中間層のポリアミド、熱可塑性ポリエステル
又はアイオノマーとで延伸性の向上、熱収縮率の維持向
上を可能にする。
また、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル,アイオノ
マーが外層にないので耐ピンホール性も改善向上する。
以下、実施例につき説明するが、本発明は本特許請求
の範囲内である限り本実施例により限定されるものでは
ない。
実施例1〜7,比較例1〜6 第1表記載の樹脂を複数の押出機で別々に押出し、溶
融された材料を共押出し、第1図にあるような断熱空間
(3,5)を有する環状ダイスに流入しここで積層物とし
た。該ダイスから流出した積層物の筒状体を15〜25℃の
冷却槽で冷却し扁平幅204mm、厚さ370μmの筒状体とし
た。次に、80〜120℃の延伸温度となる様に調節された
前記筒状体を、約4秒加熱した。
その後、筒状体をインフレーション法により長手方向
に2.5倍、筒状体の直径に対し、2.5倍に延伸した。得ら
れた2軸延伸フィルムの折り径は約500mm、厚さ約60μ
mであった。
第1表に使用した重合体の物性、第2表にフィルムの
物性試験方法、第3表に積層フィルムの層構成及び第4
表にフィルムの物性試験結果を示す。
尚第3表において第7層がシール層に相当する。
備 考 *1 共押出性 1.共押出が連続2日以上可能。
2.共押出が1日連続運転可能。
3.共押出が連続1時間以内しかできなかった。
評価が、2,3のフィルムは実用上不適当である。
*2 延伸性 1;優れている フィルム厚みむらが少なく製袋性が優れる。
2;良好 フィルム厚みむらがやゝ多いが製袋性がよい。
3;やや劣る 延伸は可能だがフィルム厚みむらが多い。
4;不良 延伸はできるが安定性がない。
フィルム厚みむらが多い。
評価が3,4のフィルムは実用上不適当である。
*3 熱シール強度の耐熱性 1.耐える 2.デラミ気味であるが耐える 3.耐えない 評価が3のフィルムは実用上不適当である。
*4 耐白化性 1.透明性良い 2.やゝ白化 3.白化、層間剥離する 評価が3は実用上不適当 *5 耐ピンホール性 1.優れている 800回以上 2.良好 500回以上 3.劣る 500回未満 評価が3のフィルムは実用上不適当である。
*6 フィルムの開口性 1.優れている 殆んどブロッキングしない。
2.良好 ブロッキングするが開口できる。
3.不良 ブロッキングして作業性不良となる。
評価が3のフィルムは実用上不適当である。
第3表と第4表の実施例1〜7から明らかなように本
発明の熱収縮性積層フィルムは延伸性にすぐれ、熱シー
ル強度の耐熱性、耐白化性、耐ピンホール性、フィルム
開口性、熱収縮率等のバランスにおいて優れている。し
かも本発明の層構成は共押出性もよいので製造が容易で
ある。
比較例1はPVDCの厚みが薄く、ポリアミドの厚みが厚
みので共押出性が乏しい。又シール層がプロピレン−エ
チレンランダム共重合体単独で厚みも薄いため延伸性,
熱シール強度の耐熱性も乏しい。また、外層にポリアミ
ドがあるので耐ピンホール性が悪い。比較例2はPVDC層
の厚みが厚いので共押出性が乏しい、又シール層がプロ
ピレン−ブテン共重合体単独なので熱シール強度の耐熱
性、フィルム開口性が乏しい。比較例3はシール層が範
囲外の樹脂のため熱シール強度の耐熱性が乏しく中間層
にポリアミド,熱可塑性ポリエステル等がなく、範囲外
の混合物を使用しているため延伸性、フィルム開口性に
乏しい。
比較例4は、特開昭62−80043に基ずく構成であり、
外層にポリアミドがあるので耐ピンホール性に乏しく、
シール層が範囲外の重合体厚みなので熱シール強度の耐
熱性、フィルム開口性に乏しい。
比較例5は、特開昭60−120050に基ずく構成であり、
シール層に範囲外の重合体を使用しているので熱シール
強度の耐熱性、耐白化性、フィルム開口性に乏しい。
比較例6は、特開昭60−97847に基ずく構成である
が、シール層に本願の範囲外の重合体を使用しているの
で熱シール強度の耐熱性、耐白化性が劣る。
【図面の簡単な説明】
第1図は環状ダイスの模式図で全層の会合部分を示した
説明図である。 1……オレフィン系樹脂流路、2……PVDC流路、4……
ポリアミド又は熱可塑性ポリエステル又はアイオノマー
流路、7……複合流、3,5……断熱空間、6……プロピ
レン−エチレンランダム共重合体を含む樹脂流路、8…
…接着性樹脂流路。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスバリヤー層が厚み6μm以上で全層の
    厚みの30%以下の塩化ビニリデン系樹脂、 シール層がビカット軟化点110℃以上のプロピレン−エ
    チレンランダム共重合体90〜10重量%とビカット軟化点
    100℃以下のエチレン−αオレフィン共重合体またはプ
