JPH08131944A - 塗装金属板の製造方法 - Google Patents

塗装金属板の製造方法

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JPH08131944A
JPH08131944A JP26793594A JP26793594A JPH08131944A JP H08131944 A JPH08131944 A JP H08131944A JP 26793594 A JP26793594 A JP 26793594A JP 26793594 A JP26793594 A JP 26793594A JP H08131944 A JPH08131944 A JP H08131944A
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洋 金井
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進 小川
Shunsuke Tamura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】硬度と加工性を兼ね備え、かつ耐汚染性に優れ
た塗膜を高周波誘導加熱方式により短時間に形成する塗
装金属板の製造方法の提供。 【構成】金属板表面に溶剤型塗料を塗布し、該塗装金属
板を高周波誘導加熱方式により加熱すると同時に、熱風
を吹付けて、焼付ける。溶剤型塗料は、(A)数平均分
子量10,000〜25,000、ガラス転移温度5〜40
℃、水酸基価5〜15のポリエステル樹脂と、(B)ト
リアジン環1基当りブトキシ基を平均1.8〜4.8個有す
るイミノ基型メラミン樹脂又はこれと完全メトキシ基型
メラミン樹脂との混合物からなるメラミン樹脂とからな
るポリエステル・メラミン樹脂100重量部に対し、ス
ルホン酸化合物のアミンブロック体を0.5〜2重量部配
合したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬度と加工性を兼ね備
え、かつ耐汚染性に優れた塗膜を高周波誘導加熱方式に
より短時間に形成する、塗装金属板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、家電製品、厨房器具、事務機器な
どへの塗装は、金属板を、切断加工、折曲げ加工などに
より成形加工した後塗装する、いわゆるポストコート法
が主流であったが、このポストコート法は、塗装作業性
が悪いばかりでなく、被塗物が複雑な形状の場合、全面
を均一に塗装することが困難であるといった問題を有し
ていた。そこで、亜鉛メッキ鋼板、冷間圧延鋼板、アル
ミニウム板などの板状もしくはコイル状の金属板を予め
塗装し、塗膜を硬化させた後、この塗装板を成形加工す
る、いわゆるプレコートメタル(以下、「PCM」とい
う)法が採用されるようになってきた。しかし、PCM
法で形成された塗膜には、成形加工時の金属素材の伸び
や曲げに追随できる塗膜の加工性(すなわち、可撓性)
と同時に、成形加工後に、この加工性と相反する高硬度
及び耐汚染性などの塗膜性能が要求され、これら両者の
性能を同時に満足するPCM用塗料は、いまだ開発され
ていない。例えば、PCM用のポリエステル・メラミン
樹脂系塗料として特公昭61−32351号公報、特公
昭62−34273号公報には、塗膜硬度と加工性のバ
ランスのとれた塗料について開示されているが、タバコ
やカラシ等に対する耐汚染性は不十分なものであった。
また、従来、塗装金属板の塗膜を硬化させる手段とし
て、熱風炉や誘導加熱炉を使用するものが実用化されて
いる。しかしながら、前記熱風炉を使用する方法は、熱
風を塗膜表面上方から吹付けるため、急激に加熱する
と、塗膜内部の溶剤が上手く蒸発出来ず、塗膜にワキが
発生しやすい。一方、そのようなワキを防止するために
は、ラインスピードを遅くする等の手段により、加熱を
穏やかに行う必要があり、生産性が多少劣るといった問
題があった。一方、前記誘導加熱炉を使用する方法は、
加熱が塗膜の内部から行われるため、塗膜表面の硬化が
不十分となりやすく、その結果、塗膜の硬度不良等が生
じやすくなるといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決し、塗膜に加工性と、それと相反する性状
の高硬度と耐汚染性とを付与出来き、かつ硬化塗膜のワ
キ等を発生させることなく、短時間に形成し得る塗装金
属板の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、金
属板表面に (A)数平均分子量10,000〜25,000、ガラス転
移温度5〜40℃、水酸基価5〜15のポリエステル樹
脂と、 (B)(B−1)トリアジン環1基当りブトキシ基を平
均1.8〜4.8個有するイミノ基型メラミン樹脂と、もし
くはこれと(B−2)完全メトキシ基型メラミン樹脂と
を重量比で(B−1)/(B−2)=50/50〜90
/10の割合で混合せしめたメラミン樹脂と、を重量比
