JPH08134265A - 穴埋め用樹脂組成物とこれを用いた穴埋め方法 - Google Patents
穴埋め用樹脂組成物とこれを用いた穴埋め方法Info
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Abstract
基材の表面を平滑にすることができる穴埋め用樹脂組成
物と、これを用いた穴埋め方法とを提供することを目的
とする。 【構成】 熱膨張性マイクロカプセル9が含有されてな
る穴埋め用樹脂組成物8を、基材1の凹部3に充填し、
ついで、このものを加熱して、前記穴埋め用樹脂組成物
8を膨張させた後硬化させ、ついで、基材1の表面を平
滑に研削する。 【効果】 気泡の大きさ、数、および樹脂組成物の膨張
倍率を容易に調節でき、簡単、確実に表面が滑らかな基
材を得ることができる。また、これらの再現性に優れ
る。さらに、マイクロカプセルと樹脂を混合した状態で
長時間保管することができる。
Description
材の前記凹部に充填し、前記基材の表面を平滑にするた
めに用いられる穴埋め用樹脂組成物と、これを用いた凹
部の穴埋め方法に関する。
えば木材小片からなるパーティクルボード、木材薄片か
らなる方向性木材薄片集成板(以下、OSB材と記
す)、割れやピンホールなどが生じた合板などの表面を
平滑にするため、以下に示す穴埋め補修が行われてい
る。図2に示す方法は、基材1の表面にパテ2を塗布
し、前記パテ2が硬化する前に、表面のうち凹部3以外
の部分である基準面4が露出するようにパテ2をしごき
取り、凹部3のみにパテ2が充填された状態とし、つい
で、前記パテ2を硬化させるものである。しかしなが
ら、この方法では、いわゆる「ヒケ」と呼ばれる、パテ
2の硬化収縮にともなうへこみ11が形成され、平滑な
表面が得られないといった問題があった。
す方法および図4に示す方法が提案されている。図3に
示す方法は、凹部3を有する基材1の表面に幾分過剰に
パテ2を塗布し、これを硬化させ、ついで、基準面4が
露出するまで、余分なパテ2を研削するものである。こ
の方法によれば、ヒケは生じず、滑らかな表面の基材1
を得ることができる。
どを含有したパテ2を塗布し、前記パテ2が硬化する前
に、基準面4が露出するように余分なパテ2をしごき取
った後加熱し、パテ2を発泡させて、膨張させた後、前
記パテ2を硬化させて発泡体6とし、ついで、前記発泡
体6のうち、基準面4より外方に突出している部分であ
る凸部5のみを研削するものである。そしてこの方法に
おいても、図3にしめす方法と同様、ヒケは生じず、滑
らかな表面の基材1を得ることができる。
たパテ2を研削するため、研削作業に時間や労力を要す
ばかりか、基材1の表面が複雑な形状を有する場合に
は、研削作業に熟練した技術を要するなどの問題があっ
た。一方、図4に示す方法は、比較的簡単に余分な発泡
体6を研削できるものの、発泡に化学反応を伴うため、
気泡7の大きさ、数などを調製することが困難であっ
た。さらに、前記発泡剤や触媒は、パテ2を基材1に塗
布する直前に混合しなければならないため、パテ2の作
りおきができず、その分穴埋め工程が煩雑になるばかり
か、一度作製したパテ2は、使いきってしまわなけらば
ならず、余剰のパテ2は破棄しなければならないなど、
コスト面でも問題があった。
情に鑑みてなされたものであって、「ヒケ」などが生じ
ず、容易な方法で確実に基材の表面を平滑にすることが
できる穴埋め用樹脂組成物と、これを用いた穴埋め方法
とを提供することを目的としている。
マイクロカプセルを、樹脂に添加してなる穴埋め用樹脂
組成物によって解決できる。また、熱膨張性マイクロカ
プセルと体質顔料とを、樹脂に添加してなる穴埋め用樹
脂組成物であってもよい。この際の、前記マイクロカプ
セルの粒径は5〜30μmで、その添加量は、樹脂の固
形分である樹脂分に対して、0.1〜50重量%である
ことが好ましい。さらに、前記穴埋め用樹脂組成物を用
いて穴埋めを行うには、前記穴埋め用樹脂組成物を、基
材の凹部に充填し、ついで、このものを加熱して、前記
穴埋め用樹脂組成物を膨張させた後、硬化させ、つい
で、基材の表面を平滑に研削すればよい。
を説明する。この穴埋め用樹脂組成物は、ガスが封入さ
れたマイクロカプセルを樹脂に添加してなるものであ
る。前記樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂な
ど、任意の種類のものを用いることができるが、粘度調
