JPH08131090A - 食品または飲料添加用発酵液の製造方法および食品または飲料添加用発酵液 - Google Patents

食品または飲料添加用発酵液の製造方法および食品または飲料添加用発酵液

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JPH08131090A
JPH08131090A JP6305493A JP30549394A JPH08131090A JP H08131090 A JPH08131090 A JP H08131090A JP 6305493 A JP6305493 A JP 6305493A JP 30549394 A JP30549394 A JP 30549394A JP H08131090 A JPH08131090 A JP H08131090A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 米糠類、大豆類などの原料をより確実に分解
し、原料中の有効成分をより確実に抽出することができ
る飲料もしくは食品添加用発酵液の製造方法およびそれ
により得られる発酵液を提供するものである。 【構成】 米糠類もしくは大豆類または米糠類および大
豆類を原料として、乳酸菌を用いた酸性領域での発酵工
程と、好アルカリ性微生物および耐アルカリ性酵母の少
なくとも一種を用いたアルカリ性領域での発酵工程と、
前記両発酵工程を行った後、固液分離し液体分を採取す
る食品または飲料添加用発酵液の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米糠類、大豆類を原料
として、発酵により製造する飲料もしくは食品添加用発
酵液に関する。
【0002】
【従来の技術】米ぬか類、大豆類を原料としてアルカリ
pHにて発酵させることにより行う発酵物の製造方法と
しては、例えば、特公平6−9474号公報に示される
ものがある。特公平6−9474号公報には、米糠類、
大豆、炭素源及び水を含み、アルカリ剤にてpHを7.
5〜10に調整された液体培地に納豆菌或いは枯草菌を
接種し、通気撹拌をすることにより培養を行って、摂取
による血中のアルコール濃度低下作用及びアルコール口
臭の除去作用を有する発酵物を製造するアルコール耐性
付与発酵物の製造方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の製造方法で
は、原料を十分に分解ができず、原料中の有効成分を十
分に抽出できない。
【0004】本発明者は、従来よりアルカリ性領域での
発酵を研究している。アルカリ性領域において発酵を行
うのは、納豆菌、枯草菌などと同様に中性領域で増殖す
る種々の雑菌の増殖を抑制し、かつ、原料が含有してい
る物質をより効率よく抽出することにある。アルカリ性
条件に米糠類、大豆類をさらすことにより、通常の水に
浸漬した状態では抽出できない物質が抽出される。しか
し、抽出されるのは原料の表面付近に存在するもの程度
であり、原料を十分に利用できない。また、米糠類、大
豆類は、天然物であり生体に対して有用な物質を多く含
んでいる。そこで、アルカリ性領域において、米糠類、
大豆類を発酵させれば、アルカリ性領域における抽出
と、原料の発酵による分解を両者が行え、分解されるこ
とにより、さらに抽出が進行する。また、アルカリ性条
件での抽出物のみでなく、発酵による抽出物も得られる
ものと考えている。
【0005】さらに、鋭意検討したところ、アルカリ性
領域の発酵以外に、酸性領域での発酵も行うことによ
り、より原料を分解でき、原料中の成分をより確実に抽
出できることを見いだした。つまり、酸性条件(酸性環
境)に米糠類、大豆類などの原料をさらすことにより、
水に浸漬した状態では抽出できない物質を抽出できる。
さらに、発酵により原料がある程度分解されるので、さ
らに抽出も進行することを知見した。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、従来技術の問題点を解決した米ぬか類、大豆類など
の原料をより確実に分解し、原料中の有効成分をより確
実に抽出することができる飲料もしくは食品添加用発酵
液の製造方法および製造方法により得られる飲料もしく
は食品添加用発酵液を提供するものである。具体的に
は、米糠類、大豆類を原料として、酸性領域での発酵工
程と、アルカリ性領域での発酵工程との両者を行い、原
料をより確実に分解し、原料中の有効成分をより効率よ
く抽出することができる飲料もしくは食品添加用発酵液
の製造方法およびそれにより得られる発酵液を提供する
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、米糠類もしくは大豆類または米糠類および大豆類を
原料として、乳酸菌を用いた酸性領域での発酵工程と、
好アルカリ性微生物および耐アルカリ性酵母の少なくと
も一種を用いたアルカリ性領域での発酵工程と、前記両
発酵工程を行った後、固液分離し液体分を採取する食品
または飲料添加用発酵液の製造方法である。
【0008】また、上記目的を達成するものは、米糠類
もしくは大豆類または米糠類および大豆類を含みpHを
6以下に調整した原料調整物に、乳酸菌を添加して酸性
領域にて第2の発酵を行い、次いで、pHを8.5以上
に調整した後、好アルカリ性微生物および耐アルカリ性
