JP2542296B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2542296B2 JP3202958A JP20295891A JP2542296B2 JP 2542296 B2 JP2542296 B2 JP 2542296B2 JP 3202958 A JP3202958 A JP 3202958A JP 20295891 A JP20295891 A JP 20295891A JP 2542296 B2 JP2542296 B2 JP 2542296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性ポリエステル樹
脂、ポリエステルエラストマー及び塩化ビニリデン樹脂
(以後、PVDCと称する)からなる樹脂組成物に関す
【0002】
【従来の技術】生肉や畜肉加工品などの脂肪性食品の様
な、その形状が不揃いかつ不規則な食品の包装には、一
般に収縮包装が最も簡便である。これらの食品包装は長
時間の保存期間が求められるので、優れた酸素ガスバリ
ヤー性[30℃、 100%RHの下で200cc /m2 ・day ・
atm 以下]を必要とするのみならず、すぐれた耐寒強度
を必要とする。
【0003】PVDCフィルムは収縮性は勿論、酸素ガ
スバリヤー性、耐油性及び結紮性等の性能に優れ広く普
及している。しかし、通常のPVDCは重量物の包装等
の苛酷な条件下では強度、特に低温度下における強度
(耐寒強度)が不十分な場合があり、これら欠点のない
包装材料が望まれている。
【0004】アメリカ特許4,725,651 には、テレフタル
酸とエチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノー
ルからなるポリエステル共重合体樹脂とPVDCとから
なる樹脂組成物が開示されており、得られた成形物は酸
素ガスバリヤー性及び機械的強度がすぐれていることが
示されている。
【0005】しかし、上述のPVDCとポリエステルの
混合樹脂組成物では耐寒強度の点で未だ満足なものとは
言えない。
【0006】また、PVDCを酸素ガスバリヤー層と
し、他の樹脂を積層して酸素ガスバリヤー性、耐寒強度
のよい熱収縮性フィルムを得ようとする試みが行われ、
例えば可塑剤、安定剤等の添加剤が極めて少ない或いは
殆ど含有しないPVDCの中間層と、その両側に一対の
外層としての耐寒性及びPVDCとの接着性に優れたエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)層とを共押出し
して3層とし、耐寒性も向上させる3層フィルムが提案
されている(カナダ特許第982923)。
【0007】一方、PVDCを一層とする熱収縮性積層
フィルムで酸素ガスバリヤー性、高度の耐寒強度のみな
らず耐メルトホール性、耐熱シール性(シール部の耐熱
性)、収縮後も透明性を失わないという高度の機能を兼
ね備えたフィルムも特に加工肉、チーズのような脂肪性
食品の包装の場合に必要とされる。すなわち、熱収縮性
フィルムでは脂肪性食品を包装殺菌する際、油と熱で軟
質化されたフィルムが薄く伸ばされて破れたり(メルト
ホール)、殺菌する際発生する熱収縮応力により、シー
ル部又はその近傍で破れる問題が生ずることが度々認め
られる。従って、酸素ガスバリヤー性のみならず耐メル
トホール性、及び耐熱シール性のある又低温流通時にピ
ンホール等が発生することのない十分な耐寒性を有し、
収縮後も透明性の優れた熱収縮性フィルムが業界から要
望されている。
【0008】このような熱収縮性積層フィルムとしては
電子線で外層を架橋したフィルムが用いられ、例えば順
に(1) 有機重合体を含有する第1層、(2) 積層物の酸素
透過度が(ASTM標準D1434 に従い、22.8℃及び相対
湿度0%で測定して)70cc/m2 ・day ・atm よりも大
きくないような低い酸素透過性を有するPVDCに基づ
く酸素ガスバリヤー層、及び(3) 酷使に対して耐性を有
する有機重合体を含有する、熱収縮包装に使用するのに
適する柔軟な積層物において、層1が重量で5〜20%の
酢酸ビニルに由来する単位を含有するエチレン及び酢酸
ビニルの配向された共重合体を含有し、且該重合体が照
射により架橋され、酸素ガスバリヤー層2が重量で70〜
85%の塩化ビニリデンに由来する単位および重量で30〜
15%の塩化ビニルに由来する単位を含有して、そして層
3が(i) 重量で5〜20%の酢酸ビニルに由来する単位を
有するエチレンおよび酢酸ビニルの共重合体又は(ii)ア
イソタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロ
ピレン及びポリブテン−1のブレンドを含有することを
特徴とする積層物(特公昭58−43024)が知られている。
【0009】また、照射によって架橋してあるアルファ
ーモノオレフィン重合体を含んでなる基層フィルム層
(1) と照射によって架橋可能である重合体を含んでなる
フィルム層(2) とを有するフィルム積層体の全層積層物
を照射してフィルム(2) の重合体を架橋させそして基層
フィルム層(1) の重合体をさらに架橋させ延伸されたフ
ィルム積層物の耐層間剥離性の改良法(特公昭61−4785
9)とか、塩化ビニリデン−メチルアクリレート共重合体
を含む酸素ガスバリヤー層を含有する多層フィルムで該
多層フィルムが約1〜約5メガラッドの線量レベルに照
射されたものであるプライマル及びサブプライマル肉切
身及び加工肉を包装するのに適した熱収縮性2軸延伸多
層フィルム(特開昭62−3948)、及び主要割合のエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体から構成された組成の第1及び
第2層と、その第1及び第2の層の間に配置され、PV
DCから構成された組成のそれぞれが、 1.5メガラッド
