JPH05116262A - 包装用フイルム - Google Patents

包装用フイルム

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JPH05116262A
JPH05116262A JP4082259A JP8225992A JPH05116262A JP H05116262 A JPH05116262 A JP H05116262A JP 4082259 A JP4082259 A JP 4082259A JP 8225992 A JP8225992 A JP 8225992A JP H05116262 A JPH05116262 A JP H05116262A
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敏雄 藤井
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豊光 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品包装用に適したストレッチフィルム、ラ
ップフィルムを得る。 【構成】 少なくとも3層からなる積層フィルムを延伸
したフィルムである。外層および内層は(A)ポリプロ
ピレン100重量部(B)ポリブテン2〜30重量部及
び(C)ジグリセリンモノオレート0.2〜5重量部か
らなる組成物層である。中間層はポリエステル樹脂であ
る。 【効果】 カット性、透明性、耐熱性、粘着性、ガスバ
リア性、非熱収縮性、対環境性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品包装用等に用いられ
る包装用フィルムに関する。詳しくは、本発明はカット
性、透明性、耐熱性、粘着性、ガスバリア性、非熱収縮
性及び食品安全性に優れた包装用フィルムに好適な延伸
積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品包装用に用いられるラップ用
フィルムとしては、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレ
ン、或いはポリ塩化ビニルを主原料とするものが知られ
ている。これらラップフィルムは、電子レンジで食品等
を加熱するのに用いられる場合が多いので、粘着性が良
好であることはもちろんだが、高温時に収縮、溶融、変
色等が起きないこと、すなわち、耐熱性が優れているこ
とが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ塩
化ビニリデン系のフィルムは、加熱時の収縮が大きいと
いう不都合があり、ポリエチレン系のフィルムは油物
(例えば、食肉やてんぷら等)に接触しかつ高熱となっ
た場合は、フィルムが溶融してしまうという欠点があ
り、さらにポリ塩化ビニル系のフィルムは、沸騰熱湯に
接触すると白化現象を起すという問題がある。
【0004】他方、包装用フィルムとして耐熱性を有す
る樹脂としてはポリエチレンテレフタレート樹脂(以
下、PETという)等のポリエステル樹脂が知られてい
る。PETは、優れた耐熱性及び機械的強度を具備して
いるが、粘着性を付与することが困難であるので、単層
フィルムでは、ラップフィルムへの応用が困難である。
また、かかるラップ用フィルムは、カット性(切断のし
易さ)において次のような問題点がある。即ち、ラップ
用フィルムは通常、紙管などのケースに収納してあり、
このケースに取付けられた「のこ刃」と呼ばれる切断刃
に当ててフィルムを引き取って適宜の長さに切断するも
のである。
【0005】フィルムの切断に利用される「のこ刃」と
しては、一般に0.2mm厚程度の鉄板をのこぎり型に
打ち抜いただけの簡単な刃が使用されており、また、こ
の「のこ刃」を支えるケースについても、350〜70
0g/m2程度のコートボール紙製の紙箱が使われてお
り、剛性は極く低い。この種のフィルムは、このような
簡単な切断機構によっても、使用者の意志に従って容易
に切断されることが要請されるのであるが、実際は、ケ
ースや「のこ刃」が変形したりするばかりでなく、フィ
ルムが変形したり、「のこ刃」から外れた位置で切断が
起こったりする場合がある。具体的に述べると、従来の
ポリ塩化ビニリデン系のフィルムは、切断の際、フィル
ムの一部に裂け目ができると、この裂け目が広がって、
「のこ刃」に沿って切断されることなく斜めに切れてし
まう傾向がある。また従来のポリエチレン系のフィルム
は、切断時にかなりの引張力を要し、ケースが曲折した
りするばかりでなく、フィルムが変形したりすることが