酵母の少なくとも一種を添加して、アルカリ性領域にて
第2の発酵を行った後、固液分離し液体分を採取する食
品または飲料添加用発酵液の製造方法である。
【0009】また、上記目的を達成するものは、米糠類
もしくは大豆類または米糠類および大豆類を含みpHを
8.5以上に調整した原料調整物に、好アルカリ性微生
物および耐アルカリ性酵母の少なくとも一種を添加し
て、アルカリ性領域にて第1の発酵を行い、次いで、p
Hを6以下に調整した後、乳酸菌を添加して酸性領域に
て第2の発酵を行った後、固液分離し液体分を採取する
食品または飲料添加用発酵液の製造方法である。
【0010】そして、前記アルカリ性領域での発酵は、
pHを8.5以上に維持した状態で所定時間行うもので
あることが好ましい。前記原料調整物は、米糠もしくは
大豆外皮を含有していることが好ましい。また、前記好
アルカリ性微生物は、例えば、好アルカリ性バチルス属
微生物もしくはグラム陰性好アルカリ性微生物である。
さらに、前記好アルカリ性バチルス属微生物は、例え
ば、好アルカリ性プロテアーゼ産生菌、好アルカリ性ア
ミラーゼ産生菌、好アルカリ性セルラーゼ産生菌、好ア
ルカリ性キシラナーゼ産生菌、好アルカリ性エラスター
ゼ産生菌の少なくとも一種もしくは2種以上の混合物で
ある。さらに、前記好アルカリ性微生物もしくは耐アル
カリ性酵母は、固定化されたものであることが好まし
い。また、前記濾過して得られた液体に、サイクロデキ
ストリンもしくはオリゴ糖を添加することが好ましい。
【0011】また、上記目的を達成するものは、上記の
製造方法により製造された食品または飲料添加用発酵液
である。また、上記目的を達成するものは、上記の飲料
添加用発酵液を含有する二日酔い抑制清涼飲料水であ
る。また、上記目的を達成するものは、上記の食品添加
用発酵液を含有することを特徴とする二日酔い抑制食品
である。
【0012】さらに、アルカリ性領域の発酵以外に、酸
性領域での発酵も行うことにより、より原料を分解で
き、原料中の成分をより確実に抽出できることを見いだ
した。つまり、酸性条件(酸性環境)に米糠類、大豆類
などの原料をさらすことにより、水に浸漬した状態では
抽出できない物質を抽出できる。さらに、発酵により原
料がある程度分解されるので、さらに抽出が進行する。
しかし、酸性領域の発酵では、安全のため乳酸菌を用い
た発酵を行っている。この乳酸発酵では、乳酸を生成す
るが、特別な酵素の産生はなく、いわゆる分解醗酵にす
ぎない。このため、原料を大ざっぱにしか分解すること
ができない。
【0013】そこで、本発明の発酵液の製造方法につい
て詳細に説明する。本発明の製造方法では、米糠類もし
くは大豆類または米糠類および大豆類を原料として、乳
酸菌を用いた酸性領域での発酵工程と、好アルカリ性微
生物および耐アルカリ性酵母の少なくとも一種を用いた
アルカリ性領域での発酵工程と、前記両発酵工程を行っ
た後、固液分離し液体分を採取する工程とを行うもので
ある。
【0014】そして、上記の酸性領域での発酵工程(以
下、酸性発酵工程)およびアルカリ性領域での発酵工程
(以下、アルカリ性発酵工程)は、どちらを先に行って
もよい。しかし、本発明者は、以下の理由により、酸性
発酵工程を先に行い、その後にアルカリ性発酵工程を行
うことが好ましいものと考える。本発明では、酸性発酵
には、乳酸菌を用いている。乳酸菌は生体に対する安全
性が高い細菌であり、産生される乳酸も生体に安全であ
る。よって、乳酸発酵により酸性領域での安全な発酵を
行うことができる。酸性環境に原料をさらすことによ
り、いわゆる酸抽出が行われ、原料より有効成分を抽出
することができる。さらに、発酵により原料は分解する
のでより確実に有効成分を抽出できる。
【0015】乳酸菌は、特別な酵素を産生しないと言わ
れており、この点においても、安全であり、炭水化物の
分解による乳酸を産生するにすぎない。乳酸菌は、原料
中の高分子繊維成分、タンパク質といったものを分解す
るのではなく、原料中の炭水化物を分解する。このた
め、この乳酸発酵(酸性発酵)を行うことにより、原料
中の炭水化物を効率よく分解でき、特に、原料を結合さ
せている炭水化物および表面に付着している炭水化物を
分解することにより、後に行うアルカリ性発酵をより効
率のよいものとする。この酸性発酵では、炭水化物に起
因する原料の結合状態の解除と、原料表面に付着し後の
アルカリ性発酵において障害となる可能性が考えられる
炭水化物の除去を行えるものと考える。つまり、乳酸発
酵は、アルカリ性発酵による原料の分解および原料含有
物の効率よい抽出を行うための、予備分解と考えてい
る。
【0016】そこで、米糠類もしくは大豆類または米糠
類および大豆類を原料として、乳酸菌を用いた酸性領域
での発酵工程について説明する。本発明に使用される米
糠類とは、米胚芽、米糠、脱脂米糠、脱脂米胚芽などお
よびそれらの粉砕物をいう。また、原料には大豆類を含
有することが好ましく、大豆類とは、脱脂大豆、キナ
粉、大豆粉、大豆外皮さらにそれらの加水分解物などを
いる。特に、本発明では、米糠類または大豆類を主原料
としている。米糠類としては、米糠が好ましく大豆類と
しては大豆外皮が好ましい。これらには、有効な成分が
多く含まれているものと本発明者は考えている。
【0017】原料は、米糠類単独もしくは米糠類と大豆
類を適宜の量で混合した混合物を用いる。そして原料原
