JPH08130991A - 接ぎ木苗養生装置 - Google Patents
接ぎ木苗養生装置Info
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Abstract
る。 【構成】 接ぎ木苗養生装置は、断熱パネル1、空調室
及びダクト部分2、苗収容室3、接ぎ木苗4をセルトレ
イ5に入れて載置する棚6が取り付けられたキャスタ7
を備えた台車8、ダクト部分2のうちの垂直壁20に取
り付けられた多孔板21、開口22、空調された空気を
循環させるためのファン9、蛍光灯10等により構成さ
れている。多孔板21は、棚6とほぼ平行な方向である
矢印A方向に棚6の上方であって接ぎ木苗4の頂部4a
の上方に空調された空気を吹き出す。開口22は、多段
の棚に対応して設けられているそれぞれの多孔板21の
空気吹き出し量よりも多量の空気を吹き出す。 【効果】 温湿度の調整を可能にしつつ、接ぎ木苗の水
分の蒸発を抑制することができる。
Description
させて接ぎ木苗を養生する接ぎ木苗養生装置に関し、特
に接ぎ木苗の水分の蒸散防止技術に関する。
(a)に示す如く、空調室2と苗収容室3との間で上下
ダクトの多孔板21´を介して空調した空気を循環させ
るようにした装置がある。この装置では、垂直壁面の全
体を多孔板21´とし、これから空気を吹き出して装置
内の温湿度を制御するようにしている。しかしながら、
このような装置では、接ぎ木や養土に直接風が当たるた
め、水分の蒸発が早くなり、養生途中で灌水が必要にな
るという問題がある。
ては、同図(b)に示す如く、装置の外郭を二重構造に
し、この中に形成された空間部2´内で空調した風を循
環させることにより、間接的に苗収容室3内の温湿度を
制御するようにした装置がある。しかしながら、この装
置では、苗収容室内が無風になるため、接ぎ木苗や養土
からの水分蒸発量は少なくなるが、室内の温湿度が均一
になりにくい。又、扉を開閉したときのように室内の温
湿度条件が変化した場合には、目的とする温湿度に復帰
するまでに長い時間がかかる。
ける上記問題を解決し、接ぎ木苗を収容する環境の温湿
度の均一性や制御性を低下させることなく、接ぎ木苗及
び養土からの水の蒸発の抑制された接ぎ木苗養生装置を
提供することを課題とする。
するために、請求項1の発明は、空調された空気を循環
させて接ぎ木苗を養生する接ぎ木苗養生装置において、
前記接ぎ木苗を載置する棚と、該棚とほぼ平行な方向に
前記棚の上方であって前記接ぎ木苗の頂部の上方に前記
空調された空気を吹き出す空気吹き出し部と、を有する
ことを特徴とし、請求項2の発明は、空調された空気を
循環させて接ぎ木苗を養生する接ぎ木苗養生装置におい
て、前記接ぎ木苗を載置する棚と、該棚とほぼ平行な方
向に前記棚に向かって全面的に空気を吹き出す空気吹き
出し部と、前記接ぎ木なえの高さ範囲に当たる空気を遮
断する遮断部材と、を有することを特徴とし、請求項3
の発明は、請求項1又は2の発明の特徴に加えて、前記
空気吹き出し部から吹き出す空気量よりも多量の空気を
吹き出す下吹き出し部を前記棚の下方に設けたことを特
徴とする。
棚と、棚にほぼ平行な方向に棚の上方であって接ぎ木苗
のほぼ頂部の上方に空調された空気を吹き出す空気吹き
出し部とを設けるので、棚に接ぎ木苗を載置し、空気吹
き出し部から空気を吹き出したときに、接ぎ木苗及び養
土に直接当たる空気量が少なくなる。即ち、吹き出され
た空気は循環されるので、その大部分は吹き出し側から
反対側に向かって棚に平行に流れる。吹き出された空気
の一部分は接ぎ木苗や養土の方向に向かい、接ぎ木苗や
養土の部分でも空気の流れを発生させる。しかし、この
流れは上部の主流より遅い流速になる。その結果、接ぎ
木苗や養土部分では、水分の蒸発が抑制され、且つ、空
気流れがあるため温湿度は均一になり、又その制御性も
良くなる。
する棚とほぼ平行な方向に棚に向かって全面的に空気を
吹き出す空気吹き出し部と、接ぎ木なえの高さ範囲に当
たる空気を遮断する遮断部材とを設けたので、全面的に
吹き出した空気のうち接ぎ木苗に向かう空気は遮断部材
で遮断され、方向転換して上方に向かい、始めからこの
方向に吹き出した空気と合流し、これらが主流となって
接ぎ木苗の上方を通過する。その結果、接ぎ木苗及びそ
の養土部分に向かう空気は少なくなり、これらからの水