ある。
【0006】更に近年、環境等の点から、使用時或いは
焼却時に塩素等が発生しないような包装用フィルムが要
求されてきている。本発明者らは、先にカット性等が良
く、しかも、塩素発生のない包装用フィルムとして、内
外層がポリプロピレン系樹脂組成物から成り、中間層が
脂肪族ポリアミド樹脂から成る包装用フィルムを提案し
た(特願平2−321605号、同3−13550号、
同3−15547号、同3−283346号)。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、更に鋭意
検討を重ねた結果、中間層として、PET等のポリエス
テル樹脂を使用し、その両側に特定組成のポリプロピレ
ン系樹脂組成物から成る内外層を積層した未延伸積層フ
ィルムを、延伸することにより、上記問題点が解消さ
れ、かつポリエステル樹脂本来の特性(耐熱性及び機械
的強度)を損なうことなく、カット性、透明性、耐熱
性、粘着性、ガスバリア性、非熱収縮性および食品安全
性、特に、耐熱性、カット性に優れ、更には環境問題の
点からも好ましい包装用フィルムが得られることを見出
して本発明に到達した。
【0008】即ち本発明の要旨は、少なくとも外層、中
間層及び内層の3層を有し、かつ該外層及び内層が (A)ポリプロピレン系樹脂100重量部 (B)ポリブテン又はポリイソブチレン2〜30重量
部、及び、 (C)ポリグリセリン脂肪酸エステル0.2〜5重量部 を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなり、該中間層
が、 (D)ポリエステル樹脂 からなる積層フィルムを延伸して得られる延伸フィルム
であって、(a)外層及び内層の剪断剥離強度が0.4
kg/cm2 以上で180°剥離強度が4g/50mm以下、
(b)引取り方向に平行方向の引っ張り破断伸度が20
0%以下、(c)引取り方向に平行方向と垂直方向の引
っ張り破断伸度の比(平行/垂直)が3以下、であり、
フィルム全体の厚みが40μm以下で、しかも、上記中
間層の厚みがフィルム全体の厚みの10〜90%の範囲
であることを特徴とする包装用フィルムに存する。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の包装用フィルムは、少なくとも外層、中間層及び内層
の3つの層から構成されている。該フィルムの外層及び
内層は、(A)ポリプロピレン系樹脂100重量部、
(B)ポリブテン又はポリイソブチレン2〜30重量部
および(C)ポリグリセリン脂肪酸エステル0.2〜5
重量部からなるポリプロピレン系樹脂組成物から形成さ
れる。また、中間層は(D)ポリエステル樹脂から形成
される。
【0010】上記ポリプロピレン系樹脂組成物の(A)
成分であるポリプロピレン系樹脂は、(B)及び(C)
成分に比べて多量に配合されており、該組成物の基材と
して用いられるものである。また、ここで用いることの
できるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモ
ポリマーであっても、プロピレンと少量の他の共重合成
分(例えばエチレン、ブテン等)とのコポリマーであっ
てもよい。プロピレンホモポリマーとしてはアイソタク
チックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピ
レン、またはアタックチックポリプロピレンを挙げるこ
とができるが、この内では、アイソタクチックポリプロ
ピレンが好ましい。さらに、プロピレンとエチレン等他
の共重合成分とのコポリマーとしては、ランダムコポリ
マー、ブロックコポリマーのいずれであってもよいが、
エチレン含量1〜5重量%のプロピレン−エチレンラン
ダムコポリマーが好適である。この(A)成分であるポ
リプロピレン系樹脂の物性は、各種用途や条件に応じて
適宜選定すればよいが、通常はメルトフローレート(M
FR)0.5〜20g/10分(JISK 6758に
準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定した値)、
密度0.89〜0.91g/cm3 のもの、特にMFR
3〜15g/10分、密度0.893〜0.905のも
のが好ましい。
【0011】上記ポリプロピレン系樹脂組成分の(B)
成分であるポリブテン又はポリイソブチレンは、増粘剤
として作用し、フィルムに優れた粘着性を付与する。こ
こで用いるポリブテン又はポリイソブチレンの物性は、
配合量、他成分の種類、目的とする組成物の用途等に応
じて適宜定めることができるので、特に制限はないが、