料中に混入したあるいは原料が保持していた細菌を死滅
させるための殺菌処理を行う。原料中に混入した殺菌と
は、原料調整中に混入した空中落下菌などをいい、原料
が保持していた細菌とは、米糠類が含有する可能性があ
る枯草菌、納豆菌などである。殺菌処理は、原料を加熱
処理(例えば、蒸す)ことにより行われる。加熱処理
は、100〜130℃で15〜60分程度行う。なお、
この殺菌処理は、後述する原料調整終了後に行っても
い。つまり、pH調整の終了後に行ってもよい。
【0018】このように、殺菌処理した原料のpH調整
および発酵促進物質の添加を行う。pHの調整は、水と
酸類の添加もしくは酸性水溶液の添加により行われ得
れ、pH6以下、好ましくは、pH3〜6に調整され
る。中性のまま乳酸発酵を行ってもよいが、原料に付着
していた枯草菌、納豆菌さらには空中落下菌の繁殖を防
止するために上記のような酸性に調整することが好まし
い。pH調整に当たっては、水に酸性を添加した酸性水
溶液を用いることが好ましい。このような酸性水溶液を
用いることにより、原料調整物内を片寄りのない酸性環
境とすることができる。酸類と水とを別個に添加する
と、pHのばらつきが生じる危険性もある。酸性水溶液
のpHは、pH4以下とすることが好ましい。酸類とし
ては、食塩酸、硫酸、炭酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸
などが使用される。なお、酸類としては、一種のものに
限られず、数種の酸類の混合物でもよい。さらに、原料
に、乳酸菌の良好な生育を行わせるために、発酵促進物
質、例えば、炭素源として、例えば、グルコース、澱
粉、蔗糖、乳糖、デキストリン、ソルビトール、フラク
トールなどを添加することが好ましい。なお、米糠類お
よび大豆類も上述のように炭水化物(炭素源)を含んで
いるので、上記炭素源は添加することが好ましいが必ず
しも添加しなくてもよい。
【0019】以上のようにして原料調整物が作成され、
この原料調整物に乳酸菌が添加され、所定時間発酵を行
う。発酵工程は、常温もしくは30〜50℃に加温した
状態で行う。発酵時間は、20時間〜10日間程度行
う。なお、発酵中に乳酸菌が産生する乳酸菌により原料
調整物のpHが低下する。
【0020】本発明に使用される乳酸菌としては、食用
のものが好適であり、例えば、ラクトバチルス属、リゾ
ーパス属、ストレプトコッカス属などのものが使用され
る。具体的には、ラクトバチルス・デルブリユキー(La
ctbacillus delbr■ckii)、ラクトバチルス・エスピ
ー、ラクトバチルス・カセイ(Lactbacillus casei)、
ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactbacillus bulgari
cus)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactbacillus a
cidophilus)、ストレプトコッカス・ラクティス(Strept
ococcus lactis)等が好適である。
【0021】そして、乳酸菌は、固定化したものを用い
ることが好ましい。固定化したものを用いることによ
り、発酵物中に微生物の死骸の存在を少なくでき、ま
た、この死骸に起因した発酵物の粘度上昇も抑制でき、
良好な環境での発酵を行うことができる。また、発酵終
了後、固定化物を取り出すことも容易であり、微生物の
再利用も可能である。微生物(酵母)の固定化方法につ
いては、後述する。
【0022】次に、好アルカリ性微生物および耐アルカ
リ性酵母の少なくとも一種を用いたアルカリ性領域での
発酵工程について説明する。このアルカリ性発酵工程で
は、上記の酸性発酵工程を行った一次発酵物をpHを
8.5以上に調整した後(一次発酵物の調整工程)、好
アルカリ性微生物もしくは耐アルカリ酵母の少なくとも
一種を添加し、所定時間所定温度にて醗酵を行う。
【0023】なお、上述した特公平6−9474号公報
公報の方法では、アルカリ剤にてpH7.5〜10に調
整された液体培地を枯草菌もしくは納豆菌を用いて発酵
させている。枯草菌(バチルス・サブチルス)はバチル
ス属の基準種といわれる菌でありpH8以上で急激に生
育が悪くなる。納豆菌も(バチルス・サブチルス・ナッ
トー)も同様である。また、通気撹拌を行ってもpH8
以上の環境が維持される限りほとんどこれらの菌は生育
しない。このため、特公平6−9474号公報の製造方
法では、実質的にpHを7.5〜8以下で行うことが必
要となり、この範囲はアルカリ性領域ではなく、中性領
域である。しかし、上記pH条件で発酵を行うと、製造
時に原料に付着していた雑菌、空中に浮遊していた雑菌
が繁殖し、良好な発酵を行うことができず、いわゆる腐
敗を招くことになる。
【0024】本発明では、発酵に使用する微生物とし
て、好アルカリ性微生物もしくは耐アルカリ性酵母を用
いることにより、pH8.5以上での発酵を可能とする
とともに、発酵中のpHを8.5以上に維持することに
より、発酵の継続と原料に付着あるいは製造時に混入し
た中性領域で増殖する雑菌の繁殖を防止もしくは雑菌を
死滅させて、良好な原料の分解の進行と原料からの有効
成分の抽出を可能としている。
【0025】pHの調整は、水とアルカリ剤の添加もし
くはアルカリ水溶液の添加により行われ得れ、pH8.