以上の電子ビーム照射に相当する量で、架橋結合された
ものである分子配向多層重合体フィルム(特開昭62−23
752)が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸素ガ
スバリヤー性、耐寒強度を有する単層の熱収縮性フィル
ムとして使用する場合、アメリカ特許第 4,725,651号の
樹脂組成物はポリエステル共重合体のガラス転移温度が
高いため食品流通段階で採用される低温度での耐ピンホ
ール性が劣る。また、押出し成形の際樹脂の分解が激し
く生産性が低いという缺点を有する。また高度の機能を
必要とする熱収縮性積層フィルムとしては例えばEVA
/PVDC/EVA構成フィルムは熱シール可能な且耐
寒強度の良い酸素ガスバリヤー性に優れた積層フィルム
であり、よくPVDC単層の欠点を補っているものの、
耐メルトホール性、耐熱シール性は乏しい。
【0011】また、PVDC層の両側に存在する一対の
ポリオレフィンからなる積層体に熱収縮性を与えるた
め、一般的には該ポリオレフィンの結晶融点より40℃以
上低くない温度で延伸していることから、PVDC層に
十分な延伸配向効果を与えることが出来ず、PVDC層
の熱収縮率は乏しく、積層体を熱収縮させた場合、PV
DC層が収縮挙動から取り残されて折れ曲がり、収縮後
の積層体の透明性を著しく阻害する傾向にある。
【0012】従って、酸素ガスバリヤー性、高度の耐寒
強度のみならずすぐれた耐メルトホール性及び耐熱シー
ル性を有する、また収縮後も透明性の優れた熱収縮性フ
ィルムの提供が食品包装分野で切望されている。
【0013】本発明は特定の樹脂組成物を用いることに
より、酸素ガスバリヤー性及び耐寒強度のすぐれた熱収
縮性フィルムを提供することを目的とする。更にこの樹
脂組成物からなる一層を有する、電子線照射を受けても
分解による着色、低温度でのピンホールによる酸素ガス
バリヤー性の劣化が認められず、更に収縮後の透明性が
改善された熱収縮性積層フィルムを提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに用いられる本発明の樹脂組成物は熱可塑性ポリエス
テル樹脂26〜70重量%、ポリエステルエラストマー10〜
30重量%とPVDC20〜44重量%からなる樹脂組成物で
あり、この樹脂組成物からなる層を少くとも1層有する
2軸延伸熱収縮性フィルムにより耐寒強度、酸素ガスバ
リヤー性を有する熱収縮フィルムを得ることができる。
【0015】また、上述の3元混合樹脂からなる酸素ガ
スバリヤー層である中間層、ポリアミド又は架橋性ポリ
オレフィンの外層、該外層と同種又は異種の架橋性ポリ
オレフィンからなる内層、低架橋性ポリオレフィンから
なる熱シール層である最内層からなる積層体で、電子線
照射により少なくとも外層、内層及び熱シール層が架橋
されており、且つ90℃における熱収縮率が15%以上であ
る酸素ガスバリヤー性2軸延伸熱収縮性フィルムにより
その目的を達成し得る。
【0016】本発明の樹脂組成物は熱可塑性ポリエステ
ル樹脂26〜70重量%好ましくは36〜65重量%とポリエス
テルエラストマー10〜30重量%好ましくは10〜20重量%
とPVDC20〜44重量%好ましくは25〜44重量%とから
なる。
【0017】熱可塑性ポリエステル樹脂としては、2塩
基酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイ
ン酸、トリメリット酸、コハク酸、ベンゼンジカルボン
酸、ドデカンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルジカルボン酸、2,2−ビス(4−カルボキ
シフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシフェニ
ル)メタン、シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げるこ
とが出来、またこれらのジアルキルエステル(アルキル
として炭素数C1 〜C4 )を使用することができる。
【0018】又、ジアルコール成分としては直鎖ジアル
コールが好ましく、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等
があげられる。
【0019】これらの熱可塑性ポリエステル樹脂の中で
2塩基酸成分がテレフタル酸とイソフタル酸の混合物で
あり、ジアルコール成分が上述のものであるポリエステ
ル樹脂であって、 0.5g/100ml のトリフルオロ酢酸の
濃度で、30℃の温度で、0.5乃至0.7dl /gの
固有粘度(IV値)を有するものが好ましく用いられる。
テレフタル酸とイソフタル酸の割合は55モル%以上90モ
ル%以下のテレフタル酸と45モル%以下10モル%以上の
イソフタル酸の混合物が好ましい。
【0020】更に好ましくはテレフタル酸とイソフタル
酸からなる混合2塩基酸成分とエチレングリコールとジ
エチレングリコールからなる混合ジアルコール成分から
形成されたポリエステル樹脂であり、エチレングリコー
ルとジエチレングリコールの割合として60〜98モル%と
2〜40モル%のものが特に好ましい。
【0021】本発明に用いるポリエステル樹脂はPVD
Cと相溶性のないことが好ましくその好ましい例として
は、鐘紡(株)製PIFG−40をあげることができ、こ
のものはガラス転移温度が68℃でテレフタル酸−イソフ
タル酸−エチレングリコール−ジエチレングリコール共
重合樹脂である。
【0022】ポリエステル樹脂が70重量%を越えると、
ポリエステルエラストマーの割合が小さくなるため耐寒
強度が不満足になるので好ましくなく21重量%以下では
ポリエステル成分がマトリックスとならない。。
【0023】ポリエステルエラストマーとしては、 (イ) ジカルボン酸 (ロ) 低級グリコール (ハ) 高級グリコール を主成分とするポリエステル−ポリエーテル共重合体が