通常は数平均分子量200〜3000、特に、400〜
2000で、粘度が300〜50000cps 、特に、5
00〜15000cpsの範囲のものが好ましい。このポ
リブテン又はポリイソブチレンの配合量は(A)成分で
あるポリプロピレン系樹脂100重量部に対して2〜3
0重量部、好ましくは、5〜20重量部とする。配合量
が2重量部より少ないと充分な粘着性を示さず、逆に3
0重量部を超えると多量のブリーディングによるべとつ
きが生じ、また、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0012】上記ポリプロピレン系樹脂組成物の(C)
成分であるポリグリセリン脂肪酸エステルは(B)成分
であるポリブテン又はポリイソブチレンと併用すること
により、フィルムの粘着性を増大させる。このポリグリ
セリン脂肪酸エステルとは、グリセリンの縮合重合体の
水酸基のうち、少なくとも1個が炭素数8〜22の高級
脂肪酸でエステル化された化合物である。ここでグリセ
リン縮合重合体は重合度が通常2〜10、好ましくは2
〜6、特に好ましくは2〜3の縮合重合体である。グリ
セリンの縮合重合体の水酸基のうち、エステル化した水
酸基の数は1個以上であり、好ましくは1個以上かつ水
酸基の数の70%以下、より好ましくは1個以上かつ水
酸基の数の60%以下である。高級脂肪酸は炭素数8〜
22の脂肪酸であれば、飽和でも不飽和でもよく、特に
炭素数10〜18の脂肪酸であることが好ましい。ポリ
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセ
リンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、
ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンモノステアレ
ート、ジグリセリンジオレート、トリグリセリンモノオ
レートなどを挙げることができる。好ましくは、ジグリ
セリンモノオレート、ジグリセリンモノラウレートが挙
げられる。
【0013】これらのポリグリセリン脂肪酸エステル
は、勿論2種以上併用してもよい。このポリグリセリン
脂肪酸エステルの配合量は、(A)成分であるポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対して0.2〜5、好まし
くは、0.5〜3重量部とする。配合量が0.2重量部
より少ないと、(B)成分であるポリブテン又はポリイ
ソブチレンとの相乗効果が起こらず、逆に5重量部を超
えると、多量のブリーディングによるべとつきや臭いが
生じ、又、ゲルが多発するので好ましくない。
【0014】一方、本発明の包装用フィルムの中間層を
構成するポリエステル樹脂は、二塩基酸と二価アルコー
ルの重縮合によって得られる熱可塑性のポリエステル樹
脂である。例えば、テレフタル酸またはその誘導体とエ
チレングリコールから形成される飽和ポリエステルが好
適である。本樹脂の主たる酸成分の内のテレフタル酸誘
導体としては、テレフタル酸の低級アルキルエステルが
好適であり、テレフタル酸の炭素数1〜4のアルキルエ
ステル、特に、ジメチルテレフタレートが好適である。
【0015】本発明においては、主たる酸成分の一部、
通常、2〜20%を他の酸成分、例えばテレフタル酸以
外のジカルボン酸又はオキシカルボン酸、具体的には、
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、パラ−ヒドロキシエトキシ安息香酸、アジピン
酸、セバシン酸等またはそれらの低級アルキルエステル
で置き換えてもよい。
【0016】また本発明のポリエステル樹脂の主たるグ
リコール成分はエチレングリコールであるが、その一
部、通常、2〜20%を他のグリコール成分、例えばト
リメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等で置き換えても
よい。
【0017】いずれにしても、本発明でいうポリエステ
ル樹脂とは主たる構成成分、例えば80モル%以上がエ
チレンテレフタレート単位であるポリエステルを指す。
特に、本発明のポリエステル樹脂としては、テレフタル
酸50モル%とエチレングリコール50モル%から成
り、分子量が10000〜30000、好ましくは17
000〜22000のポリエチレンテレフタレート(P
ET)が包装用フィルムに要求される透明性や成形性を
損わず、良好な耐熱性を示すので好適である。
【0018】また本発明の極限粘度〔η〕はフィルムの
成形性の観点から0.4以上1.0以下好ましくは0.