5以上、好ましくは、pH9〜11に調整される。pH
調整に当たっては、水にアルカリ剤を添加したアルカリ
性水溶液を用いることが好ましい。このようなアルカリ
性水溶液を用いることにより、原料調整物内を片寄りの
ないアルカリ性環境とすることができる。アルカリ剤と
水とを別個に添加すると、pHのばらつきが生じる危険
性もある。アルカリ性水溶液のpHは、pH12以上と
することが好ましい。アルカリ剤としては、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸
水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム、水酸化アンモニウムなどが使用される。なお、アル
カリ剤としては、一種のものに限られず、例えば、アル
カリ剤として機能する水溶性アンモニウム塩と水溶性ナ
トリウム塩の混合物でもよい。
【0026】さらに、一次発酵物に好アルカリ性微生物
の良好な生育を行わせるために、発酵促進物質、例え
ば、炭素源として、例えば、グルコース、澱粉、蔗糖、
乳糖、デキストリン、窒素源(およびアミノ酸、ビタミ
ン源)として、酵母エキス、ポリペプトン、無機塩とし
て、Na+,Mg2+,Pなどを添加することが好まし
い。なお、米糠類および大豆類も炭素源を含んでいるの
で、上記炭素源は添加することが好ましいが必ずしも添
加しなくてもよい。好アルカリ性微生物は、生育要件と
して、Na+を必須とするものが多く、この点よりNa+
を含有する化合物(塩)を添加することが好ましい。こ
のような化合物(塩)としては、水溶性ナトリウム塩が
好適であり、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、塩化
ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが使用される。ま
た、原料は、上述のように、pHが8.5以上に調整さ
れるので、その調整に利用できるものが好適であり、上
記のナトリウム塩のうちアルカリ剤として機能するもの
が好適であり、さらに、上述のようにリンを含有するも
のも好適である。
【0027】以上のようにして一次発酵物の調整物が作
成され、この原料調整物に好アルカリ性微生物もしくは
耐アルカリ性酵母が添加され、pHを8.5以上に保持
して所定時間発酵を行う。発酵工程は、常温でもよいが
30〜50℃に加温した状態で行うことが好ましく、
発酵時間は、48時間〜6日間程度行う。なお、発酵中
に原料より抽出された物質により原料調整物のpHが低
下する。この点を考慮して、原料調整物のpHを十分に
高くしておくことも考えられるが、pH調整の限界もあ
る。このため、定期的にpHセンサーなどを用いて無菌
的に近い状態で、発酵物中のpHを測定し、pHが8.
5以下とならないように調整する。pHの調整は、例え
ば、pHが8.5付近、好ましくは、9付近となったこ
とが測定された場合、上述したようなアルカリ性水溶液
を所定量添加することにより行う。このようにして、発
酵中のpHをアルカリ性に保持する。
【0028】本発明に使用される好アルカリ性微生物と
しては、好アルカリ性プロテアーゼ産生菌であるバチル
ス・エスピーAH−101、8−1、221、好アルカ
リ性アミラーゼ産生菌であるバチルス・エスピーA−4
0−2(ATCC21592)、13、17−1、12
4−1、169、A−59、38−2(CGTas
e)、好アルカリ性セルラーゼ産生菌であるバチルス・
エスピーNo.1139、N−1、N−4、好アルカリ
性キシラナーゼ産生菌であるバチルス・エスピーC−5
9−2(味の素株式会社)、C−125(味の素株式会
社)、好アルカリ性エラスターゼ産生菌であるバチルス
・エスピーYa−B株(FERM BP2017、Tasa
i,Y,C,et al.1983,Biocem,In7,577-583),その他の酵
素産生菌であるバチルス・エスピー17、2b−2、C
−3,Y−76,K−12−5などが使用できる。
【0029】好アルカリ性微生物とは、pH8以上、特
に、pH9〜11の環境で最適に生育する微生物であ
り、中性pHおよびそれ以下では、ほとんど生育しな
い。バチルス属の基準種といわれる枯草菌(バチルス・
サブチルス)は、pH8以上で急激に生育が悪くなり、
本発明で行うpH8.5以上のアルカリ環境では生育し
ないといわれており、同じバチルス属である枯草菌は、
好アルカリ性微生物に該当しない。同様に、日本におい
てバチルス・サブチルスの代表種である納豆菌(バチル
ス・サブチルス・ナットー)も同様である。また、上述
した好アルカリ性微生物は、バチルス・サブチルス種に
含まれるものでない。また、好アルカリ性微生物として
は、シュードモナス属のグラム陰性菌また特開表5−5
01960号のグラム陰性好アルカリ性微生物なども使
用できる。
【0030】特に、本発明では、米糠類または大豆類を
主原料としている。米糠類としては、米糠が好ましく大
豆類としては大豆外皮が好ましい。これらには、有効な