分の蒸発が防止される。
から吹き出す空気量よりも多量の空気を吹き出す下吹き
出し部を棚の下方に設けたので、空気吹き出し部から吹
き出す空気量を少なくしても、下吹き出し部から吹き出
す空気量が多いために温湿度の制御に必要な循環空気量
を確保することができる。そして、このように空気吹き
出し部から吹き出す風量を少なくすれば、接ぎ木苗の上
部を流れる空気量が少なくなるので、その空気が接ぎ木
苗の方向に流れる量も少なくなり、接ぎ木苗の水分の蒸
発は一層少なくなる。
部分の構成を示し、図2は装置全体の構造を示す。接ぎ
木苗養生装置は、本体を形成する断熱パネル1、その内
部で仕切られた周縁部になっている空調室及びダクト部
分2、その内側の苗収容室3、接ぎ木苗4をセルトレイ
5に入れて載置する棚6が取り付けられたキャスタ7を
備えた台車8、ダクト部分2のうちの垂直壁20に取り
付けられた空気吹き出し部としての多孔板21、下吹き
出し部としての開口22、空調された空気を循環させる
ためのファン9、蛍光灯10等により構成されている。
空調室及びダクト部分2内には、クーリングコイル2
4、加熱器25、加湿器26、温度センサ27、湿度セ
ンサ28等が配設されている。又、苗収容室3の正面に
は扉11及び制御盤12が設けられ、天井には冷凍機ユ
ニット13が設けられている。
る矢印A方向に棚6の上方であって接ぎ木苗4の頂部4
aの上方に空調された空気を吹き出す。即ち、多孔板2
1には、大きな通気抵抗を有する開口面積の小さい穴が
多数開けられているので、断面積が大きく流速の遅い垂
直ダクト2a内の空気は多孔板21からほぼ水平方向に
吹き出す。この空気吹き出し部は、空気をほぼ水平方向
に吹き出させる装置であれば、ガイド板等であってもよ
い。
ているそれぞれの多孔板21の空気吹き出し量よりも多
量の空気を吹き出すような適当な大きさのものである。
棚6が複数段である場合には、開口22は最下段の棚の
下に設けられるので、流速を速くしたり流量を多くして
も、その風は接ぎ木苗に殆ど影響を与えない。従って、
この部分には多孔板のような抵抗体を介在させず、単な
る開口にしている。この部分の流量は、循環空気の温湿
度の制御に必要な風量が得られるように定められる。
実験では、図1に示すような装置において、垂直壁20
を全面的に多孔板とし、これを棚6の下から上に順次閉
鎖し、全開、1/3閉、1/2閉及び全閉の各実験条件
を作り、時間の経過に対する接ぎ木苗の水分蒸散量を測
定した。又、養土付近及び苗付近の風速も測定した。こ
の場合、接ぎ木苗としては茄子接ぎ木苗を用い、サンプ
ル苗は棚中央部で風の吹き出し側のものとした。
を1/2閉にし、風を苗の上方に吹き出すようにする
と、養土及び苗付近の風速は0.03m/s程度にな
り、水の蒸散が大幅に抑制されることが分かった。その
結果、図3において横線で示すように、灌水を必要とす
る限界の水分蒸発量を苗4本当たり27gとすると、1
/2閉又は全閉では、72時間(3日間)灌水しなくて
も養生を完了できた。
に設けた多孔板21からほぼ水平方向に風を吹き出し、
養土付近及び苗付近の風速が0.1m/s以下になるよ
うに空気を吹き出すことが望ましい。一方、開口22部
分では、吹き出し空気の流速を大きくし、必要な循環空
気量を確保する。
る。全ての棚に接ぎ木苗を搭載した台車を収容室3内に
搬入し、冷凍機ユニット13、クーリングコイル24、
加熱器25、加湿器26、ファン10等を運転し、空調
された空気を垂直ダクト2aの多孔板21及び開口22
から吹き出させる。この空気は、接ぎ木苗や養土部分で
例えば0.1m/sの流速になるように、多孔板21の
位置や開口率を設計すると共に風量等を調整しておく。
このように空気が吹き出されると、空気は図1で矢印に
示すように循環し、温度センサ27及び湿度センサ28
(図2)で循環空気の温湿度が検出され、制御盤12に
より諸機器が自動制御され、苗収容室3内が目的とする
温湿度に制御される。このような運転によれば、接ぎ木
苗の水分の蒸発が少なく、その養生が完了するまでの3
日間に一度も灌水する必要がなくなる。又、室内の温湿
度も均一且つ良好に維持される。
図1の装置に較べて、棚とほぼ平行な方向に棚に向かっ
て全面的に空気を吹き出す空気吹き出し部として、垂直
ダクト2aを全面多孔板21´とし、セルトレイ5に入