5以上0.8以下が適当である。本発明の包装用フィル
ムは、先ず任意の積層法によって、外層と内層が上記ポ
リプロピレン系樹脂組成物からなり、中間層が上記ポリ
エステル樹脂からなる未延伸積層フィルムを成形し、次
いで該未延伸積層フィルムを延伸することにより成形さ
れる。
【0019】未延伸積層フィルムの製造法(積層法)と
しては、熱接着性、押出又はドライラミネーション法、
共押出法等が挙げられるが、特に好ましいのは共押出法
による成形である。該共押出成形としては、Tダイ成形
法、空冷式または水冷式インフレーション成形法が採用
されるが、この内では、Tダイ成形法又は、水冷式イン
フレーション成形法が好ましい。すなわち、溶融押出し
された樹脂を上記成形法により急冷することにより、よ
り透明性に優れたフィルムが得られる。
【0020】その際、外層及び内層の厚さは、通常、1
0〜200μ、好ましくは、20〜100μの範囲とな
るように、また、中間層の厚さは、通常、5〜200
μ、好ましくは、10〜50μの範囲となるように未延
伸積層フィルムを形成する。更に、中間層と外層及び内
層間に接着層を設ける場合は、その厚さは、通常、2〜
40μ、好ましくは、4〜20μの範囲となるように選
ぶのがよい。
【0021】上記共押出成形により得られた未延伸多層
フィルムは、次いでフィルムの縦方向(フィルムの引取
り方向に対して平行方向)及び横方向(フィルムの引取
り方向に対して垂直方向)の少なくとも一方向に延伸す
る。延伸倍率としては通常、各々の方向に対して2〜6
倍、好ましくは3〜5倍に1軸又は2軸延伸する。1軸
延伸の場合、上記範囲でフィルムの縦方向に延伸した1
軸延伸フィルムとするのが好ましい。該延伸倍率が2倍
未満ではフィルムのカット性が低下し、また6倍より大
きいと延伸性が低下し、破断もしくはフィルムに延伸む
らができるので上記範囲で延伸するのが望ましい。該延
伸処理は上記未延伸フィルムをそのまま或は所定の幅に
スリットしたものを加熱し、例えば延伸ロールの周速度
を変化させることによりフィルムの引取方向即ち縦方向
に延伸させ、次ぎにテンター延伸法により横方向に延伸
する方法等により行なわれる。該延伸処理における予熱
温度としては、通常、ポリプロピレン系樹脂の融点より
約10℃低い温度以下、望ましくは70〜140℃の範
囲で行うのが好適である。
【0022】また延伸後の熱固定温度は該予熱温度より
高い温度とし、さらにフィルムのしわ防止、高温での収
縮防止のためには、出来るだけ高い温度とすることが望
ましく、通常はポリプロピレン系樹脂の融点より約10
℃低い温度以下、望ましくは80〜150℃の範囲で行
なうのが好適である。該予熱及び熱固定温度が、ポリプ
ロピレン系樹脂の融点より約10℃低い温度より高い場
合は、延伸ロールにフィルムが溶融付着し、また、予熱
温度が70℃未満では、PETが予熱不十分のために延
伸困難となり、フィルム破断が起こりやすくなるので上
記範囲で行なうのが望ましい。
【0023】本発明の包装用フィルムの厚みとしては4
0μm以下、好ましくは2〜30μm、さらに好ましく
は5〜20μmの範囲であり、また中間層の厚みはフィ
ルム全体の厚みに対して10〜90%、好ましくは、1
5〜40%の範囲である。該フィルムの厚みが40μm
より大きいとフィルム切断時の引裂強度が大きくなりす
ぎ、ラップフィルムの用途には不適である。
【0024】中間層の厚みが全体厚みの10%より小さ
いとPET本来の耐熱性、機械的強度等を維持すること
ができない。中間層の厚みは全体厚みの15%以上であ
るのが好ましい。逆に90%より大きいと、ポリプロピ
レン層の厚みが薄くなり、共押出成形により均一に中間
層を覆うことが困難となる。またコスト的にも不利にな
る。中間層の厚みは全体厚みの80%以下であるのが好
ましい。
【0025】本発明の延伸積層フィルムの層構造は、本
質的には外層/中間層/内層の少なくとも3層の樹脂層
からなるものであるが、本発明の主旨を逸脱しない限り
において、更に他の樹脂層を加えて4層以上の構造とす
ることも差し支えない。このような4層以上の構造とし
ては、例えば外層と中間層、又は内層と中間層の間に接
着層等を有するもの、あるいは外層の外側や内層の内側
に更に樹脂層を設けたもの、等が挙げられる。
【0026】また、各層に適当な接着成分を添加するこ
とにより、接着層を設けずに3層構成のままで、各層間