製用として、水やアルコール類などの溶媒が用いられる
ことが多いため、水系樹脂であることが好ましい。
脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリ
デン系のエマルジョン、スチレンーブタジエン系合成ゴ
ムラテックス、アクリロニトリルーブタジエン系合成ゴ
ムラテックス、メチルメタクリレートーブタジエン系合
成ゴムラテックス、イソブチレン系合成ゴムラテック
ス、天然ゴムラテックス、ポリアクリルアミド系樹脂、
PVA変性樹脂、水性ウレタン系樹脂、フェノール系樹
脂、ユリア系樹脂、ユリアーメラミン系樹脂、メラミン
系樹脂、水性紫外線硬化性樹脂などが挙げられ、前記樹
脂のうち、いずれか1種、または2種以上を併用して用
いることができる。
の内部に、ガスが封入されてなるものである。このマイ
クロカプセルの粒径は、5〜30μm、好ましくは5〜
20μm、さらに好ましくは8〜15μmである。これ
は、5〜30μmであると、樹脂中に分散されやすいか
らである。また、マイクロカプセルの膨張倍率は、最大
64倍程度であることが好ましい。前記膨張倍率である
と、マイクロカプセルの粒径から算出したときの膨張後
のマイクロカプセルの大きさが、穴埋め用樹脂組成物を
膨張させるのに十分であり、また、膨張しすぎて、穴埋
め部分が脆くなるという危険性を回避できるからであ
る。
00℃の加熱により軟化し、内部のガスの膨張に伴い、
容易に膨張し、前記ガスと反応しないものであれば任意
であるが、周囲の穴埋め用樹脂組成物との親和性から樹
脂からなるものが好ましく、具体的にはアクリロニトリ
ルー塩化ビニリデン共重合体などが挙げられる。さら
に、前記ガスとしては、加熱に伴い適度な膨張性を有
し、かつ基材および外皮を構成する物質と反応せず、人
体に悪影響を及ぼさないものであれば任意であり、具体
的にはイソブタンなどが挙げられる。このようなマイク
ロカプセルとしては、例えば、「エクスパンセル」(商
品名:エクスパンセル社製)などを使用することができ
る。
に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量
%、特に好ましくは1〜5重量%である。これは、0.
1〜50重量%の範囲であると、穴埋め用樹脂組成物が
十分に膨張し、また膨張しすぎて、穴埋め部分が脆くな
るという危険性を回避できるからである。
ま穴埋め用樹脂組成物として用いてもよいが、通常は、
増量剤として、また、穴埋め用樹脂組成物が硬化して後
の研削性、耐クラック性の向上のため、体質顔料が添加
される。前記体質顔料としては、水酸化アルミニウム、
炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、クレー、ベ
ントナイト、カオリン、との粉、木粉、各種有機顔料な
どが挙げられる。これらのうちいずれか1種、または2
種以上を併用するが、これらに限定されるものではな
い。
脂分に対し、300重量%以下、好ましくは200重量
%以下、さらに好ましくは10〜100重量%である。
これは、上記範囲内であると、体質顔料を添加する効果
が十分に発揮されるからである。また、この他にも分散
剤、消泡剤など、適宜な添加剤を必要により添加しても
よい。この添加剤の総添加量は、樹脂分に対して5重量
%以下であることが好ましいが、用途などによっては、
前記の範囲外とすることもできる。
てもよいし、また、水、アルコールなどの適宜な溶媒に
て粘度を調節して用いてもよい。この際の溶媒の添加量
は、樹脂分に対して200重量%以下であるが、所望の
粘度にするため、前記の範囲外とすることもできる。
た穴埋め方法について説明する。この穴埋め方法は、図
1に示すように、まず、表面に凹部3を有する基材1
に、前記穴埋め用樹脂組成物8を塗布する。前記基材1
は、表面に凹部3を有するものであれば、パーティクル
ボード、OSB材、割れやピンホールなどが生じた合板
などの木質材料、金属板、ガラス板、プラスチックボー
ドなど、その材質や形状は任意である。塗布方法も特に
限定されず、エアー霧化スプレー法、エアーレススプレ
ー法、ロールコーター法など、公知の任意の方法を使用
することができる。
しないうちに、基準面4が露出するように、基材1の基
準面4上の穴埋め用樹脂組成物8をしごき取り、凹部3
にのみ穴埋め用樹脂組成物8が充填された状態とする。
加熱炉などの加熱装置にて加熱する。この際の加熱条件
は、使用した樹脂やマイクロカプセル中のガスの種類、