成分が多く含まれているものと本発明者は考えている。
そして、これらには、多量の繊維状高分子(ヘミセルロ
ースおよびセルロース)を含有しており、このヘミセル
ロースおよびセルロースは原料中では強固に結合してい
る。そして、米糠および大豆外皮中の有効成分を思われ
る物もこの繊維状高分子中にとりこまれた状態となって
いるものと考える。そこで、繊維状高分子、特に上記の
セルロースおよびヘミセルロースの結合状態の解除、い
わゆる解繊を行うことにより、確実に米糠類中の成分を
抽出できると考える。このため、好アルカリ性微生物と
して、好アルカリ性セルラーゼ産生菌を少なくとも含有
するものを用いれば、上記の解繊さらには、セルロース
およびヘミセルロースの分解も行え、確実に米糠類中の
成分を抽出できると考える。よって、本発明の好アルカ
リ性微生物は、少なくとも好アルカリ性セルラーゼ産生
菌を含有することが好ましい。また、一次発酵物では、
上述のように、原料に付着あるいは原料(特に繊維状高
分子)を結合していた炭水化物がある程度分解されてい
るので、好アルカリ性微生物が産生する酵素がより確実
に原料中の繊維状高分子に接触し、繊維状高分子をより
確実に分解するものと考える。
【0031】また、多種類の好アルカリ性微生物を用い
ることが好ましい。米糠類および大豆類は、セルロース
およびヘミセルロースなどの繊維状高分子の外、澱粉な
どの炭水化物、タンパク質、脂質などを含んでいる。好
アルカリ性プロテアーゼ産生菌もしくは好アルカリ性エ
ラスターゼ産生菌を用いれば、タンパク質の分解が促進
され、好アルカリ性アミラーゼ産生菌を用いれば炭水化
物の分解が促進され、好アルカリ性セルラーゼ産生菌も
しくは好アルカリ性キシラナーゼ産生菌を用いれば繊維
状高分子の分解が促進される。よって、使用する原料を
考慮して、数種の好アルカリ性微生物の混合物を用いる
ことにより、原料をより効率よく確実に分解発酵させる
ことができる。
【0032】好アルカリ性微生物の好ましい組み合わせ
としては、上記のすべての好アルカリ性微生物の混合物
を用いてもよいが、少なくとも、好アルカリ性プロテア
ーゼ産生菌と好アルカリ性セルラーゼ産生菌の組み合わ
せ、好アルカリ性プロテアーゼ産生菌と好アルカリ性セ
ルラーゼ産生菌と好アルカリ性アミラーゼ産生菌の組み
合わせが好適である。
【0033】耐アルカリ性酵母としては、Picia属
であるPicia pastoris IAM12267、Picia anomala, Pici
a angusta, Hansenula属であり系列1aにク
ラスされる H.beijerinckii(10.0), H.saturnus var.su
bsufficiens(10.0), H.saturnus var.saturnus(10.0),
H.mrakii(10.0), H.dimennae(10.5), H.californica(1
0.5),系列1bにクラスされる H.jadinii(10.5), H.pe
tersonii(10.5), 系列2にクラスされる H.ciferrii(1
0.5), H.anomala var.anomala(10.0)、Williop
sis属であるWilliopsis californica(10.5)、 Willio
psis mrakii(10.0)などが使用できる。なお、括弧内の数
値は生育上限pHである。酵母は上述したような細菌と
は学術的にも区別されている。よって、これら、酵母
は、バチルス・サブチルス種に含まれるものでない。
【0034】耐アルカリ性酵母についても、使用する原
料を考慮して、数種の耐アルカリ性酵母の混合物を用い
ることにより、原料をより効率よく確実に分解発酵させ
ることができる。特に、異なる属の酵母もしくは異なる
クラスの酵母を2種以上選択して用いることが好まし
い。
【0035】また、好アルカリ性微生物と耐アルカリ性
酵母を複合して用いることも好ましい。このように両者
を複合して用いれば、より発酵が良好なものとなる。こ
の場合においても、上述した2種以上の好アルカリ性微
生物および上述した2種以上の耐アルカリ性酵母を複合
して用いることがより好ましい。
【0036】そして、好アルカリ性微生物および耐アル
カリ性酵母さらに上述した乳酸菌は、固定化したものを
用いることが好ましい。固定化したものを用いることに
より、発酵物中に微生物の死骸の存在を少なくでき、ま
た、この死骸に起因した発酵物の粘度上昇も抑制でき、
良好な環境での発酵を行うことができる。また、発酵終
了後、固定化物を取り出すことも容易であり、微生物の
再利用も可能である。
【0037】微生物(酵母)の固定化方法としては、従
来より行われている微生物を高分子マトリックス中に固
定化する包括固定化法、微生物を固定化担体に直接化学
結合する担体結合法、微生物相互間を架橋による不溶を
行う架橋法のいずれでもよい。微生物に対する影響が少
ない包括固定化法が好適である。包括固定化法には、2
種の手法があり、高分子ゲルの細かい格子の中に微生物
を包み込む格子型手法と、微生物を被覆するマイクロカ