の剥離を防止することもできる。特に、本発明において
は、外層と中間層及び内層と中間層の間に変性ポリオレ
フィン樹脂から成る接着層を設けた3種5層構造のもの
が包装用フィルムとしての透明性や成形性を損うことが
なく好適である。変性ポリオレフィン樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂に
無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸やその誘導体など
の極性基をグラフト変性で付加させたものがあげられ
る。グラフトされる樹脂としては内外層に用いられるも
のと同じポリプロピレン系樹脂が接着性等の点から好ま
しい。
【0027】また中間層のポリエステル樹脂との接着性
等の点から、不飽和カルボン酸等、特に、無水マレイン
酸の変性モノマーのグラフト量はグラフトされるベース
レジンの重量を基準として、0.01〜10重量%の範
囲が好ましい。より好ましくは0.01〜3重量%であ
る。かかる接着層は、本発明の包装用フィルム全体の厚
みに対して夫々2〜20%、好ましくは、3〜10%の
範囲となるように設けるのが好ましい。
【0028】かくして得られる本発明の包装用フィルム
は、外層及び内層の剪断剥離強度が0.4kg/cm2
上、好ましくは、0.5〜2.5kg/cm2 で、180°
剥離強度が4g/50mm以下、好ましくは、1〜3g/
50mmの範囲の値を有する。また、引取り方向に平行方
向の引っ張り破断伸度は200%以下、好ましくは、5
0〜150%で、引取り方向に平行方向と垂直方向の引
っ張り破断伸度の比(平行/垂直)は3以下、好まし
は、0.1〜2の範囲の値を有する。
【0029】尚、上記の値は、後述の測定方法に従って
測定することにより求めた値であり、剪断剥離強度及び
180°剥離強度は、本発明の包装用フィルムの粘着性
の程度を表わし、引っ張り破断伸度及び引っ張り破断伸
度の比は、カット性の程度を表わす。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的態様について実施例に
より更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えな
い限りこれら実施例によって限定されるものではない。
実施例中の測定は下記の方法で行なった。
【0031】(1)透明性(ヘーズ値) JIS K 6714に準拠し、ヘーズメーターにより
測定した。測定結果は%単位で表わす。
【0032】(2)耐熱温度 幅30mm、長さ14cmの短冊状フィルム試料片の上
下25mmに紙をあて10gの重りを下げる。1時間で
切れない最高雰囲気温度を10℃刻みで測定した。(東
京都条例1072号“ラップフィルムの品質表示”の記
載参照)。
【0033】(3)熱収縮率 打抜き治具によりフィルムを直径10mmの試料にし、
これをシリコーンオイルを入れたアルミパン中に浸し、
このアルミパンを140℃のホットプレート上に置く。
アルミパンに熱を奪われるため一旦ホットプレートの温
度は下がるが、これが、140℃になってから45秒後
にサンプルを取り出し、そのサイズ変化を測定する。測
定結果は%で表わす。
【0034】(4)カット性 フィルムを芯管に巻き、ラップフィルム用ケースに収納
し、のこ刃による切断テストを行ない、4段階レベル
(良好、普通、やや不良、不良)によって評価した。な
お、評価の基準として市販のラップフィルムのカットレ
ベルを普通として評価した。
【0035】(5)粘着強度 軽く2枚のフィルムを重ね合せ、そのフィルム上を25
mmφ、幅150mmのロールにて線圧0.3kg/c
mで3回加圧し、5分以内に2枚のフィルムを剪断剥離
する場合と、180℃方向に剥離する場合に要する力を
インストロンタイプの引張試験機で表1の条件で測定し
た。
【0036】
【表1】
【0037】(6)引張破断伸度及びその比の測定方法 引張破断伸度についてはJIS C 2318の規格に
従ってタテ、ヨコの両方向、即ち引取方向に対して平行
方向と垂直方向についてそれぞれ測定した。またそれら
の値から平行方向と垂直方向の比を求めた。
【0038】実施例1〜4、比較例1〜8 (A)成分のポリプロピレン系樹脂としてプロピレン−
エチレンランダム共重合体(MFR=9.0、密度0.