マイクロカプセルの外皮の種類、目的する膨張倍率によ
って、適宜設定することができるが、好ましくは、雰囲
気温度が90〜200℃、加熱時間が0.5〜10分程
度で、赤外線加熱炉を用いる場合は赤外線発生パネルの
温度を100〜400℃にすればよい。この加熱によ
り、マイクロカプセル9の外皮の軟化およびマイクロカ
プセル9中のガスの膨張が起こり、マイクロカプセル9
自体が膨張し、結果として穴埋め用樹脂組成物8が膨張
する。
たは冷却または光照射などにより、前記穴埋め用樹脂組
成物8を硬化させる。すると、前記穴埋め用樹脂組成物
8は膨張したマイクロカプセル12である気泡を含有
し、かつ凸部5を有する気泡構造物質10となる。さら
に前記気泡構造物質10の凸部5を研削して表面が平滑
な基材1とする。この際の研削方法は任意であり、サン
ドペーパーや、不織布、PVAなどのホイールサンダー
などを用いて、公知の方法にて行うことができる。
は、ガスが封入されたマイクロカプセル9を、樹脂に添
加してなるものであるので、気泡の生成、成長に化学反
応を伴わないため、気泡の大きさ、数などを容易に調節
でき、かつこれらの再現性に優れる。また、気泡の大き
さが均一で、しかも前記気泡は互いに独立して存在して
いるため、気泡の存在箇所がかたよらず、結果的に、穴
埋め用樹脂組成物8は、強硬な気泡構造物質10とな
る。また、穴埋め用樹脂組成物8の膨張倍率の調節が容
易である。さらに、マイクロカプセル9は樹脂に混合し
た状態で保管することができる。このような穴埋め用樹
脂組成物8を用いた穴埋め方法は、前記穴埋め用樹脂組
成物8を基材1の凹部3に充填し、ついで、このものを
加熱して、前記穴埋め用樹脂組成物8を膨張させた後、
硬化させ、ついで、基材1の表面を研削ものであるの
で、簡単、確実に表面が平滑な基材1を得ることができ
る。また、このようにして得られた基材1は、その表面
が平滑であるため、そのまま建築用材として用いること
もできる。さらに、塗装、塩化ビニルラッピング処理や
紙貼り、熱転写フィルム貼り、印刷など、様々な表面処
理が可能となり、美麗な基材1とすることができる。
め、実施例を説明し、本発明の効果を明らかにする。か
かる実施例は、本発明の一態様を示すものであり、この
発明を限定するものでない。 (実施例1)以下に示す組成の穴埋め用樹脂組成物8
を、表面に凹部3を有するOSB材の表面に、エアー霧
化スプレー法にて、150〜250g/m2 塗布した
後、基準面4が露出するように余分な穴埋め用樹脂組成
物8を研削した。ついでこのものを、100〜120℃
にて3分加熱し、穴埋め用樹脂組成物8を充分に膨張さ
せた後、引続き同温度にて4分間加熱し、穴埋め用樹脂
組成物8を硬化させて凸部5を有する気泡構造物質10
とした。さらに、前記気泡構造物質10の凸部5をサン
ドペーパー#180にて研削し、表面が平滑な基材1を
得た。
埋め方法について、その膨張性、作業性、脆性、形状対
応性を考察した。結果を表1に示す。膨張性とは、穴埋
め用樹脂組成物8の膨張の程度を示し、凸部5が形成さ
れる程度に充分膨張したものを○、発泡の程度は若干不
十分であったが、実用可能なものを△とした。作業性と
は、穴埋め工程のし易さを示し、粘度と可使時間で評価
した。粘度は、低いと基材1に塗布しやすいが、液ダレ
などの問題が生じ、逆に粘度が高いと液ダレなどの現象
は生じないが、塗布しづらく、また塗布するのに時間が
かかってしまう。そこで、適正な粘度であって、作業性
が良好であったものを○、作業性が悪かったものを×と
した。可使時間とは、穴埋め用樹脂組成物8などの調合
後の使用可能時間であり、長いものほど良好とし、この
可使時間が半永久的なものを○、3〜10時間程度のも
のを△、3時間以下のものを×とした。脆性とは気泡構
造物質10の脆さの程度であり、研削時に発生する集中
的な力により穴埋め部分に多くの割れや欠けを生じ、実
用上使用するには問題があるものを×とし、多少の割れ
や欠けを生ずるが実用可能なものを△、割れや欠けを全
く生じず実用上十分に使用できるものを○とした。形状
対応性とは、基材1の形状にかかわらず作業性が良好な
ものを○、形状によっては作業性が悪くなったり、作業
が困難になるものを×とした。
脂組成物8を用いた他は、実施例1と同様の穴埋め工程
により、表面が平滑なOSB材を得た。また、実施例1
と同様の考察を行った。結果を表1に示す。
脂組成物8を用い、穴埋め用樹脂組成物膨張後に、冷却
して穴埋め用樹脂組成物8を硬化させた他は、実施例1