プセル型手法があり、どちらでもよい。特に、微生物の
活性化に維持および固定化の容易さより、格子型包括固
定化法が好ましい。そこで、格子型包括固定化法を例に
取り、好アルカリ性微生物および耐アルカリ性酵母の固
定化法を説明する。
【0038】ゲル基材の水溶液(含水ゲル)に固定化す
る好アルカリ性微生物、耐アルカリ性酵母もしくは乳酸
菌を添加する。ゲル基材としては、天然高分子である寒
天、カラギーナン、アルギン酸カルシウム、合成高分子
であるポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポ
リウレタン、光硬化樹脂などが使用される。そして、微
生物を含有する含水ゲルを球状、円柱状、板状などの有
形体に形成する。有形体の形成は、ゲル化剤中に微生物
を含有する含水ゲルを滴下することにより行われる。ま
た、所定形状の容器に上記の含水ゲルを注入し、凍結さ
せることにより有形化を行うことも可能である。ゲル化
剤としは、塩化カリウム、炭酸カリウム、リン酸一カリ
ウム塩、リン酸二カリウム塩などのカリウム塩、塩化カ
ルシウム、酢酸カルシウムなどのカルシウム塩、硫酸ア
ルミニウムなどのアルミニウム塩の水溶液が使用され
る。ゲル化剤中に微生物を含有する含水ゲルを滴下する
ことにより、ほぼ球状のゲル化物が得られる。そして、
このゲル化物を乾燥させて、ゲル化物を多孔質化するこ
とが好ましい。乾燥は、凍結乾燥が好ましい。
【0039】そして、上記のように、アルカリ性領域に
て発酵させることにより、原料が含有している物質を効
率よく抽出できる。米糠類は、有機リン化合物を多く含
有しているといわれている。また、大豆類からは、タン
パク質の分解物であるアミノ酸が抽出される。そして、
発酵により得られるものは、化学的な説明は困難である
が単なる抽出と異なり、独特の風味、まろやかさをもつ
結果物が得られる。これが、発酵行う利点である。
【0040】上述の発酵工程が終了した後、発酵物を固
液分離し、液体分を採取する。固液分離工程は、圧搾に
より大きな固形分を除去した後、濾過器を通過もしくは
遠心分離により固形分を除去する。濾過器としては、ケ
イソウ土濾過器、フィルター濾過器などが使用される。
また、この固液分離工程の前に、酸性液体(例えば、食
用のもの、具体的には、クエン酸、リンゴ酸、食塩酸)
などにより、pHを中性領域に低下させる中和処理を行
ってもよい。
【0041】このようにして得られた発酵抽出液(発酵
液)は、必要により濃縮もしくは希釈される。このよう
にして得られる発酵液は、経口摂取による口臭(例え
ば、アルコール口臭)の除去効果、二日酔い抑制効果を
有する。また、この発酵液は、炊飯時に米に添加してお
くことにより、炊飯された米飯粒の酸化、老化を抑制
し、食味を向上する。また、この発酵液は、各種の食
品、例えば、うどん、ラーメン、そばなどの麺、かまぼ
こ、竹輪などの練り製品などに添加することにより、酸
化防止、鮮度維持効果を発揮する。
【0042】そして、発酵液の使用目的を考慮して、補
助剤を添加してもよい。補助剤としては、サイクロデキ
ルトリン(特に、β−サイクロデキストリン)、オリゴ
糖などが考えられ、これらを添加することにより、経口
摂取による口臭(例えば、アルコール口臭)の除去効
果、二日酔い抑制効果が向上する。また、サポニン(例
えば、大豆サポニン、アマチャズルサポニン)を添加し
てもよい。
【0043】次に、本発明の発酵液の製造方法の実施例
を説明する。以下のようにして、乳酸菌、好アルカリ性
微生物および耐アルカリ酵母の固定化物を作成した。乳
酸菌としては、ラクトバチルス・エスピー、好アルカリ
性微生物としては、好アルカリ性セルラーゼ産生菌であ
るバチルス・エスピーNo.1139(理化学研究
所)、好アルカリ性プロテアーゼ産生菌であるバチルス
・エスピーAH−101(理化学研究所)、好アルカリ
性アミラーゼ産生菌であるバチルス・エスピーA−40
−2(ATCC21592、理化学研究所)、好アルカ
リ性キシラナーゼ産生菌であるバチルス・エスピーC−
59−2(味の素株式会社)、好アルカリ性エラスター
ゼ産生菌であるバチルス・エスピーYa−B株(FER
MBP2017)、耐アルカリ性酵母としては、Picia
anomala(理化学研究所)、H.beijerinckii, H.saturnu
s var.saturnus, H.mrakii, H.californica, H.jadini
i, Williopsis mrakii(理化学研究所), Williopsis cal
ifornica(理化学研究所)を用いた。
【0044】固定化は、以下のようにして行った。ポリ
ビニルアルコール(商品名ポバールHC、クラレ株式会
社)を濃度7%、安定剤としてアルギン酸ナトリウムを
濃度2%含有するように水に添加し溶解させてゲル基材
を作成する。それぞれの微生物および酵母を個々に添加
したゲル化剤を作成した。このゲル化剤を注射器にい
れ、20%塩化カルシウム水溶液中に滴下し、ビーズ状
のゲル化物を作成した。このゲル化物を水洗したのち、
