JPH08130424A - 高効率電力増幅回路 - Google Patents

高効率電力増幅回路

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JPH08130424A
JPH08130424A JP26772494A JP26772494A JPH08130424A JP H08130424 A JPH08130424 A JP H08130424A JP 26772494 A JP26772494 A JP 26772494A JP 26772494 A JP26772494 A JP 26772494A JP H08130424 A JPH08130424 A JP H08130424A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランジスタ素子近傍のインピーダンスを低
下させることなく、第2次高調波短絡、第3次高調波開
放の条件を満足させる高効率増幅回路の提供。 【構成】 トランジスタ2のエミッタは接地、そのベー
スに高周波信号が入力される。トランジスタ2の出力端
子6にはインピーダンス整合回路(整合線路31)3を
介して伝送路7が接続されている。整合線路31は、こ
の基本波の波長λに対してλ/4の長さし、トランジス
タ2の素子インピーダンスをZT 、伝送路7のインピー
ダンスをZ0 とすると、Za ≒(ZT ・Z0 1/2 とな
る特性インピーダンスを持たせてある。接続点8とアー
ス電極との間に直列共振回路51 ,52 を接続してい
る。直列共振回路51 ,52 は二次三次の高調波に共振
し、基本波には大きなリアクタンスとなる。この整合線
路31と直列共振回路51 ,5 2 とで第2次高調波短
絡、第3次高調波開放の条件を満足させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高効率電力増幅回路に
係わり、特に高調波を除去できるようにした高効率増幅
回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、増幅回路の電力効率を向上させ
ることは、システム構築上において非常に重要なことで
ある。特に、電池を電源とする携帯装置や、衛星あるい
は宇宙通信装置であっては、電力効率を向上させること
の重要性は顕著である。
【0003】ところで、トランジスタをB級バイアスに
して増幅回路を構成したときに、トランジスタの出力電
流には、基本波以外に偶数次高調波成分しか存在しない
ことは周知のとおりである。そこで、このような増幅回
路であって、電圧波形に偶数次高調波成分を含ませない
ようにし、奇数次高調波成分のみを含ませるようにする
と、高調波における電力損失が起こらずに、高効率化で
きることが従来知られている。具体的には、トランジス
タの出力端子であって、偶数次高調波における負荷イン
ピーダンスを零となるようにしてやれば(例えば、特開
平1−279612号公報参照)、電圧の偶数次高調波
成分は必然的に存在しないことになる。
【0004】また、奇数次高調波高調波のインピーダン
スを無限大として電圧成分を存在させても、もともとの
奇数次の電流成分は存在しないので問題はない。
【0005】上記した点を考慮して結果、トランジスタ
増幅回路のインピーダンス整合の条件は、基本波に対し
て整合させ、奇数次高調波に対して開放とさせ、偶数次
高調波に対して短絡とさせるようにすることが、高効率
化に有効である。
【0006】このような原理に基づいて、特開昭64−
44611号公報に記載されているような高効率増幅回
路が従来使用されていた。この高効率電力増幅回路の一
例を図4に示す回路図を用いて説明する。
【0007】図4であって、トランジスタ101は、そ
のエミッタが接地されており、そのベースには例えばB
級バイアスが印加されるとともに高周波信号が入力され
ている。また、トランジスタ101の出力端子102に
は、線路103が接続されている。この線路103は、
基本波の波長をλとすると、基本波対して8分の1波長
(λ/8)の線路となる。したがって、トランジスタ1
01の出力端子102に線路103を接続したときに
は、第2高調波に対して先端開放の4分の1波長(λ/
4)線路となる。このため、第2高調波短絡が実現され
る。
【0008】しかしながら、基本波における先端開放8
分の1波長線路103は容量性スタブとなるため、トラ
ンジスタ101の出力インピーダンスは、トランジスタ
本来の値より、さらに低下する。このため、基本波整合
回路105を設けることにより、このように低下した出
力インピーダンスを、伝送路105の特性インピーダン
スZoに整合させている。
【0009】
【課題を解決するための手段】したがって、従来の高効
率電力増幅回路に使用する高出力トランジスタでは、電