で(A)/(B)=70/30〜85/15の割合で混
合したポリエステル・メラミン樹脂100重量部に対
し、 (C)スルホン酸化合物のアミンブロック体を0.5〜2
重量部、配合してなる溶剤型塗料を塗装し、該塗装金属
板を高周波誘導加熱方式により加熱すると同時に、熱風
を吹付けて焼付けることを特徴とする塗装金属板の製造
方法を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する溶剤型塗料は、ポリエステル樹脂(A)、その
架橋剤であるメラミン樹脂(B)、酸触媒(C)及び有
機溶剤を必須成分とし、さらに必要に応じて各種顔料、
添加剤、改質樹脂、可塑剤等を配合したものである。前
記ポリエステル樹脂(A)は、多塩基酸と多価アルコー
ルとを常法により縮合重合させることにより製造される
が、その製造の際に末端封鎖剤として安息香酸等も使用
して分子量を調節してもよい。この多塩基酸としては、
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、トリメリット酸等の芳香族多塩基酸や、蓚酸、マロ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族多塩基酸、その他
シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロトリメリッ
ト酸等、又はこれらの低級アルキルエステル、もしくは
酸無水物等が代表的なものとして挙げられ、これらの一
種以上を使用することができる。また、多価アルコール
としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、トリメチレングリコール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペン
タエリスリトール、ソルビトール等が代表的なものとし
て挙げられ、これらを一種以上使用してもよい。
【0006】ポリエステル樹脂(A)は、これら多塩基
酸と多価アルコールとを適宜組合せ、反応させて得られ
た、数平均分子量(以下、「Mn」という)が10,00
0〜25,000、好ましくは12,000〜20,000;
ガラス転移温度(以下、「Tg」という)が5〜40
℃、好ましくは10〜35;水酸基価が5〜15、好ま
しくは7〜13の樹脂である。Mnが前記範囲より大き
いと有機溶剤に溶解しにくくなり、塗装作業性が悪くな
り、逆に小さいと切断、折り曲げなどの加工性や耐汚染
性等が低下するため好ましくない。また、Tgが前記範
囲より高いと切断、折り曲げなどの加工性が低下し、逆
に低いと硬度、耐汚染性が低下するため好ましくない。
また、水酸基価が前記範囲より大きいと切断、折り曲げ
などの加工性が低下し、逆に小さいと硬度や耐溶剤性等
が低下するため好ましくない。なお、ポリエステル樹脂
の酸価については、特に制限はないが、一般的には10
以下が好ましい。
【0007】前記メラミン樹脂(B)としては、トリア
ジン環1基当りブトキシ基を平均1.8〜4.8個有しかつ
イミノ基を1.0 個以上有するイミノ基型メラミン樹脂
(B−1)を使用する。このようなイミノ基型メラミン
樹脂を使用することにより、タバコやカラシ等に対する
耐汚染性が向上する。なお、イミノ基型メラミン樹脂
(B−1)は、トリアジン環にブトキシ基とイミノ基を
有するメラミン樹脂以外に、ブトキシ基及びイミノ基が
前記範囲の個数を有するものであれば、残りの箇所にメ
トキシ基、プロポキシ基、メチロール基等を有するメラ
ミン樹脂も使用可能である。また、本発明においては、
前記イミノ基型メラミン樹脂(B−1)を使用すること
により耐汚染性の優れた塗膜が得られるが、耐溶剤性を
向上させるため、さらに望ましくは完全メトキシ型メラ
ミン樹脂(B−2)を併用してもよい。前記イミノ基型
メラミン樹脂(B−1)と完全メトキシ基型メラミン樹
脂(B−2)との混合割合は、重量比で(B−1)/
(B−2)=50/50〜90/10が適当である。な
お、前者が前記範囲より多いと、耐溶剤性向上の効果が
十分発揮されず、逆に少ないと本発明の目的の一つであ
る耐汚染性が低下するため好ましくない。ポリエステル
樹脂(A)と前述の(B−1)又は(B−1)と(B−
2)からなるメラミン樹脂(B)との混合割合は、重量
比で(A)/(B)=70/30〜85/15、好まし
くは75/25〜80/20である。ポリエステル樹脂
(A)が前記範囲より多いと、耐汚染性、硬度、耐溶剤
性等が低下し、逆に少ないと加工性等が低下するため好
ましくない。
【0008】前記酸触媒であるスルホン酸化合物のアミ
ンブロック体(C)は、ドデシルベンゼンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホ
ン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸化合物をイソプ
ロパノールアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルア
ミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソブチルアミン、
ジ−n−ブチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホ
リン、N,N−ジメチルアリルアミン、N−メチルピペ
リジン、ピリジン等のアミン化合物でブロック化せしめ
たもので、触媒作用を一時的にブロックし、塗膜を焼付
けた際、熱によりブロック剤であるアミン化合物が解離
し、その時点ではじめて触媒としての機能を発揮するも
のである。なお、スルホン酸化合物のアミンブロック体
(C)は、塗膜表面付近では、焼付けにより解離し、ア
ミンが揮発するため活性な酸触媒濃度が高くなり、一方
塗膜内部では解離したアミンが塗膜外に出にくいため活
性な酸触媒濃度は低い。その結果塗膜表面付近ではメラ
ミン樹脂の自己縮合が起こり易くなり、塗膜表面に向か
ってメラミン樹脂が濃化し、架橋層を形成するため塗膜
表面は、耐汚染性の優れたものとなり、一方塗膜内部
は、硬度が塗膜表面付近に比較し、さほど高くならず、
可撓性のあるものとなると考えられる。
【0009】アミンブロックしていないスルホン酸化合
物を使用した場合は、酸触媒濃度が塗膜内部と塗膜表面
付近とで差が少ないため、アミンブロックしたスルホン
酸化合物を使用した場合の前述の現象は生じない。スル
ホン酸化合物のアミンブロック体(C)の配合量は、ポ
リエステル樹脂(A)と前述の(B−1)又は(B−
1)と(B−2)からなるメラミン樹脂(B)の混合物
100重量部に対し0.5〜2重量部、好ましくは0.8〜
1.5重量部である。スルホン酸化合物のアミンブロック
体(C)が前記範囲より多いと加工性等が低下し、逆に
少ないと硬度、耐汚染性等が低下するため好ましくな
い。前記有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、ブタノール、プロパノール、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル等のアルコール類、ブチルアセテー
ト、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテ
ート等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケト
ン類など通常塗料用に使用される各種有機溶剤が使用可
能である。また、必要に応じ配合する前記顔料として
は、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、フタロシ
アニンブルー等の着色顔料や炭酸カルシウム、タルク、
硫酸バリウム、カオリン、クレー等の体質顔料などの通
常塗料用に使用される各種顔料が使用可能である。
【0010】また、必要に応じ配合する前記添加剤とし
ては、顔料分散剤、沈降防止剤、消泡剤、レベリング
剤、紫外線吸収剤、抗菌剤などの通常塗料用に使用され
る各種添加剤が使用可能である。本発明で使用する溶剤
型塗料は、以上説明した構成成分からなり、有機溶剤の
配合量は、塗装作業性に合せて、塗料粘度が40〜20
0秒(フォードカップNo. 4/室温)になるような量が
適当である。また顔料の配合量は、塗料固形分中0〜6
0重量%が適当であるが、選択する色や性能に応じて適
宜決められる。また、添加剤の配合量は、塗料固形分中
0〜5重量%、好ましくは1〜3重量%が適当である。
本発明で使用される溶剤型塗料は、このような構成成分
を練合分散し、顔料分散度がグラインドゲージA法10
μm以下としたものが適当である。次に、この溶剤型塗
料を塗装した金属板の製造方法について、説明する。金
属板表面に、前述の溶剤型塗料を塗布し、後述する焼付
け方式によって塗膜を硬化させるが、金属板の種類、形
成される塗膜の層数は限定されない。金属板としては、
例えば、鋼板、アルミ板、ステンレス板、チタン板、銅
板等の各種金属板が挙げられる。このうち、鋼板の例と
しては、冷延鋼板、熱延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、合金化
亜鉛メッキ鋼板、亜鉛−鉄合金メッキ鋼板、亜鉛−アル
ミ合金メッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、クロムメッキ鋼
板、ニッケルメッキ鋼板、亜鉛−ニッケル合金鋼板、錫
メッキ鋼板等が挙げられる。
【0011】また、これらの金属板は、必要に応じて、
その表面に前処理を施したもの、プライマーを施したも
の、あるいは前処理−プライマーを施したものであって
もよい。なお、前処理としては、水洗、湯洗、酸洗、ア
ルカリ脱脂、研磨、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、
複合酸化被膜処理等があり、これらを単独又は組合せて
塗装前処理を行う。前処理の条件は、金属板の種類等に