好ましく使用される。
【0024】(イ) 成分はテレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、及び脂環族ジ
カルボン酸等から選ばれる。
【0025】(ロ) 成分は、1,4ブタンジオール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、p−キシ
リレングリコール、シクロヘキサングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール等の芳香族、脂肪族、脂環族グリ
コールなどから選ぶことが出来る。
【0026】(ハ) 成分としては、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール及びこれらの共重合体グリコールである。
好ましくはエチレンセグメントとしてC8 〜C20程度の
ものである。
【0027】本発明に用いるポリエステルエラストマー
の好ましい例は、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4
ブタンジオール−ポリテトラメチレレングリコール共重
合樹脂[例えば、東レ・デュポン(株)製ハイトレル#
2501]があげられる。
【0028】ポリエステルエラストマーは、この3元混
合樹脂に柔軟性を付与する効果があり、10重量%未満で
は耐寒性が発現し難く、又、30重量%を超えると光学的
な透明性及び酸素ガスバリヤー性がわるくなるので好ま
しくない。本発明に用いるポリエステルエラストマーの
重量平均分子量は 0.5×104 〜3×104 程度、好ましく
は 0.8×104 〜 2.5×104 が望ましい。
【0029】これらのポリエステルエラストマーは適当
量添加されるため、PVDC、ポリエステル樹脂及びポ
リエステルエラストマーの混合物は透明性が阻害されず
に耐寒強度を飛躍的に向上させることができる。
【0030】PVDCとしては、塩化ビニリデンを主成
分とし、これと共重合し得る単量体との共重合体が用い
られ、塩化ビニリデン成分が65〜95重量%であることが
好ましい。塩化ビニリデン含量が65重量%より少ないと
常温でゴム状となり、結晶性も失われ、酸素ガスバリヤ
ー性が極端に劣化し、実用的ではなく、又95重量%以上
では融点が高くなり過ぎ、熱分解し易くなり、安定な溶
融押出し加工が困難となる。
【0031】塩化ビニリデン単量体と共重合し得る単量
体としては、例えば塩化ビニル、アクリロニトリル、ア
クリル酸、メタクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜18
のアクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数1
〜18のメタクリル酸アルキルエステル、無水マレイン
酸、マレイン酸、マレイン酸アルキルエステル、イタコ
ン酸、イタコン酸アルキルエステル、酢酸ビニル、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン等の不飽
和単量体の1種又は2種以上から選ばれたものが用いら
れる。
【0032】塩化ビニリデン系樹脂には必要に応じて可
塑剤、安定剤を添加することが出来る。可塑剤及び安定
剤の添加量はPVDCに対して各々 0.1〜3重量%が好
ましく、可塑剤及び安定剤が 0.1重量%より少ないと効
果は認められない。又、3重量%より多い場合は酸素ガ
スバリヤー性が低下し本発明の目的に合わなくなる。
【0033】安定剤としては、市販の熱安定剤が使用さ
れるが、特にエポキシ系安定剤が好ましい。エポキシ系
安定剤を具体的に示せば、大豆油、サフラワー油、サン
フラワー油、アマニ油、綿実油、ヒマワリ油等のエポキ
シ化植物油、及びエポキシ化ステアリン酸オクチルに代
表されるエポキシ化脂肪酸モノエステル、不飽和脂肪酸
のグリコールエステルをエポキシ化して得られるエポキ
シ化脂肪酸ジエステル、エポキシヘキサヒドロフタル酸
ジエステルに代表される脂環系エポキシド等が例示され
る。
【0034】このようなポリエステル、ポリエステルエ
ラストマー及びPVDCからなる樹脂組成物は常法によ
り押出機にて溶融押出し、インフレーション法等により
2軸延伸もしくはプレス成形、T−ダイ成形後、2軸延
伸されバリヤー性及び耐寒強度のすぐれた熱収縮性フィ
ルムを形成することができる。
【0035】熱収縮率は90℃で15%以上であることが好
ましい。単層フィルムで用いる場合の厚さとしては8〜
100 μm 、好ましくは10〜60μm が望ましい。
【0036】本発明では公知の2軸延伸手段で縦方向、
横方向に各々2倍以上の延伸倍率で延伸することにより
PVDCはポリエステル樹脂及びポリエステルエラスト
マー中に細長く延伸された扁平な多層状態となる(マイ
クロレヤー状態)ので酸素ガスバリヤー性は無延伸フィ
ルムに比して優れている。
【0037】PVDCが20重量%より少ないと酸素ガス
バリヤー性が乏しくなり、又、44重量%を超えると電子
線照射した場合分解による着色が生じ好ましくない。
【0038】又、ポリエステルエラストマーのようなP
VDCと相溶性の樹脂のみとの混合では、マイクロレヤ
ー状態となることができないので、2軸延伸時における
酸素ガスバリヤー性向上の効果が生じない。
【0039】本発明の樹脂組成物は2軸延伸熱収縮性積
層フィルムの酸素ガスバリヤー層としても使用すること
ができる。このような熱収縮性積層フィルムとしては中
間層として本発明の樹脂組成物からなる酸素ガスバリヤ
ー層、ポリアミド又は架橋性ポリオレフィンの外層、該
外層と同種又は異種の架橋性ポリオレフィンからなる内
層、低架橋性ポリオレフィンからなる熱シール層からな
る積層体で、電子線照射により少くとも外層、内層及び
熱シール層が架橋されており、且つ90℃における熱収縮
