JP3798257B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カール性が改善されたポリエチレンテレフタレート積層フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、ポリエチレンテレフタレート層とプロピレン系重合体層を含む積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートフィルムとしては、一般には二軸延伸などの延伸した結晶性フィルムが知られており、耐熱性に優れ、優れた機械強度および寸法安定性を有しており、加えて耐薬品性にも優れているので、食品包装、写真フィルム、電器絶縁分野など各種用途への利用が試みられている。
【0003】
一方、インフレーション法による無延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムも開発されている。この無延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムは、薄膜化が可能で、薄膜ながら腰強度があり、無味・無臭性で保香性であるという特徴を有しており、低燃焼カロリーでヒートシール性があるという性質を備えている。
【0004】
無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、その特性から食品包装材、軽包装ラミネート製品のシーラント基材、ブリスター成形基材などへの利用が期待されている。
【0005】
ところが、これら無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、空冷インフレーション法で製膜する際、フィルムの成形安定性を保つのが困難であるという問題を有している。
【0006】
また、無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは、ある程度のヒートシール性を有するものの、ヒートシール強度が十分ではない。そのためヒートシール性に優れた樹脂との積層が必要となる。
【0007】
ポリエチレンテレフタレートの積層フィルムは、成形後に巻き込むようなそりが生じ易いという性質がある。巻き込むようにそる現象はカーリングと呼ばれており、その性質をカール性と呼ぶこととする。このカーリングは、ときにはフィルムのちぢれとなって現れたり、幅の狭いフィルムでは渦巻状態となったりすることがある。
【0008】
カール性のため、成形工程でのトラブルとなったり、フィルム使用時の作業性を落す結果となるため、ポリエチレンテレフタレート積層フィルムのカール性を改善することが望まれていた。
【0009】
本発明者らは、ポリエチレンテレフタレートの積層フィルムの成形においては、生産性の高い空冷式インフレーション法で成形したフィルムにおいて特にカーリングが起こり易いので、空冷式インフレーション法で成形してもカール性が改善された積層フィルムが得られる技術を開発することが課題であることを見出した。
【0010】
そこで、本発明者らは、ポリエチレンテレフタレート積層フィルムのカール性を改善する技術を開発すべく鋭意研究を重ねた結果本発明に到達したのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒートシール性を有し、カール性が改善されたポリエチレンテレフタレート積層フィルムを提供することを目的とするものである。さらには、本発明は、空冷式インフレーション法で成形しても、改善されたカール性を示すポリエチレンテレフタレート積層フィルムを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、空冷式インフレーション法によって成形されたポリエチレンテレフタレート層の片面に、密度が0.89g/cm以下であるプロピレン系重合体層が、積層されたかまたは接着樹脂層を介して積層された積層フィルムを提供する。
【0014】
ポリエチレンテレフタレートが実質的に無延伸である前記積層フィルムは、本発明の好ましい態様である。
【0015】
前記プロピレン系重合体が、プロピレンを主たる割合で含むプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体である積層フィルムは、本発明の好ましい態様である。
【0016】
また、本発明は、空冷式インフレーション法によって成形されたポリエチレンテレフタレート層の片面に、密度が0.89g/cm以下であるプロピレン系重合体層が、無水マレイン酸で変性したポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体またはポリプロピレンからなる接着樹脂層を介して積層された積層フィルムを提供する。
【0017】
【発明の実施の具体的形態】
本発明は、カール性が改善されたポリエチレンテレフタレートフィルムを提供するものである。さらに具体的には空冷式インフレーション法によって成形されたポリエチレンテレフタレート層の片面に、密度が0.89g/cm以下であるプロピレン系重合体層が、積層されたかまたは接着樹脂層を介して積層された積層フィルムを提供する。
以下に本発明をより詳細に説明する。
【0018】
ポリエチレンテレフタレート
ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合、またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル交換反応によって重合された芳香族ポリエステルである。
【0019】