流容量を大きくとるために、微小素子を多数並列させて
構成されているので、トランジスタ素子のインピーダン
スは非常に低いものとなる。このような低インピーダン
スな高出力トランジスタに対して、さらにキャパシタを
付加すると、一層低インピーダンス化され、整合回路に
よる損失増大を招くばかりか、広帯域整合を行うことが
できないという欠点があった。
【0010】本発明の目的は、トランジスタ素子近傍の
インピーダンスを低下させることなく、第2次高調波短
絡、第3次高調波開放の条件を満足させる高効率増幅回
路を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、トランジスタ
素子近傍のインピーダンスを低下させることなく、任意
のn次高調波までを完全に高効率動作条件を満たす高効
率電力増幅回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に係る高効率電力増幅回路は、
所定の特性インピーダンスの伝送路に高出力トランジス
タから出力を供給できるようにした高効率電力増幅回路
であって、高出力トランジスタの出力端子がインピーダ
ンス整合回路を介して伝送路に接続されており、このイ
ンピーダンス整合回路および伝送路の接続点とアース電
極との間に複数の直列共振器を接続し、各直列共振器
は、2次以上の高調波の一つに対して共振し、かつ基本
周波数に対しては伝送路の所定の特性インピーダンスよ
り十分大きいリアクタンスとなるようにしたことを特徴
とするものである。
【0013】請求項2記載の発明では、各直列共振回路
は、インダクタンスLn(ただし、n=1,2,3,
…)とキャパシタンスCn(ただし、n=1,2,3,
…)とを直列接続してなり、基本周波数f0 とすると、 (n+1)f0 =1/{2π(LnCn)1/2 } を満足でき、かつ2πf0 Lnが伝送路の特性インピー
ダンスより十分大きくなることを満足できるように、イ
ンダクタンスLnおよびキャパシタンスCnの値をそれ
ぞれ設定したことを特徴とするものである。
【0014】請求項3記載の発明では、インピーダンス
整合回路は、伝送路の特性インピーダンスと高出力トラ
ンジスタの素子インピーダンスのかけた値と、この整合
回路の特性インピーダンスの自乗値とが等しくなる特性
インピーダンスを持ち、かつ基本周波数に対して4分の
1波長の長さとなるような整合線路から構成したことを
特徴とするものである。
【0015】上記目的を達成するために、請求項4記載
の発明に係る高効率電力増幅回路は、所定の特性インピ
ーダンスの伝送路に高出力トランジスタから出力を供給
できるようにした高効率電力増幅回路であって、高出力
トランジスタの出力端子がインピーダンス整合回路を介
して伝送路に接続されており、このインピーダンス整合
回路および伝送路の接続点とアース電極との間に複数の
直列共振器を接続し、各直列共振器は、インダクタンス
Ln(ただし、n=1,2,3,…)とキャパシタンス
Cn(ただし、n=1,2,3,…)とを直列接続して
なり、基本周波数f0 とすると、 (n+1)f0 =1/{2π(LnCn)1/2 } を満足でき、かつ2πf0 Lnが伝送路の特性インピー
ダンスより十分大きくなることを満足できるように、イ
ンダクタンスLnおよびキャパシタンスCnの値をそれ
ぞれ設定したことを特徴とするものである。
【0016】上記目的を達成するために、請求項5記載
の発明に係る高効率電力増幅回路は、所定の特性インピ
ーダンスの伝送路に高出力トランジスタから出 力を供
給できるようにした高効率電力増幅回路であって、高出
力トランジスタの出力端子が、伝送路の特性インピーダ
ンスと高出力トランジスタの素子インピーダンスのかけ
た値と、当該回路の特性インピーダンスの自乗値とが等
しくなる特性インピーダンスを持ち、かつ基本周波数に
対して4分の1波長の長さとなるような整合線路を介し
て伝送路に接続されており、この整合線路および伝送路
の接続点とアース電極との間に複数の直列共振器を接続
し、各直列共振器は、インダクタンスLn(ただし、n
=1,2,3,…)とキャパシタンスCn(ただし、n
=1,2,3,…)とを直列接続してなり、基本周波数
0 とすると、 (n+1)f0 =1/{2π(LnCn)1/2 } を満足でき、かつ2πf0 Lnが伝送路の特性インピー
ダンスより十分大きくなることを満足できるように、イ
ンダクタンスLnおよびキャパシタンスCnの値をそれ
ぞれ設定したことを特徴とするものである。
【0017】したがって、このように構成された本発明
では、例えばインピーダンス整合回路および伝送路の接
続点とアース電極との間に複数の直列共振器が接続され
ているので、この接続点から見たインピーダンスは、2
次高調波,3次好調波,4次高調波,…に対して零とな