率が15%以上であるものが好ましい。
【0040】外層として用いるポリアミド樹脂として
は、結晶融点 210℃以下好ましくは 180℃以下のポリア
ミド樹脂が用いられる。ポリアミド樹脂の結晶融点はA
STM−D648 に基づいて測定されたものである。
【0041】このようなポリアミド樹脂として脂肪族
(C4 〜C12)ポリアミド、脂環族ポリアミド、芳香族
ポリアミドの少なくとも1種が用いられる。ポリアミド
を構成する単量体としては、例えば、炭素数C6 〜C12
の直鎖ω−アミノカルボン酸及びそのラクタム、アジピ
ン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘプタデカ
ンジカルボン酸、ヘキサメチレン・ジアミン、イソフタ
ル酸、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、
2,2−ビス−(4′−アミノシクロヘキシル)−プロ
パン、テレフタル酸もしくはそのジメチルエステル、
1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、
1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチ
ル−シクロヘキサン等が好ましく、これ等から形成され
る重合体及び共重合体が用いられる。これ等のうちナイ
ロン6−66、ナイロン6−69、ナイロン6−11、ナイロ
ン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66−610 、ナイロ
ン6−66−610 −612 等が好適である。 結晶融点が 2
10℃以上のポリアミド樹脂は積層物の溶融押出し時に加
工温度が高くなりPVDCが分解しやすく、良好な加工
が困難となる。
【0042】外層もしくは内層に使用される架橋性ポリ
オレフィンとしてはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
(EVA、酢酸ビニル含有量5〜20重量%のものが好ま
しい)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂
[(メタ)アクリル酸含有量5〜20重量%のものが好ま
しい]、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
樹脂[(メタ)アクリル酸エステル含有量5〜20重量%
のものが好ましい]、エチレン−(メタ)アクリル酸ア
リル共重合樹脂[(メタ)アクリル酸アリル含有量0.00
5 〜2モル%、更に好ましくは0.01〜 1.0モル%のもの
が好ましい]、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリ
ル酸アリル共重合樹脂[酢酸ビニ含有量5〜20重量%、
(メタ)アクリル酸アリル含有量0.005 〜2モル%、更
に好ましくは0.01〜 1.0モル%のものが好ましい]、エ
チレン−α−オレフィン−(メタ)アクリル酸アリル共
重合樹脂(α−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン
−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテ
ン−1、オクテン−1、デセン−1等及びこれらの混合
物が用いられる)、エチレン−1,4ジエン共重合樹
脂、エチレン−プロピレン−1,4−ジエン共重合樹
脂、気相法重合による線状低密度ポリエチレン、アイオ
ノマー樹脂から選ばれた少くとも1種の樹脂が用いられ
る。ここに(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくは
メタアクリル酸を指す。
【0043】熱シール層として最内層(被包装品に接す
る側)に使用される低架橋性ポリオレフィンとしては、
溶液重合法による線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、エチレン−プロピレン共重合樹脂、プロピレン−
ブテン共重合樹脂、低密度ポリエチレンから選ばれた1
種或いはこれ等の混合物が用いられる。低架橋性ポリオ
レフィンとは前記架橋性ポリオレフィンに比し同一電子
線による照射に際し、比較的架橋し難いポリオレフィン
である。このようなポリオレフィンを使用することによ
り、照射によりシール層は熱シール適性範囲が広くな
り、シール強度も未照射のものに比し大巾に向上する反
面過度の架橋により熱シール性が低下することがない。
【0044】接着層に用いる接着剤としては、α−オレ
フィン重合体の誘導体、例えばポリエチレン又はポリプ
ロピレンに不飽和カルボン酸もしくはその無水物をグラ
フト付加させた重合体もしくはその塩、α−オレフィン
−酢酸ビニル共重合体またはその誘導体及びα−オレフ
ィン−不飽和カルボン酸共重合体又はその誘導体、例え
ばエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体及びこれ
らの各重合体のいずれかに不飽和カルボン酸もしくはそ
の無水物をグラフト付加させた重合体もしくはその塩が
例示される。グラフト重合する不飽和カルボン酸もしく
はその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸等が使用され、その量はもと
の重合体に対し0.01〜5重量%が好ましい。特に好まし
い接着性重合体としては、エチルアクリレート含有量が
5〜25重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)及び酢酸ビニル含有量が5〜25重量%のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体に無水マレイン酸を0.05〜0.