れられた接ぎ木苗4とほぼ同じ高さの遮断部材である風
防6aを棚6に設け、これらで空気吹き出し部を形成さ
せている。このようにすれば、苗及び養土部分に直接風
が当たらないので、これらからの水分の蒸発が防止され
る。なお、図において2点鎖線で示す如く、風の流れ方
向の後流側に風防6aを追加してもよい。
たが、棚が固定されている場合でも本発明を適用できる
ことはいうまでもない。棚の段数も自由に選定できる。
又、本実施例では空気循環系が室の両側から空気を吹き
出し中央から吸い込む方式であるが、この反対に中央か
ら吹き出し両側から吸い込むような装置であってもよ
い。更に、空調室や試験室を形成する断熱パネル1等で
形成される本体部は、可搬式又は組立式のものでもよい
し、固定設備であってもよい。
発明においては、循環空気を棚にほぼ平行に接ぎ木苗の
上方に吹き出すことにより、温湿度の調整を可能にしつ
つ、接ぎ木苗の水分の蒸発を抑制することができる。請
求項2の発明においては、全面的に吹き出す吹き出し部
に対して接ぎ木苗部分に遮蔽部材を設けることにより、
接ぎ木苗及び養土部分に流れる空気を大幅に低減し、こ
れらからの水分の蒸発を防止することができる。請求項
3の発明においては、請求項1又は2の発明の効果に加
えて、棚の下方から多量の空気を吹き出すことにより、
接ぎ木苗の上方から吹き出す空気量を更に少なくするこ
とができ、接ぎ木苗の水分の蒸発を一層少なくすること
ができる。
分の構成を示す説明図で、(b)はセルトレイの形状を
示す説明図である。
断面図で(b)は(a)のb−b線矢視図である。
である。
構成を示す説明図である。
説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 空調された空気を循環させて接ぎ木苗を
養生する接ぎ木苗養生装置において、 前記接ぎ木苗を載置する棚と、該棚とほぼ平行な方向に
前記棚の上方であって前記接ぎ木苗の頂部の上方に前記
空調された空気を吹き出す空気吹き出し部と、を有する
ことを特徴とする接ぎ木苗養生装置。 - 【請求項2】 空調された空気を循環させて接ぎ木苗を
養生する接ぎ木苗養生装置において、 前記接ぎ木苗を載置する棚と、該棚とほぼ平行な方向に
前記棚に向かって全面的に空気を吹き出す空気吹き出し
部と、前記接ぎ木なえの高さ範囲に当たる空気を遮断す
る遮断部材と、を有することを特徴とする接ぎ木苗養生
装置。 - 【請求項3】 前記空気吹き出し部から吹き出す空気量
よりも多量の空気を吹き出す下吹き出し部を前記棚の下
方に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の接
ぎ木苗養生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6298918A JP2931532B2 (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 接ぎ木苗養生装置 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08130991A true JPH08130991A (ja) | 1996-05-28 |
JP2931532B2 JP2931532B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=17865868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6298918A Expired - Lifetime JP2931532B2 (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 接ぎ木苗養生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2931532B2 (ja) |
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- 1994-11-07 JP JP6298918A patent/JP2931532B2/ja not_active Expired - Lifetime
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