る。また、これら直列共振器は、基本波に対して伝送路
の特性インピーダンスより十分に大きな値となる。さら
に、高出力トランジスタの出力端子から見たインピーダ
ンスは、インピーダンス整合回路の作用により、2次高
調波,4次高調波,…に対して短絡状態になり、3次高
調波,5次高調波,…に対して開放状態になるようにな
っている。これにより、電力損失を抑えて、高効率な増
幅回路を実現できる。
【0018】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明に係る高効率電力増幅回路
の実施例を示す回路図である。この図に示す高効率電力
増幅回路1は、トランジスタ2と、インピーダンス整合
回路3と、複数の共振回路51 ,52 とを備え、次のよ
うに構成されている。トランジスタ2のエミッタは接地
されており、またトランジスタ2のベースには、図示し
ないが、高周波信号が入力されるとともに、例えばB級
バイアスが印加されるようになっている。トランジスタ
2のコレクタ(出力端子)6には、インピーダンス整合
回路3を介して伝送路7が接続されている。このインピ
ーダンス整合回路3は、図1に示すように、整合線路3
1からなる。すなわち、整合線路31は、基本波f0
波長をλとすると、この基本波の波長λに対して4分の
1波長(λ/4)の長さをしており、かつその特性イン
ピーダンスZa は、トランジスタの素子インピーダンス
をZT とし、伝送路7のインピーダンスをZ0 (=50
〔Ω〕)とすると、Za ≒(ZT ・Z0 1/2 となるよ
うになっている。したがって、インピーダンス整合回路
3の接続状態は、整合線路31の一端32にトランジス
タ2の出力端子6を接続し、また整合線路31の他端3
3に伝送路7を接続することにより実現している。この
インピーダンス整合回路3、すなわち整合線路31の他
端33と伝送路7の接続点8には、集中定数回路の直列
共振回路51,52 の一端が接続されている。また、こ
れら直列共振回路51 ,52 の他端はアース電極に接続
されている。
【0020】第1共振回路51 は、インダクタンスL1
と、コンデンサC1 とを直列接続して構成したものであ
り、基本周波数f0 と、インダクタンスL1 およびコン
デンサC1 との間に、次の数式1のような関係が満足さ
れるようなパラメータを選択している。
【数1】
【0021】第2共振回路52 は、インダクタンスL2
と、コンデンサC2 とを直列接続して構成されており、
基本周波数f0 と、インダクタンスL2 およびコンデン
サC 2 ときの間に、次の数式2のような関係が満足され
るようなパラメータを選択している。
【数2】
【0022】また、インダクタンスL1 は、
【数3】 を満足するようなパラメータが選択されている。
【0023】さらに、インダクタンスL2 は、
【数4】 を満足するようなパラメータが選択されている。
【0024】このように構成されているので、二次高調
波(2f0 )、三次高調波(3f0)においては、接続
点8のインピーダンスは零〔Ω〕になる。
【0025】また、基本波(f0 )に対して4分の1波
長(λ/4)となっているインピーダンス整合回路3の
作用により、トランジスタ2の出力端子6から負荷側を
見たインピーダンスZL は、二次高調波(2f0 )にあ
っては短絡となり、三次高調波(3f0 )にあっては開
放となることになる。
【0026】さらに、2つの共振回路51 ,52 のイン
ピーダンスは、数式3,4からも分かるように、基本波
(f0 )に対して十分に大きくなるので、無視してもよ
い。
【0027】トランジスタ2の基本波における出力イン
ピーダンスZT は、4分の1波長の整合回路31(イン
ピーダンス整合回路3)によって、50〔Ω〕にインピ
ーダンス変換されている。
【0028】図2は、図1の高効率増幅回路の具体的構
成例を示す構成図である。
【0029】図2に示すように、例えば30〔μm〕厚
の半絶縁性GaAsチップ11の上に、1〔W〕級高出
力ヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)素子12を
形成させてある。このHBT素子12の出力側には、特
性インピーダンスが13〔Ω〕であって、かつ長さが例
えば26〔GHz〕において4分の1波長となる整合線路
31を設けてある。HBT素子12の入力側には、特性
インピーダンスが7〔Ω〕であって、かつ例えば26
〔GHz〕において4分の1波長となる整合線路13が設
けられている。
【0030】整合線路31の他端33は、ボンディング
線14により、例えば0.25〔mm〕厚のアルミナ基
板15上に設けられて出力回路を構成する伝送路7の一
端に接続されている。この伝送路7とボンディング線1
4との接続点(接続点8)は、ボンデング線51を介し