5 重量%グラフト付加したものが挙げられる。これ等の
接着層は、電子線照射により架橋し接着層と隣接する層
との接着をより強固なものにする。
【0045】本発明で用いる「架橋された」という表現
は後述する架橋度合いの目安としてのゲル%値が5%以
上であることを言う。好ましいゲル%値の範囲としては
外層、内層にあっては20〜80%更に好ましくは30〜80%
の範囲にあることが望ましい。20%未満では耐メルトホ
ール性の改善効果が少ない。又、熱シール層にあっては
10〜40%、好ましくは10〜30%の範囲にあることが望ま
しい。熱シール層の架橋度合いが高くなり過ぎるとシー
ル強度がでなくなるので、熱シール層のゲル%値は40%
を超えないことが望ましい。
【0046】電子線照射量は1〜12メガラッド、好まし
くは1〜10メガラッドの範囲である。照射線量が1メガ
ラッド未満では架橋の程度が少なすぎ、架橋の効果を得
るに至らない。又、照射線量が12メガラッドを超える
と、積層フィルムの着色及び熱シール層の架橋過多によ
るシール強度の低下が生じ好ましくない。
【0047】本発明の積層フィルムにおいて、外層、内
層の厚さは5〜30μm が好ましい。外層が30μm を越え
ると延伸時の応力が大きくなりすぎ製膜が不安定になる
ので好ましくない。酸素ガスバリヤー層は5〜20μm が
好ましい。5μm 未満では酸素ガスバリヤー効果が不十
分になるので好ましくない。最内層の熱シール層は5〜
30μm が好ましい。接着層は1〜5μm が好ましい。積
層体の全層の厚さは25〜 125μm が好ましい。
【0048】本発明の積層フィルムの層構成としては外
層/中間層/内層/熱シール層又は外層/内層/中間層
/熱シール層で示すことが出来、必要に応じて各層間も
しくは中間層の両面に接着層を配することが出来る。
【0049】熱シール層は被包装品と接する側即ち最内
層であり、外層はもう一方の外層即ち最外層であり、中
間層と内層は外層と熱シール層の間にはさまれて存在す
る。これらの積層フィルムは2軸延伸されることにより
90℃での熱収縮率が15%以上の熱収縮性フィルムとな
る。該積層フィルムが効果的に使用される分野は、生
肉、加工肉、チーズなどの脂肪性食品の様な形状が不揃
い且不規則な食品の包装であり、使用したフィルムの90
℃での熱収縮率が15%より小さいときは内容物との密着
が不足して、肉汁分離の問題を起こし、商品価値を著し
く落とすため好ましくない。包装体の酸素ガスバリヤー
性は 200cc/m2 ・day ・atm 以下の酸素透過度が必要
であり、 100cc/m2 ・day ・atm 以下であることが好
ましい。 200cc/m2 ・day ・atm を超えると内容物の
日持ちが短くなるとともに、外観が損なわれるので好ま
しくない。
【0050】本発明の2軸延伸熱収縮性積層フィルムを
製造する方法の一例を説明すると次の通りである。酸素
ガスバリヤー層(中間層)としてPVDCの粉末とポリ
エステルエラストマー及びポリエステル樹脂のペレット
を所定の混合比率で混合した混合物、外層及び内層とし
ての架橋性ポリオレフィン樹脂、熱シール層としの架橋
性ポリオレフィン樹脂を必要に応じて接着性樹脂ととも
に通常の手段により複数の押出し成形機により各々溶融
混練し、次に積層用環状ダイに導入し外層/接着剤層/
酸素ガスバリヤー層/接着剤層/内層/熱シール層の順
に積層して共押出しする。得られた溶融筒状体を10〜20
℃の冷水シャワーリングによって急冷した後、扁平筒状
体とし、電子線照射装置に導入し、線量1〜12メガラッ
ドを積層体全層に照射し、次いでインフレーション法に
より50〜 120℃で縦横、各々2倍以上で同時2軸延伸す
ることにより製造することが出来る。この場合、扁平筒
状体の厚み方向の照射線量を均一にするため、扁平筒状
体の表裏両外層から照射することが好ましい。
【0051】本発明に使用される電子線としては、コッ
クロフト−ワルトン型、バンデグラーフ型、共振変圧器
型、絶縁コア変圧器型、線型加速器、ダイナミトロン
型、高周波型サイクロトロン等の各種電子線加速器から
放出される 150〜1000KeV のエネルギーをもつものが用
いられる。
【0052】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0053】
【実施例】実施例1 樹脂組成物として次の樹脂組成物Aを使用した。
【0054】ポリエステル樹脂としてガラス転移温度が
68℃のテレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコー
ル−ジエチレングリコール共重合樹脂(Iv値=0.52、鐘
紡(株)製PIFG−40)30重量%とポリエステルエラ
ストマーとしてテレフタル酸−イソフタル酸−1,4ブ
タンジオール−ポリテトラメチレングリコール共重合樹
脂(東レ・デュポン(株)製ハイトレル#2501)30重量
%と塩化ビニリデン−メチルアクリレート共重合樹脂
(塩化ビニリデン含有量94%)40重量%に該共重合樹脂
に対し2重量%のエポキシ化大豆油を添加した樹脂とか
らなる混合樹脂。この樹脂組成物Aを単軸押出機(シリ
ンダー径40mm、L/D=24)で溶融混練し、樹脂温度 1
80℃で押出しペレットとした。このペレットを卓上プレ
ス(神藤金属工業所、AYSR5型)を用いて 180℃
(50kg/cm2 、2分間)でプレスし500μm 厚みの試料
を得た。次いで、この試料を2軸延伸機で延伸温度90℃
で縦横各々 3.5倍に延伸し40μm のフィルムを得た。
【0055】実施例2 樹脂組成物として下記のK樹脂を使用する以外は実施例
1と全く同様にして2軸延伸フィルムを得た。
【0056】樹脂K:ポリエステル樹脂としてPIFG
−40 45重量%とポリエステルエラストマーとしてハイ
トレル#2501 15重量%と塩化ビニリデン−メチルアク
リレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量%)
40重量%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ化大
豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0057】実施例3 樹脂組成物として下記のT樹脂を使用する以外は実施例
1と同様にして2軸延伸フィルムを得た。