と同様の穴埋め工程を行い表面が平滑なOSB材を得
た。また、実施例1と同様の考察を行った。結果を表1
に示す。
樹脂分に対して、0.1重量%とした他は、実施例1と
同様の組成からなる穴埋め用樹脂組成物8を用い、同様
にして穴埋め工程を施し、表面の平滑なOSB材を得
た。また、実施例1と同様の考察を行った。結果を表1
に示す。
樹脂分に対して、50重量%とした他は、実施例1と同
様の組成からなる穴埋め用樹脂組成物8を用い、同様に
して穴埋め工程を施し、表面の平滑なOSB材を得た。
また、実施例1と同様の考察を行った。結果を表1に示
す。
いて、図2に示す方法にて穴埋め工程を行ったところ、
凹部3にヒケがみられて、表面が平滑なOSB材を得る
ことができなかった。また、実施例1と同様の考察を行
った。結果を表1に示す。
いて、図3に示す方法にて穴埋め工程を行ったところ、
表面が平滑なOSB材を得ることができたが、OSB材
の基準面4を露出させるための研削工程が煩雑であっ
た。また、このものについても、実施例1と同様の考察
を行った。結果を表1に示す。
いて、図4に示す方法にて穴埋め工程を行ったところ、
平面が平滑なOSB材を得ることができたが、パテ2の
発泡状態にムラがあり、発泡体6は研削時に生じる集中
的な力により、多くの割れや欠けが生じてしまった。ま
た、この際の加熱条件は、90℃、3分であった。さら
に、このものについても、実施例1と同様の考察を行っ
た。結果を表1に示す。
樹脂組成物は、ガスが封入されたマイクロカプセルを、
樹脂に添加してなるものであるので、気泡の大きさ、数
などを容易に調節でき、かつこれらの再現性に優れる。
また、気泡の大きさが均一で、しかも前記気泡は互いに
独立して存在しているため、気泡の存在箇所がかたよら
ず、結果的に、穴埋め用樹脂組成物は、強硬な気泡構造
物質となる。さらに、マイクロカプセルの添加量を調節
することにより、穴埋め用樹脂組成物の膨張倍率を容易
に調節できる。また、マイクロカプセルは樹脂に混合さ
れた状態にて保管することができる。また、本発明の穴
埋め方法は、前記穴埋め用樹脂組成物を、基材の凹部に
充填し、ついで、このものを加熱して、前記穴埋め用樹
脂を膨張させた後、硬化させ、ついで、基材の表面を平
滑に研削するものであるので、簡単、確実に表面が滑ら
かな基材を得ることができる。また、このようにして得
られた基材は、その表面が平滑であるため、そのまま建
築用材として用いることもできる。さらに、塗装、塩化
ビニルラッピング処理や紙貼り、熱転写フィルム貼り、
印刷など、様々な表面処理が可能となり、美麗な基材と
することができるなどの効果も得られる。
である。
ある。
る。
る。
部、6…発泡体、7…気泡、8…穴埋め用樹脂組成物、
9…マイクロカプセル、10…気泡構造物質、11…へ
こみ、12…膨張したマイクロカプセル
Claims (4)
- 【請求項1】 熱膨張性マイクロカプセルを、樹脂に添
加してなることを特徴とする穴埋め用樹脂組成物。 - 【請求項2】 熱膨張性マイクロカプセルと体質顔料と
を、樹脂に添加してなることを特徴とする穴埋め用樹脂
組成物。 - 【請求項3】 前記マイクロカプセルの粒径は5〜30
μmで、その添加量は、樹脂の固形分である樹脂分に対
して、0.1〜50重量%であることを特徴とする請求
項1または2記載の穴埋め用樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一つに記載
の穴埋め用樹脂組成物を、基材の凹部に充填し、つい
で、このものを加熱して、前記穴埋め用樹脂組成物を膨
張させた後、硬化させ、ついで、基材の表面を平滑に研
削することを特徴とする穴埋め方法。
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JP27815794A JP3632227B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 穴埋め用樹脂組成物を用いた穴埋め方法 |
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1994
- 1994-11-11 JP JP27815794A patent/JP3632227B2/ja not_active Expired - Fee Related
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