てMIMキャパシタ52に接続されている。このボンデ
ング線51がインダクタンスL1 を構成し、かつMIM
キャパシタ52がコンデンサC1 を構成する。これらが
直列接続されて第1共振回路51 となっており、第1共
振回路51 は、2次高調波(2f0 )に共振するように
なっている。また、伝送路7とボンディング線14のと
接続点(接続点8)は、ボンデング線53を介してMI
Mキャ0 シタ54に接続されている。このボンデング線
53がインピーダンスL2 を構成し、MIMキャ0 シタ
54がコンデンサC2 を構成している。これらが直列接
続されて第2共振回路52 が得られることになり、この
第2共振回路52 は、3次高調波(3f0 )に共振する
ようになっている。
【0031】そして、例えば26〔GHz〕帯において
は、インダクタンスL1 、L2 ともにリアクタンスは2
00〔Ω〕以上となり、基本波(f0 )に大きな影響を
与えないことが分かる。
【0032】なお、整合線路13の他端は、ボンディン
グ線16により、例えば0.25〔mm〕厚のアルミナ
基板17上に設けられて入力回路を構成する伝送路18
の一端に接続されている。
【0033】図1に示す高効率電力増幅回路1は、前述
したように各部品を配置することにより実現されること
になる。
【0034】図3は、本発明の他の実施例を示す回路図
である。
【0035】図3に示す高効率電力増幅回路1aは、接
続点8とアース電極との間に、第1直列共振回路51
第2直列共振回路52 ,第3直列共振回路53 ,…,第
n直列共振回路5n を接続した点に特徴があり、他の構
成は図1のものと全く同一である。したがって、図1の
実施例と同一構成要素には同一の符号を付して説明を省
略する。
【0036】また、第1直列共振回路51 はインダクタ
ンスL1 とキャパシタンスC1 とを直列接続して構成さ
れている。第2直列共振回路52 はインダクタンスL2
とキャパシタンスC2 とを直列接続して構成されてい
る。第3直列共振回路53 はインダクタンスL3 とキャ
パシタンスC3 とを直列接続して構成されており、この
ように次々に構成してゆく。最後に、第n共振回路はイ
ンダクタンスLn とキャパシタンスCn とを直列接続し
て構成している。
【0037】このように構成された高効率電力増幅回路
1aによれば、接続点8におけるインピーダンスは、2
次以上の高調波(2f0 ,3f0 ,4f0 ,5f0
…,nf0 )に対して、零〔Ω〕となり、かつ各インダ
クタンスL1 ,L2 ,L3 ,…,Ln の基本波に対する
リアクタンス(2πf0 1 ,2πf0 2 ,2πf0
3 ,…, 2πf0 n )は、伝送路7の特性インピー
ダンスZ0 (=50〔Ω〕)より十分大きく設定されて
いるため、基本波f0 の整合に対して影響を与えないこ
とになる。
【0038】さらに、説明すると、インダクタンスLn
とキャパシタンスCn との直列共振回路のインピーダン
スZ(ω)は、ωn =1/(Ln n 1/2 とすると、
数式5に示すようになる。
【数5】
【0039】ここで、共振点近傍ω≒ωn におけるイン
ピーダンスZ(ω)ついて考えると、例えば(ω+
ωn )/(ωn ω)≒Z/ωと近似し、さらに、ω−ω
n =Δω n =2πΔfn とおくと、インピーダンスZ
(ω)は数式6のようになる。
【数6】
【0040】したがって、この数式6からも分かるよう
に、共振点においてはインピーダンスZ(ω)=0とな
り、かつ共振点をずれればずれるほどインピーダンスZ
(ω)の値が大きくなる。
【0041】具体的に数値を入れて検討してみると、共
振周波数(ω0 )とωが一致しているときには、ω=ω
0 =2πf0 とし、ωn =2π×2f0 とすると、ω−
ωn=−2πf0 となるから、インピーダンスZ
(ω0 )=−j4πf0 n となることが分かる。
【0042】さらに、ω=ω0 =2πf0 とし、ωn
2π×3f0 とすると、ω−ωn =−4πf0 となるか
ら、インピーダンスZ(ω)=−j8πf0 n とな
る。このように|Z(ω)|≫50〔Ω〕を保つために
は、2πf0 n が50〔Ω〕より十分に大きければよ
いことが、目安であることが分かる。
【0043】したがって、各実施例によると、トランジ
スタの出力端子をインピーダンス整合回路を介して伝送
路に接続し、かつインピーダンス接合回路と伝送路の接
続点と、アース電極との間に、複数の直列共振回路を接
続し、これら直列共振回路で二次以上の高調波を除去
し、かつ直列共振回路のインピーダンスが基本波に対し
て十分大きな値を保つようにしてあるので、不用なトラ
ンジスタの低インピーダンス化をさけることができ、導
体損失を減らすことができる。
【0044】また、各実施例によれば、トランジスタの