応じて適宜選択すればよい。また、プライマーとして
は、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系等があ
り、これをロールコーター、カーテンフローコーター、
ローラーカーテンコーター、静電塗装機、ブレードコー
ター、ダイコーター等で塗装し、次いで常温放置で、あ
るいは熱風炉、誘導加熱炉、誘導加熱と熱風との併用
炉、近赤外炉、遠赤外炉、活性エネルギー線照射炉等で
常法に従って硬化乾燥することによって、プライマー層
が得られる。プライマー層の膜厚は、通常、0.5 〜30μ
m 程度が適当である。
【0012】このような前処理、プライマー等を施し
た、もしくは施さない金属板表面に前述の溶剤型塗料
を、ロールコーターや、カーテンフローコーター、ロー
ラーカーテンコーター、静電塗装機、ブレードコータ
ー、ダイコーター等の塗装機で、乾燥膜厚が約15〜30μ
m になるように塗装し、次いで、該塗装金属板を高周波
誘導加熱方式により加熱すると同時に塗膜表面に熱風を
吹付けて、焼付けし、塗膜を硬化させる。なお、本発明
において使用する焼付け炉につて、その代表的な一例の
概略図である図1を参照して説明する。焼付炉1には、
塗装金属板Aを誘導加熱するための電源装置2に接続さ
れたコイル3と、塗装金属板A表面に熱風を吹付けるた
めの熱風発生装置4に接続された熱風吹出口5が設けら
れており、熱風吹出口5は、熱風を塗装金属板Aの移動
方向と反対の方向に向かって吹付けるように配設されて
いる。電源装置2は、サイリスタ等を使用し、コイル3
に6〜10KHz 程度の高周波誘電圧を印加するものであ
る。電源装置2は、コンピューター等により、コイル3
に流す電流を制御しており、金属板の材質や、厚さ、塗
膜の厚み等に応じて適度な加熱制御ができるようになっ
ている。なお、図1においては、コイル3は塗装金属板
Aを巻くように配設され、磁力線が塗装金属板の進行方
向に発生する構成になっているが、塗装金属板Aの上面
と下面に一対のコイルを配設し、磁力線が塗装金属板の
厚さ方向に発生する構成であってもよい。
【0013】また、図1において、熱風吹出口5が熱風
を塗装金属板Aの移動方向と反対の方向に向かって、吹
付けるように配設されているが、塗膜表面全面に熱風が
吹付けられれば、特に方向、方法等は限定されない。本
発明の方法においては、前述の通り、塗装金属板を焼付
炉に導入し、最高板温(以下「PMT」という)約20
0〜250℃になるように誘導加熱するとともに、15
0〜280℃、好ましくは180〜250℃の熱風を風
速0.1 〜8 m/秒、好ましくは1〜5m/秒で吹付けなが
ら、塗装金属板をラインスピード10〜100m/分、好
ましくは20〜80m/分で移動させ、約20〜50秒間
焼付を行い、焼付炉から出た時点で水冷等の手段により
急冷させ、本発明の塗装金属板を製造する。
【0014】
【発明の効果】本発明の塗装金属板の製造方法により、
得られる塗膜は、加工性及び、それと相反する性状の高
硬度と耐汚染性に優れ、かつ該塗膜をワキ等を発生させ
ることなく、短時間に形成できるため、生産性が向上す
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中「部」、「%」は重量基準で
示す。
【0016】実施例1〜8及び比較例1〜8 板厚0.5mmのクロメート処理した電気亜鉛メッキ鋼板に
ポリエステル樹脂系プライマー〔「Vニット#160プ
ライマー」(大日本塗料社製商品名)〕を乾燥膜厚5μ
mになるように塗布し、PMT204℃で、30秒間焼
付硬化させた。次いで、表1及び表2に示す塗料組成物
を、乾燥膜厚が20μmになるようにロールコーターに
て連続塗装し、次いで、図1に示す焼付炉に入れ、PM
T232℃で40秒間焼付け、塗装金属板を製造した。
なお、焼付条件は、次の通りとした。 高周波電圧 8KHz 熱風温度 200℃ 熱風速度 5m/秒 ラインスピード 50m/分 焼付時間 40秒 実施例1〜8及び比較例1〜8で得られた塗板につき、
外観、光沢、鉛筆硬度、加工性、耐汚染性、耐溶剤性の
各試験を行ない、その結果を表1及び表2の下段に示し
た。なお、各試験方法及び評価基準は、次の通り行なっ
た。 外 観 :塗膜外観を目視判定した。 ○:異常なし、×:ワキ発生 光 沢 :60度鏡面光沢度をJIS K 5400
の方法に従い測定した。 ○:80以上、△:75〜79、×:74以下 鉛筆硬度 :JIS K 5400の方法に従い測定し
た。 ○:F以上、△:HB、×:B以下 加工性 :塗板を20℃で、T−bendテストを行な
い、10倍ルーペでクラックの有無を判定した。 ○:2T以下、△:3T、×:4T以上 耐汚染性(1):水に溶いたカラシを塗板に塗布し、2
0℃、24時間放置後、中性洗剤にて洗い、汚染の程度
を判定した。 ○:極くわずか着色もしくは全く着色せず、△:少し着
色、×:ひどく着色 耐汚染性(2):塗板を入れた密封容器中でタバコを燃
焼させ、24時間放置後、中性洗剤にて洗い、汚染の程