本発明のポリエチレンテレフタレートは、酸成分としてテレフタル酸の一部が他の酸成分に置き換わったコポリマーであってもよい。他の酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンカルボン酸などを挙げることができる。これらの中でもイソフタル酸が好ましく使用される。
【0020】
また本発明のポリエチレンテレフタレートは、ジオール成分としてエチレングリコールの一部が他のジオール成分に置き換わったコポリマーであってもよい。他のジオール成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどを挙げることとができる。これらの中でも1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが好ましく使用される。
【0021】
本発明のポリエチレンテレフタレートでは、酸成分の一部およびジオール成分の一部が共に他の成分に置き換わったコポリマーであってもよい。
【0022】
本発明のポリエチレンテレフタレートは、固有粘度IVが0.6dl/g以上、好ましくは0.7dl/g以上のものが望ましい。
【0023】
プロピレン系重合体
プロピレン系重合体とは、プロピレンを主たる構成単位とする重合体をいう。プロピレン系重合体の例としては、プロピレンと他のα−オレフィンの共重合体を挙げることができる。プロピレン系重合体に、少量のα−オレフィン以外の単量体単位が含まれていても差し支えない。
【0024】
プロピレンを主たる割合で含むとは、全構成単量体単位中プロピレンによる構成単位が50(モル)%以上存在することをいう。
【0025】
ここで他のα−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1などのプロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンが好ましく、さらに好ましくはプロピレンを除く炭素数2〜8のα−オレフィンである。
【0026】
本発明のプロピレン系重合体の好ましい具体例としては、プロピレンを主たる割合で含むプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体などを挙げることができる。
【0027】
プロピレンを主たる割合で含むプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体としては、プロピレン/エチレンの共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体、ポリプロピレン部分とエチレン/プロピレン共重合体部分を有するいわゆるプロピレンブロック共重合体、などを挙げることができる。
【0028】
またポリプロピレン部分とエチレン/プロピレンなどのαーオレフィン共重合部分を含む、または複数種のαーオレフィン共重合体を含むポリマーアロイもプロピレンを主たる割合で含む限り本発明のプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体として使用することができる。これらポリマーアロイは、重合工程において製造されたものがより好ましく使用できる。
【0029】
本発明のプロピレン系重合体の密度は、0.89g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.89〜0.86g/cmであり、さらに好ましくは0.89〜0.88g/cmであることが望ましい。
【0030】
本発明のプロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTN D−1238に従って温度230℃、荷重2.16Kgで測定して、0.4〜15g/10分、好ましくは0.7〜10g/10分であることが望ましい。
【0031】
プロピレン系重合体は耐熱性がよく、このプロピレン系重合体層が存在することにより、ポリエチレンテレフタレートの耐熱性をより発揮させることができる。
【0032】
本発明のプロピレン系重合体において降温比容積変化率比較的小さい重合体がより好ましく使用される。
降温比容積変化率とは、樹脂を溶融状態から冷却するとき、冷却過程における比容積の変化の度合いを表す尺度である。
【0033】
積層フィルム
本発明のポリエチレンテレフタレート層と、プロピレン系重合体層を含む積層フィルムは、ポリエチレンテレフタレートからなる層(A)の片面に、該プロピレン系重合体からなる層(B)が積層されている構造を含む積層フィルムである
【0034】
本発明の積層フィルムにおいては、層(A)と層(B)の間に接着樹脂層を存在させてもよい。接着樹脂層を存在させることにより間の接着をより強固にすることができる。
【0035】
接着樹脂としては、接着効果を有する樹脂であれば特に制限なく使用することができるが、好ましい接着樹脂として無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸で変性したオレフィン系重合体を挙げることができる。好ましい変性したオレフィン系重合体の例は、無水マレイン酸で変性したポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体またはポリプロピレンなどである。
【0036】
上記接着樹脂を、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはプロピレン系重合体と混合して使用することも可能である。ポリエチレンテレフタレートおよび/またはオレフィン系重合体との組成物として本発明の積層フィルムとすれば、接着樹脂層を存在させる場合と同様に十分な層間接着強度を得ることができる。
