JPH08134683A - 外観品位および連続操業性に優れたZn−Cr合金電気めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

外観品位および連続操業性に優れたZn−Cr合金電気めっき鋼板の製造方法

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JPH08134683A
JPH08134683A JP29903994A JP29903994A JPH08134683A JP H08134683 A JPH08134683 A JP H08134683A JP 29903994 A JP29903994 A JP 29903994A JP 29903994 A JP29903994 A JP 29903994A JP H08134683 A JPH08134683 A JP H08134683A
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JP
Japan
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steel sheet
appearance quality
plating
ions
complex
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JP29903994A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Matsumura
賢一郎 松村
Akira Takahashi
高橋  彰
Masato Nakazawa
真人 仲澤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観品位、めっき加工性に優れたZn−Cr
合金電気めっき鋼板を連続操業性に優れた製造方法で製
造する。 【構成】 Zn2+イオンとCr3+イオンを含有する酸性
浴中に、ポリビニルエーテル誘導体を0.01〜20g
/lおよびCr3+イオンと錯体を形成する添加剤をCr
3+イオン濃度の0.1倍量以上等量以下添加し、鋼板を
浸漬させて電気めっきする。前記添加剤の錯安定度定数
は3〜30とし、クエン酸、EDTA、ヘプトン酸、ア
ミノ酸のいずれかとし、めっき皮膜中のクロム含有量は
5〜40重量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、家電、建材等
に使用される外観品位に優れたZn−Cr合金電気めっ
き鋼板の連続操業性に優れた製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気亜鉛めっき鋼板は、耐食
性に優れているため自動車、家電、建材等を中心に広く
使用されている。
【0003】また最近、より高い耐食性の要求に対して
は、クロムを含有する亜鉛系合金めっき鋼板が用いられ
ている。亜鉛とともにクロムを析出させる技術は、例え
ば特開平1−191798号公報、特開平3−1203
93号公報、特開平5−302193号公報等に記載さ
れている。これらはいずれも有機添加剤を添加すること
でクロムを析出させる。
【0004】このようにして製造したZn−Cr合金電
気めっき鋼板の耐食性は非常に高いが、近年自動車メー
カーをはじめとする防錆鋼板のユーザーは、高い耐食性
のみならず塗装後外観の品位向上、すなわち光沢度の向
上をも要求している。この要求に対し、特開昭64−5
5398号公報には、クロム析出剤としてポリオキシア
ルキレンを用い、電流密度50A/dm2 以上でめっき
することによって耐食性と外観品位の改善を図ることが
記載されている。
【0005】一方、特開平6−146060号公報に
は、ポリビニルアルコールおよびその誘導体を用いる耐
食性、密着性、および光沢度に優れためっきの作製方法
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
64−55398号公報記載の方法は、長期連続操業を
行うと、時間とともにCr3+イオンの状態が変化し、合
金組成や耐食性、外観品位といった品質が安定しない問
題がある。
【0007】また、特開平6−146060号公報記載
の方法で使用するポリビニルアルコールは、その重量度
の大きさによってクロム析出性が大きく異なり、劣化に
よって重量度が小さくなるとクロムは析出しなくなり、
劣化によって失活した分を添加で補うと、耐食性、密着
性、および光沢度が悪化する。また、この方法も長期連
続操業を行うと、時間とともにCr3+イオンの状態が変
化し、合金組成や耐食性、外観品位といった品質が安定
しない問題がある。