    ロピレン系共重合体10〜90重量%との混合物からなり、
    且つ、その厚みがフイルムの厚みの40〜85%であり、 中間層の少くとも1層が結晶融点240℃以下のポリアミ
    ド,熱可塑性ポリエステル及びアイオノマーから選ばれ
    た樹脂から成り、且つその厚みがフィルムの5〜40%で
    あり、 外層がオレフィン系樹脂からなり、 少なくとも一つの層間に厚みが0.5〜5.0μmの接着剤層
    を有し、且つフィルムの厚みが20〜120μmである共押
    出熱収縮性積層フィルム。
  2. 【請求項2】シール層のエチレン−αオレフィン共重合
    体が密度0.910未満、結晶融点125℃未満で且つビカット
    軟化点90℃以下である超低密度ポリエチレンから成る請
    求項(1)記載の共押出熱収縮性積層フイルム。
  3. 【請求項3】外層がビカット軟化点110℃以上のプロピ
    レン−エチレンランダム共重合体90〜10重量%のビカッ
    ト軟化点100℃以下のエチレン−αオレフィン共重合体
    もしくはプロピレン系共重合体10〜90重量%との混合物
    からなる請求項(1)又は(2)に記載の共押出熱収縮
    性積層フィルム。
  4. 【請求項4】外層が該超低密度ポリエチレン、密度が0.
    910〜0.930の線状低密度ポリエチレン及びこれらの混合
    物から選ばれたエチレン−αオレフィン共重合体である
    請求項(1)または(2)記載の共押出熱収縮性積層フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】外層が結晶融点80℃〜103℃のエチレン−
    酢酸ビニル共重合体、または該エチレン−酢酸ビニル共
    重合体と密度0.910〜0.930の線状低密度ポリエチレンも
    しくは該超低密度ポリエチレンとの混合物から成る請求
    項(1)又は(2)記載の共押出熱収縮性積層フィル
    ム。
  6. 【請求項6】外層が該超低密度ポリエチレン55重量%以
    上と密度0.910〜0.930の線状低密度ポリエチレン0〜30
    重量%未満と結晶融点80〜103℃のエチレンとビニルエ
    ステル共重合体、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸共
    重合体、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸エステル共
    重合体から選ばれた少くとも1種の共重合体45重量%未
    満の混合物から成る請求項(1)又は(2)記載の共押
    出熱収縮性積層フィルム。
  7. 【請求項7】ガスバリヤー層の厚みが6μm以上でフィ
    ルム厚みの25%以下で、外層とシール層の全厚みが該フ
    ィルム厚みの50〜80%で、中間層であるポリアミド層、
    熱可塑性ポリエステル層又はアイオノマー層の厚みが該
    フィルム厚みの5〜30%、且つ各接着剤層の厚みが1.0
    〜3.0μmである請求項(1)又は(2)記載の共押出
    熱収縮性積層フィルム。
  8. 【請求項8】塩化ビニリデン系樹脂が塩化ビニリデン−
    塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリ
    ル共重合体もしくは塩化ビニリデン−アルキルアクリレ
    ート共重合体(アルキル基の炭素数1〜18)である請求
    項(1)又は(2)記載の共押出熱収縮性積層フィル
    ム。
  9. 【請求項9】ポリアミドがナイロン6,ナイロン69,ナイ
    ロン610,ナイロン612,ナイロン9,ナイロン11,ナイロン1
    2,ナイロン6−66,ナイロン6−69,ナイロン6−10,ナ
    イロン6−12,ナイロン6−66−610,ナイロン66−610−
    12から選ばれた少くとも1種のナイロン又はヘキサメチ
    レンジアミンと芳香族二塩基酸を含むナイロンである請
    求項(1)又は(2)記載の共押出熱収縮性積層フィル
    ム。
  10. 【請求項10】ポリアミドが結晶融点175〜240℃の脂肪
    族ポリアミドと結晶融点120〜175℃未満の脂肪族ポリア
    ミドとの混合物である請求項(1)又は(2)記載の共
    押出熱収縮性積層フィルム。
  11. 【請求項11】ポリエステルが脂肪族二塩基酸もしくは
    芳香族二塩基酸と脂肪族グリコール、環状脂肪族グリコ
    ールまたは芳香族グリコールとの縮合によって得られた
    ものである請求項(1)又は(2)記載の共押出熱収縮
    性積層フィルム。
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