凍結乾燥させて多孔質状の微生物固定化物を作成した。
【0045】(実施例1)脱脂米糠200kg、米胚芽
20kg、脱脂大豆10kg、大豆外皮20kgの混合
物を発酵タンクに投入し、発酵タンクの加熱機構を用い
て、原料を105℃で30分間蒸し殺菌処理した。そし
て、原料を冷却したのち、発酵タンク内に、外気との連
通を抑制した状態で、酸性水溶液(クエン酸、リンゴ
酸)1000kgを添加し、さらに、グルコース1kg
を添加して原料調整物とした。なお、この状態の原料調
整物のpHは約3であった。そして、ラクトバチルス・
エスピーの固定化物20kgを添加した。そして、常温
にて7日間発酵(一次発酵、酸性発酵)させた。そし
て、pH約13に調整したアルカリ水溶液(塩化アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、リン酸1水素トリウムを含
有)を添加し、さらに、ペプトン1kg、グルコース1
kgを添加して原料調整物とした。なお、この状態の原
料調整物のpHは10.5であった。
【0046】そして、バチルス・エスピーNo.113
9の固定化物20kgを添加した。そして、タンクの加
熱機構を用いて35℃に加温して4日間発酵(一時発
酵)させた。4日間発酵後の原料調整物は、pHは約9
に低下していた。この一時発酵物にpH約13に調整し
たアルカリ水溶液(塩化アンモニウム、炭酸ナトリウ
ム、リン酸1水素トリウムを含有)約600lを添加
し、外気との連通を抑制した状態にてタンク内を緩やか
に撹拌した。この状態の原料調整物のpHは約10であ
った。そして、35℃に加温して2日間発酵(二時発
酵)させた。タンク内より発酵物を取り出し、圧搾した
後、フィルター濾過を繰り返して行い透明な液状物(発
酵液)を得た。そして、これを濃縮工程を行い5倍に濃
縮した透明な液状物(発酵液,実施例1)を得た。
【0047】(実施例2)好アルカリ性微生物として、
バチルス・エスピーNo.1139を固定化物10k
g、バチルス・エスピーAH−101の固定化物10k
gを用いた以外は、実施例1と同様に行い透明な液状物
(発酵液、実施例2)を得た。
【0048】(実施例3)好アルカリ性微生物として、
バチルス・エスピーNo.1139を固定化物6kg、
バチルス・エスピーAH−101の固定化物6kg、バ
チルス・エスピーA−40−2の固定化物6kgを用い
た以外は、実施例1と同様に行い透明な液状物(発酵
液、実施例3)を得た。
【0049】(実施例4)実施例1における好アルカリ
性微生物の代わりに、Picia anomalaの固定化物30k
gを用いた以外は、実施例1と同様に行い透明な液状物
(発酵液、実施例4)を得た。
【0050】(実施例5)好アルカリ性微生物として、
バチルス・エスピーNo.1139を固定化物6kg、
バチルス・エスピーAH−101の固定化物6kg、Pi
cia anomalaの固定化物10kg、Williopsis californ
icaの固定化物10kgを用いた以外は、実施例1と同
様に行い透明な液状物(発酵液、実施例5)を得た。
【0051】(実施例6)実施例2の発酵液1lに、β
−サイクロデキストリン20gを添加して発酵調整液
(実施例6)を作成した。
【0052】(実施例7)原料として、脱脂米糠200
kg、米胚芽20kgを用い、好アルカリ性微生物とし
て、バチルス・エスピーNo.1139を固定化物10
kg、バチルス・エスピーAH−101の固定化物10
kgを用いた以外は、実施例1と同様に行い透明な液状
物(発酵液、実施例7)を得た。
【0053】(実施例8)原料として、脱脂米糠200
kg、米胚芽20kgを用い、好アルカリ性微生物の代
わりに、Picia anomalaの固定化物10kg、Williopsi
s californicaの固定化物10kg, Williopsis muraki
iの固定化物10kgを用いた以外は、実施例1と同様
に行い透明な液状物(発酵液、実施例8)を得た。
【0054】(実施例9)原料として、脱脂大豆100
kg、大豆外皮200kgを用い、好アルカリ性微生物
として、バチルス・エスピーNo.1139を固定化物
10kg、バチルス・エスピーAH−101の固定化物
10kgを用いた以外は、実施例1と同様に行い透明な
液状物(発酵液、実施例9)を得た。
【0055】(実施例10)原料として、脱脂大豆10
0kg、大豆外皮200kgを用い、好アルカリ性微生
物の代わりに、Picia anomalaの固定化物10kg、Wil
liopsis californicaの固定化物10kgを用いた以外
は、実施例1と同様に行い透明な液状物(発酵液、実施
例10)を得た。
【0056】[実験] (アルコール口臭除去効果についての実験)上記実施例
6の発酵液10ccを水により20倍に希釈した発酵希
釈液(清涼飲料水)を作成した。被験者10人を、被験
群5人および対照群5人に分け、全員に日本酒100m
lを飲ませた。そして、5分後に被験群5人にのみ上記
の発酵希釈液を飲ませた。そして、アルコール摂取後の