度を判定した。 ○:極くわずか着色もしくは全く着色せず、△:少し着
色、×:ひどく着色 耐溶剤性 :キシレンを浸み込ませたガーゼで塗面を1
00回こすった後の塗膜外観とガーゼの汚れ程度を判定
した。 ◎:プライマー層の露出なく、ガーゼの汚れもほとんど
ない ○:プライマー層の露出ないが、ガーゼの汚れある、 △:50〜100回のこすりでプライマー層露出、 ×:50回未満のこすりでプライマー層露出
【0017】比較例9 実施例1において、熱風を吹付けずに、高周波誘導加熱
のみにより焼付けた以外は、同様にして塗装金属板を製
造し、同様の試験を行い、その結果を同表2の下段に示
した。 比較例10 実施例1において、高周波誘導加熱せずに、熱風吹付け
のみにより熱風乾燥炉で40秒間焼付けた以外は、同様
にして塗装金属板を製造し、同様の試験を行い、その結
果を以下の同表2に示した。
【0018】
【表1】 表1 実 施 例 塗料組成物 1 2 3 4 5 6 7 8 ポリエステル 種類 A B C D A A A A樹脂1) 配合量 75 75 75 80 75 75 75 75 イミノ基型 種類 (i) (i) (i) (i) (ii) (iii) (i) (i) メラミン樹脂2) 配合量 25 25 25 20 25 25 20 13 完全メトキシ基型メラミン樹脂3) 配合量 − − − − − − 5 12 完全ブトキシ基型メラミン樹脂4) 配合量 − − − − − − − − スルホン酸 化合物のアミン 配合量 1 1 1 1 1 1 1 1 ブロック体5) スルホン酸 化合物の非 配合量 − − − − − − − − ブロック体6) 二酸化チタン 配合量 100 100 100 100 100 100 100 100 有機溶剤7) 配合量 170 200 170 145 170 170 170 170 塗膜性能 外観 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 光沢 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 鉛筆硬度 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 加工性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 耐汚染性 カラシ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ タバコ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 耐溶剤性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎
【0019】
【表2】 表2 比 較 例 塗料組成物 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ポリエステル 種類 E A A A A A E A A A 樹脂1) 配合量 75 75 75 90 60 75 75 75 75 75 イミノ基型 種類 (i) - - (i) (i) (i) (i) - (i) (i) メラミン 配合量 25 - - 10 40 25 20 - 25 25 樹脂 2) 完全メトキシ 基型メラミン 配合量 - - 25 - - - 5 5 - - 樹脂3) 完全ブトキシ 基型メラミン 配合量 - 25 - - - - - 20 - - 樹脂4) スルホン酸化 合物のアミン 配合量 1 1 1 1 1 - 1 - 1 1 ブロック体5) スルホン酸化 合物の非ブロ 配合量 - - - - - 1 - 1 - - ック体6) 二酸化チタン 配合量 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 有機溶剤7) 配合量 133 170 170 170 170 170 133 170 170 170 塗膜性能 外観 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × 光沢 ○ ○ ○ ○ ○ × ○ × ○ ○ 鉛筆硬度 ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ △ ○ 加工性 △ ○ ○ ○ × ○ △ ○ ○ ○ 耐汚染性 カラシ × × × × ○ × × × △ ○ タバコ × × × × ○ × × × △ ○ 耐溶剤性 ○ △ ◎ × ○ ○ ◎ ○ ○ ○ 注1)ポリエステル樹脂 以下の表3に示す多塩基酸及び多価アルコールの配合割
合に従って、ポリエステル樹脂を製造した。
【0020】
【表3】 表3 (単位:モル%) ポリエステル樹脂の種類 A B C D E 多塩基酸 テレフタル酸 25 25 ─ ─ 25 イソフタル酸 75 75 100 100 75 多価アルコール ネオペンチルグリコール 25 25 10 45 25 1,4-ブタンジオール 10 10 10 10 10 1,6-ヘキサンジオール 65 65 80 45 64 トリメチロールプロパン ─ ─ ─ ─ 1 特性 Mn×104 1.4 2.0 1.4 1.2 0.7 Tg(℃) 20 20 10 35 20 水酸基価 10 7 10 13 25 注2)メラミン樹脂 使用したメラミン樹脂は、以下の表4に示す特性を有す