【0037】
本発明のフィルムの成形にあたって、成形方法には特に制限はなく、従来公知の成形方法を採用することができる。好ましい成形方法の例として、ポリエチレンテレフタレートおよびオレフィン系重合体とを、また必要に応じて接着樹脂を、それぞれ溶融状態で、フィードブロック部あるいは口金部で合流させ共押出させてフィルムを成形する方法が挙げられる。フィルムの成形にあたっては、インフレーション成形法やキャスト成形法を好ましい方法として挙げることができる。
【0038】
本発明の共押出成形法により、無延伸のポリエチレンテレフタレートフィルムをフィルムの成形安定性が非常によい状態で成形することができる。
【0039】
中でもインフレーション法は、生産性が高いので好ましいフィルム成形法として推奨される。インフレーション法では、インフレーションチューブの冷却を水冷式とすれば、光透過度のより高いフィルムが得られ、空冷式とすればマット性のフィルムが得られるので、幅広い性質のフィルム製造を可能とする。
【0040】
生産性の高い空冷式インフレーション法によって製造した積層フィルムにおいて、カーリングが起こり易いので、本発明の効果は空冷式インフレーション法において特に顕著に現れる。
【0041】
得られたフィルムに更に延伸や、熱処理や、その他の従来公知の後処理を施すことは何ら制限されるものではない。
【0042】
本発明のポリエチレンテレフタレートおよび/またはプロピレン系重合体には、得られる積層フィルムの物性を損なわない範囲で、必要に応じて顔料、染料、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、柔軟剤、ブロッキング防止剤などを添加することもできる。
【0043】
【発明の効果】
本発明により、ヒートシール性を有するとともに、カール性が改善されたポリエチレンテレフタレート積層フィルムが得られる。
本発明により、生産性の高い空冷式インフレーション法によっても、カール性の改善されたポリエチレンテレフタレート積層フィルムを得ることができる。
【0044】
本発明の積層フィルムは、その優れた性質から、食材、加工食品、たばこ、ペットフードのなどの包装材、医療用廃棄物滅菌処理用袋などの袋、ラミネートフィルムなどに好適に利用されうる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例によって何ら制限されるものではない。
【0046】
本発明においてフィルムのカール性は以下の方法で測定し、後記基準で判定した。
カール性の測定:
試料フィルムを15cm×15cmの大きさに切り取り、フィルム中央部に1cm角の接着テープを貼り付け、フィルムを粘着テープによってボール紙に貼り付ける。貼り付けた後、10分間フィルムの4辺の挙動を目視で観察し、以下の基準でカール性を判定する。
○:カールが認められなかった。
フィルムの4辺に、実質的に起き上がりが認められない状態である。
△:カールが少し認められた。
フィルムの4辺のいずれかに起き上がりが認められるが、それが1回転以上巻き上がらない状態である。
×:著しいカールが認められた。
フィルムの4辺のいずれかに起き上がりが認めら、それが1回転以上巻き上がってしまう状態である。
【0047】
(実施例1)
固有粘度IVが0.83dl/gのポリエチレンテレフタレート(三菱化学社製 BK2180)、接着層として密度0.88g/cm、MFR2.6g/10minの接着性ポリオレフイン樹脂(三井化学社製アドマーTM SF731)及び密度0.88g/cm3、MFR0.8g/10minのホモポリマーをべ−スとしたプロピレン系ポリマーアロイ(Montell-JPO社製 CatalloyTM・Adflex・KS-081P)を3台の押出機を用いてシリンダー温度が各々270℃、150℃、240℃で加熱溶融させて3層インフレーションフィルム用ダイに導き、3層に接着フィルムを押出し、空冷リングから吹き出された空気で冷却させ、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0048】
(実施例2)
固有粘度IVが0.74dl/gのポリエチレンテレフタレート(三菱化学社製ノバペックスTMIS404)、接着層として密度0.88g/cm3、MFR2.6g/10minの接着性ポリオレフイン樹脂(三井化学社製アドマーTMSF731)及び密度0.88g/cm、MFR0.8g/10minのホモポリマーをべ−スとしたプロピレン系ポリマーアロイ(Montell-JPO社製 CatalloyTM・Adflex・KS-081P)を3台の押出機を用いてシリンダー温度が各々230℃、150℃、240℃で加熱溶融させて3層インフレーションフィルム用ダイに導き、3層に接着フィルムを押出し、空冷リングから吹き出された空気で冷却させ、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0049】
(実地例3)
実施例1で示したのと同じポリエチレンテレフタレートと接着性ポリオレフイン樹脂を用い、もう一方の層に密度0.88g/cm、MFR0.8g/10minのランダムこポリマーをべースとしたプロピレン系ポリマーアロイ(Montell-JPO社製 Catalloy・Adflex Q-100F)を3台の押出機を用いてシリンダー温度が各々270℃、150℃、240℃で加熱溶融させて実施例1と同じく、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0050】
(実施例4)