【0058】樹脂T:ポリエステル樹脂としてPIFG
−40 50重量%とポリエステルエラストマーとしてハイ
トレル#2501 10重量%と塩化ビニリデン−メチルアク
リレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量%)
40重量%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ化大
豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0059】実施例4 樹脂組成物として下記の樹脂を使用する以外は実施例1
と同様にして2軸延伸フィルムを得た。
【0060】ポリエステル樹脂として鐘紡(株)製PI
FG−40 65重量%とポリエステルエラストマーとして
ハイトレル#2501 13重量%と塩化ビニリデン−メチル
アクリレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94%)
22重量%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ化大
豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0061】比較例1 樹脂組成物として樹脂Sを使用する以外は実施例1と同
様にして2軸延伸フィルムを得た。
【0062】樹脂S:ポリエステル樹脂としてPIFG
−40 60重量%と塩化ビニリデン−メチルメタクリレー
ト共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量%)40重量
%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ化大豆油を
添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0063】比較例2 以下の樹脂組成物を使用する以外は実施例1と同様にし
て2軸延伸フィルムを得た。
【0064】樹脂組成物: ポリエステル樹脂としてP
IFG−40 20重量%とポリエステルエラストマーとし
てハイトレル#2501 40重量%と塩化ビニリデン−メチ
ルアクリレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含量94重量
%)40重量%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ
化大豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0065】比較例3 2軸延伸をしない以外は実施例3と同様にして厚さ 500
μm の未延伸プレスシートを得た。
【0066】比較例4 樹脂組成物の代りにポリエステル樹脂PIFG−40のみ
を使用する以外は実施例1と同様にして2軸延伸フィル
ムを得た。
【0067】比較例5 樹脂組成物の代りに塩化ビニリデン−メチルアクリレー
ト共重合樹脂(塩化ビニリデン含量94重量%)に該共重
合樹脂に対し2重量%のエポキシ化大豆油を添加した樹
脂を使用する以外は実施例1と同様にして2軸延伸フィ
ルムを得た。
【0068】実施例1〜4、比較例1〜5で得られたフ
ィルムの熱収縮率、酸素透過度(8μm の厚さに換算し
たもの)及び衝撃突抜きエネルギーを第1表に示す。
尚、物性測定法は第4表に示す。
【0069】
【表1】
【0070】本発明では、実施例1〜4から明らかなよ
うに酸素ガスバリヤー性、耐寒強度を兼ね備えたすぐれ
た熱収縮性フィルムを得ることができた。一般に実用に
供し得る単層熱収縮フィルムとしては、熱収縮率が縦横
各々20%以上、酸素透過度が100cc/m2 ・day ・atm
(8μ換算、30℃、 100%RH)以下、衝撃突抜きエネル
ギーが80mj/40μm 以上であることが必要である。
【0071】一方、比較例1はポリエステルエラストマ
ーを含まないため、低温における衝撃強度(衝撃突抜エ
ネルギーで示される)が劣り、比較例2はポリエステル
エラストマーとポリエステルの量が本発明の範囲外であ
るため、酸素ガスバリヤー性が劣る。比較例3は未延伸
のため酸素ガスバリヤー性が劣り、比較例4、比較例5
は夫々ポリエステル、PVDCの単独フィルムであるた
め夫々酸素ガスバリヤー性、耐寒強度が劣っている。
【0072】実施例5 (1) 中間層(酸素ガスバリヤー層)として実施例1の
樹脂Aを使用した。
【0073】(2) 外層として次の樹脂Bを使用した。
【0074】線状低密度ポリエチレン(日本ユニカ
(株)製、DFDA1137;メルトインデックス=1.0 、
密度= 0.906g/cm3 )と酢酸ビニル含有量 7.5重量%
のEVA(日本ユニカ(株)製、NUC#8425;メルト
インデックス=2.3 、密度=0.93g/cm3 )をそれぞれ
70:30重量%の割合に混合した樹脂。
【0075】(3) 内層としては樹脂Bを使用した。
【0076】(4) シール層として、樹脂C:低密度ポ
リエチレン樹脂(住友化学(株)製F277 −1、メルト
インデックス=2.0 、密度= 0.924g/cm3 )を使用し
た。 (5) 接着層として樹脂D:エチルアクリレート含有量
15重量%のエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂
(日本ユニカ(株)製DPDJ#6182、メルトインデッ
クス=1.5 、密度=0.93g/cm3 )を使用した。
【0077】これらの樹脂A、B、B、C、Dを5台の
押出機で別々に押出し、溶融樹脂を共押出し環状ダイに
導入し、ダイ内で第1表に示されるような7層として共
押出しした。ダイ出口部での溶融筒状体の樹脂温度は、
190℃であった。該溶融筒状体は10〜30℃の冷水シャワ
ーリングによって急冷された扁平幅150mm 、厚さ約 510
μm の扁平筒状体とした。このようにして得られた扁平
筒状体を加速電圧400KeVの電子線照射装置中で10メガラ
ッドの照射線量を与えた。次に、80〜95℃の熱水槽及び
110 ℃の熱風筒中を通過させ、20℃のエアリングで冷却
しながらインフレーション法で縦、横方向に各々3倍に
延伸した。得られた2軸延伸フィルムの折り幅は約450m
m 、厚みは約57μm であった。
【0078】実施例6 内層として樹脂E:酢酸ビニル含有量 7.5重量%のEV