各被験者のアルコール口臭の強度を調べた。その結果、
対照群5人に比べて被験群5人のアルコール口臭は少な
かった。
【0057】(二日酔い抑制効果についての実験)上記
実施例6の発酵液10ccを水により20倍に希釈した
発酵希釈液(清涼飲料水)を作成した。被験者5人に日
本酒400mlを約1時間の目安として摂取させた。な
お、摂取中は他の食品の摂取は行わせなかった。飲酒時
間は、1時間を目安としており、被験者により相違し
た。そして、翌日(アルコール摂取終了後12時間後)
の二日酔いの状態を被験者より聞き取った。上記実験の
二日後に、同一の被験者5人にアルコール摂取の30分
前に、上記発酵希釈液を摂取させ後、日本酒400ml
を約1時間目安として摂取させた。なお、摂取中は他の
食品の摂取は行わせなかった。また、飲酒時間は先日の
飲酒時間とほぼ同一となるように行わせた。翌日(アル
コール摂取終了後12時間後)の二日酔いの状態を被験
者より聞き取った。その結果、飲酒後発行液を摂取した
場合のほうが摂取しない場合に比べて二日酔いを感じた
ものが少なかった。
【0058】
【発明の効果】本発明は、米糠類もしくは大豆類または
米糠類および大豆類を原料として、乳酸菌を用いた酸性
領域での発酵工程と、好アルカリ性微生物および耐アル
カリ性酵母の少なくとも一種を用いたアルカリ性領域で
の発酵工程と、前記両発酵工程を行った後、固液分離し
液体分を採取する食品または飲料添加用発酵液の製造方
法である。本発明では、酸性領域での発酵工程により、
原料の分解および酸性条件での原料含有物の抽出が行
え、アルカリ性発酵工程では、原料の分解およびアルカ
リ性領域での原料含有物の抽出が行えるので、原料から
の含有する有効成分を確実に抽出できる。また、アルカ
リ性発酵では、好アルカリ性微生物もしくは耐アルカリ
性酵母を用いているので、アルカリ性領域での良好な発
酵を行うことができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糠類もしくは大豆類または米糠類およ
    び大豆類を原料として、乳酸菌を用いた酸性領域での発
    酵工程と、好アルカリ性微生物および耐アルカリ性酵母
    の少なくとも一種を用いたアルカリ性領域での発酵工程
    と、前記両発酵工程を行った後、固液分離し液体分を採
    取することを特徴とする食品または飲料添加用発酵液の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 米糠類もしくは大豆類または米糠類およ
    び大豆類をむ原料に乳酸菌を添加して酸性領域にて第1
    の発酵を行い、次いで、pHを8.5以上に調整した
    後、好アルカリ性微生物および耐アルカリ性酵母の少な
    くとも一種を添加して、アルカリ性領域にて第2の発酵
    を行った後、固液分離し液体分を採取することを特徴と
    する食品または飲料添加用発酵液の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ性領域での発酵は、pHを
    8.5以上に維持した状態で所定時間行うものである請
    求項1または2に記載の食品または飲料添加用発酵液の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記好アルカリ性微生物は、好アルカリ
    性バチルス属微生物もしくはグラム陰性好アルカリ性微
    生物である請求項1ないし3のいずれかに記載の食品ま
    たは飲料添加用発酵液の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記好アルカリ性微生物および前記耐ア
    ルカリ性酵母は、固定化されたものである請求項1ない
    し4のいずれか記載の食品または飲料添加用発酵液の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記乳酸菌は、固定化されたものである
    請求項1ないし5のいずれか記載の食品または飲料添加
    用発酵液の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記濾過して得られた液体に、サイクロ
    デキストリンもしくはオリゴ糖を添加する請求項1ない
    し6のいずれかに記載の食品または飲料添加用発酵液の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項1ないし7に記載の製造方法
    により製造されたことを特徴とする食品または飲料添加
    用発酵液。
  9. 【請求項9】 前記請求項8に記載の飲料添加用発酵液
    を含有することを特徴とする二日酔い抑制清涼飲料水。
  10. 【請求項10】 前記請求項8に記載の食品添加用発酵
    液を含有することを特徴とする二日酔い抑制食品。
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