【0008】このように、従来は連続操業時の安定性に
ついてはなんら解決が図られていなかった。
【0009】この問題点は、主としてCr3+イオンの状
態が経時変化することに起因している。本発明はこの問
題点に鑑み、外観品位に優れたZn−Cr合金電気めっ
き鋼板を製造する連続操業性に優れた製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、Zn2+イオン
とCr3+イオンを含有する酸性浴中に鋼板を浸漬させる
Zn−Cr合金電気めっき鋼板の製造方法において、前
記酸性浴にポリビニルエーテル誘導体を0.01〜20
g/lおよびCr3+イオンと錯体を形成する添加剤をC
3+イオン濃度の0.1倍量以上等量以下添加すること
を特徴とする外観品位および連続操業性に優れたZn−
Cr合金電気めっき鋼板の製造方法である。前記添加剤
の錯安定度定数は3〜30とするのが好ましく、クエン
酸、EDTA、ヘプトン酸、およびアミノ酸から選択す
るのが好ましい。また、形成されるめっき皮膜中のクロ
ム含有量は5〜40重量%とするのが好ましい。
【0011】
【作用】ポリビニルエーテル誘導体は、めっきの外観品
位を向上させ、連続操業性に寄与する好適な添加剤であ
る。すなわち、めっきの外観品位に関しては、界面活性
作用により光沢度を向上させる。そして、配位吸着能が
優れているため、Cr3+イオンとの配位吸着を容易にし
てクロムの析出能を高め、連続操業性を向上させる。
【0012】ポリビニルエーテル誘導体の種類として
は、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエー
テル、ポリビニルプロピルエーテルなどの電子供与性の
官能基を有するエーテルであれば何でもよい。ただし、
界面活性作用を最大限発揮させるためには、ポリビニル
エーテル誘導体が均一に表面吸着する必要があるため水
溶性のものが好ましく、アルキル鎖を用いる場合はメチ
ル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
【0013】ポリビニルエーテル誘導体は、カソード電
極の極近傍でクロム析出能および界面活性作用を発揮す
ればよいので、20g/lを超える添加は必要ない。む
しろ、大量の添加はめっき密着性等のめっき物性や外観
品位を悪化させ、さらに粘性増加や電気伝導度の低下が
考えられるため、20g/l以下とする。ただし、0.
01g/l未満ではクロム析出能が消失するため0.0
1g/l以上の添加が必要である。
【0014】ポリビニルエーテル誘導体を単独で使用す
るだけでは、長期連続操業時に品質が安定しない。そこ
で、Cr3+イオンと錯体を形成する添加剤を添加して連
続操業安定性を向上させることとした。すなわち、Cr
3+イオンと錯体を形成する添加剤を酸性浴に含まれるC
3+イオン濃度の0.1倍量以上等量以下添加すると、
Cr3+イオンは錯体を形成するので、その状態変化が抑
制される。
【0015】Cr3+イオンと錯体を形成する添加剤の種
類としては、その添加剤自身がクロム析出能を有するか
否かにかかわらず、錯体を形成してCr3+イオンの状態
変化を阻害するものであるならどのような化合物であっ
てもよく、めっきの条件に応じて最適なものを使用でき
る。ただし、錯安定度定数が3未満の配位結合の弱い錯
体を形成する添加剤ではCr3+イオンの状態変化の抑制
効果は小さいため、錯安定度定数が3以上の添加剤が望
ましい。また錯安定度定数が30を超える結合の強い錯
体を形成する添加剤ではCr3+イオンの状態変化の抑制
効果が大きすぎ、電流効果の低下を招く恐れがあるた
め、錯安定度定数は30以下が好ましい。
【0016】Cr3+イオンと錯体を形成する添加剤とし
ては、クエン酸、EDTA、ヘプトン酸、アミン酸等が
好適であり、これらのいずれかを使用するのがよい。
【0017】添加量は、Cr3+イオンの状態変化を抑制
するために、酸性浴中に存在するCr3+イオン濃度以上
に添加する必要はない。むしろ過剰の添加はめっき密着
性等のめっき物性や外観品位を悪化させ、さらに粘性増
加が考えられるため、Cr3+イオン濃度の等量以下とす
る。ただし、Cr3+イオン濃度の0.1倍未満ではCr
3+イオンの状態変化抑制の効果が小さいため、0.1倍
量以上の添加が必要である。
【0018】なお、本発明においては、必要に応じてN
2+、Co2+、Fe3+、Mn2+、Pb2+等の金属イオン
を0.1mol/l以下添加することにより、めっき皮
膜中に第3成分として電析させることができる。
【0019】また、本発明により得られるZn−Cr合
金電気めっきは、めっき浴組成、電流密度を変化させる
ことでその組成を変えることができる。めっき皮膜中の