A(日本ユニカ(株)製、DPDJ#8425)を使用する
以外は実施例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製
造した。
【0079】実施例7 外層として樹脂Eを使用し、筒中の熱風の温度を95℃に
する以外は実施例5と全く同様にして2軸延伸フィルム
を製造した。
【0080】実施例8 外層及び内層として樹脂F:アクリル酸メチル含有量1
2.0重量%のエチレン−メタアクリル酸メチル共重合樹
脂(三井・デュポン(株)製Nucrel N1202)にノニオン
系帯電防止剤(日本油脂(株)製エレガンS−100)を10
00ppm 添加したものを使用し筒内の熱風の温度を95℃に
する以外は実施例5と全く同様にして2軸延伸フィルム
を製造した。
【0081】実施例9 外層及び内層として樹脂G:アクリル酸含有量6重量%
のエチレン−アクリル酸共重合樹脂(エクソン社製Esco
re#TR5001、メルトインデックス=2.0 、密度=0.93
g/cm3 、溶融温度= 102℃)にノニオン系帯電防止剤
(日本油脂(株)製、エレガンS−100)を1000ppm 添加
した樹脂を使用し、筒中の熱風の温度を95℃にする以外
は実施例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製造し
た。
【0082】実施例10 外層として樹脂H:共重合ナイロン6−12(東レ(株)
製CM6541X3、密度=1.06、溶融温度= 130℃)、接
着層として樹脂I:酸グラフトEVA(三菱油化(株)
製E− 100H、メルトインデックス=2.3 、密度=0.9
4、溶融温度=93℃)を使用する以外は実施例5と全く
同様にして2軸延伸フィルムを製造した。
【0083】実施例11 シール層として樹脂J:線状低密度ポリエチレン(三井
石油化学(株)製、UZ1030L、メルトインデックス=
3.0 、密度=0.910 、溶融温度= 120℃)を使用する以
外は実施例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製造
した。
【0084】実施例12 酸素ガスバリヤー層として実施例2のK樹脂を使用する
以外は実施例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製
造した。
【0085】実施例13 外層として樹脂L:エチレン−1,4ジエン共重合樹脂
(三菱油化(株)製ROP2D、メルトインデックス=
2.6 、密度= 0.923g/cm3 )を使用し、照射線量を6
メガラッドに変更する以外は実施例5と全く同様にして
2軸延伸フィルムを製造した。
【0086】実施例14 酸素ガスバリヤー層として下記の樹脂Qを使用する以外
は実施例5と同様にして2軸延伸フィルムを製造した。
【0087】樹脂Q:ポリエステル樹脂としてテレフタ
ル酸−エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメ
タノール共重合樹脂(イーストマンコダック社製kodar
PETG)30重量%とポリエステルエラストマーとしてハイ
トレル#2501 30重量%と塩化ビニリデン−メチルメタ
クリレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量
%)40重量%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ
化大豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0088】実施例5〜14で得られたフィルムの層構成
及び物性試験結果を第2表に一括して示す。
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】比較例6 酸素ガスバリヤー層として下記の樹脂Mを使用する以外
は実施例5と同様にして2軸延伸フィルムを製造した。
【0092】樹脂M:ポリエステル樹脂としてPIFG
−40 80重量%とポリエステルエラストマーとしてハイ
トレル#2501 15重量%と塩化ビニリデン−メチルアク
リレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量%)
5重量%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ化大
豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0093】比較例7 酸素ガスバリヤー層として樹脂Nを使用する以外は実施
例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製造した。
【0094】樹脂N:ポリエステル樹脂としてPIFG
−40 30重量%とポリエステルエラストマーとしてハイ
トレル#2501 10重量%と塩化ビニリデン−メチルアク
リレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量%)
60重量%に該共重合樹脂に対し、2重量%のエポキシ化
大豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0095】比較例8 酸素ガスバリヤー層として樹脂Oを使用する以外は実施
例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製造した。
【0096】樹脂O:ポリエステル樹脂として Kodar P
ETG 60重量%と塩化ビニリデン−メチルアクリレート共
重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量%)40重量%に
該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ化大豆油を添加
した樹脂とからなる混合樹脂。
【0097】比較例9 酸素ガスバリヤー層として比較例1の樹脂Sを使用する
以外は実施例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製
造した。
【0098】比較例10 酸素ガスバリヤー層として樹脂Pを使用する以外は実施
例5と全く同様にして2軸延伸フィルムを製造した。
【0099】樹脂P:ポリエステルエラストマーとして