896エチレン含量2.5%;三菱化成株式会社製、商
品名、三菱ポリプロ6500J)を、(B)成分として
ポリブテン(平均分子量580粘度2000cps at25
℃;日本油脂株式会社製、商品名ニッサンポリブテン0
15SH)を、(C)成分としてジグリセリンモノオレ
ート(理研ビタミン株式会社製)を用い、各成分の配合
量を表2に示す量として、ブレンダーにて混合した。そ
の後、直径30mmの2軸押出機を用いて220℃の押
出条件にてペレット化してポリプロピレン系樹脂組成物
を製造した。
【0039】次に450mm幅3種5層共押出Tダイ成
形機を用いて、上記ポリプロピレン系樹脂組成物を直径
50mmの押出機No.1に投入し、また、(D)成分
のポリエステル樹脂として、三菱化成株式会社製、分子
量20000固有粘度[η]=0.60dl/gのポリ
エチレンテレフタレート樹脂を直径40mmの押出機N
o.2に投入し、更に接着性ポリオレフィン樹脂(三菱
化成株式会社製、接着性ポリオレフィン樹脂、商品名ノ
バテックーAP006T)を直径40mmの押出機N
o.3に投入した。これをダイス温度280℃で同時に
押出し、チルロール温度30℃、引取速度20m/分の
条件で製膜して、外層(ポリプロピレン系樹脂組成物)
/接着層(接着性樹脂)/中間層(PET)/接着層
(接着性樹脂)/内層(ポリプロピレン系樹脂組成物)
からなる厚さ170μの3種5層フィルムを得た。なお
各層の層比は表2に示してある。
【0040】次いで、該フィルムを予熱温度90℃、熱
固定温度120℃で表2に示す倍率で、ロール縦延伸、
テンター横延伸をし、フィルム厚み10μmの延伸多層
フィルムを得た。得られたフィルムの透明性、耐熱温
度、熱収縮率、カット性及び粘着強度を測定した。結果
を表3に示す。
【0041】なお、比較例2は原反フィルムに(C)成
分過剰添加に起因するすじが発生し、良好なフィルムが
得られなかったため、比較例5は延伸時に破断が発生
し、サンプリング不可能であったためフィルム物性の評
価はできなかった。また比較例6と8のカット性やや不
良はフィルムが少し伸びるのでカットしずらかったため
である。
【0042】
【本発明の効果】本発明の包装用フィルムはカット性、
透明性、耐熱性、粘着性、ガスバリア性及び非熱収縮性
に優れ、また食品安全性にも優れている。よって本包装
用フィルムは特に、食品包装用のラップフィルム等に好
適である。更には、本包装用フィルムは、塩素発生の問
題もなく、環境面からも好適である。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 7016−4F B65D 65/40 E 9028−3E // C08L 23/10 KEQ 7107−4J B29K 23:00 67:00 B29L 9:00 4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外層、中間層及び内層の3
    層を有し、かつ該外層及び内層が (A)ポリプロピレン系樹脂100重量部 (B)ポリブテン又はポリイソブチレン2〜30重量
    部、及び、 (C)ポリグリセリン脂肪酸エステル0.2〜5重量部 を含むポリプロピレン系樹脂組成物からなり、該中間層
    が、 (D)ポリエステル樹脂 からなる積層フィルムを延伸して得られる延伸フィルム
    であって、(a)外層及び内層の剪断剥離強度が0.4
    kg/cm2 以上で180°剥離強度が4g/50mm以下、
    (b)引取り方向に平行方向の引っ張り破断伸度が20
    0%以下、(c)引取り方向に平行方向と垂直方向の引
    っ張り破断伸度の比(平行/垂直)が3以下、であり、
    フィルム全体の厚みが40μm以下で、しかも、上記中
    間層の厚みがフィルム全体の厚みの10〜90%の範囲
    であることを特徴とする包装用フィルム。
  2. 【請求項2】 中間層と外層及び内層の間に、接着層を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の包装用フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 接着層が、変性ポリオレフィン樹脂から
    成ることを特徴とする請求項2記載の包装用フィルム。
  4. 【請求項4】 未延伸積層フィルムを製造する方法とし
    て、共押出法を用いることを特徴とする請求項1又は
    2,3記載の包装用フィルム。
  5. 【請求項5】 未延伸積層フィルムを、該フィルムの縦
    方向及び横方向に2軸延伸して得られることを特徴とす
    る請求項1記載の包装用フィルム。
  6. 【請求項6】 未延伸積層フィルムを、該フィルムの縦
    方向に1軸延伸して得られることを特徴とする請求項1
    記載の包装用フィルム。
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