る。
【0021】
【表4】 表4メラミン樹脂の種類 (i) (ii) (iii) トリアジン環1基当たり 3.8 2.2 3.1 の平均ブトキシ基数 トリアジン環1基当たり 2.0 1.2 2.4 の平均イミノ基数重合度 6 6 2 注3)重合度2 注4)重合度2 注5)ドデシルベンゼンスルホン酸のモルホリンブロッ
ク体 注6)ドデシルベンゼンスルホン酸 注7)ソルベッソ#150とシクロヘキノンとイソホロ
ンの(50:40:10)からなる混合溶剤
【0022】表1より明らかの通り、本発明の製造方法
によって得られた塗膜(実施例1〜8)においては、ワ
キ等の異常発生がなく、また、硬度、加工性、耐汚染
性、耐溶剤性等において優れた塗膜性能を有していた。
一方、Mnの小さいポリエステル樹脂を使用した比較例
1、7では、耐汚染性が悪く、加工性も劣っていた。ま
た、トリアジン環にブトキシ基6個有する完全ブトキシ
基型メラミン樹脂を使用した比較例2、8では、耐汚染
性が悪かった。また、完全メトキシ基型メラミン樹脂を
使用した比較例3では、耐汚染性が悪かった。また、ポ
リエステル樹脂過剰の比較例4では、耐汚染性、耐溶剤
性が悪く、逆にメラミン樹脂過剰の比較例5では、加工
性が悪かった。また、ブロック化されてないスルホン酸
化合物を使用した比較例6、8では、光沢、耐汚染性等
が悪かった。さらに、高周波誘導加熱のみによって焼付
けた比較例9においては、硬度、耐汚染性が劣ってお
り、一方、熱風のみにより焼付けた比較例10では、ワ
キが生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する焼付炉の一例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 焼付炉 2 電源装置 3 コイル 4 熱風発生炉 5 熱風吹出口 A 塗装金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 3/02 D 7415−4F 7/24 302 V 7415−4F S 7415−4F 303 E 7415−4F (72)発明者 田村 俊輔 栃木県大田原市薄葉1961−9

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板表面に、(A)数平均分子量10,0
    00〜25,000、ガラス転移温度5〜40℃、水酸基
    価5〜15のポリエステル樹脂と、(B−1)トリアジ
    ン環1基当りブトキシ基を平均1.8〜4.8個有するイミ
    ノ基型メラミン樹脂と、を重量比で(A)/(B−1)
    =70/30〜85/15の割合で混合したポリエステ
    ル・メラミン樹脂100重量部に対し、(C)スルホン
    酸化合物のアミンブロック体を0.5〜2重量部、配合し
    てなる溶剤型塗料を塗布し、該塗装金属板を高周波誘導
    加熱方式により加熱すると同時に、熱風を吹付けて、焼
    付けることを特徴とする塗装金属板の製造方法。
  2. 【請求項2】金属板表面に、 (A)数平均分子量10,000〜25,000、ガラス転
    移温度5〜40℃、水酸基価5〜15のポリエステル樹
    脂と、 (B)(B−1)トリアジン環1基当りブトキシ基を平
    均1.8〜4.8個有するイミノ基型メラミン樹脂と、(B
    −2)完全メトキシ基型メラミン樹脂とを重量比で(B
    −1)/(B−2)=50/50〜90/10の割合で
    混合せしめた混合メラミン樹脂と、を重量比で(A)/
    (B)=70/30〜85/15の割合で混合したポリ
    エステル・メラミン樹脂100重量部に対し、 (C)スルホン酸化合物のアミンブロック体を0.5〜2
    重量部、配合してなる溶剤型塗料を塗布し、該塗装金属
    板を高周波誘導加熱方式により加熱すると同時に、熱風
    を吹付けて、焼付けることを特徴とする塗装金属板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】塗装金属板に吹付ける熱風の温度が150
    〜280℃、風速が0.1〜8 m/秒である、請求項1又は
    2に記載の方法。
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JP2011206646A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Nisshin Steel Co Ltd 塗装鋼板およびその製造方法

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