ハイトレル#2501 60重量%と塩化ビニリデン−メチル
アクリレート共重合樹脂(塩化ビニリデン含有量94重量
%)40重量%に該共重合樹脂に対し2重量%のエポキシ
化大豆油を添加した樹脂とからなる混合樹脂。
【0100】比較例11 (1) 酸素ガスバリヤー層として 樹脂R:塩化ビニリデン−メチルアクリレート共重合樹
脂(塩化ビニリデン含有量94重量%)にエポキシ化大豆
油2重量%を分散した樹脂を使用する以外は実施例5と
同様にして2軸延伸フィルムを製造した。
【0101】比較例12 フィルム構成は実施例5と全く同じであり、電子線照射
を行なわず延伸した。延伸は80〜85℃の熱水槽及び 100
℃の熱風筒中を通過させ、20℃のエアリングで冷却しな
がらインフレーション法で縦、横方向にそれぞれ 2.3倍
に延伸した。得られた2軸延伸フィルムの折り幅は345m
m 、厚さは96μm であった。
【0102】尚、実施例5と同じ延伸条件(熱水槽:80
〜95℃、熱風筒中の温度 110℃)ではインフレーション
出来なかった。
【0103】比較例6〜12で得られたフィルムの層構成
及び物性測定結果を第3表に一括して示す。
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】尚、第4表に物性測定方法を示す。ここ
で、ポリオレフィン層のゲル%値は2軸延伸積層フィル
ムからポリオレフィン層を取り出してゲル%値を測定し
た。
【0107】
【表6】
【0108】
【表7】
【0109】本発明では、実施例から明らかなように、
耐熱シール性、耐メルトホール性、耐寒強度、透明性に
すぐれたフィルムを得ることができた。
【0110】本発明の目的に適合する積層フィルムは耐
メルトホール性で破損数0個以内、耐寒強度○、熱収縮
率15%以上、ヘイズ8%以下、酸素透過度 200cc/m2
・day・atm 以下、着色度合はB以上、シール強度 1.8k
g/15mm以上であってシール溶断を生じないものが必要
である。
【0111】比較例6は、中間層に占めるPVDCの重
量比率が少ないため、十分な酸素ガスバリヤー性が出な
い。
【0112】比較例7は、中間層に占めるPVDCの重
量比率が多過ぎるため、PVDCがマトリックスとなり
電子線照射時に分解を生じるため着色し且つ耐寒強度も
劣っている。
【0113】比較例8は、中間層に適量のポリエステル
エラストマーを含まないため耐寒強度の改善が達成出来
なかった。また、共押出し時点で、中間層が熱分解によ
り既に着色していた。
【0114】比較例9は、中間層に適量のポリエステル
系エラストマーを含まないため耐寒強度の改善が達成出
来なかった。
【0115】比較例10は、中間層がPVDCとポリエス
テルエラストマーとの2成分からなる組成物であるた
め、相溶系となり酸素ガスバリヤー性が大幅に劣化し
た。
【0116】比較例11は、中間層がPVDCのみなの
で、耐寒強度が弱く、電子線照射時の分解による着色が
強い。
【0117】比較例12は、電子線照射をしない場合で、
通常の延伸倍率で製膜できないばかりか、延伸倍率を低
くしても、シール強度、シール溶断性及びメルトホール
性は架橋していないために悪い。また、延伸温度を充分
に上げることができないため熱収縮後、中間層の収縮が
不足し、折れ曲がり積層体の透明性が劣っていた。
【0118】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は特定比率のPVD
C、熱可塑性ポリエステル樹脂及びポリエステルエラス
トマーの混合物なのでこの樹脂組成物を熱収縮性フィル
ムに使用した時酸素ガスバリヤー性、耐寒強度及び透明
性に優れている。すなわち、ポリエステルエラストマー
の添加量が適度であるため透明性を阻害せず、耐寒強度
を向上させることができ、また酸素ガスバリヤー層の混
合樹脂のPVDCの重量比率を44重量%以下とし、該酸
素ガスバリヤー層を延伸することによりPVDC粒子を
扁平な多層状態とすることにより酸素ガスバリヤー性を
維持し、且つ電子線照射を受けても分解による着色の程
度が軽減される。
【0119】また、この樹脂組成物からなる層を酸素ガ
スバリヤー層とする本発明の2軸延伸熱収縮性フィルム
は電子線により少くとも外層、内層及び熱シール層が架
橋されているため、上述の効果に加えて更に次のような
効果を有している。
【0120】(1) 酸素ガスバリヤー層を酷使から保護
出来る。
【0121】(2) 電子線照射により、ポリオレフィン
層の耐熱性が飛躍的に向上し該積層フィルムの耐熱性が
改善出来る。
【0122】(3) 熱シール層に低架橋性ポリオレフィ
ン樹脂を使用しているため、熱シール適性温度範囲が広
く採れるとともに、電子線未照射のものに比しシール強
度も大幅に向上出来る。
【0123】(4) 接着層を設ける場合には接着層も架
橋されるので、沸騰水に近い温度でボイルされても各層
間のずれによる白濁が防止出来ボイル後も透明性のある
フィルムを得る事が出来る。
【0124】この結果、好ましくは酸素透過度が 200cc
/m2 ・day ・atm 以下であり、メルトホール性[サン
プル5枚中破損数0]、ヘイズ8%以下、シール強度
1.8kg/15mm以上の熱収縮性積層フィルムを得ることが
できた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂26〜70重量
    %、ポリエステルエラストマー10〜30重量%および塩化
    ビニリデン樹脂20〜44重量%からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂がテレフタル
    酸とイソフタル酸からなる混合2塩基酸成分とエチレン
    グリコールとジエチレングリコールからなる混合ジアル
    コール成分から形成されたものである請求項1記載の樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステルエラストマーがテレフタル
    酸とイソフタル酸からなる混合2塩基酸成分と、1,4
    −ブタンジオールとポリテトラメチレングリコールから
    なる混合ジアルコール成分から形成されたものである請
    求項1記載の樹脂組成物。
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