出力端子から見て、二次高調波で短絡、三次高調波で開
放となるように直列共振回路およびインピーダンス整合
回路のパラメータを選定するようにしたので、高効率動
作が実現できる。
【0045】さらに、各実施例によれば、二次高調波、
三次高調波に限らず、任意にn次の高調波まで完全に高
効率動作条件を満たす高効率増幅回路を実現できる。
【0046】加えて、各実施例を具体化する場合には、
GaAsモノリシックIC(集積回路)により基本波整
合回路までを構成し、各直列共振回路ならびに50
〔Ω〕伝送線路をアルミナ基板上に構成することも可能
で、微調整の難しいモノリシックIC構成の欠点を補う
回路構成の実現が可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明では、トランジスタの出力端子が接続されるインピー
ダンス整合回路および伝送路の接続点とアース電極との
間に複数の直列共振器を接続し、各直列共振器は、2次
以上の高調波の一つに対して共振し、かつ基本周波数に
対しては伝送路の所定の特性インピーダンスより十分大
きいリアクタンスとなるようにしたので、不用なトラン
ジスタの低インピーダンス化をさけることができ、導体
損失を減らすことができる。
【0048】また、請求項1記載の発明では、トランジ
スタの出力端子から見たインピーダンスを、インピーダ
ンス整合回路と複数の直列共振回路との作用により特定
の関係に保てるようにしたので、高効率動作が実現でき
る。
【0049】請求項2記載の発明では、各直列共振回路
は、インダクタンスとキャパシタンスとを直列接続して
なり、二次以上の高調波の一つに共振し、かつインダク
タンスのリアクタンスが伝送路の特性インピーダンスよ
り十分大きくなるようにしてあるので、各高調波に対し
ては短絡状態になり、かつ基本波に対しては十分大きな
インピーダンスとなり、高調波を除去できるとともに、
基本波に減衰を招かない。
【0050】請求項3記載の発明では、インピーダンス
整合回路は、伝送路の特性インピーダンスと高出力トラ
ンジスタの素子インピーダンスのかけた値と、この整合
回路の特性インピーダンスの自乗値とが所定の関係にな
るようにしてあり、かつ基本周波数に対して4分の1波
長の長さとなる整合線路から構成したので、各直列共振
回路との作用により、トランジスタの出力端子から見た
インピーダンスを各高調波に対して所定の値にすること
ができる。
【0051】請求項4記載の発明によれば、高出力トラ
ンジスタの出力端子がインピーダンス整合回路を介して
伝送路に接続されており、このインピーダンス整合回路
および伝送路の接続点とアース電極との間に複数の直列
共振器を接続し、各直列共振器は、インダクタンスとキ
ャパシタンスとを直列接続してなり、これらと高調波と
の間に特定の関係が満足できるようにし、かつインダク
タンスのリアクタンスが伝送路の特性インピーダンスよ
り十分大きくなるようにしたので、不用なトランジスタ
の低インピーダンス化をさけることができ、導体損失を
減らすことができるとともに、高効率動作を実現でき
る。
【0052】請求項5記載の発明によれば、高出力トラ
ンジスタの出力端子がインピーダンス整合回路を介して
伝送路に接続されており、このインピーダンス整合回路
および伝送路の接続点とアース電極との間に複数の直列
共振器を接続し、各直列共振器は、インダクタンスとキ
ャパシタンスとを直列接続してなり、これらと高調波と
の間に特定の関係が満足できるようにし、かつインダク
タンスのリアクタンスが伝送路の特性インピーダンスよ
り十分大きくなるようにし、しかも、伝送路の特性イン
ピーダンスと高出力トランジスタの素子インピーダンス
のかけた値と、当該回路の特性インピーダンスの自乗値
とを特定の関係を満足するようにし、かつ基本周波数に
対して4分の1波長の長さとなるような整合線路として
あるので、電力損失を抑えて、高効率な増幅回路を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高効率電力増幅回路の実施例を示
す回路図である。
【図2】同実施例の実装例を示す説明図である。
【図3】同他の実施例を示す回路図である。
【図4】従来の高効率電力増幅回路を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1 高効率電力増幅回路 2 トランジスタ 3 インピーダンス整合回路 51 、52 、53 〜5n 直列共振回路 6 出力端子 7 伝送路 8 接続点 L1 、L2 、L3 〜Ln インダクタンス C1 、C2 、C3 〜Cn キャパシタンス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の特性インピーダンスの伝送路に高
    出力トランジスタから出力を供給できるようにした高効