実施例1で示したのと同じポリエチレンテレフタレートと接着性ポリオレフイン脂を用い、もう一方の層に密度0.88g/cm3、MFR0.8g/10minのホモポリマーをベースとしたプロピレン系ポリマーアロイ (Montell-JPO社製 CatalloyTM・Adflex・KS-081P)と密度0.91g/cm、MFR1.8g/10minのホモポリマーポリプロピレン(グランドポリマー社製 グランドポリプロTME121WA)を70対30の比率でブレンドした密度0.89g/cm3の樹脂を3台の押出機を用いてシリンダー温度が各々270℃、150℃、240℃で加熱溶融させ実施例1と同じく、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0051】
(実施例5)
実施例1で示したと同じポリエチレンテレフタレートと接着性ポリオレフイン樹脂を用い、もう一方の層に密度0.88g/cm3、MFR0.8g/10minのホモポリマーをベースとしたプロピレン系ポリマーアロイ(Montell-JPO社製 CatalloyTM・Adflex・KS-081P)と密度0.91g/cm3、MFR1.8g/10minのホモポリマーポリプロピレン (グランドポリマー社製 グランドポリプロTME121WA)を50対50の比率でブレンドした密度0.89g/cm、MFR1.3g/10minの樹脂を3台の押出機を用いてシリンダー温度が各々270℃、150℃、240℃で加熱溶融させ実施例1と同じく、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0052】
(比較例1)
実施例1で示したと同じポリエチレンテレフタレートと接着性ポリオレフイン樹脂を用い、もう一方の層に密度0.88g/cm3、MFR0.8g/10minのホモポリマーをベースとしたプロピレン系ポリマーアロイ(Montell-JPO社製 CatalloyTM・Adflex・KS-081P)と密度0.91g/cm3、MFR1.8g/10minのホモポリマーポリプロピレン(グランドポリマー社製 グランドポリプロTM E121WA)を30対70の比率でブレンドした密度0.90g/cm、MFR1.5g/10minの樹脂を3台の押出機を用いてシリンダー温度が各々270℃、150℃、240℃で加熱溶融させ実施例1と同じく、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0053】
(比較例2)
実施例1で示したのと同じポリエチレンテレフタレートと接着性ポリオレフイン樹脂を用い、もう一方の層に密度0.90g/cm、MFR4.0g/10minのエチレン含有7.6wt%のブロックコポリマーポリプロピレン(グランドポリマー社製 グランドポリプロTMJ703W)を3台の押出機を用いてシリンダー温度が各々270℃、150℃、240℃で加熱溶融させ実施例1と同じく、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0054】
(比較例3)
実施例1において、密度0.88g/cm、MFR0.8g/10minのホモポリマーをべ−スとしたプロピレン系ポリマーアロイに代えて、密度0.959g/cm、MFR0.65g/10minの高密度ポリエチレン(三井化学社製 ハイゼックスTM5000SF)を用いるほかは同様にして、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0055】
(比較例4)
実施例1において、密度0.88g/cm3、MFR0.8g/10minのホモポリマーをべ−スとしたプロピレン系ポリマーアロイに代えて、密度0.956g/cm、MFR0.04g/10minの高密度ポリエチレン(三井化学社製 ハイゼックスTM7000F)を用いるほかは同様にして、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0056】
(比較例5)
実施例1において、密度0.88g/cm、MFR0.8g/10minのホモポリマーをべ−スとしたプロピレン系ポリマーアロイに代えて、密度0.920g/cm3、MFR0.15g/10minの低密度ポリエチレン(日本ユニカー社製 NUC8042)を用いるほかは同様にして、表1に示す各層の厚さで構成された総厚さ約40μの3層チューブ状のフィルムを得た。
得られたフィルムについて成形後、室温に24時間放置後、前述のカール性測定法に従ってカール性を測定した。結果を表1に示した。
【0057】
【表1】
Figure 0003798257

Claims (4)

  1. 空冷式インフレーション法によって成形されたポリエチレンテレフタレート層の片面に、密度が0.89g/cm以下であるプロピレン系重合体層が、積層されたかまたは接着樹脂層を介して積層された積層フィルム。
  2. ポリエチレンテレフタレートが実質的に無延伸であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記プロピレン系重合体が、プロピレンを主たる割合で含むプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 空冷式インフレーション法によって成形されたポリエチレンテレフタレート層の片面に、密度が0.89g/cm以下であるプロピレン系重合体層が、無水マレイン酸で変性したポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体またはポリプロピレンからなる接着樹脂層を介して積層された積層フィルム。
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