クロムは、耐食性を考えれば5重量%以上含有すること
が望ましく、一方40重量%超含有すると加工時にめっ
きが粉状になりいわゆるパウダリング性が悪化するの
で、それ以下が望ましい。めっき浴は硫酸酸性浴でも塩
酸酸性浴でもどちらでも構わない。また、めっきの素地
鋼板は限定されるものではなく、鋼成分や鋼板の製造方
法は問わない。
【0020】
【実施例】板厚0.8mmの冷延鋼板を素地鋼板とし、
めっき浴としてZn2+イオン=0.6mol/l、Cr
3+イオン=0.4mol/lを含有するpH1.5の酸
性浴を用いた。この酸性浴中に表1に示すようにポリビ
ニルエーテル誘導体およびCr3+イオンと錯体を形成す
る添加剤を添加し、浴温50℃、電流密度50〜200
A/dm2 でめっきを行った。
【0021】
【表1】
【0022】こうして得られた付着量20g/m2 のめ
っき鋼板について、めっき皮膜中のクロム重量を測定す
るとともに、めっき外観品位、めっき加工性および連続
操業安定性の評価を行った。各評価基準は以下の通りで
ある。
【0023】めっき外観品位はJIS Z 8741に
準拠した60°/60°光沢度で評価した。評価は◎
(光沢度90以上)、○(80以上)、△(80未満)
の3段階で行った。
【0024】めっき加工性は、密着曲げを行った後の密
着曲げ部分のめっき剥離状況から評価し、◎(めっき剥
離なし)、○(めっき剥離小)、×(めっき剥離大)の
3段階で行った。
【0025】連続操業安定性は、400000C/dm
2 通電後のめっき外観品位およびめっき加工性を上記方
法に従って評価した。さらに、合金組成の連続操業安定
性評価として、初期のクロム析出量と比較して、400
000C/dm2 通電後のクロム析出量の減少割合が3
%未満のものを○、3%以上のものを×とした。
【0026】以上の評価結果を表2に示す。本発明の実
施例No.1〜22では、めっき皮膜中のクロム重量が
6〜32%のZn−Cr合金電気めっき鋼板が得られ
た。そして、めっき外観品位、めっき加工性ともに優れ
ていた。また、長期通電後のクロム析出量、めっき外観
品位、めっき加工性も変わらず、連続操業安定性に優れ
ていた。これに対し、比較例No.1〜16に示すよう
に、ポリビニルエーテル誘導体やCr3+イオンと錯体を
形成する添加剤の添加量が少なすぎるとめっき皮膜中に
クロムがほとんど析出せず、めっき外観品位や加工性へ
の効果が現れず、また、添加量が多すぎてもめっきの剥
離が見られ、連続操業安定性に劣った。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によって加工性および外観品位に
優れたZn−Cr合金電気めっき鋼板が製造できるとと
もに浴の安定性が改良され、めっきの連続操業も可能と
なる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn2+イオンとCr3+イオンを含有する
    酸性浴中に鋼板を浸漬させるZn−Cr合金電気めっき
    鋼板の製造方法において、前記酸性浴にポリビニルエー
    テル誘導体を0.01〜20g/lおよびCr3+イオン
    と錯体を形成する添加剤をCr3+イオン濃度の0.1倍
    量以上等量以下添加することを特徴とする外観品位およ
    び連続操業性に優れたZn−Cr合金電気めっき鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 Cr3+イオンと錯体を形成する添加剤の
    錯安定度定数が3〜30である請求項1記載の外観品位
    および連続操業性に優れたZn−Cr合金電気めっき鋼
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 Cr3+イオンと錯体を形成する添加剤
    が、クエン酸、EDTA、ヘプトン酸、アミノ酸のいず
    れかである請求項1または2記載の外観品位および連続
    操業性に優れたZn−Cr合金電気めっき鋼板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 めっき皮膜中のクロム含有量が5〜40
    重量%である請求項1、2または3のいずれか記載の外
    観品位および連続操業性に優れたZn−Cr合金電気め
    っき鋼板の製造方法。
JP29903994A 1994-11-09 1994-11-09 外観品位および連続操業性に優れたZn−Cr合金電気めっき鋼板の製造方法 Pending JPH08134683A (ja)

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