    率電力増幅回路であって、 前記高出力トランジスタの出力端子がインピーダンス整
    合回路を介して前記伝送路に接続されており、このイン
    ピーダンス整合回路および伝送路の接続点とアース電極
    との間に複数の直列共振器を接続し、 前記各直列共振器は、2次以上の高調波の一つに対して
    共振し、かつ基本周波数に対しては前記伝送路の所定の
    特性インピーダンスより十分大きいリアクタンスとなる
    ようにしたことを特徴とする高効率電力増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記各直列共振回路は、インダクタンス
    Ln(ただし、n=1,2,3,…)とキャパシタンス
    Cn(ただし、n=1,2,3,…)とを直列接続して
    なり、基本周波数f0 とすると、 (n+1)f0 =1/{2π(LnCn)1/2 } を満足でき、かつ2πf0 Lnが前記伝送路の特性イン
    ピーダンスより十分大きくなることを満足できるよう
    に、インダクタンスLnおよびキャパシタンスCnの値
    をそれぞれ設定したことを特徴とする請求項1記載の高
    効率電力増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記インピーダンス整合回路は、伝送路
    の特性インピーダンスと前記高出力トランジスタの素子
    インピーダンスのかけた値と、当該回路の特性インピー
    ダンスの自乗値とが等しくなる特性インピーダンスを持
    ち、かつ基本周波数に対して4分の1波長の長さとなる
    ような整合線路から構成したことを特徴とする請求項1
    記載の高効率電力増幅回路。
  4. 【請求項4】 所定の特性インピーダンスの伝送路に高
    出力トランジスタから出力を供給できるようにした高効
    率電力増幅回路であって、 前記高出力トランジスタの出力端子がインピーダンス整
    合回路を介して前記伝送路に接続されており、このイン
    ピーダンス整合回路および伝送路の接続点とアース電極
    との間に複数の直列共振器を接続し、 前記各直列共振器は、インダクタンスLn(ただし、n
    =1,2,3,…)とキャパシタンスCn(ただし、n
    =1,2,3,…)とを直列接続してなり、基本周波数
    0 とすると、 (n+1)f0 =1/{2π(LnCn)1/2 } を満足でき、かつ2πf0 Lnが前記伝送路の特性イン
    ピーダンスより十分大きくなることを満足できるよう
    に、インダクタンスLnおよびキャパシタンスCnの値
    をそれぞれ設定したことを特徴とする高効率電力増幅回
    路。
  5. 【請求項5】 所定の特性インピーダンスの伝送路に高
    出力トランジスタから出力を供給できるようにした高効
    率電力増幅回路であって、 前記高出力トランジスタの出力端子が、伝送路の特性イ
    ンピーダンスと前記高出力トランジスタの素子インピー
    ダンスのかけた値と、当該回路の特性インピーダンスの
    自乗値とが等しくなる特性インピーダンスを持ち、かつ
    基本周波数に対して4分の1波長の長さとなるような整
    合線路を介して前記伝送路に接続されており、この整合
    線路および伝送路の接続点とアース電極との間に複数の
    直列共振器を接続し、 前記各直列共振器は、インダクタンスLn(ただし、n
    =1,2,3,…)とキャパシタンスCn(ただし、n
    =1,2,3,…)とを直列接続してなり、基本周波数
    0 とすると、 (n+1)f0 =1/{2π(LnCn)1/2 } を満足でき、かつ2πf0 Lnが前記伝送路の特性イン
    ピーダンスより十分大きくなることを満足できるよう
    に、インダクタンスLnおよびキャパシタンスCnの値
    をそれぞれ設定したことを特徴とする高効率電力増幅回
    路。前記伝送路の特性インピーダンスと前記高出力トラ
    ンジスタの素子インピーダンスのかけた値と、当該回路
    の特性インピーダンスの自乗値とが等しくなる特性イン
    ピーダンスを持ち、かつ基本周波数に対して4分の1波
    長の長さとなるような整合線路から構成したことを特徴
    とする高効率電力増幅回路。
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KR100487708B1 (ko) * 2002-11-08 2005-05-03 한국전자통신연구원 마이크로스트립 하이브리드를 이용한 고주파 대역용이득조절증폭기
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